JPH0517818A - 鉄基磁性合金の熱処理方法 - Google Patents

鉄基磁性合金の熱処理方法

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JPH0517818A
JPH0517818A JP8235291A JP8235291A JPH0517818A JP H0517818 A JPH0517818 A JP H0517818A JP 8235291 A JP8235291 A JP 8235291A JP 8235291 A JP8235291 A JP 8235291A JP H0517818 A JPH0517818 A JP H0517818A
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JP
Japan
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alloy
magnetic field
temperature
coercive force
annealing
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JP8235291A
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Inventor
Hiroshi Fujita
浩史 藤田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】Fe−P−C系の非晶質合金、またはこれを結晶
化させた合金を熱処理して、変圧器等の磁心に適する優
れた軟磁性材料を製造する。 【構成】 非晶質合金の場合は、磁化容易軸方向に直流
磁場を印加した状態で、真空中または非酸化性雰囲気中
で 300℃から 400℃までの温度域に昇温した後、直ち
に、又は30分以内の保持を行って冷却する。非晶質合金
を結晶化させて微細な準安定bcc相を析出させた合金
の場合は、33エルステッド以上、88エルステッド以下の
直流磁場を印加した状態で 200℃から 400℃までの温度
域に昇温した後、直ちにまたは60分以内の保持を行って
冷却する。 【効果】無磁場中での焼なましに比べて、保磁力を20〜
40mOe 程度低く抑えることができ、保磁力が15mOe の軟
磁性材料の製造も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、変圧器等の磁心等に
用いられる鉄基軟磁性合金を製造するための熱処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁心材料としては従来、珪素鋼板が広く
使用されてきたが、最近では非晶質合金、あるいはこれ
を結晶化して非晶質と微細結晶との混合組織とした合金
が注目されている。
【0003】非晶質合金の代表的なものにFe−P−C系
合金があり、また、本出願人は、Fe−Cu−P−C系(本
明細書では、これもFe−P−C系に含めるものとする)
の組成を持ち、非晶質相と微細な準安定bcc相の結晶
とからなる合金を提案した(特願平2−305660号)。
【0004】非晶質合金は溶湯急冷法によって薄帯 (リ
ボン) 状に製造するのが普通であるが、このようにして
製造された非晶質合金リボンは、急冷によって生じる内
部応力が高く、軟磁気特性は不十分である。これを結晶
化温度以下で焼きなましすると内部応力が除去され、構
造緩和により保持力等で示される軟磁気特性が改善され
る。しかし、鉄基非晶質合金の場合は、キューリー温度
以下で焼きなましを行うと磁区および磁壁が固着し保磁
力の上昇が見られる(3rd International Conference,
Rapidly Quenched Metal(1978) 232 〜239)。この現象
を回避するために、静磁場中で磁区および磁壁の数を減
じて焼きなましを行うのがよいとされている。このとき
磁化容易軸方向に磁場を印加すれば、一軸誘導磁気異方
性が発生し、B−Hループの角型性が増し、保磁力の低
下、ヒステリシス損の低下等、軟磁気特性の向上が期待
できる。
【0005】Fe−P−C系非晶質合金は鉄損が低く、製
造法が簡単で安価に大量生産が可能であるが、非晶質合
金は熱が加わるとその特性(透磁率) が劣化し、熱的安
定性に欠ける。しかし、前記の本出願人が提案した合金
のように、非晶質合金を熱処理して微細な準安定bcc
相を析出させたものは、熱的安定性が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】Fe−P−C系非晶質合
金の磁場中での焼なまし処理に関しては、印加磁場の強
さ、熱処理の温度および保持時間等が軟磁気特性に及ぼ
す影響についての系統的な調査は未だなされていない。
また、この系の非晶質合金ではキューリー温度以下での
焼きなましによって磁区および磁壁の固着が起きると言
われているが、その影響が軟磁気特性にどのように現れ
るかは未だ不明である。
【0007】一方、非晶質から微細な準安定bcc相を
析出させたFe−P−C系結晶化合金では軟磁気特性が非
晶質状態に比べてやや劣化する場合が多いのであるが、
これを磁場中で焼なましすることによって軟磁気特性を
向上させることができると考えられる。
【0008】本発明は、Fe−P−C系の非晶質合金、ま
たはこれを結晶化させた合金について、最適の熱処理条
件を解明し、変圧器等の磁心に適する優れた軟磁性材料
を製造することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は下記の二
つの熱処理方法にある。
【0010】(1) Fe−P−C系の非晶質合金を磁化容易
軸方向に直流磁場を印加した状態で、真空中または非酸
化性雰囲気中で 300℃から400℃までの温度域に昇温し
た後、直ちにまたは30分以内の保持を行って冷却するこ
とを特徴とする鉄基磁性合金の熱処理方法。
【0011】(2) Fe−P−C系の非晶質合金を結晶化さ
せた合金を磁化容易軸方向に33エルステッド以上、88エ
ルステッド以下の直流磁場を印加した状態で、真空中ま
たは非酸化性雰囲気中で 200℃から 400℃までの温度域
に昇温した後、直ちにまたは60分以内の保持を行って冷
却することを特徴とする鉄基磁性合金の熱処理方法。
【0012】本発明において、Fe−P−C系の非晶質合
金とは、例えば、Fe80137 のような組成を持ち溶融
状態から急冷されて非晶質状態になっているものであ
る。
【0013】結晶化させた合金とは、上記のような組成
を持ち、一旦非晶質状態にしたものを結晶化温度以上で
熱処理して、微細な準安定bcc相を析出させたもので
ある。結晶を析出させるにはFe−P−C系合金にCuを適
正な量、例えば、0.1 〜3原子%以下添加するのが望ま
しい。また、結晶化に先だつ非晶質合金を製造する際に
その非晶質化を促進するためにPおよびCの合計量は10
〜25原子%とするのがよい。具体的には、前掲の特願平
2−305660号の明細書に示したように、一般式Fe
100-x-y-z Cux y z (但しx 、y、zは原子%で0.1
≦x≦3、10≦y+z≦25) で表される組成を持ち、
微細な結晶が析出した合金が望ましい。これに加えて、
金属間化合物の析出温度を上昇させ、準安定bcc相の
高温域での安定性を高めるのに寄与するMoと、結晶磁気
異方性を減少させるのに寄与するSiを微量添加し、Pと
Cの量を適切に選んで、高飽和磁化 (σs :約165 emu/
g)で、低保磁力 (Hc:約80mOe)を急冷直後の非晶質状態
で達成する組成として、例えば、Fe79.5Cu0.5Si1.5Mo
0.5P12C6があげられる。
【0014】
【作用】以下、本発明の熱処理の諸条件について、その
目的と適正な範囲を選んだ理由を説明する。
【0015】 昇温速度:昇温速度は、厳密に特定す
る必要はないが、均一な熱処理を行うためには、約10℃
/min程度が適当である。昇温速度が速すぎると試料の温
度分布が不均一となり、また、FeP等の化合物の析出を
招く場合がある。昇温速度が遅すぎると焼なまし温度が
高い場合に結晶化が起きることがある。
【0016】 焼なまし温度:非晶質合金の場合は 30
0℃以上400℃以下の温度まで昇温する。300 ℃未満では
内部応力が除去されず構造緩和も十分ではない。また、
磁場中焼鈍の効果も小さい。400 ℃よりも高温では、後
述する図1に示すように、結晶化が始まり保磁力の増大
を招く。
【0017】結晶化合金の場合は、図4に示すように焼
なましの下限温度は 200℃まで下げてもよい。 200〜40
0 ℃での焼なましで十分に低い保磁力が得られる。
【0018】 保持時間:上記の焼なまし温度範囲の
所定温度に到達したら、直ちに、または所定時間以内の
保持をして冷却する。焼なまし温度が低い場合は、ある
程度の時間保持しなければ内部応力は除去されないが、
本発明方法では結晶化温度(前記のFe79.5Cu0.5Si1.5Mo
0.5P12C6合金では10℃/minで昇温した場合、結晶化温度
は 415℃である) に近い温度域で焼なましを行うので、
長時間の保持では結晶化が起こり、後述の図2および図
5に示すように保磁力が増大する。従って、所定の焼な
まし温度に達したら、直ちに冷却するか、非晶質合金の
場合は30分以内、結晶化合金の場合は60分以内の保持の
後冷却するのがよい。
【0019】 印加磁場:図3および図6に示すよう
に、直流磁場を印加することによって保磁力の大幅な減
少が得られる。ただし、印加磁場が極端に小さいと誘導
磁気異方性が顕著に現れず、磁壁がかなり残っているた
め磁壁固着が起こり得る。一方、印加磁場が大きすぎる
と誘導磁気異方性が大きくなりすぎるため回転磁化を阻
害し、軟磁気特性を悪化させる。特に結晶化合金の場合
には図6に示すように33 Oe 以上で88Oe以下の直流磁場
とするのが適当である。なお、直流磁場は一定方向の静
磁場を得るために必要である。
【0020】 熱処理雰囲気:合金の酸化を防止する
ために、焼なましは真空中または非酸化性雰囲気で行
う。真空度は10-5Torr. 程度が望ましい。非酸化性雰囲
気としては窒素ガス雰囲気が使用できる。
【0021】 冷却速度:結晶化の進行を抑えるため
に或る程度以上の冷却速度 (例えば 5℃/分以上)で冷
却するのが望ましい。
【0022】
【実施例1】単ロール法溶湯急冷装置で作製したFe79.5
Cu0.5Si1.5Mo0.5P12C6(at%、仕込み組成)の巾約10mm
の非晶質リボンを熱処理用試料として用いた。熱処理は
10-5Torrの真空中で赤外線炉中で行い、昇温速度はすべ
て10℃/分に統一した。磁場の印加は、石英管に径1mm
の銅線をソレノイド状に 155回巻いて、管の中心に試料
を置いて電流を流した時に発生した磁場を印加すること
によって行った。この磁場は、すべて試料の長手(容易
軸) 方向に熱処理中の全時間にわたって印加した。な
お、比較するために磁場を印加しない熱処理の実験も行
った。
【0023】上記のように熱処理した試料の保磁力をベ
ルケ社製のHcメーターにより測定した。その結果を第1
図〜第3図に示す。
【0024】図1は、無磁場中および66 Oe の磁場中で
焼なましを行った時の焼なまし温度(到達最高温度、保
持時間0分) と保磁力との関係を示す図である。無磁場
焼なましを行った試料の保磁力をさらに下回り、磁場中
焼鈍の効果がよく現れているのは、焼なまし温度が 300
℃以上 400℃以下の場合である。
【0025】図2は、焼なまし温度 (到達最高温度) を
350℃の一定として、無磁場中および66 Oe の磁場中に
おいて熱処理を行った時の焼なまし温度 (350 ℃) での
保持時間に対する保磁力の変化を示している。保持時間
が長くなる程、保磁力が大きくなっており、0分のもの
が最も保磁力が小さい。焼なまし温度での保持は30分以
内にするのがよいことがわかる。
【0026】図3は、焼なまし温度 (到達最高温度) を
350℃とし、保持時間0分としたときの印加磁場に対す
る保磁力の変化を示している。直流磁場の印加により保
磁力が小さくなることが明らかである。
【0027】
【実施例2】実施例1で用いた非晶質合金のリボンを結
晶化温温度 (415 ℃) まで10℃/minで昇温し、直ちに冷
却して微細粒結晶を析出させたリボンを供試材として、
実施例1と同じ試験を行った。なお、この供試材の組織
は、準安定bccの結晶相が約30体積%、残りが非晶質
で、結晶相は平均粒径が 200Åの微細結晶であった。
【0028】図4は、上記のように結晶化させた合金リ
ボンを無磁場中および66 Oe の磁場中で焼なましを行っ
た時の焼なまし温度 (到達最高温度、保持時間0分) と
保磁力との関係を示す図である。図示のとおり、 200℃
以上 400℃以下で焼なまししたときに、磁場中焼なまし
の効果が顕著である。
【0029】図5は、同様に結晶化させた合金リボン
を、焼なまし温度(最高到達温度)を350 ℃の一定と
し、無磁場中および66 Oe の磁場中において焼まなしを
行った時の、上記焼なまし温度での保持時間に対する保
磁力の変化を示している。保持時間が60分以内の時に保
磁力が小さくなっている。
【0030】第6図は、同様に結晶化させた非晶質合金
リボンを焼なまし温度(最高到達温度)を 350℃の一定
とし、かつその温度での保持時間を0分として焼なまし
した時の、印加磁場に対する保磁力の変化を示してい
る。33Oe 以上、88 Oe 以下で保磁力が小さく、磁場中
焼なましの効果が明らかである。
【0031】
【実施例3】表1は、前述の一般式Fe100-x-y-z Cux
y z で表される種々の組成の非晶質合金リボンを供試
材として、本発明で定める条件、またはそれから外れる
条件で焼なましを行ったときの保磁力の変化を調べた結
果である。
【0032】昇温速度は10℃/分の一定とし、焼なまし
の雰囲気、磁場の印加方法および保磁力の測定方法は、
実施例1と同じにした。
【0033】表1では、磁場中焼なましにより無磁場中
焼なましより20mOe 以上の保磁力の減少が見られたもの
については効果があったものとして○、20mOe 未満の保
磁力の減少は効果が少なかったものとして×としてい
る。本発明の実施例に相当するものは、すべて評価が○
になっており、磁場中焼なましの効果が顕著である。
【0034】
【表1】
【0035】表2は、一般式Fe100-x-y-z Cux y z
で表される種々の組成の非晶質リボンを昇温速度10℃/m
inで 415℃まで無磁場中で昇温して結晶化させてたもの
を試料とし、本発明で定める条件、またはそれから外れ
る条件で焼なましを行ったときの保磁力の変化示すもの
である。
【0036】磁場中焼なましにより結晶化のままの保磁
力より 20mOe以上の保磁力の減少が見られたものについ
ては効果があったものとして○とし、保磁力の減少が 2
0mOe未満の場合は効果が少なかったものとして×とし
た。本発明の条件を満たす焼なましの場合には、どの合
金でも 20mOe以上の保磁力の減少が達成されている。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】図1〜図6並びに表1および表2から明
らかなように、本発明の熱処理方法によれば、無磁場中
での焼なましに比べて、保磁力を20〜40mOe 程度低くす
ることができ、さらに適切な焼なまし条件を選べば処理
前には80mOe 程度であった保磁力を最低15mOe まで下げ
ることが可能である。
【0039】本発明方法により、変圧器等の磁心に適す
る優れた軟磁気特性を持つ非晶質合金または結晶化合金
の軟磁性材料が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質合金リボンを焼なまししたときの、焼な
まし温度(最高到達温度)と保磁力との関係を示す図で
ある。
【図2】同じく、焼なまし温度での保持時間と保磁力と
の関係を示す図である。
【図3】同じく、印加する磁場と保磁力との関係を示す
図である。
【図4】結晶化させた合金リボンを焼なまししたとき
の、焼なまし温度(最高到達温度)と保磁力との関係を
示す図である。
【図5】同じく、焼なまし温度での保持時間と保磁力と
の関係を示す図である。
【図6】同じく、印加する磁場と保磁力との関係を示す
図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe−P−C系の非晶質合金を磁化容易軸方
    向に直流磁場を印加した状態で、真空中または非酸化性
    雰囲気中で 300℃から 400℃までの温度域に昇温した
    後、直ちにまたは30分以内の保持を行って冷却すること
    を特徴とする鉄基磁性合金の熱処理方法。
  2. 【請求項2】Fe−P−C系の非晶質合金を結晶化させた
    合金を磁化容易軸方向に33エルステッド以上、88エルス
    テッド以下の直流磁場を印加した状態で、真空中または
    非酸化性雰囲気中で 200℃から 400℃までの温度域に昇
    温した後、直ちにまたは60分以内の保持を行って冷却す
    ることを特徴とする鉄基磁性合金の熱処理方法。
JP8235291A 1991-04-15 1991-04-15 鉄基磁性合金の熱処理方法 Pending JPH0517818A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103509916A (zh) * 2013-10-29 2014-01-15 中电电气(江苏)股份有限公司 一种非晶合金铁芯的真空退火方法

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