JPH05225633A - オーバーライト可能な光磁気記録媒体への記録方法及び 記録装置 - Google Patents
オーバーライト可能な光磁気記録媒体への記録方法及び 記録装置Info
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- JPH05225633A JPH05225633A JP4022614A JP2261492A JPH05225633A JP H05225633 A JPH05225633 A JP H05225633A JP 4022614 A JP4022614 A JP 4022614A JP 2261492 A JP2261492 A JP 2261492A JP H05225633 A JPH05225633 A JP H05225633A
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- mark
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Abstract
(57)【要約】
【目的】読み取りエラーを低下させること。
【構成】マーク* を「レーザービーム強度が高レベルP
H のときに形成されるマーク」と定義するとき、マーク
長記録方式に則した情報信号に従いレーザービームの強
度を高レベルPH と低レベルPL との間でパルス変調
し、変調されたレーザービームをオーバーライト可能な
光磁気記録媒体に照射し、媒体上にマーク*を形成し
て、このマーク* の長さにより情報を表す、オーバーラ
イト可能な光磁気記録方法において、マーク* 間隔が短
いときには相対的にPL を低くし、間隔が長いときには
相対的にPL を高くする。 【効果】読み取りエラーの低下の他、古い情報の消し残
りがなく記録でき、オーバーライト特性が向上する。
H のときに形成されるマーク」と定義するとき、マーク
長記録方式に則した情報信号に従いレーザービームの強
度を高レベルPH と低レベルPL との間でパルス変調
し、変調されたレーザービームをオーバーライト可能な
光磁気記録媒体に照射し、媒体上にマーク*を形成し
て、このマーク* の長さにより情報を表す、オーバーラ
イト可能な光磁気記録方法において、マーク* 間隔が短
いときには相対的にPL を低くし、間隔が長いときには
相対的にPL を高くする。 【効果】読み取りエラーの低下の他、古い情報の消し残
りがなく記録でき、オーバーライト特性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーバーライト可能な
光磁気記録媒体への記録方法及び記録装置に関する。
光磁気記録媒体への記録方法及び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
【0003】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、記録を残す層として1層又は多層からなる垂直
磁化膜(perpendicular magnetic layer or layers) を
有する。この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGd
Co、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCoなどからなる。垂直磁
化膜は、一般に同心円状又はらせん状のトラックを有し
ており、このトラックの上に情報が記録される。トラッ
クは明示的な場合と黙示的な場合の2通りある。 〔明示的なトラック〕光磁気記録媒体はディスク形状を
している。明示的なトラックを有するディスクは、ディ
スク平面に対し垂直方向から見た場合、情報を記録する
トラックが渦巻状又は同心円状に形成されている。そし
て、隣接する2つのトラック間にトラッキングのため及
び分離のための溝(グルーブgroove)が存在する。逆に
溝と溝の間をランド(land) と呼ぶ。実際には、ディス
クの裏表でランドと溝が逆になる。そこで、ビームが入
射するのと同じにディスクを見て、手前を溝、奥をラン
ドと呼ぶ。垂直磁化膜は、溝の上にもランドの上にも一
面に形成するので、溝の部分をトラックにしてもよい
し、ランドの部分をトラックにしてもよい。溝の幅とラ
ンドの幅との間に特に大小関係はない。
媒体は、記録を残す層として1層又は多層からなる垂直
磁化膜(perpendicular magnetic layer or layers) を
有する。この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGd
Co、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCoなどからなる。垂直磁
化膜は、一般に同心円状又はらせん状のトラックを有し
ており、このトラックの上に情報が記録される。トラッ
クは明示的な場合と黙示的な場合の2通りある。 〔明示的なトラック〕光磁気記録媒体はディスク形状を
している。明示的なトラックを有するディスクは、ディ
スク平面に対し垂直方向から見た場合、情報を記録する
トラックが渦巻状又は同心円状に形成されている。そし
て、隣接する2つのトラック間にトラッキングのため及
び分離のための溝(グルーブgroove)が存在する。逆に
溝と溝の間をランド(land) と呼ぶ。実際には、ディス
クの裏表でランドと溝が逆になる。そこで、ビームが入
射するのと同じにディスクを見て、手前を溝、奥をラン
ドと呼ぶ。垂直磁化膜は、溝の上にもランドの上にも一
面に形成するので、溝の部分をトラックにしてもよい
し、ランドの部分をトラックにしてもよい。溝の幅とラ
ンドの幅との間に特に大小関係はない。
【0004】このようなランドと溝を構成するために、
一般に、基板には、表面に渦巻状又は同心円状に形成さ
れたランドと、2つの隣合うランド間に挟まれた溝が存
在する。このような基板上に薄く垂直磁化膜が形成され
る。これにより垂直磁化膜はランドと溝を持つ。 〔マーク〕本明細書では、膜面に対し「上向き(upwar
d) 」又は「下向き(downward)」の何れか一方を、「A
向き」、他方を「逆A向き」と定義する。 記録すべき
情報は、予め2値化されており、この情報が「A向き」
の磁化を有するマーク(B1)と、「逆A向き」の磁化を
有するマーク(B0)の2つの信号で記録される。これら
のマークB1 ,B0 は、デジタル信号の1,0の何れか
一方と他方にそれぞれ相当する。しかし、一般には記録
されるトラックの磁化は、記録前に強力な外部磁場を印
加することによって「逆A向き」に揃えられる。この磁
化の向きを揃える行為は、古い意味で「初期化* (init
ialize* )」と呼ばれる。その上でトラックに「A向
き」の磁化を有するマーク(B1)を形成する。情報は、
このマーク(B1)の有無及び/又はマーク長によって表
現される。尚、マークは、過去にピット又はビットと呼
ばれたことがあるが、最近はマークと呼ぶ。 〔マーク形成の原理〕マークの形成に於いては、レーザ
ーの特徴即ち空間的時間的に素晴らしい凝集性(coheren
ce) が有利に使用され、レーザー光の波長によって決定
される回折限界とほとんど同じ位に小さいスポットにビ
ームが絞り込まれる。絞り込まれた光はトラック表面に
照射され、垂直磁化膜に直径が1μm以下のマークを形
成することにより情報が記録される。光学的記録におい
ては、理論的に約108 マーク/cm2 までの記録密度を達
成することができる。何故ならば、レーザビームはその
波長とほとんど同じ位に小さい直径を有するスポットに
まで凝縮(concentrate)することが出来るからである。
一般に、基板には、表面に渦巻状又は同心円状に形成さ
れたランドと、2つの隣合うランド間に挟まれた溝が存
在する。このような基板上に薄く垂直磁化膜が形成され
る。これにより垂直磁化膜はランドと溝を持つ。 〔マーク〕本明細書では、膜面に対し「上向き(upwar
d) 」又は「下向き(downward)」の何れか一方を、「A
向き」、他方を「逆A向き」と定義する。 記録すべき
情報は、予め2値化されており、この情報が「A向き」
の磁化を有するマーク(B1)と、「逆A向き」の磁化を
有するマーク(B0)の2つの信号で記録される。これら
のマークB1 ,B0 は、デジタル信号の1,0の何れか
一方と他方にそれぞれ相当する。しかし、一般には記録
されるトラックの磁化は、記録前に強力な外部磁場を印
加することによって「逆A向き」に揃えられる。この磁
化の向きを揃える行為は、古い意味で「初期化* (init
ialize* )」と呼ばれる。その上でトラックに「A向
き」の磁化を有するマーク(B1)を形成する。情報は、
このマーク(B1)の有無及び/又はマーク長によって表
現される。尚、マークは、過去にピット又はビットと呼
ばれたことがあるが、最近はマークと呼ぶ。 〔マーク形成の原理〕マークの形成に於いては、レーザ
ーの特徴即ち空間的時間的に素晴らしい凝集性(coheren
ce) が有利に使用され、レーザー光の波長によって決定
される回折限界とほとんど同じ位に小さいスポットにビ
ームが絞り込まれる。絞り込まれた光はトラック表面に
照射され、垂直磁化膜に直径が1μm以下のマークを形
成することにより情報が記録される。光学的記録におい
ては、理論的に約108 マーク/cm2 までの記録密度を達
成することができる。何故ならば、レーザビームはその
波長とほとんど同じ位に小さい直径を有するスポットに
まで凝縮(concentrate)することが出来るからである。
【0005】図9に示すように、光磁気記録において
は、レーザービーム(L)を垂直磁化膜(MO)の上に
絞りこみ、それを加熱する。その間、初期化* された向
きとは反対の向きの記録磁界(Hb)を加熱された部分に
外部から印加する。そうすると局部的に加熱された部分
の保磁力Hc(coersivity) は減少し記録磁界(Hb)より
小さくなる。その結果、その部分の磁化は、記録磁界
(Hb)の向きに並ぶ。こうして逆に磁化されたマークが
形成される。
は、レーザービーム(L)を垂直磁化膜(MO)の上に
絞りこみ、それを加熱する。その間、初期化* された向
きとは反対の向きの記録磁界(Hb)を加熱された部分に
外部から印加する。そうすると局部的に加熱された部分
の保磁力Hc(coersivity) は減少し記録磁界(Hb)より
小さくなる。その結果、その部分の磁化は、記録磁界
(Hb)の向きに並ぶ。こうして逆に磁化されたマークが
形成される。
【0006】フェロ磁性材料とフェリ磁性材料では、磁
化及びHc の温度依存性が異なる。フェロ磁性材料はキ
ュリー点付近で減少するHc を有し、この現象に基づい
て記録が実行される。従って、Tc 書込み(キュリー点
書込み)と引用される。他方、フェリ磁性材料はキュリ
ー点より低い補償温度(compensationtemperature ) T
comp. を有しており、そこでは磁化(M)はゼロにな
る。逆にその温度付近でHc が非常に大きくなり、その
温度から外れるとHc が急激に低下する。この低下した
Hc は、比較的弱い記録磁界(Hb)によって打ち負かさ
れる。つまり、記録が可能になる。この記録プロセスは
Tcomp. 書込み(補償点書込み)と呼ばれる。
化及びHc の温度依存性が異なる。フェロ磁性材料はキ
ュリー点付近で減少するHc を有し、この現象に基づい
て記録が実行される。従って、Tc 書込み(キュリー点
書込み)と引用される。他方、フェリ磁性材料はキュリ
ー点より低い補償温度(compensationtemperature ) T
comp. を有しており、そこでは磁化(M)はゼロにな
る。逆にその温度付近でHc が非常に大きくなり、その
温度から外れるとHc が急激に低下する。この低下した
Hc は、比較的弱い記録磁界(Hb)によって打ち負かさ
れる。つまり、記録が可能になる。この記録プロセスは
Tcomp. 書込み(補償点書込み)と呼ばれる。
【0007】もっとも、キュリー点又はその近辺、及び
補償温度の近辺にこだわる必要はない。要するに、室温
より高い所定の温度に於いて、低下したHc を有する磁
性材料に対し、その低下したHc を打ち負かせる記録磁
界(Hb )を印加すれば、記録は可能である。但し、室
温より高い所定の温度に達していない領域(この領域の
Hc は元の高いHc を有する)にある垂直磁化膜(M
O)の磁化を反転するような高すぎるHb は、不可であ
る。 〔再生の原理〕図10は、光磁気効果に基づく情報再生
の原理を示す。光は、光路に垂直な平面上で全ての方向
に通常は発散している電磁場ベクトルを有する電磁波で
ある。光が直線偏光(Lp ) に変換され、そして垂直磁
化膜(MO)に照射されたとき、光はその表面で反射さ
れるか又は垂直磁化膜(MO)を透過する。このとき、
偏光面は磁化Mの向きに従って回転する。この回転する
現象は、磁気カー(Kerr) 効果又は磁気ファラデー(Far
aday) 効果と呼ばれる。
補償温度の近辺にこだわる必要はない。要するに、室温
より高い所定の温度に於いて、低下したHc を有する磁
性材料に対し、その低下したHc を打ち負かせる記録磁
界(Hb )を印加すれば、記録は可能である。但し、室
温より高い所定の温度に達していない領域(この領域の
Hc は元の高いHc を有する)にある垂直磁化膜(M
O)の磁化を反転するような高すぎるHb は、不可であ
る。 〔再生の原理〕図10は、光磁気効果に基づく情報再生
の原理を示す。光は、光路に垂直な平面上で全ての方向
に通常は発散している電磁場ベクトルを有する電磁波で
ある。光が直線偏光(Lp ) に変換され、そして垂直磁
化膜(MO)に照射されたとき、光はその表面で反射さ
れるか又は垂直磁化膜(MO)を透過する。このとき、
偏光面は磁化Mの向きに従って回転する。この回転する
現象は、磁気カー(Kerr) 効果又は磁気ファラデー(Far
aday) 効果と呼ばれる。
【0008】例えば、もし反射光の偏光面が「A向き」
磁化に対してθk 度回転するとすると、「逆A向き」磁
化に対しては−θk 度回転する。従って、光アナライザ
ー(偏光子)の軸を−θk 度傾けた面に垂直にセットし
ておくと、「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)から
反射された光はアナライザーを透過することができな
い。それに対して「A向き」に磁化されたマーク(B1)
から反射された光は、(sin2θk)2 を乗じた分がアナラ
イザーを透過し、 ディテクター(光電変換手段)に捕
獲される。その結果、「A向き」に磁化されたマーク
(B1)は「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)よりも
明るく見え、ディテクターに於いて強い電気信号を発生
させる。従って、このディテクターからの電気信号は、
記録された情報に従って変調されるので、情報が再生さ
れるのである。
磁化に対してθk 度回転するとすると、「逆A向き」磁
化に対しては−θk 度回転する。従って、光アナライザ
ー(偏光子)の軸を−θk 度傾けた面に垂直にセットし
ておくと、「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)から
反射された光はアナライザーを透過することができな
い。それに対して「A向き」に磁化されたマーク(B1)
から反射された光は、(sin2θk)2 を乗じた分がアナラ
イザーを透過し、 ディテクター(光電変換手段)に捕
獲される。その結果、「A向き」に磁化されたマーク
(B1)は「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)よりも
明るく見え、ディテクターに於いて強い電気信号を発生
させる。従って、このディテクターからの電気信号は、
記録された情報に従って変調されるので、情報が再生さ
れるのである。
【0009】ところで、記録ずみの媒体を再使用するに
は、 (1) 媒体を再び初期化* 装置で初期化* するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッドを
併設するか、又は (3) 予め、前段処理として記録装置
又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要があ
る。従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ
情報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき
るオーバーライトは、不可能とされていた。
は、 (1) 媒体を再び初期化* 装置で初期化* するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッドを
併設するか、又は (3) 予め、前段処理として記録装置
又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要があ
る。従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ
情報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき
るオーバーライトは、不可能とされていた。
【0010】もっとも、もし記録磁界Hb の向きを必要
に応じて「A向き」と「逆A向き」との間で自由に変調
することができれば、オーバーライトが可能になる。し
かしながら、記録磁界Hb の向きを高速度で変調するこ
とは不可能である。例えば、記録磁界Hb が永久磁石で
ある場合、磁石の向きを機械的に反転させる必要があ
る。しかし、磁石の向きを高速で反転させることは、無
理である。記録磁界Hbが電磁石である場合にも、大容
量の電流の向きをそのように高速で変調することは不可
能である。
に応じて「A向き」と「逆A向き」との間で自由に変調
することができれば、オーバーライトが可能になる。し
かしながら、記録磁界Hb の向きを高速度で変調するこ
とは不可能である。例えば、記録磁界Hb が永久磁石で
ある場合、磁石の向きを機械的に反転させる必要があ
る。しかし、磁石の向きを高速で反転させることは、無
理である。記録磁界Hbが電磁石である場合にも、大容
量の電流の向きをそのように高速で変調することは不可
能である。
【0011】しかしながら、技術の進歩は著しく、記録
磁界Hb の強度を変調せずに(ON、OFF を含む) 又は記
録磁界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強
度を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オー
バーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用され
るオーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれ
に使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明さ
れ、特許出願された(特開昭62−175948号=DE3,619,61
8A1 =米国特許出願中 Ser.No453,255) 。以下、この発
明を「基本発明」と引用する。 〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本的に垂直磁化
可能な磁性薄膜からなる記録再生層recording layer
(本明細書では、この記録再生層をメモリー層 memory
layer又はM層と言う)と、垂直磁化可能な磁性薄膜か
らなる記録補助層 referencelayer (本明細書では、こ
の記録補助層をライティング層writing layer 又はW
層と言う)とを含み、両層は交換結合しており、かつ、
室温でM層の磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを
所定の向きに向けておくことができるオーバーライト可
能な多層光磁気記録媒体」を使用する。
磁界Hb の強度を変調せずに(ON、OFF を含む) 又は記
録磁界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強
度を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オー
バーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用され
るオーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれ
に使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明さ
れ、特許出願された(特開昭62−175948号=DE3,619,61
8A1 =米国特許出願中 Ser.No453,255) 。以下、この発
明を「基本発明」と引用する。 〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本的に垂直磁化
可能な磁性薄膜からなる記録再生層recording layer
(本明細書では、この記録再生層をメモリー層 memory
layer又はM層と言う)と、垂直磁化可能な磁性薄膜か
らなる記録補助層 referencelayer (本明細書では、こ
の記録補助層をライティング層writing layer 又はW
層と言う)とを含み、両層は交換結合しており、かつ、
室温でM層の磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを
所定の向きに向けておくことができるオーバーライト可
能な多層光磁気記録媒体」を使用する。
【0012】そして、情報をM層(場合によりW層に
も)における「A向き」磁化を有するマークと「逆A向
き」磁化を有するマークで表現し、記録するのである。
この媒体は、W層が外部手段(例えば初期補助磁界Hin
i. )によって、その磁化の向きを「A向き」に揃える
ことができる。しかも、そのとき、M層は、磁化の向き
は反転せず、更に、一旦「A向き」に揃えられたW層の
磁化の向きは、M層からの交換結合力を受けても反転せ
ず、逆にM層の磁化の向きは、「A向き」に揃えられた
W層からの交換結合力を受けても反転しない。
も)における「A向き」磁化を有するマークと「逆A向
き」磁化を有するマークで表現し、記録するのである。
この媒体は、W層が外部手段(例えば初期補助磁界Hin
i. )によって、その磁化の向きを「A向き」に揃える
ことができる。しかも、そのとき、M層は、磁化の向き
は反転せず、更に、一旦「A向き」に揃えられたW層の
磁化の向きは、M層からの交換結合力を受けても反転せ
ず、逆にM層の磁化の向きは、「A向き」に揃えられた
W層からの交換結合力を受けても反転しない。
【0013】そして、W層は、M層に比べて低い保磁力
HC と高いキュリー点TC を持つ。基本発明の記録方法
によれば、記録媒体は、記録前までに、外部手段により
W層の磁化の向きだけが「A向き」に揃えられる。この
行為を本明細書では特別に“初期化(initialize)”と呼
ぶ。この“初期化”はオーバーライト可能な媒体に特有
なことである。
HC と高いキュリー点TC を持つ。基本発明の記録方法
によれば、記録媒体は、記録前までに、外部手段により
W層の磁化の向きだけが「A向き」に揃えられる。この
行為を本明細書では特別に“初期化(initialize)”と呼
ぶ。この“初期化”はオーバーライト可能な媒体に特有
なことである。
【0014】その上で、2値化情報に従いパルス変調さ
れたレーザービームが媒体に照射される。レーザービー
ムの強度は、高レベルPH と低レベルPL があり、これ
はパルスの高レベルと低レベルに相当する。この低レベ
ルは、再生時に媒体を照射する再生レベルPR よりも高
い。既に知られているように、記録をしない時にも、例
えば媒体における所定の記録場所をアクセスするために
レーザービームを<非常な低レベル>で点灯することが
ある。この<非常な低レベル>も、再生レベルPR と同
一又は近似のレベルである。従って、例えば、基本発明
におけるレーザービームの出力波形は、図11の通りに
なる。
れたレーザービームが媒体に照射される。レーザービー
ムの強度は、高レベルPH と低レベルPL があり、これ
はパルスの高レベルと低レベルに相当する。この低レベ
ルは、再生時に媒体を照射する再生レベルPR よりも高
い。既に知られているように、記録をしない時にも、例
えば媒体における所定の記録場所をアクセスするために
レーザービームを<非常な低レベル>で点灯することが
ある。この<非常な低レベル>も、再生レベルPR と同
一又は近似のレベルである。従って、例えば、基本発明
におけるレーザービームの出力波形は、図11の通りに
なる。
【0015】なお、基本発明の明細書には明記されてい
ないが、基本発明では、記録用のビームは、1本ではな
く近接した2本のビームを用いて、先行ビームを原則と
して変調しない低レベルのレーザービーム(消去用)と
し、後行ビームを情報に従い変調する高レベルのレーザ
ービーム(書込用)としてもよい。 この場合、後行ビ
ームは、高レベルと基底レベル(低レベルと同一又はそ
れより低いレベルであり、出力がゼロでもよい)との間
でパルス変調される。この場合の出力波形は例えば図1
2に示される。
ないが、基本発明では、記録用のビームは、1本ではな
く近接した2本のビームを用いて、先行ビームを原則と
して変調しない低レベルのレーザービーム(消去用)と
し、後行ビームを情報に従い変調する高レベルのレーザ
ービーム(書込用)としてもよい。 この場合、後行ビ
ームは、高レベルと基底レベル(低レベルと同一又はそ
れより低いレベルであり、出力がゼロでもよい)との間
でパルス変調される。この場合の出力波形は例えば図1
2に示される。
【0016】ビームが照射された部分の媒体に、向きも
強度も変調されない記録磁界Hb が作用する。Hb は、
ビームの照射された部分(スポット領域)と同じ位の寸
法に絞ることはできず、Hb が作用する領域は、スポッ
ト領域に比べれば、ずっと大きい。低レベルのビームが
照射されると、前のマークの磁化の向きに無関係に、M
層に「A向き」のマーク(B1)又は「逆A向き」のマー
ク(B0)の一方が形成される。
強度も変調されない記録磁界Hb が作用する。Hb は、
ビームの照射された部分(スポット領域)と同じ位の寸
法に絞ることはできず、Hb が作用する領域は、スポッ
ト領域に比べれば、ずっと大きい。低レベルのビームが
照射されると、前のマークの磁化の向きに無関係に、M
層に「A向き」のマーク(B1)又は「逆A向き」のマー
ク(B0)の一方が形成される。
【0017】そして、高レベルのビームが照射される
と、前のマークの磁化の向きに無関係に、M層に他方の
マークが形成される。これでオーバーライトが完了す
る。基本発明では、レーザービームは、記録すべき情報
に従いパルス状に変調される。しかし、このこと自身
は、従来の光磁気記録でも行われており、記録すべき2
値化情報に従いビーム強度をパルス状に変調する手段は
既知の手段である。例えば、THE BELL SYSTEM TECHN
ICAL JOURNAL, Vol.62(1983),1923 −1936に詳しく説
明されている。従って、ビーム強度の必要な高レベルと
低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部修正す
るだけで容易に入手できる。当業者にとって、そのよう
な修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与えられ
れば、容易であろう。
と、前のマークの磁化の向きに無関係に、M層に他方の
マークが形成される。これでオーバーライトが完了す
る。基本発明では、レーザービームは、記録すべき情報
に従いパルス状に変調される。しかし、このこと自身
は、従来の光磁気記録でも行われており、記録すべき2
値化情報に従いビーム強度をパルス状に変調する手段は
既知の手段である。例えば、THE BELL SYSTEM TECHN
ICAL JOURNAL, Vol.62(1983),1923 −1936に詳しく説
明されている。従って、ビーム強度の必要な高レベルと
低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部修正す
るだけで容易に入手できる。当業者にとって、そのよう
な修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与えられ
れば、容易であろう。
【0018】基本発明に於いて特徴的なことの1つは、
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手段
によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(re
verse)させ、このW層の「逆A向き」磁化によってM層
に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕を有するマ
ークを形成する。ビーム強度が低レベルの時は、W層の
磁化の向きは、“初期化”状態と変わらず、そして、W
層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝わ
る)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き」
磁化〕を有するマークを形成する。
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手段
によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(re
verse)させ、このW層の「逆A向き」磁化によってM層
に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕を有するマ
ークを形成する。ビーム強度が低レベルの時は、W層の
磁化の向きは、“初期化”状態と変わらず、そして、W
層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝わ
る)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き」
磁化〕を有するマークを形成する。
【0019】なお、本明細書で、○○○〔又は△△△〕
という表現は、先に〔 〕の外の○○○を読んだときに
は、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも、〔 〕の
外の○○○を読むことにする。それに対して先に○○○
を読まずに〔 〕内の△△△の方を選択して読んだとき
には、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも○○○を
読まずに〔 〕内の△△△を読むものとする。
という表現は、先に〔 〕の外の○○○を読んだときに
は、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも、〔 〕の
外の○○○を読むことにする。それに対して先に○○○
を読まずに〔 〕内の△△△の方を選択して読んだとき
には、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも○○○を
読まずに〔 〕内の△△△を読むものとする。
【0020】基本発明で使用される媒体は、第1実施態
様と第2実施態様とに大別される。いずれの実施態様に
おいても、 記録媒体は、M層とW層を含む多層構造を
有する。M層は、室温で保磁力が高く磁化反転温度が低
い磁性層である。W層はM層に比べ相対的に室温で保磁
力が低く磁化反転温度が高い磁性層である。なお、M層
とW層ともに、それ自体多層膜から構成されていてもよ
い。場合によりM層とW層との間に第3の層(例えば、
交換結合力σW の調整層)が存在していてもよい。特開
昭64−50257 、特開平1−273248を参照されたい。更に
M層とW層との間に明確な境界がなく、一方から徐々に
他方に変わってもよい。
様と第2実施態様とに大別される。いずれの実施態様に
おいても、 記録媒体は、M層とW層を含む多層構造を
有する。M層は、室温で保磁力が高く磁化反転温度が低
い磁性層である。W層はM層に比べ相対的に室温で保磁
力が低く磁化反転温度が高い磁性層である。なお、M層
とW層ともに、それ自体多層膜から構成されていてもよ
い。場合によりM層とW層との間に第3の層(例えば、
交換結合力σW の調整層)が存在していてもよい。特開
昭64−50257 、特開平1−273248を参照されたい。更に
M層とW層との間に明確な境界がなく、一方から徐々に
他方に変わってもよい。
【0021】第1実施態様では、M層の保磁力をHC1、
W層のそれをHC2、M層のキュリー点をTC1、W層のそ
れをTC2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービーム
を照射した時の記録媒体の温度をTL 、高レベルPH の
レーザービームを照射した時のそれをTH 、M層が受け
る結合磁界をHD1(HD1はσW をM層飽和磁気モーメン
トMS とM層の膜厚tとの積で割った商で算出され
る)、W層が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層
飽和磁気モーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った
商で算出される)とした場合、記録媒体は、下記の式1
を満足し、そして室温で式2〜5を満足するものであ
る。
W層のそれをHC2、M層のキュリー点をTC1、W層のそ
れをTC2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービーム
を照射した時の記録媒体の温度をTL 、高レベルPH の
レーザービームを照射した時のそれをTH 、M層が受け
る結合磁界をHD1(HD1はσW をM層飽和磁気モーメン
トMS とM層の膜厚tとの積で割った商で算出され
る)、W層が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層
飽和磁気モーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った
商で算出される)とした場合、記録媒体は、下記の式1
を満足し、そして室温で式2〜5を満足するものであ
る。
【0022】 TR <TC1≒TL <TC2≒TH ……………式1 HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|………式2 HC1>HD1 …………………………………式3 HC2>HD2 …………………………………式4 HC2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1──式5 上記式中、符号「≒」は、等しいか又はほぼ等しい(±
20℃位) ことを表す。また上記式中、複合±について
は、上段が後述するA(antiparallel) タイプの媒体の
場合であり、下段は後述するP(parallel)タイプの媒体
の場合である。なお、フェロ磁性体媒体はPタイプに属
する。
20℃位) ことを表す。また上記式中、複合±について
は、上段が後述するA(antiparallel) タイプの媒体の
場合であり、下段は後述するP(parallel)タイプの媒体
の場合である。なお、フェロ磁性体媒体はPタイプに属
する。
【0023】つまり、保磁力と温度との関係をグラフで
表すと、一般には図13の如くなる。細線はM層のそれ
を、太線はW層のそれを表す。従って、この記録媒体に
室温で外部手段例えば初期補助磁界(Hini.) を印加する
と、式5によれば、M層の磁化の向きは、反転せずにW
層の磁化のみが反転する。そこで、記録前に媒体に外部
手段から作用(例えば、初期補助磁界Hini.)を及ぼす
と、W層の磁化のみが「A向き」に揃えることができ
る。 つまり“初期化”である。以下の説明では、「A
向き」を便宜的に本明細書紙面において上向きの矢↑で
示し、「逆A向き」を下向きの矢↓で示す。そして、Hi
ni. がなくなっても、式4により、W層の磁化↑は再反
転せずにそのまま保持される。
表すと、一般には図13の如くなる。細線はM層のそれ
を、太線はW層のそれを表す。従って、この記録媒体に
室温で外部手段例えば初期補助磁界(Hini.) を印加する
と、式5によれば、M層の磁化の向きは、反転せずにW
層の磁化のみが反転する。そこで、記録前に媒体に外部
手段から作用(例えば、初期補助磁界Hini.)を及ぼす
と、W層の磁化のみが「A向き」に揃えることができ
る。 つまり“初期化”である。以下の説明では、「A
向き」を便宜的に本明細書紙面において上向きの矢↑で
示し、「逆A向き」を下向きの矢↓で示す。そして、Hi
ni. がなくなっても、式4により、W層の磁化↑は再反
転せずにそのまま保持される。
【0024】外部手段によりW層の磁化のみが、記録前
までに「A向き」↑に揃えられた状態−−−−“初期
化”された状態−−−−を概念的に表すと、図7にな
る。図7でM層における磁化の向きは、それまでに記録
されていた情報を表わす。以下の説明においては、M層
の磁化の向きに関係がないので、これをXで示し簡略化
すると、図14は、図15の状態1で示せる。
までに「A向き」↑に揃えられた状態−−−−“初期
化”された状態−−−−を概念的に表すと、図7にな
る。図7でM層における磁化の向きは、それまでに記録
されていた情報を表わす。以下の説明においては、M層
の磁化の向きに関係がないので、これをXで示し簡略化
すると、図14は、図15の状態1で示せる。
【0025】ここにおいて、高レベルのレーザービーム
を照射して媒体温度をTH に上昇させる。すると、TH
はキュリー点TC1より高温度なのでM層の磁化は消失し
てしまう。 更にTH はキュリー点TC2付近なのでW層
の磁化も全く又はほぼ消失する。ここで、媒体の種類に
応じて「A向き」又は「逆A向き」の記録磁界Hb を印
加する。Hb は、媒体自身からの浮遊磁界でもよい。説
明を簡単にするために「逆A向き」↓の記録磁界Hb を
印加したとする。媒体は移動しているので、照射された
部分は、レーザービームから直ぐに遠ざかり、冷却され
る。Hb の存在下で、媒体の温度が低下すると、W層の
磁化は、Hb に従い、反転されて「逆A向き」↓の磁化
となる(図15状態2)。
を照射して媒体温度をTH に上昇させる。すると、TH
はキュリー点TC1より高温度なのでM層の磁化は消失し
てしまう。 更にTH はキュリー点TC2付近なのでW層
の磁化も全く又はほぼ消失する。ここで、媒体の種類に
応じて「A向き」又は「逆A向き」の記録磁界Hb を印
加する。Hb は、媒体自身からの浮遊磁界でもよい。説
明を簡単にするために「逆A向き」↓の記録磁界Hb を
印加したとする。媒体は移動しているので、照射された
部分は、レーザービームから直ぐに遠ざかり、冷却され
る。Hb の存在下で、媒体の温度が低下すると、W層の
磁化は、Hb に従い、反転されて「逆A向き」↓の磁化
となる(図15状態2)。
【0026】そして、さらに放冷が進み、媒体温度がT
C1より少し下がると、再びM層の磁化が現れる。その場
合、磁気的結合(交換結合)力のために、M層の磁化の
向きは、W層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「逆A向き」↓のマーク(Pタ
イプの媒体の場合)又は「A向き」↑のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この状態が図1
5状態3(Pタイプ)又は状態4(Aタイプ)である。
C1より少し下がると、再びM層の磁化が現れる。その場
合、磁気的結合(交換結合)力のために、M層の磁化の
向きは、W層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「逆A向き」↓のマーク(Pタ
イプの媒体の場合)又は「A向き」↑のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この状態が図1
5状態3(Pタイプ)又は状態4(Aタイプ)である。
【0027】この高レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは高温サイクルと呼ぶことにする。次
に、低レベルPL のレーザービームを照射して 媒体温
度をTL に上昇させる。TL はキュリー点TC1付近なの
でM層の磁化は全く又はほぼ消失してしまうが、キュリ
ー点TC2よりは低温であるのでW層の磁化は消失しな
い。この状態は図15状態5で示される。ここでは、記
録磁界Hb は、不要であるが、高速度(短時間)でHb
をON,OFFすることは不可能である。従って、止む
を得ず高温サイクルのときのままになっている。
の変化をここでは高温サイクルと呼ぶことにする。次
に、低レベルPL のレーザービームを照射して 媒体温
度をTL に上昇させる。TL はキュリー点TC1付近なの
でM層の磁化は全く又はほぼ消失してしまうが、キュリ
ー点TC2よりは低温であるのでW層の磁化は消失しな
い。この状態は図15状態5で示される。ここでは、記
録磁界Hb は、不要であるが、高速度(短時間)でHb
をON,OFFすることは不可能である。従って、止む
を得ず高温サイクルのときのままになっている。
【0028】しかし、HC2はまだ大きいままなので、H
b によってW層の磁化↑が反転することはない。媒体は
移動しているので、照射された部分は、レーザービーム
から直ぐに遠ざかり、冷却される。冷却が進むと、再び
M層に磁化が現れる。現れる磁化の向きは、磁気的結合
力のためにW層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「A向き」↑のマーク(Pタイ
プの媒体の場合)又は「逆A向き」↓のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この磁化は室温
でも変わらない。この状態が図15状態6(Pタイプ)
又は状態7(Aタイプ)である。
b によってW層の磁化↑が反転することはない。媒体は
移動しているので、照射された部分は、レーザービーム
から直ぐに遠ざかり、冷却される。冷却が進むと、再び
M層に磁化が現れる。現れる磁化の向きは、磁気的結合
力のためにW層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「A向き」↑のマーク(Pタイ
プの媒体の場合)又は「逆A向き」↓のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この磁化は室温
でも変わらない。この状態が図15状態6(Pタイプ)
又は状態7(Aタイプ)である。
【0029】この低レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは低温サイクルと呼ぶことにする。以
上、説明したように、記録前のM層の磁化の向きがどう
であれ、高温サイクルと低温サイクルを選択することに
よって、「逆A向き」↓のマークと、「A向き」↑のマ
ークをM層に自由に形成できる。つまり、レーザービー
ムを情報に従い高レベル(高温サイクル)と低レベル
(低温サイクル)との間でパルス状に変調することによ
りオーバーライトが可能となる。図16、17を参照さ
れたい。図16、17では、それぞれPタイプ及びAタ
イプの媒体について、いずれも室温又は室温に戻ったと
き形成されている磁化の向きを描いてある。
の変化をここでは低温サイクルと呼ぶことにする。以
上、説明したように、記録前のM層の磁化の向きがどう
であれ、高温サイクルと低温サイクルを選択することに
よって、「逆A向き」↓のマークと、「A向き」↑のマ
ークをM層に自由に形成できる。つまり、レーザービー
ムを情報に従い高レベル(高温サイクル)と低レベル
(低温サイクル)との間でパルス状に変調することによ
りオーバーライトが可能となる。図16、17を参照さ
れたい。図16、17では、それぞれPタイプ及びAタ
イプの媒体について、いずれも室温又は室温に戻ったと
き形成されている磁化の向きを描いてある。
【0030】これまでの説明は、M層、W層ともに室温
とキュリー点との間に補償温度Tcomp. がない磁性体組
成について説明した。しかし、補償温度Tcomp. が存在
する場合には、それを越えると磁化の向きが反転する
こと−−−−実際にはRE、TMの各副格子磁化の向き
は変わらないが、その大小関係が逆転するので、全体
(合金)としての磁化の向きが反転する−−−−−と、
A、Pタイプが逆になるので、説明はそれだけ複雑に
なる。この場合、記録磁界Hb の向きも、室温で考えた
場合、前頁の説明の向き↓と逆になる。つまり、“初期
化”されたW層の磁化の向き↑と同じ向きのHb を印加
する。
とキュリー点との間に補償温度Tcomp. がない磁性体組
成について説明した。しかし、補償温度Tcomp. が存在
する場合には、それを越えると磁化の向きが反転する
こと−−−−実際にはRE、TMの各副格子磁化の向き
は変わらないが、その大小関係が逆転するので、全体
(合金)としての磁化の向きが反転する−−−−−と、
A、Pタイプが逆になるので、説明はそれだけ複雑に
なる。この場合、記録磁界Hb の向きも、室温で考えた
場合、前頁の説明の向き↓と逆になる。つまり、“初期
化”されたW層の磁化の向き↑と同じ向きのHb を印加
する。
【0031】記録媒体は一般にディスク状であり、記録
時、媒体は回転される。そのため、記録された部分(マ
ーク)は、記録後に 再び外部手段例えばHini. の作用
を受け、その結果、W層の磁化は元の「A向き」↑に揃
えられる。つまり、W層は“初期化”される。しかし、
室温では、W層の磁化の影響がM層に及ぶことはなく、
そのため記録された情報は保持される。
時、媒体は回転される。そのため、記録された部分(マ
ーク)は、記録後に 再び外部手段例えばHini. の作用
を受け、その結果、W層の磁化は元の「A向き」↑に揃
えられる。つまり、W層は“初期化”される。しかし、
室温では、W層の磁化の影響がM層に及ぶことはなく、
そのため記録された情報は保持される。
【0032】そこで、M層に直線偏光を照射すれば、そ
の反射光には情報が含まれているので、従来の光磁気記
録媒体と同様に情報が再生される。このようなM層及び
W層を構成する垂直磁化膜は、補償温度を有せずキュ
リー点を有するフェロ磁性体の非晶質或いは結晶質、
補償温度を有せずキュリー点を有するフェリ磁性体の非
晶質或いは結晶質、並びに補償温度、キュリー点の双
方を有するフェリ磁性体の非晶質或いは結晶質からなる
群から選択される。
の反射光には情報が含まれているので、従来の光磁気記
録媒体と同様に情報が再生される。このようなM層及び
W層を構成する垂直磁化膜は、補償温度を有せずキュ
リー点を有するフェロ磁性体の非晶質或いは結晶質、
補償温度を有せずキュリー点を有するフェリ磁性体の非
晶質或いは結晶質、並びに補償温度、キュリー点の双
方を有するフェリ磁性体の非晶質或いは結晶質からなる
群から選択される。
【0033】以上の説明は、磁化反転温度としてキュリ
ー点を利用した第1実施態様の説明である。それに対し
て第2実施態様はキュリー点より低い温度に於いて低下
したHc を利用するものである。第2実施態様は、第1
実施態様に於けるTC1の代わりにM層がW層に磁気結合
される温度TS1を使用し、TC2の代わりにW層がHbで
反転する温度TS2を使用すれば、第1実施態様と同様に
説明される。
ー点を利用した第1実施態様の説明である。それに対し
て第2実施態様はキュリー点より低い温度に於いて低下
したHc を利用するものである。第2実施態様は、第1
実施態様に於けるTC1の代わりにM層がW層に磁気結合
される温度TS1を使用し、TC2の代わりにW層がHbで
反転する温度TS2を使用すれば、第1実施態様と同様に
説明される。
【0034】第2実施態様では、M層の保磁力をHC1、
W層のそれをHC2、M層がW層に磁気的に結合される温
度をTs1とし、W層の磁化がHb で反転する温度を
TS2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービームを照
射した時の媒体の温度をTL 、高レベルPH のレーザー
ビームを照射した時のそれをTH 、M層が受ける結合磁
界をHD1(HD1はσW をM層の飽和磁気モーメントMS
とM層の膜厚tとの積で割った商で算出される)、W層
が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層飽和磁気モ
ーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った商で算出さ
れる)とした場合、記録媒体は、下記式6を満足し、か
つ室温で式7〜10を満足するものである。
W層のそれをHC2、M層がW層に磁気的に結合される温
度をTs1とし、W層の磁化がHb で反転する温度を
TS2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービームを照
射した時の媒体の温度をTL 、高レベルPH のレーザー
ビームを照射した時のそれをTH 、M層が受ける結合磁
界をHD1(HD1はσW をM層の飽和磁気モーメントMS
とM層の膜厚tとの積で割った商で算出される)、W層
が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層飽和磁気モ
ーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った商で算出さ
れる)とした場合、記録媒体は、下記式6を満足し、か
つ室温で式7〜10を満足するものである。
【0035】 TR <Ts1≒TL <Ts2≒TH ……………式6 HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|………式7 HC1>HD1 …………………………………式8 HC2>HD2─…………………………………式9 HC2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1──式10 上記式中、複合±については、上段がA(antiparalle
l) タイプの媒体の場合であり、下段はP(parallel)タ
イプの媒体の場合である。
l) タイプの媒体の場合であり、下段はP(parallel)タ
イプの媒体の場合である。
【0036】第2実施態様では、高温TH のとき、W層
の磁化は消失していないが、十分に弱く、M層の磁化は
消失しているか、又は十分に弱い。M層、W層ともに十
分に弱い磁化を残留していても、記録磁界Hb ↓が十分
に大きいので、Hb ↓がW層及び場合によりM層の磁化
の向きをHb ↓に従わせることができる。この状態が図
18状態2である。この後、直ちに又はレーザービ
ームの照射が無くなって放冷が進み、媒体温度がTH よ
り下がった時又はHb から遠ざかった時、W層がσW
を介してM層に影響を及ぼしてM層の磁化の向きを安定
な向きに従わせる。その結果、図18状態3(Pタイ
プ)又は状態4(Aタイプ)となる。
の磁化は消失していないが、十分に弱く、M層の磁化は
消失しているか、又は十分に弱い。M層、W層ともに十
分に弱い磁化を残留していても、記録磁界Hb ↓が十分
に大きいので、Hb ↓がW層及び場合によりM層の磁化
の向きをHb ↓に従わせることができる。この状態が図
18状態2である。この後、直ちに又はレーザービ
ームの照射が無くなって放冷が進み、媒体温度がTH よ
り下がった時又はHb から遠ざかった時、W層がσW
を介してM層に影響を及ぼしてM層の磁化の向きを安定
な向きに従わせる。その結果、図18状態3(Pタイ
プ)又は状態4(Aタイプ)となる。
【0037】他方、低温TL のとき、W層はもちろんM
層も磁化を消失していない。しかし、M層のそれは比較
的小さい。この場合、マークの状態には、Pタイプの場
合図18状態5と状態6の2種類あり、Aタイプの場
合、図18状態7と状態8の2種類ある。状態6及び状
態8では、M層とW層との間に界面磁壁(太線━で示
す)が生じており、やや不安定(準安定)な状態であ
る。状態1は状態5〜8のいずれかを示す。この状態の
媒体部分が、レーザービームの照射位置に来る直前に、
Hb ↓の印加を受ける。それでも、この状態6又は状態
8は保持される。何故ならば、W層は、室温で、十分な
磁化を有するので、磁化がHb ↓によって反転すること
はない。また、Hb ↓と向きが反対の状態8のメモリー
層は、Hb ↓の影響より大きなW層からの交換結合力σ
W の影響を受け、Pタイプ故にW層と同じ向きに、磁化
の向きが保持される。
層も磁化を消失していない。しかし、M層のそれは比較
的小さい。この場合、マークの状態には、Pタイプの場
合図18状態5と状態6の2種類あり、Aタイプの場
合、図18状態7と状態8の2種類ある。状態6及び状
態8では、M層とW層との間に界面磁壁(太線━で示
す)が生じており、やや不安定(準安定)な状態であ
る。状態1は状態5〜8のいずれかを示す。この状態の
媒体部分が、レーザービームの照射位置に来る直前に、
Hb ↓の印加を受ける。それでも、この状態6又は状態
8は保持される。何故ならば、W層は、室温で、十分な
磁化を有するので、磁化がHb ↓によって反転すること
はない。また、Hb ↓と向きが反対の状態8のメモリー
層は、Hb ↓の影響より大きなW層からの交換結合力σ
W の影響を受け、Pタイプ故にW層と同じ向きに、磁化
の向きが保持される。
【0038】その後、まもなく状態6又は状態8は低レ
ベルのレーザービームの照射を受ける。そのため、媒体
温度は上昇する。それに伴い両層の保磁力は低下する。
しかし、W層は高いキュリー点を有するので、保磁力H
C2の低下は小さく、Hb ↓に負けることがなく、“初期
化”されたときの磁化の向き「A向き」↑が維持され
る。他方、M層は低いキュリー点を有するものの、媒体
温度は未だM層のキュリー点Tc1より低いので、保磁力
HC1は残存する。しかし、HC1は小さいので、W層は
Hb ↓の影響とW層からの交換結合力σw を介した影
響(Pタイプの場合、同じ向きに向かせようとする力)
を受ける。この場合、後者の方が強く、 式10の2 :Hc1+Hb <(σw /2MS1t1 ) 式10の3 :Hc2+Hb >(σw /2MS2t2 ) の2つの式が同時に満足される。これらの式が同時に満
足される最も低い温度をTLSと呼ぶ。換言すれば、状態
6又は状態8の磁壁が消滅する最低温度がTLSである。
ベルのレーザービームの照射を受ける。そのため、媒体
温度は上昇する。それに伴い両層の保磁力は低下する。
しかし、W層は高いキュリー点を有するので、保磁力H
C2の低下は小さく、Hb ↓に負けることがなく、“初期
化”されたときの磁化の向き「A向き」↑が維持され
る。他方、M層は低いキュリー点を有するものの、媒体
温度は未だM層のキュリー点Tc1より低いので、保磁力
HC1は残存する。しかし、HC1は小さいので、W層は
Hb ↓の影響とW層からの交換結合力σw を介した影
響(Pタイプの場合、同じ向きに向かせようとする力)
を受ける。この場合、後者の方が強く、 式10の2 :Hc1+Hb <(σw /2MS1t1 ) 式10の3 :Hc2+Hb >(σw /2MS2t2 ) の2つの式が同時に満足される。これらの式が同時に満
足される最も低い温度をTLSと呼ぶ。換言すれば、状態
6又は状態8の磁壁が消滅する最低温度がTLSである。
【0039】その結果、状態6は状態9に移行し、状態
8は状態10に移行する。他方、磁壁が元々ない状態5は
状態9と同じであり、同じく磁壁が元々ない状態7は状
態10と同じであるから、結局、前の状態(Pタイプの場
合、状態5か6か、Aタイプの場合、状態7か8か)に
関係なく、低レベルのビームの照射により状態9(Pタ
イプ)又は状態10(Aタイプ)のマークが形成される。
8は状態10に移行する。他方、磁壁が元々ない状態5は
状態9と同じであり、同じく磁壁が元々ない状態7は状
態10と同じであるから、結局、前の状態(Pタイプの場
合、状態5か6か、Aタイプの場合、状態7か8か)に
関係なく、低レベルのビームの照射により状態9(Pタ
イプ)又は状態10(Aタイプ)のマークが形成される。
【0040】この状態は、その後マークがレーザービー
ムの照射が止んだり又は照射位置から外れたりすること
により、媒体温度が低下し、室温に戻った時にも、変わ
らない。この図18状態9(Pタイプ)又は状態10(A
タイプ)は、図15状態6(Pタイプ)又は状態7(A
タイプ)と同一である。これにより、M層のキュリー点
TC1まで媒体温度を高めることなく、低温サイクルが実
現されることが理解されよう。
ムの照射が止んだり又は照射位置から外れたりすること
により、媒体温度が低下し、室温に戻った時にも、変わ
らない。この図18状態9(Pタイプ)又は状態10(A
タイプ)は、図15状態6(Pタイプ)又は状態7(A
タイプ)と同一である。これにより、M層のキュリー点
TC1まで媒体温度を高めることなく、低温サイクルが実
現されることが理解されよう。
【0041】実は低温サイクルをTC1以上で実施する第
1実施態様の場合にも、媒体温度が室温からTC1に上昇
する途中でTLSを通るので、そのとき、Pタイプの場
合、状態6から状態9への移行が、Aタイプの場合、状
態8から状態10への移行がそれぞれ起こるのである。そ
の後、TC1に至り、図15状態5となるのである。以上
の説明は、M層、W層ともに室温とキュリー点との間に
補償温度Tcomp.がない磁性体組成について説明した。
しかし、補償温度Tcomp. が存在する場合には、それを
越えると磁化の向きが反転することとA、Pタイプ
が逆になるので、説明はそれだけ複雑になる。また、記
録磁界Hb の向きも、室温で考えた場合の向きと逆にな
る。
1実施態様の場合にも、媒体温度が室温からTC1に上昇
する途中でTLSを通るので、そのとき、Pタイプの場
合、状態6から状態9への移行が、Aタイプの場合、状
態8から状態10への移行がそれぞれ起こるのである。そ
の後、TC1に至り、図15状態5となるのである。以上
の説明は、M層、W層ともに室温とキュリー点との間に
補償温度Tcomp.がない磁性体組成について説明した。
しかし、補償温度Tcomp. が存在する場合には、それを
越えると磁化の向きが反転することとA、Pタイプ
が逆になるので、説明はそれだけ複雑になる。また、記
録磁界Hb の向きも、室温で考えた場合の向きと逆にな
る。
【0042】第1、第2実施態様ともに、M層及びW層
が遷移金属(例えばFe, Co) −重希土類金属( 例えばG
d,Tb,Dyその他) 合金組成から選択された非晶質フェリ
磁性体である記録媒体が好ましい。M層、W層の双方と
も、遷移金属(transition metal)−重希土類金属(heavy
rare earth metal)合金組成から選択された場合に
は、各合金としての外部に現れる磁化の向き及び大きさ
は、合金内部の遷移金属原子(TM)の副格子磁化の向
き及び大きさと重希土類金属原子(RE)の副格子磁化
の向き及び大きさとの関係で決まる。例えばTMの副格
子磁化の向き及び大きさを点線の矢印で示すベクトルで
表わし、REの副格子磁化のそれを実線の矢で示すベク
トルで表し、合金全体の磁化の向き及び大きさを白抜き
の矢で示すベクトルで表す。このとき白抜きの矢(ベク
トル)は点線の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)
との和として表わされる。ただし、合金の中ではTMの
副格子磁化とRE副格子磁化との相互作用のために点線
の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)とは、向きが
必ず逆になっている。従って、点線の矢(ベクトル)と
実線の矢(ベクトル)との和は、両者の強度が等しいと
き、合金のベクトルはゼロ(つまり、外部に現れる磁化
の大きさはゼロ)になる。このゼロになるときの合金組
成は補償組成(compensation composition ) と呼ばれ
る。それ以外の組成のときには、合金は両方の副格子磁
化の強度差に等しい強度を有し、いずれか大きい方のベ
クトルの向きに等しい向きを有する白抜きの矢(ベクト
ル)を持つ。
が遷移金属(例えばFe, Co) −重希土類金属( 例えばG
d,Tb,Dyその他) 合金組成から選択された非晶質フェリ
磁性体である記録媒体が好ましい。M層、W層の双方と
も、遷移金属(transition metal)−重希土類金属(heavy
rare earth metal)合金組成から選択された場合に
は、各合金としての外部に現れる磁化の向き及び大きさ
は、合金内部の遷移金属原子(TM)の副格子磁化の向
き及び大きさと重希土類金属原子(RE)の副格子磁化
の向き及び大きさとの関係で決まる。例えばTMの副格
子磁化の向き及び大きさを点線の矢印で示すベクトルで
表わし、REの副格子磁化のそれを実線の矢で示すベク
トルで表し、合金全体の磁化の向き及び大きさを白抜き
の矢で示すベクトルで表す。このとき白抜きの矢(ベク
トル)は点線の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)
との和として表わされる。ただし、合金の中ではTMの
副格子磁化とRE副格子磁化との相互作用のために点線
の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)とは、向きが
必ず逆になっている。従って、点線の矢(ベクトル)と
実線の矢(ベクトル)との和は、両者の強度が等しいと
き、合金のベクトルはゼロ(つまり、外部に現れる磁化
の大きさはゼロ)になる。このゼロになるときの合金組
成は補償組成(compensation composition ) と呼ばれ
る。それ以外の組成のときには、合金は両方の副格子磁
化の強度差に等しい強度を有し、いずれか大きい方のベ
クトルの向きに等しい向きを有する白抜きの矢(ベクト
ル)を持つ。
【0043】そこで、合金の磁化ベクトルを点線のベク
トルと実線のベクトルを隣接して書き、例えば図19に
示すように書き表す。RE、TMの副格子磁化の状態は
大別すると4通りあり、これらを図19の(1A)〜(4A)に
示す。そして、各状態における合金の磁化ベクトル(白
抜きの矢)を図20の(1B)〜(4B)に対応して示す。例え
ば、REベクトルがTMベクトルに比べて大きい場合、
副格子磁化の状態は、(1A)に示され、合金の磁化ベクト
ルは、(1B)に示される。
トルと実線のベクトルを隣接して書き、例えば図19に
示すように書き表す。RE、TMの副格子磁化の状態は
大別すると4通りあり、これらを図19の(1A)〜(4A)に
示す。そして、各状態における合金の磁化ベクトル(白
抜きの矢)を図20の(1B)〜(4B)に対応して示す。例え
ば、REベクトルがTMベクトルに比べて大きい場合、
副格子磁化の状態は、(1A)に示され、合金の磁化ベクト
ルは、(1B)に示される。
【0044】ある合金組成のTMベクトルとREベクト
ルの強度が、どちらか一方が大きいとき、その合金組成
は、強度の大きい方の名をとって○○リッチ例えばRE
リッチであると呼ばれる。M層とW層の両方について、
TMリッチな組成とREリッチな組成とに分けられる。
従って、縦軸座標にM層の組成を横軸座標にW層の組成
をとると、基本発明の媒体全体としては、種類を図21
に示す4象限に分類することができる。図21におい
て、座標の交点は両層の補償組成を表す。先に述べたP
タイプは図21に示す1象限と3象限に属するものであ
り、Aタイプは2象限と4象限に属するものである。
ルの強度が、どちらか一方が大きいとき、その合金組成
は、強度の大きい方の名をとって○○リッチ例えばRE
リッチであると呼ばれる。M層とW層の両方について、
TMリッチな組成とREリッチな組成とに分けられる。
従って、縦軸座標にM層の組成を横軸座標にW層の組成
をとると、基本発明の媒体全体としては、種類を図21
に示す4象限に分類することができる。図21におい
て、座標の交点は両層の補償組成を表す。先に述べたP
タイプは図21に示す1象限と3象限に属するものであ
り、Aタイプは2象限と4象限に属するものである。
【0045】一方、温度変化に対する保磁力の変化を見
ると、キュリー点(保磁力ゼロの温度)に達する前に保
磁力が一旦無限大に増加してまた降下すると言う特性を
持つ合金組成がある。この無限大のときに相当する温度
は補償温度(Tcomp. )と呼ばれる。補償温度より低い
温度ではREベクトル(実線の矢)の方がTMベクトル
(点線の矢) より大きく、そのためTMリッチと言うこ
とができ、補償温度より高い温度ではその逆になる。従
って、補償組成の合金の補償温度は、室温にあると言う
ことができる。
ると、キュリー点(保磁力ゼロの温度)に達する前に保
磁力が一旦無限大に増加してまた降下すると言う特性を
持つ合金組成がある。この無限大のときに相当する温度
は補償温度(Tcomp. )と呼ばれる。補償温度より低い
温度ではREベクトル(実線の矢)の方がTMベクトル
(点線の矢) より大きく、そのためTMリッチと言うこ
とができ、補償温度より高い温度ではその逆になる。従
って、補償組成の合金の補償温度は、室温にあると言う
ことができる。
【0046】逆に補償温度はTMリッチの合金組成にお
いては、室温からキュリー点の間には存在しない。室温
より下にある補償温度は、光磁気記録においては無意味
であるので、この明細書で補償温度とは室温からキュリ
ー点の間に存在するものを言うことにする。M層とW層
の補償温度の有無について分類すると、媒体はタイプ1
〜4の4つのタイプに分類される。タイプ1は、M層と
W層の両方が補償温度を持つ。タイプ2は、M層が補償
温度を持たず、W層が補償温度を持つ。タイプ3は、M
層が補償温度を持ち、W層が補償温度を持たない。タイ
プ4は、M層とW層の両方が補償温度を持たない。1象
限の媒体は、4つ全部のタイプを含む。そこで、M層と
W層の両方についてREリッチかTMリッチかで分け、
かつ補償温度を持つか持たないかで分けると、記録媒体
は表1に示す9クラスに分類される。
いては、室温からキュリー点の間には存在しない。室温
より下にある補償温度は、光磁気記録においては無意味
であるので、この明細書で補償温度とは室温からキュリ
ー点の間に存在するものを言うことにする。M層とW層
の補償温度の有無について分類すると、媒体はタイプ1
〜4の4つのタイプに分類される。タイプ1は、M層と
W層の両方が補償温度を持つ。タイプ2は、M層が補償
温度を持たず、W層が補償温度を持つ。タイプ3は、M
層が補償温度を持ち、W層が補償温度を持たない。タイ
プ4は、M層とW層の両方が補償温度を持たない。1象
限の媒体は、4つ全部のタイプを含む。そこで、M層と
W層の両方についてREリッチかTMリッチかで分け、
かつ補償温度を持つか持たないかで分けると、記録媒体
は表1に示す9クラスに分類される。
【0047】
【表1】
【0048】〔クラス1−1の説明〕ここで表1に示し
たクラス1の記録媒体(Pタイプ・1象限・タイプ1)
に属する媒体No.1−1 を例にとり、オーバーライト原理
について詳細に説明する。この媒体No.1−1 は、次式1
1: TR <Tcomp.1<TL <TH ≦TC1≦Tc2 及び式11の2:Tcomp.2 <TC1 の関係を有する。本明細書では「≦」の「=」は等しい
か又はほぼ等しい(±20℃位) ことを意味する。説明を
簡単にする目的から、以下の説明は、TH <TC1<Tc2
の関係を有するものについて説明する。Tcomp.2は、T
L よりも高くとも等しくとも、低くともよいが、説明を
簡単にする目的から、以下の説明では、TL <Tcomp.2
とする。以上の関係をグラフで示すと、図22の如くな
る。なお、細線はM層のグラフを示し、太線はW層のグ
ラフを示す。
たクラス1の記録媒体(Pタイプ・1象限・タイプ1)
に属する媒体No.1−1 を例にとり、オーバーライト原理
について詳細に説明する。この媒体No.1−1 は、次式1
1: TR <Tcomp.1<TL <TH ≦TC1≦Tc2 及び式11の2:Tcomp.2 <TC1 の関係を有する。本明細書では「≦」の「=」は等しい
か又はほぼ等しい(±20℃位) ことを意味する。説明を
簡単にする目的から、以下の説明は、TH <TC1<Tc2
の関係を有するものについて説明する。Tcomp.2は、T
L よりも高くとも等しくとも、低くともよいが、説明を
簡単にする目的から、以下の説明では、TL <Tcomp.2
とする。以上の関係をグラフで示すと、図22の如くな
る。なお、細線はM層のグラフを示し、太線はW層のグ
ラフを示す。
【0049】室温TR でM層の磁界が初期補助磁界Hin
i. により反転せずにW層のみが反転する条件は、
i. により反転せずにW層のみが反転する条件は、
【0050】
【数1】
【0051】として示す式12である。この媒体No.1−1
は式12を満足する。 但し、HC1:M層の保磁力 HC2:W層の保磁力 MS1:M層の飽和磁気モーメント(saturation magnet
ization) MS2:W層の飽和磁気モーメント t1 :M層の膜厚 t2 :W層の膜厚 σw :界面磁壁エネルギー=交換結合力 (interface w
all energy) このとき、Hini. の条件式は、数4に示す式15で示され
る。Hini. が無くなると、M層、W層の磁化は交換結合
力により互いに影響を受ける。それでもM層、W層の磁
化が反転せずに保持される条件は、式13〜14で示され
る。この媒体No.1−1 は式13〜14を満足する。
は式12を満足する。 但し、HC1:M層の保磁力 HC2:W層の保磁力 MS1:M層の飽和磁気モーメント(saturation magnet
ization) MS2:W層の飽和磁気モーメント t1 :M層の膜厚 t2 :W層の膜厚 σw :界面磁壁エネルギー=交換結合力 (interface w
all energy) このとき、Hini. の条件式は、数4に示す式15で示され
る。Hini. が無くなると、M層、W層の磁化は交換結合
力により互いに影響を受ける。それでもM層、W層の磁
化が反転せずに保持される条件は、式13〜14で示され
る。この媒体No.1−1 は式13〜14を満足する。
【0052】
【数2】
【0053】
【数3】
【0054】室温で式12〜14の条件を満足する記録媒体
のW層の磁化は、記録の直前までに
のW層の磁化は、記録の直前までに
【0055】
【数4】
【0056】に示す式15を満足するHini. により例えば
「A向き」↑に揃えられる。このときM層は前の記録状
態のままで残る。この状態は図23の状態1又は状態2
のいずれかで示される。これより図23を引用して説明
する。この状態1、状態2は記録直前まで保持される。
そして、記録磁界Hb は「A向き」↑に印加することに
する。
「A向き」↑に揃えられる。このときM層は前の記録状
態のままで残る。この状態は図23の状態1又は状態2
のいずれかで示される。これより図23を引用して説明
する。この状態1、状態2は記録直前まで保持される。
そして、記録磁界Hb は「A向き」↑に印加することに
する。
【0057】記録磁界Hb は、一般の磁界がそうである
ように、レーザービームの照射領域(スポット領域)と
同一の範囲に絞ることは難しい。媒体がディスク状の場
合、一旦記録された情報(マーク)は、1回転した場
合、途中でHini. の影響を受け、再び状態1又は状態2
となる。その後、そのマークは、レーザービームの照射
領域(スポット領域)に近いところを通過する。このと
き、状態1、状態2のマークは、記録磁界Hb 印加手段
に近づくので、その影響を受ける。この場合Hbと反対
向きの磁化を有する状態2のマークのM層の磁化の向き
がHb によって反転させられたとすると、1回転前に記
録されたばかりの情報が消失することになる。そうなっ
てはならない条件は、
ように、レーザービームの照射領域(スポット領域)と
同一の範囲に絞ることは難しい。媒体がディスク状の場
合、一旦記録された情報(マーク)は、1回転した場
合、途中でHini. の影響を受け、再び状態1又は状態2
となる。その後、そのマークは、レーザービームの照射
領域(スポット領域)に近いところを通過する。このと
き、状態1、状態2のマークは、記録磁界Hb 印加手段
に近づくので、その影響を受ける。この場合Hbと反対
向きの磁化を有する状態2のマークのM層の磁化の向き
がHb によって反転させられたとすると、1回転前に記
録されたばかりの情報が消失することになる。そうなっ
てはならない条件は、
【0058】
【数5】
【0059】に示す式15の2で表される。ディスク状媒
体No.1−1 は、室温でこの条件式15の2を満足させる必
要がある。逆に言えば、Hb を決定する1つの条件は、
式15の2で示される。さて、状態1、2のマークは、い
よいよレーザービームのスポット領域に到達する。レー
ザービームの強度は、基本発明と同様に、低レベルと高
レベルの2種がある。
体No.1−1 は、室温でこの条件式15の2を満足させる必
要がある。逆に言えば、Hb を決定する1つの条件は、
式15の2で示される。さて、状態1、2のマークは、い
よいよレーザービームのスポット領域に到達する。レー
ザービームの強度は、基本発明と同様に、低レベルと高
レベルの2種がある。
【0060】−−−−−低温サイクル−−−− 低レベルのレーザービームが照射されて、 媒体温度が
Tcomp.1以上に上昇する。そうすると、PタイプからA
タイプに移行する。そして、M層のRE、TM各スピン
の方向は変わらないが、強度の大小関係が図20の(3A)
から(4A)へと逆転する。そのため、M層の磁化は図20
の(3B)から(4B)へと反転する。その結果、図23の状態
1のマークは状態3に移行し、状態2のマークは状態4
に移行する。
Tcomp.1以上に上昇する。そうすると、PタイプからA
タイプに移行する。そして、M層のRE、TM各スピン
の方向は変わらないが、強度の大小関係が図20の(3A)
から(4A)へと逆転する。そのため、M層の磁化は図20
の(3B)から(4B)へと反転する。その結果、図23の状態
1のマークは状態3に移行し、状態2のマークは状態4
に移行する。
【0061】レーザービームの照射が続いて、媒体温度
は、やがてTLSになる。すると、式10の2 並びに式10の
3 が同時に満足される。その結果、Hb ↑が存在して
も、図23状態4のマークは、状態5に遷移する。他
方、図23状態3のマークは、Hb ↑が存在しても10の
2 並びに式10の3 が同時に満足されているため、そのま
まの状態を保つ。つまり、状態3から、同じ状態である
図23状態5になるだけである。
は、やがてTLSになる。すると、式10の2 並びに式10の
3 が同時に満足される。その結果、Hb ↑が存在して
も、図23状態4のマークは、状態5に遷移する。他
方、図23状態3のマークは、Hb ↑が存在しても10の
2 並びに式10の3 が同時に満足されているため、そのま
まの状態を保つ。つまり、状態3から、同じ状態である
図23状態5になるだけである。
【0062】この状態でレーザービームのスポット領域
から外れると媒体温度は低下を始める。媒体温度がT
comp.1以下に冷えると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンとの大小関
係が、図20の(2A)から(1A)へと逆転する。そのため、
M層の磁化は図20の(2B)から(1B)へと反転する。その
結果、図23状態5のマークは、状態6(M層の磁化は
「A向き」↑)に移行する。この状態6は媒体温度が室
温まで下がっても保持される。こうして、M層に「A向
き」↑のマークが形成される。
から外れると媒体温度は低下を始める。媒体温度がT
comp.1以下に冷えると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンとの大小関
係が、図20の(2A)から(1A)へと逆転する。そのため、
M層の磁化は図20の(2B)から(1B)へと反転する。その
結果、図23状態5のマークは、状態6(M層の磁化は
「A向き」↑)に移行する。この状態6は媒体温度が室
温まで下がっても保持される。こうして、M層に「A向
き」↑のマークが形成される。
【0063】−−−−−高温サイクル−−−−− 高レベルのレーザービームが照射されると、媒体温度
は、Tcomp.1を経て低温TL に上昇する。その結果、図
23状態5と同じ状態7になる。高レベルのレーザービ
ームの照射により、媒体温度は更に上昇する。媒体温度
がW層のTcomp.2を越えると、AタイプがPタイプに移
行する。そして、W層のRE、TM各スピンの方向は変
わらないが、強度の大小関係が、図20の(1A)から(2A)
へと逆転する。そのため、W層の磁化は図20の(1B)か
ら(2B)へと反転する。その結果、W層の磁化は、「逆A
向き」↓となる。これが図23状態8である。
は、Tcomp.1を経て低温TL に上昇する。その結果、図
23状態5と同じ状態7になる。高レベルのレーザービ
ームの照射により、媒体温度は更に上昇する。媒体温度
がW層のTcomp.2を越えると、AタイプがPタイプに移
行する。そして、W層のRE、TM各スピンの方向は変
わらないが、強度の大小関係が、図20の(1A)から(2A)
へと逆転する。そのため、W層の磁化は図20の(1B)か
ら(2B)へと反転する。その結果、W層の磁化は、「逆A
向き」↓となる。これが図23状態8である。
【0064】しかし、この温度ではHC2がまだ大きいの
で、↑Hb によってW層の磁化が反転されることはな
い。さらに温度が上昇し、TH になると、M層、W層
は、その温度がキュリー点に近いので保磁力が小さくな
る。その結果、媒体は、
で、↑Hb によってW層の磁化が反転されることはな
い。さらに温度が上昇し、TH になると、M層、W層
は、その温度がキュリー点に近いので保磁力が小さくな
る。その結果、媒体は、
【0065】
【数6】
【0066】に示す(1)又は
【0067】
【数7】
【0068】に示す(2)又は
【0069】
【数8】
【0070】に示す(3)のいずれかに示した2つの式
を同時に満足する。そのため、両層の磁化は、ほぼ同時
に反転し、Hb ↑の向きに従う。この状態が状態9であ
る。この状態でレーザービームのスポット領域から外れ
ると、媒体温度は低下を始める。媒体温度がTcomp.2以
下になると、PタイプからAタイプに移行する。そし
て、RE、TMの各スピンの方向は変わらないが、強度
の大小関係が、図20の(4A)から(3A)へと逆転する。そ
のため、W層の磁化は図20の(4B)から(3B)へと反転す
る。その結果、W層の磁化は、「逆A向き」↓となる。
これが図23が状態10である。状態10では、媒体は、
を同時に満足する。そのため、両層の磁化は、ほぼ同時
に反転し、Hb ↑の向きに従う。この状態が状態9であ
る。この状態でレーザービームのスポット領域から外れ
ると、媒体温度は低下を始める。媒体温度がTcomp.2以
下になると、PタイプからAタイプに移行する。そし
て、RE、TMの各スピンの方向は変わらないが、強度
の大小関係が、図20の(4A)から(3A)へと逆転する。そ
のため、W層の磁化は図20の(4B)から(3B)へと反転す
る。その結果、W層の磁化は、「逆A向き」↓となる。
これが図23が状態10である。状態10では、媒体は、
【0071】
【数9】
【0072】に示す式15の4を満足する。そのため、W
層にHb ↑が作用しても反転することはない。媒体の温
度がこの状態10のときの温度から更に低下して、T
comp.1以下になると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンの強度の大
小関係が、図20の(4A)から(3A)へと逆転する。そのた
め、M層の磁化は図20の(4B)から(3B)へと反転する。
その結果、M層の磁化は、「逆A向き」↓となる。この
状態が図23状態11である。
層にHb ↑が作用しても反転することはない。媒体の温
度がこの状態10のときの温度から更に低下して、T
comp.1以下になると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンの強度の大
小関係が、図20の(4A)から(3A)へと逆転する。そのた
め、M層の磁化は図20の(4B)から(3B)へと反転する。
その結果、M層の磁化は、「逆A向き」↓となる。この
状態が図23状態11である。
【0073】やがて媒体の温度は、状態11のときの温度
から室温まで低下する。室温でのHC1は十分に大きい
(式15の5参照)ので、M層の磁化↓は、↑Hb によっ
て反転されることなく、状態11が保持される。
から室温まで低下する。室温でのHC1は十分に大きい
(式15の5参照)ので、M層の磁化↓は、↑Hb によっ
て反転されることなく、状態11が保持される。
【0074】
【数10】
【0075】こうして、M層に「逆A向き」↓のマーク
が形成される。 〔選択発明の説明〕以上の説明は、M層とW層の2層膜
で説明した。このような2層膜を持っておれば、3層膜
以上の多層膜でもオーバーライトは可能である。特に、
基本発明の説明では、初期補助磁界(Hini. )という外
部手段を用いた。しかし、基本発明では、外部手段はHi
ni. に限られることはない。要するに、記録の前まで
に、W層の磁化が所定の向きを向いている、つまり、
“初期化”されていればよいのである。そのため、外部
手段としてHini. に代えて初期化層(intializing laye
r)を使用する発明がなされた。和文雑誌 "OPTRONICS"
1990年No.4 第 227〜231頁を参照されたい。これより
詳しいものは、1990年3月8日に発行された国際公開特
許公報WO/90/2400(PCT/JP89/863)である。以下、この発
明を選択発明(selection invention )と引用する。
が形成される。 〔選択発明の説明〕以上の説明は、M層とW層の2層膜
で説明した。このような2層膜を持っておれば、3層膜
以上の多層膜でもオーバーライトは可能である。特に、
基本発明の説明では、初期補助磁界(Hini. )という外
部手段を用いた。しかし、基本発明では、外部手段はHi
ni. に限られることはない。要するに、記録の前まで
に、W層の磁化が所定の向きを向いている、つまり、
“初期化”されていればよいのである。そのため、外部
手段としてHini. に代えて初期化層(intializing laye
r)を使用する発明がなされた。和文雑誌 "OPTRONICS"
1990年No.4 第 227〜231頁を参照されたい。これより
詳しいものは、1990年3月8日に発行された国際公開特
許公報WO/90/2400(PCT/JP89/863)である。以下、この発
明を選択発明(selection invention )と引用する。
【0076】図24の状態1に、選択発明で使用される
媒体の構成を示すこの媒体は基板とその上に成膜された
原則的に4層構造の磁性膜からなる。この磁性膜は、順
に、垂直磁化可能な磁性薄膜からなるM層と、垂直磁化
可能な磁性薄膜からなるW層と、垂直磁化可能な磁性薄
膜からなるスイッチング層Switching layer (以下、S
層と略す)と、垂直磁化可能な磁性薄膜からなる“初期
化”層 Initializing layer(以下、I層と略す)との
原則的に4層構造(場合によりS層はなくともよい)か
らなる。
媒体の構成を示すこの媒体は基板とその上に成膜された
原則的に4層構造の磁性膜からなる。この磁性膜は、順
に、垂直磁化可能な磁性薄膜からなるM層と、垂直磁化
可能な磁性薄膜からなるW層と、垂直磁化可能な磁性薄
膜からなるスイッチング層Switching layer (以下、S
層と略す)と、垂直磁化可能な磁性薄膜からなる“初期
化”層 Initializing layer(以下、I層と略す)との
原則的に4層構造(場合によりS層はなくともよい)か
らなる。
【0077】尚、前記国際公開特許公報では、M層は第
1磁性層、W層は第2磁性層、S層は第3磁性層(特許
請求の範囲の第3項参照)、I層は第4磁性層(特許請
求の範囲の第3項参照)と呼ばれている。この第3項以
外の個所では第3磁性層と第4磁性層の呼び方が逆にな
っており、誤記と思われる。また、前記雑誌"OPTRONIC
S" では、S層は制御層と呼ばれている。
1磁性層、W層は第2磁性層、S層は第3磁性層(特許
請求の範囲の第3項参照)、I層は第4磁性層(特許請
求の範囲の第3項参照)と呼ばれている。この第3項以
外の個所では第3磁性層と第4磁性層の呼び方が逆にな
っており、誤記と思われる。また、前記雑誌"OPTRONIC
S" では、S層は制御層と呼ばれている。
【0078】この4層構造媒体では、M層とW層とは交
換結合しており、室温でM層の磁化の向きは変えないで
W層の磁化のみを所定の向きに向けておくことができ、
しかもW層とI層とはS層のキュリー点以下の温度でS
層を介して交換結合している。I層は最も高いキュリー
点を有し、高レベルのレーザービームの照射を受けても
磁化を失わない。I層は常に所定の向きの磁化を保持し
ており、これが記録の都度、次の記録に備えてW層の
“初期化”を繰り返し行なう手段となる。そのため、I
層は“初期化”層と呼ばれる。
換結合しており、室温でM層の磁化の向きは変えないで
W層の磁化のみを所定の向きに向けておくことができ、
しかもW層とI層とはS層のキュリー点以下の温度でS
層を介して交換結合している。I層は最も高いキュリー
点を有し、高レベルのレーザービームの照射を受けても
磁化を失わない。I層は常に所定の向きの磁化を保持し
ており、これが記録の都度、次の記録に備えてW層の
“初期化”を繰り返し行なう手段となる。そのため、I
層は“初期化”層と呼ばれる。
【0079】しかしながら、高温サイクルの過程(例え
ば、TH 付近)では、W層の磁化反転が必ず起こらねば
ならず、その場合には、I層からの影響が無視できるよ
うに小さくなければならない。温度が高くなると、W層
とI層との間の交換結合力σw24 は小さくなるので、好
都合である。しかし、TH においても、十分なσw24 が
残っている場合には、W層とI層との間にS層が必要に
なる。S層が非磁性体であれば、σw24 はゼロ又は非常
に小さくなる。しかし、TH より低く室温までのどこか
の温度では、 W層の“初期化”のためにσw24 は大き
くなければならない。そのとき、S層はW層とI層との
間に見掛け上十分に大きな交換結合力を与えなければな
らない。それにはS層は磁性体である必要がある。従っ
て、S層は、相対的に低い温度では、磁性体となってW
層とI層との間に見掛け上十分に大きな交換結合力σ
w24 を与え、相対的に高い温度では、非磁性体となって
W層とI層との間に見掛け上ゼロ又は非常に小さな交換
結合力σw24 を与えるものである。それ故、S層はスイ
ッチング層(switching layer )と呼ばれる。
ば、TH 付近)では、W層の磁化反転が必ず起こらねば
ならず、その場合には、I層からの影響が無視できるよ
うに小さくなければならない。温度が高くなると、W層
とI層との間の交換結合力σw24 は小さくなるので、好
都合である。しかし、TH においても、十分なσw24 が
残っている場合には、W層とI層との間にS層が必要に
なる。S層が非磁性体であれば、σw24 はゼロ又は非常
に小さくなる。しかし、TH より低く室温までのどこか
の温度では、 W層の“初期化”のためにσw24 は大き
くなければならない。そのとき、S層はW層とI層との
間に見掛け上十分に大きな交換結合力を与えなければな
らない。それにはS層は磁性体である必要がある。従っ
て、S層は、相対的に低い温度では、磁性体となってW
層とI層との間に見掛け上十分に大きな交換結合力σ
w24 を与え、相対的に高い温度では、非磁性体となって
W層とI層との間に見掛け上ゼロ又は非常に小さな交換
結合力σw24 を与えるものである。それ故、S層はスイ
ッチング層(switching layer )と呼ばれる。
【0080】次に図24を用いて、4層膜オーバーライ
トの原理を説明する。この説明は典型的な例であり、こ
れ以外にも例はある。例えば、各層の何れかの層が室温
とキュリー点との間にTcomp. を持つと説明はより複雑
になる。図24で、白抜きの矢印は、各層の磁化の向き
を示す。記録前の状態は、状態1又は状態2のいずれか
である。M層に着目すると、状態1は「A向き」のマー
ク(B1)であり、状態2は「逆A向き」のマーク(B0)
であり、M層とW層との間に界面磁壁(太線━で示す)
があり、やや不安定な状態(準安定)にある。
トの原理を説明する。この説明は典型的な例であり、こ
れ以外にも例はある。例えば、各層の何れかの層が室温
とキュリー点との間にTcomp. を持つと説明はより複雑
になる。図24で、白抜きの矢印は、各層の磁化の向き
を示す。記録前の状態は、状態1又は状態2のいずれか
である。M層に着目すると、状態1は「A向き」のマー
ク(B1)であり、状態2は「逆A向き」のマーク(B0)
であり、M層とW層との間に界面磁壁(太線━で示す)
があり、やや不安定な状態(準安定)にある。
【0081】 −−−−−−−低温サイクル−−−−−−−− 状態1及び状態2のマークにレーザービームを照射して
温度を上昇させると、最初にS層の磁化が消失する。そ
のため、状態1は状態3に移行し、状態2は状態4に移
行する。更に温度が上昇してTLSに達すると、M層の磁
化は弱くなり、W層からの交換結合力を介した作用が強
くなる。その結果、状態4のM層の磁化は反転すると同
時に層間の磁壁は消失する。これが状態5である。状態
3のマークはもともと層間の磁壁はないので、そのまま
状態5に移行する。
温度を上昇させると、最初にS層の磁化が消失する。そ
のため、状態1は状態3に移行し、状態2は状態4に移
行する。更に温度が上昇してTLSに達すると、M層の磁
化は弱くなり、W層からの交換結合力を介した作用が強
くなる。その結果、状態4のM層の磁化は反転すると同
時に層間の磁壁は消失する。これが状態5である。状態
3のマークはもともと層間の磁壁はないので、そのまま
状態5に移行する。
【0082】ここで、レーザービームの照射が止むか又
は照射位置から遠ざかると、状態5のマークは温度が低
下を始め、やがて状態3を経て状態1になる。これが低
温サイクルである。なお、状態5から更に温度が上昇し
M層のキュリー点を越えると、磁化が消失し状態6にな
る。ここで、レーザービームの照射が止むか又は照射位
置から遠ざかると、状態6のマークは温度が低下を始
め、やがてM層のキュリー点を少し低い温度に至る。そ
うすると、M層に磁化が現れる。この磁化の向きは、W
層からの交換結合力を介した作用を受け、W層の磁化の
向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じない向き)
となる。ここではPタイプであるので、状態5が再現す
る。温度は更に低下し、それに従い、状態3が生じ、次
いで状態1のマークが生じる。このプロセスは低温サイ
クルの別の例である。
は照射位置から遠ざかると、状態5のマークは温度が低
下を始め、やがて状態3を経て状態1になる。これが低
温サイクルである。なお、状態5から更に温度が上昇し
M層のキュリー点を越えると、磁化が消失し状態6にな
る。ここで、レーザービームの照射が止むか又は照射位
置から遠ざかると、状態6のマークは温度が低下を始
め、やがてM層のキュリー点を少し低い温度に至る。そ
うすると、M層に磁化が現れる。この磁化の向きは、W
層からの交換結合力を介した作用を受け、W層の磁化の
向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じない向き)
となる。ここではPタイプであるので、状態5が再現す
る。温度は更に低下し、それに従い、状態3が生じ、次
いで状態1のマークが生じる。このプロセスは低温サイ
クルの別の例である。
【0083】 −−−−−−−高温サイクル−−−−−−−− 図24状態1及び状態2のマークにレーザービームを照
射して温度を上昇させると、既述のように状態5を経て
状態6に至る。更に温度が上昇すると、W層の保磁力は
非常に低下する。そのため、記録磁界Hb ↓によって磁
化が反転する。これが状態8である。
射して温度を上昇させると、既述のように状態5を経て
状態6に至る。更に温度が上昇すると、W層の保磁力は
非常に低下する。そのため、記録磁界Hb ↓によって磁
化が反転する。これが状態8である。
【0084】ここで、レーザービームの照射が止むか又
は照射位置から遠ざかると、媒体温度は低下を始める。
やがて媒体温度はM層のキュリー点より少し下になる。
そうすると、M層に磁化が現れる。この磁化の向きは、
W層からの交換結合力を介した作用を受け、W層の磁化
の向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じない向
き)となる。ここではPタイプであるので、状態9が出
現する。
は照射位置から遠ざかると、媒体温度は低下を始める。
やがて媒体温度はM層のキュリー点より少し下になる。
そうすると、M層に磁化が現れる。この磁化の向きは、
W層からの交換結合力を介した作用を受け、W層の磁化
の向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じない向
き)となる。ここではPタイプであるので、状態9が出
現する。
【0085】温度が更に低下すると、S層に磁化が現
れ、その結果、W層とI層とは磁気的に(交換結合力
で)結合される。その結果、W層の磁化の向きは、I層
の磁化の向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じな
い向き)となる。ここではPタイプであるので、W層の
磁化は「A向き」に反転し、その結果、M層とW層との
間には界面磁壁が生じる。この状態が室温でも維持さ
れ、状態2のマークが生成する。
れ、その結果、W層とI層とは磁気的に(交換結合力
で)結合される。その結果、W層の磁化の向きは、I層
の磁化の向きに対して安定な向き(層間に磁壁が生じな
い向き)となる。ここではPタイプであるので、W層の
磁化は「A向き」に反転し、その結果、M層とW層との
間には界面磁壁が生じる。この状態が室温でも維持さ
れ、状態2のマークが生成する。
【0086】これが高温サイクルである。なお、記録磁
界Hb ↓によって状態8が出現した後、更に温度が上昇
すると、やがて温度はW層のキュリー点を越える。そう
すると、状態7が出現する。ここで、レーザービームの
照射が止むか又は照射位置から遠ざかると、媒体温度は
低下を始める。やがて媒体温度はW層のキュリー点より
少し下になる。そうすると、W層に磁化が現れる。この
磁化の向きは、記録磁界Hb ↓の向きに従う。その結
果、状態8が出現する。
界Hb ↓によって状態8が出現した後、更に温度が上昇
すると、やがて温度はW層のキュリー点を越える。そう
すると、状態7が出現する。ここで、レーザービームの
照射が止むか又は照射位置から遠ざかると、媒体温度は
低下を始める。やがて媒体温度はW層のキュリー点より
少し下になる。そうすると、W層に磁化が現れる。この
磁化の向きは、記録磁界Hb ↓の向きに従う。その結
果、状態8が出現する。
【0087】更に温度が低下すると、状態9を経て状態
2のマークが形成される。このプロセスは高温サイクル
の別の例である。 −−−−−−オーバーライト−−−−−−− 以上の通り、前の記録状態に無関係に、低温サイクルで
M層に状態1のマーク(B1)が形成され、高温サイクル
で M層に状態2のマーク(B0)が形成される。従っ
て、オーバーライトが可能となる。ところで、記録した
い二値化情報(0と1から構成される原情報)をそのま
ま記録すると再生時にエラーが発生するために、一般に
は原情報を適当な暗号に変換する。このとき、原情報を
記録に適した暗号にすることを変調、再生された信号を
原情報に戻すことを復調と呼んでいる。
2のマークが形成される。このプロセスは高温サイクル
の別の例である。 −−−−−−オーバーライト−−−−−−− 以上の通り、前の記録状態に無関係に、低温サイクルで
M層に状態1のマーク(B1)が形成され、高温サイクル
で M層に状態2のマーク(B0)が形成される。従っ
て、オーバーライトが可能となる。ところで、記録した
い二値化情報(0と1から構成される原情報)をそのま
ま記録すると再生時にエラーが発生するために、一般に
は原情報を適当な暗号に変換する。このとき、原情報を
記録に適した暗号にすることを変調、再生された信号を
原情報に戻すことを復調と呼んでいる。
【0088】原情報を暗号化する有名な方法として(2,
7) 変調がある。これでは、表2に示すテーブルを使
い、原情報を暗号化する。例えば、原情報(X)が(先
頭方向←)01001110であった場合、表2の左欄
に従って、まず010と011と10とに区分する。そ
して、区分したものを右欄に変換する。010は、10
0100に変換され、011は、001000に変換さ
れる。10は、0100に変換される。その結果、暗号
は、1001000010000100・・・・とな
る。この場合、暗号は、0の最小ラン(ランとは、0の
情報の連なり)が2、最大ランが7となる。
7) 変調がある。これでは、表2に示すテーブルを使
い、原情報を暗号化する。例えば、原情報(X)が(先
頭方向←)01001110であった場合、表2の左欄
に従って、まず010と011と10とに区分する。そ
して、区分したものを右欄に変換する。010は、10
0100に変換され、011は、001000に変換さ
れる。10は、0100に変換される。その結果、暗号
は、1001000010000100・・・・とな
る。この場合、暗号は、0の最小ラン(ランとは、0の
情報の連なり)が2、最大ランが7となる。
【0089】
【表2】
【0090】このように原情報を暗号化することで、無
限に0(または1)が続くことがなくなり、再生信号の
クロック信号による同期がし易くなる。また、何らかの
原因で再生信号が切れ、再び回復した場合、または、再
生開始時にすぐにクロック信号による同期がとれるなど
の効果がある。光磁気記録の記録方式は、大別して、マ
ーク長記録方式とマーク間記録方式(ピットポジション
記録方式とも呼ばれる)とがある。
限に0(または1)が続くことがなくなり、再生信号の
クロック信号による同期がし易くなる。また、何らかの
原因で再生信号が切れ、再び回復した場合、または、再
生開始時にすぐにクロック信号による同期がとれるなど
の効果がある。光磁気記録の記録方式は、大別して、マ
ーク長記録方式とマーク間記録方式(ピットポジション
記録方式とも呼ばれる)とがある。
【0091】マーク長記録方式では、一般に(2,7) 変調
した暗号をNRZI方式によりレーザービームの駆動波
形(Z)に変換する。このNRZIとは、0と1とから
成る暗号の1をレーザービーム強度の立ち上げ又は立ち
下げのきっかけとするものである。つまり、最初に1が
きたとき強度を高レベルに立ち上げて、次に1がきたと
き低レベルに立ち下げ・・・を行うのである。強度が高
レベルのときにマークが形成される。再生時には、媒体
上の記録マークの両端のみを検出して信号1を再生し、
それ以外は信号0とする。
した暗号をNRZI方式によりレーザービームの駆動波
形(Z)に変換する。このNRZIとは、0と1とから
成る暗号の1をレーザービーム強度の立ち上げ又は立ち
下げのきっかけとするものである。つまり、最初に1が
きたとき強度を高レベルに立ち上げて、次に1がきたと
き低レベルに立ち下げ・・・を行うのである。強度が高
レベルのときにマークが形成される。再生時には、媒体
上の記録マークの両端のみを検出して信号1を再生し、
それ以外は信号0とする。
【0092】マーク間記録方式では、0と1とから構成
される原情報を1の前後に必ず0がくるように暗号化
し、これをNRZによりレーザービームの駆動波形
(Z)に変換する。このNRZとは、0と1とから成る
暗号の1のときだけ、レーザービームの強度を高レベル
に立ち上げて所定短時間後に低レベルに立ち下げるので
ある。従って、信号1の1個に対応してマークが1個形
成される。再生時にはマークの位置を検出して、信号1
を再生し、それ以外は、信号0とする。
される原情報を1の前後に必ず0がくるように暗号化
し、これをNRZによりレーザービームの駆動波形
(Z)に変換する。このNRZとは、0と1とから成る
暗号の1のときだけ、レーザービームの強度を高レベル
に立ち上げて所定短時間後に低レベルに立ち下げるので
ある。従って、信号1の1個に対応してマークが1個形
成される。再生時にはマークの位置を検出して、信号1
を再生し、それ以外は、信号0とする。
【0093】
【発明が解決しようとする課題】マーク長記録方式は、
マーク間記録方式に比べて記録密度を上げることができ
る。そこで本発明者は、オーバーライト媒体に対し、マ
ーク長記録方式で記録する際に、記録密度をより上げて
記録を行った。しかし、その結果、読み取りエラーが増
大するという問題点の生じることが見い出された。
マーク間記録方式に比べて記録密度を上げることができ
る。そこで本発明者は、オーバーライト媒体に対し、マ
ーク長記録方式で記録する際に、記録密度をより上げて
記録を行った。しかし、その結果、読み取りエラーが増
大するという問題点の生じることが見い出された。
【0094】本発明の目的は、記録密度を上げた場合の
上記問題点を解決することにある。
上記問題点を解決することにある。
【0095】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、試験的に
いくつかの情報をオーバーライト可能な媒体にマーク長
記録方式で記録し、再生した。記録に使ったレーザービ
ームの出力波形(Z)と再生信号波形とを図5〜8に示
す。これらの結果から、マーク間隔が短い(図5、図6
参照)場合は、長いケース(図7、図8参照)に比べ、
再生信号の振幅が小さいことが判る。
いくつかの情報をオーバーライト可能な媒体にマーク長
記録方式で記録し、再生した。記録に使ったレーザービ
ームの出力波形(Z)と再生信号波形とを図5〜8に示
す。これらの結果から、マーク間隔が短い(図5、図6
参照)場合は、長いケース(図7、図8参照)に比べ、
再生信号の振幅が小さいことが判る。
【0096】このことは、再生信号(サイン波)を基準
電圧で切って、再びパルス波(0,1信号)に変換する
とき問題を起こす。その問題というのは、パルス幅が時
間と共に変動してしまうことである。この問題は、基準
電圧が変動することに起因するが、基準電圧の変動を止
めるのは困難である。基準電圧が変動した場合、振幅の
小さい再生信号をパルス波に変換すると、パルス幅の変
動が大きくなる。そして、パルス幅の変動が大きくなる
と、読み取りエラーが発生することは明らかであろう。
電圧で切って、再びパルス波(0,1信号)に変換する
とき問題を起こす。その問題というのは、パルス幅が時
間と共に変動してしまうことである。この問題は、基準
電圧が変動することに起因するが、基準電圧の変動を止
めるのは困難である。基準電圧が変動した場合、振幅の
小さい再生信号をパルス波に変換すると、パルス幅の変
動が大きくなる。そして、パルス幅の変動が大きくなる
と、読み取りエラーが発生することは明らかであろう。
【0097】また、上記結果からマーク間隔が短い(図
5、図6参照)と、長いケース(図7、図8参照)に比
べ、再生信号の山の部分(マークに対応する)の幅のば
らつきが大きくなることが判る。このことは、パルス波
に変換したときパルス幅の変動を大きくする。パルス幅
の変動が大きくなると、読み取りエラーが発生すること
は明らかであろう。
5、図6参照)と、長いケース(図7、図8参照)に比
べ、再生信号の山の部分(マークに対応する)の幅のば
らつきが大きくなることが判る。このことは、パルス波
に変換したときパルス幅の変動を大きくする。パルス幅
の変動が大きくなると、読み取りエラーが発生すること
は明らかであろう。
【0098】そこで、何故、マーク間隔を短くすると
再生信号(サイン波)の振幅が小さくなり、山の部分
の幅のばらつきが大きくなるのか、その理由を調べてみ
た。その結果、判明した理由は、マークの終端、始端の
輪郭がぼやけ、また不揃いになっていることである。マ
ークは高温TH (PH )により形成される(熱モー
ド)。恐らくマーク間隔が短いために隣接のマークの熱
の影響が出て、輪郭がぼやけ、また不揃いになるものと
推定される。
再生信号(サイン波)の振幅が小さくなり、山の部分
の幅のばらつきが大きくなるのか、その理由を調べてみ
た。その結果、判明した理由は、マークの終端、始端の
輪郭がぼやけ、また不揃いになっていることである。マ
ークは高温TH (PH )により形成される(熱モー
ド)。恐らくマーク間隔が短いために隣接のマークの熱
の影響が出て、輪郭がぼやけ、また不揃いになるものと
推定される。
【0099】本発明は、鋭意研究の結果、マーク間隔が
相対的に短いときにPL のレベルを相対的に下げれば隣
接のマークの熱の影響が低下されることを着想し、試み
た。その結果、記録密度を上げても読み取りエラーが増
大しないか、または増大傾向が小さいこと(効果)を見
い出し、本発明を成すに至った。更に研究を進めた結
果、マーク* 間隔が短いときには、PL を 式:HC1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときにはPL を
温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも高くすると
効果があることを見い出し、本発明を成すに至った。
相対的に短いときにPL のレベルを相対的に下げれば隣
接のマークの熱の影響が低下されることを着想し、試み
た。その結果、記録密度を上げても読み取りエラーが増
大しないか、または増大傾向が小さいこと(効果)を見
い出し、本発明を成すに至った。更に研究を進めた結
果、マーク* 間隔が短いときには、PL を 式:HC1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときにはPL を
温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも高くすると
効果があることを見い出し、本発明を成すに至った。
【0100】よって、本発明は、第一に「マーク* を
「レーザービーム強度が高レベルPHのときに形成され
るマーク」と定義するとき、マーク* 長記録方式に則し
た情報信号に従いレーザービームの強度を高レベルPH
と低レベルPL との間でパルス変調し、変調されたレー
ザービームを「回転している、少なくともメモリー層と
ランティング層の2層からなるオーバーライト可能な光
磁気記録媒体」に対し照射し、これにより媒体上にマー
ク* を形成し、このマーク* の長さにより情報を表す、
オーバーライト可能な光磁気記録方法において、前記マ
ーク* 間隔が短いときには相対的にPL を低くし、間隔
が長いときには相対的にPL を高くすることを特徴とす
る方法(請求項1)」を提供する。
「レーザービーム強度が高レベルPHのときに形成され
るマーク」と定義するとき、マーク* 長記録方式に則し
た情報信号に従いレーザービームの強度を高レベルPH
と低レベルPL との間でパルス変調し、変調されたレー
ザービームを「回転している、少なくともメモリー層と
ランティング層の2層からなるオーバーライト可能な光
磁気記録媒体」に対し照射し、これにより媒体上にマー
ク* を形成し、このマーク* の長さにより情報を表す、
オーバーライト可能な光磁気記録方法において、前記マ
ーク* 間隔が短いときには相対的にPL を低くし、間隔
が長いときには相対的にPL を高くすることを特徴とす
る方法(請求項1)」を提供する。
【0101】第二に、「請求項1に記載の方法におい
て、マーク* 間隔が短いときには、前記PL を 式:Hc1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときには、前記
PL を前記温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも
高くすることを特徴とする方法。
て、マーク* 間隔が短いときには、前記PL を 式:Hc1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときには、前記
PL を前記温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも
高くすることを特徴とする方法。
【0102】但し、Hc1はメモリー層の保磁力、MS1は
メモリー層の飽和磁化、t1 はメモリー層の膜厚である
(請求項2)」を提供する。第三に、「マーク* を「レ
ーザービーム強度が高レベルPH のときに形成されるマ
ーク」と定義するとき、レーザービーム光源、光源に駆
動電流を供給する電源、レーザービームの強度(高レベ
ルPH と低レベルPL )を所定値に設定する設定信号の
発生部、マーク* 長記録方式に則した情報信号及び前記
設定信号に従い前記駆動電流をパルス変調するパルス変
調手段、並びに、記録磁界Hb 印加手段からなるオーバ
ーライト可能な光磁気記録装置において、前記情報信
号から「マーク* の終端を表す信号」と「次のマーク*
の始端を表す信号」との間隔(マーク* 間隔に相当)を
測定する間隔測定手段、及び、前記間隔が短いときに
は相対的にPL を低くし前記間隔が長いときには、相対
的にPL を高くする補正手段を設けたことを特徴とする
装置(請求項3)」を提供する。
メモリー層の飽和磁化、t1 はメモリー層の膜厚である
(請求項2)」を提供する。第三に、「マーク* を「レ
ーザービーム強度が高レベルPH のときに形成されるマ
ーク」と定義するとき、レーザービーム光源、光源に駆
動電流を供給する電源、レーザービームの強度(高レベ
ルPH と低レベルPL )を所定値に設定する設定信号の
発生部、マーク* 長記録方式に則した情報信号及び前記
設定信号に従い前記駆動電流をパルス変調するパルス変
調手段、並びに、記録磁界Hb 印加手段からなるオーバ
ーライト可能な光磁気記録装置において、前記情報信
号から「マーク* の終端を表す信号」と「次のマーク*
の始端を表す信号」との間隔(マーク* 間隔に相当)を
測定する間隔測定手段、及び、前記間隔が短いときに
は相対的にPL を低くし前記間隔が長いときには、相対
的にPL を高くする補正手段を設けたことを特徴とする
装置(請求項3)」を提供する。
【0103】第四に、「請求項3に記載の装置におい
て、前記補正手段が、「マーク* 間隔が短いときには、
前記PL を 式:Hc1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときには、前記
PL を前記温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも
高くする手段」であることを特徴とする装置。
て、前記補正手段が、「マーク* 間隔が短いときには、
前記PL を 式:Hc1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときには、前記
PL を前記温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも
高くする手段」であることを特徴とする装置。
【0104】但し、Hc1はメモリー層の保磁力、MS1は
メモリー層の飽和磁化、t1 はメモリー層の膜厚である
(請求項4)」を提供する。
メモリー層の飽和磁化、t1 はメモリー層の膜厚である
(請求項4)」を提供する。
【0105】
【作用】本発明の対象となる情報記録媒体は前述の基本
発明や選択発明で説明した、オーバーライト可能な光磁
気記録媒体であり、メモリー層(M層)とライティング
層(W層)の少なくとも二層から成る。本発明によれ
ば、マーク* 間隔が短いときはPL を相対的に低くし、
長いときはPL を相対的に高くするが、高くしてもPL
がPH の最低値PHminより高くしてはいけない。もし、
高くすると、マーク* が形成されてしまう。
発明や選択発明で説明した、オーバーライト可能な光磁
気記録媒体であり、メモリー層(M層)とライティング
層(W層)の少なくとも二層から成る。本発明によれ
ば、マーク* 間隔が短いときはPL を相対的に低くし、
長いときはPL を相対的に高くするが、高くしてもPL
がPH の最低値PHminより高くしてはいけない。もし、
高くすると、マーク* が形成されてしまう。
【0106】本発明によれば、記録密度を上げてもマー
ク* の終端と始端の輪郭がはっきりし、また揃う。その
結果、再生信号の振幅が大きくなり、且つ山の部分の幅
のばらつきが小さくなり、このことが読み取りエラーを
低下させるものと推定される。以下、実施例により本発
明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限られる
ものではない。
ク* の終端と始端の輪郭がはっきりし、また揃う。その
結果、再生信号の振幅が大きくなり、且つ山の部分の幅
のばらつきが小さくなり、このことが読み取りエラーを
低下させるものと推定される。以下、実施例により本発
明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限られる
ものではない。
【0107】
【実施例1】図1は、本実施例にかかるオーバーライト
可能な光磁気記録装置の主要部分を示す回路図である。
図に示した部分以外に、媒体の回転手段、記録磁界Hb
印加手段及び場合により初期化補助磁界Hini. 印加手段
が、装置を構成する。原情報は、先ず暗号化手段(11)に
入力され、そこで(2,7) 変調によりマーク*長記録方式
に則した情報信号(つまり暗号)に変換される。変換さ
れた情報信号(暗号)は入力部(12)に入る。入力部(12)
は特に設けなくともよい。入力した情報信号は、次に間
隔測定手段(13)とパルス変調手段(17)の両方に入る。間
隔測定手段(13)は「マーク* の終端を表す信号」と「次
のマーク* の始端を表す信号」との間隔(マーク* 間隔
に相当)を測定する。
可能な光磁気記録装置の主要部分を示す回路図である。
図に示した部分以外に、媒体の回転手段、記録磁界Hb
印加手段及び場合により初期化補助磁界Hini. 印加手段
が、装置を構成する。原情報は、先ず暗号化手段(11)に
入力され、そこで(2,7) 変調によりマーク*長記録方式
に則した情報信号(つまり暗号)に変換される。変換さ
れた情報信号(暗号)は入力部(12)に入る。入力部(12)
は特に設けなくともよい。入力した情報信号は、次に間
隔測定手段(13)とパルス変調手段(17)の両方に入る。間
隔測定手段(13)は「マーク* の終端を表す信号」と「次
のマーク* の始端を表す信号」との間隔(マーク* 間隔
に相当)を測定する。
【0108】測定手段(13)は、情報信号のマーク* 間隔
が3T(最短)から8T(最長)までのどれに当たるか
測定し、この結果を補正手段(14)に送る。補正手段(14)
は、図2に示す変換規則に従い、PL の補正値を算出す
る。この補正値は制御部(16)に送られる。一方、装置に
は、レーザービームの強度(高レベルPH と低レベルP
L )を所定値に設定する設定信号の発生部(15)がある。
所定値は媒体によって異なる。媒体に記された所定値
(PH =10.0mW、PL =5.0 mW、PLmin=4.0 mW)に従
って、装置の操作者が所定値を設定する。これにより、
発生部(15)が設定信号を出力する。設定信号は制御部(1
6)に送られる。制御部(16)は設定信号に基づき電源(10)
からの電力を実際のPH 値とPL 値に制御する。但し、
PL 値は、補正手段(14)からの補正値が来るので、これ
に基づきPL 値が決定される。例えば、5Tのときには
PL は3.0mW である。これらのPH 、PL は、パルス変
調手段(17)に入力される。変調手段(17)は、制御部(16)
からのPH 、PL と入力部(12)からの情報信号に基づ
き、レーザービームの駆動波形(Z)を作る。この波形
が半導体レーザーからなる光源(18)に入力され、そうす
ると、光源が駆動波形(Z)に基づいて変調されたレー
ザービームを出力する。
が3T(最短)から8T(最長)までのどれに当たるか
測定し、この結果を補正手段(14)に送る。補正手段(14)
は、図2に示す変換規則に従い、PL の補正値を算出す
る。この補正値は制御部(16)に送られる。一方、装置に
は、レーザービームの強度(高レベルPH と低レベルP
L )を所定値に設定する設定信号の発生部(15)がある。
所定値は媒体によって異なる。媒体に記された所定値
(PH =10.0mW、PL =5.0 mW、PLmin=4.0 mW)に従
って、装置の操作者が所定値を設定する。これにより、
発生部(15)が設定信号を出力する。設定信号は制御部(1
6)に送られる。制御部(16)は設定信号に基づき電源(10)
からの電力を実際のPH 値とPL 値に制御する。但し、
PL 値は、補正手段(14)からの補正値が来るので、これ
に基づきPL 値が決定される。例えば、5Tのときには
PL は3.0mW である。これらのPH 、PL は、パルス変
調手段(17)に入力される。変調手段(17)は、制御部(16)
からのPH 、PL と入力部(12)からの情報信号に基づ
き、レーザービームの駆動波形(Z)を作る。この波形
が半導体レーザーからなる光源(18)に入力され、そうす
ると、光源が駆動波形(Z)に基づいて変調されたレー
ザービームを出力する。
【0109】図3に示すように、マーク間隔が相対的に
短いものから長いものになるにしたがって、PL パワー
を高くして記録マークを形成する。このように設定し、
オーバーライト可能な光磁気記録媒体にマーク長変調に
より記録マークを形成し、再生信号を得た。図3の再生
信号波形を見ると、形成したマークのマーク間隔の長さ
に関係なく、記録信号の反転位置と記録マークからの再
生信号波形の反転位置が一致し、ジッタが少なくなる。
また、再生信号の振幅の差が小さくなり信号振幅の劣化
が起こらず、記録信号が誤りなく記録され、再生され
る。
短いものから長いものになるにしたがって、PL パワー
を高くして記録マークを形成する。このように設定し、
オーバーライト可能な光磁気記録媒体にマーク長変調に
より記録マークを形成し、再生信号を得た。図3の再生
信号波形を見ると、形成したマークのマーク間隔の長さ
に関係なく、記録信号の反転位置と記録マークからの再
生信号波形の反転位置が一致し、ジッタが少なくなる。
また、再生信号の振幅の差が小さくなり信号振幅の劣化
が起こらず、記録信号が誤りなく記録され、再生され
る。
【0110】
【実施例2】実施例1の装置を用いて、M層とW層から
なるオーバーライト可能な光磁気記録媒体に記録した。
そして、通常の光磁気記録再生装置で再生した。この結
果の一部を図3に示す。再生によって、図3に示すよう
にマーク* 間隔が相対的に短いときPL は相対的に低
い。再生信号波形を見ると、マーク* 間隔の長短に関係
なく、駆動波形(Z)の反転位置と再生信号波形の反転
位置が一致し、ジッタはほとんど発生しない。また、マ
ークの長さが長い場合と短い場合の再生信号の振幅の差
が小さくなる。
なるオーバーライト可能な光磁気記録媒体に記録した。
そして、通常の光磁気記録再生装置で再生した。この結
果の一部を図3に示す。再生によって、図3に示すよう
にマーク* 間隔が相対的に短いときPL は相対的に低
い。再生信号波形を見ると、マーク* 間隔の長短に関係
なく、駆動波形(Z)の反転位置と再生信号波形の反転
位置が一致し、ジッタはほとんど発生しない。また、マ
ークの長さが長い場合と短い場合の再生信号の振幅の差
が小さくなる。
【0111】〔比較例〕補正手段(14)をオフ(off) にし
て実施例2の記録を実行した。つまり、PL をマーク*
間隔の長短に関係なく、従来通りに一定(PL = 5.0mW)
にした。この結果を図4に示す。この場合、図5〜8に
示したようにマーク* 間隔が相対的に長く(6T〜8
T)なると振幅は大きくなり、ジッタは発生しなくな
る。しかし、マーク* 間隔が相対的に短く( 3T〜5T
)なると再生信号の振幅が小さくなるとともに、ジッタ
が発生する。
て実施例2の記録を実行した。つまり、PL をマーク*
間隔の長短に関係なく、従来通りに一定(PL = 5.0mW)
にした。この結果を図4に示す。この場合、図5〜8に
示したようにマーク* 間隔が相対的に長く(6T〜8
T)なると振幅は大きくなり、ジッタは発生しなくな
る。しかし、マーク* 間隔が相対的に短く( 3T〜5T
)なると再生信号の振幅が小さくなるとともに、ジッタ
が発生する。
【0112】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、記録密度
を上げてもマークの終端と始端の輪郭が鮮明になり、ま
た形状も揃うので、再生信号の振幅が大きくなり、また
山の部分の幅のばらつきも小さくなる。更に、再生信号
のジッタが低下する。そのため、読み取りエラーが低下
する。また、消し残りも少なく、良好なオーバーライト
特性が得られる。
を上げてもマークの終端と始端の輪郭が鮮明になり、ま
た形状も揃うので、再生信号の振幅が大きくなり、また
山の部分の幅のばらつきも小さくなる。更に、再生信号
のジッタが低下する。そのため、読み取りエラーが低下
する。また、消し残りも少なく、良好なオーバーライト
特性が得られる。
【図 1】は、本発明の実施例にかかる光磁気装置の簡単
な回路である。
な回路である。
【図2】は、補正手段の変換規則を示す図である。
【図3】は、実施例における情報信号(Y)とレーザー
ビームの駆動波形(Z)と再生信号波形を示す波形図で
ある。
ビームの駆動波形(Z)と再生信号波形を示す波形図で
ある。
【図4】は、比較例における情報信号(Y)とレーザー
ビームの駆動波形(Z)と再生信号波形を示す波形図で
ある。
ビームの駆動波形(Z)と再生信号波形を示す波形図で
ある。
【図5】は、最小マーク* を最短マーク* 間隔で記録し
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
【図6】は、最大マーク* を最短マーク* 間隔で記録し
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
【図7】は、最小マーク* を最長マーク* 間隔で記録し
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
【図8】は、最大マーク* を最長マーク* 間隔で記録し
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
たときの、情報信号(Y)とレーザービームの駆動波形
を示す波形図である。
【図9】は、光磁気記録方式の記録原理を説明する概念
図である。
図である。
【図10】は、光磁気記録方式の再生原理を説明する概
念図である。
念図である。
【図11】は、基本発明に従いオーバーライトする場合
のレーザービームの波形図である。
のレーザービームの波形図である。
【図12】は、基本発明に従い2本のビームでオーバー
ライトする場合のレーザービームの波形図である。
ライトする場合のレーザービームの波形図である。
【図13】は、オーバーライト可能な光磁気記録媒体の
M層、W層について保磁力と温度との関係を示すグラフ
である。
M層、W層について保磁力と温度との関係を示すグラフ
である。
【図14】は、M層とW層の磁化の向きを示す概念図で
ある。
ある。
【図15】は、M層とW層の磁化の向きの変化を示す説
明図である。
明図である。
【図16】は、Pタイプ媒体について、低温サイクル、
高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがどう変
化するかを示す説明図である。いずれも室温での状態を
示す。
高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがどう変
化するかを示す説明図である。いずれも室温での状態を
示す。
【図17】は、Aタイプ媒体について、低温サイクル、
高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがどう変
化するかを示す説明図である。いずれも室温での状態を
示す。
高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向きがどう変
化するかを示す説明図である。いずれも室温での状態を
示す。
【図18】は、M層とW層の磁化の向きの変化を示す説
明図である。
明図である。
【図19】は、希土類(RE)原子の副格子磁化を示す
ベクトル(実線の矢)と遷移金属(TM)原子の副格子
磁化を示すベクトル(点線の矢)とを比較するための説
明図である。
ベクトル(実線の矢)と遷移金属(TM)原子の副格子
磁化を示すベクトル(点線の矢)とを比較するための説
明図である。
【図20】は、副格子磁化のベクトルと合金の磁化の向
きを示すベクトル(白抜き矢)との関係を示す説明図で
ある。
きを示すベクトル(白抜き矢)との関係を示す説明図で
ある。
【図21】は、M層とW層について、それぞれREリッ
チ、TMリッチに分けた場合、オーバーライト可能な媒
体が4つの分類(1象限〜4象限)に分られることを説
明する説明図である。
チ、TMリッチに分けた場合、オーバーライト可能な媒
体が4つの分類(1象限〜4象限)に分られることを説
明する説明図である。
【図22】は、オーバーライト可能な光磁気記録媒体N
o. 1−1のM層、W層について保磁力と温度との関係
を示すグラフである。
o. 1−1のM層、W層について保磁力と温度との関係
を示すグラフである。
【図23】は、媒体No. 1−1の媒体について、低温サ
イクルと高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向き
が、どう変化するかを示す概念図である。
イクルと高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向き
が、どう変化するかを示す概念図である。
【図24】は、選択発明にかかる4層膜構造のオーバー
ライト可能な光磁気記録媒体について、そのオーバーラ
イト原理を説明する説明図である。
ライト可能な光磁気記録媒体について、そのオーバーラ
イト原理を説明する説明図である。
【図25】は、原情報(X)を暗号化(Y)した一例の
図である。
図である。
L・・・レーザービーム Lp ・・直線偏光 B1 ・・「A向き」の磁化を有するマーク B0 ・・「逆A向き」の磁化を有するマーク S・・・基板 MO・・垂直磁化膜(光磁気記録層) M・・・メモリー層 W・・・ライティング層 11・・暗号化手段 12・・入力部 13・・マーク* の間隔測定手段 14・・PL の補正手段 15・・基準PH 、PL を設定する設定信号の発生部 16・・レーザーの制御部 17・・パルス変調手段 18・・光源
Claims (4)
- 【請求項1】マーク* を「レーザービーム強度が高レベ
ルPH のときに形成されるマーク」と定義するとき、マ
ーク* 長記録方式に則した情報信号に従いレーザービー
ムの強度を高レベルPH と低レベルPL との間でパルス
変調し、変調されたレーザービームを「回転している、
少なくともメモリー層とランティング層の2層からなる
オーバーライト可能な光磁気記録媒体」に対し照射し、
これにより媒体上にマーク* を形成し、このマーク* の
長さにより情報を表す、オーバーライト可能な光磁気記
録方法において、 前記マーク* 間隔が短いときには相対的にPL を低く
し、間隔が長いときには相対的にPL を高くすることを
特徴とする方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法において、マーク*
間隔が短いときには、前記PL を 式:Hc1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときには、前記
PL を前記温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも
高くすることを特徴とする方法。但し、Hc1はメモリー
層の保磁力、MS1はメモリー層の飽和磁化、t1 はメモ
リー層の膜厚である。 - 【請求項3】マーク* を「レーザービーム強度が高レベ
ルPH のときに形成されるマーク」と定義するとき、レ
ーザービーム光源、光源に駆動電流を供給する電源、レ
ーザービームの強度(高レベルPH と低レベルPL )を
所定値に設定する設定信号の発生部、マーク* 長記録方
式に則した情報信号及び前記設定信号に従い前記駆動電
流をパルス変調するパルス変調手段、並びに、記録磁界
Hb 印加手段からなるオーバーライト可能な光磁気記録
装置において、 前記情報信号から「マーク* の終端を表す信号」と
「次のマーク* の始端を表す信号」との間隔(マーク*
間隔に相当)を測定する間隔測定手段、及び、前記間
隔が短いときには相対的にPL を低くし前記間隔が長い
ときには、相対的にPL を高くする補正手段を設けたこ
とを特徴とする装置。 - 【請求項4】請求項3に記載の装置において、前記補正
手段が、「マーク* 間隔が短いときには、前記PL を 式:Hc1<σW /2MS1t1 が満足される最低の温度TLminを媒体にもたらす強度P
Lminよりも低くし、マーク* 間隔が長いときには、前記
PL を前記温度TLminを媒体に与える強度PLminよりも
高くする手段」であることを特徴とする装置。但し、H
c1はメモリー層の保磁力、MS1はメモリー層の飽和磁
化、t1 はメモリー層の膜厚である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4022614A JPH05225633A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | オーバーライト可能な光磁気記録媒体への記録方法及び 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4022614A JPH05225633A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | オーバーライト可能な光磁気記録媒体への記録方法及び 記録装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05225633A true JPH05225633A (ja) | 1993-09-03 |
Family
ID=12087718
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4022614A Pending JPH05225633A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | オーバーライト可能な光磁気記録媒体への記録方法及び 記録装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05225633A (ja) |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP4022614A patent/JPH05225633A/ja active Pending
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