JPH0519236A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH0519236A
JPH0519236A JP17154591A JP17154591A JPH0519236A JP H0519236 A JPH0519236 A JP H0519236A JP 17154591 A JP17154591 A JP 17154591A JP 17154591 A JP17154591 A JP 17154591A JP H0519236 A JPH0519236 A JP H0519236A
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JP
Japan
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liquid crystal
resin
crystal display
voltage
display element
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Application number
JP17154591A
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English (en)
Inventor
Yasukatsu Hirai
保功 平井
Kiyoshi Shobara
潔 庄原
Akio Murayama
昭夫 村山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一対の電極の間に、透明性の樹脂と正の誘電率
異方性を有する液晶物質とが混在し、前記液晶が前記樹
脂中に水滴状または、前記液晶が前記樹脂中に連続的に
形成されて成る層、或いは前記液晶中に前記樹脂を網の
目のように巡らせてなる層を挟持する高分子分散型液晶
表示素子である。樹脂は、液晶物質に対して25度以上
の接触角を持つ。 【効果】高分子分散型液晶表示素子の透過率ー印加電圧
曲線のヒステリシスを大幅に低減させ、マルチプレクス
駆動を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子分散型液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】光散乱型液晶表示素子は液晶分子の配列
を変化させることで光の透過、散乱を制御する液晶表示
素子であり、その一つに、熱と電圧で液晶分子の配列を
変化させる熱書き込み型液晶表示素子や、電圧で液晶分
子の配列を変化させる高分子分散型液晶表示素子があ
る。高分子分散型液晶表示素子は、高分子物質中に液晶
物質を分散させた構造、或いは液晶物質中に高分子物質
を分散させた構造を持っている。
【0003】例えば、ネマティック液晶をマイクロカプ
セル化したNCAP(ソサエティ、フォア、インフォメ
ーション、ディスプレー、インタナショナル、シンポジ
ウム、SID'85 Digest,68(1985))やPDLC(Polymer
Dispersed LCD (ジヤパン、アプライド、フィジック
ス、J.Appl.Phys.60,2142(1986)))が発表されてい
る。これらの素子は、水滴状の液晶を透光性高分子物質
中に分散させた構造を持っており、電圧を印加していな
い状態では水滴状内の液晶分子配列は、液晶分子と高分
子の相互作用により概略不規則な配列をとる。このとき
高分子の屈折率と液晶の屈折率に差が生じているので入
射した光は散乱する。これに電圧を印加すると液晶の分
子配列は液晶分子の長軸が電界の方向に揃う。このとき
の液晶の屈折率(常光の屈折率no )と高分子の屈折率
がほぼ一致していれば光は透過する。
【0004】他の例として、液晶物質中に高分子を3次
元状の網目のように巡らせた構造の液晶表示素子PN−
LC(Polymer Network LCD 第15回液晶討論会2B1
2,2B13(1989) )があげられる。この動作原理は前述の
ような高分子の屈折率と液晶の屈折率の差に基づく散乱
/透明のスイッチングとは異るとされているが、電圧を
印加していない場合、光の散乱強度は液晶の屈折率異方
性Δn(異常光の屈折率ne − 常光の屈折率no )が
大きいとき、Δnのランダム度が大きいときに高くな
る。また、電圧を印加した場合にはΔnの秩序度を大き
くしたときに光の透過率が高くなる。
【0005】これらの液晶表示素子では、一般に、光の
散乱度を高くするために、水滴状液晶カプセルの粒径或
いは樹脂の3次元的網目の間隙の大きさを1〜2μm程
度に制御されている。平均空隙が大きすぎると光の散乱
回数が少なく、小さすぎると可視光の波長に近づいてく
るので光の散乱が抑制されるからである。
【0006】一般的に、これらの液晶表示素子の印加電
圧に対する光の透過率の変化(透過率ー印加電圧曲線)
は、電圧を増加していった場合と、減少していった場合
とで異なる、いわゆるヒステリシスを伴う。透過率ー印
加電圧曲線は0ボルトからVボルトまで電圧を増加した
場合と、引き続きVボルトから0ボルトまで電圧を減少
させた場合とでは、同一の軌跡をたどらず、ヒステリシ
ス曲線を描く。
【0007】一方、液晶表示素子は一般的に、時分割駆
動(マルチプレクス駆動)される。なぜなら、この方式
によれば液晶表示素子の電極と駆動回路とを接続する配
線数が少なくてすみ、生産性に優れるからである。
【0008】このような駆動方法を液晶表示素子に適用
する場合には、液晶表示素子の透過率ー印加電圧曲線が
電圧を増加していった場合と、減少していった場合とで
同じ軌跡をたどることが前提である。透過率ー印加電圧
曲線に大きなヒステリシスを持つ液晶表示素子を駆動す
る場合、オン画素を指定する駆動電圧とオフ画素を指定
する駆動電圧の実効値電圧の比がヒステリシスの電圧幅
に吸収されてしまい、オン画素の透過率とオフ画素の透
過率の差が取れない表示となる。したがって、透過率ー
印加電圧曲線に大きなヒステリシスを持つ高分子分散型
液晶表示素子をマルチプレクス駆動する事は困難であっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように高分子分散
型液晶表示素子では、透過率ー印加電圧曲線に大きなヒ
ステリシスが存在すため、マルチプレクス駆動する事が
困難であった。
【0010】本発明は以上に鑑みなされたもので、前記
したような透過率ー印加電圧曲線のヒステリシスを大幅
に低減させ、マルチプレクス駆動が可能な高分子分散型
液晶表示素子を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極の
間に、透光性の樹脂と正の誘電率異方性を有する液晶物
質とが混在し、前記液晶が前記樹脂中に水滴状または、
前記液晶が前記樹脂中に連続的に形成されて成る層、或
いは前記液晶中に前記樹脂を網の目のように巡らた層が
挟持されてなる液晶表示素子において、前記樹脂は、前
記液晶物質に対して25度以上の接触角を持つ樹脂であ
ることを特徴とする液晶表示素子を提供するものであ
る。
【0012】
【作用】一対の電極の間に樹脂と液晶物質とを混在させ
た層を挟持させて成る液晶表示素子、例えば、樹脂中に
液晶を水滴状に分散させた構造や、液晶中に樹脂を3次
元的網目状に張り巡らせた構造においては、液晶は樹脂
表面の持つ配向規制能力により配向し、通常、液晶は樹
脂表面で無秩序な配向(例えば、樹脂壁面に対し液晶分
子の長軸が水平で、その向きが様々な配向)となる。
【0013】図2(a)に、樹脂中に液晶を水滴状に分
散させた構造を示す。2枚のガラス基板11、11に透明電
極X、Yを形成し、これら透明電極が対向するように配
置した隙間に樹脂12とその中に水滴状の液晶カプセル13
が形成される。この時、液晶分子14の配列は図2(b)
に示すように、樹脂壁面12a に対して分子の長軸が水平
でその向きが様々な配列を取る。
【0014】電界などの外部刺激により液晶分子配列を
変化させた後、外部刺激を取り除き液晶を再配向させる
ときを考える。例えば透明電極X、Yに電界を印加する
と水滴状の液晶カプセル13内の液晶分子長軸は透明電極
に対して垂直に配列する。次に電圧を取り除き液晶を初
期の配列に戻そうとすると、液晶分子長軸は樹脂壁面に
対し水平に配列しようとするが、向きが揃わない無秩序
な部分が生じる。これは樹脂壁面の配向規制力が弱いた
めに生じると考えられる。
【0015】そこで、樹脂壁面の配向規制力を増加させ
る手段を取る。例えば、樹脂表面に対して液晶が垂直に
配向するようにする。この場合、図2(c)に示すよう
に、液晶分子14の配列は樹脂壁面12b に対して分子の長
軸が垂直になる。このように樹脂壁面に配向規制力を持
たせれば、容易に液晶を再配向させることができる。こ
れは、樹脂壁面に対し液晶分子の長軸が取る方向が一方
向に定められるからである。
【0016】このように、樹脂表面に対してて液晶が垂
直配向するためには、あらかじめ樹脂自体が垂直配向性
を持っていればよい。すなわち、樹脂自体に垂直配向能
力を与えることは、透過率ー印加電圧曲線のヒステリシ
スを減少させる方向に作用する。
【0017】このような樹脂の表面状態を表す目安の一
つに接触角がある。この場合、接触角は樹脂と液体との
濡れの尺度であり、液体の樹脂に対する親和力が表面張
力に打ち勝つ度合を表す。図3に、一般的な接触角の測
定法を示す。例えば、樹脂12上に液晶15をたらし接触角
θを求める。接触角が大きいほど濡れにくく、小さいほ
ど濡れ易いことを示す。
【0018】樹脂の液晶に対する接触角と液晶の配向状
態には関連があり、樹脂の液晶に対する接触角が大きい
ほど液晶分子の長軸は樹脂基板に対し垂直に配列した状
態を取る傾向にある。逆に、樹脂の液晶に対する接触角
が小さい場合には、液晶分子の長軸は樹脂基板に対し水
平配列状態を取る傾向にある。この場合液晶分子の長軸
の方向は樹脂基板面内で無秩序になるが、例えば樹脂基
板をラビング配向処理すれば、ラビング方向に液晶分子
の長軸が揃った水平配列状態が得られる。
【0019】具体的な例として、樹脂を形成した基板を
ラビング配向処理した場合に得られるプレティルト角が
樹脂基板の接触角により制御されているものがある(第
13回液晶討論会予稿集13ページに記載)。このよう
に、樹脂表面の液晶に対する垂直配向規制力は樹脂面の
液晶に対する接触角で対応付けられている。
【0020】樹脂の壁面で液晶の初期配向を得ている例
えば、樹脂中に液晶を水滴状に分散させた構造や、液晶
中に樹脂を3次元的に張り巡らせた構造を持ち、水滴状
液晶カプセルの粒径或いは樹脂の3次元的網目の間隙の
大きさが概略1μmから2μmの高分子分散型液晶表示
素子では、樹脂の液晶に与える配向性の観点から、樹脂
の液晶に対する接触角が小さい場合より、液晶が垂直配
向を取り易い、接触角の大きい樹脂の方が良く、樹脂の
液晶に対する接触角が25度以上、180度以下の場合
に、透過率ー印加電圧曲線のヒステリシスが大幅に減少
されることが実験的にわかった。好ましくは、45度以
上、75度以下である。
【0021】接触角が45度以上では、配向規制力がよ
り大きく働くため、例えば水滴状の液晶カプセルの粒径
が概略1μmから2μmの範囲よりばらついた場合にお
いても効果が得られ、液晶素子を製造する場合に有益で
ある。また、接触角が75度を越える範囲では配向規制
力が強く、閾値電圧が増加する傾向があるので、接触角
は45度以上、75度以下が好ましい。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0023】[実施例1]本実施例は本発明をマルチプ
レクス駆動液晶表示素子に適用したものであって、図1
に示すように液晶表示パネル10は、複数本の走査線Y
(Y1 Y2 Y3 …YN )と複数本信号線X(X1 X2 X
3 …XM )とがマトリクス状に対向するように配設さ
れ、そして、走査線Yと信号線Xはそれぞれ走査線電極
駆動部20と信号線電極駆動部30に接続されている。走査
線電極駆動部20と信号線電極駆動部30は駆動電圧発生回
路50から供給される電圧を制御部40からの信号に基づき
液晶表示パネル10に出力する。 液晶表示パネル10は、
図2(a)に示すように、樹脂中に液晶を水滴状に分散
させた構造であり、2枚のガラス基板11、11にそれぞれ
透明電極X、Yを形成し、これら一対の透明電極X、Y
が対向するように配置した隙間に、透光性の樹脂12とそ
の中に水滴状の液晶カプセル13が分散形成される。
【0024】すなわち、得られる高分子分散型液晶表示
素子は2枚の電極の間に、樹脂と液晶物質とを混合させ
た層16を持っている。混合物を構成する樹脂は、透明で
屈折率が1.524のアクリル系紫外線硬化型樹脂(ノ
ーランド社製NOA65)に垂直配向剤として、一塩基
性クロム錯体(3M社製FC−805)を0.3重量パ
ーセント添加した物を用いた。この樹脂に、シアノビフ
ェニル系液晶(BDH社製E8)を重量比1:1で室温
にて5分間スタラー混合した。これに直径が約20μm
のガラスファイバーを混ぜ2枚の電極付き基板の間に挟
み均一なセル厚を得て、ここへ紫外線を30分間照射し
紫外線硬化型樹脂を硬化させて液晶表示素子を得た。液
晶表示素子は樹脂中に液晶が水滴状に分散した構造で、
この直径が概略1μmから2μmであった。
【0025】透過率ー印加電圧曲線を求めるために、こ
の液晶表示素子にHe-Ne レーザー光を入射させ、透過率
を測定した。光のスポット径は2mmで、透過したレー
ザー光は液晶表示素子から距離20cmのところにある
フォトダイオードにより検出した。この素子は電圧を印
加しない状態では透過率約0.5%と良好な散乱状態を
示していた。
【0026】図4に、0Vから徐々に印加電圧(交流7
0Hz)を50Vまで増加、50Vから徐々に0Vまで
減少させていったときの透過率ー印加電圧曲線を示す。
50Vの電圧を印加した状態では透過率約80%(最大
透過率)を示した。ここで、最大透過率の半分の透過率
となる電圧をVup50(上昇時)とVdown50(下降時)と
し、Vup50とVdown50の差をヒステリシスの大きさΔV
と定義する。本実施例の場合Vup50=22V、Vdown50
=21.1Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=0.
9Vと小さい値を示した。このときの樹脂の液晶に対す
る接触角θは25度であった。
【0027】ここでフレーム反転法によるマルチプレク
ス駆動波形する場合、図1(a)に示すように、液晶駆
動電圧は駆動電圧発生回路50で発生され、6つの電位で
構成される。例えば、図1(b) に示すような回路50によ
り、電源電圧Vcをもとにして電位の高い順にV0からV5ま
での駆動電圧を得る。走査線と信号線の駆動電圧波形は
これらの電位の組み合わせによって得ている。図5に、
オン画素を指定するときの液晶駆動電圧波形例を示す。
【0028】(a) は走査線の駆動波形で V0は選択電位、V5は極性反転時の選択電位、V4は非選択
電位、V1は極性反転時の非電位選択電位である。
【0029】(b) は信号線の駆動波形で V5はオン画素を指定する電位、V0は極性反転時のオン画
素を指定する電位、V3はオフ画素を指定する電位、V2は
極性反転時のオフ画素を指定する電位である。
【0030】したがって、オン画素を指定するとき液晶
に印加される電圧波形は(c) となる。同様に図6に、
(a)(b)の選択、非選択電位によりオフ画素を指定
するときに液晶に印加される電圧波形(c)を示す。
【0031】マルチプレクス駆動において、図5(c)
のオン電圧波形の最大振幅(V0-V5の大きさ) を一般的
に液晶駆動電圧Vop といい、それ以外のV3-V4,V4-V5,V1
-V2,V0-V1 の大きさをバイアス電圧Vpといい、通常これ
らV3-V4,V4-V5,V1-V2,V0-V1は等しく設定される。ここ
で、液晶駆動電圧Vopとバイアス電圧Vbの比をバイアス
比(Vop /Vb)といい、Bで表す。
【0032】液晶は印加電圧の実効値に対して応答する
性質を持っているので、図5(c)、図6(c)の電圧
波形は一般に実効値電圧の比に換算して表す。すなわ
ち、図5(c)のオン電圧波形の実効値電圧と図6
(c)のオフ電圧波形の実効値電圧の比をMとすると、
Mが大きいほど高いコントラスト比が得られやすいこと
を示す。一般的な計算によれば、バイアス比Bが駆動す
る走査線数をNとし、BがN1/2 +1の時に、Mの大き
さは最大値をとり、Mは((N1/2 +1)/(N1/2
1))1/2 という大きさをとる。例えば走査線の数が8
本ではMは1.45であり、オン画素に印加される電圧はオ
フ画素に印加される印加電圧の1.45倍であることを表す
さて、このような駆動方法を実際に用いる場合、前記し
た電圧比Mの範囲で、液晶表示素子は応答しなければな
らない。透過率−印加電圧曲線に大きなヒステリシスを
もつ液晶表示素子を駆動する場合、電圧の比Mがヒステ
リシスの電圧幅ΔVに吸収されないことが必要である。
具体的に、走査線数が8本の場合を説明すると、オフに
対する電圧を例えば20ボルトに設定したとき、オンに
対する電圧は1.45倍の29ボルトになっているので、ヒ
ステリシスの大きさΔVは少なくとも9ボルト未満でな
くてはならない。この様にコントラスト比を考慮するな
らばヒステリシスの電圧幅は0ボルトに近い方が望まし
い。
【0033】本実施例のマルチプレクス駆動において、
液晶セルは、図2(a)図示のガラス基板11上の走査線
Yの電極数が8本、信号線Xの電極数が64本であり、
これらの電極群はマトリクス状に対向するように配設さ
れた構成をとっている。
【0034】この素子をバイアス比B=4で、液晶駆動
電圧Vop =60ボルト(オフ画素に印加される実効値電
圧17ボルト、オン画素に印加される実効値電圧25ボ
ルト)でマルチプレクス駆動し、スクリーンに投射した
ところ、どのような表示パターンに対しても、コントラ
スト比8の良好な表示が得られた。すなわち、本実施例
の高分子分散型液晶表示素子においてはヒステリシスが
ほとんど生じず、マルチプレクス可能で高いコントラス
ト比が得られる。
【0035】[実施例2]実施例1と同様の液晶表示素
子の製作方法で、紫外線硬化型樹脂に対する一塩基性ク
ロム錯体の添加量を0.3重量パーセントより増加し、
0.4、0.6、0.8、1、2、5重量パーセントと
した場合について各液晶表示素子を製作した。いずれの
液晶表示素子も、樹脂中に液晶が水滴状に分散した構造
で、この直径が概略1μmから2μmであった。
【0036】樹脂の接触角は、一塩基性クロム錯体の添
加量を0.4重量パーセントから0.6、0.8、1、
2、5重量パーセントと増加するに従い、35、50、
55、60、65、75度と増加した。この時、ヒステ
リシスの大きさΔVは0.8、0.65V、0.6、
0.55、0.5、0.4と減少した。
【0037】次に、基板をパターンニングされた電極付
きガラス板にし、これらの液晶表示素子を製作した。電
極数は、走査線が8本、信号線が64本であり、これら
の電極群はマトリクス状に対向するように配設されてい
る。
【0038】これらの素子を実施例1と同様に、バイア
ス比B=4でマルチプレクス駆動し、スクリーンに投写
したところ一塩基性クロム錯体の添加量を0.4重量パ
ーセントから0.6、0.8、1、2、5重量パーセン
トと増加するに従い、コントラスト比9、11、13、
15,17、19の良好な表示がどの様な表示パターン
においても得られた。
【0039】[比較例1]液晶表示素子の製作方法を実
施例1と同様とし、ただし、紫外線硬化型樹脂(ノーラ
ンド社製NOA65)に垂直配向剤(FC−805)を
添加しないで液晶表示素子を製作した。得られた液晶表
示素子は樹脂中に液晶が水滴状に分散した構造でこの直
径が概略1μmから2μmであった。この透過率ー印加
電圧曲線を測定したところ、Vup50=26.5V、Vdo
wn50=21.5Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=
4.5Vと大きい値を示した。このときできた樹脂の液
晶に対する接触角は15度であった。
【0040】次に、同様の制作方法で、走査線が8本、
信号線が64本の液晶表示素子を製作し実施例1と同様
にマルチプレクス駆動し、スクリーンに投写したところ
駆動電圧によってはコントラスト比2.5 が得られるもの
の、表示画面の更新ができず、良好な表示が得られなか
った。
【0041】[比較例2]次に、液晶表示素子の製作方
法を実施例1と同様とし、ただし、紫外線硬化型樹脂
(ノーランド社製NOA65)に添加する垂直配向剤
(FC−805)の濃度を減少させ、できる樹脂の液晶
に対する接触角を25度未満とした。ここでは、一塩基
性クロム錯体の添加量を0.2重量パーセントとし、接
触角が22.5度を得た。液晶表示素子は樹脂が3次元
的網目状で、間隙の大きさが概略1μmから2μmであ
り、この隙間に液晶がはいった構造を持っていた。透過
率ー印加電圧曲線のヒステリシスの大きさは比較例1と
ほぼ変わらず、Vup50=25.3V、Vdown50=21.
2Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=4.1Vと大
きい値を示した。
【0042】次に、同様の製作方法で、走査線が8本、
信号線が64本の液晶表示素子を製作し実施例1と同様
にマルチプレクス駆動し、スクリーンに投写したところ
駆動電圧によってはコントラスト比2.8が得られるも
のの、表示画面の更新ができず、良好な表示が得られな
かった。
【0043】[実施例3]混合物を構成する樹脂は、透
明で屈折率が1.5のアクリレート系紫外線硬化型樹脂
(スリーボンド社製3052)に垂直配向剤として、一
塩基性クロム錯体(3M社製FC−805)を0.5重
量パーセント添加した物を用いた。この樹脂に、シアノ
ビフェニル系液晶(BDH社製E8)を重量比1:1で
室温にて5分間スタラー混合した。この混合物に直径が
約20μmのガラスファイバーを混ぜ2枚の電極付き基
板の間に挟み均一なセル厚を得た。ここへ紫外線を30
分間照射し紫外線硬化型樹脂を硬化させた。
【0044】得られた高分子分散型液晶表示素子は液晶
が間隙が1μm以下の網目状の樹脂中に分散している状
態と、粒径が1〜10μmの水滴状の液晶カプセルが樹
脂の中に分散されている状態とが混在した構造を持って
いた。このときできた樹脂の液晶に対する接触角は45
度であった。
【0045】この素子は電圧を印加しない状態では透過
率約0.9%と良好な散乱状態を示していた。電圧(交
流70Hz)150Vを印加した状態では透過率約65
%を示した。電圧を徐々に150Vまで増加させて行
き、その後電圧を徐々に0Vまで低下させてヒステリシ
スの大きさを見た。
【0046】本実施例の場合Vup50=68.8V、Vdo
wn50=66.9Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=
1.9Vと小さい値を示した。
【0047】次に、紫外線硬化型樹脂に対する一塩基性
クロム錯体の添加量を増加した液晶表示素子を製作し
た。樹脂の接触角は、一塩基性クロム錯体の添加量を
0.5重量パーセントから1、2、5重量パーセントと
増加するに従い、45、60、75、78度と増加し
た。この時、ヒステリシスの大きさΔVは1.9V、
1.5V、1.1V、0.9Vと減少した。また、Vup
50はそれぞれ68.8V、69V、69V、75Vであ
り接触角が75度を越えると動作電圧が高くなる傾向が
あった。
【0048】[比較例3]次に、液晶表示素子の製作方
法を実施例3と同様とし、ただし、紫外線硬化型樹脂
(スリーボンド社製3052)に添加する垂直配向剤
(FC−805)の濃度を減少させ、できる樹脂の液晶
に対する接触角を45度未満とした。ここでは、一塩基
性クロム錯体の添加量を0.4重量パーセントとし、接
触角40度を得た。液晶表示素子は液晶が間隙が1μm
以下の網目状の樹脂中に分散している状態と、粒径が1
〜10μmの水滴状の液晶カプセルが樹脂の中に分散さ
れている状態とが混在した構造を持っていた。透過率ー
印加電圧曲線のヒステリシスの大きさはΔV=11Vで
あり、実施例3に比べ大幅に大きい値を示した。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、高分子分散型液晶表示
素子の透過率ー印加電圧曲線のヒステリシスを大幅に低
減させ、マルチプレクス駆動が可能な電圧制御型光散乱
液晶表示素子を提供することができる。
【0050】
【図面の詳細な説明】
【0051】
【図1】(a)は本発明をマルチプレクス駆動液晶表示
素子に適用した実施例を示す平面図、(b)は駆動電源
回路を示す回路図である。
【0052】
【図2】(a)は図1の表示パネルの一部を概念的に示
す断面図、(b)、(c)は樹脂面での液晶分子の配向
状態を示す線図である。
【0053】
【図3】樹脂の液晶に対する接触角θを説明する略図で
ある。
【0054】
【図4】液晶表示素子の透過率ー印加電圧曲線を示した
図である。
【0055】
【図5】マルチプレクス駆動のための各駆動電位
(a)、(b)と、オン画素を指定するとき液晶に印加
される電圧波形(c)を示す図である。
【0056】
【図6】マルチプレクス駆動のための各駆動電位
(a)、(b)と、オフ画素を指定するとき液晶に印加
される電圧波形図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】一対の電極の間に、透光性の樹脂と正の誘
    電率異方性を有する液晶物質とが混在し、前記液晶が前
    記樹脂中に水滴状または、前記液晶が前記樹脂中に連続
    的に形成されて成る層、或いは前記液晶中に前記樹脂を
    網の目のように巡らせてなる層が挟持されてなる液晶表
    示素子において、 前記樹脂は、前記液晶物質に対して25度以上の接触角
    を持つ樹脂であることを特徴とする液晶表示素子。
JP17154591A 1991-07-12 1991-07-12 液晶表示素子 Pending JPH0519236A (ja)

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