JPH05201005A - インクジェット記録装置用吐出ノズル板およびその製造 方法 - Google Patents
インクジェット記録装置用吐出ノズル板およびその製造 方法Info
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- JPH05201005A JPH05201005A JP4015522A JP1552292A JPH05201005A JP H05201005 A JPH05201005 A JP H05201005A JP 4015522 A JP4015522 A JP 4015522A JP 1552292 A JP1552292 A JP 1552292A JP H05201005 A JPH05201005 A JP H05201005A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 弗素を含む化学吸着単分子膜で撥液処理を行
なったインクジェットヘッドのインクノズル板やエアノ
ズル板において、ノズル板表面の微細な凹凸に影響され
ずに十分な撥液性膜を得ること。 【構成】 加工が終了したノズル板102,103の表
面に、その表面の微細な凹凸を平滑にするための下地層
としてポリイミド層117を形成し、その上に弗素を含
む化学吸着単分子膜118を形成して撥液膜116を作
る。下地層として、表面に水酸基や酸素原子を含んだ金
属膜等の他の材料を使用することができ、また下地層と
単分子膜との間に中間層を形成することにより、単分子
膜の密度をさらに上げることができ、また単分子膜との
結合が比較的弱い材料を下地層として使用することもで
きる。
なったインクジェットヘッドのインクノズル板やエアノ
ズル板において、ノズル板表面の微細な凹凸に影響され
ずに十分な撥液性膜を得ること。 【構成】 加工が終了したノズル板102,103の表
面に、その表面の微細な凹凸を平滑にするための下地層
としてポリイミド層117を形成し、その上に弗素を含
む化学吸着単分子膜118を形成して撥液膜116を作
る。下地層として、表面に水酸基や酸素原子を含んだ金
属膜等の他の材料を使用することができ、また下地層と
単分子膜との間に中間層を形成することにより、単分子
膜の密度をさらに上げることができ、また単分子膜との
結合が比較的弱い材料を下地層として使用することもで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置の記録ヘッドにおけるインク吐出ノズル板またはエア
吐出ノズル等の吐出ノズル板およびその製造方法に関す
るものである。
置の記録ヘッドにおけるインク吐出ノズル板またはエア
吐出ノズル等の吐出ノズル板およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインクジェット記録装置
用吐出ノズル板は、インク滴を安定的に生成し、飛翔さ
せるために、その表面が撥液性を有することが要求さ
れ、このためノズル板表面に撥液性のコーティング膜を
形成することが行なわれている。このような撥液処理
は、例えばインクノズル板においては、メニスカスの崩
れを防ぎ、吐出の安定を維持するのに必要であり、また
エア吐出ノズル板においては、インク滴や紙粉の付着を
防止するために必要である。そして従来のインクジェッ
ト記録装置用吐出ノズル板の撥液処理方法としては、F
EP等の弗素系ポリマーの塗布や弗素系の化学吸着単分
子膜処理方法等が知られている。
用吐出ノズル板は、インク滴を安定的に生成し、飛翔さ
せるために、その表面が撥液性を有することが要求さ
れ、このためノズル板表面に撥液性のコーティング膜を
形成することが行なわれている。このような撥液処理
は、例えばインクノズル板においては、メニスカスの崩
れを防ぎ、吐出の安定を維持するのに必要であり、また
エア吐出ノズル板においては、インク滴や紙粉の付着を
防止するために必要である。そして従来のインクジェッ
ト記録装置用吐出ノズル板の撥液処理方法としては、F
EP等の弗素系ポリマーの塗布や弗素系の化学吸着単分
子膜処理方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、FEP
に代表される弗素系ポリマーの塗布は、主にスプレーや
はけ塗り等で行なわれるが、インクに対する撥液性すな
わち濡れ防止効果は優れているものの、弗素系ポリマー
の特性として密着力が弱いという欠点があり、洗浄時
や、外部に曝されたところでは傷ついたり剥離したりし
やすい等の問題があった。
に代表される弗素系ポリマーの塗布は、主にスプレーや
はけ塗り等で行なわれるが、インクに対する撥液性すな
わち濡れ防止効果は優れているものの、弗素系ポリマー
の特性として密着力が弱いという欠点があり、洗浄時
や、外部に曝されたところでは傷ついたり剥離したりし
やすい等の問題があった。
【0004】一方、弗素系の化学吸着単分子膜処理方法
の場合は、有機溶剤系の処理液に一定時間ノズル板を浸
漬するだけでノズル板表面全体に撥液性を持たせること
が可能であるため、大量生産によるコストの削減が図れ
るという利点がある。また化学吸着により基板と結合し
ているため、形成された撥液性の単分子膜は、ナノメー
ターレベルの均一な膜厚で非常に強固であるという特徴
を有している。その反面、膜厚が非常に薄いため、撥液
性を持たせようとするノズル基板の表面に微細な凹凸が
ある場合は、十分な撥液性が得られず吐出特性に影響を
及ぼすという問題があった。すなわち、一般的に、表面
が微小に荒れた部分では、撥液性が劣り、濡れやすくな
るので、表面が荒れているところに単分子膜の撥液処理
を行なっても、微視的に見れば部分的な濡れが生じてお
り、吐出特性に悪影響を及ぼすことになる。
の場合は、有機溶剤系の処理液に一定時間ノズル板を浸
漬するだけでノズル板表面全体に撥液性を持たせること
が可能であるため、大量生産によるコストの削減が図れ
るという利点がある。また化学吸着により基板と結合し
ているため、形成された撥液性の単分子膜は、ナノメー
ターレベルの均一な膜厚で非常に強固であるという特徴
を有している。その反面、膜厚が非常に薄いため、撥液
性を持たせようとするノズル基板の表面に微細な凹凸が
ある場合は、十分な撥液性が得られず吐出特性に影響を
及ぼすという問題があった。すなわち、一般的に、表面
が微小に荒れた部分では、撥液性が劣り、濡れやすくな
るので、表面が荒れているところに単分子膜の撥液処理
を行なっても、微視的に見れば部分的な濡れが生じてお
り、吐出特性に悪影響を及ぼすことになる。
【0005】また、インクジェットヘッドのノズル板の
場合、巨視的な撥液性だけでなく、ノズル近傍における
微視的な撥液性が重要な問題となる。特に、ノズルの加
工をエッチング等で行なった場合、ノズル内径面や内側
エッジ部分が荒れやすいため、単分子膜が形成されても
撥液性が十分に得られず、メニスカスの不安定や、曲が
りといった異常吐出が生じたり、インク滴や紙粉が付着
しやすくなったりする問題があった。
場合、巨視的な撥液性だけでなく、ノズル近傍における
微視的な撥液性が重要な問題となる。特に、ノズルの加
工をエッチング等で行なった場合、ノズル内径面や内側
エッジ部分が荒れやすいため、単分子膜が形成されても
撥液性が十分に得られず、メニスカスの不安定や、曲が
りといった異常吐出が生じたり、インク滴や紙粉が付着
しやすくなったりする問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、ノズル板表面の微細な凹凸の影響を受け
ることなく、弗素を含む化学吸着単分子膜の撥液性を十
分に生かすことができるインクジェット記録装置用吐出
ノズル板およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
るものであり、ノズル板表面の微細な凹凸の影響を受け
ることなく、弗素を含む化学吸着単分子膜の撥液性を十
分に生かすことができるインクジェット記録装置用吐出
ノズル板およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット記録装置用吐出ノズル板お
よびその製造方法は、加工が終了したインクジェット記
録装置用吐出ノズル板の表面に平滑性を得るための下地
層を形成し、この下地層の上に弗素を含む化学吸着単分
子膜を形成するようにしたものである。
に、本発明のインクジェット記録装置用吐出ノズル板お
よびその製造方法は、加工が終了したインクジェット記
録装置用吐出ノズル板の表面に平滑性を得るための下地
層を形成し、この下地層の上に弗素を含む化学吸着単分
子膜を形成するようにしたものである。
【0008】
【作用】本発明は、上記構成により、ノズル板の表面に
微細な凹凸があっても、その凹凸が下地層によって平滑
化されるため、その上の弗素を含む化学吸着単分子膜を
凹凸なく平滑に形成することができる。
微細な凹凸があっても、その凹凸が下地層によって平滑
化されるため、その上の弗素を含む化学吸着単分子膜を
凹凸なく平滑に形成することができる。
【0009】下地層は、例えばノズル板表面にポリイミ
ドを塗布することによって形成され、ノズル板表面の凹
凸の大きさに合わせてその膜厚をコントロールすること
ができる。このようなポリイミドの下地層の上に、弗素
を含む化学吸着単分子膜を形成することにより、ノズル
板全体に撥液性を持たせることができる。ポリイミドに
は酸素原子が含まれているので弗素を含む単分子膜と化
学吸着しやすく、強固な結合を実現することができる。
また、単分子膜の密度をさらに上げたい場合や単分子膜
との結合が比較的弱い材料を下地層に使用する場合に
は、下地層と単分子膜との間に中間層を形成することが
できる。
ドを塗布することによって形成され、ノズル板表面の凹
凸の大きさに合わせてその膜厚をコントロールすること
ができる。このようなポリイミドの下地層の上に、弗素
を含む化学吸着単分子膜を形成することにより、ノズル
板全体に撥液性を持たせることができる。ポリイミドに
は酸素原子が含まれているので弗素を含む単分子膜と化
学吸着しやすく、強固な結合を実現することができる。
また、単分子膜の密度をさらに上げたい場合や単分子膜
との結合が比較的弱い材料を下地層に使用する場合に
は、下地層と単分子膜との間に中間層を形成することが
できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。図1は本発明が適用された空電制
御型インクジェット記録装置の構成を示すものである。
図1において、101はボディ部材、102はエアノズ
ル板、103はインクノズル板であり、これらによって
インクジェットヘッドが構成されている。ボディ部材1
01の外壁先端に接合された絶縁性材料で作られたエア
ノズル板102のエアノズル108は、同じく絶縁性材
料で作られたインクノズル板103のインクノズル10
7と対向するように形成されている。エア供給源112
で発生した加圧エアは、エア供給路110からエア室1
04に流入し、エアノズル板102とインクノズル板1
03とにより形成されたエア層105を通って、エアノ
ズル108から流出している。このエア流はエアノズル
108の近傍で急激に変化しているため、インクノズル
107からエアノズル108に至る空間には急激な圧力
勾配が生じている。一方、インクノズル107に隣接し
たインク室106は、インク供給源113とインク供給
路111を介し連通しており、インク供給源113内の
インクは、エア供給源112から一定のエア圧力が印加
されている。信号源115は、エアノズル108の出口
付近に設けられた電極109と、インクノズル107の
インク室106に面した周辺に設けられた電極114に
接続されており、インクは電気抵抗の高い油性であるの
で、電極109とインクノズル107開口部に保持され
たインク間に電位差が生じさせられる。この電位差によ
る静電力によって、インクノズル107開口部に生じる
インクのメニスカスがエアノズル108の方向に引き伸
ばされる。さらに、インクノズル107からエアノズル
108に至る空間には急激な圧力勾配が生じているた
め、インクノズル107開口部に生じるインクメニスカ
スは一定以上引き伸ばされると、前記圧力勾配により加
速されてエアノズル108から飛翔する。
照しながら説明する。図1は本発明が適用された空電制
御型インクジェット記録装置の構成を示すものである。
図1において、101はボディ部材、102はエアノズ
ル板、103はインクノズル板であり、これらによって
インクジェットヘッドが構成されている。ボディ部材1
01の外壁先端に接合された絶縁性材料で作られたエア
ノズル板102のエアノズル108は、同じく絶縁性材
料で作られたインクノズル板103のインクノズル10
7と対向するように形成されている。エア供給源112
で発生した加圧エアは、エア供給路110からエア室1
04に流入し、エアノズル板102とインクノズル板1
03とにより形成されたエア層105を通って、エアノ
ズル108から流出している。このエア流はエアノズル
108の近傍で急激に変化しているため、インクノズル
107からエアノズル108に至る空間には急激な圧力
勾配が生じている。一方、インクノズル107に隣接し
たインク室106は、インク供給源113とインク供給
路111を介し連通しており、インク供給源113内の
インクは、エア供給源112から一定のエア圧力が印加
されている。信号源115は、エアノズル108の出口
付近に設けられた電極109と、インクノズル107の
インク室106に面した周辺に設けられた電極114に
接続されており、インクは電気抵抗の高い油性であるの
で、電極109とインクノズル107開口部に保持され
たインク間に電位差が生じさせられる。この電位差によ
る静電力によって、インクノズル107開口部に生じる
インクのメニスカスがエアノズル108の方向に引き伸
ばされる。さらに、インクノズル107からエアノズル
108に至る空間には急激な圧力勾配が生じているた
め、インクノズル107開口部に生じるインクメニスカ
スは一定以上引き伸ばされると、前記圧力勾配により加
速されてエアノズル108から飛翔する。
【0011】図2は上記したインクジェットヘッドにお
けるノズル近傍の断面拡大図である。図2において、1
16は撥油性および防汚性に優れた撥液膜であり、イン
クノズル107のメニスカス形成を安定させて液滴生成
の安定化を図るためにインクノズル板103のエアノズ
ル板102側の表面に形成され、またエアノズル板10
2表面のインクや紙粉等による汚れを防止するために、
エアノズル板102の表面および裏面およびエアノズル
108の壁面に形成されている。この撥液膜116は、
図3に拡大して示すように、下層の下地層としてのポリ
イミド層117および上層の弗素を含む化学吸着単分子
膜118とからなる。ポリイミドは、ガラス製のノズル
板102,103に対する密着性がよく、耐溶剤性、耐
熱性、電気絶縁性にも非常に優れた材料である。なお、
本実施例では、エアノズル板102およびインクノズル
板103は感光性ガラスを用いており、エッチングによ
りエアノズル108およびインクノズル107を形成し
ている。
けるノズル近傍の断面拡大図である。図2において、1
16は撥油性および防汚性に優れた撥液膜であり、イン
クノズル107のメニスカス形成を安定させて液滴生成
の安定化を図るためにインクノズル板103のエアノズ
ル板102側の表面に形成され、またエアノズル板10
2表面のインクや紙粉等による汚れを防止するために、
エアノズル板102の表面および裏面およびエアノズル
108の壁面に形成されている。この撥液膜116は、
図3に拡大して示すように、下層の下地層としてのポリ
イミド層117および上層の弗素を含む化学吸着単分子
膜118とからなる。ポリイミドは、ガラス製のノズル
板102,103に対する密着性がよく、耐溶剤性、耐
熱性、電気絶縁性にも非常に優れた材料である。なお、
本実施例では、エアノズル板102およびインクノズル
板103は感光性ガラスを用いており、エッチングによ
りエアノズル108およびインクノズル107を形成し
ている。
【0012】(実施例1)次に本発明の第1の実施例に
ついて説明する。穴加工を終了したノズル板102およ
び103は、その表面やノズル108,107の壁面や
エッジ部に荒れや凹凸がみられる。そこで、ノズル板1
02,103に、シンナーで希釈したポリイミドをスプ
レーガンで塗布してポリイミド層117を形成する。ポ
リイミド層117の膜厚は、塗り回数を変えることによ
り容易にコントロールできる。塗布後は焼成し、シンナ
ーを蒸発させて表面を平滑にする。
ついて説明する。穴加工を終了したノズル板102およ
び103は、その表面やノズル108,107の壁面や
エッジ部に荒れや凹凸がみられる。そこで、ノズル板1
02,103に、シンナーで希釈したポリイミドをスプ
レーガンで塗布してポリイミド層117を形成する。ポ
リイミド層117の膜厚は、塗り回数を変えることによ
り容易にコントロールできる。塗布後は焼成し、シンナ
ーを蒸発させて表面を平滑にする。
【0013】次に弗素を含む化学吸着単分子膜層118
を形成するための工程を説明する。まず、弗化炭素系お
よびクロロシラン基を含む物質(弗化炭素系界面活性
剤)、例えばCF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl
3 を1重量%程度の濃度で非水系の溶媒、具体的には8
0重量%のn−ヘキサデカン(トルエン、キシレン、ジ
シクロヘキシル等でもよい。)と12重量%の四塩化炭
素と8重量%のクロロホルムとを加えた溶媒に溶かした
溶液を調整し、ノズル板102,103を2時間程度浸
漬する。ノズル板102,103のポリイミド層117
には酸素原子が含まれており、その酸素原子は空気中の
水分と反応するので、ポリイミド層117の表面には水
酸基が存在する。そこで、直鎖状弗化炭素基およびクロ
ロシラン基を含む物質に含まれるSiCl基と前記水酸
基とが反応し、脱塩酸反応が生じ、ノズル板102,1
03の表面全体にわたって、(化1)の化学式で表わさ
れる結合が生成される。
を形成するための工程を説明する。まず、弗化炭素系お
よびクロロシラン基を含む物質(弗化炭素系界面活性
剤)、例えばCF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl
3 を1重量%程度の濃度で非水系の溶媒、具体的には8
0重量%のn−ヘキサデカン(トルエン、キシレン、ジ
シクロヘキシル等でもよい。)と12重量%の四塩化炭
素と8重量%のクロロホルムとを加えた溶媒に溶かした
溶液を調整し、ノズル板102,103を2時間程度浸
漬する。ノズル板102,103のポリイミド層117
には酸素原子が含まれており、その酸素原子は空気中の
水分と反応するので、ポリイミド層117の表面には水
酸基が存在する。そこで、直鎖状弗化炭素基およびクロ
ロシラン基を含む物質に含まれるSiCl基と前記水酸
基とが反応し、脱塩酸反応が生じ、ノズル板102,1
03の表面全体にわたって、(化1)の化学式で表わさ
れる結合が生成される。
【0014】
【化1】
【0015】図4は弗素を含む単分子膜118がポリイ
ミド層117の表面と化学結合した状態を示しており、
約15Åの膜厚が形成されている。このときの単分子膜
118は、ポリイミド層117に対して極めて強固に化
学結合している。
ミド層117の表面と化学結合した状態を示しており、
約15Åの膜厚が形成されている。このときの単分子膜
118は、ポリイミド層117に対して極めて強固に化
学結合している。
【0016】この単分子膜118が形成されたノズル板
102,103を用いて実使用を試みた。結果は、従来
の弗素系ポリマーを塗布したノズル板に比べて、インク
に対する撥液性すなわち濡れ防止効果には何等遜色もな
く、また表面をプラスチックや紙で擦っても傷つけられ
たり、剥離や磨耗が生じたりすることもなかった。
102,103を用いて実使用を試みた。結果は、従来
の弗素系ポリマーを塗布したノズル板に比べて、インク
に対する撥液性すなわち濡れ防止効果には何等遜色もな
く、また表面をプラスチックや紙で擦っても傷つけられ
たり、剥離や磨耗が生じたりすることもなかった。
【0017】(実施例2)次に、単分子膜118の密度
をさらに上げたい場合の第2の実施例について説明す
る。ノズル加工の終了したノズル板102,103を用
意し、第1の実施例と同様に、その表面の凹凸がなくな
る程度の膜厚でポリイミドの塗布を行ない、焼成するこ
とによってポリイミド層117を形成する。次に、トリ
クロロシリル基を複数個含む物質(例えば、SiC
l4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、またはCl−
(SiCl2 O)n −SiCl3 (nは整数)。特に、
SiCl4 を用いれば、分子が小さく水酸基に対する活
性も大きいので、ノズル板102,103の表面を均一
に親水化する効果が大きい。)を混ぜた非水系溶液(例
えばクロロホルム溶媒に1重量%溶解した溶液)に30
分程度浸漬する。これにより、図5(a)に示すよう
に、ポリイミド層117表面には親水性のOH基が存在
するので、表面で脱塩酸反応が生じ、トリクロロシリル
基を複数個含む物質のクロロシラン単分子膜が形成され
る。
をさらに上げたい場合の第2の実施例について説明す
る。ノズル加工の終了したノズル板102,103を用
意し、第1の実施例と同様に、その表面の凹凸がなくな
る程度の膜厚でポリイミドの塗布を行ない、焼成するこ
とによってポリイミド層117を形成する。次に、トリ
クロロシリル基を複数個含む物質(例えば、SiC
l4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、またはCl−
(SiCl2 O)n −SiCl3 (nは整数)。特に、
SiCl4 を用いれば、分子が小さく水酸基に対する活
性も大きいので、ノズル板102,103の表面を均一
に親水化する効果が大きい。)を混ぜた非水系溶液(例
えばクロロホルム溶媒に1重量%溶解した溶液)に30
分程度浸漬する。これにより、図5(a)に示すよう
に、ポリイミド層117表面には親水性のOH基が存在
するので、表面で脱塩酸反応が生じ、トリクロロシリル
基を複数個含む物質のクロロシラン単分子膜が形成され
る。
【0018】例えば、トリクロロシリル基を複数個含む
物質としてSiCl4 を用いれば、ノズル板102,1
03の表面には少量の親水性のOH基が露出されている
ため、表面で脱塩酸反応が生じ、(化2)のように分子
が、−SiO−結合を介して表面に固定される。
物質としてSiCl4 を用いれば、ノズル板102,1
03の表面には少量の親水性のOH基が露出されている
ため、表面で脱塩酸反応が生じ、(化2)のように分子
が、−SiO−結合を介して表面に固定される。
【0019】
【化2】
【0020】その後、非水系の溶媒、例えばクロロホル
ムで洗浄して、さらに水で洗浄し反応させることによ
り、ポリイミド層117と反応していないSiCl4 分
子は除去され、ノズル板102,103の表面に、(化
3)の化学式に示されるシラノール基を複数個含む図5
(b)にみられるような中間層としてのシロキサン単分
子膜119が得られる。
ムで洗浄して、さらに水で洗浄し反応させることによ
り、ポリイミド層117と反応していないSiCl4 分
子は除去され、ノズル板102,103の表面に、(化
3)の化学式に示されるシラノール基を複数個含む図5
(b)にみられるような中間層としてのシロキサン単分
子膜119が得られる。
【0021】
【化3】
【0022】ここで得られるシロキサン単分子膜119
は、ポリイミド層117との間では−SiO−の化学結
合を介して完全に結合されているので剥離することはな
い。また、得られたシロキサン単分子膜119は、表面
にSi−OH結合を数多く持ち、当初の水酸基の約3倍
程度の数が生成され、次に形成する弗素を含む単分子膜
118の密度を上げることができる。
は、ポリイミド層117との間では−SiO−の化学結
合を介して完全に結合されているので剥離することはな
い。また、得られたシロキサン単分子膜119は、表面
にSi−OH結合を数多く持ち、当初の水酸基の約3倍
程度の数が生成され、次に形成する弗素を含む単分子膜
118の密度を上げることができる。
【0023】そこでさらに、第1の実施例と同様に直鎖
状の弗化炭素基およびクロロシラン基を含む物質(弗化
炭素系界面活性剤)を所定濃度で非水系の溶媒に溶かし
た溶液、例えば、CF3 (CF2 )7 (CF2 )2 Si
Cl3 を用いて1重量%程度の濃度で溶かした80重量
%n−ヘキサデカン、12重量%四塩化炭素、8重量%
クロロホルム溶液を調整し、この中に表面にSi−OH
結合を数多く持つシロキサン単分子膜119を形成され
たノズル板102,103を1時間程度浸漬する。する
とノズル板102,103の表面に、第1の実施例と同
様に(化1)の結合が生成され、図5(c)に示すよう
に、弗素を含む単分子膜118が、下層のシロキサン単
分子膜119と化学結合した状態で、ノズル板102,
103の表面全体にわたって約15Åの膜厚で形成でき
た。
状の弗化炭素基およびクロロシラン基を含む物質(弗化
炭素系界面活性剤)を所定濃度で非水系の溶媒に溶かし
た溶液、例えば、CF3 (CF2 )7 (CF2 )2 Si
Cl3 を用いて1重量%程度の濃度で溶かした80重量
%n−ヘキサデカン、12重量%四塩化炭素、8重量%
クロロホルム溶液を調整し、この中に表面にSi−OH
結合を数多く持つシロキサン単分子膜119を形成され
たノズル板102,103を1時間程度浸漬する。する
とノズル板102,103の表面に、第1の実施例と同
様に(化1)の結合が生成され、図5(c)に示すよう
に、弗素を含む単分子膜118が、下層のシロキサン単
分子膜119と化学結合した状態で、ノズル板102,
103の表面全体にわたって約15Åの膜厚で形成でき
た。
【0024】この弗素を含む単分子膜118は、弗素系
ポリマー被膜と同等な撥液性、防汚性を確保し、剥離試
験を行なっても剥離することがなく、また高い耐磨耗性
をも実現した。なお、上記第2の実施例のように、下地
層と単分子膜との間に中間層を形成する方法は、酸素原
子や水酸基を含む割合が比較的少ない材料を下地層とし
て用いる場合にも有効である。
ポリマー被膜と同等な撥液性、防汚性を確保し、剥離試
験を行なっても剥離することがなく、また高い耐磨耗性
をも実現した。なお、上記第2の実施例のように、下地
層と単分子膜との間に中間層を形成する方法は、酸素原
子や水酸基を含む割合が比較的少ない材料を下地層とし
て用いる場合にも有効である。
【0025】以上の各実施例では、弗化炭素系界面活性
剤として、CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3
を用いたが、アルキル鎖部分にC=CやC≡C基を付加
したり組み込んでおけば、単分子膜形成後、5メガラド
程度の照射で架橋できるので、さらに単分子膜の硬度を
向上させることも可能である。
剤として、CF3 (CF2 )7 (CH2 )2 SiCl3
を用いたが、アルキル鎖部分にC=CやC≡C基を付加
したり組み込んでおけば、単分子膜形成後、5メガラド
程度の照射で架橋できるので、さらに単分子膜の硬度を
向上させることも可能である。
【0026】また、弗化炭素系撥液処理を行なうと、表
面のOH基を増やして単分子膜の密度を上げられるの
で、下地層としてポリイミドのような樹脂だけでなく、
金属膜を用いることも可能である。金属膜の表面には酸
化膜が自然に形成されており、その酸化膜表面にはOH
基が存在するので、単分子膜が化学吸着できる。金属膜
の形成にPVDを用いると、樹脂を塗布するより工程の
削減が図れるという利点もある。
面のOH基を増やして単分子膜の密度を上げられるの
で、下地層としてポリイミドのような樹脂だけでなく、
金属膜を用いることも可能である。金属膜の表面には酸
化膜が自然に形成されており、その酸化膜表面にはOH
基が存在するので、単分子膜が化学吸着できる。金属膜
の形成にPVDを用いると、樹脂を塗布するより工程の
削減が図れるという利点もある。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明は、加工が終了し
たインクジェット記録装置用吐出ノズル板の表面にその
表面を平滑にするための下地層を形成し、その上に弗素
を含む化学吸着単分子膜を形成するようにしたので、ノ
ズル表面の微細な凹凸に影響されることなく、十分な撥
液性を得ることができ、剥離や異常吐出の発生、紙粉や
インク滴の付着が生じにくいインクジェット記録装置用
吐出ノズル板およびその製造方法を実現することができ
る。
たインクジェット記録装置用吐出ノズル板の表面にその
表面を平滑にするための下地層を形成し、その上に弗素
を含む化学吸着単分子膜を形成するようにしたので、ノ
ズル表面の微細な凹凸に影響されることなく、十分な撥
液性を得ることができ、剥離や異常吐出の発生、紙粉や
インク滴の付着が生じにくいインクジェット記録装置用
吐出ノズル板およびその製造方法を実現することができ
る。
【0028】また、下地層と単分子膜との間に、少なく
とも表面に水酸基または酸素原子を含む中間層を形成す
ることにより、単分子膜の密度をさらに上げることがで
き、また単分子膜との結合が比較的弱い材料を下地層と
して使用することもできる。
とも表面に水酸基または酸素原子を含む中間層を形成す
ることにより、単分子膜の密度をさらに上げることがで
き、また単分子膜との結合が比較的弱い材料を下地層と
して使用することもできる。
【図1】本発明の一実施例を適用した空電制御インクジ
ェット記録装置の概略構成図
ェット記録装置の概略構成図
【図2】同装置におけるノズル近傍の断面拡大図
【図3】同装置におけるノズル板表面の拡大模式図
【図4】本発明の第1の実施例を説明するためのノズル
板表面の拡大概念図
板表面の拡大概念図
【図5】本発明の第2の実施例を説明するためのノズル
板表面の拡大概念図
板表面の拡大概念図
101 ボディ部材 102 エアノズル板 103 インクノズル板 104 エア室 105 エア層 106 インク室 107 インクノズル 108 エアノズル 109 電極 110 エア供給路 111 インク供給路 112 エア供給源 113 インク供給源 114 電極 115 信号源 116 撥液膜 117 ポリイミド層(下地層) 118 弗素を含む化学吸着単分子膜 119 シロキサン単分子膜(中間層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 田 元 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 斉 藤 幸 一 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 ノズル板表面に形成された表面を平滑に
するための下地層と、前記下地層の上層に形成された弗
素を含む化学吸着単分子膜とを備えたインクジェット記
録装置用吐出ノズル板。 - 【請求項2】 加工が終了したインクジェット記録装置
用吐出ノズル板の表面にその表面を平滑にするための下
地層を形成する工程と、前記下地層の上に弗素を含む化
学吸着単分子膜を形成する工程とを含むインクジェット
記録装置用吐出ノズル板の製造方法。 - 【請求項3】 下地層の少なくとも単分子膜が形成され
る表面が水酸基または酸素原子を含む請求項2記載のイ
ンクジェット記録装置用吐出ノズル板の製造方法。 - 【請求項4】 下地層がポリイミドを塗布して形成され
る請求項2または3記載のインクジェット記録装置用吐
出ノズル板の製造方法。 - 【請求項5】 加工が終了したインクジェット記録装置
用吐出ノズル板の表面にその表面を平滑にするための下
地層を形成する工程と、前記下地層の上に少なくとも表
面に水酸基または酸素原子を含む中間層を形成する工程
と、前記中間層の上に弗素を含む化学吸着単分子膜を形
成する工程とを含むインクジェット記録装置用吐出ノズ
ル板の製造方法。 - 【請求項6】 下地層がポリイミドを塗布して形成され
る請求項5記載のインクジェット記録装置用吐出ノズル
板の製造方法。 - 【請求項7】 中間層がシロキサン単分子膜である請求
項6記載のインクジェット記録装置用吐出ノズル板の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4015522A JPH05201005A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | インクジェット記録装置用吐出ノズル板およびその製造 方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4015522A JPH05201005A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | インクジェット記録装置用吐出ノズル板およびその製造 方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05201005A true JPH05201005A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=11891151
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4015522A Pending JPH05201005A (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | インクジェット記録装置用吐出ノズル板およびその製造 方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05201005A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100406939B1 (ko) * | 2000-07-25 | 2003-11-21 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 프린터 헤드 |
| JP2006082445A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに画像形成装置 |
| JP2022080444A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | 東芝テック株式会社 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
| JP2022080462A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | 東芝テック株式会社 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
-
1992
- 1992-01-30 JP JP4015522A patent/JPH05201005A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100406939B1 (ko) * | 2000-07-25 | 2003-11-21 | 삼성전자주식회사 | 잉크젯 프린터 헤드 |
| JP2006082445A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びに画像形成装置 |
| JP2022080444A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | 東芝テック株式会社 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
| JP2022080462A (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-30 | 東芝テック株式会社 | インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ |
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