JPH05194785A - 有機スルフィド系酸化防止剤で安定化された無毒性ポリマー組成物 - Google Patents

有機スルフィド系酸化防止剤で安定化された無毒性ポリマー組成物

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JPH05194785A
JPH05194785A JP4214804A JP21480492A JPH05194785A JP H05194785 A JPH05194785 A JP H05194785A JP 4214804 A JP4214804 A JP 4214804A JP 21480492 A JP21480492 A JP 21480492A JP H05194785 A JPH05194785 A JP H05194785A
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alkyl group
food
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JP4214804A
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Joseph M Bohen
ジョゼフ・マイケル・ボーエン
James L Reilly
ジェイムズ・レオ・ライリー
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/14Peroxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、熱可塑性又は熱硬化性樹脂と、下
記の式I、II又はIIIを有し且つ約5ppm以下の遊離
のメルカプタン基を含有する有機スルフィド系酸化防止
剤とから成る無毒性ポリマー組成物に関する。 【化1】 【効果】 本発明の組成物に用いられる有機スルフィド
系酸化防止剤は、毒性が低く且つ不快臭が実質的にな
く、食料、飲料若しくは医薬の取扱及び包装又は医療器
具における用途に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、有機スルフィド系酸
化防止剤を含有する無毒性ポリマー組成物に関し、より
特定的には、食料、飲料若しくは医薬の取扱及び包装
用、又は医療器具における使用に適した前記組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、全てのプラスチックには、特
に高温において空気又は酸素にさらされた時に分解し又
は劣化する傾向がある。ポリマーが分解する度合いはポ
リマーによって違う。熱分解及び酸化分解の際に、プラ
スチックは変色し、脆化する傾向にあり、これらのこと
はプラスチックの有用性を損失させる。熱分解及び酸化
分解の有害作用に対してポリマーを安定化させるため
に、様々なフェノール、アクリルアミン、ホスファイト
又はスルフィド系酸化防止剤を単独で又は組合せて少量
添加することが、当技術分野において知られている。
【0003】米国特許第3180850号明細書、同第
3258493号明細書、同第3293209号明細書
及び同第3574165号明細書には、ポリオレフィン
樹脂を熱分解及び酸化分解の両方に対して保護するため
に、該樹脂中の成分として酸化防止剤を用いることが教
示されている。米国特許第3652680号明細書及び
同第3772246号明細書には、ある種のシクロアル
カンビス(アルキルスルフィド)を酸化防止相乗剤とし
てポリオレフィン中に用いることが開示されている。こ
れらの特許にはまた、これらの化合物は毒性が低く、こ
のことは包装材料用のポリオレフィン瓶及びフィルムに
用いた場合に価値があると報告されている。例えば、β
−(n−オクタデシルチオ)エチル−3−(n−オクタ
デシルチオ)シクロヘキサン及びβ−(n−オクタデシ
ルチオ)エチル−4−(n−オクタデシルチオ)シクロ
ヘキサンは体重1kg当たりに10g程の高い量でマウ
スに経口投与した場合に無毒性であることが見出され
た。
【0004】1989年10月31日付け米国特許出願
第07/429885号明細書には、ポリオレフィン樹
脂用の酸化防止剤として用いるのに好適な置換及び非置
換アルキルチオプロピルエーテルが開示されている。1
989年10月31日付け米国特許出願第07/429
889号明細書及び同日付け米国特許出願第07/42
9883号明細書並びに1991年5月6日付け米国特
許出願第07/698235号明細書には、エンジニア
リング及び架橋ポリオレフィン樹脂用の熱及び酸化安定
剤としてこれらの類のスルフィド系酸化防止剤を用いる
ことが開示されている。これらのスルフィド系酸化防止
剤には、前記のアルキルチオプロピルエーテル、ビス
[アルキルチオプロピル(置換若しくは非置換)]エー
テル、並びにシクロアルカンビス−及びトリス(アルキ
ルスルフィド)が包含される。
【0005】酸化防止剤はまた、スチレン樹脂と共にも
用いられ、このスチレン樹脂には、結晶質及び非結晶質
ホモポリマー、発泡性ポリスチレンビーズ、ゴム改質ポ
リスチレン{例えば耐衝撃性ポリスチレン(HIP
S)、中衝撃性ポリスチレン(MIPS)及び超耐衝撃
性ポリスチレン}、並びにスチレンとブタジエンとのブ
ロックコポリマー{例えばスチレン/ブタジエン(S
B)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)及び
ブタジエン/スチレン/ブタジエン(BSB)}が包含
される。これらの樹脂のさらなる記載は、「エンシクロ
ピーディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Encyclopedia of Polymer Science an
d Engineering )」、第2版、第16巻、第179〜1
93頁(1989年)の N.L. Maecker 及びD.N. Armen
trout の論文、並びに同書、第2巻、第324〜434
頁(1989年)の G. Riess 、 G. Hurtrez 及び P.
Bahadurの論文に見出すことができる。
【0006】不飽和ポリエステルは、高い使用温度にお
ける安定性を改善するために酸化防止剤を必要とするこ
とがあるさらに他の類の樹脂である。これらの樹脂は一
般的に、次のようにして製造される。即ち、少なくとも
一方の成分が不飽和である二酸及び(又は)酸無水物の
混合物とグリコールとを反応させて飽和ジエステルと不
飽和ジエステルとの混合物を形成させる。次いでこの混
合物をスチレンのような不飽和モノマー中に溶解させ、
これを次いで遊離基条件下で架橋させて熱硬化性樹脂を
形成させる。これらの樹脂は、「エンシクロピーディア
・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジニアリ
ング」、第2版、第12巻、第256−29頁(198
8年)のJ. Selley による論文に詳細に記載されてい
る。
【0007】ポリマー組成物は、編織布、コーティン
グ、包装材料及び成形品の製造に有用である。主な利用
分野は、食料、飲料及び医薬の貯蔵及び取扱のためのコ
ーティング及び包装材料の製造、並びに体液と接触させ
る医療器具の部品としての分野である。これらの用途に
用いた場合、ポリマー組成物並びにそれから作られる物
品は、無毒性であるか又は使用者が予定の目的に用いる
のに安全であることが必要である。これら組成物及びそ
の成分は一般的に、米国食品医薬局(USFDA)のよ
うな適宜な衛生取締機関の認可を必要とする。
【0008】材料が『食品等級』(USFDAの基準)
添加剤として評されるためには、その材料は、それを食
品包装材料中に存在させる最大使用レベルにおいて何ら
毒性の危険性を示してはならない。プラスチック材料中
の所定の成分が毒性の危険性を持つかどうかを決定する
基準は、USFDAによって規定されている。これらの
基準は、1955年10月に出版された「フード・ドラ
ッグ・コスメティック・ロウ・ジャーナル(Food Drug
Cosmetic Law Journal)」の総合的な論文に記載されて
おり、以下のように要約することができる。
【0009】(1)食料品と接触させた時に抽出されな
いプラスチック材料の成分は危険性を構成する要素には
ならない。 (2)プラスチックとの接触の結果として材料が食品中
に見出された場合、その材料は、生物学的な意味で毒性
であるならば、即ち経口摂取、吸入又は皮膚を介した吸
収によってその材料が動物又は人間に急性又は慢性の有
害作用をもたらすならば、その材料は危険性を構成する
要素となる。 (3)急性毒性は実用上実現されることがほとんどな
い。しかしながら、プラスチックから抽出される材料を
繰り返し少量ずつ服用することによって有害作用がもた
らされることがあり、従って、危険性を評定する目的で
用いられるべきものは慢性毒性である。 (4)材料の毒性の危険性は、その慢性毒性並びに常用
条件下でのプラスチックからの抽出性の両方の関数であ
る。 (5)危険性を評定するためには、食料品自体を用いて
又は、実用上遭遇しそうな最も厳しい条件を模擬した条
件下である種の代表的な抽出剤を用いて抽出性の研究を
実施しなければならない。これらの試験の結果を、毒性
係数で表わしたプラスチックの慢性毒性のデータと組合
せることによって、危険性の尺度である毒性商が与えら
れる。
【0010】組成物がUSFDA及び他の国立衛生局に
食品等級添加剤として認可されるためには、実験用動物
に対する給餌研究のデータ(候補組成物を包装材料から
の組成物の抽出性に基づいて予測される濃度より高い濃
度で長期間にわたって日常的に消費しても、動物の健康
を目立って害したり、血液、骨及び内臓中に充分な蓄積
をもたらしたりすることがないということを示すデー
タ)を提出しなければならない。
【0011】食品等級添加剤に関する規制の強化の前
に、チオジプロピオン酸ジラウリル及びジステアリル系
酸化防止剤はUSFDAにより21CFR181.24
の下で食品包装材料製造における用途について認可され
ていた。これらのチオジプロピオン酸エステル系酸化防
止剤は、現在食品等級添加剤についてUSFDAによっ
て要求されている厳しい試験手続を受けていない。ジス
テアリル−及びジ−(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ペンタエリトリットジホスファイトもまた食品包装
材料の製造に用いられるポリマー用の酸化防止剤及び
(又は)安定剤としての用途についてUSFDAの認可
を得ている(21CFR178.2010)。前者のジ
ホスファイトはオレフィンポリマー、ポリスチレン及び
ゴム改質ポリスチレンにおける用途について認可されて
おり、後者のホスファイトはポリオレフィンにおける用
途について認可されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】チオジプロピオン酸エ
ステル及びホスファイトの両酸化防止剤はエステル官能
基のために加水分解に対して不安定であるという欠点を
持つことが当技術分野において知られている。USFD
Aに関係のない用途において用いられているスルフィド
系酸化防止剤は一般的に加水分解安定性を有するが、し
かし1種以上のメルカプタン含有不純物を含有すること
があり、これは安定剤中に少量存在するだけでも強い不
快臭をもたらすことが当技術分野において知られてい
る。従って、毒性が低く且つ不快臭が実質的になく、食
料、飲料若しくは医薬の取扱及び包装又は医療器具にお
ける用途に適した、ポリマー組成物中に用いるための加
水分解安定性のスルフィド系酸化防止剤についての要求
がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明の概要 本発明は、熱可塑性又は熱硬化性樹脂と、下記の式I、
II又はIII を有し且つ約5ppm以下の遊離のメルカプ
タン基を含有する有機スルフィド系酸化防止剤とを含む
無毒性ポリマー組成物に関する:
【化8】 (これら式中、mは0又は1であり、nは2〜15の整
数であり、Rは2〜30個の炭素原子を有する置換若し
くは非置換脂肪族基、5〜20個の炭素原子を有する置
換若しくは非置換脂環式基、2〜30個の炭素原子を有
し且つ6個までの炭素原子が複素原子O若しくはSで置
き換えられた置換若しくは非置換脂肪族基又は5〜20
個の炭素原子を有し且つ6個までの炭素原子が複素原子
O若しくはSで置き換えられた置換若しくは非置換脂環
式基であり、ここで、前記複素原子は少なくとも1個の
炭素原子によって互いに隔離され且つ基Rが結合してい
る該化合物中の部位から隔離されていなければならず、
Rについての置換基は−OH、−SR4 又は−OR4
あり、ここでR4 は1〜30個の炭素原子を有するアル
キル基又は5〜20個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基であり、R1 及びR2 はそれぞれH又は1〜4個の
炭素原子を有するアルキル基であり、R3 は1〜24個
の炭素原子を有するアルキル基又は5〜20個の炭素原
子を有するシクロアルキル基であり、R5 は1〜24個
の炭素原子を有するアルキル基であり、R6 はH又は1
〜24個の炭素原子を有するアルキル基であり、mが0
である場合にはR6 はH又は1〜7個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、そしてmが1である場合にはR6
は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基であり、R
7 は直接結合又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレ
ン基であり、R8 は5〜16個の炭素原子を有する単
環、二環又は三環式シクロアルキル基である)。
【0014】これらの有機スルフィド系酸化防止剤は、
残留メルカプタン基の濃度が低いので、実質的に無臭で
ある。本発明の有機スルフィド系酸化防止剤は『食品等
級』添加剤として用いるのに好適であり、好ましくは、
少なくとも1g/kgのラットについての急性毒性LD
50、並びに人間の食物中における濃度が1ppm未満と
なる食品擬似溶剤による熱可塑性又は熱硬化性ポリマー
からの抽出性によって特徴付けられる。かくして、本発
明の無毒性ポリマー組成物は、食料、飲料又は医薬の取
扱及び包装に用いるのに好適である。また、これらの組
成物は、体液と接触する医療器具の部品として用いるこ
ともできる。
【0015】好ましい具体的な説明 本発明の無毒性ポリマー組成物は、5ppm以下の遊離
のメルカプタンを含有するスルフィド系酸化防止剤を含
む。これらのメルカプタン基は不純物であり、スルフィ
ド系酸化防止剤の製造からの副生成物である。これらの
スルフィド系酸化防止剤は、下記の式I、II又はIII で
表わされる:
【化9】 (これら式中、mは0又は1であり、nは2〜15の整
数であり、Rは2〜30個の炭素原子を有する置換若し
くは非置換脂肪族基、5〜20個の炭素原子を有する置
換若しくは非置換脂環式基、2〜30個の炭素原子を有
し且つ6個までの炭素原子が複素原子O若しくはSで置
き換えられた置換若しくは非置換脂肪族基又は5〜20
個の炭素原子を有し且つ6個までの炭素原子が複素原子
O若しくはSで置き換えられた置換若しくは非置換脂環
式基であり、ここで、前記複素原子は少なくとも1個の
炭素原子によって互いに隔離され且つ基Rが結合してい
る該化合物中の部位から隔離されていなければならず、
Rについての置換基は−OH、−SR4 又は−OR4
あり、ここでR4 は1〜30個の炭素原子を有するアル
キル基又は5〜20個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基であり、R1 及びR2 はそれぞれH又は1〜4個の
炭素原子を有するアルキル基であり、R3 は1〜24個
の炭素原子を有するアルキル基又は5〜20個の炭素原
子を有するシクロアルキル基であり、R5 は1〜24個
の炭素原子を有するアルキル基であり、R6 はH又は1
〜24個の炭素原子を有するアルキル基であり、mが0
である場合にはR6 はH又は1〜7個の炭素原子を有す
るアルキル基であり、そしてmが1である場合にはR6
は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基であり、R
7 は直接結合又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレ
ン基であり、R8 は5〜16個の炭素原子を有する単
環、二環又は三環式シクロアルキル基である)。
【0016】好ましくは、本発明の有機スルフィドは、
式I又はIIで表わされ且つ、Rが次式:
【化10】
【化11】 (ここで、α及びβは結合のタイプである)より成る群
から選択され、R1 がH又は−CH3 であり、R2 がH
であり、且つR3 が10〜18個の炭素原子を有するア
ルキル基である化合物である。
【0017】より好ましくは、本発明において有用な有
機スルフィド系酸化防止剤は、式I又はIIで表わされ且
つ、Rが次式:
【化12】 で表わされ、R1 及びR2 がHであり、R3 が12〜1
8個の炭素原子を有するアルキル基である化合物であ
る。上記の好ましい化合物及びより好ましい化合物にお
いて、nは各R基中に存在する未結合の結合手の数によ
って決定される。
【0018】式III で表わされる好ましい有機スルフィ
ド系酸化防止剤は、次の構造:
【化13】 のうちの1種で表わされる。
【0019】本発明において有用な代表的な有機スルフ
ィド系酸化防止剤の非限定的な例を以下に記載する。
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【0020】本発明の有機スルフィド系酸化防止剤につ
いての代表的の構造の下記の非限定的な例において、示
したソルビタン主鎖は1,4−ソルビタンであり、これ
は慣用的に用いられているソルビタンの約85%を占め
る。ソルビタンはまた、3,6−ソルビタン約13%及
び2,5−アンヒドロ−L−イジット約2%(共に1,
4−ソルビタンの異性体である)をも含有する。従っ
て、1,4−ソルビタンから誘導される下記の有機スル
フィド系酸化防止剤が3,6−ソルビタン及び2,5−
アンヒドロ−L−イジットから誘導されるものをもまた
包含するということは当業者に理解されよう。
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【0021】ショ糖から誘導される本発明において有用
な代表的な有機スルフィド系酸化防止剤の下記の非限定
的な例において、ZはCH2 CH2 CH2 SR3 であ
り、Z1 は次式:
【化35】 のものであり、Z2 は次式:
【化36】 のものであり、R3 は前記の通りである。
【化37】
【化38】
【0022】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】 上記の式中、R5 は8〜24個の炭素原子を有するアル
キル基を表わし、R6は1〜7個の炭素原子を有するア
ルキル基を表わす。
【0023】本発明において有用な好ましい有機スルフ
ィド系酸化防止剤の非限定的な例としては、例えば次の
ものを挙げることができる:
【化43】
【化44】
【化45】 (及びソルビタンの他の異性体)
【化46】
【化47】
【化48】 上記の式中、R9 は10〜18個の炭素原子を有するア
ルキル基を表わし、R6 は−H、−CH3 又は−C2
5 であり、Z及びZ’は前記の通りである。
【0024】本発明の組成物において有用な特に好まし
い有機スルフィド系酸化防止剤の非限定的な例として
は、例えば次のものを挙げることができる:
【化49】
【化50】 上記の式中、R10は12〜18個の炭素原子を有するア
ルキル基を表わす。
【0025】式Iで表わされる本発明の有機スルフィド
は、例えば米国特許第3652680号明細書及び同第
3772246号明細書に開示された方法によって製造
することができる。これらの方法は、式II及びIII の化
合物の製造にも同様に適する。
【0026】式Iの化合物は、例えば次のようにして製
造することができる。即ち、初めに水酸化ナトリウム又
は水酸化カリウムのような塩基の存在下でポリオール
(1分子当たり2個以上のヒドロキシル基を持つもの)
をハロゲン化(例えば塩化、臭化又は沃化)アリル又は
置換アリルと反応させる。塩基の使用量は、副生成物の
ハロゲン化水素を除去し且つ対応するポリアリルエーテ
ルを形成するのに充分な量にすべきである。副生成物の
金属ハロゲン化物をポリアリルエーテルから分離するの
を容易にするために必要ならば、水又は不活性溶媒を用
いることもできる。次に、上記の反応から得られたポリ
アリルエーテルに遊離基条件下(即ち、過酸化物、アゾ
化合物、紫外線等の存在下)でメルカプタンを添加する
ことによって、本発明の酸化防止剤化合物を生成させ
る。この反応において用いられるメルカプタンのモル数
は、少なくともポリアリルエーテル中の二重結合の数と
等しい量である。
【0027】式II及びIII の化合物は、式Iで表わされ
る化合物について前記した方法によって、ジアリルエー
テル又はオレフィンのいずれかにメルカプタンを添加す
ることによって、それぞれ製造することができる。本発
明の式I、II又はIII で表わされる化合物の製造に有用
な他の適宜な方法は、本明細書の開示に基づいて当業者
に明白であろう。
【0028】式III のスルフィド系酸化防止剤は通常異
性体混合物として製造されるということは指摘されるべ
きである。例えば、次の構造:
【化51】 を有する化合物は1,3−cis−、1,3−tran
s−、1,4−cis−及び1,4−trans−二置
換シクロヘキサンの4つの可能な異性体を持つことがで
き、他方、次の構造:
【化52】 を有する化合物は、シクロドデカン環上に3つのアルキ
ルチオ置換基を1,4,8−、1,4,9−及び1,
5,9−三置換のような形で持つことができる。式III
の定義に含まれる他の構造は通常、2種以上の異性体の
混合物として製造される。特定構造の個々の異性体のそ
れぞれ並びにそれら全ての混合物は、本発明の範囲内で
ある。
【0029】式I、II及びIII の化合物の製造技術は、
有機スルフィド製品と共に残存する痕跡量の未反応メル
カプタンをもたらす。メルカプタンは低濃度においてさ
えひどい悪臭があり、それ以外の点では好適である有機
スルフィド系酸化防止剤を多くの用途、特に食品の取扱
及び包装における用途に対して望ましくないものとして
しまう。有機スルフィド中の痕跡メルカプタンの許容レ
ベルを決定するために、臭気パネル研究を実施した。例
22に示したように、残留メルカプタン5ppmを含有
する有機スルフィドはポリプロピレン樹脂試料中で慣用
の酸化防止剤であるチオジプロピオン酸ジラウリルより
不快ではない臭気を持つということがパネル試験者によ
って見出された。従って、本発明の有機スルフィド系酸
化防止剤が約5ppm以下の残留メルカプタンを含有す
るならば、これらの酸化防止剤に通常関連した臭気の問
題は解消される。
【0030】残留メルカプタンの濃度は、塩基及び酸化
剤を連続的に添加して又は塩基性触媒特性及び酸化特性
の両方を持つ単一の試薬を添加してメルカプタンを選択
的に酸化することによって、低減することができる。塩
基は、金属若しくは遷移金属の塩基性の塩、水酸化ナト
リウムのような無機塩基又はトリエチルアミン若しくは
ピリジンのような有機塩基であってよい。塩基性触媒特
性及び酸化特性の両方を持つ好適な試薬は、過酸化ナト
リウムのような金属過酸化物、過硼酸ナトリウムのよう
な金属過硼酸塩、及び過炭酸ナトリウムのような塩の過
酸化物複合体である。
【0031】塩基は、有機スルフィド系酸化防止剤と残
留メルカプタンとの混合物に、この混合物の重量に対し
て約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約
5%の量で添加する。残留メルカプタンを低減するのに
好適な酸化剤としては、過酸化水素及び有機過酸化物の
ような過酸化物が挙げられる。これらの試薬は、スルフ
ィド系酸化防止剤と残留メルカプタンとの混合物に、こ
の混合物の重量に対して約0.1%〜約20%、好まし
くは約0.2%〜約10%の量で添加する。塩基は、過
酸化物の前に添加すべきであり、一度に添加することも
でき、一定の時間をかけて添加することもできる。過酸
化物もまた、一度に添加することもでき、一定の時間を
かけて添加することもできる。塩基はメルカプタンの酸
化を触媒すると共に過酸化水素をも分解するので、過酸
化水素は0.5〜5.0時間の時間をかけてゆっくり添
加するのが最良である。一般的に、痕跡量のメルカプタ
ンを完全に除去するには、過酸化物をゆっくり連続的に
添加するのが有利である。
【0032】この選択的酸化工程は、溶媒を添加して実
施することもでき、溶媒を添加せずに実施することもで
きる。溶媒を用いる場合、この溶媒は、有機スルフィド
系酸化防止剤と残留メルカプタンとの混合物並びに塩基
及び酸化剤を少なくとも部分的に溶解させることができ
るものであるべきである。この工程に用いるための好適
な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、アセトン、水及びメチルエチルケトンが
挙げられ、イソプロピルアルコール及びメチルエチルケ
トンが好ましい。
【0033】本明細書において用いる用語『食品等級』
酸化防止剤とは、ラットに給餌した時に体重1kgにつ
き少なくとも1.0gの急性毒性(LD50で表わし
て)、及び人間の食物中における濃度が約1ppm未満
になる食品擬似溶剤による熱可塑性又は熱硬化性樹脂か
らの抽出性を示す有機スルフィド系化合物を意味する。
人間の食物中における濃度を測定する方法は、1988
年9月のUSFDAの小冊子「リコメンデイション・フ
ォー・ケミストリー・データ・フォー・インディレクト
・フード・アディティヴズ(Recommendations for Chem
istry Data for Indirect Food Additives)」に報告さ
れている。
【0034】簡略すると、この方法は、人間の食物中に
おける有機スルフィドの濃度を測定するために抽出研究
を実施することを必要とする。食品擬似溶剤は、ポリマ
ーから酸化防止剤を含有するポリマー組成物と接触する
ことが予測される食品中への酸化防止剤の抽出を擬似す
るように選択される。ポリプロピレン、低密度ポリエチ
レン及び高密度ポリエチレンにおいては、USFDA
は、水性及び酸性タイプの食品を擬似する溶剤として8
重量%エタノール水溶液(以下、単に8%エタノールと
言う)を用いることを要求している。同様に、アルコー
ル性及び脂肪性タイプの食品用の食品擬似溶剤として
は、95重量%エタノール水溶液(以下、単に95%エ
タノールと言う)が用いられる。他の樹脂のための食品
擬似溶剤は、USFDAによって前記の小冊子に特定さ
れている。
【0035】8%エタノール及び95%エタノールにつ
いてそれぞれ測定抽出値{(M8%)及び(M95% )}が
得られたら、重量平均移動(〈M〉)が次式によって計
算される: 〈M〉=(M8%)×(faqueous +facidic) +(M95% )×(falcoholic +ffatty ) ここで、fT はUSFDAによって規定された食品タイ
プ別の分布係数であり、faqueous は水性タイプの食
品、facidicは酸性タイプの食品、falcoholicはアル
コール性タイプの食品、そしてffatty は脂肪性タイプ
の食品についての分布係数である。係数fT は、USF
DAによって見出されている特定のポリマー樹脂が各種
タイプの食品と接触する使用レベルを表わす。食品擬似
溶剤による抽出性による人間の食物中における酸化防止
剤の濃度は、〈M〉×(CF)で計算される。ここで、
(CF)は酸化防止剤によって安定化されたポリマーに
ついての消費係数である。特定ポリマーについての消費
係数は、食品用途において用いられる全ポリマーの合計
に対する特定ポリマーの使用率(%)を表わす。様々な
ポリマーについての消費係数がUSFDAの小冊子に規
定されている。
【0036】ラットのような実験室試験用動物の群に特
定量の被検化合物を強制給餌することによって急性毒性
値を測定する方法は周知である。これらの値は通常、動
物の半数(50%)に死をもたらす体重1kg当たりの
被検化合物のg又はmg数の単位で報告される。急性毒
性は通常、急性経口半数致死量(LD50)として報告さ
れ、1952年9月発行の「バイオメトリックス(Biom
etrics)」中のS. Weil による論文に記載された方法を
用いて計算される。
【0037】本発明の新規の食品等級スルフィド系酸化
防止剤組成物によって熱及び酸化に対して安定化するこ
とができる熱可塑性又は熱硬化性ポリマー樹脂の非限定
的な例は次のものである:線状低密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンとプロピレンとのコポリマー、エチレンと
酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ−1−ブテン、ポリ−
3−メチル−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペン
テン、ポリ−4,4−ジメチル−1−ペンテン、ポリ−
1−デセン、ポリ−1−ドデセン、ポリブタジエン、ポ
リ(cis−1,4−イソプレン)、エチレンとプロピ
レンとブタジエンとのターポリマー、エチレンとプロピ
レンとジシクロペンタジエンとのターポリマーのような
ポリオレフィン;ポリカーボネート;ポリアリールエー
テル;ポリアミド;ポリエステル;ポリアセタール;ポ
リアリールスルフィド;セルロースエステル;ポリスチ
レンホモポリマー(結晶形及び非結晶形の両方);発泡
ポリスチレン;耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、中
衝撃性ポリスチレン(MIPS)及び超耐衝撃性ポリス
チレンのようなゴム改質ポリスチレン;スチレン/ブタ
ジエン(SB)、スチレン/ブタジエン/スチレン(S
BS)及びブタジエン/スチレン/ブタジエン(BS
B)のようなスチレンとブタジエンとのブロックコポリ
マー;並びにこれらポリマーのブレンド。
【0038】本発明において用いるための好ましいポリ
マー樹脂としては、線状低密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレンとプロピレンとのコポリマー、エチレンと酢酸ビ
ニルとのコポリマー、ポリ−4−メチル−1−ペンテ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
から誘導されるポリカーボネート、ポリエチレンテレフ
タレート、結晶質ポリスチレン、非結晶質ポリスチレ
ン、発泡ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIP
S)、中衝撃性ポリスチレン(MIPS)、超耐衝撃性
ポリスチレン、スチレン/ブタジエン/スチレン(SB
S)ブロックコポリマー、ブタジエン/スチレン/ブタ
ジエン(BSB)ブロックコポリマー及びスチレンによ
って架橋させた不飽和ポリエステルが挙げられる。
【0039】有機スルフィド系酸化防止剤は、樹脂に所
望の熱及び酸化安定性を付与するのに必要な量でポリマ
ー樹脂に添加される。もちろん、本発明に従ってポリマ
ー樹脂中に存在させる有機スルフィド系酸化防止剤組成
物の正確な量は、用いられるスルフィド系酸化防止剤及
びポリマー樹脂の種類によって変化する。本発明の無毒
性ポリマー組成物は一般的に、有機スルフィド系酸化防
止剤を、スルフィド系酸化防止剤対ポリマー樹脂の重量
比で表わして約1:10000〜約1:20、好ましく
は1:2000〜約1:100の量で含有する。本発明
の有機スルフィド系酸化防止剤は、立体障害フェノール
のような他の補助酸化防止剤と組合せて用いることもで
きる。本発明の有機スルフィド系酸化防止剤と組合せて
補助酸化防止剤を用いる場合、この補助酸化防止剤の本
発明のスルフィド系酸化防止剤に対する重量比は約1
0:1〜約1:10、好ましくは約1:1〜約1:4と
する。
【0040】本発明の有機スルフィド系酸化防止剤は、
任意の慣用の態様でポリマー樹脂に添加することができ
る。この化合物をポリマー樹脂に添加するための適切な
方法は、本明細書の開示に基づいて当業者に明白にわか
るだろう。均一な組成物が製造されるという要件さえ満
たせば、例えば、ブレンディング、混練、押出、射出成
形、圧延等のような当技術分野において周知の方法によ
って、スルフィド系酸化防止剤組成物をポリマー樹脂に
添加することができる。
【0041】さらに、本発明のスルフィド系酸化防止剤
組成物を含有させたポリマー樹脂配合物に、他の添加
剤、例えばタルク、金属奪活剤、炭酸カルシウム、ステ
アリン酸カルシウム、紫外線安定剤(例えばベンゾフェ
ノン、ベンゾトリアゾール、サリチル酸エステル及び立
体障害アミン)等を添加することもできる。これらの添
加剤及び補助酸化防止剤を用いるための唯一の条件は、
それらが食品等級ポリマー配合物における用途について
認可されているということである。
【0042】本発明の無毒性ポリマー組成物は、食料、
飲料及び医薬と接触させることが意図されるコーティン
グ、タンクのライニング、フィルム、シート、繊維、
管、瓶、包装材料及び成形品を形成させるために、並び
に医療器具における用途に用いることができる。特定的
でしかし非限定的な用途としては、皿、容器/蓋、無菌
・遮断性包装材料、レトルト包装材料、電子レンジで使
用できる調理器具、包装用フィルム、熱溶融型接着剤、
大量貯蔵タンク、食料及び飲料瓶、血液袋、輸血用管並
びに医薬品包装材料が挙げられる。これらの多くの用途
において、食料、飲料又は医薬製品が無毒性ポリマー組
成物と物理的に接触する。
【0043】
【実施例】以下、特定的で非限定的な例を参照して本発
明を例示する。
【0044】例1:β−(n−オクタデシルチオ)エチ
ル−3−(n−オクタデシルチオ)シクロヘキサン及び
β−(n−オクタデシルチオ)エチル−4−(n−オク
タデシルチオ)シクロヘキサンの製造 三つ口フラスコ中で窒素雰囲気下で1−オクタデセン1
044g(4.13モル)を撹拌してポット温度55℃
に加熱した。撹拌し加熱しながら、β−メルカプトエチ
ル−3−メルカプトシクロヘキサンとβ−メルカプトエ
チル−4−メルカプトシクロヘキサンとの混合物176
g中にルーパーソル(Lupersol)546M75(無臭ミ
ネラルスピリット中のペルオキシネオデカン酸t−アミ
ルの75%溶液)1.74gを含有させた氷冷溶液を
5.0ミリリットル/分の速度で添加した。この添加の
間、ポット温度を55〜65℃に保った。添加が完了し
た30分後に、ポット温度を約60℃に保ちながら、
0.87gのルーパーソル546M75を30分毎に添
加した。試料を周期的に取り出し、残留メルカプタン含
有率を測定した。メルカプタン含有率が約1000pp
m以下に低下した時に、ルーパーソル546M75の添
加を停止した。全反応時間は約5.5時間だった。過剰
分の1−オクタデセンを約240℃、10mmHgにお
いて溶融生成物からストリッピングした。残留メルカプ
タン値S(メルカプト)は500ppmだった。粗生成
物の一部(150g)及びメチルエチルケトン450g
をじゃま板及びジャケットを備えた1リットルの三つ口
反応器に装入し、65℃に加熱し、撹拌した混合物に5
0%水酸化ナトリウム溶液2gを添加した。この反応混
合物に過酸化水素(30%溶液4ミリリットル)を1時
間かけて注入した。過酸化水素を添加した後にこの混合
物を65℃に30分間保ち、次いで23%塩化ナトリウ
ム溶液50ミリリットルで洗浄した。下方の水性塩層を
取り出して廃棄し、上方のメチルエチルケトン層を5℃
に3時間にわたって冷却した。生成物が52℃において
油状物として現われ始め、42℃において固化した。こ
のスラリーをデカンテーションし、固形生成物をろ過に
よって採集した。反応器を5℃においてメチルエチルケ
トン150gで洗浄し、これら洗液をろ過器上の粗生成
物を洗浄するのに用いた。35℃において真空乾燥した
後に、生成物132gが全体収率88%で得られた。 分析:C44882 計算値 全S,9.44% ;メルカプトのS,0 実測値 全S,9.1% ;メルカプトのS,1 ppm
【0045】例2:2,9−ビス(n−オクタデシルチ
オ)−p−メンタンの製造 2,9−ジメルカプト−p−メンタン305g(1.4
98モル)と1−オクタデセン786.8g(3.05
モル)との撹拌した混合物を窒素でのガスシール下で8
0℃に加熱した。この混合物に、1−オクタデセン25
g中に分散させた2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)1.25gを4回に分けて4時間かけて添加し、
次いで80℃にさらに4時間保った。この反応混合物を
次いでヘキサン1093gから再結晶し、ろ過によって
採集し、冷ヘキサン546gで洗浄し、最後に空気乾燥
させて生成物546gを得た(収率40%)。残留メル
カプタン値S(メルカプト)は360ppmであること
が見出された。粗生成物の一部(75g)及びイソプロ
ピルアルコール450gをじゃま板及びジャケットを備
えた1リットルの反応器に装入し、65℃に加熱した。
この撹拌した混合物{1.5インチ(約3.8cm)の
平羽根タービンで400rpmで撹拌}に次いで50%
水酸化ナトリウム水溶液1gを添加した。次いでこの混
合物に30%過酸化水素溶液2.0ミリリットルを計量
して注射器で1時間かけて注入した。過酸化水素を添加
した後にこの混合物を65℃に30分間保った。次いで
撹拌を続けながら温度を78℃に上昇させた。次いで撹
拌した混合物を30分かけて50℃に冷却した。次いで
さらに2時間かけてさらにこれを35℃に冷却し、この
温度に30分長く保った。このスラリーを排水し、ブフ
ナー漏斗を用いたろ過によって採集した。反応器をイソ
プロピルアルコール150gで洗浄し、次いでこのイソ
プロピルアルコールを用いてろ過ケークを洗浄した。次
いで生成物を水300ミリリットルで洗浄し、35℃に
おいて真空オーブン中で乾燥させた。精製された生成物
67gが収率89%で得られた。これは残留メルカプタ
ン値S(メルカプト)2ppmを有していた。
【0046】例3:ペンタエリトリットテトラキス(n
−ヘキサデシルチオプロピル)エーテルの製造 電磁式撹拌機、冷却管及び窒素導入管を備えた250ミ
リリットルの三つ口フラスコを初めに窒素パージした。
次いでn−ヘキサデシルメルカプタン107g(0.4
17モル)を装入し、80℃に加熱した。この加熱して
撹拌したn−ヘキサデシルメルカプタンに、純ペンタエ
リトリットテトラアリルエーテル29.64g(0.1
モル)中に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
0.2gを含有させた溶液を15分かけて滴下した。こ
の添加が完了した30分後に、2,2’−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)0.1gを添加した。30分間隔で
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)をさらに
0.1gずつ2回添加した。最後の添加の後に、反応物
を80℃にさらに1時間保った。粗生成物をヘキサン3
00ミリリットル中で3回再結晶して、融点55〜57
℃の白色固形物57gを得た。 元素分析:C981642 計算値 C,73.12%;H,12.43%;全S, 9.64%;メル
カプトのS,4 ppm 実測値 C,73.4% ;H,11.9% ;全S,10.0% ;メル
カプトのS,3 ppm
【0047】例4:ペンタエリトリットテトラキス(n
−オクタデシルチオプロピル)エーテルの製造 この例について用いた手順は、ヘキサン300ミリリッ
トル中でn−オクタデシルメルカプタン119.4g
(0.417モル)をペンタエリトリットテトラアリル
エーテル29.6gと反応させたことを除いて、例3に
記載したのと同じである。この反応により、融点60〜
80℃の白色固形物54gが得られた。残留メルカプタ
ン値S(メルカプト)は4ppmだった。
【0048】例5:1分子当たりにほぼ6.7個のn−
ドデシルチオ基を含有するショ糖3−(n−ドデシルチ
オ)プロピルエーテルの製造 A.1分子当たりに6.7個のアリル基を含有するアリ
ルショ糖中間体 「インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミ
ストリー(Industrialand Engineering Chemstry)」、
第41巻、第1967頁(1949年)のM. Zief 及び
E. Yanovsky の方法によって、1分子当たりにほぼ6.
7個のアリル基を含有するアリルショ糖中間体を製造す
る。この方法は、塩基としての充分な水酸化ナトリウム
(これは副生成物の臭化水素を除去するのに用いられ
る)の存在下でのショ糖と過剰量の臭化アリルとの反応
を伴う。 B.1分子当たりにほぼ6.7個のn−ドデシルチオ基
を含有するショ糖3−(n−ドデシルチオ)プロピルエ
ーテル この例について用いた手順は、n−ドデシルメルカプタ
ン203.41g(1.01モル)を上記Aにおいて製
造した中間体のアリルショ糖91.61g(0.15モ
ル)と反応させたことを除いて、例3に記載したのと同
じである。
【0049】6:ビス(3−ヘキサデシルチオプロピ
ル)エーテルの製造 この例について用いた手順は、n−ヘキサデシルメルカ
プタン129.26g(0.5モル)をジアリルエーテ
ル24.54g(0.25モル)と反応させたことを除
いて、例3に記載したのと同じである。
【0050】例7:ポリプロピレンからの例1の化合物
の抽出性 A.試料の調製 1.ビーカー中でポリプロピレン樹脂100g、『イル
ガノックス(Irganox )(商品名)1010』{チバ・
ガイギー(Ciba-Geigy)社製の立体障害フェノール系酸
化防止剤}1.0g、ステアリン酸カルシウム1.0
g、例1の生成物3.0g及び塩化メチレン約50ミリ
リットルを均一懸濁液が得られるまで互いに混合した。
この懸濁液を次いで塩化メチレンが全て蒸発するまで
(ほぼ2日間)通風フード中に入れた。得られた濃縮物
を次いで、追加のポリプロピレン樹脂1900gと共に
リトルフォード(Littleford)ミキサーに移し、190
0rpmにおいて4時間入念に混合した。次いで上記の
配合物を次のようにしてペレットにした。即ち、1/8 イ
ンチ(約0.3cm)ストランドダイを用いて260℃
において1 1/4インチ(約3.2cm)の一軸スクリュ
ー押出機中で押出成形した。水浴に通した後に得られた
棒状物を、次いでペレット製造機によって細断してペレ
ットにした。次いでこれらペレットを4インチ(約10
cm)のシートダイを用いて260℃において同じ押出
機を通して再び押出成形した。得られたシート(厚さ約
22ミル)を抽出研究用に用いた。 2.対照用のポリプロピレンは、例1の生成物を用いな
かったことを除いて上で概略したのと同じ手順によって
調製した。
【0051】B.ポリプロピレンからの例1の化合物の
抽出 1.例1の化合物を含有させたポリマーフィルムを切断
して小片にし、6オンス(約180cc)のガラス製広
口瓶に入れた。全フィルム面積は広口瓶当たりに200
平方インチ(約1300cm2 )だった。特定した抽出
剤(8%又は95%エタノール)ほぼ175ミリリット
ルを添加してポリマーストリップを覆い、次いで広口瓶
をシールした。こうして準備した全ての広口瓶をオーブ
ンに入れ、適宜な時間/温度分布に付した。8%エタノ
ール水溶液については、広口瓶を190°F(約88
℃)において2時間、次いで120°F(約49℃)に
おいて238時間加熱した。95%エタノール水溶液に
ついては、広口瓶を173°F(約78℃)において2
時間、次いで120°F(約49℃)において238時
間加熱した。特定の間隔で広口瓶をオーブンから取り出
し、抽出剤を移して蒸発乾固させた。残留物をイソオク
タン中に再溶解させ、イソオクタン中の沃素の溶液を添
加して例1の化合物の沃素錯体を形成させ、次いでこれ
を下記の文献に記載されたのと同様の方法によって30
8nmにおいて測光分析した:S. H. Hastings、『Spec
trophotometric Determination of Aliphatic Sulfide
s』、「アナリティカル・ケミストリー(Analytical Ch
emistry)」、第25巻、第420〜422頁(195
4年)及び同雑誌、第27巻、第564〜565頁(1
955年)。 2.対照用ポリマーフィルム(例1の化合物を除外)に
ついての抽出及び分析手順は、例1の化合物を含有させ
たフィルムについて前記したのと同じである。下記の表
Iに、例1の化合物について得られた8%エタノール及
び95%エタノールを抽出剤として用いたポリプロピレ
ンからの実際の抽出結果をまとめる。
【0052】
【表1】 脚注a:スルフィド系酸化防止剤組成物の濃度(pp
m)は、USFDA指定のように、被検ポリマー試料表
面積200平方インチ(約1300cm2 )及び1平方
インチ(約6.5cm2 )当たりに『食品』10g(擬
似溶剤10ミリリットル)に基づいて計算した。従っ
て、抽出された酸化防止剤の重量mgをppmに換算す
るためには、前者を2で割る。
【0053】食品擬似溶剤によるポリプロピレンからの
抽出による人間の食物中における例1の化合物の濃度を
測定するためには、食品タイプ別分布係数(fT )及び
消費係数(CF)によって上記の結果を補正しなければ
ならない。8%エタノール(水性及び酸性抽出剤)並び
に95%エタノール(脂肪性及びアルコール性抽出剤)
についてのUSFDAによって決められた係数fT はそ
れぞれ0.68並びに0.32である。ポリプロピレン
についての係数CF(CFPP)は他のポリオレフィン
(低密度及び高密度ポリエチレン)と組合せて用いた場
合には0.02であり、単独で用いる場合にはUSFD
Aは0.05の最小CFを用いることを要件としてい
る。0.05のCFPP値を計算用に用いる。
【0054】8%エタノール及び95%エタノールによ
るポリプロピレンからの抽出による人間の食物中におけ
る例1の化合物の濃度を計算するためには、下記の式を
用いた。これらの式は、1988年9月のUSFDAの
小冊子「リコメンデイション・フォー・ケミストリー・
データ・フォー・インディレクト・フード・アディティ
ヴ・ペティションズ(Recommendations for Chemistry
Data for Indirect Food Additive Petitions)」の付録
IV、第32〜35頁に見出すことができる。 〈M8%〉=(faqueous +facidic)(M8%) 〈M95% 〉=(ffatty +falcoholic )(M95% ) ここで、〈M8%〉及び〈M95% 〉はそれぞれ8%エタノ
ール及び95%エタノールについての重量平均移動であ
り、(M8%)及び(M95% )はそれぞれ8%エタノール
及び95%エタノールについて得られた測定抽出値であ
り、(CFPP)(〈M〉)が、それぞれの溶媒による抽
出による人間の食物中における酸化防止剤の濃度であ
る。得られた結果を次に示す。
【0055】
【表2】 脚注b:移動の評価の最悪の場合として前記の表Iから
の抽出時間240時間についての値を用い、対照例及び
試料の値が本質的に同じなのでポリマーブランクについ
て補正しなかった。 c:表Iからの抽出時間2時間についての値が移動の評
価の最悪の場合なので、これを用いた(ポリマーブラン
クについて補正後)。前記の結果の合計(ほぼ0.04
ppm)は、水性、酸性、アルコール性及び脂肪性タイ
プの食品を擬似した溶剤によるポリプロピレンからの抽
出による人間の食物中における例1の化合物の濃度を表
わす。このデータは、例1の化合物にはポリプロピレン
からの抽出性に基づく毒性の危険性がないということを
示す。
【0056】例8:低密度ポリエチレンからの例1の化
合物の抽出性 A.試料の調製 試料の調製は、押出温度を190℃にし、且つシートの
厚さを約30ミルにしたことを除いて、例7においてポ
リプロピレンについて記載したのと同じである。 B.低密度ポリエチレンからの例1の化合物の抽出 抽出手順は、例7においてポリプロピレンについて記載
したのと同じである。下記の表IIに、例1の化合物につ
いて得られた8%エタノール及び95%エタノールを抽
出剤として用いた低密度ポリエチレンからの実際の抽出
結果をまとめる。
【0057】
【表3】 脚注a:表Iについて前記した方法を用いて計算
【0058】低密度ポリエチレンに関する8%エタノー
ル及び95%エタノールについての食品タイプ別分布係
数(fT )はそれぞれ0.68及び0.32である。低
密度ポリエチレンについての消費係数(CFLDPE)は
0.18である。例7に記載したのと同じ式を用いて、
それぞれの溶剤による抽出による人間の食物中における
例1の化合物の濃度を計算した。次の結果が得られた。
【表4】 脚注b:移動の評価の最悪の場合として前記の表IIから
の抽出時間96時間についての値を用い、対照例及び試
料の値が本質的に同じなのでポリマーブランクについて
補正しなかった。 c:表IIからの抽出時間240時間についての値が移動
の評価の最悪の場合なので、これを用いた(ポリマーブ
ランクについて補正後)。前記の結果の合計(ほぼ0.
25ppm)は、水性、酸性、アルコール性及び脂肪性
タイプの食品を擬似した溶剤によって低密度ポリエチレ
ンから人間の食物中に抽出された例1の化合物の濃度を
表わす。このデータは、例1の化合物には低密度ポリエ
チレンからの抽出性に基づく毒性の危険性がないという
ことを示す。
【0059】例9:高密度ポリエチレンからの例1の化
合物の抽出性 A.試料の調製 試料の調製は、押出温度を240℃にし、且つシートの
厚さを約30ミルにしたことを除いて、例7においてポ
リプロピレンについて記載したのと同じである。 B.高密度ポリエチレンからの例1の化合物の抽出 抽出手順は、例7においてポリプロピレンについて記載
したのと同じである。下記の表III に、例1の化合物に
ついて得られた8%エタノール及び95%エタノールを
抽出剤として用いた高密度ポリエチレンからの実際の抽
出結果をまとめる。
【0060】
【表5】 脚注a:表Iについて前記した方法を用いて計算
【0061】高密度ポリエチレンに関する8%エタノー
ル及び95%エタノールについての食品タイプ別分布係
数(fT )はそれぞれ0.68及び0.32であり、高
密度ポリエチレンについての消費係数(CFHDPE)は
0.13である。例7に記載したのと同じ式を用いて、
それぞれの溶剤による抽出による人間の食物中における
例1の化合物の濃度を計算した。次の結果が得られた。
【表6】 脚注b:移動の評価の最悪の場合として前記の表III か
らの抽出時間96時間についての値を用い、対照例及び
試料の値が本質的に同じなのでポリマーブランクについ
て補正しなかった。 c:表III からの抽出時間2時間についての値が移動の
評価の最悪の場合なので、これを用いた(ポリマーブラ
ンクについて補正後)。前記の結果の合計(ほぼ0.0
9ppm)は、水性、酸性、アルコール性及び脂肪性タ
イプの食品を擬似した溶剤によって高密度ポリエチレン
から人間の食物中に抽出された例1の化合物の濃度を表
わす。このデータは、例1の化合物には高密度ポリエチ
レンからの抽出性に基づく毒性の危険性がないというこ
とを示す。
【0062】例10:例1の化合物の急性毒性 初めに計量してほぼ200〜300gだったスプラグ−
ダウリー(Sprague-Dawley)種の雄ラット5匹及び雌ラ
ット5匹を試験開始の前に3〜5日間観察下に保った。
これらの個々の動物を制御された環境下で底が金網のお
りの中に入れ、一晩(ほぼ18時間)絶食させた後に、
例1の化合物を一定濃度で体重1kg当たりに5.0g
の量で1回経口投与(胃管による強制栄養法による)し
た。投与前及び試験終了時に全動物の体重を測定した。
これらの動物を化合物投与の当日には頻繁に観察し、そ
して合計15日間、毎日2回観察した。あらゆる目立っ
た毒性作用又は薬理学的効果を記録し、研究期間中に死
んだ動物を総合的な検死に付した。全ての異常を記録し
た。例1の化合物についての経口摂取による急性毒性値
LD50は5.0g/kgより大きかった。
【0063】例11:例2の化合物の急性毒性 初めに計量してほぼ200〜300gだったスプラグ−
ダウリー種の雄ラット5匹及び雌ラット5匹を制御され
た環境下で底が金網のおりの中に個々に入れ、無制限に
食物及び水を与えた。少なくとも5日間の新環境順応期
間の後に、動物を試験した。動物を一晩絶食させた後
に、例2の化合物を一定濃度で体重1kg当たりに5.
0gの量で1回経口投与した。これらの動物を化合物投
与の当日には頻繁に観察し、そして合計15日間、毎日
2回観察した。毒性作用又は薬理学的効果の全ての外的
徴候を記録した。動物の体重を、試験の初めに、8日目
に、そして15日目又は死亡時に記録した。研究期間中
に死んだ動物及び終了時(15日目)に殺した動物を総
合的な検死に付し、全ての異常を記録した。例2の化合
物についての経口摂取による急性毒性値LD50は5.0
g/kgより大きかった。
【0064】例12〜20 例12〜20は、慣用のスルフィド系酸化防止剤と比較
した本発明の有機スルフィド系酸化防止剤のより大きい
安定性を例示する。少量(10〜25mg)の酸化防止
剤の試料を白金製舟型容器中で毎分10℃の速度で加熱
した。その際に、5%の重量低減が起こるのに必要な温
度を測定した。デュポン(Du-Pont )社製の9900型
熱重量分析機においてガス流(窒素又は空気)は毎分2
00ccとした。例12〜16はプラスチック産業にお
いて用いられる慣用の酸化防止剤である。次の酸化防止
剤を例12〜16において用いた。 DSTDP=チオジプロピオン酸ジステアリル DLTDP=チオジプロピオン酸ジラウリル DSPDPH=ジステアリルペンタエリトリットジホス
ファイト DBPBPH=テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト TBPP=トリス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト 表IVのデータは、一連の酸化防止剤について5%の重量
低減が起こる温度を示す。例17〜20は本発明に従う
スルフィド系酸化防止剤である。表IVからわかるよう
に、5%の重量低減が起こる温度は、本発明に従う化合
物については慣用の酸化防止剤と比較してかなり高い。
これらの結果は、分析を空気の存在下で行なったか窒素
の存在下で行なったかにかかわらず一致している。
【0065】
【表7】
【0066】例21 この例は、ポリマー樹脂用の酸化防止剤としての例1の
化合物の有効性を示す。初めにポリプロピレン100重
量部、ペンタエリトリットテトラキス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)0.1
重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部及び表V
に示した添加剤0.3重量部から次のようにして試験片
を作った。これら成分の塩化メチレンスラリーを作り、
溶媒を蒸発させた。得られた混合物を次いで強力ミキサ
ー中でブレンドした。この混合物を次いで実験室用押出
機中で250℃の温度においてペレットにした。このペ
レットを250℃において射出成形して、125ミル×
5/8×2インチ(ほぼ125ミル×1.6×5cm)
の試験片にした。この試験片を、150℃の強制空気オ
ーブン中でゆっくり回転するフェリス(Ferris)ホイー
ルから懸垂させたラック中で老化させた。表Vに示した
欠陥とは、試験片上に変色した脆い領域が形成すること
である。
【0067】
【表8】
【0068】例22 この例は、本発明の酸化防止剤の低臭気特性を示す。臭
気パネル研究のために、既知の量のメルカプタンを含有
するスルフィドをブレンドによって調製した。適当な部
数のスルフィドを混合し、溶融し、固化させ、再び粉砕
して均一の粉末にした。例えば、表VIのSRSH 30pp
mを含有するスルフィドは、SRSH 1ppmを含有する
スルフィド(例1)90部とSRSH 290ppmを含有
するスルフィド10部とを混合することによって製造
し、SRS H 15ppmを含有するスルフィドは、SRSH
30ppmを含有するスルフィド48.3部とSRSH
ppmを含有するスルフィド51.7部とを混合するこ
とによって製造した。対照例はチオジプロピオン酸ジス
テアリル(DSTDP)である。ポリプロピレン100
重量部、ペンタエリトリットテトラキス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)0.
1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部及びス
ルフィド系添加剤0.6重量部からポリプロピレンペレ
ットを作った。例7のAの1の方法に従って、得られた
混合物をブレンドし、押出成形した。
【0069】このペレットを16オンス(約470c
c)の再シール可能なガラス製広口瓶に約半分の容量ま
で入れた。30人のパネル試験者でペレットの臭気を評
価した。各パネル試験者は、評点−10の「非常に不
快」から始まって評点0を「中間」として評点+10の
「とても好き」までの選択範囲からペレットを評価し
た。パネル試験者の回答を平均し、これを表VIに報告す
る。
【表9】 表VIの結果から、スルフィド中の残留メルカプタンがS
RSH 5ppmより多くなるとポリプロピレンの不快さが
増すということが明らかにわかる。既知のスルフィド系
酸化防止剤のDSTDPは、SRSH 5ppmを含有する
例1の化合物より臭い。
【0070】以上、本発明の具体例を説明したが、本発
明の技術思想及び範囲から逸脱することなく上記の具体
例に様々な変化及び変更を果たすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・レオ・ライリー アメリカ合衆国ペンシルベニア州ランスデ イル、フェザント・ヒル・ロード2069

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性又は熱硬化性樹脂と、下記の式
    I、II又はIII を有し且つ約5ppm以下の遊離のメル
    カプタン基を含有する有機スルフィド系酸化防止剤とを
    含む無毒性ポリマー組成物: 【化1】 (これら式中、mは0又は1であり、 nは2〜15の整数であり、 Rは2〜30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換
    脂肪族基、5〜20個の炭素原子を有する置換若しくは
    非置換脂環式基、2〜30個の炭素原子を有し且つ6個
    までの炭素原子が複素原子O若しくはSで置き換えられ
    た置換若しくは非置換脂肪族基又は5〜20個の炭素原
    子を有し且つ6個までの炭素原子が複素原子O若しくは
    Sで置き換えられた置換若しくは非置換脂環式基であ
    り、ここで、前記複素原子は少なくとも1個の炭素原子
    によって互いに隔離され且つ基Rが結合している該化合
    物中の部位から隔離されていなければならず、Rについ
    ての置換基は−OH、−SR4 又は−OR4 であり、こ
    こでR4 は1〜30個の炭素原子を有するアルキル基又
    は5〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であ
    り、 R1 及びR2 はそれぞれH又は1〜4個の炭素原子を有
    するアルキル基であり、 R3 は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基又は5
    〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、 R5 は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基であ
    り、 R6 はH又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基
    であり、mが0である場合にはR6 はH又は1〜7個の
    炭素原子を有するアルキル基であり、そしてmが1であ
    る場合にはR6 は1〜24個の炭素原子を有するアルキ
    ル基であり、 R7 は直接結合又は1〜4個の炭素原子を有するアルキ
    レン基であり、 R8 は5〜16個の炭素原子を有する単環、二環又は三
    環式シクロアルキル基である)。
  2. 【請求項2】 有機スルフィド系酸化防止剤が、ラット
    に給餌した場合に少なくとも1.0g/kgのLD50
    有し、且つ、人間の食物中における濃度が約1ppm未
    満である食品擬似溶剤による樹脂からの抽出性を有す
    る、請求項1記載の無毒性ポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 食品擬似溶剤が水性エタノール溶液から
    成る、請求項2記載の無毒性ポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 ポリマー樹脂がポリオレフィン、ポリカ
    ーボネート、ポリアリールスルフィド、セルロースエス
    テル、スチレンホモポリマー、ゴム改質ポリスチレン、
    スチレンブロックコポリマー及びポリエステルより成る
    群から選択される、請求項2記載の無毒性ポリマー組成
    物。
  5. 【請求項5】 ポリマー樹脂が低密度ポリエチレン、線
    状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、エチレン/プロピレンコポリマー及びエチレン
    /酢酸ビニルコポリマーより成る群から選択される、請
    求項4記載の無毒性ポリマー組成物。
  6. 【請求項6】 有機スルフィドがβ−(n−オクタデシ
    ルチオ)エチル−3−(n−オクタデシルチオ)シクロ
    ヘキサン又はβ−(n−オクタデシルチオ)エチル−4
    −(n−オクタデシルチオ)シクロヘキサンである、請
    求項5記載の無毒性ポリマー組成物。
  7. 【請求項7】 有機スルフィドが式I又はIIによって表
    わされる化合物であり且つ、Rが次式: 【化2】 の基であり、 R1 及びR2 がHであり、 R3 が12〜18個の炭素原子を有するアルキル基であ
    る、請求項1記載の無毒性ポリマー組成物。
  8. 【請求項8】 有機スルフィドが式III で表わされる化
    合物であり且つ次の構造: 【化3】 のうちの1種を有する、請求項1記載の無毒性ポリマー
    組成物。
  9. 【請求項9】 有機スルフィドのポリマー樹脂に対する
    重量比が約1:10000〜約1:20である、請求項
    1記載の無毒性ポリマー組成物。
  10. 【請求項10】 有機スルフィドのポリマー樹脂に対す
    る重量比が約1:2000〜約1:100である、請求
    項1記載の無毒性ポリマー組成物。
  11. 【請求項11】 補助熱安定剤又は光安定剤をさらに含
    む、請求項1記載の無毒性ポリマー組成物。
  12. 【請求項12】 補助熱安定剤又は光安定剤が立体障害
    フェノール類、ホスファイト類、有機アミン類、ベンゾ
    フェノン類及びベンゾトリアゾール類より成る群から選
    択される、請求項11記載の無毒性ポリマー組成物。
  13. 【請求項13】 食料、飲料若しくは医薬の取扱及び包
    装のため、又は医療器具における使用のための、請求項
    1記載の組成物から作られた又は請求項1記載の組成物
    を含有する無毒性ポリマー製品。
  14. 【請求項14】 コーティング、タンクのライニング、
    フィルム、シート、繊維、管、瓶、包装材料又は成形品
    の形の請求項13記載の無毒性ポリマー製品。
  15. 【請求項15】 食品缶ライナー、大量貯蔵タンク、飲
    料瓶、食品ラップ、血液袋、輸血用管及び医薬品包装材
    料の形の請求項13記載の無毒性ポリマー製品。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の組成物から作られた又
    は請求項1記載の組成物を含有する無毒性ポリマー製品
    と接触させた食料、飲料又は医薬製品。
  17. 【請求項17】 ポリオレフィン樹脂と食品等級の有機
    スルフィド系酸化防止剤とを含む、食料、飲料若しくは
    医薬の取扱及び包装用、又は医療器具における使用に適
    した無毒性ポリマー組成物であって、 該有機スルフィド系酸化防止剤が下記の式I、II又はII
    I を有し、約5ppm以下の遊離のメルカプタン基を含
    有し、ラットに給餌した場合に少なくとも1.0g/k
    gのLD50を有し、且つ、人間の食物中における濃度が
    約1ppm未満である食品擬似溶剤によるポリオレフィ
    ン樹脂からの抽出性を有する、前記無毒性ポリマー組成
    物: 【化4】 (これら式中、mは0又は1であり、 nは2〜15の整数であり、 Rは2〜30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換
    脂肪族基、5〜20個の炭素原子を有する置換若しくは
    非置換脂環式基、2〜30個の炭素原子を有し且つ6個
    までの炭素原子が複素原子O若しくはSで置き換えられ
    た置換若しくは非置換脂肪族基又は5〜20個の炭素原
    子を有し且つ6個までの炭素原子が複素原子O若しくは
    Sで置き換えられた置換若しくは非置換脂環式基であ
    り、ここで、前記複素原子は少なくとも1個の炭素原子
    によって互いに隔離され且つ基Rが結合している該化合
    物中の部位から隔離されていなければならず、Rについ
    ての置換基は−OH、−SR4 又は−OR4 であり、こ
    こでR4 は1〜30個の炭素原子を有するアルキル基又
    は5〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であ
    り、 R1 及びR2 はそれぞれH又は1〜4個の炭素原子を有
    するアルキル基であり、 R3 は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基又は5
    〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、 R5 は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基であ
    り、 R6 はH又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基
    であり、mが0である場合にはR6 はH又は1〜7個の
    炭素原子を有するアルキル基であり、そしてmが1であ
    る場合にはR6 は1〜24個の炭素原子を有するアルキ
    ル基であり、 R7 は直接結合又は1〜4個の炭素原子を有するアルキ
    レン基であり、 R8 は5〜16個の炭素原子を有する単環、二環又は三
    環式シクロアルキル基である)。
  18. 【請求項18】 食品擬似溶剤が8重量%エタノール水
    性溶液及び95重量%エタノール水性溶液である、請求
    項17記載の無毒性ポリマー組成物。
  19. 【請求項19】 ポリオレフィン樹脂が低密度ポリエチ
    レン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
    ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー及び
    エチレン/酢酸ビニルコポリマーより成る群から選択さ
    れる、請求項17記載の無毒性ポリマー組成物。
  20. 【請求項20】 有機スルフィドがβ−(n−オクタデ
    シルチオ)エチル−3−(n−オクタデシルチオ)シク
    ロヘキサン又はβ−(n−オクタデシルチオ)エチル−
    4−(n−オクタデシルチオ)シクロヘキサンである、
    請求項19記載の無毒性ポリマー組成物。
  21. 【請求項21】 有機スルフィドのポリオレフィン樹脂
    に対する重量比が約1:10000〜約1:20であ
    る、請求項17記載の無毒性ポリマー組成物。
  22. 【請求項22】 有機スルフィドのポリオレフィン樹脂
    に対する重量比が約1:2000〜約1:100であ
    る、請求項17記載の無毒性ポリマー組成物。
  23. 【請求項23】 補助熱安定剤又は光安定剤をさらに含
    む、請求項17記載の無毒性ポリマー組成物。
  24. 【請求項24】 補助熱安定剤又は光安定剤が立体障害
    フェノール類、ホスファイト類、有機アミン類、ベンゾ
    フェノン類及びベンゾトリアゾール類より成る群から選
    択される、請求項23記載の無毒性ポリマー組成物。
  25. 【請求項25】 酸化分解又は熱分解に対して安定化さ
    れた無毒性ポリマー組成物を形成させる方法であって、
    熱可塑性又は熱硬化性樹脂に、下記の式I、II又はIII
    を有し且つ約5ppm以下の遊離のメルカプタン基を含
    有する有機スルフィド系酸化防止剤を添加して成る、前
    記方法: 【化5】 (これら式中、mは0又は1であり、 nは2〜15の整数であり、 Rは2〜30個の炭素原子を有する置換若しくは非置換
    脂肪族基、5〜20個の炭素原子を有する置換若しくは
    非置換脂環式基、2〜30個の炭素原子を有し且つ6個
    までの炭素原子が複素原子O若しくはSで置き換えられ
    た置換若しくは非置換脂肪族基又は5〜20個の炭素原
    子を有し且つ6個までの炭素原子が複素原子O若しくは
    Sで置き換えられた置換若しくは非置換脂環式基であ
    り、ここで、前記複素原子は少なくとも1個の炭素原子
    によって互いに隔離され且つ基Rが結合している該化合
    物中の部位から隔離されていなければならず、Rについ
    ての置換基は−OH、−SR4 又は−OR4 であり、こ
    こでR4 は1〜30個の炭素原子を有するアルキル基又
    は5〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であ
    り、 R1 及びR2 はそれぞれH又は1〜4個の炭素原子を有
    するアルキル基であり、 R3 は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基又は5
    〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル基であり、 R5 は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基であ
    り、 R6 はH又は1〜24個の炭素原子を有するアルキル基
    であり、mが0である場合にはR6 はH又は1〜7個の
    炭素原子を有するアルキル基であり、そしてmが1であ
    る場合にはR6 は1〜24個の炭素原子を有するアルキ
    ル基であり、 R7 は直接結合又は1〜4個の炭素原子を有するアルキ
    レン基であり、 R8 は5〜16個の炭素原子を有する単環、二環又は三
    環式シクロアルキル基である)。
  26. 【請求項26】 有機スルフィド系酸化防止剤が、ラッ
    トに給餌した場合に少なくとも1.0g/kgのLD50
    を有し、且つ、人間の食物中における濃度が約1ppm
    未満である食品擬似溶剤による樹脂からの抽出性を有す
    る、請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 溶剤がエタノールである、請求項26
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 樹脂がポリオレフィン、ポリカーボネ
    ート、ポリアリールスルフィド、セルロースエステル、
    スチレンホモポリマー、ゴム改質ポリスチレン、スチレ
    ンブロックコポリマー及びポリエステルより成る群から
    選択される、請求項26記載の方法。
  29. 【請求項29】 樹脂が低密度ポリエチレン、ポリエチ
    レン、高密度ポリエチレン及びポリプロピレンより成る
    群から選択される、請求項28記載の方法。
  30. 【請求項30】 有機スルフィドがβ−(n−オクタデ
    シルチオ)エチル−3−(n−オクタデシルチオ)シク
    ロヘキサン又はβ−(n−オクタデシルチオ)エチル−
    4−(n−オクタデシルチオ)シクロヘキサンである、
    請求項29記載の方法。
  31. 【請求項31】 有機スルフィドが式I又はIIによって
    表わされる化合物であり且つ、Rが次式: 【化6】 の基であり、 R1 及びR2 がHであり、 R3 が12〜18個の炭素原子を有するアルキル基であ
    る、請求項25記載の方法。
  32. 【請求項32】 有機スルフィドが式III で表わされる
    化合物であり且つ次の構造: 【化7】 のうちの1種を有する、請求項25記載の方法。
  33. 【請求項33】 有機スルフィドのポリマー樹脂に対す
    る重量比が約1:10000〜約1:20である、請求
    項25記載の方法。
  34. 【請求項34】 有機スルフィドのポリマー樹脂に対す
    る重量比が約1:2000〜約1:100である、請求
    項25記載の方法。
  35. 【請求項35】 補助熱安定剤又は光安定剤を樹脂に添
    加することをさらに含む、請求項25記載の方法。
  36. 【請求項36】 補助熱安定剤又は光安定剤が立体障害
    フェノール類、ホスファイト類、有機アミン類、ベンゾ
    フェノン類及びベンゾトリアゾール類より成る群から選
    択される、請求項35記載の方法。
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