JPH0517785A - 重油の低温安定性向上剤及びこれが添加された重油組成物 - Google Patents
重油の低温安定性向上剤及びこれが添加された重油組成物Info
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- JPH0517785A JPH0517785A JP20144891A JP20144891A JPH0517785A JP H0517785 A JPH0517785 A JP H0517785A JP 20144891 A JP20144891 A JP 20144891A JP 20144891 A JP20144891 A JP 20144891A JP H0517785 A JPH0517785 A JP H0517785A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 重油の通油性および貯蔵安定性を改善するた
めの低温安定性向上剤を提供すること。 【構成】 (A)分子鎖中に>C=N<結合および/ま
たは>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C
=N+<結合を有する重合体、(B)分子鎖に周期律表
第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重合
体、および(C)分子鎖に周期律表第IVA族または第
IVB族の半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=N
<結合および/または>C=N+<結合を有する重合体
からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含む
重油の低温安定性向上剤。重油に、該低温安定性向上剤
を添加してなる重油組成物。
めの低温安定性向上剤を提供すること。 【構成】 (A)分子鎖中に>C=N<結合および/ま
たは>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C
=N+<結合を有する重合体、(B)分子鎖に周期律表
第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重合
体、および(C)分子鎖に周期律表第IVA族または第
IVB族の半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=N
<結合および/または>C=N+<結合を有する重合体
からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含む
重油の低温安定性向上剤。重油に、該低温安定性向上剤
を添加してなる重油組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重油、特にA重油、B
重油、C重油等の石油燃料油の低温安定性向上剤に関
し、さらに詳しくは、重質油の熱分解油や接触分解油等
の分解系基油およびビスブロークン残渣油等の減圧蒸留
残渣油等の保存安定性の悪い基材を使用した重油の低温
における燃料ストレーナー通油性と長期安定性を改善す
るための低温安定性向上剤に関する。また、本発明は、
重油に低温安定性向上剤を添加した重油組成物に関す
る。
重油、C重油等の石油燃料油の低温安定性向上剤に関
し、さらに詳しくは、重質油の熱分解油や接触分解油等
の分解系基油およびビスブロークン残渣油等の減圧蒸留
残渣油等の保存安定性の悪い基材を使用した重油の低温
における燃料ストレーナー通油性と長期安定性を改善す
るための低温安定性向上剤に関する。また、本発明は、
重油に低温安定性向上剤を添加した重油組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】重油は、工業用ボイラー、加熱炉、その
他の燃料油として使用されている石油であり、一般に、
原油を蒸留して得られる重質の残油を材源として生産さ
れている。重油は、石油蒸留残渣油と石油留出油とを製
品規格に応じて適宜調合して製品化されており、慣用的
にA重油、B重油およびC重油に分類されるが、これら
はJIS規格の1種、2種および3種にそれぞれ該当す
る(JISK−2250)。
他の燃料油として使用されている石油であり、一般に、
原油を蒸留して得られる重質の残油を材源として生産さ
れている。重油は、石油蒸留残渣油と石油留出油とを製
品規格に応じて適宜調合して製品化されており、慣用的
にA重油、B重油およびC重油に分類されるが、これら
はJIS規格の1種、2種および3種にそれぞれ該当す
る(JISK−2250)。
【0003】従来、A重油などの重油を温水加熱ボイラ
ー、ビニールハウスの温風暖房機、自家用発電機用ディ
ーゼルエンジン、漁船等の船舶用ディーゼルエンジン等
の燃料油として使用すると、自然条件下に冷却され低温
になった重油からワックスが析出し、その結晶が成長す
る。ワックスの結晶が成長すると、ボイラーやエンジン
の送油パイプ、燃料ストレーナーなどを閉塞して、燃料
の供給を妨げたり、不能にしたりする。特に、冬季寒冷
地においては、このような通油性の阻害がしばしば起こ
る。
ー、ビニールハウスの温風暖房機、自家用発電機用ディ
ーゼルエンジン、漁船等の船舶用ディーゼルエンジン等
の燃料油として使用すると、自然条件下に冷却され低温
になった重油からワックスが析出し、その結晶が成長す
る。ワックスの結晶が成長すると、ボイラーやエンジン
の送油パイプ、燃料ストレーナーなどを閉塞して、燃料
の供給を妨げたり、不能にしたりする。特に、冬季寒冷
地においては、このような通油性の阻害がしばしば起こ
る。
【0004】低温下での通油性のトラブルを防止するこ
とは、この分野において強く求められており、現在まで
に数多くの流動性改良剤(フローインプルバー)と、こ
れらの流動性改良剤を添加した燃料組成物が開発され、
商業的に使用されている。
とは、この分野において強く求められており、現在まで
に数多くの流動性改良剤(フローインプルバー)と、こ
れらの流動性改良剤を添加した燃料組成物が開発され、
商業的に使用されている。
【0005】現在、流動性改良剤としては、アルキルナ
フタレンポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、分岐ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アルケニルサクシンアミド、オレフィンと無水マレ
イン酸共重合体のポリアミド化合物、およびこれらの2
種以上の混合物などが知られている。
フタレンポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、分岐ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アルケニルサクシンアミド、オレフィンと無水マレ
イン酸共重合体のポリアミド化合物、およびこれらの2
種以上の混合物などが知られている。
【0006】これらの流動性改良剤は、一般に、重油が
低温にさらされた時に、該改質剤自身がワックスに吸着
し、もしくはワックスと共晶を形成して、ワックス結晶
の形状、大きさおよび表面状態を制御する作用を有し、
これによって低温における重油の流動性を改良しようと
するものである。
低温にさらされた時に、該改質剤自身がワックスに吸着
し、もしくはワックスと共晶を形成して、ワックス結晶
の形状、大きさおよび表面状態を制御する作用を有し、
これによって低温における重油の流動性を改良しようと
するものである。
【0007】一方、ガソリンの需要量の増加に伴い原油
からより多くの中間留分を得るために、近年、石油業界
では、常圧蒸留の深絞りや流動接触分解装置、あるいは
熱分解装置や水素化分解装置等の二次設備を用いること
が一般的となった。
からより多くの中間留分を得るために、近年、石油業界
では、常圧蒸留の深絞りや流動接触分解装置、あるいは
熱分解装置や水素化分解装置等の二次設備を用いること
が一般的となった。
【0008】これに伴い残渣油を利用している重油、特
にA重油は、残渣油の重質化とライトサイクルオイル
(LCO)の混入により、低温における貯蔵安定性や燃
料ストレーナーの通油性などの低下が従来以上に問題と
なってきた。この理由は、重油の基材として分解系基材
の使用量が高まり、特にA重油に含まれている残渣油の
アスファルテン分が多くなる一方、軽油中での安定性を
高めていた樹脂分(マルテン)が減少し、マルテン中に
ミセルを形成して分散しているアスファルテンが低温時
に析出してくるためと考えられる。また、流動性改良剤
としての効果を有する残渣油が析出するため、ワックス
分による流動性低下作用も大きくなる。
にA重油は、残渣油の重質化とライトサイクルオイル
(LCO)の混入により、低温における貯蔵安定性や燃
料ストレーナーの通油性などの低下が従来以上に問題と
なってきた。この理由は、重油の基材として分解系基材
の使用量が高まり、特にA重油に含まれている残渣油の
アスファルテン分が多くなる一方、軽油中での安定性を
高めていた樹脂分(マルテン)が減少し、マルテン中に
ミセルを形成して分散しているアスファルテンが低温時
に析出してくるためと考えられる。また、流動性改良剤
としての効果を有する残渣油が析出するため、ワックス
分による流動性低下作用も大きくなる。
【0009】これらの問題の対策として、エチレン・酢
酸ビニル共重合体とアルキルナフタレンポリマーとの混
合物と、石油蒸留残渣油との組み合わせによる重油の低
温における燃料ストレーナーの通油性の改善方法が提案
されているが(特開昭63−234091号)、この方
法では、低温における残渣油自体の凝集による析出につ
いての改善効果は充分であるとはいえない。
酸ビニル共重合体とアルキルナフタレンポリマーとの混
合物と、石油蒸留残渣油との組み合わせによる重油の低
温における燃料ストレーナーの通油性の改善方法が提案
されているが(特開昭63−234091号)、この方
法では、低温における残渣油自体の凝集による析出につ
いての改善効果は充分であるとはいえない。
【0010】また、重油調製時または後処理として、1
70℃の高温で油溶性アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属化合物を添加することにより、残渣油中のアスフ
ァルテンスラッジの発生を防止する方法が提案されてい
るが(特開昭1−279995号)、この方法は、低温
における安定性改善効果は満足できるものではなく、し
かもエネルギーの損失も多く、実用性に乏しい。
70℃の高温で油溶性アルカリ金属もしくはアルカリ土
類金属化合物を添加することにより、残渣油中のアスフ
ァルテンスラッジの発生を防止する方法が提案されてい
るが(特開昭1−279995号)、この方法は、低温
における安定性改善効果は満足できるものではなく、し
かもエネルギーの損失も多く、実用性に乏しい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重油
の通油性および貯蔵安定性を改善するための低温安定性
向上剤を提供することにある。本発明のより具体的な目
的は、分解系基材を用いた重油における蒸留残渣油中の
アスファルテン分が石油留出油中で凝集して析出するの
を防止し、実用上の低温における燃料ストレーナー通油
性および貯蔵安定性(長期安定性)を改善させる重油の
低温安定性向上剤、および該低温安定性向上剤を含有せ
しめた低温安定性の向上した重油組成物を提供すること
にある。
の通油性および貯蔵安定性を改善するための低温安定性
向上剤を提供することにある。本発明のより具体的な目
的は、分解系基材を用いた重油における蒸留残渣油中の
アスファルテン分が石油留出油中で凝集して析出するの
を防止し、実用上の低温における燃料ストレーナー通油
性および貯蔵安定性(長期安定性)を改善させる重油の
低温安定性向上剤、および該低温安定性向上剤を含有せ
しめた低温安定性の向上した重油組成物を提供すること
にある。
【0012】本発明者らは、前記従来技術の有する問題
点を解決すべく鋭意研究を行なった結果、アスファルテ
ン分に含まれる極性基(−COOH、>C=O、−O
H、−NO2等)と相互作用可能な官能基を重合体鎖中
に導入した特定の変性重合体を重油に添加すると、優れ
た低温安定性向上効果を発揮することを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
点を解決すべく鋭意研究を行なった結果、アスファルテ
ン分に含まれる極性基(−COOH、>C=O、−O
H、−NO2等)と相互作用可能な官能基を重合体鎖中
に導入した特定の変性重合体を重油に添加すると、優れ
た低温安定性向上効果を発揮することを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0013】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(A)分子鎖中に>C=N<結合および/または>
C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C=N+<
結合を有する重合体、(B)分子鎖に周期律表第IVA
族または第IVB族の半金属が結合した重合体、および
(C)分子鎖に周期律表第IVA族または第IVB族の
半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=N<結合およ
び/または>C=N+<結合を有する重合体からなる群
より選ばれる少なくとも1種の重合体を含むことを特徴
とする重油の低温安定性向上剤が提供される。また、本
発明によれば、重油に、該低温安定性向上剤を添加して
なる重油組成物が提供される。
ば、(A)分子鎖中に>C=N<結合および/または>
C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C=N+<
結合を有する重合体、(B)分子鎖に周期律表第IVA
族または第IVB族の半金属が結合した重合体、および
(C)分子鎖に周期律表第IVA族または第IVB族の
半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=N<結合およ
び/または>C=N+<結合を有する重合体からなる群
より選ばれる少なくとも1種の重合体を含むことを特徴
とする重油の低温安定性向上剤が提供される。また、本
発明によれば、重油に、該低温安定性向上剤を添加して
なる重油組成物が提供される。
【0014】以下、本発明について詳述する。
(重油)本発明における重油は、石油蒸留残渣油と石油
留出油とを製品規格に応じて適宜調合したものであり、
慣用的にA重油、B重油およびC重油に分類され、それ
ぞれJIS K−2205の1種、2種および3種にそ
れぞれ該当するものを含む。一般に、A重油は残渣油の
量が0.05〜2%、B重油は残渣油の量が40〜60
%、C重油は留出油の量が5〜30%である(いずれも
重油に対する容量%)。なお、留出油として接触分解軽
油、間接脱硫分解軽油、水素化分解軽油等の重質油の分
解油が含まれている重油は、本発明の低温流動性向上剤
の効果が顕著である。
留出油とを製品規格に応じて適宜調合したものであり、
慣用的にA重油、B重油およびC重油に分類され、それ
ぞれJIS K−2205の1種、2種および3種にそ
れぞれ該当するものを含む。一般に、A重油は残渣油の
量が0.05〜2%、B重油は残渣油の量が40〜60
%、C重油は留出油の量が5〜30%である(いずれも
重油に対する容量%)。なお、留出油として接触分解軽
油、間接脱硫分解軽油、水素化分解軽油等の重質油の分
解油が含まれている重油は、本発明の低温流動性向上剤
の効果が顕著である。
【0015】石油蒸留残渣油
本発明に使用される石油蒸留残渣油とは、石油精製プロ
セスにおいて、蒸留塔の底部より抜き出される重質油を
総称し、留出油と対比される。残渣油は、具体的には常
圧蒸留残渣油、減圧蒸留残渣油、分解残渣油等に区別で
きる。
セスにおいて、蒸留塔の底部より抜き出される重質油を
総称し、留出油と対比される。残渣油は、具体的には常
圧蒸留残渣油、減圧蒸留残渣油、分解残渣油等に区別で
きる。
【0016】常圧蒸留残渣油は、原油を常圧蒸留装置で
蒸留し、装置底部に残った沸点400℃以上の重質ボト
ム油であり、通称ロングレシデューと呼ばれている。
蒸留し、装置底部に残った沸点400℃以上の重質ボト
ム油であり、通称ロングレシデューと呼ばれている。
【0017】減圧残渣油は、この常圧残渣油を減圧下、
例えば、圧力5〜50mmHgの減圧蒸留装置で蒸留し
て得られる装置底部に残った超重質ボトム油であり、通
称ショートレシデューと呼ばれている。
例えば、圧力5〜50mmHgの減圧蒸留装置で蒸留し
て得られる装置底部に残った超重質ボトム油であり、通
称ショートレシデューと呼ばれている。
【0018】常圧蒸留残渣油あるいは減圧蒸留残渣油を
触媒存在下で水素と反応させて得られる直接脱硫常圧残
渣油または直接脱硫減圧残渣油も使用できる。
触媒存在下で水素と反応させて得られる直接脱硫常圧残
渣油または直接脱硫減圧残渣油も使用できる。
【0019】分解残渣油としては、常圧蒸留残渣油また
は減圧蒸留残渣油を反応温度400〜500℃、圧力5
〜30kgf/cm2条件下で熱分解して得られる熱分
解油の蒸留残渣油;モリブデン、ニッケル、タングステ
ン、バナジウム、コバルトなどの触媒の存在下、反応温
度400〜500℃、圧力約60〜200kgf/cm
2条件下で水素化分解して得られる水素化分解油の蒸留
残渣油;活性白土、シリカアルミナ、ゼオライトなどの
触媒の存在下反応温度約400〜600℃で接触分解し
て得られる接触分解油の蒸留残渣油;などが挙げられ
る。
は減圧蒸留残渣油を反応温度400〜500℃、圧力5
〜30kgf/cm2条件下で熱分解して得られる熱分
解油の蒸留残渣油;モリブデン、ニッケル、タングステ
ン、バナジウム、コバルトなどの触媒の存在下、反応温
度400〜500℃、圧力約60〜200kgf/cm
2条件下で水素化分解して得られる水素化分解油の蒸留
残渣油;活性白土、シリカアルミナ、ゼオライトなどの
触媒の存在下反応温度約400〜600℃で接触分解し
て得られる接触分解油の蒸留残渣油;などが挙げられ
る。
【0020】その他、プロパン、灯油(ケロセン)、フ
ルフラール等の溶剤によって減圧蒸留残渣油から抽出し
た残渣油も使用される。これらの残渣油は、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。本発明の低温安定性向上
剤は、2種以上の異なった残渣油の混合物に添加した場
合に、特に効果がある。
ルフラール等の溶剤によって減圧蒸留残渣油から抽出し
た残渣油も使用される。これらの残渣油は、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。本発明の低温安定性向上
剤は、2種以上の異なった残渣油の混合物に添加した場
合に、特に効果がある。
【0021】石油蒸留残残渣油は、アスファルテン分が
1.0重量%以上、好ましくは1.0〜20重量%、あ
るいは残留炭素分が4.0重量%以上、好ましくは5.
0〜30重量%含有するものが望ましい。
1.0重量%以上、好ましくは1.0〜20重量%、あ
るいは残留炭素分が4.0重量%以上、好ましくは5.
0〜30重量%含有するものが望ましい。
【0022】これらの残渣油の組成は、原油の種類や蒸
留塔の操作条件などにより一定ではないが、大別する
と、アスファルテン分、樹脂分(マルテン分)および油
分より構成されている。アスファルテン分は、通常、マ
ルテン層と呼ばれる樹脂分中に分散し、これらは一種の
コロイド(ゲル)状の構造を形成している。
留塔の操作条件などにより一定ではないが、大別する
と、アスファルテン分、樹脂分(マルテン分)および油
分より構成されている。アスファルテン分は、通常、マ
ルテン層と呼ばれる樹脂分中に分散し、これらは一種の
コロイド(ゲル)状の構造を形成している。
【0023】石油留出油
本発明でいう石油留出油とは、常圧蒸留装置あるいは減
圧蒸留装置から得られる留分、あるいはこれを分解また
は改質して得られる沸点が常圧で150〜450℃の炭
化水素である。具体的には、例えば、灯油、軽油、重質
軽油などの直留系留分、接触分解軽油、間接脱硫分解軽
油、水素化分解軽油などの沸点200℃以上の重質油の
分解油、その他、接触脱ろう重質軽油、接触脱ろう減圧
軽油などが挙げられる。
圧蒸留装置から得られる留分、あるいはこれを分解また
は改質して得られる沸点が常圧で150〜450℃の炭
化水素である。具体的には、例えば、灯油、軽油、重質
軽油などの直留系留分、接触分解軽油、間接脱硫分解軽
油、水素化分解軽油などの沸点200℃以上の重質油の
分解油、その他、接触脱ろう重質軽油、接触脱ろう減圧
軽油などが挙げられる。
【0024】(低温流動性向上剤)本発明では、流動性
向上剤として、分子鎖中に>C=N<結合および/また
は>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C=
N+<結合を有する重合体(「重合体A」と略記)、分
子鎖(分子鎖末端および/または分子鎖中)に周期律表
第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重合体
(「重合体B」と略記)、および分子鎖(分子鎖末端お
よび/または分子鎖中)に周期律表第IVA族または第
IVB族の半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=N
<結合および/または>C=N+<結合を有する重合体
(「重合体C」と略記)から選ばれる少なくとも1種の
変成重合体を使用する。
向上剤として、分子鎖中に>C=N<結合および/また
は>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C=
N+<結合を有する重合体(「重合体A」と略記)、分
子鎖(分子鎖末端および/または分子鎖中)に周期律表
第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重合体
(「重合体B」と略記)、および分子鎖(分子鎖末端お
よび/または分子鎖中)に周期律表第IVA族または第
IVB族の半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=N
<結合および/または>C=N+<結合を有する重合体
(「重合体C」と略記)から選ばれる少なくとも1種の
変成重合体を使用する。
【0025】これらの変成重合体は、本質的に石油留出
油に溶解する重合体であり、具体的には、−10℃から
160℃の温度領域で石油留出油に溶解するものであ
る。このような重合体としては、直留系留出油では主と
して直鎖・分岐状炭化水素系高分子が好ましく、分解系
留出油では芳香族成分が多くなるため脂環族・芳香族炭
化水素系高分子が好ましい。
油に溶解する重合体であり、具体的には、−10℃から
160℃の温度領域で石油留出油に溶解するものであ
る。このような重合体としては、直留系留出油では主と
して直鎖・分岐状炭化水素系高分子が好ましく、分解系
留出油では芳香族成分が多くなるため脂環族・芳香族炭
化水素系高分子が好ましい。
【0026】また、前記の各結合、官能基は、重合体1
分子中に1〜10個程度含まれているのが好ましい。重
合体の分子量も特に制限はなく、オリゴマーから数十万
の高分子量重合体まで含まれる。さらに、要すれば、本
発明の変性重合体は、炭素−炭素不飽和結合を水素化し
て使用することもできる。
分子中に1〜10個程度含まれているのが好ましい。重
合体の分子量も特に制限はなく、オリゴマーから数十万
の高分子量重合体まで含まれる。さらに、要すれば、本
発明の変性重合体は、炭素−炭素不飽和結合を水素化し
て使用することもできる。
【0027】本発明の低温安定性向上剤は、残渣油中の
アスファルテン分に含まれる極性基(−COOH、−C
OOR、>C=O等のカルボニル基;−OH、−N
O2、−SO3Hなどの酸性基)にアンカーリングする官
能基を有する。特に、ビスブロークン残渣油のように二
次設備を用いて得られた残渣油は、マルテン層が減少し
ているため、マルテン層を形成している樹脂質分に相溶
する高分子鎖のみの重合体ではアンカーリング効果が小
さい。そこで、残渣油中のアスファルテン分に含まれる
極性基と相互作用する官能基を含む重合体を用いること
によりアンカーリング効果を大きくすることができ、重
油の低温安定化効果も顕著となる。
アスファルテン分に含まれる極性基(−COOH、−C
OOR、>C=O等のカルボニル基;−OH、−N
O2、−SO3Hなどの酸性基)にアンカーリングする官
能基を有する。特に、ビスブロークン残渣油のように二
次設備を用いて得られた残渣油は、マルテン層が減少し
ているため、マルテン層を形成している樹脂質分に相溶
する高分子鎖のみの重合体ではアンカーリング効果が小
さい。そこで、残渣油中のアスファルテン分に含まれる
極性基と相互作用する官能基を含む重合体を用いること
によりアンカーリング効果を大きくすることができ、重
油の低温安定化効果も顕著となる。
【0028】重合体A
重合体Aは、分子鎖中に>C=N<結合および/または
>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C=N+
<結合を有する重合体であるが、これらの結合は、以下
に説明する高分子反応により分子鎖に導入されたもので
あり、これらの結合を有する単量体を用いた重合体では
ない。
>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に>C=N+
<結合を有する重合体であるが、これらの結合は、以下
に説明する高分子反応により分子鎖に導入されたもので
あり、これらの結合を有する単量体を用いた重合体では
ない。
【0029】重合体Aの出発重合体としては、1,3−
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジ
エンなどの共役ジエン、またはエチレン、プロピレンや
α−オレフィンなどのオレフィン系モノマーの単独重合
体、あるいはこれらのモノマーとスチレンやビニルトル
エンなどの芳香族ビニル化合物との共重合体等が挙げら
れる。
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジ
エンなどの共役ジエン、またはエチレン、プロピレンや
α−オレフィンなどのオレフィン系モノマーの単独重合
体、あるいはこれらのモノマーとスチレンやビニルトル
エンなどの芳香族ビニル化合物との共重合体等が挙げら
れる。
【0030】好ましい具体例としては、例えば、スチレ
ン−ブタジエン共重合体(ランダム共重合体またはA−
B型、A−B−A型、B−A−B型等のブロック共重合
体;ただし、Aはポリスチレン鎖、Bはポリブタジエン
鎖を示す。)、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、スチレンーピペリレン共重合体、ビニルナフタレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−ブタジエングラフト共重合体
(くし型も含まれる)、アセナフチレン−ブタジエン共
重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン等のジエン系重合体が挙げられ
る。
ン−ブタジエン共重合体(ランダム共重合体またはA−
B型、A−B−A型、B−A−B型等のブロック共重合
体;ただし、Aはポリスチレン鎖、Bはポリブタジエン
鎖を示す。)、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、スチレンーピペリレン共重合体、ビニルナフタレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレンブロッ
ク共重合体、スチレン−ブタジエングラフト共重合体
(くし型も含まれる)、アセナフチレン−ブタジエン共
重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン等のジエン系重合体が挙げられ
る。
【0031】これらの出発重合体に対して、通常は、先
ず、分子鎖末端に>C=N+<結合を導入し、次いで分
子鎖中に>C=N<結合および/または>C=N+<結
合を導入する。
ず、分子鎖末端に>C=N+<結合を導入し、次いで分
子鎖中に>C=N<結合および/または>C=N+<結
合を導入する。
【0032】(1)分子鎖末端に>C=N+<結合を導
入する方法としては、次のような方法を挙げることがで
きる。 重合活性末端、すなわちアルカリ金属やアルカリ土類金
属が結合した重合体と で示される結合(式中のXは酸素または硫黄原子)を有
する化合物、N−置換アミノ(チオ)アルデヒド、N−
置換アミノ(チオ)ケトン等とを反応させ、反応生成物
を加水分解することによって製造することができる(特
開昭58−162604号、特開昭60−137913
号など参照)。
入する方法としては、次のような方法を挙げることがで
きる。 重合活性末端、すなわちアルカリ金属やアルカリ土類金
属が結合した重合体と で示される結合(式中のXは酸素または硫黄原子)を有
する化合物、N−置換アミノ(チオ)アルデヒド、N−
置換アミノ(チオ)ケトン等とを反応させ、反応生成物
を加水分解することによって製造することができる(特
開昭58−162604号、特開昭60−137913
号など参照)。
【0033】この方法で使用されるアニオンリビング重
合体は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属
基材触媒等のアニオン重合触媒により重合可能な単量体
を重合して得られる分子鎖の少なくとも一端に前記金属
が結合した重合体(オリゴマーから高分子量重合体を含
む)である。また、後反応(付加反応)により前記金属
を付加させた重合体を用いることもできる。
合体は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属
基材触媒等のアニオン重合触媒により重合可能な単量体
を重合して得られる分子鎖の少なくとも一端に前記金属
が結合した重合体(オリゴマーから高分子量重合体を含
む)である。また、後反応(付加反応)により前記金属
を付加させた重合体を用いることもできる。
【0034】重合および付加反応に使用される金属基材
触媒は、特に制限されず、従来からアニオン重合に使用
されている触媒が使用できる。アルカリ金属基材触媒と
しては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム
などの炭素数2〜20個の有機リチウム化合物が挙げら
れ、アルカリ土類金属基材触媒としては、バリウム、ス
トロンチウム、カルシウム等の化合物を主成分とする触
媒系が挙げられるが、これらに限定されない。
触媒は、特に制限されず、従来からアニオン重合に使用
されている触媒が使用できる。アルカリ金属基材触媒と
しては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム
などの炭素数2〜20個の有機リチウム化合物が挙げら
れ、アルカリ土類金属基材触媒としては、バリウム、ス
トロンチウム、カルシウム等の化合物を主成分とする触
媒系が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】また、重合反応およびアルカリ金属および
/またはアルカリ土類金属付加反応は、従来からアニオ
ン重合で使用されている炭化水素溶剤またはテトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどの金属
基材触媒を分解しない溶剤中で行なわれる。
/またはアルカリ土類金属付加反応は、従来からアニオ
ン重合で使用されている炭化水素溶剤またはテトラヒド
ロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどの金属
基材触媒を分解しない溶剤中で行なわれる。
【0036】金属基材触媒の使用量は、通常、単量体1
00g当り0.1〜200ミリモルの範囲である。ま
た、付加反応における金属基材触媒の使用量は、付加す
べき該金属の量によって相違はするが、通常、重合体1
00g当り0.1〜10ミリモル程度である。
00g当り0.1〜200ミリモルの範囲である。ま
た、付加反応における金属基材触媒の使用量は、付加す
べき該金属の量によって相違はするが、通常、重合体1
00g当り0.1〜10ミリモル程度である。
【0037】重合は、通常、ランダマイザイーおよびビ
ニル化剤として、エーテル化合物、アミン化合物、ホス
フィン化合物等の極性化合物の存在下に行なわれる。ま
た、これらの極性化合物は、付加反応の際にも通常使用
される。重合および付加反応の条件は、常法にしたがえ
ばよく、特に限定されない。
ニル化剤として、エーテル化合物、アミン化合物、ホス
フィン化合物等の極性化合物の存在下に行なわれる。ま
た、これらの極性化合物は、付加反応の際にも通常使用
される。重合および付加反応の条件は、常法にしたがえ
ばよく、特に限定されない。
【0038】アルカリ金属やアルカリ土類金属が結合し
た重合体と反応させるのに使用する有機化合物は、以下
の通りである。
た重合体と反応させるのに使用する有機化合物は、以下
の通りである。
【0039】
する化合物としては、N−メチル−β−プロピオラクタ
ム、N−メチル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2
−ピペリドン、N−メチル−ε−カプトラクタム、N−
フェニル−ω−ラウリロラクタム等のN−置換ラクタム
類およびこれらの対応のチオラクタム類;1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレ
ン尿素等のN−置換環状尿素類および対応のN−置換環
状チオ尿素類などが挙げられる(特開昭60−1379
13号参照)。
ム、N−メチル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2
−ピペリドン、N−メチル−ε−カプトラクタム、N−
フェニル−ω−ラウリロラクタム等のN−置換ラクタム
類およびこれらの対応のチオラクタム類;1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレ
ン尿素等のN−置換環状尿素類および対応のN−置換環
状チオ尿素類などが挙げられる(特開昭60−1379
13号参照)。
【0040】また、他の有機化合物としては、4,4′
−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のN−置換
アミノケトン類および対応のN−置換アミノチオケトン
類;4−ジメチルアミノベンズアルデヒド等のN−置換
アミノアルデヒド類および対応のN−置換アミノチオア
ルデヒド類が挙げられる(特開昭58−162604
号)。
−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のN−置換
アミノケトン類および対応のN−置換アミノチオケトン
類;4−ジメチルアミノベンズアルデヒド等のN−置換
アミノアルデヒド類および対応のN−置換アミノチオア
ルデヒド類が挙げられる(特開昭58−162604
号)。
【0041】これらの有機化合物の使用量は、重合体に
結合している該金属1モル当り通常0.05〜10モル
である。リビングアニオン重合体等と有機化合物との反
応は両者を溶解する溶媒の溶液中で行なわれる。反応は
迅速に起るので、反応温度および反応時間は広範囲に選
択できるが、一般的には室温ないし100℃、数秒ない
さい数時間である。反応終了後、反応生成物を加水分
解、例えば反応混合物にメタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコールを凝固剤として添加する方法、反
応混合物をスチームストリッピングに付すること等によ
って、分子鎖末端に>C=N+<結合を有する原子団を
有する重合体を得ることができる。
結合している該金属1モル当り通常0.05〜10モル
である。リビングアニオン重合体等と有機化合物との反
応は両者を溶解する溶媒の溶液中で行なわれる。反応は
迅速に起るので、反応温度および反応時間は広範囲に選
択できるが、一般的には室温ないし100℃、数秒ない
さい数時間である。反応終了後、反応生成物を加水分
解、例えば反応混合物にメタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコールを凝固剤として添加する方法、反
応混合物をスチームストリッピングに付すること等によ
って、分子鎖末端に>C=N+<結合を有する原子団を
有する重合体を得ることができる。
【0042】(2)分子鎖中に>C=N<結合および/
または>C=N+<結合を導入する方法としては、次の
ような方法が挙げられる。 (i)分子鎖中に炭素−炭素不飽和結合を有する重合体
に、ルイス酸の存在下で、一般式 R1−CH=N−R2 (式中のR1、R2は有機原子団を
表わす) で示される有機化合物(I)と有機酸ハライドを反応せ
しめる方法がある(特開昭61−225202号)。
または>C=N+<結合を導入する方法としては、次の
ような方法が挙げられる。 (i)分子鎖中に炭素−炭素不飽和結合を有する重合体
に、ルイス酸の存在下で、一般式 R1−CH=N−R2 (式中のR1、R2は有機原子団を
表わす) で示される有機化合物(I)と有機酸ハライドを反応せ
しめる方法がある(特開昭61−225202号)。
【0043】有機化合物(I)としては、例えば、ベン
ジリデンアニリン、ベンジリデンブチルアミン、ベンジ
リデンオクチルアミンなどが、また、有機酸ハライドと
しては、例えば、アセチルクロライド、ベンゾイルクロ
ライドなどが挙げられる。ルイス酸としては、例えば、
BF3、BF3O(C2H5)2、AlCl3、TiCl4、
SnCl4、SbCl5、AgBF4などが挙げられる。
ジリデンアニリン、ベンジリデンブチルアミン、ベンジ
リデンオクチルアミンなどが、また、有機酸ハライドと
しては、例えば、アセチルクロライド、ベンゾイルクロ
ライドなどが挙げられる。ルイス酸としては、例えば、
BF3、BF3O(C2H5)2、AlCl3、TiCl4、
SnCl4、SbCl5、AgBF4などが挙げられる。
【0044】反応条件等は、特に限定されないが、通
常、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性溶
剤中、20〜80℃で、1〜2時間程度反応させる。有
機化合物(I)および有機酸ハライドは、通常、重合体
100重量部当りそれぞれ0.1〜30重量部程度であ
る。
常、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性溶
剤中、20〜80℃で、1〜2時間程度反応させる。有
機化合物(I)および有機酸ハライドは、通常、重合体
100重量部当りそれぞれ0.1〜30重量部程度であ
る。
【0045】(ii)分子鎖中に炭素−炭素不飽和結合
を有する重合体に、フリーデルクラフツ触媒の存在下、
N−ヒドロキシメチルアミド化合物(N−メチロール化
合物)を反応せしめ、要すれば更にアルキルハライドや
p−トルエンスルホン酸メチル等を反応せしめてN−ア
ルキル化をはかる方法がある〔例えば、C.Giord
anoらのSYNTHESIS,92(1971)〕。
を有する重合体に、フリーデルクラフツ触媒の存在下、
N−ヒドロキシメチルアミド化合物(N−メチロール化
合物)を反応せしめ、要すれば更にアルキルハライドや
p−トルエンスルホン酸メチル等を反応せしめてN−ア
ルキル化をはかる方法がある〔例えば、C.Giord
anoらのSYNTHESIS,92(1971)〕。
【0046】N−ヒドロキシメチルアミド化合物は、ア
ミド化合物とアルデヒド化合物との反応物である。アル
デヒド化合物としては、ホルマリン、ブチロアルデヒ
ド、バレロアルデヒド、ベンズアルデヒドなど脂肪族、
芳香族アルデヒド等が用いられる。アミド化合物として
は、アセトアミド、ベンズアミド、メトキシベンズアミ
ド、ニトロベンズアミド、N−メチルベンズアミド、ブ
チロアミド、フタルアミド酸、グルタル酸アミド等が挙
げられる。また、N−メチロールアクリルアミドモノマ
ーを一成分とする共重合体等もN−ヒドロキシメチルア
ミド化合物として用いられる。
ミド化合物とアルデヒド化合物との反応物である。アル
デヒド化合物としては、ホルマリン、ブチロアルデヒ
ド、バレロアルデヒド、ベンズアルデヒドなど脂肪族、
芳香族アルデヒド等が用いられる。アミド化合物として
は、アセトアミド、ベンズアミド、メトキシベンズアミ
ド、ニトロベンズアミド、N−メチルベンズアミド、ブ
チロアミド、フタルアミド酸、グルタル酸アミド等が挙
げられる。また、N−メチロールアクリルアミドモノマ
ーを一成分とする共重合体等もN−ヒドロキシメチルア
ミド化合物として用いられる。
【0047】アルキル化剤としては、ベンジルブロマイ
ド、ベンジルクロライド、ブロモヘキサン、ブロモプロ
パン、クロロペンタン等のアルキルハライド、クロロメ
チルエーテル、ジメチル硫酸やp−トルエンスルホン酸
メチル等が主として用いられる。
ド、ベンジルクロライド、ブロモヘキサン、ブロモプロ
パン、クロロペンタン等のアルキルハライド、クロロメ
チルエーテル、ジメチル硫酸やp−トルエンスルホン酸
メチル等が主として用いられる。
【0048】フリーデルクラフツ触媒としては、例え
ば、BF3、BF3O(C2H5)2、BCl3、AlC
l3、TiCl4、SnCl4、FeCl3、WCl6、P
OCl、(C2H5)2AlClなどの金属または半金属
のハロゲン化物であって、一般に知られているものが使
用可能である。
ば、BF3、BF3O(C2H5)2、BCl3、AlC
l3、TiCl4、SnCl4、FeCl3、WCl6、P
OCl、(C2H5)2AlClなどの金属または半金属
のハロゲン化物であって、一般に知られているものが使
用可能である。
【0049】(iii) 分子鎖中に炭素−炭素不飽和
結合を有する重合体に、1,3−双極子付加反応として
知られているニトリルオキサイド、ニトリルイミン、ニ
トリルイリドを不飽和結合と反応させた後、アルキルハ
ライドやジメチル硫酸等を反応せしめて、N−アルキル
化をはかる方法がある〔例えば、HuisgenのAn
gew.Chem.,75,604(1963)〕。ニ
トルオキサイドによるイソオキサゾリン環の導入反応に
関しては、多田、沼田らの文献(日本ゴム協会誌、4
3,996(170))に開示されている。
結合を有する重合体に、1,3−双極子付加反応として
知られているニトリルオキサイド、ニトリルイミン、ニ
トリルイリドを不飽和結合と反応させた後、アルキルハ
ライドやジメチル硫酸等を反応せしめて、N−アルキル
化をはかる方法がある〔例えば、HuisgenのAn
gew.Chem.,75,604(1963)〕。ニ
トルオキサイドによるイソオキサゾリン環の導入反応に
関しては、多田、沼田らの文献(日本ゴム協会誌、4
3,996(170))に開示されている。
【0050】(iv)分子鎖中に炭素−炭素不飽和結合
を有する重合体に、α−クロロヒドロキシイミノプロパ
ナールなどのハロヒドロキシイミノ化合物を無水炭酸ナ
トリウムのような脱HCl剤の存在下に反応せしめる。
要すれば、さらにアルキルハライドやジメチル硫酸等を
反応せしめてN−アルキル化をはかる方法がある〔例え
ば、T.L.GilchristらのJ.C.S.Ch
em.Commun.,1090(1979)、K.
A.OgloblinらのJ.Org.Chem.,
U.S.S.R.1 1370(1965)、T.L.
GilchristらのJ.Chem.Soc.Per
kin Trans.I 1275(1983)、H.
E.ZauggらのSynthesis.85(198
4)、Synthesis.182(1984)、Sy
nthesis.49(1970)〕。
を有する重合体に、α−クロロヒドロキシイミノプロパ
ナールなどのハロヒドロキシイミノ化合物を無水炭酸ナ
トリウムのような脱HCl剤の存在下に反応せしめる。
要すれば、さらにアルキルハライドやジメチル硫酸等を
反応せしめてN−アルキル化をはかる方法がある〔例え
ば、T.L.GilchristらのJ.C.S.Ch
em.Commun.,1090(1979)、K.
A.OgloblinらのJ.Org.Chem.,
U.S.S.R.1 1370(1965)、T.L.
GilchristらのJ.Chem.Soc.Per
kin Trans.I 1275(1983)、H.
E.ZauggらのSynthesis.85(198
4)、Synthesis.182(1984)、Sy
nthesis.49(1970)〕。
【0051】重合体B
重合体Bは、分子鎖末端および/または分子鎖中に周期
律表第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重
合体である。重合体Bは、前記重合体Aの製造方法と同
様、先ず、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金
属が結合した重合活性末端を有するアニオンリビング重
合体を製造し、次いで該半金属を含む化合物と反応させ
ることにより製造される。また、後反応(付加反応)に
よりアルカリ金属やアルカリ土類金属を付加させた重合
体を用い、該半金属を含む化合物と反応させることもで
きる。
律表第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重
合体である。重合体Bは、前記重合体Aの製造方法と同
様、先ず、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金
属が結合した重合活性末端を有するアニオンリビング重
合体を製造し、次いで該半金属を含む化合物と反応させ
ることにより製造される。また、後反応(付加反応)に
よりアルカリ金属やアルカリ土類金属を付加させた重合
体を用い、該半金属を含む化合物と反応させることもで
きる。
【0052】該半金属としては、Sn、Ti、Si等が
好ましく、該半金属を含む化合物としては、一般式Rn
MX4-n(式中、Rは有機残基、Mは半金属、Xはハロ
ゲン、nは0〜3の整数をそれぞれ示す。)で示される
ハロゲン化物や有機ハロゲン化物が挙げられる。
好ましく、該半金属を含む化合物としては、一般式Rn
MX4-n(式中、Rは有機残基、Mは半金属、Xはハロ
ゲン、nは0〜3の整数をそれぞれ示す。)で示される
ハロゲン化物や有機ハロゲン化物が挙げられる。
【0053】該半金属を含む化合物としては、例えば、
四塩化スズ、三塩化ブチルスズ、二塩化ジブチルスズ、
塩化トリブチルスズ、四塩化チタン、塩化トリメチルチ
タン、塩化トリイソプロピルチタン、塩化ジエチルチタ
ン、四塩化ケイ素、三塩化ブチルケイ素、塩化トリブチ
ルケイ素等を挙げることができる。
四塩化スズ、三塩化ブチルスズ、二塩化ジブチルスズ、
塩化トリブチルスズ、四塩化チタン、塩化トリメチルチ
タン、塩化トリイソプロピルチタン、塩化ジエチルチタ
ン、四塩化ケイ素、三塩化ブチルケイ素、塩化トリブチ
ルケイ素等を挙げることができる。
【0054】これらの半金属化合物とアニオンリビング
重合体との反応は、重合体Aの製造方法で使用する有機
化合物を半金属化合物に置き換える以外は同様である。
1ハロゲン化物を使用した場合には、分子鎖末端に該半
金属が結合する。2以上の多ハロゲン化物を使用した場
合には、いわゆるカップリング反応により分子鎖中に該
半金属が結合した重合体が得られる。2ハロゲン化物で
は、得られる重合体は線状重合体であるが、3以上のハ
ロゲン化物を使用すると分岐重合体となる。
重合体との反応は、重合体Aの製造方法で使用する有機
化合物を半金属化合物に置き換える以外は同様である。
1ハロゲン化物を使用した場合には、分子鎖末端に該半
金属が結合する。2以上の多ハロゲン化物を使用した場
合には、いわゆるカップリング反応により分子鎖中に該
半金属が結合した重合体が得られる。2ハロゲン化物で
は、得られる重合体は線状重合体であるが、3以上のハ
ロゲン化物を使用すると分岐重合体となる。
【0055】重合体C
重合体Cは、分子鎖末端および/または分子鎖中に周期
律表第IVA族または第IVB族の半金属が結合し、か
つ、分子鎖中に>C=N<結合および/または>C=N
+<結合を有する重合体である。重合体Cは、前記重合
体Bを出発重合体とし、重合体Aの製造方法で記した分
子鎖中に>C=N<結合および/または>C=N+<結
合を導入する方法を用いることにより製造することがで
きる。
律表第IVA族または第IVB族の半金属が結合し、か
つ、分子鎖中に>C=N<結合および/または>C=N
+<結合を有する重合体である。重合体Cは、前記重合
体Bを出発重合体とし、重合体Aの製造方法で記した分
子鎖中に>C=N<結合および/または>C=N+<結
合を導入する方法を用いることにより製造することがで
きる。
【0056】本発明の低温安定性向上剤の添加量は、通
常、重油に対して100ppm以上であり、好ましくは
100ppm〜5.0重量%、より好ましくは300p
pm〜2.0重量%の割合で添加される。
常、重油に対して100ppm以上であり、好ましくは
100ppm〜5.0重量%、より好ましくは300p
pm〜2.0重量%の割合で添加される。
【0057】本発明の低温安定性向上剤は、他の添加
剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなど
のヒンダードフェノール類、N,N′−ジイソプロピル
−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジブチル−p−
フェニレンジアミンなどのアミン系などの酸化防止剤;
カルシウム、マグネシウム、バリウム、クロム、コバル
ト、マンガン、鉄などの金属のスルホン酸塩、ナフテン
酸塩、フェノール塩などの燃焼改良剤;曇り防止剤;ア
ンチノック剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナなどの灰分
改良剤;アゾ染料などの着色剤;ポリブテン、ポリメタ
クリレート、ポチスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体などの流動点降下剤(フローイン
プルバー);ポリオキシアルキレンアミン、ポリオキシ
アルキレンソルミタンなどの界面活性剤型添加剤等と併
用することができる。
剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレ
ゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなど
のヒンダードフェノール類、N,N′−ジイソプロピル
−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジブチル−p−
フェニレンジアミンなどのアミン系などの酸化防止剤;
カルシウム、マグネシウム、バリウム、クロム、コバル
ト、マンガン、鉄などの金属のスルホン酸塩、ナフテン
酸塩、フェノール塩などの燃焼改良剤;曇り防止剤;ア
ンチノック剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナなどの灰分
改良剤;アゾ染料などの着色剤;ポリブテン、ポリメタ
クリレート、ポチスチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体などの流動点降下剤(フローイン
プルバー);ポリオキシアルキレンアミン、ポリオキシ
アルキレンソルミタンなどの界面活性剤型添加剤等と併
用することができる。
【0058】本発明の低温安定性向上剤を重油に添加す
る際には、予め希釈溶剤、例えば、キシレン、ケロセ
ン、軽質潤滑基材、重質芳香族ナフサ等に溶解させてか
ら、該重油に混合することができる。また、重合体製造
時の反応溶液を濃縮もしくは希釈して該重油に混合する
こともできる。
る際には、予め希釈溶剤、例えば、キシレン、ケロセ
ン、軽質潤滑基材、重質芳香族ナフサ等に溶解させてか
ら、該重油に混合することができる。また、重合体製造
時の反応溶液を濃縮もしくは希釈して該重油に混合する
こともできる。
【0059】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に
よって限定されるものではない。なお、実施例中の部お
よび%は、特に断りのない限り重量基準である。
をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に
よって限定されるものではない。なお、実施例中の部お
よび%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0060】物性の測定方法は、以下の通りである。
<重油の初期安定性>重油の初期安定性は、ASTMス
ポットテスト(D−2781)に準拠した日本石油
(株)製FS−TESTERを用いて評価した。すなわ
ち、試料油を80℃に加熱した後、ガラス棒で試料油の
一部をすくい、一滴を80℃の濾紙上に滴下する。30
分保持し、その後、試験紙上のスポットと標準スポット
を比較し重油の初期安定性を評価する。濾紙上に広がっ
た試料の斑点(試料スポット)を標準スポットと比較
し、一致するものを選んで、そのスポット番号を記録す
る。スポット番号の小さい方が優れている。
ポットテスト(D−2781)に準拠した日本石油
(株)製FS−TESTERを用いて評価した。すなわ
ち、試料油を80℃に加熱した後、ガラス棒で試料油の
一部をすくい、一滴を80℃の濾紙上に滴下する。30
分保持し、その後、試験紙上のスポットと標準スポット
を比較し重油の初期安定性を評価する。濾紙上に広がっ
た試料の斑点(試料スポット)を標準スポットと比較
し、一致するものを選んで、そのスポット番号を記録す
る。スポット番号の小さい方が優れている。
【0061】<重油の長期安定性>内容積15mlの試
験管に重油を10ml加え、添加剤を300ppm添加
しよく振り混ぜた後、0℃または−5℃の低温恒温槽に
中に静置する。その後、24時間毎、最高5日間まで相
分離の有無を観察し、相分離するまでの日数を記録し
た。○は、5日間後に相分離のなかったことを示す。
験管に重油を10ml加え、添加剤を300ppm添加
しよく振り混ぜた後、0℃または−5℃の低温恒温槽に
中に静置する。その後、24時間毎、最高5日間まで相
分離の有無を観察し、相分離するまでの日数を記録し
た。○は、5日間後に相分離のなかったことを示す。
【0062】<低温流動性>試料油の低温流動性は、J
IS K−2204の流動点、およびJIS K−22
88の目詰まり点(CFPP)を用いて評価した。
IS K−2204の流動点、およびJIS K−22
88の目詰まり点(CFPP)を用いて評価した。
【0063】[合成実験例1](添加剤の合成例1)
内容積2リットルのステンレス製重合反応器を洗浄、乾
燥し、乾燥窒素で置換した後、1,3−ブタジエン9
8.4g、ベンゼン820g、n−ブチルリチウム(n
−ヘキサン溶液)2.52ミリモルを添加し内容物を撹
拌しながら40℃で1時間重合反応を行なった。実質上
ブタジエンの重合が終了したことを確認し、反応系にス
チレン21.4gを添加した。スチレンの重合終了後、
N−メチル−2−ピロリドンを1.3ミリモル添加し、
10分間反応させた。次いで2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール2%を含んだメタノール溶液中に
反応容器内の内容物を注ぎ、生成した重合体を凝固せし
めた。真空乾燥器にて一昼夜乾燥して重合体(a)を得
た。重合体(a)(重合体鎖末端に>C=N+<結合を
有する)の結合スチレン量は18%、GPCで測定した
ポリスチレン換算の重量平均分子量は78,000であ
った。
燥し、乾燥窒素で置換した後、1,3−ブタジエン9
8.4g、ベンゼン820g、n−ブチルリチウム(n
−ヘキサン溶液)2.52ミリモルを添加し内容物を撹
拌しながら40℃で1時間重合反応を行なった。実質上
ブタジエンの重合が終了したことを確認し、反応系にス
チレン21.4gを添加した。スチレンの重合終了後、
N−メチル−2−ピロリドンを1.3ミリモル添加し、
10分間反応させた。次いで2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール2%を含んだメタノール溶液中に
反応容器内の内容物を注ぎ、生成した重合体を凝固せし
めた。真空乾燥器にて一昼夜乾燥して重合体(a)を得
た。重合体(a)(重合体鎖末端に>C=N+<結合を
有する)の結合スチレン量は18%、GPCで測定した
ポリスチレン換算の重量平均分子量は78,000であ
った。
【0064】また、上記方法でN−メチル−2−ピロリ
ドンを反応させない以外は同じ条件で重合を行ない、重
合体(a′)を得た。重合体(a)および(a′)を用
い、下記反応により分子鎖中に>C=N+<結合または
>C=N<結合を導入した。
ドンを反応させない以外は同じ条件で重合を行ない、重
合体(a′)を得た。重合体(a)および(a′)を用
い、下記反応により分子鎖中に>C=N+<結合または
>C=N<結合を導入した。
【0065】表1に示すごとく、重合体100gをトル
エン500mlに溶解し、撹拌機、内部加熱装置、蒸気
コンデンサーおよび液体−固体供給入り口を備えたガラ
ス製反応器に入れた。撹拌しながら50℃まで加熱し
た。
エン500mlに溶解し、撹拌機、内部加熱装置、蒸気
コンデンサーおよび液体−固体供給入り口を備えたガラ
ス製反応器に入れた。撹拌しながら50℃まで加熱し
た。
【0066】表1に示す変性剤(1)と(2)の各々
0.1モルを添加し、約2時間反応を行なった。少量の
メタノールを添加して反応を停止した後、3リットルの
メタノールに注ぎ凝固させた。得られた生成物を真空乾
燥器にて乾燥して変性重合体A−1、A−2およびA′
を得た。
0.1モルを添加し、約2時間反応を行なった。少量の
メタノールを添加して反応を停止した後、3リットルの
メタノールに注ぎ凝固させた。得られた生成物を真空乾
燥器にて乾燥して変性重合体A−1、A−2およびA′
を得た。
【0067】
【表1】
【0068】[合成実験例2](添加剤の合成例2)
内容積2リットルのステンレス製重合反応器を洗浄、乾
燥し、乾燥窒素で置換した後、1,3−スチレン24.
0g,ベンゼン820g,n−ブチルリチウム(n−ヘ
キサン溶液)5.03ミリモルを添加し内容物を撹拌し
ながら40℃で1時間重合反応を行なった。実質上スチ
レンの重合が終了したことを確認し、反応系に1,3−
ブタジエン76gを添加した。1,3−ブタジエンの重
合終了後四塩化ケイ素を1.5ミリモルを添加し、10
分間反応させた。次いで2,6−ジ−tert−ブチル
−p−クレゾール2%を含んだメタノール溶液中に反応
容器内の内容物を注ぎ、生成した重合体を凝固せしめ
た。真空乾燥器にて一昼夜乾燥して重合体Bを得た。重
合体Bの結合スチレン量は23%、GPCで測定したポ
リスチレン換算の重量平均分子量は96.000であっ
た。官能基としてケイ素を有する重合体Bを得た。ま
た、重合体Bの水素化も行なった。得られた水素化重合
体を重合体Dとする。
燥し、乾燥窒素で置換した後、1,3−スチレン24.
0g,ベンゼン820g,n−ブチルリチウム(n−ヘ
キサン溶液)5.03ミリモルを添加し内容物を撹拌し
ながら40℃で1時間重合反応を行なった。実質上スチ
レンの重合が終了したことを確認し、反応系に1,3−
ブタジエン76gを添加した。1,3−ブタジエンの重
合終了後四塩化ケイ素を1.5ミリモルを添加し、10
分間反応させた。次いで2,6−ジ−tert−ブチル
−p−クレゾール2%を含んだメタノール溶液中に反応
容器内の内容物を注ぎ、生成した重合体を凝固せしめ
た。真空乾燥器にて一昼夜乾燥して重合体Bを得た。重
合体Bの結合スチレン量は23%、GPCで測定したポ
リスチレン換算の重量平均分子量は96.000であっ
た。官能基としてケイ素を有する重合体Bを得た。ま
た、重合体Bの水素化も行なった。得られた水素化重合
体を重合体Dとする。
【0069】[合成実験例3](添加剤の合成例3)
重合体Bを用い、変成剤(1)としてベンジリデンオク
チルアミン/アセチルクロライド、変成剤(2)として
四塩化スズを用いて、合成実験例2の後半の反応と同様
条件下で反応を行なって、重合体Cを得た。
チルアミン/アセチルクロライド、変成剤(2)として
四塩化スズを用いて、合成実験例2の後半の反応と同様
条件下で反応を行なって、重合体Cを得た。
【0070】上記各合成実験例で得られた重合体につい
てまとめると下記の通りである(ただし、BSはブタジ
エン−スチレンブロック共重合体である)。 重合体(a):末端変性BS(参考例) 重合体A−1:末端/主鎖変性BS(共に>C=N
+<) 重合体A−2:末端/主鎖変性BS(>C=N+<と>
C=N<) 重合体A′:主鎖変性BS(>C=N+<)(参考例) 重合体B:BS−Si−BS 重合体C:主鎖変性BS−Si−BS(>C=N+<) 重合体D:水素化BS−Si−BS
てまとめると下記の通りである(ただし、BSはブタジ
エン−スチレンブロック共重合体である)。 重合体(a):末端変性BS(参考例) 重合体A−1:末端/主鎖変性BS(共に>C=N
+<) 重合体A−2:末端/主鎖変性BS(>C=N+<と>
C=N<) 重合体A′:主鎖変性BS(>C=N+<)(参考例) 重合体B:BS−Si−BS 重合体C:主鎖変性BS−Si−BS(>C=N+<) 重合体D:水素化BS−Si−BS
【0071】[試料重油の調製]表2に示す性状を有す
る常圧蒸留軽油(LGO)、分解系軽油(ライトサイク
ルオイルLCO)および四種の残渣油A、B、C、Dを
用いて、表3に示す配合処方により試料重油A〜重油H
を調製した。
る常圧蒸留軽油(LGO)、分解系軽油(ライトサイク
ルオイルLCO)および四種の残渣油A、B、C、Dを
用いて、表3に示す配合処方により試料重油A〜重油H
を調製した。
【0072】
【表2】
*1:測定温度75℃
【0073】
【表3】
*配合割合は、体積基準で表示した。
【0074】[実施例1]表3に示す各試料重油を用
い、表4に示すように合成実験例で調製した各重合体を
添加して、各試料重油の初期安定性をスポットテストに
より評価した。比較のために、無添加の試料重油につい
ても評価した。結果を表4に示す。
い、表4に示すように合成実験例で調製した各重合体を
添加して、各試料重油の初期安定性をスポットテストに
より評価した。比較のために、無添加の試料重油につい
ても評価した。結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
表4の結果から明らかなように、本発明の低温安定性向
上剤は、スラッジ可溶化性能を有するものである。
上剤は、スラッジ可溶化性能を有するものである。
【0076】[実施例2]内容積15mlの各試験管に
表5〜表6に示す試料重油を各10ml加え、合成実験
例で調製した各重合体をそれぞれ300ppm添加し、
よく振り混ぜた後、0℃または−5℃の低温恒温槽に中
に静置した。その後、24時間毎、最高5日間まで相分
離の有無を観察し、相分離するまでの日数を記録した。
結果を表5(0℃の場合)および表6(−5℃の場合)
に示す。なお、表中、○は5日間後に相分離のなかった
ことを示す。
表5〜表6に示す試料重油を各10ml加え、合成実験
例で調製した各重合体をそれぞれ300ppm添加し、
よく振り混ぜた後、0℃または−5℃の低温恒温槽に中
に静置した。その後、24時間毎、最高5日間まで相分
離の有無を観察し、相分離するまでの日数を記録した。
結果を表5(0℃の場合)および表6(−5℃の場合)
に示す。なお、表中、○は5日間後に相分離のなかった
ことを示す。
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
表5〜表6から、本発明の低温安定性向上剤を使用する
ことにより、重油の低温時における安定性が著しく改善
されることが分かる。
ことにより、重油の低温時における安定性が著しく改善
されることが分かる。
【0079】[実施例3]表3のとおり調製した各重油
に、添加剤として各重合体を500ppm添加した後の
流動点(CFPP、PP)を測定した。さらに、0℃に
て3日間貯蔵後の重油の上澄み液の流動点(CFPP、
PP)を測定した。その測定結果を表7〜表8に示し
た。
に、添加剤として各重合体を500ppm添加した後の
流動点(CFPP、PP)を測定した。さらに、0℃に
て3日間貯蔵後の重油の上澄み液の流動点(CFPP、
PP)を測定した。その測定結果を表7〜表8に示し
た。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
本発明例の添加剤は、低温での貯蔵後も低温流動性向上
効果を有している。これは流動点降下剤としての効果を
有する残渣油の析出を抑制したためと考えられる。
効果を有している。これは流動点降下剤としての効果を
有する残渣油の析出を抑制したためと考えられる。
【0082】
【発明の効果】本発明の重油の低温安定性向上剤は、重
油の通油性および貯蔵安定性を顕著に改善するものであ
る。そして、本発明の低温安定性向上剤は、従来困難で
あった含ろう分の多い直留基油、あるいは重質油の熱分
解油や接触分解油等の分解油系基油と、基油に対する相
溶性の低下したビスブークン残渣油等の減圧蒸留残渣油
とを含有する重油に対して、減圧蒸留残渣油の基油から
の析出を防止し、低温流動性と長期安定性を向上させる
ことができる。
油の通油性および貯蔵安定性を顕著に改善するものであ
る。そして、本発明の低温安定性向上剤は、従来困難で
あった含ろう分の多い直留基油、あるいは重質油の熱分
解油や接触分解油等の分解油系基油と、基油に対する相
溶性の低下したビスブークン残渣油等の減圧蒸留残渣油
とを含有する重油に対して、減圧蒸留残渣油の基油から
の析出を防止し、低温流動性と長期安定性を向上させる
ことができる。
【0083】すなわち、公知のエチレン・酢酸ビニル系
共重合体や炭素数3以上の長い側鎖を持つα−オレフィ
ン系共重合体等の添加剤が0℃以下の低温においてセジ
メントの発生と凝集沈殿を防止できないようなA重油に
対しても、本発明の低温安定性向上剤を添加することに
より、優れた長期安定性と低温流動性を実現することが
できる。
共重合体や炭素数3以上の長い側鎖を持つα−オレフィ
ン系共重合体等の添加剤が0℃以下の低温においてセジ
メントの発生と凝集沈殿を防止できないようなA重油に
対しても、本発明の低温安定性向上剤を添加することに
より、優れた長期安定性と低温流動性を実現することが
できる。
【0084】したがって、A重油、B重油、C重油等の
重油に本発明の低温安定性向上剤を添加しておくだけ
で、輸送あるいは低温下で保存中の配管閉塞等のトラブ
ルを防止することができる。また、重油を発電用、船舶
や車両用燃料として寒冷地で使用中の通油性のトラブル
も防止することができる。
重油に本発明の低温安定性向上剤を添加しておくだけ
で、輸送あるいは低温下で保存中の配管閉塞等のトラブ
ルを防止することができる。また、重油を発電用、船舶
や車両用燃料として寒冷地で使用中の通油性のトラブル
も防止することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 岸本 琢治
神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号
日本ゼオン株式会社研究開発センター内
(72)発明者 松崎 政臣
神奈川県横浜市鶴見区岸谷3−11−2
(72)発明者 松坂 実
神奈川県横浜市港北区岸根町700
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)分子鎖中に>C=N<結合および
/または>C=N+<結合を有し、かつ、分子鎖末端に
>C=N+<結合を有する重合体、(B)分子鎖に周期
律表第IVA族または第IVB族の半金属が結合した重
合体、および(C)分子鎖に周期律表第IVA族または
第IVB族の半金属が結合し、かつ、分子鎖中に>C=
N<結合および/または>C=N+<結合を有する重合
体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含
むことを特徴とする重油の低温安定性向上剤。 - 【請求項2】 重油に、請求項1記載の低温安定性向上
剤を添加してなる重油組成物。 - 【請求項3】 低温安定性向上剤の含有量が組成物全量
に対し100ppm以上である請求項2記載の重油組成
物。 - 【請求項4】 重油中に含まれている石油蒸留残渣油
が、アスファルテン分を1.0重量%以上あるいは残留
炭素分を4.0%重量%以上含有するものである請求項
2または3記載の重油組成物。 - 【請求項5】 石油蒸留残渣油が、常圧蒸留残渣油また
は減圧蒸留残渣油を直接脱硫、水素化分解、熱分解、接
触分解または溶剤抽出して得られる少なくとも1種の残
渣油である請求項4記載の重油組成物。 - 【請求項6】 重油中に含まれている石油留出油が、重
質油の分解油を含むものである請求項2または3記載の
重油組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20144891A JPH0517785A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | 重油の低温安定性向上剤及びこれが添加された重油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20144891A JPH0517785A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | 重油の低温安定性向上剤及びこれが添加された重油組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0517785A true JPH0517785A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16441258
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20144891A Pending JPH0517785A (ja) | 1991-07-16 | 1991-07-16 | 重油の低温安定性向上剤及びこれが添加された重油組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0517785A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000080905A (ja) * | 1998-07-03 | 2000-03-21 | Jgc Corp | コンバインドサイクル発電システム |
| JP2010116496A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Nippon Oil Corp | A重油組成物 |
-
1991
- 1991-07-16 JP JP20144891A patent/JPH0517785A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000080905A (ja) * | 1998-07-03 | 2000-03-21 | Jgc Corp | コンバインドサイクル発電システム |
| JP2010116496A (ja) * | 2008-11-13 | 2010-05-27 | Nippon Oil Corp | A重油組成物 |
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