JPH05186848A - 溶接熱影響部靭性の優れた大入熱溶接用鋼 - Google Patents
溶接熱影響部靭性の優れた大入熱溶接用鋼Info
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- JPH05186848A JPH05186848A JP316292A JP316292A JPH05186848A JP H05186848 A JPH05186848 A JP H05186848A JP 316292 A JP316292 A JP 316292A JP 316292 A JP316292 A JP 316292A JP H05186848 A JPH05186848 A JP H05186848A
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- steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、大入熱溶接時でもHAZ靭性の低
下が小さい構造用鋼を高度な製造技術を必要とすること
なく大量に安定して提供するものである。 【構成】 Ti,V,Nを含有し、Nを0.005〜
0.020%添加することにより、大入熱溶接を行なっ
ても靭性低下の少ない鋼板の製造が可能になる。これ
は、Ti−Nによる結晶粒細粒化に加えて溶接後の冷却
過程でVNからの粒内フェライトの生成により溶接熱影
響部のミクロ組織が細粒化され、靭性の向上が得られ
る。
下が小さい構造用鋼を高度な製造技術を必要とすること
なく大量に安定して提供するものである。 【構成】 Ti,V,Nを含有し、Nを0.005〜
0.020%添加することにより、大入熱溶接を行なっ
ても靭性低下の少ない鋼板の製造が可能になる。これ
は、Ti−Nによる結晶粒細粒化に加えて溶接後の冷却
過程でVNからの粒内フェライトの生成により溶接熱影
響部のミクロ組織が細粒化され、靭性の向上が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶接熱影響部靭性の優れ
た構造用鋼に関するものである。
た構造用鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶接時の入熱を増大させ効率的な溶接を
施すことは、構造物の建造コスト削減から大きなメリッ
トがある。しかしながら、溶接入熱の増大とともに、鋼
材の溶接熱影響部(以下、HAZと略す)の靭性が低下
するために、従来、大入熱溶接時の靭性低下の小さい鋼
板に関する検討が行なわれてきた。
施すことは、構造物の建造コスト削減から大きなメリッ
トがある。しかしながら、溶接入熱の増大とともに、鋼
材の溶接熱影響部(以下、HAZと略す)の靭性が低下
するために、従来、大入熱溶接時の靭性低下の小さい鋼
板に関する検討が行なわれてきた。
【0003】例えば、特開昭58−31065号公報に
開示されているような造船用、海洋構造物用等に開発さ
れている大入熱用鋼では、TiN等の窒化物により結晶
粒の粗大化を抑えることにより靭性の向上を図ってい
る。しかしながら、溶接金属〜HAZ境界ではTiNが
溶解してしまうために、HAZの広い部分に渡って安定
して高い靭性を確保することは困難である。
開示されているような造船用、海洋構造物用等に開発さ
れている大入熱用鋼では、TiN等の窒化物により結晶
粒の粗大化を抑えることにより靭性の向上を図ってい
る。しかしながら、溶接金属〜HAZ境界ではTiNが
溶解してしまうために、HAZの広い部分に渡って安定
して高い靭性を確保することは困難である。
【0004】そのために、近年、特開昭62−1842
号公報に開示されているように、脱酸生成物+TiN+
MnSの複合析出物を変態核として、溶接時の冷却過程
でのフェライトを生成させることで、フェライト粒の積
極的な細粒化を図る提案がある。また、特開昭59−1
85760号公報および特開昭60−245768号公
報で、Tiの酸化物、窒化物とMnSの複合析出物を変
態核として利用する等、同様な技術思想に基づいた発明
もすでに開示されている。
号公報に開示されているように、脱酸生成物+TiN+
MnSの複合析出物を変態核として、溶接時の冷却過程
でのフェライトを生成させることで、フェライト粒の積
極的な細粒化を図る提案がある。また、特開昭59−1
85760号公報および特開昭60−245768号公
報で、Tiの酸化物、窒化物とMnSの複合析出物を変
態核として利用する等、同様な技術思想に基づいた発明
もすでに開示されている。
【0005】しかしながら、これらの脱酸生成物あるい
は酸化物を利用した大入熱用鋼では、その製造に際し、
酸化物を鋼板内に均一に分散するのに高度な製造技術を
要し、大量の鋼板を安定して製造するのに困難が生じ
る。
は酸化物を利用した大入熱用鋼では、その製造に際し、
酸化物を鋼板内に均一に分散するのに高度な製造技術を
要し、大量の鋼板を安定して製造するのに困難が生じ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大入熱溶接
時でもHAZ靭性の低下が著しく小さく、しかも高度な
製造技術を要することなく大量に安定供給可能な大入熱
溶接用綱を提供するものである。
時でもHAZ靭性の低下が著しく小さく、しかも高度な
製造技術を要することなく大量に安定供給可能な大入熱
溶接用綱を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶接時の
冷却過程で生成するフェライト変態を起こすために、種
々の変態核を検討した結果、VNを多量に含有する鋼
から極めて細粒なフェライトが生成すること、その効
果は、TiNの生成によりさらに助長されること、さ
らに、冷却中にV炭化物の析出が生じるとHAZが著し
く硬化し、靭性が低下するため、C量を低減する必要が
あることを明らかにした。
冷却過程で生成するフェライト変態を起こすために、種
々の変態核を検討した結果、VNを多量に含有する鋼
から極めて細粒なフェライトが生成すること、その効
果は、TiNの生成によりさらに助長されること、さ
らに、冷却中にV炭化物の析出が生じるとHAZが著し
く硬化し、靭性が低下するため、C量を低減する必要が
あることを明らかにした。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。Vと同時
にNを添加することで鋼の強度靭性を改善する技術が従
来から知られている。例えば、特公昭39−2368号
公報には、「V少なくとも0.02%、N0.08%乃
至0.24%、C0.15%乃至0.50%、Mn0.
40%乃至2.00%を含み、キルド鋼を生じるには不
十分な量の脱酸剤で処理して作ったことを特徴とする高
力セミキルド鋼」、また、特公昭48−13803号公
報には、「C:0.08〜0.20%、Si:0.20
〜0.40%、Mn:1.0〜1.6%、Cr:0.0
5〜0.35%、Mo:0.10〜0.60%、V:
0.005〜0.1%、N2:0.004〜0.02%
を含有し、最終熱処理として890℃〜1000℃の加
熱温度より1000℃〜4500℃/hの冷却速度で焼
ならしを行なうことを特徴とする高温用低合金鋼」、さ
らには、特開昭61−130420号公報には、「C:
0.05〜0.20%、Si:0.01〜0.6%、M
n:1.10〜1.6%、V:0.03〜0.2%、
N:0.009〜0.02%を含有した鋼をフランジ形
状に鍛造した後、焼入れし、焼戻すことを特徴とする強
靭性フランジ材の製造法」等が開示されている。
にNを添加することで鋼の強度靭性を改善する技術が従
来から知られている。例えば、特公昭39−2368号
公報には、「V少なくとも0.02%、N0.08%乃
至0.24%、C0.15%乃至0.50%、Mn0.
40%乃至2.00%を含み、キルド鋼を生じるには不
十分な量の脱酸剤で処理して作ったことを特徴とする高
力セミキルド鋼」、また、特公昭48−13803号公
報には、「C:0.08〜0.20%、Si:0.20
〜0.40%、Mn:1.0〜1.6%、Cr:0.0
5〜0.35%、Mo:0.10〜0.60%、V:
0.005〜0.1%、N2:0.004〜0.02%
を含有し、最終熱処理として890℃〜1000℃の加
熱温度より1000℃〜4500℃/hの冷却速度で焼
ならしを行なうことを特徴とする高温用低合金鋼」、さ
らには、特開昭61−130420号公報には、「C:
0.05〜0.20%、Si:0.01〜0.6%、M
n:1.10〜1.6%、V:0.03〜0.2%、
N:0.009〜0.02%を含有した鋼をフランジ形
状に鍛造した後、焼入れし、焼戻すことを特徴とする強
靭性フランジ材の製造法」等が開示されている。
【0009】このいずれの発明においても、その特徴
は、VおよびNの添加であり、これによりVNを多量に
析出させ、結晶粒の細粒化と強化を図っている。VNは
溶解温度が低いために、通常の焼準処理および焼入れ処
理による加熱時に溶解し、その後、空冷での冷却過程で
析出、あるいは焼入れ後の焼戻し過程で析出し、鋼の母
材を強靭化させる。
は、VおよびNの添加であり、これによりVNを多量に
析出させ、結晶粒の細粒化と強化を図っている。VNは
溶解温度が低いために、通常の焼準処理および焼入れ処
理による加熱時に溶解し、その後、空冷での冷却過程で
析出、あるいは焼入れ後の焼戻し過程で析出し、鋼の母
材を強靭化させる。
【0010】しかしながら、上記した従来技術はVNの
有効利用の観点から、窒化物を形成してしまうTi添加
をしないことが前提になっており、母材の機械的性質を
改善せしめるが、HAZ靭性に対しては結晶粒の粗大化
を招くために問題があった。例外として、特開昭56−
127750号公報には、「C:0.12〜0.25
%、Mn:0.5〜2.9%、V:0.05〜0.20
%、Cu:0.05〜0.4%、Ni:0.1〜0.5
%、Cr:0.05〜0.4%、Ti:0.005〜
0.03%、N:0.01〜0.03%に、Ca:0.
0005〜0.0070%、Mg:0.0005〜0.
0070%の少なくとも1種または2種を含有し、歪み
時効脆化の少ない構造用高張力鋼」として、V添加と同
時にTiを添加する旨の記載がある。
有効利用の観点から、窒化物を形成してしまうTi添加
をしないことが前提になっており、母材の機械的性質を
改善せしめるが、HAZ靭性に対しては結晶粒の粗大化
を招くために問題があった。例外として、特開昭56−
127750号公報には、「C:0.12〜0.25
%、Mn:0.5〜2.9%、V:0.05〜0.20
%、Cu:0.05〜0.4%、Ni:0.1〜0.5
%、Cr:0.05〜0.4%、Ti:0.005〜
0.03%、N:0.01〜0.03%に、Ca:0.
0005〜0.0070%、Mg:0.0005〜0.
0070%の少なくとも1種または2種を含有し、歪み
時効脆化の少ない構造用高張力鋼」として、V添加と同
時にTiを添加する旨の記載がある。
【0011】しかしながら、この場合のTi添加は強度
の向上を目的として添加されるものであって、前提とし
てC0.12〜0.20%範囲での添加が必要である。
従って、当該発明中の目的でないHAZ靭性の改善に対
しては際立った効果は期待できない。
の向上を目的として添加されるものであって、前提とし
てC0.12〜0.20%範囲での添加が必要である。
従って、当該発明中の目的でないHAZ靭性の改善に対
しては際立った効果は期待できない。
【0012】本発明は以上のVNを利用する従来技術の
問題点を検討し、HAZ靭性に対しVNの析出を有効に
利用するためには、V,Nの添加量の制限と同時に、C
添加量を抑制し、さらに、Tiを添加することで、飛躍
的に靭性の向上が図れることを実験的に見いだした。
問題点を検討し、HAZ靭性に対しVNの析出を有効に
利用するためには、V,Nの添加量の制限と同時に、C
添加量を抑制し、さらに、Tiを添加することで、飛躍
的に靭性の向上が図れることを実験的に見いだした。
【0013】図1は0.05%C−0.25%Si−
1.0%Mn−0.002%P−0.003%S−0.
068%Vをベースに、Nを変化させた時に最高加熱温
度1400℃で1000kJ/cm相当の大入熱溶接を模し
た熱サイクルを与えた時の靭性をシャルピー衝撃試験で
の遷移温度として評価したものである。図はTiを0.
010〜0.015wt%添加した場合と、無添加の場合
をそれぞれ示している。
1.0%Mn−0.002%P−0.003%S−0.
068%Vをベースに、Nを変化させた時に最高加熱温
度1400℃で1000kJ/cm相当の大入熱溶接を模し
た熱サイクルを与えた時の靭性をシャルピー衝撃試験で
の遷移温度として評価したものである。図はTiを0.
010〜0.015wt%添加した場合と、無添加の場合
をそれぞれ示している。
【0014】図から明らかなように、N添加量が0.0
05wt%以上になると、Ti添加、無添加にかかわらず
HAZ靭性の著しい向上がみられるが、Tiを添加する
ことでさらに靭性は向上する。
05wt%以上になると、Ti添加、無添加にかかわらず
HAZ靭性の著しい向上がみられるが、Tiを添加する
ことでさらに靭性は向上する。
【0015】VNはフェライトとの格子整合性が良好で
あり、オーステナイト中で析出することで、オーステナ
イト粒内から微細なフェライトを多量に生成せしめる
が、その場合、靭性を向上せしめるためには、粒内に生
成するフェライトの微細分散を有効に実現することが重
要である。最近の研究では、VNはMnSを核として析
出することが知られている。
あり、オーステナイト中で析出することで、オーステナ
イト粒内から微細なフェライトを多量に生成せしめる
が、その場合、靭性を向上せしめるためには、粒内に生
成するフェライトの微細分散を有効に実現することが重
要である。最近の研究では、VNはMnSを核として析
出することが知られている。
【0016】そこで、本発明者らは種々の実験から、M
nSはさらに高温で生成するTiNに優先的に析出する
ことを明らかにし、Tiを添加することでTiNを微細
分散させ、TiN−MnS−VNの複合析出物を鋼中に
分散でき、HAZ靭性を著しく向上できることを見いだ
した。
nSはさらに高温で生成するTiNに優先的に析出する
ことを明らかにし、Tiを添加することでTiNを微細
分散させ、TiN−MnS−VNの複合析出物を鋼中に
分散でき、HAZ靭性を著しく向上できることを見いだ
した。
【0017】しかしながら、フェライトの微細化が達成
されてもVNより低温で析出するV炭化物が析出すると
靭性を著しく阻害する。従って、この炭化物の生成を抑
制するために、C添加量を抑制することも合わせて重要
であることも知見した。
されてもVNより低温で析出するV炭化物が析出すると
靭性を著しく阻害する。従って、この炭化物の生成を抑
制するために、C添加量を抑制することも合わせて重要
であることも知見した。
【0018】本発明は上記の知見に基づき構成したもの
であって、その要旨は、C:0.03〜0.10%、S
i:0.01〜0.5%、Mn:0.4〜2.0%、
P:0.030%以下、S:0.001〜0.01%、
V:0.03〜0.20%、Ti:0.005〜0.0
20%、Al:0.005〜0.06%、N:0.00
5〜0.02%を含有し、さらにCu:0.2〜1.5
%、Ni:0.2〜3.0%あるいはCr:0.05〜
1.0%、Mo:0.05〜1.0%のそれぞれ1種ま
たは2種以上を添加した大入熱溶接用鋼である。
であって、その要旨は、C:0.03〜0.10%、S
i:0.01〜0.5%、Mn:0.4〜2.0%、
P:0.030%以下、S:0.001〜0.01%、
V:0.03〜0.20%、Ti:0.005〜0.0
20%、Al:0.005〜0.06%、N:0.00
5〜0.02%を含有し、さらにCu:0.2〜1.5
%、Ni:0.2〜3.0%あるいはCr:0.05〜
1.0%、Mo:0.05〜1.0%のそれぞれ1種ま
たは2種以上を添加した大入熱溶接用鋼である。
【0019】
【作用】以下、本発明の詳細をその作用とともに説明す
る。まず、本発明において鋼成分を上記のように限定し
た理由を述べる。
る。まず、本発明において鋼成分を上記のように限定し
た理由を述べる。
【0020】C:Cは強度確保に必要な元素であり、
0.03%の添加が必要であるが、0.10%を超える
とV炭化物の析出を招きHAZ靭性が低下するため、含
有量の範囲を0.03〜0.10%とする。
0.03%の添加が必要であるが、0.10%を超える
とV炭化物の析出を招きHAZ靭性が低下するため、含
有量の範囲を0.03〜0.10%とする。
【0021】Si:Siは製鋼上脱酸元素として必要な
元素であり、鋼中に0.01%は含有されるが、0.5
%を超えると母材、HAZ靭性を低下させる。したがっ
て、その範囲を0.01〜0.5%とする。
元素であり、鋼中に0.01%は含有されるが、0.5
%を超えると母材、HAZ靭性を低下させる。したがっ
て、その範囲を0.01〜0.5%とする。
【0022】Mn:Mnは強度、靭性の確保に必要な元
素である。しかしながら、2.0%を超えるとHAZ靭
性が著しく低下し、逆に、0.4%未満では母材の強度
確保が困難になるためにその範囲を0.4〜2.0%に
制限する。
素である。しかしながら、2.0%を超えるとHAZ靭
性が著しく低下し、逆に、0.4%未満では母材の強度
確保が困難になるためにその範囲を0.4〜2.0%に
制限する。
【0023】P:Pは粒界脆化元素でありできるだけ低
減するのが望ましいが、0.03wt%以下では脆化の程
度が小さいためその上限を0.03wt%とする。
減するのが望ましいが、0.03wt%以下では脆化の程
度が小さいためその上限を0.03wt%とする。
【0024】S:Sは本発明において、VNの析出核と
して働くMnSの生成に欠かせない元素であり、0.0
01%以上の添加を必要とするが、多量な添加はMnS
の粗大化を招き靭性の低下を招くためその上限を0.0
10%とする。
して働くMnSの生成に欠かせない元素であり、0.0
01%以上の添加を必要とするが、多量な添加はMnS
の粗大化を招き靭性の低下を招くためその上限を0.0
10%とする。
【0025】V:Vは本発明において中心的な役割を果
たす元素であり、前述したように、溶接後の冷却中にお
いてフェライト変態を促進し、HAZ靭性の向上をもた
らす。従って、0.03%以上の添加が必要であるが、
多量の添加では炭化物の析出を招くために0.20%以
下に制限する。
たす元素であり、前述したように、溶接後の冷却中にお
いてフェライト変態を促進し、HAZ靭性の向上をもた
らす。従って、0.03%以上の添加が必要であるが、
多量の添加では炭化物の析出を招くために0.20%以
下に制限する。
【0026】Ti:TiはTiNによる結晶粒の細粒化
およびVNの析出核となるMnSの微細分散を促進する
ために、必要不可欠な元素であり、0.005%以上の
添加が必要であるが、過剰の添加は炭化物が生成し靭性
の低下を招く恐れがあるために、その上限を0.020
%に制限する。
およびVNの析出核となるMnSの微細分散を促進する
ために、必要不可欠な元素であり、0.005%以上の
添加が必要であるが、過剰の添加は炭化物が生成し靭性
の低下を招く恐れがあるために、その上限を0.020
%に制限する。
【0027】Al:Alは脱酸剤として必要な元素であ
り、0.005%以上の添加が必要であるが、過剰に添
加すると、AlNが過剰に生成し、VNの生成に有効な
Nが低下する恐れがあるためにその上限を0.06%と
する。
り、0.005%以上の添加が必要であるが、過剰に添
加すると、AlNが過剰に生成し、VNの生成に有効な
Nが低下する恐れがあるためにその上限を0.06%と
する。
【0028】N:NはTiNおよびVNの生成に必要で
あり、図1に示したように、HAZ靭性の向上から0.
005%以上の添加が必要であるが、過剰の添加は母
材、HAZ靭性の低下を招くために、その上限を0.0
2%とする。
あり、図1に示したように、HAZ靭性の向上から0.
005%以上の添加が必要であるが、過剰の添加は母
材、HAZ靭性の低下を招くために、その上限を0.0
2%とする。
【0029】本発明では、さらに強度靭性改善元素、あ
るいは強度改善元素として以下の元素を選択的に添加し
ても本発明の効果を何ら損なわない。まず、強度靭性の
改善元素として、下記の1種または2種を選択して添加
できる。
るいは強度改善元素として以下の元素を選択的に添加し
ても本発明の効果を何ら損なわない。まず、強度靭性の
改善元素として、下記の1種または2種を選択して添加
できる。
【0030】Cu:Cuは靭性および強度を改善する元
素として有効であり、その効果は0.2%以上の添加で
有効であるが、1.5%を超える過剰の添加ではかえっ
て靭性の低下をきたすためにその上限を1.5%とす
る。
素として有効であり、その効果は0.2%以上の添加で
有効であるが、1.5%を超える過剰の添加ではかえっ
て靭性の低下をきたすためにその上限を1.5%とす
る。
【0031】Ni:Niは靭性の向上に有効な元素であ
り、0.2%以上の添加が必要であるが、3.0%を超
える添加ではその効果が飽和してしまうため3.0%を
上限とする。
り、0.2%以上の添加が必要であるが、3.0%を超
える添加ではその効果が飽和してしまうため3.0%を
上限とする。
【0032】さらに、強度改善元素として、Crおよび
Moの1種または2種を添加できる。それぞれ、0.0
5%以上の添加が必要であるが、過剰な添加は靭性を阻
害するために、その範囲をいずれも1.0%までに限定
する。
Moの1種または2種を添加できる。それぞれ、0.0
5%以上の添加が必要であるが、過剰な添加は靭性を阻
害するために、その範囲をいずれも1.0%までに限定
する。
【0033】鋼板の製造にあたっては、上記の成分系を
有する鋼を転炉、電気炉等で溶製し、連続鋳造あるいは
造塊分塊法により鋼片を鋳造する。その後、厚板加熱、
熱間圧延を施し所定の厚みの鋼板を製造する。
有する鋼を転炉、電気炉等で溶製し、連続鋳造あるいは
造塊分塊法により鋼片を鋳造する。その後、厚板加熱、
熱間圧延を施し所定の厚みの鋼板を製造する。
【0034】厚板加熱以降の製造条件については、現在
公知になっている制御圧延、制御冷却等の種々の技術を
適用してもHAZの性質にはなんら影響を及ぼさない。
また、母材の機械的性質を向上させるために、熱間圧延
後、適当な熱処理を施してもHAZ靭性に関しては何ら
差し支えない。
公知になっている制御圧延、制御冷却等の種々の技術を
適用してもHAZの性質にはなんら影響を及ぼさない。
また、母材の機械的性質を向上させるために、熱間圧延
後、適当な熱処理を施してもHAZ靭性に関しては何ら
差し支えない。
【0035】
【実施例】表1に示す組成を有する鋼を転炉で溶製し、
造塊分塊法あるいは連続鋳造法により得た鋼片を、それ
ぞれ1150〜1250℃に加熱し、その後熱間圧延お
よび表中に示す熱処理を実施し、板厚25〜90mmの鋼
板を製造した。
造塊分塊法あるいは連続鋳造法により得た鋼片を、それ
ぞれ1150〜1250℃に加熱し、その後熱間圧延お
よび表中に示す熱処理を実施し、板厚25〜90mmの鋼
板を製造した。
【0036】その後、大入熱溶接部のHAZ靭性を調べ
るために、溶接入熱1000kJ/cmに相当する最高加熱
温度1400℃、800から500℃の冷却時間が75
0秒の熱サイクルを与えた後、シャルピー衝撃試験を行
なった。表2にその試験結果を示す。
るために、溶接入熱1000kJ/cmに相当する最高加熱
温度1400℃、800から500℃の冷却時間が75
0秒の熱サイクルを与えた後、シャルピー衝撃試験を行
なった。表2にその試験結果を示す。
【0037】
【表1】
【表2】
【0038】本発明鋼(A,E,G,H,I,J,K,
L)の熱サイクル後の衝撃値は、すべて良好な値を示し
ている。これに対し、鋼B,C,D,Fは本発明範囲を
逸脱しているものである。その中で、鋼BはC含有量が
本発明を逸脱しているもので、熱サイクル後の衝撃値が
著しく低下している。鋼CはTi含有量が、また鋼Dは
Vが発明範囲を逸脱しているものである。この場合も熱
サイクル後の衝撃値の低下が認められる。さらに、鋼F
はNが本発明範囲をより低い場合である。この場合もV
Nの生成が少なく、やはり、溶接熱影部の靭性が低下す
る。
L)の熱サイクル後の衝撃値は、すべて良好な値を示し
ている。これに対し、鋼B,C,D,Fは本発明範囲を
逸脱しているものである。その中で、鋼BはC含有量が
本発明を逸脱しているもので、熱サイクル後の衝撃値が
著しく低下している。鋼CはTi含有量が、また鋼Dは
Vが発明範囲を逸脱しているものである。この場合も熱
サイクル後の衝撃値の低下が認められる。さらに、鋼F
はNが本発明範囲をより低い場合である。この場合もV
Nの生成が少なく、やはり、溶接熱影部の靭性が低下す
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の組成範囲をもった鋼板は、大入
熱溶接を行なっても溶接熱影響部の靭性が極めて良好で
あり、その結果、溶接工数の大幅な削減から構造物建造
の大幅なコストダウンを実現できる。
熱溶接を行なっても溶接熱影響部の靭性が極めて良好で
あり、その結果、溶接工数の大幅な削減から構造物建造
の大幅なコストダウンを実現できる。
【図1】0.05%C−0.25%Si−1.0%Mn
−0.002%P−0.003%S−0.068%Vを
ベースに、Ti添加(0.010〜0.015%)およ
び無添加鋼において、Nを変化させた時に最高加熱温度
1400℃で最高加熱温度1000kJ/cm相当の大入熱
溶接を模した熱サイクルを与えた時の靭性をシャルピー
衝撃試験での遷移温度として評価した図表である。
−0.002%P−0.003%S−0.068%Vを
ベースに、Ti添加(0.010〜0.015%)およ
び無添加鋼において、Nを変化させた時に最高加熱温度
1400℃で最高加熱温度1000kJ/cm相当の大入熱
溶接を模した熱サイクルを与えた時の靭性をシャルピー
衝撃試験での遷移温度として評価した図表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%として、 C :0.03〜0.10% Si:0.01〜0.5% Mn:0.4〜2.0% P :0.030%以下 S :0.001〜0.01% V :0.03〜0.20% Ti:0.005〜0.020% Al:0.005〜0.06% N :0.005〜0.02% 残部がFeおよび不可避的不純物からなる溶接熱影響部
靭性の優れた大入熱溶接用鋼。 - 【請求項2】 強度靭性改善元素群として、重量%で、 Cu:0.2〜1.5% Ni:0.2〜3.0% の1種または2種を含有する請求項1記載の溶接熱影響
部靭性の優れた大入熱溶接用鋼。 - 【請求項3】 強度改善元素群として、重量%で、 Cr:0.05〜1.0% Mo:0.05〜1.0% の1種または2種を含有する請求項1又は2記載の溶接
熱影響部靭性の優れた大入熱溶接用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP316292A JPH05186848A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 溶接熱影響部靭性の優れた大入熱溶接用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP316292A JPH05186848A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 溶接熱影響部靭性の優れた大入熱溶接用鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05186848A true JPH05186848A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=11549664
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP316292A Withdrawn JPH05186848A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 溶接熱影響部靭性の優れた大入熱溶接用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05186848A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1996014443A1 (en) * | 1994-11-04 | 1996-05-17 | Nippon Steel Corporation | High-strength ferritic heat-resistant steel and process for producing the same |
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| KR20150057998A (ko) | 2013-11-19 | 2015-05-28 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 강판 |
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| KR20210009934A (ko) | 2019-07-18 | 2021-01-27 | 주식회사 포스코 | 대입열 용접열영향부 인성이 우수한 구조용강재 및 그 제조방법 |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP316292A patent/JPH05186848A/ja not_active Withdrawn
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