JPH0521142U - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JPH0521142U
JPH0521142U JP069439U JP6943991U JPH0521142U JP H0521142 U JPH0521142 U JP H0521142U JP 069439 U JP069439 U JP 069439U JP 6943991 U JP6943991 U JP 6943991U JP H0521142 U JPH0521142 U JP H0521142U
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益夫 柏原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンチロックブレーキが作用するか否かを判別
し、トルクコンバータのロックアップ条件を最適に変化
させる。 【構成】車両にアンチロックブレーキ装置(ABS)が
備えられているか否かを判別し(S11)、更に、アンチ
ロックブレーキ装置の自己診断によって故障が診断され
ているときに点灯される警告灯のオン・オフを判別する
(S12)。そして、アンチロックブレーキ装置が作用す
るときと、作用しないときとで異なる制御条件マップを
選択し(S13,S14)、選択されたマップに基づいてト
ルクコンバータのロックアップ制御を行わせる(S15〜
S17)。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は車両の制御装置に関し、詳しくは、車輪のスリップを抑止するように 車輪ブレーキの制動力を制御するアンチロックブレーキ制御に関連させて、エン ジンの減速時燃料供給停止制御及び自動変速機の制御を最適に行わせる車両制御 に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の燃費に対する要求が高まっており、燃費を向上させる対策として 減速時燃料カット(実開平2−40945号公報等参照)やトルクコンバータ式 自動変速機におけるロックアップ制御(実開平3−30653号公報等参照)な どが行われている。
【0003】 減速時燃料カットは、車両の減速運転時においてエンジンに対する燃料の供給 を停止し、排気中のHC濃度を低減すると共に、燃費向上を目的として行われる もので、例えばスロットル弁全閉時のエンジン回転速度が所定速度以上のときに 供給停止を開始させ、回転速度が所定速度以下に低下した場合に燃料供給を再開 させるようにしている。
【0004】 また、トルクコンバータ式自動変速機におけるロックアップ制御は、トルクコ ンバータ内のロックアップピストンを締結することにより、トルクコンバータの 滑りを無くして伝達効率を上げることで、燃費の向上を図るものであり、例えば 4速に変速されているときに、車速が所定速度以上でアクセル開度が所定以下の ときロックアップされるようになっている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記の減速時燃料カットやロックアップ制御においては、燃料供給 を停止させる領域又はロックアップを行う領域を拡大すれば、それだけ燃費上は 有利となるため、より低速度まで燃料カット又はロックアップを行わせることが 望まれる。しかしながら、凍結路などの摩擦係数の低い路面を走行しているとき などに、急制動によって車輪がロックすることがあり、このときに燃料カット又 はロックアップが行われていると、エンジンストールに至ってしまう惧れがある ため、あまり低速度まで燃料カットやロックアップを行わせることができないの が実情であった。
【0006】 エンジンは、車両の駆動力を発生するのみならず、パワーステアリングやブレ ーキの倍力装置や自動変速機における作動油圧を発生させるポンプを駆動してい ることが多く、前述のように車輪がロックしたときにエンジンストールが発生す ると、前記作動油圧を発生させることができなくなり、運転性を大きく損なわせ てしまう結果となるため、エンジンストールの回避は確実に行われる必要があり 、 かかる要求を燃費向上に優先して満足させるために、車輪ロックに伴うエンジン ストールに対する余裕を見込んで燃料カットやロックアップの領域を設定してい た。
【0007】 一方、前述のような車輪のロックを防止する装置も実用化されている。即ち、 車輪のスリップ状態をセンシングして、電子制御でブレーキ制動力をコントロー ルして、車輪のロックを防止する装置であり、一般にアンチロックブレーキ装置 として呼ばれ、一部の車両に備えられている。 ここで、前記アンチロックブレーキ装置は、前述のように車輪のロックを防止 する装置であり、かかる装置によって車輪のロックが防止できれば、車輪ロック 時のエンジンストール回避条件を含んで設定される上記の燃料カット条件及びロ ックアップ条件を、より低速度側に広げることができるはずであるが、従来では 、アンチロックブレーキ装置との組み合わせを想定した前記燃料カットやロック アップ制御の条件設定は行われておらず、アンチロックブレーキ装置を備える場 合に、燃料カットやロックアップによる燃費向上効果を最大限に発揮させること ができなかった。
【0008】 即ち、燃料カットやロックアップ制御を行わせる車両が、全てアンチロックブ レーキ装置を備えるものであれば、車輪ロックが防止されることを前提条件とし て、燃料カットやロックアップ制御の条件を設定させることができるが、同じエ ンジン又は同じ自動変速機であっても、アンチロックブレーキ装置と組み合わさ れるか否かは不確定であることが多く、更に、アンチロックブレーキ装置が備え られる場合であっても、故障が発生して車輪ロックを防止できなくなったり、ア ンチロック制御を任意にキャンセルできるスイッチを備える場合も想定されるか ら、車輪ロック時のエンジンストール発生を確実に回避できるように、アンチロ ックブレーキ制御が行われない状態を前提として燃料カットやロックアップ制御 の条件を設定していたものである。
【0009】 更に、従来の自動変速機においては、クラッチ(オーバーランクラッチ)作動 によって駆動輪からの逆駆動力の伝達を制御するエンジンブレーキ制御を行うよ う構成されたものがあり、例えば車速とアクセル開度とに基づいて前記エンジン ブレーキを制御するためのクラッチの締結領域を設定している。かかる自動変速 機におけるエンジンブレーキ制御においても、アンチロックブレーキ制御が機能 するか否かによって、エンジンストールの回避を考慮した最適制御領域が異なる が、従来では、アンチロックブレーキ制御に応じて制御条件を変えることは、前 述と同様な理由により行われていなかった。
【0010】 本考案は上記実情に鑑みなされたものであり、車輪ロックに伴うエンジンスト ールに対する回避性能を確保しつつ、燃料カットやロックアップ制御の領域を最 大限に拡大できるようにして、燃料カット及びロックアップ制御による燃費向上 効果を最大限に享受できるようにすることを目的とする。また、自動変速機にお けるエンジンブレーキ制御を、車輪ロックに伴うエンジンストールを回避しつつ 、最適領域で行わせることができるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】 そのため本考案にかかる車両の制御装置は、図1〜図3に示すように構成され る。 図1に示される車両の制御装置において、減速燃料供給停止手段は、車両の減 速運転状態においてエンジンへの燃料供給停止制御をエンジンの回転速度をパラ メータとする停止開始条件と供給再開条件とに基づいて行うものである。
【0012】 ここで、アンチロックブレーキ制御判別手段は、車輪のスリップを抑止するよ うに車輪ブレーキの制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段が作用する か否かを判別する。そして、燃料停止条件可変手段は、アンチロックブレーキ制 御判別手段による判別に応じて前記減速燃料供給停止手段における停止開始条件 と供給再開条件とのうちの少なくとも供給再開条件を変化させる。
【0013】 また、図2に示される車両の制御装置において、自動変速機は、エンジンの出 力トルクをトルクコンバータを介して変速機構に伝達するように構成され、ロッ クアップ手段は、前記トルクコンバータにおいて駆動軸と被駆動軸とを機械的に 接続するものである。 ここで、アンチロックブレーキ制御判別手段は、車輪のスリップを抑止するよ うに車輪ブレーキの制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段が作用する か否かを判別する。そして、ロックアップ条件可変手段は、アンチロックブレー キ制御判別手段による判別に応じて前記ロックアップ手段を作動させる条件を変 化させる。
【0014】 更に、図3に示される車両の制御装置において、自動変速機は、エンジンの出 力トルクをトルクコンバータを介して変速機構に伝達するように構成され、エン ジンブレーキ締結要素制御手段は、自動変速機に備えられたエンジンブレーキ締 結要素を車両走行条件に応じて制御する。 ここで、アンチロックブレーキ制御判別手段は、車輪のスリップを抑止するよ うに車輪ブレーキの制動力を制御するアンチロックブレーキ制御手段が作用する か否かを判別する。そして、エンジンブレーキ制御条件可変手段は、アンチロッ クブレーキ制御判別手段による判別に応じて前記エンジンブレーキ締結要素制御 手段によるエンジンブレーキ締結要素の締結・開放条件を変化させる。
【0015】 上記図1〜図3にそれぞれ示されるアンチロックブレーキ制御判別手段は、前 記アンチロックブレーキ制御手段の車両に対する具備・非具備を判別する構成と することができる。 更に、前記アンチロックブレーキ制御判別手段は、アンチロックブレーキ制御 手段が予め車両に備えられる場合に、該アンチロックブレーキ制御手段の故障又 は機能キャンセル状態を判別するよう構成することもできる。
【0016】
【作用】
即ち、アンチロックブレーキ制御手段が、車両に備えられているか否か、又は 、車両に備えられている場合であっても通常に機能する状態であるか否かを判別 し、この判別結果に応じて減速燃料供給停止手段,ロックアップ手段,エンジン ブレーキ締結要素制御手段の制御条件を変化させるものである。即ち、アンチロ ックブレーキ制御手段によって制動時の車輪ロックが防止される状態と、車輪ロ ックの可能性のある状態とでは、前記各制御における最適領域が変化するため、 アンチロックブレーキ制御手段が作用するか否かを判別させて、自動的に最適条 件に基づいて制御が行われるようにした。
【0017】
【実施例】
以下に本考案の実施例を説明する。 本実施例のシステム構成を示す図4において、図示しない車両に搭載されたエ ンジン1の出力側に自動変速機2が接続されている。この自動変速機2は、エン ジン1の出力側に介在するトルクコンバータ3と、このトルクコンバータ3を介 して連結され、エンジン出力トルクがこのトルクコンバータ3を介して伝達され る歯車式変速機4(変速機構)と、この歯車式変速機4中の各種変速要素(フロ ントクラッチ,リヤクラッチ,ブレーキバンド,オーバーランクラッチ等)の結 合・開放操作を行う変速制御やロックアップ制御,ライン圧制御,エンジンブレ ーキ制御等のためのソレノイドバルブ5とを備える。前記ソレノイドバルブ5は 、ロックアップソレノイド,シフトソレノイドA,シフトソレノイドB,オーバ ーランクラッチソレノイド,ライン圧ソレノイド等によって構成される。
【0018】 尚、本実施例の自動変速機には、シフトダウン時の変速ショックを低下させる ためにフォワードワンウェイクラッチが備えられ、駆動輪からの逆駆動力がこの フォワードワンウェイクラッチの空転によってエンジンに伝達されないようにな っており、エンジンブレーキを作用させたいときにエンジンブレーキが効かない ことになる。そこで、前記オーバーランクラッチ(エンジンブレーキ締結要素) を所定の締結条件(車両走行条件)のときに締結させて、前記フォワードワンウ ェイクラッチの空転を防止し、エンジンブレーキが作用するようにしてある。
【0019】 前記ソレノイドバルブ5を制御する自動変速機用コントロールユニット6には 、各種のセンサからの信号が入力される。 前記各種のセンサとしては、エンジン1の吸気系に介装されて図示しないアク セルペダルと連動するスロットル弁7の開度TVOを検出するポテンショメータ 式のスロットルセンサ8が設けられている。
【0020】 また、自動変速機2の出力軸から回転信号を得て車速VSPを検出する車速セ ンサ9が設けられている。 自動変速機用コントロールユニット6は、運転者が操作するセレクトレバーの 操作位置信号に基づき、セレクトレバーがドライブレンジ(Dレンジ)の状態で は、予め設定された変速パターンのマップを参照し、スロットル弁開度TVOと 車速VSPとに従って1速〜4速の変速位置を自動設定し、ソレノイドバルブ5 を介して歯車式変速機4をその変速位置に制御する自動変速制御を行う。
【0021】 上記のような自動変速制御と共に、本実施例では、前記トルクコンバータ3に 図5に示すようなロックアップ機構(ロックアップ手段)40が備えられており、 自動変速機用コントロールユニット6は、ロックアップソレノイドの制御を介し て前記ロックアップ機構40によるロックアップの制御も行う。 図5において、ケース42の駆動軸41側部分の内壁42aに相対して、クラッチフ ェーシング48を有するロックアッププレート49がトーションダンパー50と一体に 配設されており、トーションダンパー50はクラッチハブ51とスプライン嵌合し、 更に、クラッチハブ51は被駆動軸44にスプライン嵌合している。
【0022】 これにより、ロックアッププレート49は被駆動軸54の軸方向に移動可能となり 、ロックアッププレート49の両側に形成される圧力室52,53の圧力P1,P2に 応じて移動する。 圧力室53には、圧力通路54を介して作動油圧が供給される。即ち、P1>P2 のときに、ロックアッププレート49は図で左方に移動して、ケース42の内壁42a に圧接し、駆動軸41と被駆動軸54とを機械的に接続するロックアップ状態となる 。これにより、駆動軸41によるケース42の回転がロックアッププレート49を介し て被駆動軸44に伝達されるものであり、圧力室53への作動油圧の供給は、前記ソ レノイドバルブ5の中のロックアップソレノイドによって制御される。
【0023】 尚、前記駆動軸41がエンジン1の出力軸に連結しており、被駆動軸44が歯車式 変速機4の入力軸に連結している。 また、エンジン制御用コントロールユニット10が前記自動変速機用コントロー ルユニット6とは別に設けられており、このエンジン制御用コントロールユニッ ト10には、前記スロットルセンサ8からのスロットル弁開度信号TVOの他、ク ランク軸の回転に同期した検出パルス信号を出力するクランク角センサ11や、エ ンジンの吸入空気量Qを検出する図示しないエアフローメータ、更には、エンジ ンの冷却水温度Twを検出する水温センサなどのからの検出信号が入力されるよ うになっている。
【0024】 そして、エンジン制御用コントロールユニット10では、各センサから出力され る検出信号に基づいて燃料噴射量を演算し、該燃料噴射量に従って図示しない燃 料噴射弁を駆動制御する一方、予め運転条件に対応する最適点火時期を記憶した マップから検索して求めた点火時期に基づいて点火栓による点火時期を制御する 。
【0025】 更に、本実施例において、エンジン制御用コントロールユニット10は減速時燃 料カット制御を行う。前記減速時燃料カット制御とは、前記スロットルセンサ8 からの信号に基づいてスロットル弁7が全閉まで閉じられたことが検出されたと きに、エンジン回転速度が所定速度以上(停止開始条件)であると、エンジンに 対する燃料供給を停止させ、その後エンジン回転速度が所定速度以下にまで低下 すると(供給再開条件)、燃料供給を再開させる制御である。
【0026】 また、本実施例の車両には、アンチロックブレーキ装置(アンチロックブレー キ制御手段)が備えられている。 前記アンチロックブレーキ装置(以下、ABSと略す。)は、ABSコントロ ールユニット12,前輪右回転センサ13,前輪左回転センサ14,後輪回転センサ15 ,ブレーキスイッチ16,制動油圧制御アクチュエータ17等から構成される。AB Sコントロールユニット12は、前記回転センサ13〜15からの回転速度信号に基づ いて車輪のスリップ率を演算し、車輪のスリップ率が最適となるように、制動油 圧制御アクチュエータ17を介して車輪ブレーキの制動油圧(制動力)を制御して 、車輪のロックを防止する。
【0027】 前記ABSコントロールユニット12には、自己診断機能が備えられており、シ ステムに故障が発見されたときには、警告灯18を点灯させるようになっている。 ここで、図6及び図7のフローチャートに従って、自動変速機用コントロール ユニット6によって行われるトルクコンバータ3のロックアップ制御について説 明する。尚、ここで、アンチロックブレーキ制御判別手段,ロックアップ条件可 変手段としての機能は、前記自動変速機用コントロールユニット6が図6及び図 7のフローチャートに示すようにソフトウェア的に備えている。
【0028】 まず、ステップ1(図中ではS1としてある。以下同様)では、自動変速機2 の作動油温度が所定温度以上であるか否かを、図示しない油温センサの検出値に 基づいて判別する。そして、作動油の温度が所定よりも低いときには、ステップ 17へジャンプして進み、ロックアップを行わない。 自動変速機2の作動油の温度が上昇して所定温度を上回るようになると、ステ ップ2へ進む。ステップ2では、ロックアップを行うギヤ位置条件の判別を行う 。本実施例では、Dレンジの4速又は3速であるときにロックアップを行うよう にしてあり、ギヤ位置条件が成立しない場合には、作動油の温度が低い場合と同 様に、ステップ17へジャンプして進む。
【0029】 作動油温度及びギヤ位置の条件が成立している場合には、ステップ3へ進む。 ステップ3では、ロックアップが行われている状態であるか否かを判別する。ロ ックアップが行われていないときには、ステップ4へ進み、ABSが備えられて いるか否かを判別する。 即ち、自動変速機用コントロールユニット6が搭載される車両に、ABSが必 ず備えられているとは限らないので、自動変速機用コントロールユニット6はこ こでABSが備えられているか否かをあらためて検知するものである。
【0030】 具体的には、自動変速機用コントロールユニット6に設けられるコネクトピン の1つを、ABSの車両に対する具備・非具備を検知するための専用端子として おき、前記コネクトピンに接続されるハーネスによって前記専用端子をアースに 落とすか否かが選択できるようにしておく。そして、ABSを備える場合に用い るハーネスと、備えない場合に用いるハーネスとを個別に用意するか、又は、共 通のハーネスによって前記専用端子のアース状態を切り換えられるようにしてお き、工場での組立時に当該車両がABSを備えるか否かによって、前記専用端子 をアースに落とすか否かを切り換えるようにする(図9参照)。
【0031】 これにより、自動変速機用コントロールユニット6は、前記専用端子のアース 状態を判別することで、ABSを備えるか否かを検知できるものであり、自動変 速機用コントロールユニット6がABSを備える場合の制御仕様と、備えない場 合の制御仕様との両方を予め備えていれば、自身で制御仕様を切り換えて自動変 速機の制御を行えることになり、ABSを備えるか否かで制御仕様の異なるコン トロールユニット6を個別に用意する必要がない。
【0032】 ステップ4では、上記のような専用端子のアース状態の判別によって、当該車 両がABSを備えか否かを判別し、ABSを備えない場合には、ステップ6へ進 み、ABSを備えない場合に適合してロックアップを締結させる条件を予め記憶 したマップを選択する。 一方、ステップ4でABSが備えられていると判別されたときには、ステップ 5へ進み、前記警告灯18の点灯・非点灯を介して、ABSが正常に作用する状態 であるか否かを判別する。即ち、ABSを備える車両の場合には、予め前記警告 灯18の点灯が自動変速機用コントロールユニット6に検出されるようにしておき 、自己診断によってABSに故障が発見されて警告灯18が点灯された場合には、 車輪ロックの防止制御の点ではABSを備えない車両と同様の状態となってしま うので、ステップ4でABSを備えないと判別されたときと同じくステップ6へ 進む。
【0033】 また、ステップ5で警告灯18が点灯されていないと判別されたときには、AB Sが備えられており、然も、正常に作用する状態であるから、ステップ7へ進み 、ABSを備える場合に適合してロックアップを締結させる条件を予め記憶した マップを選択する。 尚、前記ロックアップを締結させる条件を予め記憶したマップとは、図8に示 されるように、車速VSPとスロットル弁開度TVOとをパラメータとしてロッ クアップ締結領域を設定したマップである。
【0034】 上記のようにして、ABSの有無及びABSの正常・異常の判別に基づいてロ ックアップ締結条件のマップを選択すると、ステップ8へ進み、マップから現状 のスロットル弁開度TVOに対応する車速VSP条件を検索して求める。 そして、次のステップ9では、ステップ8でマップから検索して求めた車速V SP条件と、車速センサ9で検出された実際の車速VSPとを比較する。ここで 、実際の車速VSPがマップ検索値よりも大きいときには、現状の車両走行条件 がロックアップの締結領域に含まれることになるから、ステップ10へ進んでトル クコンバータ3のロックアップを前述のロックアップ機構によって行う。
【0035】 一方、ロックアップの解除も、前記ステップ4〜ステップ10の締結制御と略同 様にして、ステップ11〜ステップ17で行われる。即ち、予めABSの有無に応じ てそれぞれ個別に設定されている解除条件マップを、ABSの有無の判別及びA BSの正常・異常判別に基づいて選択し、該選択された解除条件マップからロッ クアップ解除の条件を検索して求め、解除条件が成立している場合には、前記ロ ックアップ機構によるロックアップ状態を解除する。
【0036】 ここで、ABSが備えられていて然も正常に作用するときには、図8に示すよ うに、ロックアップがより低車速側まで継続して行われるように設定してあり、 これにより、ロックアップによる伝達効率の向上に伴う燃費向上の効果を充分に 得ることができるようにしてある。即ち、ABSが作用すれば、たとえ摩擦係数 の小さい路面走行時にロックアップ状態で急制動されても、車輪ロックが防止さ れるから、ロックアップ状態で車輪がロックすることによるエンジンストールの 発生を抑止することができるので、ABSが正規に動作する場合にはエンジンス トールの防止性を確保しつつABSが作用しない場合に比べより低車速側までロ ックアップを行わせて、ロックアップ領域の拡大による燃費向上を図れるもので ある。
【0037】 次に、エンジン制御用コントロールユニット10によって行われる減速時燃料カ ット制御を、図10のフローチャートに従って説明する。 尚、ここで、アンチロックブレーキ制御判別手段,燃料停止条件可変手段,減 速燃料供給停止手段としての機能は、前記図10のフローチャートに示すように前 記エンジン制御用コントロールユニット10がソフトウェア的に備えている。
【0038】 まず、ステップ21では、スロットルセンサ8によって検出されるスロットル弁 7の開度が全閉(アイドル位置)であるか否かを判別する。スロットル弁7が全 閉状態でない場合には、エンジン1への燃料供給を停止させる制御は行わないの で、ステップ35へジャンプして進み、燃料供給停止制御が行われている場合には 直ちに再開させる制御を行う。
【0039】 一方、ステップ21でスロットル弁7が全閉であると判別されたときには、ステ ップ22へ進み、エンジン1への燃料供給が停止されている(燃料カット)状態で あるか否かを判別する。 燃料カット中でない場合には、ステップ23へ進み、燃料カットを開始させるエ ンジン回転速度Neの条件が予め設定されているマップを検索して、回転速度N e条件を求める。前記マップは、冷却水温度Twに対応させて燃料カットを開始 させるエンジン回転速度Neを記憶させたものであり、次のステップ24で、実際 のエンジン回転速度Neがこのマップに記憶されて回転速度Ne以上であると判 別されたときには、ステップ25へ進み、燃料カットを開始させ、実際のエンジン 回転速度Neが燃料カット開始条件よりも低いときには、燃料カットを実行させ ない。
【0040】 上記のようにして減速時の燃料カットが実行され、継続してスロットル弁7が 全閉状態を保つ場合には、ステップ22からステップ26以降へ進んで、今度は燃料 供給を再開させる回転速度の条件と、実際の回転速度Neとを比較する制御を実 行させる。 ステップ26では、燃料供給を再開させる回転速度Neの条件を冷却水温度Tw に応じて記憶した複数マップの中から1つを指定するためのマップナンバーXを ゼロリセットする。即ち、本実施例では、図11に示すように、エアコン(A/C )スイッチのオン・オフ、ABSの有無(具備・非具備)、ABSの故障の有無 に応じて6種類のマップが予め設定されており、前記マップナンバーXによって 、選択するマップを指定するようにしてある。
【0041】 次のステップ27では、エアコンスイッチのオン・オフを判別する。これは、エ アコンスイッチがオンで、エアコン用コンプレッサの駆動負荷がエンジン1に加 わっている場合には、エンジンストール回避のために燃料供給を再開させる回転 速度Neをより高く設定する必要があるためであり、エアコンスイッチがオンで あれば、オン用のマップが選択されるように、ステップ28で前記マップナンバー Xに3を加算して更新し、少なくともマップナンバーX=3以上のエアコンのオ ンに対応したマップが選択されるようにする(図11参照)。一方、エアコンスイ ッチがオフであるときには、マップナンバーXをゼロのままとして、エアコンの オフ状態に対応する3種類のマップの中から選択されるようにする。
【0042】 次に、ステップ29では、ABSが備えられているか否かを、前述のロックアッ プ制御における場合と同様にして判別させる。 そして、ABSが備えられていない場合には、エアコンスイッチのオン・オフ のみによって設定されたマップナンバーXをそのままとして、ステップ33のマッ プ検索処理へ進む。ここで、エアコンスイッチがオンであれば、マップナンバー Xは3に設定され、オフであれば、マップナンバーXはゼロのままであるから、 図11に示すように、エアコンのオン・オフに対応しABSを備えない場合に適合 するマップが選択されることになる。
【0043】 一方、ステップ29でABSが備えられていると判別されたときには、ステップ 30へ進み、前記警告灯18のオン・オフを介して、ABSにおける異常発生を判別 する。警告灯18がオフであれば、ABSが正常に作用するから、ステップ32へ進 みマップナンバーXに1を加算して更新する。マップナンバーXに1を加算すれ ば、マップナンバーXは、1又は4になり、エアコンのオン・オフの両方でAB Sを備えた場合に適合するマップが選択されることになる(図11参照) また、警告灯18がオンであって、ABSに何らかの異常が発生している場合に は、ステップ31へ進み、0又は3であるマップナンバーXに2を加算して更新し て2又は5とする。マップナンバー2又は5は、図11に示すように、ABSの異 常時に対応したマップを選択することになる。
【0044】 上記のように、エアコンのオン・オフ、ABSの有無、ABSの正常・異常に 基づいてマップナンバーXを更新させると、ステップ33では、前記マップナンバ ーXで指示されるマップを選択し、この選択されたマップから燃料供給を再開さ せる回転速度Neの条件を検索して求める(図12参照)。 そして、次のステップ34では、マップから検索して求められた再開条件の回転 速度Neと実際の回転速度Neとを比較し、実際の回転速度Neがマップ値より も小さくなっているときには、ステップ35へ進んで燃料の供給を再開させ、実際 の回転速度Neがマップ値よりも大きい場合には、そのまま燃料カット状態を維 持させる。
【0045】 ここで、ABSが備えられ然も正常に作用するときには、前記燃料供給を再開 させる回転速度Neの条件が、より低回転に設定されており、これによって、燃 料カットの状態がより長く継続されて燃費向上の効果を一層得られるようになっ ている。即ち、ABSが作用すれば、急制動による車輪のロックが防止されるか ら、より低回転まで燃料カットを行わせても、エンジンストールの発生を回避で きるが、ABSが備えられていなかったり故障していて、急制動による車輪ロッ クを防止できない場合には、低回転まで燃料カットを行っていると、車輪ロック によって比較的容易にエンジンストールを発生させてしまうため、ABSが作用 する場合に比べ高回転で燃料供給を再開させるようにしてある。
【0046】 尚、上記実施例では、燃料カットの再開条件を、ABSが作用するか否かに基 づいて変化させるようにしたが、供給再開条件と共に停止開始条件も変化させる ようにしても良い。 上記では、自動変速機のロックアップ制御及びエンジンの減速時燃料供給停止 制御について、ABSとの相関に基づいて制御条件を変化させる実施例について 述べたが、自動変速機2において駆動輪からの逆駆動力のエンジン1に対する伝 達を制御するオーバーランクラッチ(エンジンブレーキ締結要素)の締結・開放 制御においても、図13のフローチャートに示すようにして、前述と同様にABS の有無、更に、ABSの正常・異常判別に基づいて制御条件を変化させることで 、エンジンストールの防止性を確保しつつ、最適にエンジンブレーキを働かせる ことができる。
【0047】 尚、ここで、アンチロックブレーキ制御判別手段,エンジンブレーキ制御条件 可変手段,エンジンブレーキ締結要素制御手段としての機能は、自動変速機用コ ントロールユニット6が図13のフローチャートに示すようにソフトウェア的に備 えている。 図13のフローチャートにおいて、まず、ステップ41では、自動変速機2におけ るギヤ位置がオーバードライブ(OD)ギヤであるか否かを判別する。オーバー ドライブギヤである場合には、ステップ48へジャンプしてオーバーランクラッチ を開放状態とする。一方、オーバードライブギヤでない場合には、ステップ42へ 進む。
【0048】 ステップ42では、ABSが備えられているか否かを、前記実施例と同様にして 判別し、ABSが備えられている場合には、更に、ステップ43で警告灯18が点灯 されているか否か、換言すれば、ABSが正常に作用する状態であるか否かを判 別する。 そして、ABSが備えられていない場合、及び、ABSが備えられていても警 告灯18の点灯を介してABSの故障が検知されている場合には、ステップ44へ進 み、予めABSが作用しない場合に対応させて設定されているオーバーランクラ ッチの締結領域マップ(図14参照)を選択する。一方、ABSが備えられていて 、然も、該ABS装置が正常に作用することが、警告灯18が点灯されていないこ とを介して検知される場合には、ステップ45へ進み、予めABSが正常に作用す る場合に対応させて設定されているオーバーランクラッチの締結領域マップ(図 14参照)を選択する。
【0049】 上記のようにして2つのオーバーランクラッチの締結領域マップをいずれか一 方を選択すると、ステップ46へ進み、現状の車速VSPとスロットル弁開度TV Oとに基づいてマップを検索する。 そして、ステップ47では、現状の車速VSPとスロットル弁開度TVOとに対 応する領域がオーバーランクラッチを締結させる領域であるか否かを判別する。 ここで、締結領域でない場合にはステップ48へ進み、オーバーランクラッチを開 放状態とし、逆に、締結領域であると判別された場合にはステップ49へ進み、オ ーバーランクラッチを締結させ、フォワードワンウェイクラッチの空転を防止し 、エンジンブレーキを作用させる。
【0050】 上記のオーバーランクラッチの締結制御において、ABSが作用するか否かに よって変化するエンジンストールの防止性に対応して、エンジンブレーキを作用 させる領域を変化させるので、エンジンストールの防止性を確保しつつ、最適領 域でエンジンブレーキを作用させることができる。 ところで、ABSを備える車両においては、運転者が任意にABSの機能をキ ャンセルできるスイッチを備える場合があり、運転者の意志によってABSの機 能がキャンセルされている場合には、ABSを備えない車両と同様に車輪ロック が発生する可能性があるので、前記キャンセルスイッチを備える場合には、前記 スイッチの切り換えに応じてロックアップ,燃料カット,エンジンブレーキの制 御条件を変化させるようにすると良い。
【0051】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によると、アンチロックブレーキ装置(ABS)が 作用するか否かを判別し、該判別結果に基づいて減速時の燃料供給停止制御,ト ルクコンバータのロックアップ制御,自動変速機におけるエンジンブレーキ締結 要素の制御の条件を自動的に変化させるようにしたので、エンジンストールの防 止性を維持しつつ、ロックアップや燃料供給停止の領域を最大限に確保でき、燃 費向上を図ることができる一方、エンジンブレーキ締結要素をエンジンストール の発生を防止しつつ最適領域で締結させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の基本構成を示すブロック図。
【図2】本考案の基本構成を示すブロック図。
【図3】本考案の基本構成を示すブロック図。
【図4】本考案の一実施例を示すシステム概略図。
【図5】トルクコンバータに備えられたロックアップ機
構を示す断面図。
【図6】第1実施例のロックアップ制御の様子を示すフ
ローチャート。
【図7】第1実施例のロックアップ制御の様子を示すフ
ローチャート。
【図8】第1実施例のロックアップの締結・開放領域を
示す線図。
【図9】ABSの具備・非具備を判別するための構成を
示す図。
【図10】第2実施例の減速時燃料カット制御を示すフロ
ーチャート。
【図11】第2実施例におけるマップの種類を示す図。
【図12】第2実施例の制御条件を示す線図。
【図13】第3実施例のオーバーランクラッチ制御を示す
フローチャート。
【図14】第3実施例の制御条件を示す線図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 歯車式変速機 5 ソレノイドバルブ 6 自動変速機用コントロールユニット 7 スロットル弁 8 スロットルセンサ 9 車速センサ 10 エンジン制御用コントロールユニット 11 クランク角センサ 12 ABSコントロールユニット 18 警告灯 40 ロックアップ機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 376 H 8109−3G F16H 61/14 A 9137−3J // F16H 59:54 8207−3J

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の減速運転状態においてエンジンへの
    燃料供給停止制御をエンジンの回転速度をパラメータと
    する停止開始条件と供給再開条件とに基づいて行う減速
    燃料供給停止手段を備えた車両の制御装置であって、 車輪のスリップを抑止するように車輪ブレーキの制動力
    を制御するアンチロックブレーキ制御手段が作用するか
    否かを判別するアンチロックブレーキ制御判別手段と、 該アンチロックブレーキ制御判別手段による判別に応じ
    て前記減速燃料供給停止手段における停止開始条件と供
    給再開条件とのうちの少なくとも供給再開条件を変化さ
    せる燃料停止条件可変手段と、 を含んで構成された車両の制御装置。
  2. 【請求項2】エンジンの出力トルクをトルクコンバータ
    を介して変速機構に伝達するように構成された自動変速
    機を備えると共に、前記トルクコンバータにおいて駆動
    軸と被駆動軸とを機械的に接続するロックアップ手段を
    備えた車両の制御装置であって、 車輪のスリップを抑止するように車輪ブレーキの制動力
    を制御するアンチロックブレーキ制御手段が作用するか
    否かを判別するアンチロックブレーキ制御判別手段と、 該アンチロックブレーキ制御判別手段による判別に応じ
    て前記ロックアップ手段を作動させる条件を変化させる
    ロックアップ条件可変手段と、 を含んで構成された車両の制御装置。
  3. 【請求項3】エンジンの出力トルクをトルクコンバータ
    を介して変速機構に伝達するように構成された自動変速
    機を備えると共に、該自動変速機に備えられたエンジン
    ブレーキ締結要素を車両走行条件に応じて制御するエン
    ジンブレーキ締結要素制御手段を備えた車両の制御装置
    であって、 車輪のスリップを抑止するように車輪ブレーキの制動力
    を制御するアンチロックブレーキ制御手段が作用するか
    否かを判別するアンチロックブレーキ制御判別手段と、 該アンチロックブレーキ制御判別手段による判別に応じ
    て前記エンジンブレーキ締結要素制御手段によるエンジ
    ンブレーキ締結要素の締結・開放条件を変化させるエン
    ジンブレーキ制御条件可変手段と、 を含んで構成された車両の制御装置。
  4. 【請求項4】前記アンチロックブレーキ制御判別手段
    が、前記アンチロックブレーキ制御手段の車両に対する
    具備・非具備を判別するよう構成されたことを特徴とす
    る請求項1,2又は3のいずれかに記載の車両の制御装
    置。
  5. 【請求項5】前記アンチロックブレーキ制御手段を予め
    車両に備え、前記アンチロックブレーキ制御判別手段が
    前記アンチロックブレーキ制御手段の故障又は機能キャ
    ンセル状態を判別するよう構成されたことを特徴とする
    請求項1,2又は3のいずれかに記載の車両の制御装
    置。
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