JPH05184370A - フラボノイド水酸化酵素遺伝子 - Google Patents

フラボノイド水酸化酵素遺伝子

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JPH05184370A
JPH05184370A JP2443992A JP2443992A JPH05184370A JP H05184370 A JPH05184370 A JP H05184370A JP 2443992 A JP2443992 A JP 2443992A JP 2443992 A JP2443992 A JP 2443992A JP H05184370 A JPH05184370 A JP H05184370A
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flavonoid
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mrna
leu
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JP2443992A
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Toshihiro Tokuri
栗 敏 博 戸
Naoyuki Umeki
基 直 行 梅
Osamu Kobayashi
林 統 小
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遺伝子操作手法を用いて、バラ、キク等の観
賞用の植物にフラボノイドの5'位にも水酸基を導入する
能力を与え、それにより交雑育種では不可能な新規な色
彩を持ったこれら植物の新品種を作出する技術を提供す
る。 【構成】 フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素活性を持つ
タンパク質をコードしているDNA鎖またはこのDNA
鎖の任意の断片。上記のDNA鎖またはその任意の断片
を含有している組換えベクター。本発明DNA鎖を、公
知の方法に従ってデルフィニジンを持たない植物、たと
えばバラ、キク、ナデシコ、チューリプなどに導入すれ
ば、花色等の色彩の多様性、特に、青色系の色彩の創出
に大きく役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、植物の花弁等に存在す
る主要な色素であるフラボノイド系色素を修飾する酵素
の一つである、フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素をコー
ドするDNA鎖に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物の花・茎等の色は、植物が生産する
色素によってもたらされる。周知のごとく、新しい花・
茎・葉色を持った植物の需要は大きい。これまでは、新
しい色彩を有する花卉等の植物の生産には交雑育種を利
用するほかにはなかった。しかしながら、このような古
典的な植物育種法は、交雑育種に用いる様々な植物種も
しくはそれらの株の組合せに依存した交配に関わる相性
の良さ、目的形質以外の望まざる形質が導入されること
など多くの問題を内在していた。植物に各種の色調を与
えるのは、主としてフラボノイド、カロチノイド、ベタ
レインの3種類の色素化合物であるが、最も重要でまた
広く分布しているのはフラボノイド(図1)である。フ
ラボノイド化合物の中で、植物の色調発現の中心となる
のが種々のアントシアニン化合物であり、これらの化合
物は橙色から黄、赤、紫、青色に渡る広い範囲の色調を
与えることができる。アントシアニンは糖が結合した配
糖体であり、その糖を除いた部分(アグリコン)をアン
トシアニジンと呼ぶ。10種以上のアントシアニジンが知
られているが、主なものはペラルゴニジン、シアニジ
ン、デルフィニジンの3つである。アントシアニン色素
の色調はアントシアニジンの構造によって決まるが、特
に影響の大きいのはフラボノイド骨格の水酸化である。
前記した3つの主要なアントシアニジンの中で、その3
'、4'、5'位(B環上、図1参照)すべてが水酸化され
たデルフィニジンは紫〜青色の色素であるが、4'位のみ
が水酸化されたペラルゴニジンはピンク〜橙色であり、
3'および4'位が水酸化されたシアニジンは赤色の色素で
ある。ある種の植物、たとえばバラ属(Rosa)、キク属
Chrysanthemum )、ナデシコ属(Dianthus)、チュー
リップ属(Tulipa)などの植物は、ペラルゴニジンやシ
アニジンは持っているが、デルフィニジンを合成できな
い。そのためこれらの植物種には紫〜青色の花が存在し
ない。アントシアニジンのB環の水酸基のうち、4'位の
水酸基はフラボノイド化合物の前駆物質である4-クマル
酸に由来するものであるが、3'および5'位の水酸基はフ
ラボノイド骨格ができた後に導入される(図2)。した
がってデルフィニジン合成における重要な(キー)酵素
反応は、5'位の水酸化反応であることがわかる。すなわ
ち、バラやキクはフラボノイドの3'位を水酸化すること
はできるが、5'位を水酸化することができない。このよ
うなフラボノイドの5'位水酸化能の欠如は、この反応を
触媒する酵素、すなわちフラボノイド 3',5'- 水酸化酵
素(F3',5' H)(図2)がその植物種に遺伝的に欠如
しているためである。たとえば、バラにはフラボノイド
の5'に水酸基を導入する酵素を持った品種が存在しない
ので、青色のバラを従来の交配育種法で作出することは
極めて困難と考えられている[Forkmann, G., Plant Br
eeding, 106,1-26, (1991) ]。これに対する一つの解
決策は、突然変異処理により多数の変異株を作り、その
中から目的とする個体をスクリーニングすることであ
る。しかしながら、バラ等の木本の作物でそのような操
作を行うことは、物理的あるいは時間的に多大の負担が
かかることは明らかであり、また、一般に目的形質以外
の部位に変異が生ずる可能性も高い。一方、近年の植物
遺伝子工学の発展により、遺伝子組換えの手法を用いて
植物に種々の有用形質を与えることが可能になりつつあ
る。遺伝子組換え手法は交配に依存しないので、目的と
する植物とは交配できない植物や、さらには微生物、動
物などからも遺伝子を導入できるという利点を有してい
る。たとえば、ペチュニア( Petunia hybrida ) のジ
ヒドロフラボノール-4- レダクターゼ(DFR)はジヒ
ドロケンフェロールを基質にできないため、交配育種で
はペラルゴニジンを持つペチュニアが得られない(図2
参照)。そこで、マイヤー(Meyer) ら[Nature, 330, 6
77-678 (1987) ;特開平2-2305]は、ジヒドロケンフェ
ロールが蓄積するペチュニア変異体に、遺伝子組換えに
よって基質選択性の広いトウモロコシ( Zea mays) 由
来のDFR遺伝子を導入し発現させることにより、新規
なレンガ色の花色を持つペチュニアを作成した。このよ
うな手法を用いれば、フラボノイドの5'位を水酸化する
ことができる酵素、すなわちF3',5' Hの遺伝子をバラ
やキクに導入して発現させ、デルフィニジン系青色色素
を持ったバラやキクを作出できる可能性がある。しかし
ながらこれまでにF3',5' H遺伝子、すなわちF3',5'
HをコードするDNA鎖についてはほとんど知られてい
なかった。わずかにペチュニアからこの酵素をコードす
る遺伝子を取得したというごく最近の報告[日経バイオ
テク、238 号、1991年8月26日発行]があるが、この報
告には取得されたDNA鎖の塩基配列や物性はもちろ
ん、その取得方法の詳細についてもなんら記載がない。
さて、前述のフラボノイドの5'および3'位の水酸化反応
を触媒する水酸化酵素は、生化学的にはいずれもシトク
ロームP-450 型のモノオキシゲナーゼ(以下P−450
型酵素という)である[Forkmann, G., Plant Breedin
g, 106, 1-26 (1991)]。しかしながら、植物のP−4
50型酵素については、フラボノイドの水酸化酵素はも
ちろん、他の物質に対する水酸化酵素についても遺伝子
の構造上の研究例はほとんどなく、わずかに、アボカド
の果実に存在する、コードする酵素タンパク質の天然基
質および機能ともに不明な遺伝子が一種類クローニング
されているに過ぎない[Bozak, K.R. et al., Proc. Na
tl. Acad. Sci., 87, 3904-3908 (1990)]。以上のよう
に、フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素遺伝子を操作して
キク、バラ等の花卉で種々の新規な色彩を持った品種を
作出することは、従来の技術では不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遺伝子操作
手法を用いて、バラ、キク等の観賞用の植物にフラボノ
イドの5'位にも水酸基を導入する能力を与え、それによ
り交雑育種では不可能な新規な色彩を持ったこれら植物
の新品種を作出することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明では、フラボノイド 3',5'- 水酸
化酵素活性を持つタンパク質をコードしているDNA鎖
またはこのDNA鎖の任意の断片が提供される。このD
NA鎖を目的植物に導入することにより、新しい色彩を
有した品種を作出することができる。また本発明は、上
記のDNA鎖またはこのDNA鎖の任意の断片を含有し
ている組換えベクターにも関する。
【0005】[発明の詳細な説明] (1)概 要 (i) フラボノイド水酸化酵素遺伝子 本発明によるフラボノイド水酸化酵素遺伝子は、フラボ
ノイド 3',5'- 水酸化酵素(F3',5' H)活性を有する
タンパク質をコードするDNA鎖であることは前記した
ところであり、この好ましい態様は、上記タンパク質が
ソラナム(Solanum)属に属する植物、たとえばナスな
ど、に由来するタンパク質であるDNA鎖またはこのD
NA鎖の任意の断片である。本発明における「任意の断
片」とは、後記(6)の項で詳述されているように、本
発明のF3',5' H遺伝子であるDNA鎖の部分であっ
て、この部分DNA鎖によってコードされるタンパク質
もしくはポリペプチドが、単独でまたは他の関連酵素の
断片もしくは部分との融合体の形で、F3',5' H活性を
有するようなDNA鎖を意味する。本発明のDNA鎖
は、後述するように同一のアミノ酸に対する各コドンの
縮重異性体を包含する。本発明遺伝子の具体的な好まし
い例は、F3',5' H活性を有するタンパク質のアミノ酸
配列が実質的に配列番号1に示すものであるDNA鎖ま
たはこのDNA鎖の任意の断片である。ここで「アミノ
酸配列が実質的に配列番号1に示すもの」とは、後記
(6)の項で詳述されているように、コードされるタン
パク質もしくはポリペプチドがF3',5' H活性を有する
限りアミノ酸のいくつかについて置換、欠損、付加など
があってもよいことを示すものであり、従って本発明D
NA鎖は、このアミノ酸の変化に対応する塩基配列をも
包含する。また、このDNA鎖を発現させてそれがコー
ドするタンパク質もしくはポリペプチドを産生させるた
めには、そのポリペプチドのアミノ酸配列に対応するD
NA配列(コーディング領域)の他に、発現調節配列
(上流側のプロモーターなど)が必要である。したがっ
て、本発明DNA鎖は、この発現調節配列を含むDNA
配列をも包含するものである。 (ii)フラボノイド水酸化酵素遺伝子の調製 上記のような本発明によるフラボノイド水酸化酵素遺伝
子は、デルフィニジン合成能を有する植物(たとえばナ
スなど)の種子を長波長の光照射下(好ましくは赤色
光)で栽培した後に、短波長を含む光照射下(好ましく
は白色光および紫外光)で栽培してフラボノイド 3',5'
- 水酸化酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝
子(mRNA)の発現を選択的に誘導し、次いでこの植
物体よりmRNA遺伝子を単離してこれに相補的なcD
NAを作製することにより取得できる。また、この本発
明の方法によればフラボノイド合成に関与する酵素遺伝
子を従来より容易に調製することができる(詳細は後
述)。以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明
する。
【0006】(2)フラボノイド系色素合成の誘導方法 フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素(F3',5' H)は膜結
合タンパク質であるが、含量が少ない上に可溶化すると
失活するため、これまで全く精製されていない[Forkma
nn, G., Plant Breeding, 106, 1-26 (1991)]。当然の
ことながら、F3',5' Hに対する抗体も得られていない
し、この酵素のアミノ酸配列に関しても全く情報がな
い。したがって、F3',5' H遺伝子を取得するために
は、タンパク質の精製を行わずに遺伝子をクローニング
できる系の開発が必須である。このようなクローニング
方法の中で、高等植物に適用できる最も確かな方法の一
つは、ある条件でデルフィニジン合成が誘導される材料
を遺伝子源とし、デルフィニジン合成の誘導に平行して
発現が誘導される遺伝子を選抜する方法である。この方
法は、一般的にはディファレンシャル・ハイブリダイゼ
ーションと呼ばれ、いくつかの成功例が報告されている
[Sambrook et al., "Molecular Cloning, second edit
ion", pp. 10.38-10.43, Cold Spring Harbor Laborato
ry Press, New York (1989) ]。ディファレンシャル・
ハイブリダイゼーションを成功させるためには、誘導前
の組織では目的の遺伝子が発現していないかあるいは誘
導後に比べて極めて発現量が低いこと、言い換えれば目
的とする遺伝子の発現誘導が明確に制御されていること
が重要である。デルフィニジンを含むフラボノイド系色
素合成が誘導される系として、自然条件下で若いつぼみ
と成熟したつぼみとを比較することが行われている。し
かしながら、フラボノイド合成系遺伝子の発現は確かに
つぼみの発育段階ごとに異なっているが、その差(誘導
の「レベル」)はあまり大きくなく、ディファレンシャ
ル・ハイブリダイゼーションによるスクリーニングは困
難と考えられた(ペチュニアの花の場合の例を図7に示
す)。また、デルフィニジンを含む組織と含まない組織
(たとえば花弁と葉)との間、あるいはデルフィニジン
を含む(たとえばペチュニア)品種と含まない品種との
間でディファレンシャル・スクリーニングを行うことも
考えられるが、組織の違い、あるいは品種の違いに由来
する遺伝子発現パターンの差が大きすぎて、目的とする
遺伝子を検出することが事実上不可能であった。そこで
発明者らは、まずデルフィニジン合成が明確に誘導され
る系を探索した結果、ナス( Solanum melongena ) の
種子を赤色光の下で約2週間栽培し、次に白色と紫外の
光を混合したもの(以下では白色光と呼ぶ)を2日以上
照射し栽培することにより、非常に明確にデルフィニジ
ンを含むフラボノイドの合成が誘導されることを見いだ
した。発明者らの方法で白色光照射後5日間のアントシ
アン(フラボノイド系色素)含量の変化を見たのが図3
である。白色光照射によってフラボノイド含量が約20倍
に増加することがわかる。合成の誘導は非常に速やかに
起こり、照射後約48時間で最大値の半分に達している。
この間の既知の遺伝子のmRNAの変化を調べてみる
と、フラボノイド色素の合成系で3'、5' 位のフラボノイ
ド水酸化反応の前後に位置するカルコン合成酵素(CH
S)およびDFR(図2参照)のmRNAは、誘導前に
は検出できず、誘導後7時間めから徐々に増えて行くこ
とがわかった(図4)。これに対し、フラボノイド合成
系のさらに上流に働き、より一般的な代謝系であるフェ
ニルプロパノイド合成系に含まれるフェニルアラニンア
ンモニアリアーゼ(PAL)および4-クマル酸:CoA リ
ガーゼ(4-CL)(図2参照)のmRNAは、誘導によ
り量は増えるものの、誘導前にも存在していた。これ
は、フェニルプロパノイド合成系が、フラボノイドのみ
ならず、ファイトアレキシンやリグニンのような植物の
生育にとってより必須な物質の合成系にも共通した反応
である[石倉, 「植物代謝生理学」, pp. 162-168, 森
北出版 (1987) ]ため、赤色光の下でもある程度発現し
ているからだと考えられる。従って、PALと4-CLの
中間に存在し、酵素学的にはP−450型水酸化酵素と
されているケイ皮酸 4- 水酸化酵素(C4H)遺伝子に
関しても、PALや4-CL遺伝子同様明確な誘導はかか
らず、ある程度発現量が増えるに過ぎないと推定され
る。このような誘導が強くかからない遺伝子は、本発明
の方法では選抜される可能性が低い。一般的に植物を生
化学的に研究する際に頻用される、暗所から白色光の下
へ移す操作では、誘導される遺伝子の大部分が光合性に
関係したものであり、その中からフラボノイドに関する
ものを選ぶことは極めて効率が悪い。本発明の方法の場
合、光合成系の代表的な酵素であるリブロース-1,5- 2
リン酸カルボキシラーゼ・オキシゲナーゼ小サブユニッ
トのmRNAは、白色光による誘導の前後でその量がほ
とんど変わらなかった(図4)。すなわち本発明のナス
の実生を使った系では、フラボノイド系よりはるかに多
量に存在する光合成系の遺伝子のmRNAに対応するク
ローンを効率よく除去することができる。本発明による
フラボノイド合成の誘導は、ナスに限らず、白色光下で
栽培した時実生にフラボノイド化合物を蓄積する植物、
たとえばペチュニア、トウモロコシ等で行うことも可能
である。したがって、本発明の誘導系は、これらの植物
から種々のフラボノイド合成系遺伝子を効率よくクロー
ニングするために活用することができる。なおナスの場
合には、CHSおよびDFR遺伝子のmRNAは実生の
中でも胚軸に特異的に発現するので(図6)、胚軸のみ
を取り出して用いることが望ましい。選んだ材料がF3
',5' Hを含むかどうかについては、F3',5' Hの酵素
活性を測ることにより確認できる。たとえば、次のよう
な方法を用いることができる。Serva 社から発売されて
いるジヒドロケルセチン(DHQ)を用いてニューイン
グランド・ニュークレアー社にトリチウムによるラベリ
ング・サービスを依頼し、 3H- DHQを得る。これ
を、植物材料の抽出液の膜画分と反応させ、その生成物
を酢酸エチルで抽出し減圧濃縮する。これをセルロース
系の薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホル
ム:酢酸:水=10:9:1)で展開した後、増感剤を
噴霧しフルオログラフィーにより分析する。発明者ら
は、このような手法により、F3',5' H活性、すなわち
DHQをジヒドロミルセチンに変換する活性が、青色系
のペチュニアのつぼみおよび白色光照射後のナス実生で
検出されること、および光誘導前のナス実生中にはこの
活性が検出されないことを確かめた。
【0007】(3)フラボノイド合成に関与する遺伝子
をコードするクローンが濃縮されたcDNAライブラリ
ーの作製 誘導をかけたナス胚軸からのRNA抽出およびその中か
らのmRNAの濃縮は常法に従って行うことができる。
二本鎖cDNAの合成は確立した技術であり、たとえば
Stratagene社、Pharmacia 社、Amersham社、Invitrogen
社等から発売されているキットを使用すればよい。たと
えばStratagene社のキットを用いた場合、キットの使用
法に従って二本鎖cDNAを合成し、EcoRI アダプター
をつけてから制限酵素XhoIで切断し、両末端が接着性と
なった二本鎖cDNAの中からアガロースゲル電気泳動
等の公知手段によって1から4kBのDNA断片を分離す
る。ついで、たとえばStratagene社が販売しているλZA
P IIなどのEcoRI/XhoI部位がクローニングしやすくなっ
ているラムダファージベクターに挿入した後、試験管内
パッケイジング(たとえばStratagene社販売のギガパッ
クIIゴールドなどのキットを用いることができる)して
cDNAライブラリーを作る。パッケイジングしたファ
ージの感染に用いる宿主大腸菌には、ファージが増殖で
きる任意の細胞を使いうる。λZAP IIの場合には、PLK
F'が好ましい。以上のようなライブラリーの作製法は一
例であり、cDNA合成キット、アダプター、ベクター
等は公知のものを適宜選択できる。cDNAライブラリ
ーを作製した後、ファージクローンに宿主大腸菌で溶菌
斑(プラーク)を形成させ、このプラーク中のDNA
を、公知の方法にしたがってそれぞれ2または3枚ずつ
のナイロン・メンブレンへ転写し、それぞれ別個のプロ
ーブとハイブリダイズさせて比較することにより、白色
光によって誘導される目的のクローンを選抜する。たと
えば、白色光による誘導をかける前および後のナスから
それぞれmRNAを抽出し、対応するcDNAを合成し
32Pでラベルしてプローブとする。そして、誘導前の
ナス由来のcDNAとは強力にハイブリダイズするが、
誘導後のナス由来のcDNAとは反応しないプラーク群
を選ぶことにより、白色光で誘導される遺伝子に対応す
るクローンを選抜することができる(ディファレンシャ
ル・スクリーニング)。さらに効率のよいスクリーニン
グを行うためには、誘導後のナス由来のcDNAプロー
ブを誘導前のナスに存在するmRNAと反応させ、誘導
前のナス中のmRNAとハイブリッドを形成して二本鎖
となったプローブをあらかじめ除去する(サブトラクト
・プローブ)。二本鎖となったプローブを選択的に除く
のは、リン酸塩濃度勾配ヒドロキシ・アパタイト・カ
ラム・クロマトグラフィー(たとえばBio-Rad 社)によ
る一本鎖cDNAとcDNA・mRNA二本鎖の分離、
あるいは誘導前のナスに由来するmRNAをあらかじ
めビオチン化しておき、ハイブリッド形成後mRNA上
のビオチンにアビジンをさらに結合させ、アビジンが結
合した核酸をフェノール層に抽出することにより、ハイ
ブリダイズしなかったcDNAのみを水層に回収するこ
と(たとえばInvitrogen社のキットを用いることができ
る)などの方法で実施できる。このようにして得たサブ
トラクト・プローブによるスクリーニングとディファレ
ンシャル・スクリーニングを同一プレートに由来する3
コピーのナイロン膜に対して並行して行うことにより、
誘導のかかったクローンを高い精度で得ることができる
(図5)。以上のようにして得たクローンに対して同じ
プローブを用いたスクリーニングを繰り返し2度以上行
うと精度が飛躍的に高まり、白色光誘導性のクローンに
富むライブラリー・サブセットが得られる。このサブセ
ットを、既知の遺伝子CHSおよびDFRでスクリーニ
ングしたところ、どちらの遺伝子のクローンも濃縮前の
10倍以上に頻度が増加していた。すなわち、濃縮前のラ
イブラリー10,000クローンをCHSおよびDFRでスク
リーニングしても、それぞれ2および0クローンしか選
抜できなかったのに対し、濃縮後のライブラリーを用い
ると、1,000クローンからそれぞれ4および1クローン
が得られた。
【0008】(4)P−450型酵素をコードするクロ
ーンの取得 上記のようにして得たファージ・クローンをプラスミド
にサブクローニングするためには、一般的には、ファー
ジDNAを常法に従って精製した後、二本鎖cDNAの
クローニングに用いた制限酵素と同じ酵素で挿入cDN
Aを切り出し、同一の酵素で切ったプラスミド(たとえ
ばBluescript)にサブクローニングする。λZAP IIの場
合には、業者の操作説明書に従って直接サブクローニン
グされたプラスミドを得ることもできる。また、プロー
ブとして用いるため、あるいは大きさを確認するためな
どの目的で挿入cDNAを簡便に得るには、クローニン
グ・サイト外側のベクターDNAに対応するプライマ
ー、たとえばユニバーサルおよびリバース・プライマー
を組み合わせて、ポリメラーゼ・チェーン・リアクショ
ン(PCR)を行ってもよい。この場合PCRの反応条
件等は業者(Cetus 社)の操作説明書に従えばよい。得
られたcDNAの相互関係を、クローン間の交差ハイブ
リッド検定や適当な制限酵素による切断パターンの比較
によって調べ、別々のmRNAに対応すると考えられる
cDNAクローンを選び出す。このようにして別々の遺
伝子に由来すると推定されたDNA断片が、植物体中で
どのように発現しているかを調べるのには、誘導前後の
ナスの胚軸あるいは別の植物、たとえばペチュニアの
花、から得たmRNAを用いて、これらのcDNAをプ
ローブとして常法に従ってノーザン分析を行えばよい。
以上のようにして選択したクローンの塩基配列を常法に
従って解析し、得られた塩基配列あるいはそれによって
コードされたアミノ酸配列を、GENETYX 等のデータベー
ス解析ソフトで公知のP−450型酵素の配列と比較し
たところ、得られたクローンの一つpC152 がコードして
いると推測されるアミノ酸配列が、前記したアボカド果
実のP−450型酵素[Bozak, K.R. et al., Proc. Na
tl. Acad. Sci., 87, 3904-3908 (1990)]やニワトリの
ステロイド 17 α- モノオキシゲナーゼなど種々のP−
450型酵素と有意な相同性を示した(図8)。しか
し、それらの遺伝子のアミノ酸配列との比較から、pC15
2 には5'側が欠けていることがわかったので、cDNA
ライブラリーのファージDNAを鋳型として、pC152 の
内部配列の一部とベクター上の配列を両端のプライマー
とするPCRを行い、約400bp のDNAを得た。このD
NAの3'端の配列とpC152 の5'端配列は完全に一致し、
両者にまたがって513 アミノ酸残基のポリペプチドをコ
ードする1,542 塩基からなるオープンリーディングフレ
ームが見いだされた。したがって両者を結合して得られ
たプラスミドpC152Nは、このP−450型酵素と思われ
るタンパク質の全構造遺伝子を含んでいると考えられ
る。このような全長クローンは、pC152 をプローブとし
てライブラリー自体をスクリーニングし直しても得られ
る。pC152Nの全塩基配列を配列表配列番号2に、それか
ら予想されるアミノ酸配列を配列番号1に示す。
【0009】(5)フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素c
DNAの同定 このpC152Nの発現パターンを以下のようにして調べた。
まず、ナスの実生から取得したmRNAに対し、pC152N
をプローブとするノーザン解析を行った(図6)。pC15
2 とハイブリダイズする約1,800 塩基のmRNAが、赤
色光下で育成したナス実生には検出されず、白色光照射
後初めて検出されること、および実生の中では、子葉で
なく胚軸に局在することが示された。この白色光誘導性
と胚軸局在性は、(1)に前記したように、CHSおよ
びDFRの発現パターンに共通する特徴である(図4、
6)。次に、発育ステージの異なる3段階のペチュニア
青花品種のつぼみあるいは葉からmRNAを取得してノ
ーザン解析すると、つぼみのmRNAからpC152 とハイ
ブリダイズする約2,000 塩基のバンドが検出された(図
7)。これはペチュニアにもナス由来のpC152 クローン
に相同の遺伝子が存在することを示している。しかしこ
のペチュニアに存在するpC152 に相同な遺伝子のmRN
Aは、ナスのpC152 mRNAとは大きさが異なり、また
ハイブリダイゼーションの強さから、pC152 との相同性
は中程度であると推定された。つぼみの発育ステージ別
では中期で最大であり、その増減パターンは他のフラボ
ノイド合成系の遺伝子、CHS、DFRおよびカルコン
フラバノンイソメラーゼ(CFI)と、良く一致してい
た。pC152NとハイブリダイズするmRNAはペチュニア
の葉では検出できず、このmRNAがペチュニアにおい
ても色素を生産している組織に局在していることを示し
ている。以上の発現パターンはこのpC152Nクローンがコ
ードしているタンパク質がアントシアニジンの合成に関
わっていることを強く示唆している。ところで、ペチュ
ニアは古くから遺伝学的な研究材料とされ、多数の変異
株が知られており[Sink, K.C., "Petunia", pp. 34-7
6, Springer-Verlag, BerlinHeidelberg (1984) ]、そ
の中には、花色を支配している遺伝子の変異体も多数集
められている。そこでフラボノイド水酸化能を欠失して
いる変異株と青色花を有する野生株から花のつぼみから
mRNAを抽出し、pC152Nをプローブとしてノーザン分
析を行った。野生株では、上記した通り約2,000 塩基の
バンドが検出されたが、F3',5' Hが欠損した変異株系
統では、pC152 にハイブリダイズするmRNAは検出で
きなかった。アントシアニジン合成系に関与する酵素群
の中で、生化学的にP−450型酵素とされているのは
ケイ皮酸 4- 水酸化酵素(C4H)、フラボノイド 3'-
水酸化酵素(F3'H)、およびF3',5' Hの3つである
[Forkmann, G., Plant Breeding, 106, 1-26 (199
1)]。この中でC4Hはより上流のフェニルプロパノイ
ド合成系の酵素である。(2)に述べたように、フェニ
ルプロパノイド合成系の遺伝子群は、本発明によるナス
胚軸を用いた白色光誘導系では明確な発現誘導がかから
ないので、本発明の遺伝子取得方法ではクローニングさ
れる可能性が低い。さらに上記したペチュニア変異株の
ノーザン解析実験で用いたF3',5' H欠損変異株は、C
4Hについては正常な株であるので、pC152Nがコードし
ているP−450型酵素はC4Hではない。また、この
ペチュニア変異株はF3'Hについても正常であることが
わかっている。したがって、上記の結果より、pC152Nは
F3',5' HをコードするcDNAクローンであると考え
られる。
【0010】(6)結 論 以上(2)〜(5)をまとめると、以下の通りである。 pC152Nに対応するmRNAは、白色光によりナス胚軸
に強く発現誘導されるが、誘導前には存在しない。この
発現誘導のパターンはアントシアニジン合成系のCH
S、CFIおよびDFRと同じであり、フェニルプロパ
ノイド合成系のPALおよび4-CLとは異なる。ペチュ
ニアのつぼみにおいても、pC152Nに対応する、ナスのも
のより少し分子量が大きいmRNAが検出された。この
mRNAの発現は、アントシアニジン合成系遺伝子の発
現パターンと同じく、つぼみの発育段階の中期に最大と
なった。以上のようにpC152Nがコードする遺伝子の発現
様式は、PAL、4-CL等のフェニルプロパノイド合成
系の遺伝子よりも、CHS、DFR等のアントシアニジ
ン合成系の遺伝子に類似しており、この遺伝子がC4H
ではなくアントシアニジン合成系の遺伝子であることを
強く示唆する。 pC152Nは配列番号2に示すような塩基配列を持ってお
り、そこから推定されるアミノ酸配列(配列番号1)は
典型的なP−450型の水酸化酵素の配列と判断され
る。 フラボノイドF3',5' Hの活性は、赤色光下で育成し
たナス胚軸には検出されず、白色光誘導をかけた後で初
めて検出される。ナス胚軸にF3'Hが存在するかどうか
は知られていない。 C4HおよびF3'Hは正常だが、F3',5' Hは欠損し
ているペチュニア変異株のつぼみのmRNA中からは、
pC152Nに対応するmRNAが検出されなかった。これは
pC152Nのコードする遺伝子がF3',5' Hであることを強
く示唆する。 以上のことから、pC152Nは、デルフィニジンを合成す
る際のキー酵素であるフラボノイド 3',5'- 水酸化酵素
をコードしていると結論される。
【0011】自然界には多様な基質に対応して多数のP
−450型酵素が存在しており[Nebert et al., Ann.
Rev. Biochem., 56, 945-993 (1987) ]、それらの断片
を用いたり、異なるP−450型酵素の断片を組み合わ
せて融合タンパク質を作ったりすると、酵素活性が著し
く変化する可能性が示されている。たとえば酵母のP−
450型酵素であるP-450 P1のN端側2/3 とP-450 LM4
のC端側1/3 とを融合させると、両者のいずれよりもは
るかに活性が高まることが示された[Pompon et al., G
ene, 83, 15-24 (1989) ]。また、P−450型酵素が
触媒する酸化反応では、P-450 還元酵素から電子が供給
される場合が多いが、そのような場合にP−450型酵
素と対応するP-450 還元酵素とを融合させると、P−4
50型酵素の活性が2倍以上に高まることも知られてい
る[Shibata, et al., DNA CellBiol., 9, 27-36 (199
0)]。したがって、本発明のF3',5' HをコードするD
NA鎖においても、その任意の断片を、単独であるいは
融合タンパク質をコードするDNA鎖の一部として利用
できることは明らかであろう。また、一般にあるDNA
鎖があるアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする
場合、ひとつのアミノ酸に対応する遺伝コード(コド
ン)が複数存在するために、ひとつのアミノ酸配列に対
応するDNA鎖が複数個存在する(縮重異性体)。本発
明のF3',5' HをコードするDNA鎖においても、それ
がコードするポリペプチドのアミノ酸配列を変化させな
い範囲において、任意の遺伝コードを用いることができ
ることはいうまでもない。さらに、F3',5' Hあるいは
その任意の断片に種々のアミノ酸置換、欠損、付加、挿
入が加わった変異ポリペプチドであっても、F3',5' H
活性を保持している限り、本発明の目的に用いることが
できる。本発明の好ましい態様において、コードされる
「フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素活性を持つタンパク
質のアミノ酸配列が実質的に配列番号1に示すものであ
る」という場合の「実質的」という用語は、本発明DN
A鎖が自然界に存在するF3',5' H活性を持つタンパク
質をコードするDNA鎖だけでなく、このような変異水
酸化酵素ポリペプチドをコードするDNA鎖をも包含す
ることを意味する。また、DNA鎖またはその断片を発
現させてそれがコードするタンパク質もしくはポリペプ
チドを産生させるためには、そのアミノ酸配列に対応す
るDNA配列(コーディング領域)以外に、発現調節配
列が必要である。したがって本発明DNA鎖は、このよ
うな発現調節配列を含むDNA配列をも包含するもので
ある。この発現調節配列の中で特に重要なものは、コー
ディング領域上流のプロモーター配列および下流のポリ
A付加シグナル配列である。プロモーターおよびポリA
付加シグナルとしては、植物中で機能することが知られ
ている公知のもの、例えばカリフラワーモザイクウィル
ス35Sプロモーター、ノパリン合成酵素のプロモータ
ー、リブロースニリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナ
ーゼ小サブユニットのプロモーター、およびノパリン合
成酵素のポリA付加シグナル、オクトピン合成酵素のポ
リA付加シグナル、などを適宜組合わせて用いることが
できる。得られたDNA配列がcDNAである場合に
は、F3',5' Hを宿主中で発現させるために、cDNA
の上流および下流に前記の発現調節配列を連結すること
が必要である。取得したDNA配列がゲノム遺伝子であ
る場合には、DNA配列に発現調節配列が含まれていれ
ばそれをそのまま用いることもできる。本発明は、上述
のDNA鎖またはその断片を含有する組換えベクターに
も関するものであることは前記したところである。この
組換えベクターは上述のDNA鎖またはその断片をベク
ターに連結させたものであり、ベクターとしてはプラス
ミド、ファージあるいはコスミドなど公知のものが使用
できる。この組換えベクターDNAを適当な植物(たと
えばバラ、キク、ナデシコ、チューリプなど)、微生物
(たとえば酵母など)細胞などの宿主に導入して発現さ
せることにより、宿主中においてF3',5' Hが産生され
る。
【0012】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。実施例1 フラボノイド系色素の誘導 ナス種子(東北種苗社の品種”新佐土原茄子”)をバー
ミキュライトに播種し、赤色のアクリル板(メイバン社
製、厚さ1mm)を通して得た300 ルックスの赤色光を連
続照射して25℃、2週間栽培した。次に、8000ルックス
の白色の蛍光灯(東芝社、実生の位置で6W/m 2 ))お
よび紫外光(東芝社、FL-20S E、FL-20SBLB;0.5W/m 2
)[この条件を本発明では白色光と呼ぶ]を5日間照
射した。植物体から、光源までの距離は、15〜25cmであ
った。白色光照射後、アントシアン含量を測定するた
め、定時的に0.2 g の実生を1%のメタノール塩酸で抽
出し、540nm の吸光度を測定した。5日目の色素量を最
大とした時2日目で既に最大値の半分に達していた(図
3)。並行して、チャーグウィンの方法[Chirgwin,J.
M. et al., Biochemistry, 18, 5294-5299 (1979) ]に
従って実生の各部分からmRNA抽出を行い、ホルムア
ルデヒド入りの変性下でアガロース電気泳動後、ナイロ
ン膜(Hybond N;Amersham社)に業者の説明書に従って
転写した。ペチュニア花弁のカルコン合成酵素(CH
S)およびジヒドロフラボノール-4- レダクターゼ(D
FR)、ならびにタバコの葉のリブロース-1,5- 2リン
酸カルボキシラーゼ・オキシゲナーゼ小サブユニットの
全構造遺伝子を、それぞれの公知の塩基配列[Koes et
al., Gene, 81, 245-257 (1989) ;Beld et al., Plant
Mol. Biol., 13, 491-502 (1989) ;Mazur et al., Nu
cl. Acids Res., 13, 2373-2386 (1985)]を利用してP
CR法によりクローニングした。PCRの条件はCetus
社の説明書の指示に従った。得られた各遺伝子をプロー
ブとして、ナスのmRNAのノーザン・ブロットに対し
てハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼー
ションは5×SSPE[1×SSPEは10mM リン酸緩衝液(pH
7.0)、1mM EDTA 、0.15M NaCl]、0.2 %SDS 、100 μ
g/ml ニシン精子DNA、100 μg/ml酵母RNAから成
る液中で60℃、16時間行い、その後膜を2×SSC [1×
SSC は0.15M NaCl、15mM クエン酸ナトリウム]液中で
室温、15分×2回、次いで0.1×SSC 液中で60℃、15分
×2回洗った。オートラジオグラフィの結果を図4に示
す。
【0013】実施例2 フラボノイド合成に関与する遺
伝子が濃縮されたcDNAライブラリーの作製 実施例1に従って、赤色光のもとで2週間栽培した後白
色光による誘導を72時間かけたナス実生を材料として使
用した。実施例1と同様にしてmRNAを調製し、Stra
tagene社のcDNA合成キット(λZAP II クローニン
グキット) を用い、業者の使用説明書に従って二本鎖c
DNAを合成してλZAP IIのEcoRI/XhoIサイトにクロー
ニングし、cDNAライブラリーを作製した。一方白色
光誘導をかける前および後のナス実生からmRNAを抽
出し、各mRNA100ng を60倍量のoligo(dT) プライマ
ーとアニールさせた後、20μM dCTP、300 μCi 32P-dC
TP (3000 Ci/mmol; Amersham社) 、各200 μM のdGTP/d
ATP/dTTP、20mM DTT、50mM Tris-HCl (pH 7.5)、75mM K
Cl、3mM MgCl2 の存在下で1μl のMMLV逆転写酵素(10
0U/ μl ;BRL 社)と37℃、1時間反応させてそれぞれ
のmRNAに対する32P でラベルしたcDNAプローブ
を作製し、ディファレンシャル・スクリーニングに用い
た。また、このようにして作成した白色光誘導後のcD
NAから、以下のようにしてサブトラクト・プローブを
作製した。Invitrogen社のキットを用いて、使用説明書
に従って白色光誘導前のナス実生由来のmRNAをビオ
チン化した。32P ラベルした誘導後cDNAと20倍量の
ビオチン化した誘導前mRNAとを、20μlの0.2 % SD
S、50mM Hepes (pH7.6)、0.5M NaCl 、2mM EDTA 、50
%(V/V) ホルムアミドを含む液[Crowell, D.N. et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci., 87, 8815-8819 (1990)]
中で40℃、40時間ハイブリダイズさせた。反応終了後こ
の液に80μl の50mM Hepes (pH7.6)、 0.5M NaCl、2mM
EDTA および10μg ストレプトアビジン(Vector社) の
混合液を加え、室温で10分間反応後、100 μl のフェノ
ール/クロロホルム混液で抽出し、上層を回収してサブ
トラクト・プローブとして用いた。常法に従って、寒天
培地上にまいたファージ・ライブラリーを3枚のHybond
Nナイロン膜に移した。これらの膜を上記した白色光誘
導前または後のcDNAプローブあるいはサブトラクト
・プローブを用いてスクリーニングし、陽性クローンを
選抜した。ハイブリダイゼーションは5×SSPE、0.2 %
SDS 、100 μg/mlニシン精子DNA、100 μg/ml 酵母
RNAから成る液中で65℃、16時間行い、その後膜を2
×SSC 液中で室温、15分×2回、次いで0.1 ×SSC 液中
で65℃、15分×2回洗った。この実験結果の例を図5に
示した。誘導前または誘導後のcDNAプローブを直接
使用して比較した場合(ディファレンシャル・スクリー
ニング)に比べて、サブトラクト・プローブを使うこと
によりはるかにシグナル・ノイズの比率が高くなってい
ることがわかる。
【0014】実施例3 P−450型酵素をコードする
クローンの取得と構造解析 実施例2の方法により30,000クローンを繰り返しスクリ
ーニングすることにより、70クローンの白色光誘導性ク
ローンから成るライブラリー・サブセットを得た。選抜
されたファージ・クローンから、λZAP IIの使用説明書
に従ってcDNA断片をプラスミドBluescriptにサブク
ローニングした。得られたクローン同士の重複を制限酵
素マッピングおよびドット・ハイブリダイゼーションに
よりチェックし、独立と考えられたクローンから無作為
に10クローンを抽出して、サンガー法に従って塩基配列
を解析した。得られた塩基配列上に見いだされたオープ
ンリーディングフレームにコードされていたアミノ酸配
列を、GENETYX データベース解析ソフト(ソフトウェア
開発社)を用いて公知のタンパク質アミノ酸配列データ
ベース(NBRF-PDB, Rel. 27 )と比較したところ、10ク
ローンのうちの1つ、pC152 上のオープンリーディング
フレームにコードされていた425 アミノ酸から成るポリ
ペプチドが、20種のP−450型酵素またはその断片と
相同性を示した。このクローンがコードするポリペプチ
ドとある程度の相同性を示した公知タンパク質はすべて
P−450型酵素またはその断片であった。そのうちの
一つ、ニワトリのステロイド 17 α- モノオキシゲナー
ゼとpC152 にコードされたポリペプチドとの比較を図8
に示す。またこのポリペプチドは前記したアボカド果実
のP−450型酵素[Bozak, K.R. et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci., 87, 3904-3908 (1990)]にも有意な相
同性を示した。図8から明らかなように、pC152 上に見
いだされたオープンリーディングフレームは5'側が不完
全であると推定されたので、pC152 の塩基配列の一部
(配列番号2に示した塩基配列の塩基番号378 から397
の20塩基)に相補的な合成オリゴDNAとBluescriptシ
ークエンス用T3プライマー(Promega 社)とを用いてP
CRを行った。この合成プライマー配列は、pC152 上の
cDNA断片の5'端から約100bp のところに位置し、そ
の内部に制限酵素NdeIの認識配列を含んでいる。プライ
マー各0.2 μM 、ファージ・ライブラリーDNA100ng
、10倍濃度の緩衝液(Cetus 社キットに含まれたも
の)、0.2mM 4dNTPs、2.5U Ampli Taq ポリメラーゼ(C
etus社) 、および100 μlのミネラル・オイルから成る
反応液中で、95℃(1分)、55℃(1分)および72℃
(2分)の反応サイクルを25回行った。生成物を等量の
クロロホルムで抽出後、水層を回収しエタノール沈澱を
行った。得られた約400bp のDNAを制限酵素BamHI
(ベクターBluescript上に認識配列がある)とNdeIで切
断後、同様に切断したpC152 のBamHI サイトとNdeIサイ
トの間にクローニングした。常法に従ってPCR断片部
分の塩基配列を解析し、pC152 上のcDNA断片と重複
する部分を比較したところ、両者は完全に一致してい
た。またPCR断片に由来する配列中には、pC152 上の
オープンリーディングフレームと読み枠が合った翻訳開
始コドン(ATG) が見いだされた。したがって、このよう
にして得られたプラスミドpC152Nは、完全長のオープン
リーディングフレームを含んでいると結論された。pCN1
52N 上のcDNA断片1696bpの全塩基配列およびそれが
コードする513 アミノ酸のポリペプチドの全アミノ酸配
列を、配列表の配列番号2、1にそれぞれ示す。ニワト
リのステロイド 17 α- モノオキシゲナーゼは503 アミ
ノ酸から成っており、pC152Nにコードされたタンパク質
の大きさはこれとよく一致している。
【0015】実施例4 pC152Nにコードされた遺伝子の
発現パターンの分析 このpC152Nにコードされたタンパク質の発現パターンを
以下のようにして調べた。白色光誘導をかける前および
後のナス実生の胚軸、およびアボカド果実から実施例1
と同様にしてmRNAを抽出し、pC152Nの3'側断片(Ap
aIサイト( 配列番号2の塩基番号992)より3'側全体;以
下pC152-ApaIと呼ぶ)をプローブとして、ノーザン・ハ
イブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーショ
ンは5×SSPE、0.2 %SDS 、100 μg/ml ニシン精子D
NA、100 μg/ml 酵母RNAから成る液中で65℃、16
時間行い、その後膜を2×SSC 液中で室温、15分×2
回、次いで0.1 ×SSC 液中で65℃、15分×2回洗った
(以下の実施例のノーザン・ハイブリダイゼーションは
ハイブリダイゼーションと洗いの温度を適宜変えた以外
は、すべてこの条件で行った)。結果を図6aに示す。
白色光誘導をかけたナス胚軸でのみ、1.8kb の強いシグ
ナルが得られた。次に白色光誘導後のナス実生の胚軸お
よび子葉から同様にmRNAを抽出し、pC152-ApaIある
いは実施例1で得たペチュニア由来のCHSおよびDF
R構造遺伝子をプローブとしてノーザン・ハイブリダイ
ゼーションを行った。ハイブリダイゼーションの条件
は、pC152-ApaIをプローブとした場合は上記と同じ条
件、ペチュニアの遺伝子をプローブとした場合には温度
を60℃に下げて行った。結果を図6bに示す。いずれの
プローブを使った場合でも、胚軸でのみシグナルが得ら
れ、pC152Nにコードされたタンパク質とCHS、DFR
のナス実生での発現パターンはよく似ていることがわか
った。さらに、青色の花をつけるペチュニア品種(”青
い星”;サカタのタネ社)を生育させ、つぼみを経時的
に得た。つぼみの発育ステージの分類は、つぼみの長さ
が最大長の約20%のものを初期、40%のものを中期、80
%のものを後期とした。それぞれのステージのつぼみ、
および若い葉から、実施例1と同様にしてmRNAを抽
出し、pC152-ApaIあるいはペチュニア花弁由来のCH
S、DFR(実施例1)およびカルコンフラバノンイソ
メラーゼ(CFI)構造遺伝子(実施例1と同様にして
公知の塩基配列[Tunen et al., EMBO J., 7, 1257-126
3 (1988)]を利用してPCRでクローンニングしたも
の)をプローブとしてノーザンハイブリダイゼーション
を行った。ハイブリダイゼーションの温度は、pC152-Ap
aIをプローブとした場合は60℃、ペチュニアの遺伝子を
プローブとした場合には65℃とした。結果を図7に示
す。pC152-ApaIをプローブとした場合、青花のペチュニ
アのつぼみでは約2kbのシグナルが得られた。この2kb
mRNAの発現量は、つぼみの発育ステージに応じて変
化し中期で最も発現量が多くなったが、この変化のパタ
ーンはCHS、DFR、CFIの発現量の変化と一致し
ていた。またこの2kbmRNAは、DFRと同じく、ペ
チュニアの葉では検出されなかった。これらの結果は、
pC152Nにコードされた遺伝子と相同の遺伝子が青花のペ
チュニアに存在し、その発現パターンはCHS、DF
R、CFI遺伝子とよく似ていることを示す。ハイブリ
ダイゼーションの温度を変えたときのシグナル強度の変
化から、ペチュニアのpC152Nとハイブリダイズする遺伝
子とpC152Nにコードされた遺伝子との相同性は中程度で
あると推定された。最後に、ペチュニアの野生株V6と変
異株R3およびW39 [以上はオランダ・フリー(Vriji) 大
学のモル(J.N.M.Mol) 教授より分譲を受けた。]および
上記の実験に用いた品種”青い星”(サカタのタネ社)
のつぼみ、およびコントロールとして白色光誘導をかけ
たナス胚軸から、実施例1と同様にしてmRNAを抽出
し、pC152-ApaIをプローブとして60℃でノーザン・ハイ
ブリダイゼーションを行った。R3およびW39 株は、いず
れもC4HおよびF3'Hは正常だがF3',5' Hを欠損し
た変異株である。その結果、ナスの胚軸およびペチュニ
アのV6株と”青い星”(いずれもデルフィニジン系色素
を産生する株)では上記の各実験と同様に1.8kb または
2kbのシグナルが検出されたが、F3',5' Hを欠損した
変異株R3およびW39 株ではpC152Nとハイブリダイズする
シグナルは検出されなかった。この結果はpC152Nにコー
ドされている遺伝子がフラボノイド 3',5'- 水酸化酵素
遺伝子であることを示している。
【0016】
【発明の効果】本発明により、植物の花弁等の主要な青
色色素デルフィニジンの生合成におけるキー酵素、フラ
ボノイド 3',5'- 水酸化酵素をコードするDNA鎖が提
供された。デルフィニジンを持たない植物、たとえばバ
ラ、キク、ナデシコ、チューリップなどは、シアニジン
やペラルゴニジンは合成できるが、フラボノイド 3',5'
- 水酸化酵素を欠くためにデルフィニジンが合成できな
い。したがって、本発明のDNA鎖を公知の方法に従っ
て目的植物に導入すれば、花色等の色彩の多様性、特
に、青色系の色彩の創出に大きく役立つ。
【0017】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:513 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源: 生物名:ナス (Solanum melongena) 株名:新砂土原茄子 配列 Met Val Ile Leu Pro Ser Glu Leu Ile Gly Ala Thr Ile Ile Tyr Ile 1 5 10 15 Ile Val Tyr Ile Ile Ile Gln Lys Leu Ile Ala Thr Gly Ser Trp Arg 20 25 30 Arg Arg Arg Leu Pro Pro Gly Pro Glu Gly Trp Pro Val Ile Gly Ala 35 40 45 Leu Pro Leu Leu Gly Gly Met Pro His Val Ala Leu Ala Lys Met Ala 50 55 60 Lys Lys Tyr Gly Pro Ile Met Tyr Leu Lys Val Gly Thr Cys Gly Met 65 70 75 80 Val Val Ala Ser Thr Pro Asn Ala Ala Lys Ala Phe Leu Lys Thr Leu 85 90 95 Asp Ile Asn Phe Ser Asn Arg Pro Pro Asn Ala Gly Ala Thr His Met 100 105 110 Ala Tyr Asn Ala Gln Asp Met Val Phe Ala Pro Tyr Gly Pro Arg Trp 115 120 125 Lys Leu Leu Arg Lys Leu Ser Asn Leu His Met Leu Gly Gly Lys Ala 130 135 140 Leu Glu Asn Trp Ala Asn Val Arg Ala Asn Glu Leu Gly His Met Leu 145 150 155 160 Lys Ser Met Phe Asp Ala Ser His Val Gly Glu Arg Ile Val Val Ala 165 170 175 Asp Met Leu Thr Phe Ala Met Ala Asn Met Ile Gly Gln Val Met Leu 180 185 190 Ser Lys Arg Val Phe Val Glu Lys Gly Lys Glu Val Asn Glu Phe Lys 195 200 205 Asn Met Val Val Glu Leu Met Thr Val Ala Gly Tyr Phe Asn Ile Gly 210 215 220 Asp Phe Ile Pro Gln Ile Ala Trp Met Asp Leu Gln Gly Ile Glu Lys 225 230 235 240 Gly Met Lys Lys Leu His Lys Lys Phe Asp Asp Leu Leu Thr Lys Met 245 250 255 Phe Glu Glu His Glu Ala Thr Ser Asn Glu Arg Lys Gly Lys Pro Asp 260 265 270 Phe Leu Asp Phe Ile Met Ala Asn Arg Asp Asn Ser Glu Gly Glu Arg 275 280 285 Leu Ser Ile Thr Asn Ile Lys Ala Leu Leu Leu Asn Leu Phe Thr Ala 290 295 300 Gly Thr Asp Thr Ser Ser Ser Val Ile Glu Trp Ala Leu Thr Glu Met 305 310 315 320 Met Lys Asn Pro Thr Ile Phe Lys Lys Ala Gln Gln Glu Met Asp Gln 325 330 335 Ile Ile Gly Lys Asn Arg Arg Phe Ile Glu Ser Asp Ile Pro Asn Leu 340 345 350 Pro Tyr Leu Arg Ala Ile Cys Lys Glu Ala Phe Arg Lys His Pro Ser 355 360 365 Thr Pro Leu Asn Leu Pro Arg Val Ser Ser Asp Ala Cys Thr Ile Asp 370 375 380 Gly Tyr Tyr Ile Pro Lys Asn Thr Arg Leu Ser Val Asn Ile Trp Ala 385 390 395 400 Ile Gly Arg Asp Pro Asp Val Trp Glu Asn Pro Leu Glu Phe Ile Pro 405 410 415 Glu Arg Phe Leu Ser Glu Lys Asn Ala Lys Ile Glu His Arg Gly Asn 420 425 430 Asp Phe Glu Leu Ile Pro Phe Gly Ala Gly Arg Arg Ile Cys Ala Gly 435 440 445 Thr Arg Met Gly Ile Val Met Val Glu Tyr Ile Leu Gly Thr Leu Ile 450 455 460 His Ser Phe Asp Trp Lys Leu Pro Asn Asp Val Val Asp Ile Asn Met 465 470 475 480 Glu Glu Thr Phe Gly Leu Ala Leu Gln Lys Ala Val Pro Leu Glu Ala 485 490 495 Ile Val Thr Pro Arg Leu Ser Phe Asp Ile Tyr Gln Ser Ser Glu Pro 500 505 510 Phe
【0018】配列番号:2 配列の長さ:1696 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源: 生物名:ナス (Solanum melongena) 株名:新砂土原茄子 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:49..1590 特徴を決定した方法:P 配列 ATAAACTTTA TATTATAATT TATACATTTT TGATATTATT ATATTATCAT GGTTATACTT 60 CCTAGTGAGT TGATTGGAGC AACTATTATA TATATCATAG TATATATTAT TATTCAAAAA 120 TTAATAGCCA CCGGCAGCTG GCGGAGGCGG CGGCTGCCGC CAGGTCCGGA GGGGTGGCCG 180 GTGATCGGAG CACTACCACT TTTAGGTGGC ATGCCACATG TTGCACTTGC AAAAATGGCC 240 AAAAAATATG GACCTATTAT GTATTTAAAA GTTGGCACTT GTGGGATGGT TGTTGCTTCA 300 ACTCCTAATG CTGCAAAAGC TTTCTTGAAA ACACTTGATA TTAATTTCTC CAATCGTCCA 360 CCTAATGCAG GTGCCACACA TATGGCCTAT AATGCCCAAG ACATGGTTTT TGCACCCTAT 420 GGACCTCGTT GGAAGTTGCT AAGGAAATTG AGCAACTTAC ACATGCTAGG TGGAAAAGCC 480 TTAGAAAATT GGGCCAATGT CCGGGCCAAT GAGCTAGGTC ACATGCTAAA ATCGATGTTC 540 GACGCGAGCC ATGTGGGTGA ACGCATAGTC GTGGCCGATA TGTTGACGTT CGCGATGGCA 600 AACATGATAG GTCAAGTGAT GTTAAGCAAG AGAGTGTTCG TCGAAAAAGG TAAAGAGGTC 660 AACGAATTCA AAAATATGGT CGTGGAACTG ATGACAGTTG CGGGGTACTT TAATATTGGC 720 GATTTTATTC CTCAAATAGC TTGGATGGAT TTACAAGGAA TTGAAAAGGG GATGAAAAAA 780 TTGCACAAAA AATTTGATGA TTTATTGACA AAAATGTTTG AGGAGCATGA GGCAACTAGC 840 AATGAAAGAA AAGGGAAACC TGATTTTCTT GATTTTATTA TGGCAAATAG GGATAATTCT 900 GAAGGAGAAA GGCTTAGTAT AACAAATATC AAAGCACTTT TACTGAATTT GTTCACAGCT 960 GGTACAGACA CCTCATCTAG CGTGATAGAA TGGGCCCTCA CAGAAATGAT GAAAAATCCC 1020 ACAATTTTCA AAAAAGCCCA ACAAGAAATG GACCAAATAA TTGGCAAAAA TAGACGTTTT 1080 ATTGAATCTG ATATCCCAAA TCTCCCTTAT TTACGTGCAA TTTGCAAAGA AGCATTTCGA 1140 AAACACCCTT CAACGCCACT AAATCTTCCT AGGGTGTCAA GTGATGCGTG CACGATCGAT 1200 GGTTACTATA TACCAAAAAA CACTAGGCTC AGCGTCAATA TATGGGCGAT TGGACGAGAC 1260 CCTGACGTGT GGGAGAATCC TCTCGAATTC ATTCCCGAGA GGTTTTTGAG TGAGAAAAAT 1320 GCAAAGATTG AGCATCGAGG AAATGATTTT GAATTGATTC CATTTGGTGC AGGACGAAGA 1380 ATTTGTGCCG GCACAAGGAT GGGAATAGTG ATGGTTGAGT ATATATTGGG AACTTTGATA 1440 CATTCATTTG ATTGGAAATT ACCAAATGAT GTTGTTGATA TAAATATGGA GGAAACTTTT 1500 GGATTAGCTT TGCAAAAAGC TGTCCCTCTT GAAGCTATAG TTACTCCAAG GCTATCTTTC 1560 GATATTTATC AGTCTAGCGA GCCTTTCTGA TCATCTACAT TGTAACGTAT TTGTTGAAGA 1620 CTTTAACAAA AGAAAACTCG CTTTATATAT GAAAAACTGA TAATGTCATA TCTCGGAGGA 1680 TTTTATTTTG TAAAAA 1696
【図面の簡単な説明】
【図1】フラボノイドの骨格を示す図である。
【図2】フェニルプロパノイドおよびフラボノイド合成
系の反応の概略図である。
【図3】白色光照射後のナス実生中のアントシアニン含
量の経時変化を示す説明図である。最大値を100 とした
相対値で表してある。
【図4】白色光照射後のナス実生中のCHS、DFRお
よびリブロース-1,5- 2リン酸カルボキシラーゼ・オキ
シゲナーゼ小サブユニット(RuBisCO)のmRN
A量の経時変化をノーザン・ハイブリダイゼーションに
よって調べた電気泳動写真である。
【図5】ナス胚軸中に白色光によって発現誘導される遺
伝子をコードするクローンのスクリーニング例を示す写
真である。誘導前および誘導後の組織から得たmRNA
に対するcDNAプローブを用いたディファレンシャル
・スクリーニング、ならびに、誘導後のmRNAに対す
るcDNAを大過剰の誘導前のmRNAでサブトラクト
したプローブを用いてライブラリーをスクリーニングし
た結果を示す。1枚のプレートから3枚のフィルターに
DNAを転写し、それぞれのプローブでハイブリダイズ
させた。矢じりの先は同一のクローンを示す。
【図6】(a)は、pC152Nをプローブとして、光誘導前
後のナス胚軸およびアボカド果実由来のmRNAをノー
ザン解析した結果を示す電気泳動写真であり、(b)お
よび(c)は、ナス実生を胚軸と子葉に分けて取ったm
RNAに対し、CHS、DFRおよびpC152Nをプローブ
としてノーザン解析を行った結果を示す電気泳動写真で
ある。
【図7】CHS、CFI、DFRおよびpC152Nをプロー
ブとして、青花ペチュニア品種のつぼみから経時的に得
たmRNA、および一部のプローブについては誘導をか
けたナス胚軸とペチュニアの葉から得たmRNAに対し
ノーザン解析を行った結果を示す電気泳動写真である。
【図8】pC152 上のオープンリーディングフレームがコ
ードしているポリペプチドのアミノ酸配列を、ニワトリ
のステロイド 17 α- モノオキシゲナーゼ(SMO)の
アミノ酸配列と比較した図である。
【符号の説明】
PAL :フェニルアラニンアンモニアリアーゼ C4H :ケイ皮酸 4-水酸化酵素 4-CL :4-クマル酸:CoAリガーゼ CHS :カルコン合成酵素 CFI :カルコンフラバノンイソメラーゼ F3'H :フラボノイド 3'-水酸化酵素 F3',5' H:フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素 DFR :ジヒドロフラボノール -4-レダクターゼ (以上は図2に関連する) * :一致したアミノ酸 ・ :相似のアミノ酸 (以上は図8に関連する)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素活性を持
    つタンパク質をコードしているDNA鎖またはこのDN
    A鎖の任意の断片。
  2. 【請求項2】フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素活性を持
    つタンパク質がソラナム(Solanum)属に属する植物に由
    来するタンパク質である、請求項1記載のDNA鎖また
    はその任意の断片。
  3. 【請求項3】フラボノイド 3',5'- 水酸化酵素活性を持
    つタンパク質のアミノ酸配列が実質的に配列番号1に示
    すものである、請求項1記載のDNA鎖またはその任意
    の断片。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載のDNA
    鎖またはその任意の断片を含有している組換えベクタ
    ー。
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