JPH05182802A - 抵抗素子 - Google Patents

抵抗素子

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JPH05182802A
JPH05182802A JP35852391A JP35852391A JPH05182802A JP H05182802 A JPH05182802 A JP H05182802A JP 35852391 A JP35852391 A JP 35852391A JP 35852391 A JP35852391 A JP 35852391A JP H05182802 A JPH05182802 A JP H05182802A
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JP
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resistor
resistance element
boron carbide
electrode layer
heat sink
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JP35852391A
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English (en)
Inventor
Yukio Kawaguchi
行雄 川口
Ryuichi Ogiso
龍一 小木曽
Hironobu Sawada
博信 澤田
Sachiko Matsubuchi
幸子 松渕
Katsuhiko Tabuchi
克彦 田渕
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭化ホウ素を含有する焼結体である抵抗体2
と、この抵抗体2に接続された放熱板3とを有する大電
力用抵抗素子。 【効果】 極めて小さな寸法で大電力に耐える。また、
突入電力の抑制が可能であり、しかも適当な抵抗値の固
定抵抗として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化ホウ素を含有する
抵抗体を有する大電力用抵抗素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来用いられている大電力用抵抗器に
は、巻線抵抗器、セメント抵抗器などがあるが、これら
の抵抗器は、0.1〜100Ω程度の抵抗を得るために
は体積が例えば100cm3 前後と大きくなってしまい、
小型の電気・電子機器に組み込むには問題がある。
【0003】小型の抵抗器としては、金属系薄膜からな
る抵抗体を用いて10-6〜10-4Ωcm程度の抵抗率とし
たものがあるが、薄膜抵抗体は大電力に耐えられず、例
えば1W 以上の電力が投入されると割れてしまう。ま
た、La、Cr、Nd、Sn、Ti、Mn、Ni、Co
等の各種酸化物を含む複合酸化物抵抗体では10-1〜1
1 Ωcm程度の抵抗率が得られるが、複合酸化物抵抗体
は熱的安定性が低く、また、1W 以上の電力が投入され
ると、割れや穴開きが生じたり、発火することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、大電力に耐え得る小型の抵
抗素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0006】(1)炭化ホウ素を含有する焼結体である
抵抗体と、この抵抗体に接続された放熱板とを有するこ
とを特徴とする抵抗素子。
【0007】(2)前記抵抗体の25℃における抵抗率
が0.1〜100Ωcmである上記(1)に記載の抵抗素
子。
【0008】(3)前記抵抗体の25〜100℃におけ
るB定数が500〜2000K である上記(1)または
(2)に記載の抵抗素子。
【0009】(4)前記抵抗体表面に電極層を有する上
記(1)ないし(3)のいずれかに記載の抵抗素子。
【0010】(5)前記抵抗体と前記放熱板とが、板状
のリード体を介して接続されている上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の抵抗素子。
【0011】(6)前記抵抗体に含有される炭化ホウ素
のB/Cの原子比が4.05以上かつ5未満である上記
(1)ないし(5)のいずれかに記載の抵抗素子。
【0012】
【作用】図1に示されるように、本発明の抵抗素子1
は、抵抗体2に放熱板3が接続されているため、抵抗体
2の温度上昇が抑えられ、また、抵抗体2は炭化ホウ素
を含有するため、耐熱性が高い。このため、本発明の抵
抗素子は1W 以上の大電力に耐える。また、炭化ホウ素
を含有する抵抗体2は、例えば、5cm3 以下、特に1cm
3 以下の体積で0.1〜100Ω程度の抵抗値が得られ
る。
【0013】炭化ホウ素を含有する抵抗体2は、NTC
サーミスタ(negative temperaturecoefficient thermi
stor )材であり、温度が上昇すると抵抗値が減少する
負の温度特性を示す。スイッチング電源などを用いた電
気回路では、電源をオンにする際のいわゆる突入電力に
より、過大な電流が回路素子に流れ、回路素子が破壊さ
れることがある。本発明の抵抗素子は負の温度特性をも
ち、抵抗体の温度が低い電力投入時には抵抗値が高いた
め、突入電力による過大電流を抑制することができる。
そして、抵抗体2は、電力投入後、温度が速やかに上昇
し、放熱板の放熱効率と釣り合ったところで温度が一定
となって所定の抵抗値を示し、固定抵抗器として働く。
【0014】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0015】本発明の抵抗素子の一実施例を図1に示
す。図1の(a)は平面図であり、(b)は正面図であ
る。同図に示される抵抗素子1は、抵抗体2と、この抵
抗体2に接続された放熱板3とを有する。
【0016】抵抗体2は炭化ホウ素を含有する焼結体で
あり、抵抗値が負の温度特性を示すサーミスタ材料であ
る。抵抗体2の抵抗率やB定数等の各種特性は、目的に
応じて適宜決定すればよいが、特に下記の特性とするこ
とが好ましい。
【0017】25℃における抵抗率は0.1〜100Ω
cmであることが好ましい。抵抗率が前記範囲未満である
と、0.1〜100Ω程度の抵抗値とするためには抵抗
体の寸法が大きくなりすぎる。また、抵抗率が前記範囲
を超えていると抵抗値が大きくなりすぎ、電圧印加時に
抵抗体に電流が殆ど流れなくなるので、抵抗体の温度が
殆ど上昇しなくなる。このため、突入電力による過大電
流の抑制と固定抵抗器としての働きが難しくなる。
【0018】25〜100℃におけるB定数は500〜
2000K であることが好ましい。B定数が前記範囲未
満であると、突入電力に起因する過大電流を防ぐ効果が
不十分であり、B定数が前記範囲を超えていると、電流
が定常状態となったときの抵抗値が低くなりすぎ、固定
抵抗器としての使用が困難となる。
【0019】抵抗体2の25℃における抵抗値は、用途
に応じて適宜決定すればよいが、通常、0.1Ω以上と
される。また、本発明の効果を十分に実現するためには
抵抗値を100Ω以下とすることが好ましい。
【0020】抵抗体2の組成は、要求される抵抗率やサ
ーミスタ特性(B定数)、使用時の抵抗体温度等に応じ
て適宜決定すればよく、特に限定されないが、上記した
好ましい特性を得るためには下記組成を選択することが
好ましい。
【0021】炭化ホウ素のB/Cの原子比は、好ましく
は4以上、より好ましくは4.05以上、さらに好まし
くは4.1以上であり、かつ好ましくは5未満、より好
ましくは4.9以下、さらに好ましくは4.5以下であ
る。原子比B/Cを前記範囲とすることにより上記した
抵抗率およびB定数が得られる。
【0022】B/Cが前記範囲である炭化ホウ素は、従
来公知の下記のようなB4 Cの製造方法において、原料
のホウ素成分と炭素成分の量比を変えることによって製
造することができる。
【0023】1)元素状ホウ素と炭素の直接反応(例え
ば2000〜2400℃) 2)無水ホウ酸(ホウ酸またはホウ砂)の炭素還元 3)窒化ホウ素の炭素還元 4)炭素の存在下における無水ホウ酸のMg還元(テル
ミット反応) 5)炭素の存在下における炭化水素、水素による三塩化
ホウ素の還元(気相反応)
【0024】抵抗体は、上記したような方法により得ら
れた炭化ホウ素の粉末を焼結して製造されることが好ま
しい。
【0025】この場合、通常の粉末冶金法に従って炭化
ホウ素粉末だけを焼結して成形品を得てもよいが、この
場合は焼結温度が2000〜2300℃と高くなってし
まうため、マトリックス物質を含有させることが好まし
い。
【0026】マトリックス物質としては、Al、Siお
よび2A族元素の酸化物の1種以上を用いることが好ま
しい。マトリックス物質をこのような酸化物とすること
により焼結性が向上する。
【0027】このような酸化物としては、酸化アルミニ
ウム(Al23 、特にα−Al23 )であってもよ
く、あるいは、酸化シリコン(SiO2 ) 、さらには種
々の量比の酸化アルミニウム−酸化シリコンであっても
よい。酸化シリコンを用いることによって切断加工性が
向上し、チップ化が容易となる。
【0028】また、これらに替え、あるいはこれらに加
え、2A族元素の酸化物の1種以上を用いてもよい。2
A族元素の酸化物を含有させることによって電気抵抗値
のコントロールが容易となり、焼結体ウエハ内にて生じ
る電気抵抗値の位置的なバラツキも小さくなる。また、
切断加工も容易となる。2A族元素(Be、Mg、C
a、Sr、Ba)の酸化物としては、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロン
チウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)が特に好ま
しい。2A族元素の酸化物の量は、目的とする電気抵抗
値に応じマトリックス物質の0〜100%の範囲の中か
ら適宜決定すればよい。
【0029】さらに、マトリックス物質は、Al、Si
および2A族元素の酸化物の1種以上に加え、4A族元
素の酸化物の1種以上を含有してもよい。4A族元素の
酸化物を含有することによって電気抵抗値のコントロー
ルが容易となり、その焼結体内での位置的なバラツキも
小さくなり、切断加工性も向上する。4A族元素(T
i、Zr、Hf)の酸化物としては、酸化チタン(Ti
2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )が好ましい。こ
れら4A族元素の酸化物の量は、炭化ホウ素の含有量に
対し、体積比で0.5以下、特に0.3以下であること
が好ましい。これは、体積比が0.5を超えると、4A
族元素の酸化物が焼成時に炭化ホウ素により還元されて
導電性をもってしまい、炭化ホウ素が導電路形成物質の
主体とならず、B定数等のサーミスタ特性が変化し、高
温での安定性が低下するからである。
【0030】このようなマトリックス物質を形成する酸
化物焼結体の具体例としては、α−Al23 、SiO
2 、ムライト (3Al2O3・2SiO2) 、ステアタイト(MgO・Si
O2)、フォルステライト(2MgO ・SiO2)、ジルコン(ZrO2・S
iO2) 、磁器(SiO2・Al2O3)、マグネシア(MgO) 、Al2O3・M
gO 、Al2O3・CaO 、Al2O3 ・TiO2、BaO ・SiO2等、ある
いは、“Engineering Properties of Ceramics Databoo
k to Guide MaterialsSelection for Structural Appli
cations”Battele Memorial Institute Columbus Labor
atories P445 〜P447、P459、P469、P472、P479〜P480
に記載の複合酸化物などが挙げられる。これらの酸化物
焼結体の化学式は、それぞれカッコ内に示されるもの等
であるが、化学量論的にその組成を多少はずれてもよ
い。また、その平均グレイン粒径は通常0.1〜100
μm 、特に0.1〜10μm の範囲にある。
【0031】焼結体中の炭化ホウ素の含有量は、一般に
7体積%以上であればよい。また、焼結体中における炭
化ホウ素の平均グレイン粒径は、通常0.1〜15μm
の範囲にあるものである。
【0032】炭化ホウ素やマトリックス物質の体積百分
率は、焼結体の切断面を鏡面加工した後、これを電子顕
微鏡観察して各成分の面積百分率を算出し、これを体積
百分率とすればよい。
【0033】焼結体中では、炭化ホウ素がマトリックス
物質中にて導電路を形成してサーミスタ特性等を発揮す
るものである。そして、これらから形成される導電路は
100℃以上の高温にて安定で、良好なサーミスタ特性
等を有するものである。
【0034】次に、前記マトリックス物質の酸化物焼結
体として、酸化アルミニウム(α−Al23)を適用し
た場合について詳細に説明する。この場合、組成は、上
記の焼結体を化学分析して得た重量%で示している。
【0035】酸化アルミニウム(α−Al23)および
炭化ホウ素、特にB4.15Cの含有量を、それぞれx重量
%およびy重量%とし、x+y=100重量%とした場
合、x=4〜80、特に10〜40であることが好まし
い。xが前記範囲未満であると希望のサーミスタ特性が
得られにくく、前記範囲を超えると良好な焼結性が得ら
れにくい。
【0036】以上においては、マトリックス物質として
α−Al23 を単独で用いた場合の好ましい組成範囲
について述べた。他のマトリックス物質をα−Al2
3 に替えて用いる場合には、他のマトリックス物質の理
論密度をρm 、α−Al23 の理論密度をρa とした
とき、A=100/(ρm x/ρa +y)とすると、マ
トリックス物質はAxρm /ρa 重量部、炭化ホウ素は
Ay重量部用いればよい。各成分の理論密度は前記 Bat
tele Memorial Institute Columbus Laboratories の文
献に記載されており、またそれから容易に計算可能であ
る。α−Al23 はρa =3.98g/cm3 、B4.15
は2.5g/cm3 であり、この他、例えば2MgO・Si
2 は3.71g/cm3 である。
【0037】なお、焼結体の実測密度は、焼結体の理論
密度の75%以上、特に90〜100%、特に95〜1
00%であることが好ましい。これにより、素子の電気
抵抗値の経時変化特性が向上する。
【0038】焼結体中では、炭化ホウ素の一部が焼成中
に酸化物に変化していてもよい。あるいは前記酸化物の
一部が炭化物に変化していてもよい。ただし、酸化ホウ
素の含有量は0〜1重量%、特に0.1〜0.5重量%
であることが好ましい。酸化ホウ素、特にB23 はガ
ラス質となるため、含有量が増えるに従ってガラス相が
増加して低融点となり、電気抵抗のコントロールや、焼
結体の粒子径のコントロール等が困難となるからであ
る。
【0039】焼結体は、マトリックス物質と、導電路形
成物質としての炭化ホウ素とを含有するものに、さらに
副成分として3A族元素の一種以上を元素換算で好まし
くは0.01〜10重量%含有するものであってもよ
い。3A族元素は、金属単体として含有させても、化合
物として含有させても、あるいはこれらを複合含有させ
てもよい。3A族元素としては、特にY、Ceが好まし
く、化合物として含有させる場合は、これらの元素の酸
化物(Y23 、CeO2)あるいは炭化物が好ましい。
これらの元素を元素換算で好ましくは0.01〜10重
量%含有させることにより、電気抵抗値のコントロール
が容易となり、焼結体ウエハ内の電気抵抗値の位置的バ
ラツキが小さくなる。
【0040】また、3A族元素に替え、あるいはこれに
加え、副成分として鉄を好ましくは金属単体、酸化物
(Fe23 )、炭化物の1種以上の形で含有させても
よい。Feも3A族元素と同等の効果をもつ。Feの含
有量は、元素換算で0.01〜10重量%が好ましい。
【0041】このような効果は、前記においてマトリッ
クス物質について述べたように、2A族元素および4A
族元素の酸化物でも実現する。そして、これらはマトリ
ックス物質の全部または一部であり、元素換算で0.0
1重量%以上であることが好ましい。
【0042】さらに、2A族元素および4A族元素、好
ましくはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zrの1種以
上は元素単体であっても、炭化物であってもよく、好ま
しくは元素換算で0.01〜10重量%の含有量にて抵
抗値のコントロールが容易となり、そのバラツキが小さ
くなる。
【0043】さらに、必要に応じ、他の副成分も、例え
ば単体、酸化物、炭化物等の形で含有することができ
る。
【0044】まず、5A族、6A族元素については、そ
の含有に効果はないが、必ずしもその含有は排除される
ものではない。ただし、多量の添加はサーミスタ特性等
を低下させるので、元素換算で10重量%、特に1重量
%を超えないことが好ましい。
【0045】次に、1A族元素、例えばNa、Li等に
ついては特に含有されないことが好ましい。これはサー
ミスタ素子等の抵抗体素子に電圧を印加すると、これら
のイオンが移動、拡散し、抵抗が経時劣化しやすいから
である。1A族元素の含有量は元素換算で0〜1重量
%、特に0〜0.001重量%であることが好ましい。
【0046】また、7A族元素の含有も好ましくない。
7A族元素は価数が変化しやすく、特性の経時変化が生
じやすいからである。7A族元素の含有量は、元素換算
で0〜1重量%、特に0〜0.05重量%であることが
好ましい。
【0047】さらに、1B族、2B族が含まれる場合も
経時変化が生じやすいので、元素換算で0〜1重量%、
特に0〜0.05重量%の含有量とすることが好まし
い。
【0048】この他、B、Al以外の3B族元素Ga、
In、Tlも、0〜1重量%程度含有されてもよい。た
だし、C、Si、O、N以外の4B族、5B族、6B
族、7B族元素等は特性上好ましくないので、0〜1重
量%の含有量であることが好ましい。
【0049】なお、副成分としては、微量の窒化物、ケ
イ化物、ホウ化物等が含有されていてもよい。これら副
成分の総計は、10重量%以下であることが好ましい。
焼結体中におけるこれらの副成分は、化合物として含有
される場合は化学量論的にその組成を多少はずれてもよ
い。また、その平均粒径は、金属単体の場合は通常1〜
5μm の範囲にあり、化合物の場合は、通常0.1〜5
μm の範囲にある。
【0050】さらに必要に応じ、前記の副成分あるいは
焼結によりこれらに変化する化合物、例えば炭酸塩、有
機金属化合物等を添加する。
【0051】2A族、3A族、4A族、Feの金属単体
あるいは化合物の粉末としては、一般に平均粒径1〜5
μm で、純度95重量%以上のものを用いる。あるいは
溶液添加してもよい。
【0052】このような焼結体は次のようにして得られ
る。
【0053】所定量の酸化アルミニウム等のマトリック
ス物質の粉末と炭化ホウ素粉末とにエタノール、アセト
ン等の溶媒または純水を加えて、ボールミル等により湿
式混合する。酸化アルミニウム(Al23)等の上記マ
トリックス物質の粉末としては一般に平均粒径0.1〜
5μm で、純度99.5重量%以上のものを用いる。こ
れらは酸化物に限らず、炭酸塩、有機金属化合物等、焼
結によって酸化物になる化合物であってもよい。炭化ホ
ウ素粉末としては一般に平均粒径0.5〜5μm で純度
97重量%以上のものを用いる。溶媒量は粉末の100
〜120重量%程度とする。また、必要に応じてさら
に、分散剤等を添加してもよい。
【0054】その後、上記混合物を室温で加圧成形して
成形体を得、酸素雰囲気中あるいは非酸化性雰囲気中で
常圧焼結法、ホットプレス(HP)焼結法、熱間静水圧
(HIP)法などにより前記成形体を焼結した後、放冷
する。加圧成形の際の圧力は、500〜2000Kg/cm2
程度である。焼結時の非酸化性雰囲気としては、N2
Ar、He等の不活性ガス、H、CO、各種炭化水素な
ど、あるいはこれらの混合雰囲気、さらには真空等の種
々のものであってよい。
【0055】常圧焼結法の場合は大気圧でよく、焼結時
の温度は1600〜1900℃、より好ましくは175
0〜1800℃で有効である。温度が1600℃より低
い場合には長時間焼結しても十分には緻密化せず、19
00℃より高い場合はAl23 等の酸化物と炭化ホウ
素との相互反応が激しくなるからである。焼結時間は、
通常0.5〜2時間であり、特に、1750℃では1時
間程度であることが好ましい。
【0056】HP焼結法の場合、プレス圧力は150〜
250Kg/cm2、温度は1500〜1800℃、特に16
00〜1750℃が好ましい。温度が1500℃より低
いと緻密な焼結体が得られず、1800℃より高いとA
23 等の上記マトリックス物質と炭化ホウ素との相
互反応が激しくなるからである。焼結時間は、一般に1
〜3時間である。
【0057】HIP焼結法の場合は、原料粉末の成形体
を酸素雰囲気中あるいは非酸化性雰囲気中(例えば、1
200℃まで真空中、その後はAr雰囲気中等が好まし
い)で予備焼結し、次いでHIP炉内でこの予備焼結体
を焼結する。予備焼結の温度は1400〜1650℃、
その時間は1〜3時間とするのがよい。また、HIP焼
結法における温度は1200〜1500℃、焼結時間は
1〜5時間、圧力は1000〜1500Kg/cm2であり、
酸素雰囲気中あるいはAr等の不活性雰囲気中で行えば
よい。この場合、室温で酸素ガス、Arガス等を300
〜400Kg/cm2まで加圧し、その後、上記のように加熱
により圧力をかける。
【0058】このように作製された焼結体では、上記し
たB定数および抵抗が容易に得られる。焼結体の組成比
と抵抗率(ρ)との関係を調べると、炭化ホウ素添加量
によるρ変化が急峻でなく、組成比を変化させることに
より所望の抵抗を得ることが容易である。
【0059】また、酸化アルミニウムを前記の酸化物に
替えた場合は、切断加工性が改善される。
【0060】本発明で用いる材料では、2A族、3A
族、4A族およびFeから選ばれた少なくとも一種以上
の元素を含有させることにより電気抵抗値をコントロー
ルできる。
【0061】なお、炭化ホウ素を単独で焼結する場合、
温度以外の焼結条件は前記と同様でよいが、酸化アルミ
ニウム等の前記マトリックス物質をスペーサーとして用
いると焼結温度が低下し、好ましい結果を得る。これ
は、焼成に際し酸化アルミニウムが炭化ホウ素中に拡散
することにより、焼結が促進されるからであると考えら
れる。この際、酸化アルミニウム等は炭化ホウ素中に1
0〜1000ppm 程度含有されることになる。
【0062】上記のようにして作製された焼結体を、ダ
イシングソー等により所望の形状に切断し、抵抗体とす
る。抵抗体は、通常、図示例のように直方体状とされ
る。なお、後述する電極層を設ける場合には、焼結体の
両面または一方の面に電極層を形成した後、切断するこ
とが好ましい。
【0063】放熱板3は、電力投入により発熱した抵抗
体2の放熱を助けるために設けられる。抵抗体2は、電
力投入後、温度が上昇し、放熱板3の放熱効率と釣り合
ったところで温度が一定となり、その温度に応じた抵抗
値を示す。従って、放熱板3は、抵抗体2の使用温度や
投入電力等に応じて適当な放熱効率が得られるように、
適宜その構成材質や寸法を決定すればよい。具体的に
は、通常の電気・電子機器のヒートシンクに利用される
AlやCu、あるいはこれらを含む合金などから選択す
ればよい。また、放熱板3の形状は特に限定されない
が、通常のヒートシンクと同様に、複数のフィンを設け
て放熱面積を大きくする構成とすることが好ましい。
【0064】なお、放熱板3を含む抵抗素子全体の寸法
は特に限定されないが、図示例のような構成とする場
合、一辺が30mm程度以下におさまる。
【0065】抵抗体2には、抵抗体2を回路と接続する
ためのリード体4が接続される。リード体4の構成材質
および形状は特に限定されず、投入される電力に耐え得
る構成とすればよい。例えば、図示例では、Alからな
る板状のリード体を用いている。
【0066】リード体4は、通常、図示例のように、抵
抗体2と放熱板3とに挟まれるように設けられることが
好ましい。このような構成では放熱板3が抵抗体2と接
触しないので、放熱板3と抵抗体2との絶縁に留意する
必要がなくなる。
【0067】ただし、図1(b)において、放熱板3を
抵抗体2の上面および下面にそれぞれ設けた構成として
もよい。このような構成において、放熱板が導電性材質
から構成されている場合、放熱板の表面に絶縁膜を設け
る。例えば、Al製の放熱板を使う場合、表面にアルマ
イト処理を施せばよい。なお、抵抗体2の表面は鏡面状
ではなく、やや粗面状なので、抵抗体2と放熱板3とが
接する構成とした場合には両者の間に空間が存在し、放
熱板3への熱伝達係数が低くなる。このような場合に
は、抵抗体2と放熱板3との間にシリコーングリスなど
の介在層を設けて、熱伝達係数を高めることが好まし
い。また、このような介在層により絶縁が可能であり、
さらに、熱硬化可能な介在層を設ければ、放熱板の固定
にも利用できる。
【0068】なお、図示例のようにリード体4を介して
放熱板3を設ける場合にも、放熱板3とリード体4との
間は絶縁することが好ましい。
【0069】抵抗体2、放熱板3、リード体4などの各
部材の接続方法は特に限定されない。例えば、図示例の
構成では、両放熱板間にボルトやネジを通して抵抗体2
とリード体4とを圧着するように締め付ける構成とする
ことができる。また、各部材の接続部付近を樹脂モール
ドして固定してもよい。
【0070】リード体4は抵抗体2に直に接続してもよ
いが、抵抗体2表面に電極層を設け、この電極層を介し
て接続してもよい。
【0071】電極層の構成に特に制限はなく、通常のサ
ーミスタチップ等の電極層の構成から適宜選択すればよ
い。例えば、電極層の材質としては、Agを主体とする
もの、Pdを主体とするもの、AgおよびPdを主体と
するもの、Niを主体とするもの、Auを主体とするも
の等から適宜選択すればよい。また、電極層の形成方法
に特に制限はなく、各種厚膜法や、無電解めっき法等の
各種薄膜法から適宜選択すればよい。
【0072】厚膜法により電極層を形成する場合、炭化
ホウ素を含む抵抗体に対しては導電性材料としてNiを
用いることが好ましく、また、ガラスフリットレスペー
ストとすることが好ましい。
【0073】また、電極層を組成の異なる2層以上の導
電層から構成してもよい。例えば、抵抗体表面にPdの
含有量が50%以上100%以下で残部が実質的にAg
である第1の導電層を設け、この第1の導電層上に、P
dの含有量が0%以上50%未満で残部が実質的にAg
である第2の導電層を設けて電極層とすれば、半田ぬれ
性と耐熱性のいずれもが良好な電極層となる。
【0074】厚膜法により形成された電極層は半田付け
の際に半田に溶解することがあり、これは半田くわれと
して知られている。このような半田くわれを防ぐために
は、電極層の表面にNiやSn等の半田くわれ防止用導
電性めっき膜を形成することが好ましい。
【0075】また、厚膜法により形成された電極層の半
田ぬれ性を改善するために、Sn−Pb合金等の半田ぬ
れ性改善用導電性めっき膜を電極層上に形成することが
好ましい。そして、半田くわれ防止用導電性めっき膜と
半田ぬれ性改善用導電性めっき膜とを、この順で形成す
ることがより好ましい。
【0076】なお、半田ぬれ性は、厚膜電極層を焼成
後、イミダゾル処理を行なうことにより改善することも
できる。
【0077】電極層をめっき法により形成する場合、電
極層材質としては、Ni、Ni−B、Ni−P、Ni−
W、Cr、Au、Pd等、一般にチップ型サーミスタ等
に用いられているものから適宜選択すればよい。
【0078】電極層形成前には、抵抗体表面に一般の表
面活性化処理を施すことが好ましい。
【0079】また、めっき前に、抵抗体表面の少なくと
も電極形成部分を粗面化することが好ましい。粗面化さ
れた抵抗体表面に電極層を形成することにより、電極層
の密着性は極めて高くなる。粗面化する方法に特に制限
はないが、化学エッチング法を用いることが好ましく、
アルカリ等による湿式法、溶融塩法、逆スパッタ法等を
用いればよく、例えば、アルカリ溶融塩に浸漬すること
により良好な粗面化を行なうことができる。この場合、
アルカリ溶融塩としてはNa系のものを用いることが好
ましく、特にNaOHを用いることが好ましい。処理温
度や処理時間等の各種条件に特に制限はなく、処理され
る抵抗体の組成等に応じて適宜選択すればよい。また、
この他、塩酸、硫酸等の各種酸による化学エッチングも
好適である。さらに、プラズマエッチング等のドライエ
ッチングやサンドブラスト等により粗面化を行なうこと
もできる。なお、粗面化の程度は、走査型電子顕微鏡等
により確認することができる。
【0080】このように粗面化処理された抵抗体の表面
にめっき法により電極層を形成すると、粗面化処理によ
り形成された抵抗体表面の微小な凹部ないしポア内に電
極層構成材料が侵入する。このため、電極層と抵抗体と
の間に、電極層構成材質と抵抗体構成材質とが共に存在
する混在層が形成される。なお、この場合の電極層と
は、実質的に連続で抵抗体構成材質が存在しない部分で
ある。実質的に連続であるとは、ピンホール等の膜欠陥
による不連続部分があってもよいことを意味する。ま
た、この場合の抵抗体とは、電極層構成材質が存在しな
い部分である。このような混在層は、走査型電子顕微鏡
等により観察することができ、また、電子線プローブマ
イクロアナライザ(EPMA)によって確認することが
できる。このときの倍率は、例えば500〜5000倍
程度でよい。
【0081】電極層の厚さは、通常、0.1〜50μm
、特に1〜10μm であることが好ましい。厚さが前
記範囲未満であると均一な電極層とすることが困難であ
り、前記範囲を超える厚さは不必要である。また、電極
層の上に形成される導電性めっき膜の厚さは、0.1〜
50μm 程度であることが好ましい。
【0082】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0083】[実施例1]下記表1に示す組成の原料粉
末を、アセトンを用いてボールミルにて20時間湿式混
合した。得られたスラリーを乾燥造粒し、内径77mmの
黒鉛型に充填した。これを、Ar雰囲気中でホットプレ
ス焼結し、冷却後、50×50×1.1mmに加工し、両
面に電極層を形成した後、外周スライングマシンにて加
工し、6×6×1.1mm(体積0.04cm3 )にチップ
化し、抵抗体とした。各抵抗体について、25℃におけ
る抵抗率および抵抗値、25〜100℃におけるB定数
を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】これらの抵抗体の各電極層にAl製リード
体を介してAl製放熱板をネジ止めし、図1に示される
構成の抵抗素子サンプルとした。
【0086】サンプルNo. 2に10V の電圧を印加し、
抵抗値の時間的変化を調べた。その結果、電圧印加直後
は表1に示されるように12.5Ωであり、2秒後には
1Ωまで低下したので、突入電力による過大電流の抑制
が可能で、しかも固定抵抗器として働くことが確認され
た。また、他のサンプルについても、B定数に応じて同
様な結果が得られた。そして、電圧印加後も各サンプル
に異常は認められず、100W 程度の大電力に耐えるこ
とがわかった。
【0087】
【発明の効果】本発明の抵抗素子は、極めて小さな寸法
で大電力に耐える。また、突入電力の抑制が可能であ
り、しかも適当な抵抗値の固定抵抗として使用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の抵抗素子の一実施例を示し、(a)は
平面図、(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 抵抗素子 2 抵抗体 3 放熱板 4 リード体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松渕 幸子 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 田渕 克彦 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ホウ素を含有する焼結体である抵抗
    体と、この抵抗体に接続された放熱板とを有することを
    特徴とする抵抗素子。
  2. 【請求項2】 前記抵抗体の25℃における抵抗率が
    0.1〜100Ωcmである請求項1に記載の抵抗素子。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体の25〜100℃におけるB
    定数が500〜2000K である請求項1または2に記
    載の抵抗素子。
  4. 【請求項4】 前記抵抗体表面に電極層を有する請求項
    1ないし3のいずれかに記載の抵抗素子。
  5. 【請求項5】 前記抵抗体と前記放熱板とが、板状のリ
    ード体を介して接続されている請求項1ないし4のいず
    れかに記載の抵抗素子。
  6. 【請求項6】 前記抵抗体に含有される炭化ホウ素のB
    /Cの原子比が4.05以上かつ5未満である請求項1
    ないし5のいずれかに記載の抵抗素子。
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