JPH05182191A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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- JPH05182191A JPH05182191A JP35909391A JP35909391A JPH05182191A JP H05182191 A JPH05182191 A JP H05182191A JP 35909391 A JP35909391 A JP 35909391A JP 35909391 A JP35909391 A JP 35909391A JP H05182191 A JPH05182191 A JP H05182191A
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- JP
- Japan
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- film
- protective film
- forming
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- base film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 成膜速度を高め、生産性の向上を図るととも
に、安定な放電を行って、得られる保護膜の膜質を改善
する。 【構成】 ベースフィルム2上に真空蒸着法により磁性
層を形成した後、真空室1内に配設された冷却キャン7
の周面に沿って上記ベースフィルム2を移動走行させな
がらマグネトロンスパッタを行って保護膜を形成する。
この保護膜の成膜に際し、カソード電極8に6W/cm
2 以上の高い電力を投入する。また、前記カソード電極
8上に固定されるターゲット材9の不純物量を15pp
m以下とする。
に、安定な放電を行って、得られる保護膜の膜質を改善
する。 【構成】 ベースフィルム2上に真空蒸着法により磁性
層を形成した後、真空室1内に配設された冷却キャン7
の周面に沿って上記ベースフィルム2を移動走行させな
がらマグネトロンスパッタを行って保護膜を形成する。
この保護膜の成膜に際し、カソード電極8に6W/cm
2 以上の高い電力を投入する。また、前記カソード電極
8上に固定されるターゲット材9の不純物量を15pp
m以下とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強磁性金属薄膜からな
る磁性層上にマグネトロンスパッタにより保護膜を形成
する磁気記録媒体の製造方法に関し、特に生産性の向上
と膜質の改良に関する。
る磁性層上にマグネトロンスパッタにより保護膜を形成
する磁気記録媒体の製造方法に関し、特に生産性の向上
と膜質の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】金属あるいはCo−Ni等の合金からな
る磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等のベース
フィルム上に直接被着した、所謂強磁性金属薄膜型の磁
気記録媒体は、保磁力、角形比等に優れ、短波長域にお
ける電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の薄膜
化が可能であるために記録減磁や再生時の厚み損失が著
しく小さいこと、或いは磁性層中に非磁性材料である結
合剤等を混入する必要がないために磁性材料の充填密度
を高くできること等、数々の利点を有している。
る磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
ポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等のベース
フィルム上に直接被着した、所謂強磁性金属薄膜型の磁
気記録媒体は、保磁力、角形比等に優れ、短波長域にお
ける電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層の薄膜
化が可能であるために記録減磁や再生時の厚み損失が著
しく小さいこと、或いは磁性層中に非磁性材料である結
合剤等を混入する必要がないために磁性材料の充填密度
を高くできること等、数々の利点を有している。
【0003】この強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体にお
いて、一般に磁性層は真空蒸着法により形成されてお
り、例えばベースフィルムの表面に対して磁性材料を斜
めに蒸着させる、所謂斜方蒸着法が提案され実用化され
ている。この場合、所定の方向に回転可能な冷却キャン
の外周面にベースフィルムを巻回させ、上記冷却キャン
の回転に応じて上記磁性支持体を所定の速度で移動走行
させながら、ルツボより蒸着せしめられた磁性材料を上
記ベースフィルムの表面に対してある角度をなす方向か
ら入射させ、この磁性材料を上記ベースフィルム上に蒸
着させて磁性層を形成している。
いて、一般に磁性層は真空蒸着法により形成されてお
り、例えばベースフィルムの表面に対して磁性材料を斜
めに蒸着させる、所謂斜方蒸着法が提案され実用化され
ている。この場合、所定の方向に回転可能な冷却キャン
の外周面にベースフィルムを巻回させ、上記冷却キャン
の回転に応じて上記磁性支持体を所定の速度で移動走行
させながら、ルツボより蒸着せしめられた磁性材料を上
記ベースフィルムの表面に対してある角度をなす方向か
ら入射させ、この磁性材料を上記ベースフィルム上に蒸
着させて磁性層を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体を特にデジタルビデオ
テープレコーダ等に用いる場合には、アナログビデオテ
ープレコーダ等に用いる場合に比べて記録・再生時にド
ラムが高速回転されるので、磁気ヘッドとの摺動による
い磁気記録媒体の損傷が大きいことが問題となってい
る。
強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体を特にデジタルビデオ
テープレコーダ等に用いる場合には、アナログビデオテ
ープレコーダ等に用いる場合に比べて記録・再生時にド
ラムが高速回転されるので、磁気ヘッドとの摺動による
い磁気記録媒体の損傷が大きいことが問題となってい
る。
【0005】そこで、従来より、ベースフィルム上に強
磁性金属薄膜を成膜した後に、この強磁性金属薄膜上に
カーボン膜やSiO2 膜等からなる保護膜を形成し、こ
れにより耐久性を確保しようとしている。
磁性金属薄膜を成膜した後に、この強磁性金属薄膜上に
カーボン膜やSiO2 膜等からなる保護膜を形成し、こ
れにより耐久性を確保しようとしている。
【0006】この保護膜を成膜する方法としては、従来
より種々の方法が検討されているが、例えば蒸着法によ
り保護膜を形成した場合では、得られた膜に昇華性があ
るために膜質が不安定であり、実用的な膜を得ることは
困難である。これに対して、スパッタリング法を使用す
る場合では、蒸着法に比べて成膜速度が1/10〜1/
100程度と非常に遅く、生産性に乏しいという欠点が
ある。また、このスパッタ時において、主としてターゲ
ット中に含まれるAl、Fe、Mg、Si等の不純物に
より異常放電が発生することがある。このような異常放
電が起きると、安定な膜質を有する保護膜を形成するこ
とができなくなる。
より種々の方法が検討されているが、例えば蒸着法によ
り保護膜を形成した場合では、得られた膜に昇華性があ
るために膜質が不安定であり、実用的な膜を得ることは
困難である。これに対して、スパッタリング法を使用す
る場合では、蒸着法に比べて成膜速度が1/10〜1/
100程度と非常に遅く、生産性に乏しいという欠点が
ある。また、このスパッタ時において、主としてターゲ
ット中に含まれるAl、Fe、Mg、Si等の不純物に
より異常放電が発生することがある。このような異常放
電が起きると、安定な膜質を有する保護膜を形成するこ
とができなくなる。
【0007】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、成膜速度を高め、生産性の向
上を図るとともに、安定な膜質を有する保護膜を得るこ
とが可能な磁気記録媒体の製造方法を提供することを目
的とする。
て提案されたものであり、成膜速度を高め、生産性の向
上を図るとともに、安定な膜質を有する保護膜を得るこ
とが可能な磁気記録媒体の製造方法を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体の
製造方法は、上述の目的を達成するために提案されたも
のである。即ち、本願の第1の発明は、ベースフィルム
上に真空蒸着法により強磁性金属薄膜を形成した後、こ
の強磁性金属薄膜上にマグネトロンスパッタにより保護
膜を形成する磁気記録媒体の製造方法において、前記保
護膜を成膜する際に、カソード投入電力を6W/cm2
以上とすることを特徴とするものである。
製造方法は、上述の目的を達成するために提案されたも
のである。即ち、本願の第1の発明は、ベースフィルム
上に真空蒸着法により強磁性金属薄膜を形成した後、こ
の強磁性金属薄膜上にマグネトロンスパッタにより保護
膜を形成する磁気記録媒体の製造方法において、前記保
護膜を成膜する際に、カソード投入電力を6W/cm2
以上とすることを特徴とするものである。
【0009】また、本願の第2の発明は、ベースフィル
ム上に真空蒸着法により強磁性金属薄膜を形成した後、
この強磁性金属薄膜上にマグネトロンスパッタにより保
護膜を形成する磁気記録媒体の製造方法において、前記
保護膜を成膜する際に、使用するターゲット材の不純物
量を15ppm以下とすることを特徴とするものであ
る。
ム上に真空蒸着法により強磁性金属薄膜を形成した後、
この強磁性金属薄膜上にマグネトロンスパッタにより保
護膜を形成する磁気記録媒体の製造方法において、前記
保護膜を成膜する際に、使用するターゲット材の不純物
量を15ppm以下とすることを特徴とするものであ
る。
【0010】本発明において、磁性層とされる強磁性金
属薄膜は、真空蒸着法により形成される。この真空蒸着
法としては、通常の真空蒸着法の他、電界、磁界、電子
ビーム照射等により蒸気流のイオン化、加速化等を行っ
て蒸発化学種の平均自由工程の大きい雰囲気にてベース
フィルム上に磁性薄膜を成膜させる方法等でも良い。本
発明では、このような真空蒸着法により強磁性金属薄膜
を成膜した後、マグネトロンスパッタにより保護膜を形
成する。
属薄膜は、真空蒸着法により形成される。この真空蒸着
法としては、通常の真空蒸着法の他、電界、磁界、電子
ビーム照射等により蒸気流のイオン化、加速化等を行っ
て蒸発化学種の平均自由工程の大きい雰囲気にてベース
フィルム上に磁性薄膜を成膜させる方法等でも良い。本
発明では、このような真空蒸着法により強磁性金属薄膜
を成膜した後、マグネトロンスパッタにより保護膜を形
成する。
【0011】上記保護膜の成膜方法としては、送り側よ
り送り出されたベースフィルムを巻き取り側に向かって
順次走行させながらスパッタリングを行う、所謂連続巻
取り方式が採用される。この連続巻取り方式では、上記
強磁性金属薄膜が成膜されたベースフィルムを例えば上
記送り側と巻き取り側の中途部に配設される大径のキャ
ン等により支持して移動走行させるとともに、このキャ
ンの周囲に配設されたターゲット材により上記ベースフ
ィルムに対してスパッタリングがなされ、保護膜が成膜
される。
り送り出されたベースフィルムを巻き取り側に向かって
順次走行させながらスパッタリングを行う、所謂連続巻
取り方式が採用される。この連続巻取り方式では、上記
強磁性金属薄膜が成膜されたベースフィルムを例えば上
記送り側と巻き取り側の中途部に配設される大径のキャ
ン等により支持して移動走行させるとともに、このキャ
ンの周囲に配設されたターゲット材により上記ベースフ
ィルムに対してスパッタリングがなされ、保護膜が成膜
される。
【0012】このようなスパッタリングに際し、本願の
第1の発明では、上記カソード電極に与えられるカソー
ド投入電力を6W/cm2 以上、より好ましくは10W
/cm2 以上とする。カソード投入電力は、保護膜成膜
時の磁気テープの送り速度とほぼリニヤな関係にあり、
上記カソード投入電力を増大させることによって磁気テ
ープの送り速度は高くなる。従って、単位時間当たりに
得られる保護膜の長さが倍増され、生産性が向上する。
上記カソード投入電力が上記範囲よりも小さいと、ベー
スフィルムの送り速度を十分に向上させることができ
ず、効果が期待できない。
第1の発明では、上記カソード電極に与えられるカソー
ド投入電力を6W/cm2 以上、より好ましくは10W
/cm2 以上とする。カソード投入電力は、保護膜成膜
時の磁気テープの送り速度とほぼリニヤな関係にあり、
上記カソード投入電力を増大させることによって磁気テ
ープの送り速度は高くなる。従って、単位時間当たりに
得られる保護膜の長さが倍増され、生産性が向上する。
上記カソード投入電力が上記範囲よりも小さいと、ベー
スフィルムの送り速度を十分に向上させることができ
ず、効果が期待できない。
【0013】なお、上記カソード投入電力とは、上記タ
ーゲット材が固定されるカソード電極(通常はCuから
なる。)に投入される電力である。
ーゲット材が固定されるカソード電極(通常はCuから
なる。)に投入される電力である。
【0014】ここで、カソード投入電力を上記範囲とす
るためには、高いカソード投入電力が与えられた場合で
も上記ターゲット材とカソード電極との接着性が十分に
確保されることが必要とされる。即ち、上記カソード電
極とターゲット材は、通常半田等によって接着され固定
されているが、このような接着を行った場合には、カソ
ード投入電力を4〜5W/cm2 程度とした時点で上記
半田が溶け出し、上記ターゲット材の位置がズレたり、
カソード電極がショートしたりして、上記ターゲット材
に対する冷却効果の低下や、上記カソード電極とその周
囲に配設される各部材との絶縁性の劣化等の問題が生じ
る。
るためには、高いカソード投入電力が与えられた場合で
も上記ターゲット材とカソード電極との接着性が十分に
確保されることが必要とされる。即ち、上記カソード電
極とターゲット材は、通常半田等によって接着され固定
されているが、このような接着を行った場合には、カソ
ード投入電力を4〜5W/cm2 程度とした時点で上記
半田が溶け出し、上記ターゲット材の位置がズレたり、
カソード電極がショートしたりして、上記ターゲット材
に対する冷却効果の低下や、上記カソード電極とその周
囲に配設される各部材との絶縁性の劣化等の問題が生じ
る。
【0015】そこで、本願の第1の発明においては、上
記カソード電極に対するターゲット材の取付け手段とし
て、例えば上記カソード電極とターゲット材間にボンデ
ィングを施す方法、上記カソード電極やターゲット材に
適当な補助機構を設け、この補助機構により上記ターゲ
ット材をカソード電極に保持する方法等を使用する。上
記補助機構により上記ターゲット材をカソード電極に保
持する方法としては、例えば上記カソード電極に各種ネ
ジやタッピングネジ等の接合部材を貫通させるための貫
通孔を設け、上記カソード電極の裏面より前記貫通孔を
介して上記接合部材を貫通させ、該接合部材の先端部が
上記ターゲット材の内部に形成されたネジ穴に螺入され
るようにしてこれらターゲット材とカソード電極を接合
させる方法、或いはこれらターゲット材とカソード電極
の接合面に凹凸状の溝部をそれぞれ形成し、これらの溝
部が互いに係合するようにして固定化させる方法等が考
えられる。なお、前者においては、通常のネジの他、上
述のような貫通孔やネジ穴を必要としないタッピングネ
ジを使用しても良い。
記カソード電極に対するターゲット材の取付け手段とし
て、例えば上記カソード電極とターゲット材間にボンデ
ィングを施す方法、上記カソード電極やターゲット材に
適当な補助機構を設け、この補助機構により上記ターゲ
ット材をカソード電極に保持する方法等を使用する。上
記補助機構により上記ターゲット材をカソード電極に保
持する方法としては、例えば上記カソード電極に各種ネ
ジやタッピングネジ等の接合部材を貫通させるための貫
通孔を設け、上記カソード電極の裏面より前記貫通孔を
介して上記接合部材を貫通させ、該接合部材の先端部が
上記ターゲット材の内部に形成されたネジ穴に螺入され
るようにしてこれらターゲット材とカソード電極を接合
させる方法、或いはこれらターゲット材とカソード電極
の接合面に凹凸状の溝部をそれぞれ形成し、これらの溝
部が互いに係合するようにして固定化させる方法等が考
えられる。なお、前者においては、通常のネジの他、上
述のような貫通孔やネジ穴を必要としないタッピングネ
ジを使用しても良い。
【0016】また、上記ボンディングを施す方法では、
ボンディングと同時に半田付けを行っても良いし、更に
上記補助機構による方法と組み合わせても良い。また、
本願の第1の発明では、カソード投入電力を向上させる
ために、上述の取付け手段により上記カソード電極とタ
ーゲット材を固定化した上で、更にこれらカソード電極
とターゲット材を水冷等により冷却することによって上
記取付け手段にかかる熱負荷を軽減させることが望まし
い。
ボンディングと同時に半田付けを行っても良いし、更に
上記補助機構による方法と組み合わせても良い。また、
本願の第1の発明では、カソード投入電力を向上させる
ために、上述の取付け手段により上記カソード電極とタ
ーゲット材を固定化した上で、更にこれらカソード電極
とターゲット材を水冷等により冷却することによって上
記取付け手段にかかる熱負荷を軽減させることが望まし
い。
【0017】但し、これらの方法により上記カソード電
極とターゲット材を固定した場合でも、上記カソード投
入電力があまり大きすぎると、ターゲット材にヒビ割れ
が発生する等の障害が起きるために、上記カソード投入
電力には自ずと上限は存在する。
極とターゲット材を固定した場合でも、上記カソード投
入電力があまり大きすぎると、ターゲット材にヒビ割れ
が発生する等の障害が起きるために、上記カソード投入
電力には自ずと上限は存在する。
【0018】また、本願の第2の発明は、上述のような
スパッタリングに際し、不純物量が15ppm以下、よ
り好ましくは10ppm以下であるターゲット材を使用
する。これにより、ターゲット材に含まれる不純物によ
る異常放電が抑えられるので、膜質が安定し、良好な特
性を有する保護膜が得られる。なお、この場合にも、成
膜速度の向上を図る上で、上記本願の第1の発明が適用
されることが望ましい。
スパッタリングに際し、不純物量が15ppm以下、よ
り好ましくは10ppm以下であるターゲット材を使用
する。これにより、ターゲット材に含まれる不純物によ
る異常放電が抑えられるので、膜質が安定し、良好な特
性を有する保護膜が得られる。なお、この場合にも、成
膜速度の向上を図る上で、上記本願の第1の発明が適用
されることが望ましい。
【0019】更に、上記ターゲット材は、上記キャンの
周囲に複数配設されることが望ましい。これにより、ス
パッタ時における上記ベースフィルムの送り速度が上記
ターゲット材の個数に比例して高められ、生産性が向上
する。
周囲に複数配設されることが望ましい。これにより、ス
パッタ時における上記ベースフィルムの送り速度が上記
ターゲット材の個数に比例して高められ、生産性が向上
する。
【0020】本願の第1の発明及び第2の発明におい
て、上記保護膜としては例えばSiO2 ,Si3 N4 ,
SiNx ,BN,カーボン,ZnO2 ,Al2 O3 ,M
oS2 ,SiC等が何れも使用可能であるが、特にカー
ボン膜が好適である。また、上記強磁性金属薄膜を構成
する磁性材料としては、一般的に使用されているもので
あれば何れでも良いが、好ましくは金属磁性材料が使用
されるのが良い。この場合、金属磁性材料としては、通
常この種の磁気記録媒体で使用されるものが何れも使用
可能である。具体的に例示すれば、Fe、Co、Ni等
の磁性金属や、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−
Ni、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−Cr等が挙げられる。
て、上記保護膜としては例えばSiO2 ,Si3 N4 ,
SiNx ,BN,カーボン,ZnO2 ,Al2 O3 ,M
oS2 ,SiC等が何れも使用可能であるが、特にカー
ボン膜が好適である。また、上記強磁性金属薄膜を構成
する磁性材料としては、一般的に使用されているもので
あれば何れでも良いが、好ましくは金属磁性材料が使用
されるのが良い。この場合、金属磁性材料としては、通
常この種の磁気記録媒体で使用されるものが何れも使用
可能である。具体的に例示すれば、Fe、Co、Ni等
の磁性金属や、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−
Ni、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−C
o−Ni−Cr等が挙げられる。
【0021】また、上記ベースフィルムとしては、通常
この種の磁気記録媒体において使用されるものが何れも
使用可能である。具体的に例示するならば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト等のポリエステル樹脂や芳香族ポリアミドフィルム、
ポリイミド樹脂フィルム等が挙げられる。更に、本発明
においては、必要に応じて、上記ベースフィルム上に下
塗り膜を形成する工程やバックコート層、トップコート
層等を形成する工程等を加えても良い。この場合、下塗
り膜、バックコート層、トップコート層等の成膜条件
は、通常この種の磁気記録媒体の製造方法に適用される
方法であれば良く、特に限定されない。
この種の磁気記録媒体において使用されるものが何れも
使用可能である。具体的に例示するならば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト等のポリエステル樹脂や芳香族ポリアミドフィルム、
ポリイミド樹脂フィルム等が挙げられる。更に、本発明
においては、必要に応じて、上記ベースフィルム上に下
塗り膜を形成する工程やバックコート層、トップコート
層等を形成する工程等を加えても良い。この場合、下塗
り膜、バックコート層、トップコート層等の成膜条件
は、通常この種の磁気記録媒体の製造方法に適用される
方法であれば良く、特に限定されない。
【0022】
【作用】本願の第1の発明においては、ベースフィルム
上に形成された磁性層上に保護膜を成膜するためにマグ
ネトロンスパッタを行う際に、カソード投入電力を6W
/cm2 以上と高く設定する。これにより、保護膜成膜
時のベースフィルムの送り速度が高くなり、成膜速度が
向上する。
上に形成された磁性層上に保護膜を成膜するためにマグ
ネトロンスパッタを行う際に、カソード投入電力を6W
/cm2 以上と高く設定する。これにより、保護膜成膜
時のベースフィルムの送り速度が高くなり、成膜速度が
向上する。
【0023】また、本願の第2の発明においては、上述
のようなマグネトロンスパッタに際し、ターゲット材の
不純物量を15ppm以下に規制することにより、異常
放電の発生が抑えられ、膜質の安定性が確保される。
のようなマグネトロンスパッタに際し、ターゲット材の
不純物量を15ppm以下に規制することにより、異常
放電の発生が抑えられ、膜質の安定性が確保される。
【0024】
【実施例】以下、本発明を適用した磁気記録媒体の製造
方法の実施例を具体的に説明する。先ず、本発明を適用
した磁気記録媒体の製造方法により作製した磁気テープ
の保護膜成膜工程において使用される製造装置の構成に
ついて説明する。
方法の実施例を具体的に説明する。先ず、本発明を適用
した磁気記録媒体の製造方法により作製した磁気テープ
の保護膜成膜工程において使用される製造装置の構成に
ついて説明する。
【0025】この製造装置においては、図1に示すよう
に、頭部と底部にそれぞれ設けられた排気口11,11
から排気されて内部が真空状態となされた真空室1内の
上方側に図中の反時計回り方向に定速回転する送りロー
ル3と、図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロー
ル4とが設けられ、磁性層が形成されたベースフィルム
2が上記送りロール3から巻取りロール4に向かって順
次走行するようになされている。
に、頭部と底部にそれぞれ設けられた排気口11,11
から排気されて内部が真空状態となされた真空室1内の
上方側に図中の反時計回り方向に定速回転する送りロー
ル3と、図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロー
ル4とが設けられ、磁性層が形成されたベースフィルム
2が上記送りロール3から巻取りロール4に向かって順
次走行するようになされている。
【0026】これら送りロール3から巻取りロール4に
亘って上記ベースフィルム2が移動走行される中途部に
は、上記送りロール3及び巻取りロール4の径よりも大
径となされた冷却キャン7が配設される。この冷却キャ
ン7は、上記ベースフィルム2を図中下方に引き出すよ
うに配設され、図中の時計回り方向に定速回転する構成
とされる。なお、上記送りロール3、巻取りロール4及
び冷却キャン7は、それぞれ上記ベースフィルム2の幅
と略同じ長さからなる円筒状をなすものであり、また、
上記冷却キャン7の内部には、図示しない冷却装置が設
けられ、スパッタ時の熱による上記ベースフィルム2の
変形等を防止するようになされている。
亘って上記ベースフィルム2が移動走行される中途部に
は、上記送りロール3及び巻取りロール4の径よりも大
径となされた冷却キャン7が配設される。この冷却キャ
ン7は、上記ベースフィルム2を図中下方に引き出すよ
うに配設され、図中の時計回り方向に定速回転する構成
とされる。なお、上記送りロール3、巻取りロール4及
び冷却キャン7は、それぞれ上記ベースフィルム2の幅
と略同じ長さからなる円筒状をなすものであり、また、
上記冷却キャン7の内部には、図示しない冷却装置が設
けられ、スパッタ時の熱による上記ベースフィルム2の
変形等を防止するようになされている。
【0027】従って、上記ベースフィルム2は、上記送
りロール3から順次送り出され、さらに上記冷却キャン
7の周面を通過し、上記巻取りロール4に巻き取られて
いくようになされている。なお、上記送りロール3と上
記冷却キャン7の間、この冷却キャン7と上記巻取りロ
ール4の間には、それぞれガイドロール5,6が配設さ
れ、上記送りロール3から冷却キャン7及びこの冷却キ
ャン7から巻取りロール4に亘って走行する上記ベース
フィルム2に所定のテンシャンをかけ、円滑な移動走行
が行えるようになされている。
りロール3から順次送り出され、さらに上記冷却キャン
7の周面を通過し、上記巻取りロール4に巻き取られて
いくようになされている。なお、上記送りロール3と上
記冷却キャン7の間、この冷却キャン7と上記巻取りロ
ール4の間には、それぞれガイドロール5,6が配設さ
れ、上記送りロール3から冷却キャン7及びこの冷却キ
ャン7から巻取りロール4に亘って走行する上記ベース
フィルム2に所定のテンシャンをかけ、円滑な移動走行
が行えるようになされている。
【0028】一方、上記真空室1内には、上記冷却キャ
ン7の下方にカーボンからなるターゲット材9が配設さ
れ、このターゲット材9は、Cuからなるカソード電極
8上に取け付けられる。そして、このカソード電極8に
所定のカソード投入電力が与えられることにより、上記
ターゲット材9と上記冷却キャン7間で放電が起こり、
上記ターゲット材9から叩き出されたカーボンが上記冷
却キャン7の周面を移動走行するベースフィルム2に対
して被着し保護膜が形成されるようになされている。
ン7の下方にカーボンからなるターゲット材9が配設さ
れ、このターゲット材9は、Cuからなるカソード電極
8上に取け付けられる。そして、このカソード電極8に
所定のカソード投入電力が与えられることにより、上記
ターゲット材9と上記冷却キャン7間で放電が起こり、
上記ターゲット材9から叩き出されたカーボンが上記冷
却キャン7の周面を移動走行するベースフィルム2に対
して被着し保護膜が形成されるようになされている。
【0029】そして、上記冷却キャン7の近傍には、上
記送りロール3に近い位置と巻取りロール4に近い位置
に該冷却キャン7の周面に沿って防着板10a,10b
がそれぞれ配設される。これにより、これら防着板10
a,10bから露出する上記ベースフィルム2の表面に
対してのみにスパッタリングがなされるようになり、こ
のベースフィルム2の表面に被着する分以外の保護膜材
料は、上記防着板10a,10bに付着し、これら防着
板10a,10bにより保持される。従って、上記ベー
スフィルム2の表面以外に付着した保護膜材料がターゲ
ット上に脱落して、異常放電の原因となる虞れがなくな
り、得られる保護膜の膜質を安定にすることができる。
記送りロール3に近い位置と巻取りロール4に近い位置
に該冷却キャン7の周面に沿って防着板10a,10b
がそれぞれ配設される。これにより、これら防着板10
a,10bから露出する上記ベースフィルム2の表面に
対してのみにスパッタリングがなされるようになり、こ
のベースフィルム2の表面に被着する分以外の保護膜材
料は、上記防着板10a,10bに付着し、これら防着
板10a,10bにより保持される。従って、上記ベー
スフィルム2の表面以外に付着した保護膜材料がターゲ
ット上に脱落して、異常放電の原因となる虞れがなくな
り、得られる保護膜の膜質を安定にすることができる。
【0030】なお、これら防着板10a,10bは、該
防着板10a,10bに付着される上記保護膜材料との
接着性を高めるために、所定の温度に保温されることが
望ましい。また、上記真空室1内には、上記冷却キャン
7の下方側と上方側を分断するごとく、仕切り板12が
設けられている。これにより、この仕切り板12により
区切られた上記真空室1内の上方側には、スパッタガス
が拡散することがなくなるので、スパッタ効率が向上す
る。
防着板10a,10bに付着される上記保護膜材料との
接着性を高めるために、所定の温度に保温されることが
望ましい。また、上記真空室1内には、上記冷却キャン
7の下方側と上方側を分断するごとく、仕切り板12が
設けられている。これにより、この仕切り板12により
区切られた上記真空室1内の上方側には、スパッタガス
が拡散することがなくなるので、スパッタ効率が向上す
る。
【0031】そこで、このような製造装置を用いて、以
下のように各種磁気テープを作製し、それぞれの実験結
果に基づいて保護膜の特性を検討した。実験1 本実験では、保護膜の成膜時におけるカソード投入電力
と得られる膜の成膜速度について検討した。
下のように各種磁気テープを作製し、それぞれの実験結
果に基づいて保護膜の特性を検討した。実験1 本実験では、保護膜の成膜時におけるカソード投入電力
と得られる膜の成膜速度について検討した。
【0032】先ず、表面に下塗り膜が形成されたベース
フィルムを作製した。即ち、アクリル酸エステルを主成
分とするラテックス粒子(平均粒径30nm)を厚さ1
0μmのポリエステルフィルム表面に上記ラテックス粒
子の密度が1000万個/mm2 となるように塗布して
上記ベースフィルムを得た。
フィルムを作製した。即ち、アクリル酸エステルを主成
分とするラテックス粒子(平均粒径30nm)を厚さ1
0μmのポリエステルフィルム表面に上記ラテックス粒
子の密度が1000万個/mm2 となるように塗布して
上記ベースフィルムを得た。
【0033】次に、ルツボ内に磁性材料(Co80Ni20
合金:数値は重量%を表す。)を充填し、所定の真空度
に保たれた真空室内で上記磁性材料を電子銃により蒸発
せしめるとともに、上記ベースフィルムを冷却キャンの
周面に沿って所定の速度で移動走行させて、このベース
フィルムの表面に上記磁性材料を斜め方向から入射させ
て磁性層を成膜した。なお、この斜め蒸着に際して、上
記ベースフィルムの表面に酸素ガスを300cc/分の
割合で導入し、このベースフィルムの表面に対する上記
磁性材料の入射角が40〜90°の範囲となるように設
定した。また、上記ベースフィルムの送り速度は、得ら
れる磁性層の膜厚が200nmとなるように設定した。
合金:数値は重量%を表す。)を充填し、所定の真空度
に保たれた真空室内で上記磁性材料を電子銃により蒸発
せしめるとともに、上記ベースフィルムを冷却キャンの
周面に沿って所定の速度で移動走行させて、このベース
フィルムの表面に上記磁性材料を斜め方向から入射させ
て磁性層を成膜した。なお、この斜め蒸着に際して、上
記ベースフィルムの表面に酸素ガスを300cc/分の
割合で導入し、このベースフィルムの表面に対する上記
磁性材料の入射角が40〜90°の範囲となるように設
定した。また、上記ベースフィルムの送り速度は、得ら
れる磁性層の膜厚が200nmとなるように設定した。
【0034】その後、この磁性層が形成された面と反対
側の面にウレタン樹脂とカーボンからなるバックコート
層を塗布形成して、磁気テープを得た。
側の面にウレタン樹脂とカーボンからなるバックコート
層を塗布形成して、磁気テープを得た。
【0035】続いて、図1に示される製造装置を用い
て、Arガス雰囲気中でマグネトロンスパッタを行っ
て、上記磁性層上に膜厚100Åのカーボン保護膜を形
成した。この時、上記真空室内の真空度は2Paとし、
上記磁気テープの送り速度を変化させることによって成
膜速度を制御し、得られる保護膜の膜厚が一定となるよ
うにした。なお、上記ターゲット材としては、寸法が幅
200mm×長さ150mmである角型のものを使用
し、このターゲット材と上記ベースフィルムとの距離が
50mmとなるように調節した。
て、Arガス雰囲気中でマグネトロンスパッタを行っ
て、上記磁性層上に膜厚100Åのカーボン保護膜を形
成した。この時、上記真空室内の真空度は2Paとし、
上記磁気テープの送り速度を変化させることによって成
膜速度を制御し、得られる保護膜の膜厚が一定となるよ
うにした。なお、上記ターゲット材としては、寸法が幅
200mm×長さ150mmである角型のものを使用
し、このターゲット材と上記ベースフィルムとの距離が
50mmとなるように調節した。
【0036】また、上記製造装置においては、カソード
電極上にターゲット材を固定する方法として、4本のネ
ジを使用した。即ち、図2及び図3に示すように、上記
カソード電極8の四隅に厚さ方向に貫通してなる貫通孔
13がそれぞれ設けられ、これら貫通孔13介して上記
カソード電極8の裏面側よりM3のネジ14が該カソー
ド電極8内に貫通される。これらネジ14は、上記ター
ゲット材9に設けられたネジ穴に螺入され、該ターゲッ
ト材9が上記カソード電極8上に固定されるようになさ
れている。これにより、カソード投入電力を6W/cm
2 以上に設定しても、上記ターゲット材9の位置がズレ
ることなく、確実に上記カソード電極8上に保持するこ
とができる。
電極上にターゲット材を固定する方法として、4本のネ
ジを使用した。即ち、図2及び図3に示すように、上記
カソード電極8の四隅に厚さ方向に貫通してなる貫通孔
13がそれぞれ設けられ、これら貫通孔13介して上記
カソード電極8の裏面側よりM3のネジ14が該カソー
ド電極8内に貫通される。これらネジ14は、上記ター
ゲット材9に設けられたネジ穴に螺入され、該ターゲッ
ト材9が上記カソード電極8上に固定されるようになさ
れている。これにより、カソード投入電力を6W/cm
2 以上に設定しても、上記ターゲット材9の位置がズレ
ることなく、確実に上記カソード電極8上に保持するこ
とができる。
【0037】この時、上記カソード電極8及びターゲッ
ト材9の冷却温度は、2℃(通常は25℃程度)まで下
げ、上記カソード電極8とターゲット材9の接合部にか
かる熱負荷の緩和を図った。更に、本実験では、カソー
ド投入電力の増加に伴って、上記防着板に付着した保護
膜材料が該防着板から剥離しやすい状態にされる。そこ
で、この防着板に付着した保護膜材料の接着性を高め
て、該保護膜材料の脱落を防止するために、上防着板を
温水により60℃に保持した。
ト材9の冷却温度は、2℃(通常は25℃程度)まで下
げ、上記カソード電極8とターゲット材9の接合部にか
かる熱負荷の緩和を図った。更に、本実験では、カソー
ド投入電力の増加に伴って、上記防着板に付着した保護
膜材料が該防着板から剥離しやすい状態にされる。そこ
で、この防着板に付着した保護膜材料の接着性を高め
て、該保護膜材料の脱落を防止するために、上防着板を
温水により60℃に保持した。
【0038】そして、このようにして保護膜が形成され
た磁気テープを8mm幅に裁断してサンプルテープA〜
Cを得た。
た磁気テープを8mm幅に裁断してサンプルテープA〜
Cを得た。
【0039】そこで、このようにして得られた各サンプ
ルテープA〜C、及び比較用としてカソード投入電力を
4W/cm2 とした場合(サンプルテープa)につい
て、ソニー社製のEV−S1改造機(商品名)によりス
チル特性をそれぞれ調べ、この結果を下記の表1に示し
た。なお、スチル特性は走行時間を50時間で打切りと
して、出力が初期値から3dB劣化した時点までに要し
た時間により評価し、シャトル特性は30分テープを1
00回走行させた後の初期からの出力減衰量により評価
した。
ルテープA〜C、及び比較用としてカソード投入電力を
4W/cm2 とした場合(サンプルテープa)につい
て、ソニー社製のEV−S1改造機(商品名)によりス
チル特性をそれぞれ調べ、この結果を下記の表1に示し
た。なお、スチル特性は走行時間を50時間で打切りと
して、出力が初期値から3dB劣化した時点までに要し
た時間により評価し、シャトル特性は30分テープを1
00回走行させた後の初期からの出力減衰量により評価
した。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示すように、カソード投入電力を6
W/cm2 以上とした場合では、保護膜成膜時のベース
フィルムの送り速度が高くなり、成膜速度の向上を図る
ことができた。また、カソード投入電力が高く設定され
るほど、得られた保護膜のスチル時間が長くなり、耐久
性に優れた磁気テープが得られることが判った。
W/cm2 以上とした場合では、保護膜成膜時のベース
フィルムの送り速度が高くなり、成膜速度の向上を図る
ことができた。また、カソード投入電力が高く設定され
るほど、得られた保護膜のスチル時間が長くなり、耐久
性に優れた磁気テープが得られることが判った。
【0042】実験2 本実験では、保護膜を成膜する際に使用したターゲット
材の不純物量を変化させて、得られる保護膜の膜質等に
ついて検討した。先ず、表面に下塗り膜が形成されたベ
ースフィルムを作製した。即ち、イソプロピルアルコー
ルを溶剤として用い、アクリル酸エステルを主成分とす
るバインダー樹脂中にSiO2 微粒子(平均粒径18n
m)を分散混合して下塗り液を調製した。そして、この
下塗り液を10μm厚のポリエステルフィルム表面に上
記SiO2 微粒子の密度が1000万個/mm2 となる
ように塗布して上記ベースフィルムを得た。
材の不純物量を変化させて、得られる保護膜の膜質等に
ついて検討した。先ず、表面に下塗り膜が形成されたベ
ースフィルムを作製した。即ち、イソプロピルアルコー
ルを溶剤として用い、アクリル酸エステルを主成分とす
るバインダー樹脂中にSiO2 微粒子(平均粒径18n
m)を分散混合して下塗り液を調製した。そして、この
下塗り液を10μm厚のポリエステルフィルム表面に上
記SiO2 微粒子の密度が1000万個/mm2 となる
ように塗布して上記ベースフィルムを得た。
【0043】次に、ルツボ内に磁性材料(Co80Ni20
合金:数値は重量%を表す。)を充填し、所定の真空度
に保たれた真空室内で上記磁性材料を所定の加熱手段に
より蒸発せしめるとともに、上記ベースフィルムを冷却
キャンの周面に沿って所定の速度で移動走行させて、こ
のベースフィルムの表面に上記磁性材料を斜め方向から
入射させて膜厚が200nmとなるように磁性層を成膜
した。この時、上記ベースフィルムの表面に300cc
/分の割合で酸素ガスを導入しながら蒸着を行い、この
ベースフィルムの表面に対する上記磁性材料の入射角が
40〜90°の範囲となるように設定した。
合金:数値は重量%を表す。)を充填し、所定の真空度
に保たれた真空室内で上記磁性材料を所定の加熱手段に
より蒸発せしめるとともに、上記ベースフィルムを冷却
キャンの周面に沿って所定の速度で移動走行させて、こ
のベースフィルムの表面に上記磁性材料を斜め方向から
入射させて膜厚が200nmとなるように磁性層を成膜
した。この時、上記ベースフィルムの表面に300cc
/分の割合で酸素ガスを導入しながら蒸着を行い、この
ベースフィルムの表面に対する上記磁性材料の入射角が
40〜90°の範囲となるように設定した。
【0044】その後、この磁性層が形成された面と反対
側の面にウレタン樹脂とカーボンからなるバックコート
層を塗布形成して、磁気テープを得た。
側の面にウレタン樹脂とカーボンからなるバックコート
層を塗布形成して、磁気テープを得た。
【0045】続いて、図1に示される製造装置を用い
て、得られた磁気テープの磁性層上にカーボン保護膜を
形成した。この時、上記真空室内の真空度は2Paと
し、Arガス雰囲気中にて保護膜の全膜厚が200Åと
なるように上記磁気テープの送り速度を制御しながらマ
グネトロンスパッタを行った。なお、上記ターゲット材
としては、寸法が幅200mm×長さ150mmである
角型のものを使用し、このターゲット材と上記ベースフ
ィルムとの距離が50mmとなるように調節した。
て、得られた磁気テープの磁性層上にカーボン保護膜を
形成した。この時、上記真空室内の真空度は2Paと
し、Arガス雰囲気中にて保護膜の全膜厚が200Åと
なるように上記磁気テープの送り速度を制御しながらマ
グネトロンスパッタを行った。なお、上記ターゲット材
としては、寸法が幅200mm×長さ150mmである
角型のものを使用し、このターゲット材と上記ベースフ
ィルムとの距離が50mmとなるように調節した。
【0046】更に、この保護膜上にパーフルオロポリエ
ーテルをトップコートした後、8mm幅に裁断してサン
プルテープD〜Gを得た。
ーテルをトップコートした後、8mm幅に裁断してサン
プルテープD〜Gを得た。
【0047】そこで、このようにして得られた各サンプ
ルテープD〜G、及び比較用として不純物量が多いター
ゲット材を用いた場合(サンプルテープb,c)につい
て、ソニー社製のEV−S1改造機(商品名)によりス
チル特性、シャトル特性をそれぞれ調べ、この結果を下
記の表2に示した。なお、スチル特性は走行時間を50
時間で打切りとして、出力が初期値から3dB劣化した
時点までに要した時間により評価し、シャトル特性は3
0分テープを100回走行させた後の初期からの出力減
衰量により評価した。
ルテープD〜G、及び比較用として不純物量が多いター
ゲット材を用いた場合(サンプルテープb,c)につい
て、ソニー社製のEV−S1改造機(商品名)によりス
チル特性、シャトル特性をそれぞれ調べ、この結果を下
記の表2に示した。なお、スチル特性は走行時間を50
時間で打切りとして、出力が初期値から3dB劣化した
時点までに要した時間により評価し、シャトル特性は3
0分テープを100回走行させた後の初期からの出力減
衰量により評価した。
【0048】また、表2中に、保護膜の成膜時において
発生した異常放電の回数を併せて記す。
発生した異常放電の回数を併せて記す。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示すように、ターゲット材の不純物
量を15ppm以下とした場合では、保護膜を成膜する
際の異常放電が極めて少なくなり、シャトル減衰量が抑
えられることが判った。これは、異常放電の発生が減る
ために、得られる膜の膜質が安定するためと考えられ
る。なお、サンプルテープEとサンプルテープbを比較
した場合、異常放電の発生回数は両者とも同じである
が、サンプルテープEではカソード電極への投入電力を
10kWとしたのに対して、サンプルテープbではその
1/5の2kWと非常に低い。従って、このカソード投
入電力の比に対応して、両者の間には成膜速度に差が生
じており、生産性の点においてもサンプルテープEの方
が優れた性質を有していることが明らかである。
量を15ppm以下とした場合では、保護膜を成膜する
際の異常放電が極めて少なくなり、シャトル減衰量が抑
えられることが判った。これは、異常放電の発生が減る
ために、得られる膜の膜質が安定するためと考えられ
る。なお、サンプルテープEとサンプルテープbを比較
した場合、異常放電の発生回数は両者とも同じである
が、サンプルテープEではカソード電極への投入電力を
10kWとしたのに対して、サンプルテープbではその
1/5の2kWと非常に低い。従って、このカソード投
入電力の比に対応して、両者の間には成膜速度に差が生
じており、生産性の点においてもサンプルテープEの方
が優れた性質を有していることが明らかである。
【0051】また、カソード電極への投入電力を大きく
すると、得られるカーボン膜の膜質が硬くなり、結果と
して耐久性が著しく向上できた。なお、上記ターゲット
材に含まれる不純物は、Al、Fe、Mg、Si等であ
った。
すると、得られるカーボン膜の膜質が硬くなり、結果と
して耐久性が著しく向上できた。なお、上記ターゲット
材に含まれる不純物は、Al、Fe、Mg、Si等であ
った。
【0052】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本願
の第1の発明では、保護膜を成膜する際に、カソード投
入電力を増大させているので、成膜速度が向上し、生産
性の向上を図ることができる。また、本願の第2の発明
では、ターゲットに含まれる不純物量が少ないので、ス
パッタ時における異常放電の回数が減少し、得られる膜
の膜質が安定する。従って、例えば放送局等の業務用と
しても優れた耐久性、シャトル特性を発揮する磁気記録
媒体を提供すること可能とされる。
の第1の発明では、保護膜を成膜する際に、カソード投
入電力を増大させているので、成膜速度が向上し、生産
性の向上を図ることができる。また、本願の第2の発明
では、ターゲットに含まれる不純物量が少ないので、ス
パッタ時における異常放電の回数が減少し、得られる膜
の膜質が安定する。従って、例えば放送局等の業務用と
しても優れた耐久性、シャトル特性を発揮する磁気記録
媒体を提供すること可能とされる。
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法において使用
される保護膜の製造装置の一例を示す模式図である。
される保護膜の製造装置の一例を示す模式図である。
【図2】ターゲット材がカソード電極に取り付けられた
状態を一部破断して示す側面図である。
状態を一部破断して示す側面図である。
【図3】ターゲット材がカソード電極に取り付けられた
状態を示す平面図である。
状態を示す平面図である。
1・・・真空室 2・・・ベースフィルム 3・・・送りロール 4・・・巻取りロール 7・・・冷却キャン 8・・・カソード電極 9・・・ターゲット
Claims (2)
- 【請求項1】 ベースフィルム上に真空蒸着法により強
磁性金属薄膜を形成した後、この強磁性金属薄膜上にマ
グネトロンスパッタにより保護膜を形成する磁気記録媒
体の製造方法において、 前記保護膜を成膜する際に、カソード投入電力を6W/
cm2 以上とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法。 - 【請求項2】 ベースフィルム上に真空蒸着法により強
磁性金属薄膜を形成した後、この強磁性金属薄膜上にマ
グネトロンスパッタにより保護膜を形成する磁気記録媒
体の製造方法において、 前記保護膜を成膜する際に、使用するターゲット材の不
純物量を15ppm以下とすることを特徴とする磁気記
録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35909391A JPH05182191A (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35909391A JPH05182191A (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05182191A true JPH05182191A (ja) | 1993-07-23 |
Family
ID=18462710
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35909391A Pending JPH05182191A (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05182191A (ja) |
-
1991
- 1991-12-28 JP JP35909391A patent/JPH05182191A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020115 |