JPH05199896A - モノクローナル抗体含有試薬 - Google Patents
モノクローナル抗体含有試薬Info
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- JPH05199896A JPH05199896A JP3131104A JP13110491A JPH05199896A JP H05199896 A JPH05199896 A JP H05199896A JP 3131104 A JP3131104 A JP 3131104A JP 13110491 A JP13110491 A JP 13110491A JP H05199896 A JPH05199896 A JP H05199896A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cells
- protein
- monoclonal antibody
- brain
- 2fur
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- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ヒト21番染色体からコードされる蛋白質を認識
し、ヒト脳において年令に依存して発現が変動する蛋白
質、または脳の特定の細胞でのみ発現される蛋白質を認
識するモノクローナル抗体を含む試薬を提供する。 【構成】ヒト染色体21番の長腕を含んだ CHO細胞(2Fur
細胞)でマウスを免疫し、取得した抗体産生細胞をマウ
スミエローマ細胞と融合させ、ヒト染色体21番からコー
ドされる蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマを選択する。これらのハイブ
リドーマの中から、ヒトの脳組織で発現している蛋白質
を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを得て増殖させ、モノクローナル抗体を得る。
し、ヒト脳において年令に依存して発現が変動する蛋白
質、または脳の特定の細胞でのみ発現される蛋白質を認
識するモノクローナル抗体を含む試薬を提供する。 【構成】ヒト染色体21番の長腕を含んだ CHO細胞(2Fur
細胞)でマウスを免疫し、取得した抗体産生細胞をマウ
スミエローマ細胞と融合させ、ヒト染色体21番からコー
ドされる蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマを選択する。これらのハイブ
リドーマの中から、ヒトの脳組織で発現している蛋白質
を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを得て増殖させ、モノクローナル抗体を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトの脳で発現してい
る21番染色体コードの蛋白質を認識して結合するモノク
ローナル抗体を含む、脳機能や老化の判別に有用な試薬
に関するものである。
る21番染色体コードの蛋白質を認識して結合するモノク
ローナル抗体を含む、脳機能や老化の判別に有用な試薬
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、我が国では、高齢者人口の急増に
伴い、痴呆をはじめとする脳神経系疾患が、社会あるい
は医療の重要問題になりつつある。このため、老化に伴
って生じる脳機能の変化を解明することが強く望まれる
ようになった。しかしながら、脳は、今でも生体におけ
る最大のブラックボックスのひとつである。これまで、
ヒトの脳に関しては、解剖学あるいは組織学的な手法を
用いた詳細な研究がなされてきた。その結果、脳の形態
については、殆ど明らかになったといえる。現在、これ
らの形態学的知見と機能との関係をどうやって結び付け
るかが焦点となっている。
伴い、痴呆をはじめとする脳神経系疾患が、社会あるい
は医療の重要問題になりつつある。このため、老化に伴
って生じる脳機能の変化を解明することが強く望まれる
ようになった。しかしながら、脳は、今でも生体におけ
る最大のブラックボックスのひとつである。これまで、
ヒトの脳に関しては、解剖学あるいは組織学的な手法を
用いた詳細な研究がなされてきた。その結果、脳の形態
については、殆ど明らかになったといえる。現在、これ
らの形態学的知見と機能との関係をどうやって結び付け
るかが焦点となっている。
【0003】形態と機能を結び付ける方法のひとつに、
組織化学あるいは細胞化学というアプローチ法がある。
これは、特定の機能あるいは性質をin situ (その場)
で検出する方法で、これによって、組織あるいは細胞内
で特定の機能や性質を顕微鏡観察で知ることができる。
具体的には、ある機能や性質を持った物質の存在部位が
他と区別できるように染色される。
組織化学あるいは細胞化学というアプローチ法がある。
これは、特定の機能あるいは性質をin situ (その場)
で検出する方法で、これによって、組織あるいは細胞内
で特定の機能や性質を顕微鏡観察で知ることができる。
具体的には、ある機能や性質を持った物質の存在部位が
他と区別できるように染色される。
【0004】最近、脳の組織化学的研究において、モノ
クローナル抗体が応用されるようになった。モノクロー
ナル抗体は、特定の物質(抗原)だけを認識して、それ
と特異的に結合する単一の蛋白質である。この性質ゆえ
に、モノクローナル抗体は、脳機能の研究においてきわ
めて重要な武器であるといえる。実際、モノクローナル
抗体を用いた組織化学的研究によって、脳機能に関する
知見が飛躍的に増加しつつある。例えば、コリンアセチ
ルトランスフェラーゼに対するモノクローナル抗体を一
次抗体にして、脳組織切片と反応させた後、酵素標識し
た二次抗体を結合させ、さらにその酵素の基質と反応さ
せることによって、アセチルコリンを合成しているコリ
ン作動性ニューロンのみを選択的に染色することができ
るようになった。
クローナル抗体が応用されるようになった。モノクロー
ナル抗体は、特定の物質(抗原)だけを認識して、それ
と特異的に結合する単一の蛋白質である。この性質ゆえ
に、モノクローナル抗体は、脳機能の研究においてきわ
めて重要な武器であるといえる。実際、モノクローナル
抗体を用いた組織化学的研究によって、脳機能に関する
知見が飛躍的に増加しつつある。例えば、コリンアセチ
ルトランスフェラーゼに対するモノクローナル抗体を一
次抗体にして、脳組織切片と反応させた後、酵素標識し
た二次抗体を結合させ、さらにその酵素の基質と反応さ
せることによって、アセチルコリンを合成しているコリ
ン作動性ニューロンのみを選択的に染色することができ
るようになった。
【0005】従って、モノクローナル抗体は、脳神経系
疾患を判別するためにも大いに利用できるのである。現
在注目されているアルツハイマー型老人痴呆について、
最近、その原因遺伝子は21番染色体にあるということが
判明した。また、ダウン症は神経細胞の発達が異常であ
り、脳の老化が早い疾患であるが、このダウン症も21番
染色体が三染色体になるトリソミーという異常が原因で
ある。このようなことから、21番染色体上にある遺伝子
がコードしている蛋白質には、神経系の機能や発達に関
係するものがあると予想される。そのため、この21番染
色体コードの蛋白質を認識でき、また、老化や痴呆によ
る脳の蛋白質の発現変化を認識できる試薬が必要とされ
ている。
疾患を判別するためにも大いに利用できるのである。現
在注目されているアルツハイマー型老人痴呆について、
最近、その原因遺伝子は21番染色体にあるということが
判明した。また、ダウン症は神経細胞の発達が異常であ
り、脳の老化が早い疾患であるが、このダウン症も21番
染色体が三染色体になるトリソミーという異常が原因で
ある。このようなことから、21番染色体上にある遺伝子
がコードしている蛋白質には、神経系の機能や発達に関
係するものがあると予想される。そのため、この21番染
色体コードの蛋白質を認識でき、また、老化や痴呆によ
る脳の蛋白質の発現変化を認識できる試薬が必要とされ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の目的
を解決するためになされたもので、ヒト21番染色体から
コードされる蛋白質を認識するモノクローナル抗体を
得、それらの中から、ヒト脳において、年令に依存して
発現が変動する蛋白質、あるいは、脳の特定の細胞での
み発現されるような蛋白質を認識するモノクローナル抗
体を含む試薬を提供することを目的としている。
を解決するためになされたもので、ヒト21番染色体から
コードされる蛋白質を認識するモノクローナル抗体を
得、それらの中から、ヒト脳において、年令に依存して
発現が変動する蛋白質、あるいは、脳の特定の細胞での
み発現されるような蛋白質を認識するモノクローナル抗
体を含む試薬を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの本発明の試薬は、ヒト21番染色体からコードされる
蛋白質に特異的に結合し、かつヒト脳組織の大型錘体細
胞に結合するモノクローナル抗体を含んでいる。また、
本発明の試薬に含まれるモノクローナル抗体は、ヒト脳
において年令に依存して発現量が変化する分子量32キロ
ダルトン(KDa)の細胞核蛋白質に結合する特異性をもっ
ている。
めの本発明の試薬は、ヒト21番染色体からコードされる
蛋白質に特異的に結合し、かつヒト脳組織の大型錘体細
胞に結合するモノクローナル抗体を含んでいる。また、
本発明の試薬に含まれるモノクローナル抗体は、ヒト脳
において年令に依存して発現量が変化する分子量32キロ
ダルトン(KDa)の細胞核蛋白質に結合する特異性をもっ
ている。
【0008】前記モノクローナル抗体は、以下のように
して得ることができる。
して得ることができる。
【0009】2Fur細胞(ヒト21番染色体長腕を含んだ C
HO細胞)で、マウスを免疫し、取得した抗体産生細胞を
マウスミエローマ細胞と融合させ、ヒト染色体21番から
コードされる蛋白質を特異的に認識するモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマを選択する。これらのハ
イブリドーマの中から、ヒトの脳組織で発現している蛋
白質を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマを得る。このハイブリドーマを増殖させ、前記モ
ノクローナル抗体を得ることができる。
HO細胞)で、マウスを免疫し、取得した抗体産生細胞を
マウスミエローマ細胞と融合させ、ヒト染色体21番から
コードされる蛋白質を特異的に認識するモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマを選択する。これらのハ
イブリドーマの中から、ヒトの脳組織で発現している蛋
白質を認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマを得る。このハイブリドーマを増殖させ、前記モ
ノクローナル抗体を得ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0011】実施例1 《モノクローナル抗体YO-1の作製》BALB/cマウスを、10
7 個の2Fur細胞(ヒト21番染色体長腕を含んだ CHO細
胞)(D.Patterson et al.,Som.Cell Genet.1:91,1975)
で2週間おきに3回腹腔注射した。1週間後、同様にし
てブースター免疫を行なった。ブースター免疫の3日
後、マウスの脾を取り出し、DF培地{1000 ミリリットル
中、 ダルベッコ変法イーグル(DME) 5.25g、ハムF12 (F1
2) 5.57g、 HEPES(2-hydroxyethylpiperazine-N'-2- eth
anesulfonic acid) 3.57g、 ストレプトマイシン0.1g、
ペニシリン 105単位、 NaHCO3 1.4g } に懸濁し、ミエロ
ーマ細胞(P3/X63-Ag8.U1) と10:1になるように混合
し、遠心(1,600rpm 、5分)した。50%ポリエチレング
リコールを加え、穏やかに撹拌した後、遠心(1,000rpm
、10分)によって細胞を洗浄した。その後、15%牛胎
児血清を含むDF培地において、前記細胞と、ミエローマ
細胞(105 個/ミリリットル)を懸濁し、0.1 ミリリッ
トルを96穴プレートに分注し、炭酸ガス培養器で1日培
養した。翌日から、HAT 培地 (DF培地 100ミリリットル
に、ヒポキサンチン1.36mg、 チミジン0.39mg、 アミノプ
テリン 0.0182mg を溶解した培地) で培養した。
7 個の2Fur細胞(ヒト21番染色体長腕を含んだ CHO細
胞)(D.Patterson et al.,Som.Cell Genet.1:91,1975)
で2週間おきに3回腹腔注射した。1週間後、同様にし
てブースター免疫を行なった。ブースター免疫の3日
後、マウスの脾を取り出し、DF培地{1000 ミリリットル
中、 ダルベッコ変法イーグル(DME) 5.25g、ハムF12 (F1
2) 5.57g、 HEPES(2-hydroxyethylpiperazine-N'-2- eth
anesulfonic acid) 3.57g、 ストレプトマイシン0.1g、
ペニシリン 105単位、 NaHCO3 1.4g } に懸濁し、ミエロ
ーマ細胞(P3/X63-Ag8.U1) と10:1になるように混合
し、遠心(1,600rpm 、5分)した。50%ポリエチレング
リコールを加え、穏やかに撹拌した後、遠心(1,000rpm
、10分)によって細胞を洗浄した。その後、15%牛胎
児血清を含むDF培地において、前記細胞と、ミエローマ
細胞(105 個/ミリリットル)を懸濁し、0.1 ミリリッ
トルを96穴プレートに分注し、炭酸ガス培養器で1日培
養した。翌日から、HAT 培地 (DF培地 100ミリリットル
に、ヒポキサンチン1.36mg、 チミジン0.39mg、 アミノプ
テリン 0.0182mg を溶解した培地) で培養した。
【0012】ハイブリドーマの選択は、2Fur細胞あるい
はCHO 細胞を溶解緩衝液(lysingbuffer) {100ミリリッ
トルの10mM Tris-HCl,pH8.0 に、 NaClを0.5844g、 NP40
(NONIDET P-40、ジグマ社製) を0.4 ミリリットル、 アプ
ロチン0.5 ミリリットルを含んだ溶液} で溶解したの
ち、これを96穴プレートに吸着させたものに対して、培
養上清の酵素免疫定量(ELISA) を行なうことによって、
最終的に2Fur陽性、CHO陰性のクローンを選び出した。
はCHO 細胞を溶解緩衝液(lysingbuffer) {100ミリリッ
トルの10mM Tris-HCl,pH8.0 に、 NaClを0.5844g、 NP40
(NONIDET P-40、ジグマ社製) を0.4 ミリリットル、 アプ
ロチン0.5 ミリリットルを含んだ溶液} で溶解したの
ち、これを96穴プレートに吸着させたものに対して、培
養上清の酵素免疫定量(ELISA) を行なうことによって、
最終的に2Fur陽性、CHO陰性のクローンを選び出した。
【0013】得られたクローンを、BALB/cマウス腹腔で
増殖させ、その腹水を粗モノクローナル抗体液とした。
こうして得られたモノクローナル抗体が、ヒト21番染色
体からコードされる蛋白質を特異的に認識できることを
確認するために、以下のようにして、2Fur細胞および C
HO細胞蛋白質に対するイムノブロッティングを行なっ
た。2Fur細胞あるいは CHO細胞を溶解緩衝液(lysing bu
ffer) で溶解し、ラエミリ(Laemmli)(Nature, 227:680,
1970) の方法によって、SDS(Sodium dodecylsulfate)ポ
リアクリルアミド電気泳動を行なった。泳動後、ゲルか
らSDS を除き、転写装置(トーヨー社製)を用いて、定
電流150mA 、2時間通電し、蛋白質をニトロセルロース
膜に転写した。転写後、ニトロセルロース膜を5%スキ
ムミルクでブロックした。0.05%Tween20 を含んだTBS
(50mM Tris-HCl、 200mM NaCl、pH7.4)で洗浄した後、TBS
で1,000 倍希釈した粗モノクローナル抗体液中で37
℃、2時間反応させた。洗浄後、アルカリホスファダー
ゼ標識抗マウスIgG(Tago)と37℃、2時間反応させた。
発色には、ニトロブルーテトラアゾリウム(nitroblue t
etreazolium)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ル−フォスフェイト(5-bromo-4-chloro-3-indolyl phos
phate)を用いた。
増殖させ、その腹水を粗モノクローナル抗体液とした。
こうして得られたモノクローナル抗体が、ヒト21番染色
体からコードされる蛋白質を特異的に認識できることを
確認するために、以下のようにして、2Fur細胞および C
HO細胞蛋白質に対するイムノブロッティングを行なっ
た。2Fur細胞あるいは CHO細胞を溶解緩衝液(lysing bu
ffer) で溶解し、ラエミリ(Laemmli)(Nature, 227:680,
1970) の方法によって、SDS(Sodium dodecylsulfate)ポ
リアクリルアミド電気泳動を行なった。泳動後、ゲルか
らSDS を除き、転写装置(トーヨー社製)を用いて、定
電流150mA 、2時間通電し、蛋白質をニトロセルロース
膜に転写した。転写後、ニトロセルロース膜を5%スキ
ムミルクでブロックした。0.05%Tween20 を含んだTBS
(50mM Tris-HCl、 200mM NaCl、pH7.4)で洗浄した後、TBS
で1,000 倍希釈した粗モノクローナル抗体液中で37
℃、2時間反応させた。洗浄後、アルカリホスファダー
ゼ標識抗マウスIgG(Tago)と37℃、2時間反応させた。
発色には、ニトロブルーテトラアゾリウム(nitroblue t
etreazolium)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ル−フォスフェイト(5-bromo-4-chloro-3-indolyl phos
phate)を用いた。
【0014】[結果]図1に示すように、2Fur細胞の分
子量32KDa 蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗
体YO-1 (微工研条寄第3123号、FERM BP-3123)を得た(以
下、YO-1と記す)。この蛋白質は、CHO 細胞では発現し
ていなかった。このことは、この蛋白質がヒト21番染色
体上の遺伝子によってコードされることを示す。
子量32KDa 蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗
体YO-1 (微工研条寄第3123号、FERM BP-3123)を得た(以
下、YO-1と記す)。この蛋白質は、CHO 細胞では発現し
ていなかった。このことは、この蛋白質がヒト21番染色
体上の遺伝子によってコードされることを示す。
【0015】《YO-1結合蛋白質の脳での発現》脳組織標
本の作製に関して、凍結切片は、脳組織をクリオスタッ
トにより10〜20ミクロンの厚さに切った後、卵白アルブ
ミンをコートしたスライドグラスに付着させた。また、
パラフィン切片をマウントしたスライドグラスについて
は、キシレンに10分間2回浸漬してパラフィンを除き、
さらにキシレンを除くためエタノールおよび蒸留水で処
理した。
本の作製に関して、凍結切片は、脳組織をクリオスタッ
トにより10〜20ミクロンの厚さに切った後、卵白アルブ
ミンをコートしたスライドグラスに付着させた。また、
パラフィン切片をマウントしたスライドグラスについて
は、キシレンに10分間2回浸漬してパラフィンを除き、
さらにキシレンを除くためエタノールおよび蒸留水で処
理した。
【0016】スライドグラスに付着させた脳組織切片を
YO-1と反応させた後、アビジン−ビオチンコンプレック
ス法(ABC法)あるいは、ペルオキシダーゼ−アンチ
ペロオキシダーゼ法(PAP法)により組織染色を行な
った。その後、ヘマトキシリンによる対比染色を行な
い、エタノールおよびキシレン処理した後、カナダバル
サムで封入した。これらについて、光学顕微鏡観察を行
なった。
YO-1と反応させた後、アビジン−ビオチンコンプレック
ス法(ABC法)あるいは、ペルオキシダーゼ−アンチ
ペロオキシダーゼ法(PAP法)により組織染色を行な
った。その後、ヘマトキシリンによる対比染色を行な
い、エタノールおよびキシレン処理した後、カナダバル
サムで封入した。これらについて、光学顕微鏡観察を行
なった。
【0017】[結果]YO-1結合蛋白質は、脳組織の神経
細胞の大型の錘体細胞(Largepyramidal neuron) で発現
していた。顆粒細胞では発現は認められなかった。
細胞の大型の錘体細胞(Largepyramidal neuron) で発現
していた。顆粒細胞では発現は認められなかった。
【0018】《年令に依存して発現する蛋白質の検出》
前記脳での発現と同様にして、YO-1を用いて、様々な年
令の正常人およびダウン症患者の脳組織を染色し検鏡し
た。
前記脳での発現と同様にして、YO-1を用いて、様々な年
令の正常人およびダウン症患者の脳組織を染色し検鏡し
た。
【0019】[結果]表1は、脳の大型錘体細胞におけ
るYO-1結合蛋白質の発現結果である。YO-1結合蛋白質
は、正常人では2才から陽性の大型錘体細胞が認めら
れ、以後成人まですべての年令で発現していた。ダウン
症患者の脳では、胎生40週ですでに発現が認められた。
コントロールとして用いた抗スーパーオキサイドディス
ムダーゼ(SOD )モノクローナル抗体では、錘体細胞だ
けでなく、顆粒細胞も陽性を示した。この場合、正常と
ダウン症患者とで、差異は認められなかった。
るYO-1結合蛋白質の発現結果である。YO-1結合蛋白質
は、正常人では2才から陽性の大型錘体細胞が認めら
れ、以後成人まですべての年令で発現していた。ダウン
症患者の脳では、胎生40週ですでに発現が認められた。
コントロールとして用いた抗スーパーオキサイドディス
ムダーゼ(SOD )モノクローナル抗体では、錘体細胞だ
けでなく、顆粒細胞も陽性を示した。この場合、正常と
ダウン症患者とで、差異は認められなかった。
【0020】また、脳のグリア細胞も同様に検鏡した。
表2は、グリア細胞におけるYO-1結合蛋白質の発現結果
である。YO-1結合蛋白質の発現は、アストロサイト、オ
リゴデンドロサイト、及びミクログリア共に陰性であっ
た。コントロールの抗SOD モノクローナル抗体で染色す
ると、正常及びダウン症ともに胎生40週以降陽性のグリ
ア細胞が認められた。
表2は、グリア細胞におけるYO-1結合蛋白質の発現結果
である。YO-1結合蛋白質の発現は、アストロサイト、オ
リゴデンドロサイト、及びミクログリア共に陰性であっ
た。コントロールの抗SOD モノクローナル抗体で染色す
ると、正常及びダウン症ともに胎生40週以降陽性のグリ
ア細胞が認められた。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】《YO-1結合蛋白質の局在部位》2Fur細胞1
×1010個当り10ミリリットルの緩衝液A(10mMHEPES pH
7.9、1.5mMMgCl2、 10mM DTT)を加え、テフロンホモジナ
イザーで10回ホモジナイズした後、2000rpm、10分の遠心
により、上清を集め、これを S-100画分とした。沈殿に
30ミリリットルの緩衝液C{20mM HEPES pH7.9、 25%グリ
セロール(glycerol)0.42M NaCl、 1.5mM MgCl2、 0.2mM E
DTA、 0.5mM PMSF、 0.5mM DTT} を加え、テフロンホモジ
ナイザーで10回ホモジナイズした後、16,000rpm 、20分
の遠心により上清を集め、第1細胞核抽出物とした。さ
らに沈殿を、40ミリリットルの緩衝液Cに再懸濁し、テ
フロンホモジナイザーで10回ホモジナイズした後、35,0
00rpm、30分遠心し、その上清を第2細胞核抽出物とし
た。S-100 画分、第1細胞核抽出物および第2細胞核抽
出物は、それぞれPBS (Phosphate buffered saline) に
対して4℃で一晩透析した。これらの各蛋白質画分を、
SDS ポリアクリルアミド電気泳動で分離し、YO-1を一次
抗体とするイムノブロッティングを行なった。
×1010個当り10ミリリットルの緩衝液A(10mMHEPES pH
7.9、1.5mMMgCl2、 10mM DTT)を加え、テフロンホモジナ
イザーで10回ホモジナイズした後、2000rpm、10分の遠心
により、上清を集め、これを S-100画分とした。沈殿に
30ミリリットルの緩衝液C{20mM HEPES pH7.9、 25%グリ
セロール(glycerol)0.42M NaCl、 1.5mM MgCl2、 0.2mM E
DTA、 0.5mM PMSF、 0.5mM DTT} を加え、テフロンホモジ
ナイザーで10回ホモジナイズした後、16,000rpm 、20分
の遠心により上清を集め、第1細胞核抽出物とした。さ
らに沈殿を、40ミリリットルの緩衝液Cに再懸濁し、テ
フロンホモジナイザーで10回ホモジナイズした後、35,0
00rpm、30分遠心し、その上清を第2細胞核抽出物とし
た。S-100 画分、第1細胞核抽出物および第2細胞核抽
出物は、それぞれPBS (Phosphate buffered saline) に
対して4℃で一晩透析した。これらの各蛋白質画分を、
SDS ポリアクリルアミド電気泳動で分離し、YO-1を一次
抗体とするイムノブロッティングを行なった。
【0024】[結果]YO-1によって認識される分子量32
KDa の蛋白質は、図2に示す通り第2細胞核抽出物に存
在する。従って、YO-1は細胞核蛋白質に結合することが
判明した。
KDa の蛋白質は、図2に示す通り第2細胞核抽出物に存
在する。従って、YO-1は細胞核蛋白質に結合することが
判明した。
【0025】《YO-1結合蛋白質の精製》アフィ−ゲルプ
ロティンA(Affi-gel protein A)(Bio-Rad) により精製
し、PBS に対して4℃、3時間透析したマウス腹水由来
のYO-1(4mg、 10ミリリットル) を、膨潤化した0.6gのCN
Br活性セファロ−ズ4B(CNBr-activated Sepharose 4B)
(Pharmasia)に懸濁し、4℃で一晩インキュベートする
ことにより、YO-1をCNBr活性セファロ−ズ4Bに吸着させ
YO-1−セファローズ 4B(YO-1-Sepharose 4B)を作製し
た。
ロティンA(Affi-gel protein A)(Bio-Rad) により精製
し、PBS に対して4℃、3時間透析したマウス腹水由来
のYO-1(4mg、 10ミリリットル) を、膨潤化した0.6gのCN
Br活性セファロ−ズ4B(CNBr-activated Sepharose 4B)
(Pharmasia)に懸濁し、4℃で一晩インキュベートする
ことにより、YO-1をCNBr活性セファロ−ズ4Bに吸着させ
YO-1−セファローズ 4B(YO-1-Sepharose 4B)を作製し
た。
【0026】YO-1−セファローズ 4B を充填したカラム
をPBS で洗浄し、10ミリリットル/時間の流速で第2細
胞核抽出物を流して蛋白質を吸着させた。溶出は、0.1M
グリシン(Glysine)-HCl(pH2.5)によって行なった。溶出
された蛋白質は、2M Tris-HCl(pH8.0)で中和した。得ら
れた蛋白質は、さらに逆相HPLC(TSK gel Phenyl-5PW、東
ソー) によってさらに精製した。凍結乾燥により濃縮乾
固後、25mM Tris-HCl (pH38.5)、1mM EDTAに溶解し、エ
ンドプロテナーゼ(Endoproteinase)Lys-C (Behringer
Manheim) を蛋白質の10分の1量加えて、37℃で一晩反
応させた。消化後のペプチド断片を、TSK gel ODS-120T
( 東ソー)で分離した。分離された各ペプチド断片は、
遠心エバポレーターで濃縮乾固後、超純水に溶解し、気
相式プロテインシーケンサー( 島津PQS-1)によりアミノ
酸配列を決定した。
をPBS で洗浄し、10ミリリットル/時間の流速で第2細
胞核抽出物を流して蛋白質を吸着させた。溶出は、0.1M
グリシン(Glysine)-HCl(pH2.5)によって行なった。溶出
された蛋白質は、2M Tris-HCl(pH8.0)で中和した。得ら
れた蛋白質は、さらに逆相HPLC(TSK gel Phenyl-5PW、東
ソー) によってさらに精製した。凍結乾燥により濃縮乾
固後、25mM Tris-HCl (pH38.5)、1mM EDTAに溶解し、エ
ンドプロテナーゼ(Endoproteinase)Lys-C (Behringer
Manheim) を蛋白質の10分の1量加えて、37℃で一晩反
応させた。消化後のペプチド断片を、TSK gel ODS-120T
( 東ソー)で分離した。分離された各ペプチド断片は、
遠心エバポレーターで濃縮乾固後、超純水に溶解し、気
相式プロテインシーケンサー( 島津PQS-1)によりアミノ
酸配列を決定した。
【0027】[結果]分子量32KDa のYO-1結合蛋白質
は、逆相HPLCで分離した結果、約30のペプチド断片に分
解された。メジャーなピーク8個のペプチド断片のアミ
ノ酸配列は、以下の通りであった。
は、逆相HPLCで分離した結果、約30のペプチド断片に分
解された。メジャーなピーク8個のペプチド断片のアミ
ノ酸配列は、以下の通りであった。
【0028】No.12:TPK No.21:ATGSATPK No.22:KPAAAAVTK No.24:GTGASGSFK No.27:LGLK No.29:ALAAAGYDVEK No.30:ERSGVSLAALK No.31:ASGPPVSELITK 上記の記号が示すアミノ酸は、以下の通りである( No.
はピークの順番を表わす番号)。
はピークの順番を表わす番号)。
【0029】 A:Alanine C:Cysteine D:Aspartic acid E:Glutamic acid F:Phenylalanine G:Glycine H:Histidine I:Isoleucine K:Lysine L:Leucine M:Methionine N:Asparagine P:Proline Q:Glutamine R:Arginine S:Serine T:Threonine V:Valine W:Tryptophan Y:Tyrosine 実施例2 《モノクローナル抗体YO-3の作製》BALB/cマウスを、10
7 個の2Fur細胞(ヒト21番染色体長腕を含んだ CHO細
胞)(D.Patterson et al.,Som.Cell Genet.1:91,1975)
で2週間おきに3回腹腔注射した。1週間後、同様にし
てブースター免疫を行なった。ブースター免疫の3日
後、マウスの脾を取り出し、DF培地{1000 ミリリットル
中、 ダルベッコ変法イーグル(DME) 5.25g、ハムF12 (F1
2) 5.57g、 HEPES(2-hydroxyethylpiperazine-N'-2- eth
anesulfonic acid) 3.57g、 ストレプトマイシン0.1g、
ペニシリン 105単位、 NaHCO3 1.4g } に懸濁し、ミエロ
ーマ細胞(P3/X63-Ag8.U1) と10:1になるように混合
し、遠心(1,600rpm 、5分)した。50%ポリエチレング
リコールを加え、穏やかに撹拌した後、遠心(1,000rpm
、10分)によって細胞を洗浄した。その後、15%牛胎
児血清を含むDF培地において、前記細胞と、ミエローマ
細胞(105 個/ミリリットル)を懸濁し、0.1 ミリリッ
トルを96穴プレートに分注し、炭酸ガス培養器で1日培
養した。翌日から、HAT 培地 (DF培地 100ミリリットル
に、ヒポキサンチン1.36mg、 チミジン0.39mg、 アミノプ
テリン 0.0182mg を溶解した培地) で培養した。
7 個の2Fur細胞(ヒト21番染色体長腕を含んだ CHO細
胞)(D.Patterson et al.,Som.Cell Genet.1:91,1975)
で2週間おきに3回腹腔注射した。1週間後、同様にし
てブースター免疫を行なった。ブースター免疫の3日
後、マウスの脾を取り出し、DF培地{1000 ミリリットル
中、 ダルベッコ変法イーグル(DME) 5.25g、ハムF12 (F1
2) 5.57g、 HEPES(2-hydroxyethylpiperazine-N'-2- eth
anesulfonic acid) 3.57g、 ストレプトマイシン0.1g、
ペニシリン 105単位、 NaHCO3 1.4g } に懸濁し、ミエロ
ーマ細胞(P3/X63-Ag8.U1) と10:1になるように混合
し、遠心(1,600rpm 、5分)した。50%ポリエチレング
リコールを加え、穏やかに撹拌した後、遠心(1,000rpm
、10分)によって細胞を洗浄した。その後、15%牛胎
児血清を含むDF培地において、前記細胞と、ミエローマ
細胞(105 個/ミリリットル)を懸濁し、0.1 ミリリッ
トルを96穴プレートに分注し、炭酸ガス培養器で1日培
養した。翌日から、HAT 培地 (DF培地 100ミリリットル
に、ヒポキサンチン1.36mg、 チミジン0.39mg、 アミノプ
テリン 0.0182mg を溶解した培地) で培養した。
【0030】ハイブリドーマの選択は、2Fur細胞あるい
はCHO 細胞を溶解緩衝液(lysingbuffer) {100ミリリッ
トルの10mM Tris-HCl,pH8.0 に、 NaClを0.5844g、 NP40
(NONIDET P-40、ジグマ社製) を0.4 ミリリットル、 アプ
ロチン0.5 ミリリットルを含んだ溶液} で溶解したの
ち、これを96穴プレートに吸着させたものに対して、培
養上清の酵素免疫定量(ELISA) を行なうことによって、
最終的に2Fur陽性、CHO 陰性のクローンを選び出した。
はCHO 細胞を溶解緩衝液(lysingbuffer) {100ミリリッ
トルの10mM Tris-HCl,pH8.0 に、 NaClを0.5844g、 NP40
(NONIDET P-40、ジグマ社製) を0.4 ミリリットル、 アプ
ロチン0.5 ミリリットルを含んだ溶液} で溶解したの
ち、これを96穴プレートに吸着させたものに対して、培
養上清の酵素免疫定量(ELISA) を行なうことによって、
最終的に2Fur陽性、CHO 陰性のクローンを選び出した。
【0031】得られたクローンを、BALB/cマウス腹腔で
増殖させ、その腹水を粗モノクローナル抗体液とした。
こうして得られたモノクローナル抗体が、ヒト21番染色
体からコードされる蛋白質を特異的に認識できることを
確認するために、以下のようにして、2Fur細胞および C
HO細胞蛋白質に対するイムノブロッティングを行なっ
た。2Fur細胞あるいは CHO細胞を溶解緩衝液(lysing bu
ffer) で溶解し、ラエミリ(Laemmli)(Nature, 227:680,
1970) の方法によって、SDS(Sodium dodecylsulfate)ポ
リアクリルアミド電気泳動を行なった。泳動後、ゲルか
らSDS を除き、転写装置(トーヨー社製)を用いて、定
電流150mA 、2時間通電し、蛋白質をニトロセルロース
膜に転写した。転写後、ニトロセルロース膜を5%スキ
ムミルクでブロックした。0.05%Tween20 を含んだTBS
(50mM Tris-HCl、 200mM NaCl、pH7.4)で洗浄した後、TBS
で1,000 倍希釈した粗モノクローナル抗体液中で37
℃、2時間反応させた。洗浄後、アルカリホスファダー
ゼ標識抗マウスIgG(Tago)と37℃、2時間反応させた。
発色には、ニトロブルーテトラアゾリウム(nitroblue t
etreazolium)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ル−フォスフェイト(5-bromo-4-chloro-3-indolyl phos
phate)を用いた。
増殖させ、その腹水を粗モノクローナル抗体液とした。
こうして得られたモノクローナル抗体が、ヒト21番染色
体からコードされる蛋白質を特異的に認識できることを
確認するために、以下のようにして、2Fur細胞および C
HO細胞蛋白質に対するイムノブロッティングを行なっ
た。2Fur細胞あるいは CHO細胞を溶解緩衝液(lysing bu
ffer) で溶解し、ラエミリ(Laemmli)(Nature, 227:680,
1970) の方法によって、SDS(Sodium dodecylsulfate)ポ
リアクリルアミド電気泳動を行なった。泳動後、ゲルか
らSDS を除き、転写装置(トーヨー社製)を用いて、定
電流150mA 、2時間通電し、蛋白質をニトロセルロース
膜に転写した。転写後、ニトロセルロース膜を5%スキ
ムミルクでブロックした。0.05%Tween20 を含んだTBS
(50mM Tris-HCl、 200mM NaCl、pH7.4)で洗浄した後、TBS
で1,000 倍希釈した粗モノクローナル抗体液中で37
℃、2時間反応させた。洗浄後、アルカリホスファダー
ゼ標識抗マウスIgG(Tago)と37℃、2時間反応させた。
発色には、ニトロブルーテトラアゾリウム(nitroblue t
etreazolium)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリ
ル−フォスフェイト(5-bromo-4-chloro-3-indolyl phos
phate)を用いた。
【0032】[結果]図3に示すように、2Fur細胞の分
子量32KDa 及び23KDa 蛋白質、CHO 細胞の分子量23KDa
蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体YO-3 (微
工研条寄第3423号、FERM BP−3423)を
得た(以下、YO-3と記す)。
子量32KDa 及び23KDa 蛋白質、CHO 細胞の分子量23KDa
蛋白質を特異的に認識するモノクローナル抗体YO-3 (微
工研条寄第3423号、FERM BP−3423)を
得た(以下、YO-3と記す)。
【0033】《YO-3結合蛋白質の脳での発現》脳組織標
本の作製に関して、凍結切片は、脳組織をクリオスタッ
トにより10〜20ミクロンの厚さに切った後、卵白アルブ
ミンをコートしたスライドグラスに付着させた。また、
パラフィン切片をマウントしたスライドグラスについて
は、キシレンに10分間2回浸漬してパラフィンを除き、
さらにキシレンを除くためエタノールおよび蒸留水で処
理した。
本の作製に関して、凍結切片は、脳組織をクリオスタッ
トにより10〜20ミクロンの厚さに切った後、卵白アルブ
ミンをコートしたスライドグラスに付着させた。また、
パラフィン切片をマウントしたスライドグラスについて
は、キシレンに10分間2回浸漬してパラフィンを除き、
さらにキシレンを除くためエタノールおよび蒸留水で処
理した。
【0034】スライドグラスに付着させた脳組織切片を
YO-3と反応させた後、アビジン−ビオチンコンプレック
ス法(ABC法)あるいは、ペルオキシダーゼ−アンチ
ペロオキシダーゼ法(PAP法)により組織染色を行な
った。その後、ヘマトキシリンによる対比染色を行な
い、エタノールおよびキシレン処理した後、カナダバル
サムで封入した。これらについて、光学顕微鏡観察を行
なった。
YO-3と反応させた後、アビジン−ビオチンコンプレック
ス法(ABC法)あるいは、ペルオキシダーゼ−アンチ
ペロオキシダーゼ法(PAP法)により組織染色を行な
った。その後、ヘマトキシリンによる対比染色を行な
い、エタノールおよびキシレン処理した後、カナダバル
サムで封入した。これらについて、光学顕微鏡観察を行
なった。
【0035】[結果]YO-1結合蛋白質と同様、YO-3結合
蛋白質は、脳組織の神経細胞の大型の錘体細胞(Large p
yramidal neuron)で発現していた。小型の顆粒細胞では
殆ど発現していなかった。
蛋白質は、脳組織の神経細胞の大型の錘体細胞(Large p
yramidal neuron)で発現していた。小型の顆粒細胞では
殆ど発現していなかった。
【0036】《年令に依存して発現する蛋白質の検出》
前記脳での発現と同様にして、YO-3を用いて、様々な年
令の正常人およびダウン症患者の脳組織を染色し検鏡し
た。
前記脳での発現と同様にして、YO-3を用いて、様々な年
令の正常人およびダウン症患者の脳組織を染色し検鏡し
た。
【0037】[結果]表3は、脳の大型錘体細胞におけ
るYO-3結合蛋白質の発現結果である。YO-3結合蛋白質
は、正常人、ダウン症患者とも胎生40週から陽性の大型
錘体細胞が認められ、以後成人まですべての年令で発現
していた。脳のグリア細胞ではYO-3結合蛋白質は、YO-1
結合蛋白質と同様に発現が認められなかった。
るYO-3結合蛋白質の発現結果である。YO-3結合蛋白質
は、正常人、ダウン症患者とも胎生40週から陽性の大型
錘体細胞が認められ、以後成人まですべての年令で発現
していた。脳のグリア細胞ではYO-3結合蛋白質は、YO-1
結合蛋白質と同様に発現が認められなかった。
【0038】
【表3】
【0039】《YO-1結合蛋白質とYO-3結合蛋白質の同一
性》アフィ−ゲルプロティンA(Affi-gel protein A)(B
io-Rad) により精製し、PBS に対して4℃、3時間透析
したマウス腹水由来のYO-1(4mg、 10ミリリットル) を、
膨潤化した0.6gのCNBr活性セファロ−ズ4B(CNBr-activa
ted Sepharose 4B)(Pharmasia)に懸濁し、4℃で一晩イ
ンキュベートすることにより、YO-1をCNBr活性セファロ
−ズ4Bに吸着させYO-1−セファローズ 4B(YO-1-Sepharo
se 4B)を作製した。
性》アフィ−ゲルプロティンA(Affi-gel protein A)(B
io-Rad) により精製し、PBS に対して4℃、3時間透析
したマウス腹水由来のYO-1(4mg、 10ミリリットル) を、
膨潤化した0.6gのCNBr活性セファロ−ズ4B(CNBr-activa
ted Sepharose 4B)(Pharmasia)に懸濁し、4℃で一晩イ
ンキュベートすることにより、YO-1をCNBr活性セファロ
−ズ4Bに吸着させYO-1−セファローズ 4B(YO-1-Sepharo
se 4B)を作製した。
【0040】YO-1−セファローズ 4B を充填したカラム
をPBS で洗浄し、10ミリリットル/時間の流速で第2細
胞核抽出物を流して蛋白質を吸着させた。溶出は、0.1M
グリシン(Glysine)-HCl(pH2.5)によって行なった。溶出
された蛋白質は、2M Tris-HCl(pH8.0)で中和した。得ら
れた蛋白質は、さらに逆相HPLC(TSK gel Phenyl-5PW、東
ソー) によってさらに精製した。
をPBS で洗浄し、10ミリリットル/時間の流速で第2細
胞核抽出物を流して蛋白質を吸着させた。溶出は、0.1M
グリシン(Glysine)-HCl(pH2.5)によって行なった。溶出
された蛋白質は、2M Tris-HCl(pH8.0)で中和した。得ら
れた蛋白質は、さらに逆相HPLC(TSK gel Phenyl-5PW、東
ソー) によってさらに精製した。
【0041】精製蛋白質を溶解緩衝液(lysing buffer)
で溶解し、ラエミリ(Laemmli)(Nature, 227:680,1970)
の方法によって、SDS(Sodium dodecyl sulfate) ポリア
クリルアミド電気泳動を行なった。泳動後、ゲルからSD
S を除き、転写装置(トーヨー社製)を用いて、定電流
150mA 、2時間通電し、蛋白質をニトロセルロース膜に
転写した。転写後、ニトロセルロース膜を5%スキムミ
ルクでブロックした。0.05%Tween20 を含んだTBS(50mM
Tris-HCl、 200mM NaCl、 pH7.4) で洗浄した後、TBS で
希釈したYO-3液中で37℃、2時間反応させた。洗浄後、
アルカリホスファダーゼ標識抗マウスIgG(Tago) と37
℃、2時間反応させた。発色には、ニトロブルーテトラ
アゾリウム(nitroblue tetreazolium)と5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリル−フォスフェイト(5-bromo-4
-chloro-3-indolyl phosphate)を用いた。
で溶解し、ラエミリ(Laemmli)(Nature, 227:680,1970)
の方法によって、SDS(Sodium dodecyl sulfate) ポリア
クリルアミド電気泳動を行なった。泳動後、ゲルからSD
S を除き、転写装置(トーヨー社製)を用いて、定電流
150mA 、2時間通電し、蛋白質をニトロセルロース膜に
転写した。転写後、ニトロセルロース膜を5%スキムミ
ルクでブロックした。0.05%Tween20 を含んだTBS(50mM
Tris-HCl、 200mM NaCl、 pH7.4) で洗浄した後、TBS で
希釈したYO-3液中で37℃、2時間反応させた。洗浄後、
アルカリホスファダーゼ標識抗マウスIgG(Tago) と37
℃、2時間反応させた。発色には、ニトロブルーテトラ
アゾリウム(nitroblue tetreazolium)と5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリル−フォスフェイト(5-bromo-4
-chloro-3-indolyl phosphate)を用いた。
【0042】比較のためにYO-1を一次抗体としたイムノ
ブロッティングも行なった。
ブロッティングも行なった。
【0043】[結果]図4に示すようにYO-3はYO-1結合
蛋白質を認識した。従って、2Fur細胞に特異的な32KDa
のYO-1結合蛋白質は、YO-3結合蛋白質と同一であること
が証明された。
蛋白質を認識した。従って、2Fur細胞に特異的な32KDa
のYO-1結合蛋白質は、YO-3結合蛋白質と同一であること
が証明された。
【0044】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明のモノ
クローナル抗体含有試薬は、ヒト脳の大型錘体細胞にお
いて、年令に依存して発現する蛋白質を認識する。
クローナル抗体含有試薬は、ヒト脳の大型錘体細胞にお
いて、年令に依存して発現する蛋白質を認識する。
【0045】また、本発明のモノクローナル抗体含有試
薬は、21番染色体上の遺伝子によってコードされる細胞
核の蛋白質と結合する。従ってこの試薬は、21番染色体
異常による脳神経系疾患を判別する上で極めて重要な組
織化学用試薬となりうる。
薬は、21番染色体上の遺伝子によってコードされる細胞
核の蛋白質と結合する。従ってこの試薬は、21番染色体
異常による脳神経系疾患を判別する上で極めて重要な組
織化学用試薬となりうる。
【0046】また、この試薬中のモノクローナル抗体に
よって認識される蛋白質のアミノ酸配列は、ただちにc
DNAライブラリー(mRNAを逆転写してできた相補
的DNAの集団)のスクリーニングに用いることによ
り、脳で発現機能している遺伝子の解明のために大いに
有用である。
よって認識される蛋白質のアミノ酸配列は、ただちにc
DNAライブラリー(mRNAを逆転写してできた相補
的DNAの集団)のスクリーニングに用いることによ
り、脳で発現機能している遺伝子の解明のために大いに
有用である。
【図1】イムノブロット分析でYO-1と結合する蛋白質を
確認した図である。
確認した図である。
【図2】イムノブロット分析によるYO-1と結合する蛋白
質の細胞内における局在部位を示す図である。
質の細胞内における局在部位を示す図である。
【図3】イムノブロット分析でYO-3と結合する蛋白質を
確認した図である。
確認した図である。
【図4】イムノブロット分析でYO-1及びYO-3がYO-1結合
蛋白質を認識することを確認した図である。
蛋白質を認識することを確認した図である。
1はYO-1による2Fur細胞の分析、2はYO-1によるCHO 細
胞の分析、3はYO-1による2Fur細胞の第2細胞核抽出物
の分析、4はYO-1による2Fur細胞の第1細胞核抽出物の
分析、5はYO-1による2Fur細胞のS-100 の分析、6はYO
-3による2Fur細胞の分析、7はYO-3によるCHO 細胞の分
析、8はYO-1によるYO-1結合蛋白質の分析、9はYO-3に
よるYO-1結合蛋白質の分析。
胞の分析、3はYO-1による2Fur細胞の第2細胞核抽出物
の分析、4はYO-1による2Fur細胞の第1細胞核抽出物の
分析、5はYO-1による2Fur細胞のS-100 の分析、6はYO
-3による2Fur細胞の分析、7はYO-3によるCHO 細胞の分
析、8はYO-1によるYO-1結合蛋白質の分析、9はYO-3に
よるYO-1結合蛋白質の分析。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/20 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (2)
- 【請求項1】 ヒト21番染色体からコードされる蛋白質
に特異的に結合し、かつヒト脳組織の大型錘体細胞に結
合するモノクローナル抗体を含むことを特徴とする試
薬。 - 【請求項2】 前記モノクローナル抗体は、年令に依存
して発現量が変化する分子量32キロダルトンの細胞核蛋
白質に結合することを特徴とする請求項1に記載の試
薬。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3131104A JPH05199896A (ja) | 1990-10-29 | 1991-06-03 | モノクローナル抗体含有試薬 |
| CA 2054302 CA2054302A1 (en) | 1990-10-29 | 1991-10-28 | Monoclonal antibody-containing agent |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29165890 | 1990-10-29 | ||
| JP2-291658 | 1990-10-29 | ||
| JP3131104A JPH05199896A (ja) | 1990-10-29 | 1991-06-03 | モノクローナル抗体含有試薬 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05199896A true JPH05199896A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=26466038
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3131104A Pending JPH05199896A (ja) | 1990-10-29 | 1991-06-03 | モノクローナル抗体含有試薬 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05199896A (ja) |
| CA (1) | CA2054302A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5986054A (en) | 1995-04-28 | 1999-11-16 | The Hospital For Sick Children, Hsc Research And Development Limited Partnership | Genetic sequences and proteins related to alzheimer's disease |
| US6210919B1 (en) | 1995-04-28 | 2001-04-03 | Hsc Research And Development Limited Partnership | Genetic sequences and proteins related to alzheimer's disease |
| US6531586B1 (en) | 1995-04-28 | 2003-03-11 | The Hospital For Sick Children | Genetic sequences related to Alzheimer's Disease |
| AU732508B2 (en) * | 1996-01-26 | 2001-04-26 | Governing Council Of The University Of Toronto, The | Nucleic acids and proteins related to Alzheimer's disease, and uses therefor |
-
1991
- 1991-06-03 JP JP3131104A patent/JPH05199896A/ja active Pending
- 1991-10-28 CA CA 2054302 patent/CA2054302A1/en not_active Abandoned
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| CA2054302A1 (en) | 1992-04-30 |
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