JPH0553151A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH0553151A
JPH0553151A JP21774791A JP21774791A JPH0553151A JP H0553151 A JPH0553151 A JP H0553151A JP 21774791 A JP21774791 A JP 21774791A JP 21774791 A JP21774791 A JP 21774791A JP H0553151 A JPH0553151 A JP H0553151A
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JP
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liquid crystal
resin
crystal display
voltage
transmittance
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Application number
JP21774791A
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English (en)
Inventor
Yasukatsu Hirai
保功 平井
Akio Murayama
昭夫 村山
Hitoshi Hado
仁 羽藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一対の電極X、Yの間に、透明性の樹脂12
と正の誘電率異方性を有する液晶物質13とが混在し、
液晶が樹脂中に水滴状または、液晶が樹脂中に連続的に
形成されてなる層、或いは液晶中に樹脂を網の目のよう
に巡らせてなる層を挟持する高分子分散型液晶表示素子
である。前記樹脂は、液晶に対してほぼ45度以上の接
触角を持つ樹脂であり、樹脂中に水滴状となってできる
空隙の直径或いは、前記樹脂が網目状に巡らされてでき
る空隙の間隔がほぼ2μm以上であることを特徴とする
液晶表示素子にある。 【効果】 高分子分散型液晶表示素子の透過率ー印加電
圧曲線のヒステリシスを大幅に低減させ、マルチプレク
ス駆動を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子分散型液晶表示素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】光散乱型液晶表示素子は液晶分子の配列
を変化させることで光の透過、散乱を制御する液晶表示
素子であり、その一つに、熱と電圧で液晶分子の配列を
変化させる熱書き込み型液晶表示素子や、電圧で液晶分
子の配列を変化させる高分子分散型液晶表示素子があ
る。高分子分散型液晶表示素子は、高分子物質中に液晶
物質を分散させた構造、或いは液晶物質中に高分子物質
を分散させた構造を持っている。
【0003】例えば、ネマティック液晶をマイクロカプ
セル化したNCAP(ソサエティ、フォア、インフォメーシ
ョン、ディスプレー、インタナショナル、シンポジウ
ム、SID'85 Digest,68(1985))やPDLC(Polymer Di
spersed LCD (ジャーナル、オブ、アプライド、フィジ
ックス、J.Appl.Phys.60,2142(1986) ))が発表されて
いる。これらの素子は、多孔質の透光性高分子物質の空
隙中に液晶を閉じ込め水滴状に分散させた構造を持って
おり、電圧を印加していない状態では水滴状内の液晶分
子配列は、液晶分子と高分子の相互作用により概略不規
則な配列をとる。このとき高分子の屈折率と液晶の屈折
率に差が生じているので入射した光は散乱する。これに
電圧を印加すると液晶の分子配列は液晶分子の長軸が電
界の方向に揃う。このときの液晶の屈折率(常光の屈折
率no )と高分子の屈折率がほぼ一致していれば光は透
過する。
【0004】他の例として、液晶物質中に、高分子をス
ポンジのように3次元網目状に巡らせた構造の液晶表示
素子PN−LCD(Polymer Network LCD 第15回液
晶討論会2B12,2B13(1989) )があげられる。この動作原
理は前述のような高分子の屈折率と液晶の屈折率の差に
基づく散乱/透明のスイッチングとは異るとされている
が、電圧を印加していない場合、光の散乱強度は液晶の
屈折率異方性Δn(異常光の屈折率ne − 常光の屈折
率no )が大きいとき、Δnのランダム度が大きいとき
に高くなる。また、電圧を印加した場合にはΔnの秩序
度を大きくしたときに光の透過率が高くなる。
【0005】これらの液晶表示素子では、一般的に、光
の散乱度を高くするために、水滴状液晶カプセルの粒
径、或いは樹脂の3次元的網目の空隙の大きさを1〜2
μm程度に制御されている。平均空隙が大きすぎると光
の散乱回数が少なく、小さすぎると可視光の波長に近づ
いてくるので光の散乱が抑制されるからである。
【0006】一般的に、これらの液晶表示素子の印加電
圧に対する光の透過率の変化(透過率ー印加電圧曲線)
は、電圧を増加していった場合と、減少していった場合
とで異なる、いわゆるヒステリシスを伴う。透過率ー印
加電圧曲線は0ボルトからVボルトまで電圧を増加した
場合と、引き続きVボルトから0ボルトまで電圧を減少
させた場合とでは、同一の軌跡をたどらず、ヒステリシ
ス曲線を描く。
【0007】一方、液晶表示素子は一般的に、時分割駆
動(マルチプレクス駆動)される。しかし、このような
駆動方法を液晶表示素子に適用する場合には、液晶表示
素子の透過率ー印加電圧曲線が電圧を増加していった場
合と、減少していった場合とで同じ軌跡をたどることが
前提である。透過率ー印加電圧曲線に大きなヒステリシ
スを持つ液晶表示素子を駆動する場合、オン画素を指定
する駆動電圧とオフ画素を指定する駆動電圧の実効値電
圧の比がヒステリシスの電圧幅に吸収されてしまい、オ
ン画素の透過率とオフ画素の透過率の差が取れない表示
となる。したがって、透過率ー印加電圧曲線に大きなヒ
ステリシスを持つ高分子分散型液晶表示素子をマルチプ
レクス駆動する事は困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように高分子分散
型液晶表示素子では、透過率ー印加電圧曲線に大きなヒ
ステリシスが存在すため、マルチプレクス駆動すること
が困難であった。
【0009】本発明は以上に鑑みなされたもので、前記
したような透過率ー印加電圧曲線のヒステリシスを大幅
に低減させ、マルチプレクス駆動が可能な高分子分散型
液晶表示素子を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極の
間に、透光性の樹脂と正の誘電率異方性を有する液晶物
質とが混在し、液晶が樹脂中に水滴状または、液晶が樹
脂中に連続的に形成されてなる層、或いは液晶中に樹脂
を網目状に巡らせてなる層が挟持されてなる液晶表示素
子において、樹脂は、液晶物質に対してほぼ45度以上
の接触角を持つ樹脂であり、樹脂中に水滴状となってで
きる空隙の直径或いは、樹脂が網目状に巡らされてでき
る空隙の間隔がほぼ2μm以上であることを特徴とする
液晶表示素子を提供するものである。
【0011】
【作用】一対の電極の間に樹脂と液晶物質とを混在させ
た層を挟持させてなる液晶表示素子、例えば、樹脂中に
液晶を水滴状に分散させた構造や、液晶中に樹脂を3次
元的網目状に張り巡らせた構造においては、液晶は樹脂
表面の持つ配向規制能力により配向し、通常、液晶は樹
脂表面で無秩序な配向(例えば、樹脂壁面に対し液晶分
子の長軸が水平で、その向きが様々な配向)となる。
【0012】図2(a)に、樹脂中に液晶を水滴状に分
散させた構造を示す。2枚のガラス基板11、11に透明電
極X、Yを形成し、これら透明電極が対向するように配
置した隙間に樹脂12とその中に水滴状の液晶カプセル13
が形成される。この時、液晶分子14の配列は図2(b)
に示すように、樹脂壁面12a に対して分子の長軸が水平
でその向きが様々な配列を取る。
【0013】電界などの外部刺激により液晶分子配列を
変化させた後、外部刺激を取り除き液晶を再配向させる
ときを考える。例えば透明電極X、Yに電界を印加する
と水滴状の液晶カプセル13内の液晶分子長軸は透明電極
に対して垂直に配列する。次に電圧を取り除き液晶を初
期の配列に戻そうとすると、液晶分子長軸は樹脂壁面に
対し水平に配列しようとするが、向きが揃わない無秩序
な部分が生じる。これは樹脂壁面の配向規制力が弱いた
めに生じると考えられる。
【0014】そこで、樹脂壁面の配向規制力を増加させ
る手段を取る。例えば、樹脂表面に対して液晶が垂直に
配向するようにする。この場合、図2(c)に示すよう
に、液晶分子14の配列は樹脂壁面12b に対して分子の長
軸が垂直になる。このように樹脂壁面に配向規制力を持
たせれば、容易に液晶を再配向させることができる。こ
れは、樹脂壁面に対し液晶分子の長軸が取る方向が一方
向に定められるからである。すなわち、樹脂自体に垂直
配向能力を与えることは、透過率ー印加電圧曲線のヒス
テリシスを減少させる方向に作用する。
【0015】このように、樹脂表面に対して液晶が垂直
配向するためには、あらかじめ樹脂自体が垂直配向性を
持っていればよい。
【0016】このような樹脂の表面状態を表す目安の一
つに接触角がある。接触角は樹脂と液体との濡れの尺度
であり、液体の樹脂に対する親和力が表面張力に打ち勝
つ度合を表す。図3に、一般的な接触角の測定法を示
す。例えば、樹脂12上に液晶15をたらし接触角θを求め
る。接触角が大きいほど濡れにくく、小さいほど濡れ易
いことを示す。
【0017】樹脂の液晶に対する接触角と液晶の配向状
態には関連があり、樹脂の液晶に対する接触角が大きい
ほど液晶分子の長軸は樹脂基板に対し垂直に配列した状
態を取る傾向にある。逆に、樹脂の液晶に対する接触角
が小さい場合には、液晶分子の長軸は樹脂基板に対し水
平配列状態を取る傾向にある。この場合液晶分子の長軸
の方向は樹脂基板面内で無秩序になるが、例えば樹脂基
板をラビング配向処理すれば、ラビング方向に液晶分子
の長軸が揃った水平配列状態が得られる。
【0018】具体的な例として、樹脂を形成した基板を
ラビング配向処理した場合に得られるプレティルト角が
樹脂基板の接触角により制御されているものがある(第
13回液晶討論会予稿集14ページに記載)。このよう
に、樹脂表面の液晶に対する垂直配向規制力は樹脂面の
液晶に対する接触角で対応付けられている。
【0019】一方、ヒステリシスの大きさは樹脂面の液
晶に対する接触のみならず水滴状液晶カプセルの粒径或
いは樹脂の3次元網目の空隙の大きさにも関係している
ことを見出だした。これは樹脂の配向規制力の大きさに
より、樹脂層中に形成された液晶の分子配列に配向規制
力が及ぶ距離が異なっているためと考えられる。樹脂面
の液晶に対する接触角が45度以上、180度以下の場
合に、水滴状液晶カプセルの粒径或いは樹脂の3次元的
網目の間隙の大きさがほぼ2μm以上で透過率−印加電
圧曲線のヒステリシスが大幅に減少されることが実験的
にわかった。この粒径或いは間隙の大きさが10μmを
越えると、光の散乱性は著しく低下する。したがって粒
径或いは間隙の大きさは2μm乃至10μmが望まし
い。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0021】(実施例1)本実施例は本発明をマルチプ
レクス駆動液晶表示素子に適用したものであって、図1
に示すように液晶表示パネル10は、複数本の走査線Y
(Y1 Y2 Y3 …YN )と複数本信号線X(X1 X2 X
3 …XM )とがマトリクス状に対向するように配設さ
れ、そして、走査線Yと信号線Xはそれぞれ走査線電極
駆動部20と信号線電極駆動部30に接続されている。走査
線電極駆動部20と信号線電極駆動部30は駆動電圧発生回
路50から供給される電圧を制御部40からの信号に基づき
液晶表示パネル10に出力する。
【0022】液晶表示パネル10は、図2(a)に示すよ
うに、樹脂中に正の誘電異方性を有する液晶を水滴状に
分散させた構造であり、2枚のガラス基板11、11にそれ
ぞれ透明電極X、Yを形成し、これら一対の透明電極
X、Yが対向するように配置した隙間に、透光性の樹脂
12とその中に水滴状の液晶カプセル13が分散形成され
る。 すなわち、得られる高分子分散型液晶表示素子は
2枚の電極の間に、樹脂と液晶物質とを混合させた層16
を持っている。混合物を構成する樹脂は、透明で屈折率
が1.524のアクリル系紫外線硬化型樹脂(ノーラン
ド社製NOA65)に垂直配向剤として、一塩基性クロ
ム錯体(3M社製FC−805)を0.7重量パーセン
ト添加した物を用いた。この樹脂に、シアノビフェニル
系液晶(BDH社製E7)を重量比1:1で室温にて5
分間スタラー混合した。これに直径が約20μmのガラ
スファイバーを混ぜ2枚の電極付き基板の間に挟み約2
0μmの均一なセル厚を得た。
【0023】このセルに20Wの高圧水銀ランプを用い
照度が約5mW/cm2 になるように照射面から離し
て、紫外線を30分間照射し紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せて液晶表示素子を得た。液晶表示素子は樹脂中に液晶
が水滴状に分散した構造で、この平均直径がほぼ2μm
であり、この空隙に液晶が入った構造である。
【0024】透過率ー印加電圧曲線を求めるために、こ
の液晶表示素子にHe-Ne レーザー光を入射させ、透過率
を測定した。光のスポット径は2mmで、透過したレー
ザー光は液晶表示素子から距離20cmのところにある
フォトダイオードにより検出した。この素子は電圧を印
加しない状態では透過率約0.5%と良好な散乱状態を
示していた。
【0025】図4に、0Vから徐々に印加電圧(交流7
0Hz)を50Vまで増加、50Vから徐々に0Vまで
減少させていったときの透過率ー印加電圧曲線を示す。
50Vの電圧を印加した状態では透過率約80%(最大
透過率)を示した。ここで、最大透過率の半分の透過率
となる電圧をVup50(上昇時)とVdown50(下降時)と
し、Vup50とVdown50の差をヒステリシスの大きさΔV
と定義する。本実施例の場合Vup50=18V、Vdown50
=17.6Vで、ヒステリシスの大きさは、ΔV=0.
4Vと小さい値を示した。
【0026】このときの樹脂の液晶に対する接触角θは
45度であった。
【0027】本実施例における電極数は走査線が8本、
信号線が64本であり、電極はマトリクス状に対向して
いる。
【0028】ここでフレーム反転法によるマルチプレク
ス駆動波形する場合、図1(a)に示すように、液晶駆
動電圧は駆動電圧発生回路50で発生され、6つの電位で
構成される。例えば、図1(b) に示すような回路50によ
り、電源電圧Vcをもとにして電位の高い順にV0からV5ま
での駆動電圧を得る。走査線と信号線の駆動電圧波形は
これらの電位の組み合わせによって得ている。図5に、
オン画素を指定するときの液晶駆動電圧波形例を示す。
【0029】(a) は走査線の駆動波形でV0は選択電位、
V5は極性反転時の選択電位、V4は非選択電位、V1は極性
反転時の非電位選択電位である。
【0030】(b) は信号線の駆動波形でV5はオン画素を
指定する電位、V0は極性反転時のオン画素を指定する電
位、V3はオフ画素を指定する電位、V2は極性反転時のオ
フ画素を指定する電位である。
【0031】したがって、オン画素を指定するとき液晶
に印加される電圧波形は(c) となる。同様に図6に、
(a)(b)の選択、非選択電位によりオフ画素を指定
するときに液晶に印加される電圧波形(c)を示す。
【0032】マルチプレクス駆動において、図5(c)
のオン電圧波形の最大振幅(V0-V5の大きさ) を一般的
に液晶駆動電圧Vop といい、それ以外のV3-V4,V4-V5,V1
-V2,V0-V1 の大きさをバイアス電圧Vpといい、通常これ
らV3-V4,V4-V5,V1-V2,V0-V1は等しく設定される。ここ
で、液晶駆動電圧Vopとバイアス電圧Vbの比をバイアス
比(Vop /Vb)といいBで表す。
【0033】液晶は印加電圧の実効値に対して応答する
性質を持っているので、図5(c)、図6(c)の電圧
波形は一般的に実効値電圧の比に換算して表す。すなわ
ち、図5(c)のオン電圧波形の実効値電圧と図6
(c)のオフ電圧波形の実効値電圧の比をMとすると、
Mが大きいほど高いコントラスト比が得られやすいこと
を示す。一般的な計算によれば、駆動する走査線数をN
とし、バイアス比BがN1/ 2 +1の時に、Mの大きさは
最大値をとり、Mは((N1/2 +1)/(N1/2
1))1/2 という大きさをとる。例えば走査線の数が8
本ではMは1.45であり、オン画素に印加される電圧はオ
フ画素に印加される印加電圧の1.45倍であることを表し
ている。
【0034】さて、このような駆動方法を実際に用いる
場合、前記した電圧比Mの範囲で、液晶表示素子は応答
しなければならない。透過率−印加電圧曲線に大きなヒ
ステリシスをもつ液晶表示素子を駆動する場合、電圧の
比Mがヒステリシスの電圧幅ΔVに吸収されないことが
必要である。具体的に、走査線数が8本の場合を説明す
ると、オフに対する電圧を例えば20ボルトに設定した
とき、オンに対する電圧は1.45倍の29ボルトになって
いるので、ヒステリシスの大きさΔVは少なくとも9ボ
ルト未満でなくてはならない。コントラスト比を考慮す
るならばヒステリシスの電圧幅は0ボルトに近い方が望
ましい。
【0035】本実施例のマルチプレクス駆動において、
液晶セルは、図2(a)図示のガラス基板11上の走査線
Yの電極数が8本、信号線Xの電極数が64本であるか
ら、この素子をバイアス比B=4で、液晶駆動電圧Vop
=45ボルト(オフ画素に印加される実効値電圧13ボ
ルト、オン画素に印加される実効値電圧19ボルト)で
マルチプレクス駆動しスクリーンに投射したところ、コ
ントラスト比6の良好な表示が得られ、また表示内容を
次々と変化させてもコントラスト比6の良好な表示が維
持された。
【0036】すなわち、本実施例の高分子分散型液晶表
示素子においては、ヒステリシスがほとんど生じず、マ
ルチプレクス可能で高いコントラスト比が得られる。
【0037】(実施例2)実施例1と同様の液晶表示素
子の製作方法で、紫外線硬化型樹脂に対する一塩基性ク
ロム錯体の添加量を0.7重量パーセントとして、樹脂
の液晶に対する接触角を45度に維持し、水滴状空隙の
粒径を変化させるために、紫外線硬化樹脂に照射する紫
外線強度を変化させて液晶表示素子を製作した。紫外線
の照射強度は実施例1のほぼ1/2倍、1/5倍とし、
照射時間はこれに伴い実施例1のほぼ2倍、5倍として
紫外線硬化型樹脂を硬化させた。いずれの液晶表示素子
も生じる樹脂の空隙が液晶で充填されたカプセル構造
で、紫外線照射強度が実施例1のほぼ1/2倍の素子で
は水滴状液晶の直径が平均約3μmになった。また、紫
外線照射強度が実施例1の1/5倍の素子では水滴状液
晶粒径の直径が平均約5μmであった。
【0038】本実施例の液晶表示素子の透過率−印加電
圧曲線を求めたところ、水滴状構造の直径が3μm、5
μmのとき、それぞれVup=12.6V、Vdown=1
2.3V、Vup=9.0V、Vdown=8.75Vで、ヒ
ステリシスの大きさはそれぞれΔV=0.3V、0.2
5Vと小さい値を示した。
【0039】本実施例は実施例1と同じ走査線8本、信
号線64本の電極を対向させたマトリクス型液晶素子で
あり、バイアス比B=4でマルチプレクス駆動し、スク
リーンに表示パターンを投射したところコントラスト比
5.5の良好な表示が得られた。表示パターンを変えて
もコントラスト比5.5の良好な表示を維持することが
できた。
【0040】(比較例1)実施例1と同様にして、紫外
線硬化型樹脂に対する一塩基性クロム錯体の添加量を
0.7重量%のままとし、樹脂の液晶に対する接触角は
45度とし、実施例1と紫外線照射強度だけを変えて液
晶表示素子を製作した。紫外線の照射強度は実施例1の
ほぼ2倍とし、紫外線硬化型樹脂を硬化させて液晶表示
素子を得た。得られた素子は樹脂中に液晶が水滴状に分
散した構造で、液晶粒径の直径は平均約1μmであっ
た。
【0041】本比較例の透過率−印加電圧曲線をもとめ
たところ、水滴状構造の直径が1μmのとき、Vup50=
26V、Vdown50=23.7Vで、ヒステリシスの大き
さは、ΔV=2.3Vと大きい値を示した。
【0042】次に、実施例1と同様な走査線が8本、信
号線が64本の液晶表示素子を製作し実施例1と同様にマ
ルチプレクス駆動し、スクリーンに投写したところ駆動
電圧によってはコントラスト比2が得られるものの、表
示画面の更新ができず残像現象が見られ、良好な表示が
得られなかった。
【0043】(比較例2)次に、液晶表示素子の製作方
法を実施例1と同様とし、ただし、紫外線硬化型樹脂
(ノーランド社製NOA65)に添加する一塩基性クロ
ム錯体(FC−805)の濃度を減少させ、できる樹脂
の液晶に対する接触角を45度未満とした。ここでは、
一塩基性クロム錯体の添加量を0.65重量パーセント
とし、接触角が42.5度を得た。実施例1とは紫外線
照射強度だけを変えて液晶表示素子を製作した。 紫外
線の照射強度は実施例1のほぼ2倍、1倍、1/2倍、
1/5倍とし、照射時間はこれに伴い実施例1のほぼ1
/2倍、1倍、2倍、5倍として紫外線硬化型樹脂を硬
化させた。いずれの液晶表示素子も生じる樹脂の水滴状
空隙に液晶が充填された構造で、紫外線照射強度が実施
例1のほぼ2倍、1倍、1/2倍、1/5倍のとき、水
滴状液晶粒径の直径がそれぞれ平均約1μm、2μm、
3μmおよび5μmとなった。
【0044】本比較例の液晶表示素子の透過率−印加電
圧曲線を求めたところ、水滴状構造の直径が1μm、2
μm、3μmおよび5μmのとき、それぞれVup50=2
5.7V,Vdown50=23.2V、Vup50=17.4
V,Vdown50=16.65V、Vup50=12.2V,V
down50=11.47V、およびVup50=8.9V,Vdo
wn50=8.2Vで、ヒステリシスの大きさはそれぞれΔ
V=2.5V、0.75V、0.73V、および0.7
Vと大きい値を示した。
【0045】また、本比較例において、一塩基性クロム
錯体の添加量をさらに減少させ、樹脂の接触角を小さく
していくとヒステリシスの大きさは前記した値よりも増
加した。
【0046】(実施例3)本実施例の高分子分散型液晶
表示素子は2枚の電極の間に、樹脂と液晶物質とを混合
させた層を持っている。混合物を構成する樹脂は、透明
で屈折率が1.524の紫外線硬化型樹脂(ノーランド
社製NAO65)に垂直配向剤として、一塩基性クロム
錯体(3M社製FC−805)を0.7重量パーセント
添加した物を用いた。この樹脂に、シアノビフェニル系
液晶(BDH社製E7)を重量比1:4で樹脂の重量を
基準とし、室温にて5分間スタラー混合した。この混合
物に直径が約20μmのガラスファイバーを混ぜ2枚の
電極付き基板の間に挟み均一なセル厚を得た。ここへ紫
外線を30分間照射し紫外線硬化型樹脂を硬化させた。
【0047】得られた高分子分散型液晶表示素子は樹脂
が間隙約2μmの3次元網目状構造をしており、液晶が
この樹脂の空隙に分散している構造であった。このとき
できた樹脂の液晶に対する接触角は45度であった。
【0048】本実施例の液晶表示素子の透過率−印加電
圧曲線を求めたところ、Vup50=18.5V,Vdown50
=18.1Vで、ヒステリシスの大きさはΔV=0.4
Vと小さい値を示した。
【0049】(実施例4)次に、実施例3と同様、紫外
線硬化型樹脂に対する一塩基性クロム錯体の添加量を
0.7重量パーセントとして、硬化後の樹脂の液晶に対
する接触角を45度とし、紫外線照射強度だけを変えて
素子を製作した。紫外線の照射強度を実施例3のほぼ1
/2倍、1/5倍とし、照射時間をこれに伴いそれぞれ
2倍、5倍として紫外線硬化型樹脂を硬化させた。いず
れの液晶表示素子も網目状の樹脂中に液晶が分散してい
る構造であった。これら網目状樹脂の間隙は、紫外線照
射強度が実施例1のほぼ1/2倍、1/5倍のときにそ
れぞれほぼ3μm、5μmとなった。
【0050】本実施例の液晶表示素子の透過率−印加電
圧曲線からヒステリシスの大きさ津を求めたところ、水
滴状構造の直径が3μm、5μmのとき、それぞれVup
50=13.3V,Vdown50=13V、Vup50=9.8
V,Vdown50=9.55Vで、ヒステリシスの大きさは
それぞれΔV=0.3V、0.25Vと小さい値を示し
た。
【0051】(比較例3)実施例3と同様、紫外線硬化
型樹脂に対する一塩基性クロム錯体の添加量を0.7重
量パーセントのままとして、硬化後の樹脂の液晶に対す
る接触角を45度に維持し、紫外線照射強度だけを変え
て素子を製作した。紫外線の照射強度は実施例3のほぼ
2倍とし、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。液晶表示素
子は液晶が間隙がほぼ1μmの網目状の樹脂中に液晶が
分散している構造を持っていた。
【0052】本比較例の液晶表示素子の透過率−印加電
圧曲線を求めたところ、ヒステリシスの大きさはΔV=
2.3Vと大きい値を示した。
【0053】(比較例4)次に、液晶表示素子の製作方
法を実施例3と同様とし、ただし、紫外線硬化型樹脂
(ノーランド社製NOA65)に添加する一塩基性錯体
(FC−805)の濃度を減少させ、できる樹脂の液晶
に対する接触角を45度未満とした。ここでは、一塩基
性クロム錯体の添加量を0.65重量パーセントとし、
接触角42.5度を得た。その他、実施例3とは紫外線
照射強度だけを変化させ、照射強度は実施例1のほぼ2
倍、1倍、1/2倍、1/5倍とし、照射時間はこれに
伴い実施例1のほぼ1/2倍、1倍、2倍、5倍として
紫外線硬化型樹脂を硬化させた。いずれの液晶表示素子
も液晶が網目状の樹脂中に分散している構造で、これら
の網目状間隙の大きさは、紫外線照射強度が実施例1の
ほぼ2倍、1倍、1/2倍および1/5倍のとき、それ
ぞれ約1μm、2μm、3μmおよび5μmとなった。
【0054】本比較例の液晶表示素子の透過率−印加電
圧曲線を求めたところ、網目状間隙の大きさがほぼ1μ
m、2μm、3μmおよび5μmのとき、それぞれヒス
テリシスの大きさはΔV=2.5V、0.75V、0.
7Vおよび0.6Vと大きい値を示した。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、高分子分散型液晶表示
素子の透過率ー印加電圧曲線のヒステリシスを大幅に低
減させ、マルチプレクス駆動が可能な電圧制御型光散乱
液晶表示素子を提供することができる。
【0056】
【図面の詳細な説明】
【0057】
【図1】(a)は本発明をマルチプレクス駆動液晶表示
素子に適用した実施例を示す平面図、(b)は駆動電源
回路を示す回路図である。
【0058】
【図2】(a)は図1の表示パネルの一部を概念的に示
す断面図、(b)、(c)は樹脂面での液晶分子の配向
状態を示す線図である。
【0059】
【図3】樹脂の液晶に対する接触角θを説明する図であ
る。
【0060】
【図4】液晶表示素子の透過率ー印加電圧曲線を示した
図である。
【0061】
【図5】マルチプレクス駆動のための各駆動電位
(a)、(b)と、オン画素を指定するとき液晶に印加
される電圧波形(c)を示す波形図である。
【0062】
【図6】マルチプレクス駆動のための各駆動電位
(a)、(b)と、オフ画素を指定するとき液晶に印加
される電圧波形(c)を示す波形図である。
【0063】
【符号の説明】
10…液晶表示パネル、 11…ガラス基板、 12…
樹脂、13…液晶カプセル、 X、Y…透明電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極の間に、透光性の樹脂と正の
    誘電率異方性を有する液晶物質とが混在し、前記液晶が
    前記樹脂中に水滴状または、前記液晶が前記樹脂中に連
    続的に形成されて成る層、或いは前記液晶中に前記樹脂
    を網の目のように巡らせてなる層が挟持されてなる液晶
    表示素子において、 前記樹脂は、前記液晶物質に対してほぼ45度以上の接
    触角を持つ樹脂であり、前記樹脂中に水滴状となってで
    きる空隙の直径或いは、前記樹脂が網目状に巡らされて
    できる空隙の間隔がほぼ2μm以上であることを特徴と
    する液晶表示素子。
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