JPH05120746A - オーバーライト可能な光磁気記録媒体用カートリツジ - Google Patents

オーバーライト可能な光磁気記録媒体用カートリツジ

Info

Publication number
JPH05120746A
JPH05120746A JP3279571A JP27957191A JPH05120746A JP H05120746 A JPH05120746 A JP H05120746A JP 3279571 A JP3279571 A JP 3279571A JP 27957191 A JP27957191 A JP 27957191A JP H05120746 A JPH05120746 A JP H05120746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetization
medium
state
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3279571A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaharu Kaneko
久治 金子
Katsumi Kanakubo
勝巳 金久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP3279571A priority Critical patent/JPH05120746A/ja
Publication of JPH05120746A publication Critical patent/JPH05120746A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オーバーライト可能な光磁気記録ディスクに
対して、十分な初期補助磁界(Hini. )印加強度を与
え、且つこの手段を内蔵させたカートリッジ本体の機械
的強度の低下を防ぐ。 【構成】 メモリー層とライティング層の少なくとも2
層から成る光変調方式でオーバーライトが可能な光磁気
記録ディスク(3)及びHini. 磁石(5)、(6)をカ
ートリッジ本体に収納する。そして、カートリッジ本体
全体(1)あるいはその一部を磁性体によって構成し、
Hini. 磁石との間に磁気回路を形成する。 【効果】 十分なHini. 印加強度が得られ、磁性体は高
い機械的強度を有するのでカートリッジの機械的強度の
低下が防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーバーライト可能な
光磁気記録ディスク(媒体)を収納したカートリッジに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、高密度、大容量、高いアクセス速
度、並びに高い記録及び再生速度を含めた種々の要求を
満足する光学的記録再生方法、それに使用される記録装
置、再生装置及び記録媒体を開発しようとする努力が成
されている。広範囲な光学的記録再生方法の中で、光磁
気記録再生方法は、情報を記録した後、消去することが
でき、再び新たな情報を記録することが繰り返し何度も
可能であるというユニークな利点のために、最も大きな
魅力に満ちている。
【0003】この光磁気記録再生方法で使用される記録
媒体は、記録を残す層として1層又は多層からなる垂直
磁化膜(perpendicular magnetic layer or layers) を
有する。この磁化膜は、例えばアモルファスのGdFeやGd
Co、GdFeCo、TbFe、TbCo、TbFeCoなどからなる。垂直磁
化膜は、一般に同心円状又はらせん状のトラックを有し
ており、このトラックの上に情報が記録される。トラッ
クは明示的な場合と黙示的な場合の2通りある。 〔明示的なトラック〕光磁気記録媒体はディスク形状を
している。明示的なトラックを有するディスクは、ディ
スク平面に対し垂直方向から見た場合、情報を記録する
トラックが渦巻状又は同心円状に形成されている。そし
て、隣接する2つのトラック間にトラッキングのため及
び分離のための溝(グルーブ)が存在する。逆に溝と溝
の間をランドと呼ぶ。実際には、ディスクの裏表でラン
ドと溝が逆になる。そこで、ビームが入射するのと同じ
にディスクを見て、手前を溝、奥をランドと呼ぶ。垂直
磁化膜は、溝の上にもランドの上にも一面に形成するの
で、溝の部分をトラックにしてもよいし、ランドの部分
をトラックにしてもよい。溝の幅とランドの幅との間に
特に大小関係はない。
【0004】このようなランドと溝を構成するために、
基板には、表面に渦巻状又は同心円状に形成されたラン
ドと、2つの隣合うランド間に挟まれた溝が存在する。
このような基板上に垂直磁化膜が形成される。 〔マーク〕本明細書では、膜面に対し「上向き(upwar
d) 」又は「下向き(downward)」の何れか一方を、「A
向き」、他方を「逆A向き」と定義する。記録すべき情
報は、予め2値化されており、この情報が「A向き」の
磁化を有するマーク(B1)と、「逆A向き」の磁化を有
するマーク(B0)の2つの信号で記録される。これらの
マークB1 ,B0 は、デジタル信号の1,0の何れか一
方と他方にそれぞれ相当する。しかし、一般には記録さ
れるトラックの磁化は、記録前に強力な外部磁場を印加
することによって「逆A向き」に揃えられる。この磁化
の向きを揃える行為は、古い意味で「初期化* (initia
lize* )」と呼ばれる。その上でトラックに「A向き」
の磁化を有するマーク(B1)を形成する。情報は、この
マーク(B1)の有無及び/又はマーク長によって表現さ
れる。尚、マークは、過去にピット又はビットと呼ばれ
たことがあるが、最近はマークと呼ぶ。 〔マーク形成の原理〕マークの形成に於いては、レーザ
ーの特徴即ち空間的時間的に素晴らしい凝集性(coheren
ce) が有利に使用され、レーザー光の波長によって決定
される回折限界とほとんど同じ位に小さいスポットにビ
ームが絞り込まれる。絞り込まれた光はトラック表面に
照射され、垂直磁化膜に直径が1μm以下のマークを形
成することにより情報が記録される。光学的記録におい
ては、理論的に約108 マーク/cm2 までの記録密度を達
成することができる。何故ならば、レーザビームはその
波長とほとんど同じ位に小さい直径を有するスポットに
まで凝縮(concentrate)することが出来るからである。
【0005】図3に示すように、光磁気記録において
は、レーザービーム(L)を垂直磁化膜(MO)の上に
絞りこみ、それを加熱する。その間、初期化* された向
きとは反対の向きの記録磁界(Hb)を加熱された部分に
外部から印加する。そうすると局部的に加熱された部分
の保磁力Hc(coersivity) は減少し記録磁界(Hb)より
小さくなる。その結果、その部分の磁化は、記録磁界
(Hb)の向きに並ぶ。こうして逆に磁化されたマークが
形成される。
【0006】フェロ磁性材料とフェリ磁性材料では、磁
化及びHc の温度依存性が異なる。フェロ磁性材料はキ
ュリー点付近で減少するHc を有し、この現象に基づい
て記録が実行される。従って、Tc 書込み(キュリー点
書込み)と引用される。他方、フェリ磁性材料はキュリ
ー点より低い補償温度(compensationtemperature ) T
comp. を有しており、そこでは磁化(M)はゼロにな
る。逆にその温度付近でHc が非常に大きくなり、その
温度から外れるとHc が急激に低下する。この低下した
Hc は、比較的弱い記録磁界(Hb)によって打ち負かさ
れる。つまり、記録が可能になる。この記録プロセスは
comp. 書込み(補償点書込み)と呼ばれる。
【0007】もっとも、キュリー点又はその近辺、及び
補償温度の近辺にこだわる必要はない。要するに、室温
より高い所定の温度に於いて、低下したHc を有する磁
性材料に対し、その低下したHc を打ち負かせる記録磁
界(Hb )を印加すれば、記録は可能である。但し、室
温より高い所定の温度に達していない領域(この領域の
Hc は元の高いHc を有する)にある垂直磁化膜(M
O)の磁化を反転するような高すぎるHb は、不可であ
る。 〔再生の原理〕図4は、光磁気効果に基づく情報再生の
原理を示す。光は、光路に垂直な平面上で全ての方向に
通常は発散している電磁場ベクトルを有する電磁波であ
る。光が直線偏光(Lp ) に変換され、そして垂直磁化
膜(MO)に照射されたとき、光はその表面で反射され
るか又は垂直磁化膜(MO)を透過する。このとき、偏
光面は磁化Mの向きに従って回転する。この回転する現
象は、磁気カー(Kerr)効果又は磁気ファラデー(Farada
y) 効果と呼ばれる。
【0008】例えば、もし反射光の偏光面が「A向き」
磁化に対してθk 度回転するとすると、「逆A向き」磁
化に対しては−θk 度回転する。従って、光アナライザ
ー(偏光子)の軸を−θk 度傾けた面に垂直にセットし
ておくと、「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)から
反射された光はアナライザーを透過することができな
い。それに対して「A向き」に磁化されたマーク(B1)
から反射された光は、(sin2θk)2 を乗じた分がアナラ
イザーを透過し、ディテクター(光電変換手段)に捕獲
される。その結果、「A向き」に磁化されたマーク(B
1)は「逆A向き」に磁化されたマーク(B0)よりも明る
く見え、ディテクターに於いて強い電気信号を発生させ
る。このディテクターからの電気信号は、記録された情
報に従って変調されるので、情報が再生されるのであ
る。
【0009】ところで、記録ずみの媒体を再使用するに
は、 (1) 媒体を再び初期化* 装置で初期化* するか、
又は (2) 記録装置に記録ヘッドと同様な消去ヘッドを
併設するか、又は(3) 予め、前段処理として記録装置
又は消去装置を用いて記録ずみ情報を消去する必要があ
る。従って、光磁気記録方式では、これまで、記録ずみ
情報の有無にかかわらず新たな情報をその場で記録でき
るオーバーライトは、不可能とされていた。
【0010】もっとも、もし記録磁界Hb の向きを必要
に応じて「A向き」と「逆A向き」との間で自由に変調
することができれば、オーバーライトが可能になる。し
かしながら、記録磁界Hb の向きを高速度で変調するこ
とは不可能である。例えば、記録磁界Hb が永久磁石で
ある場合、磁石の向きを機械的に反転させる必要があ
る。しかし、磁石の向きを高速で反転させることは、無
理である。記録磁界Hbが電磁石である場合にも、大容
量の電流の向きをそのように高速で変調することは不可
能である。
【0011】しかしながら、技術の進歩は著しく、記録
磁界Hb の強度を変調せずに(ON、OFF を含む) 又は記
録磁界Hb の向きを変調せずに、照射する光ビームの強
度を記録すべき2値化情報に従い変調するだけで、オー
バーライトが可能な光磁気記録方法と、それに使用され
るオーバーライト可能な光磁気記録媒体と、同じくそれ
に使用されるオーバーライト可能な記録装置が発明さ
れ、特許出願された(特開昭62−175948号=DE3,619,61
8A1 =米国特許出願中 Ser.No453,255) 。以下、この発
明を「基本発明」と引用する。 〔基本発明の説明〕基本発明では、「基本的に垂直磁化
可能な磁性薄膜からなる記録再生層recording layer
(本明細書では、この記録再生層をメモリー層 memory
layer又はM層と言う)と、垂直磁化可能な磁性薄膜か
らなる記録補助層 referencelayer (本明細書では、こ
の記録補助層をライティング層writing layer 又はW
層と言う)とを含み、両層は交換結合しており、かつ、
室温でM層の磁化の向きは変えないでW層の磁化のみを
所定の向きに向けておくことができるオーバーライト可
能な多層光磁気記録媒体」を使用する。
【0012】そして、情報をM層(場合によりW層に
も)における「A向き」磁化を有するマークと「逆A向
き」磁化を有するマークで表現し、記録するのである。
この媒体は、W層が外部手段(例えば初期補助磁界Hin
i. )によって、その磁化の向きを「A向き」に揃える
ことができる。しかも、そのとき、M層は、磁化の向き
は反転せず、更に、一旦「A向き」に揃えられたW層の
磁化の向きは、M層からの交換結合力を受けても反転せ
ず、逆にM層の磁化の向きは、「A向き」に揃えられた
W層からの交換結合力を受けても反転しない。
【0013】そして、W層は、M層に比べて低い保磁力
C と高いキュリー点TC を持つ。基本発明の記録方法
によれば、記録媒体は、記録前までに、外部手段により
W層の磁化の向きが「A向き」に揃えられる。この行為
を本明細書では特別に“初期化(initialize)”と呼ぶ。
この“初期化”はオーバーライト可能な媒体に特有なこ
とである。
【0014】その上で、2値化情報に従いパルス変調さ
れたレーザービームが媒体に照射される。レーザービー
ムの強度は、高レベルPH と低レベルPL があり、これ
はパルスの高レベルと低レベルに相当する。この低レベ
ルは、再生時に媒体を照射する再生レベルPR よりも高
い。既に知られているように、記録をしない時にも、例
えば媒体における所定の記録場所をアクセスするために
レーザービームを<非常な低レベル>で点灯することが
ある。この<非常な低レベル>も、再生レベルPR と同
一又は近似のレベルである。従って、例えば、基本発明
におけるレーザービームの出力波形は、図5の通りにな
る。
【0015】なお、基本発明の明細書には明記されてい
ないが、基本発明では、記録用のビームは、1本ではな
く近接した2本のビームを用いて、先行ビームを原則と
して変調しない低レベルのレーザービーム(消去用)と
し、後行ビームを情報に従い変調する高レベルのレーザ
ービーム(書込用)としてもよい。 この場合、後行ビ
ームは、高レベルと基底レベル(低レベルと同一又はそ
れより低いレベルであり、出力がゼロでもよい)との間
でパルス変調される。この場合の出力波形は例えば図6
に示される。
【0016】ビームが照射された部分の媒体に、向きも
強度も変調されない記録磁界Hb が作用する。Hb は、
ビームの照射された部分(スポット領域)と同じ位の寸
法に絞ることはできず、Hb が作用する領域は、スポッ
ト領域に比べれば、ずっと大きい。低レベルのビームが
照射されると、前のマークの磁化の向きに無関係に、M
層に「A向き」のマーク(B1)又は「逆A向き」のマー
ク(B0)の一方が形成される。
【0017】そして、高レベルのビームが照射される
と、前のマークの磁化の向きに無関係に、M層に他方の
マークが形成される。これでオーバーライトが完了す
る。基本発明では、レーザービームは、記録すべき情報
に従いパルス状に変調される。しかし、このこと自身
は、従来の光磁気記録でも行われており、記録すべき2
値化情報に従いビーム強度をパルス状に変調する手段は
既知の手段である。例えば、THE BELL SYSTEM TECHN
ICAL JOURNAL, Vol.62(1983),1923 −1936に詳しく説
明されている。従って、ビーム強度の必要な高レベルと
低レベルが与えられれば、従来の変調手段を一部修正す
るだけで容易に入手できる。当業者にとって、そのよう
な修正は、ビーム強度の高レベルと低レベルが与えられ
れば、容易であろう。
【0018】基本発明に於いて特徴的なことの1つは、
ビーム強度の高レベルと低レベルである。即ち、ビーム
強度が高レベルの時に、記録磁界Hb その他の外部手段
によりW層の「A向き」磁化を「逆A向き」に反転(re
verse)させ、このW層の「逆A向き」磁化によってM層
に「逆A向き」磁化〔又は「A向き」磁化〕を有するマ
ークを形成する。ビーム強度が低レベルの時は、W層の
磁化の向きは、“初期化”状態と変わらず、そして、W
層の作用(この作用は交換結合力を通じてM層に伝わ
る)によってM層に「A向き」磁化〔又は「逆A向き」
磁化〕を有するマークを形成する。
【0019】なお、本明細書で、○○○〔又は△△△〕
という表現は、先に〔 〕の外の○○○を読んだときに
は、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも、〔 〕の
外の○○○を読むことにする。それに対して先に○○○
を読まずに〔 〕内の△△△の方を選択して読んだとき
には、以下の○○○〔又は△△△〕のときにも○○○を
読まずに〔 〕内の△△△を読むものとする。
【0020】基本発明で使用される媒体は、第1実施態
様と第2実施態様とに大別される。いずれの実施態様に
おいても、 記録媒体は、M層とW層を含む多層構造を
有する。M層は、室温で保磁力が高く磁化反転温度が低
い磁性層である。W層はM層に比べ相対的に室温で保磁
力が低く磁化反転温度が高い磁性層である。なお、M層
とW層ともに、それ自体多層膜から構成されていてもよ
い。 場合によりM層とW層との間に第3の層(例え
ば、交換結合力σW の調整層:特開昭64−50257 、特開
平1−273248 参照)が存在していてもよい。更にM層
とW層との間に明確な境界がなく、一方から徐々に他方
に変わってもよい。
【0021】第1実施態様では、M層の保磁力をHC1
W層のそれをHC2、M層のキュリー点をTC1、W層のそ
れをTC2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービーム
を照射した時の記録媒体の温度をTL 、高レベルPH
レーザービームを照射した時のそれをTH 、M層が受け
る結合磁界をHD1(HD1はσW をM層飽和磁気モーメン
トMS とM層の膜厚tとの積で割った商で算出され
る)、W層が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層
飽和磁気モーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った
商で算出される)とした場合、記録媒体は、下記の式1
を満足し、そして室温で式2〜5を満足するものであ
る。
【0022】 TR <TC1≒TL <TC2≒TH……………式1 HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|………式2 HC1>HD1 …………………………………式3 HC2>HD2 …………………………………式4 HC2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1──式5 上記式中、符号「≒」は、等しいか又はほぼ等しい(±
20℃位) ことを表す。また上記式中、複合±について
は、上段が後述するA(antiparallel) タイプの媒体の
場合であり、下段は後述するP(parallel)タイプの媒体
の場合である。なお、フェロ磁性体媒体はPタイプに属
する。
【0023】つまり、保磁力と温度との関係をグラフで
表すと、一般には図7の如くなる。細線はM層のそれ
を、太線はW層のそれを表す。従って、この記録媒体に
室温で外部手段例えば初期補助磁界(Hini.) を印加する
と、 式5によれば、M層の磁化の向きは反転せずにW
層の磁化のみが反転する。そこで、記録前に媒体に外部
手段から作用(例えば、初期補助磁界Hini.)を及ぼす
と、W層の磁化のみが「A向き」−−−−−ここでは
「A向き」を便宜的に本明細書紙面において上向きの矢
↑で示し、「逆A向き」を下向きの矢↓で示す−−−−
−に揃えられる。そして、Hini. がなくなっても、式4
により、W層の磁化↑は再反転せずにそのまま保持され
る。
【0024】外部手段によりW層の磁化のみが、記録前
までに「A向き」↑に揃えられた状態−−−−“初期
化”された状態−−−−を概念的に表すと、図8にな
る。図8でM層における磁化の向き* は、それまでに記
録されていた情報を表わす。以下の説明においては、向
きに関係がないので、これをXで示し簡略化すると、図
8は、図9の状態1で示せる。
【0025】ここにおいて、高レベルのレーザービーム
を照射して媒体温度をTH に上昇させる。すると、TH
はキュリー点TC1より高温度なのでM層の磁化は消失し
てしまう。 更にTH はキュリー点TC2付近なのでW層
の磁化も全く又はほぼ消失する。ここで、媒体の種類に
応じて「A向き」又は「逆A向き」の記録磁界Hb を印
加する。Hb は、媒体自身からの浮遊磁界でもよい。説
明を簡単にするために「逆A向き」↓の記録磁界Hb を
印加したとする。媒体は移動しているので、照射された
部分は、レーザービームから直ぐに遠ざかり、冷却され
る。Hb の存在下で、媒体の温度が低下すると、W層の
磁化は、Hb に従い、反転されて「逆A向き」↓の磁化
となる(図9状態2)。
【0026】そして、さらに放冷が進み、媒体温度がT
C1より少し下がると、再びM層の磁化が現れる。その場
合、磁気的結合(交換結合)力のために、M層の磁化の
向きは、W層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「逆A向き」↓のマーク(Pタ
イプの媒体の場合)又は「A向き」↑のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この状態が図9
状態3(Pタイプ)又は状態4(Aタイプ)である。
【0027】この高レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは高温サイクルと呼ぶことにする。次
に、低レベルPL のレーザービームを照射して 媒体温
度をTL に上昇させる。TL はキュリー点TC1付近なの
でM層の磁化は全く又はほぼ消失してしまうが、キュリ
ー点TC2よりは低温であるのでW層の磁化は消失しな
い。この状態は図9状態5で示される。ここでは、記録
磁界Hb は、不要であるが、高速度(短時間)でHb を
ON,OFFすることは不可能である。従って、止むを
得ず高温サイクルのときのままになっている。
【0028】しかし、HC2はまだ大きいままなので、H
b によってW層の磁化↑が反転することはない。媒体は
移動しているので、照射された部分は、レーザービーム
から直ぐに遠ざかり、冷却される。冷却が進むと、再び
M層に磁化が現れる。現れる磁化の向きは、磁気的結合
力のためにW層の影響を受け所定の向きとなる。その結
果、媒体の種類に応じて「A向き」↑のマーク(Pタイ
プの媒体の場合)又は「逆A向き」↓のマーク(Aタイ
プの媒体の場合)がM層に形成される。この磁化は室温
でも変わらない。この状態が図9状態6(Pタイプ)又
は状態7(Aタイプ)である。
【0029】この低レベルのレーザービームによる状態
の変化をここでは低温サイクルと呼ぶことにする。以
上、説明したように、記録前のM層の磁化の向きがどう
であれ、高温サイクルと低温サイクルを選択することに
よって、「逆A向き」↓のマークと、「A向き」↑のマ
ークをM層に自由に形成できる。つまり、レーザービー
ムを情報に従い高レベル(高温サイクル)と低レベル
(低温サイクル)との間でパルス状に変調することによ
りオーバーライトが可能となる。図10を参照された
い。図10の磁化の状態は、いずれも室温又は室温に戻
ったときの結果として描いてある。
【0030】これまでの説明は、M層、W層ともに室温
とキュリー点との間に補償温度Tcomp. がない磁性体組
成について説明した。しかし、補償温度Tcomp. が存在
する場合には、それを越えると磁化の向きが反転する
こと−−−−実際にはRE、TMの各副格子磁化の向き
は変わらないが、その大小関係が逆転するので、全体
(合金)としての磁化の向きが反転する−−−−−と、
A、Pタイプが逆になるので、説明はそれだけ複雑に
なる。この場合、記録磁界Hb の向きも、室温で考えた
場合、前頁の説明の向き↓と逆になる。つまり、“初期
化”されたW層の磁化の向き↑と同じ向きのHb を印加
する。
【0031】記録媒体は一般にディスク状であり、記録
時、媒体は回転される。そのため、記録された部分(マ
ーク)は、記録後に 再び外部手段例えばHini. の作用
を受け、その結果、W層の磁化は元の「A向き」↑に揃
えられる。つまり、W層は“初期化”される。しかし、
室温では、W層の磁化の影響がM層に及ぶことはなく、
そのため記録された情報は保持される。
【0032】そこで、M層に直線偏光を照射すれば、そ
の反射光には情報が含まれているので、従来の光磁気記
録媒体と同様に情報が再生される。このようなM層及び
W層を構成する垂直磁化膜は、補償温度を有せずキュ
リー点を有するフェロ磁性体及びフェリ磁性体、並びに
補償温度、キュリー点の双方を有するフェリ磁性体の
非晶質或いは結晶質からなる群から選択される。
【0033】以上の説明は、磁化反転温度としてキュリ
ー点を利用した第1実施態様の説明である。それに対し
て第2実施態様はキュリー点より低い温度に於いて低下
したHc を利用するものである。第2実施態様は、第1
実施態様に於けるTC1の代わりにM層がW層に磁気結合
される温度TS1を使用し、TC2の代わりにW層がHbで
反転する温度TS2を使用すれば、第1実施態様と同様に
説明される。
【0034】第2実施態様では、M層の保磁力をHC1
W層のそれをHC2、M層がW層に磁気的に結合される温
度をTs1とし、W層の磁化がHb で反転する温度を
S2、室温をTR 、低レベルPL のレーザービームを照
射した時の媒体の温度をTL 、高レベルPH のレーザー
ビームを照射した時のそれをTH 、M層が受ける結合磁
界をHD1(HD1はσW をM層の飽和磁気モーメントMS
とM層の膜厚tとの積で割った商で算出される)、W層
が受ける結合磁界をHD2(HD2はσW をW層飽和磁気モ
ーメントMS とW層の膜厚tとの積で割った商で算出さ
れる)とした場合、記録媒体は、下記式6を満足し、か
つ室温で式7〜10を満足するものである。
【0035】 TR <Ts1≒TL <Ts2≒TH ……………式6 HC1>HC2+|HD1−(±HD2)|………式7 HC1>HD1 …………………………………式8 HC2>HD2─…………………………………式9 HC2+HD2<|Hini. |<HC1±HD1──式10 上記式中、複合±については、上段がA(antiparalle
l) タイプの媒体の場合であり、下段はP(parallel)タ
イプの媒体の場合である。
【0036】第2実施態様では、高温TH のとき、W層
の磁化は消失していないが、十分に弱く、M層の磁化は
消失しているか、又は十分に弱い。M層、W層ともに十
分に弱い磁化を残留していても、記録磁界Hb ↓が十分
に大きいので、Hb ↓がW層及び場合によりM層の磁化
の向きをHb ↓に従わせることができる。この状態が図
11状態2である。この後、直ちに又はレーザービ
ームの照射が無くなって放冷が進み、媒体温度がTH
り下がった時又はHb から遠ざかった時、W層がσW
を介してM層に影響を及ぼしてM層の磁化の向きを安定
な向きに従わせる。その結果、図11状態3(Pタイ
プ)又は状態4(Aタイプ)となる。
【0037】他方、低温TL のとき、W層はもちろんM
層も磁化を消失していない。 しかし、M層のそれは比
較的小さい。この場合、マークの状態には、Pタイプの
場合図11状態5と状態6の2種類あり、Aタイプの場
合、図11状態7と状態8の2種類ある。状態6及び状
態8では、M層とW層との間に界面磁壁(太線━で示
す)が生じており、やや不安定(準安定)な状態であ
る。状態1は状態5〜8のいずれかを示す。この状態の
媒体部分が、レーザービームの照射位置に来る直前に、
Hb ↓の印加を受ける。それでも、この状態6又は状態
8は保持される。何故ならば、W層は、室温で、十分な
磁化を有するので、磁化がHb ↓によって反転すること
はない。また、Hb ↓と向きが反対の状態8のメモリー
層は、Hb ↓の影響より大きなW層からの交換結合力σ
W の影響を受け、Pタイプ故にW層と同じ向きに、磁化
の向きが保持される。
【0038】その後、まもなく状態6又は状態8は低レ
ベルのレーザービームの照射を受ける。そのため、媒体
温度は上昇する。それに伴い両層の保磁力は低下する。
しかし、W層は高いキュリー点を有するので、保磁力H
C2の低下は小さく、Hb ↓に負けることがなく、“初期
化”されたときの磁化の向き「A向き」↑が維持され
る。他方、M層は低いキュリー点を有するものの、媒体
温度は未だM層のキュリー点Tc1より低いので、保磁力
C1は残存する。しかし、HC1は小さいので、W層は
Hb ↓の影響とW層からの交換結合力σw を介した影
響(Pタイプの場合、同じ向きに向かせようとする力)
を受ける。この場合、後者の方が強く、 式10の2 :Hc1+Hb <(σw /2MS11 ) 式10の3 :Hc2+Hb >(σw /2MS22 ) の2つの式が同時に満足される。これらの式が同時に満
足される最も低い温度をTLSと呼ぶ。換言すれば、状態
6又は状態8の磁壁が消滅する最低温度がTLSである。
【0039】その結果、状態6は状態9に移行し、状態
8は状態10に移行する。他方、磁壁が元々ない状態5
は状態9と同じであり、同じく磁壁が元々ない状態7は
状態10と同じであるから、結局、前の状態(Pタイプ
の場合、状態5か6か、Aタイプの場合、状態7か8
か)に関係なく、低レベルのビームの照射により状態9
(Pタイプ)又は状態10(Aタイプ)のマークが形成
される。
【0040】この状態は、その後マークがレーザービー
ムの照射が止んだり又は照射位置から外れたりすること
により、媒体温度が低下し、室温に戻った時にも、変わ
らない。この図11状態9(Pタイプ)又は状態10
(Aタイプ)は、図9状態6(Pタイプ)又は状態7
(Aタイプ)と同一である。これにより、M層のキュリ
ー点TC1まで媒体温度を高めることなく、低温サイクル
が実現されることが理解されよう。
【0041】実は低温サイクルをTC1以上で実施する第
1実施態様の場合にも、媒体温度が室温からTC1に上昇
する途中でTLSを通るので、そのとき、Pタイプの場
合、状態6から状態9への移行が、Aタイプの場合、状
態8から状態10への移行がそれぞれ起こるのである。そ
の後、TC1に至り、図9状態5となるのである。以上の
説明は、M層、W層ともに室温とキュリー点との間に補
償温度Tcomp. がない磁性体組成について説明した。し
かし、補償温度Tcomp. が存在する場合には、それを越
えると磁化の向きが反転することとA、Pタイプが
逆になるので、説明はそれだけ複雑になる。また、記録
磁界Hb の向きも、室温で考えた場合の向きと逆にな
る。
【0042】第1、第2実施態様ともに、M層及びW層
が遷移金属(例えばFe, Co) −重希土類金属( 例えばG
d,Tb,Dyその他) 合金組成から選択された非晶質フェリ
磁性体である記録媒体が好ましい。M層、W層の双方と
も、遷移金属(transition metal)−重希土類金属(heavy
rare earth metal)合金組成から選択された場合に
は、各合金としての外部に現れる磁化の向き及び大きさ
は、合金内部の遷移金属原子(TM)の副格子磁化の向
き及び大きさと重希土類金属原子(RE)の副格子磁化
の向き及び大きさとの関係で決まる。例えばTMの副格
子磁化の向き及び大きさを点線の矢印で示すベクトルで
表わし、REの副格子磁化のそれを実線の矢で示すベク
トルで表し、合金全体の磁化の向き及び大きさを白抜き
の矢で示すベクトルで表す。このとき白抜きの矢(ベク
トル)は点線の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)
との和として表わされる。ただし、合金の中ではTMの
副格子磁化とRE副格子磁化との相互作用のために点線
の矢(ベクトル)と実線の矢(ベクトル)とは、向きが
必ず逆になっている。従って、点線の矢(ベクトル)と
実線の矢(ベクトル)との和は、両者の強度が等しいと
き、合金のベクトルはゼロ(つまり、外部に現れる磁化
の大きさはゼロ)になる。このゼロになるときの合金組
成は補償組成(compensation composition ) と呼ばれ
る。それ以外の組成のときには、合金は両方の副格子磁
化の強度差に等しい強度を有し、いずれか大きい方のベ
クトルの向きに等しい向きを有する白抜きの矢(ベクト
ル)を持つ。
【0043】そこで、合金の磁化ベクトルを点線のベク
トルと実線のベクトルを隣接して書き、例えば図12に
示すように書き表す。RE、TMの副格子磁化の状態は
大別すると4通りあり、これらを図13の(1A)〜(4A)に
示す。そして、各状態における合金の磁化ベクトル(白
抜きの矢)を図13の(1B)〜(4B)に対応して示す。例え
ば、REベクトルがTMベクトルに比べて大きい場合、
副格子磁化の状態は(1A)に示され、合金の磁化ベクトル
は、(1B)に示される。
【0044】ある合金組成のTMベクトルとREベクト
ルの強度が、どちらか一方が大きいとき、その合金組成
は、強度の大きい方の名をとって○○リッチ例えばRE
リッチであると呼ばれる。M層とW層の両方について、
TMリッチな組成とREリッチな組成とに分けられる。
従って、縦軸座標にM層の組成を横軸座標にW層の組成
をとると、基本発明の媒体全体としては、種類を図14
に示す4象限に分類することができる。先に述べたPタ
イプは1象限と3象限に属するものであり、Aタイプは
2象限と4象限に属するものである。
【0045】一方、温度変化に対する保磁力の変化を見
ると、キュリー点(保磁力ゼロの温度)に達する前に保
磁力が一旦無限大に増加してまた降下すると言う特性を
持つ合金組成がある。この無限大のときに相当する温度
は補償温度(Tcomp. )と呼ばれる。補償温度より低い
温度ではREベクトル(実線の矢)の方がTMベクトル
(点線の矢) より大きく、そのためTMリッチと言うこ
とができ、補償温度より高い温度ではその逆になる。従
って、補償組成の合金の補償温度は、室温にあると言う
ことができる。
【0046】逆に補償温度はTMリッチの合金組成にお
いては、室温からキュリー点の間には存在しない。室温
より下にある補償温度は、光磁気記録においては無意味
であるので、この明細書で補償温度とは室温からキュリ
ー点の間に存在するものを言うことにする。M層とW層
の補償温度の有無について分類すると、媒体はタイプ1
〜4の4つのタイプに分類される。1象限の媒体は、4
つ全部のタイプが含まれる。そこで、M層とW層の両方
についてREリッチかTMリッチかで分け、かつ補償温
度を持つか持たないかで分けると、記録媒体は図15に
示す9クラスに分類される。 〔クラス1−1の説明〕ここで図15に示したクラス1
の記録媒体(Pタイプ・1象限・タイプ1)に属する媒
体No.1−1 を例にとり、オーバーライト原理について詳
細に説明する。
【0047】この媒体No.1−1 は、次式11: TR <Tcomp.1<TL <TH ≦TC1≦Tc2 及び式11の2:Tcomp.2 <TC1 の関係を有する。本明細書では「≦」の「=」は等しい
か又はほぼ等しい(±20℃位) ことを意味する。同じく
「≒」もほぼ等しい(±20℃位) ことを意味する。説明
を簡単にする目的から、以下の説明は、TH <TC1<T
c2の関係を有するものについて説明する。Tcomp.2は、
L よりも高くとも等しくとも、低くともよいが、説明
を簡単にする目的から、以下の説明では、TL <T
comp.2とする。以上の関係をグラフで示すと、図16の
如くなる。なお、細線はM層のグラフを示し、太線はW
層のグラフを示す。
【0048】室温TR でM層の磁界が初期補助磁界Hin
i. により反転せずにW層のみが反転する条件は、
【0049】
【数1】
【0050】として示す式12である。この媒体No.1−1
は式12を満足する。 但し、HC1:M層の保磁力 HC2:W層の保磁力 MS1:M層の飽和磁気モーメント(saturation magnet
ization) MS2:W層の飽和磁気モーメント t1 :M層の膜厚 t2 :W層の膜厚 σw :界面磁壁エネルギー=交換結合力 (interface wa
ll energy) このとき、Hini. の条件式は、数4に示す式15で示され
る。Hini. が無くなると、M層、W層の磁化は交換結合
力により互いに影響を受ける。それでもM層、W層の磁
化が反転せずに保持される条件は、式13〜14で示され
る。この媒体No.1−1 は式13〜14を満足する。
【0051】
【数2】
【0052】
【数3】
【0053】室温で式12〜14の条件を満足する記録媒体
のW層の磁化は、記録の直前までに
【0054】
【数4】
【0055】に示す式15を満足するHini. により例えば
「A向き」↑に揃えられる。このときM層は前の記録状
態のままで残る。この状態は図17の状態1又は状態2
のいずれかで示される。この状態1、状態2は記録直前
まで保持される。そして、記録磁界Hb は「A向き」↑
に印加することにする。
【0056】なお、記録磁界Hb は、一般の磁界がそう
であるように、レーザービームの照射領域(スポット領
域)と同一の範囲に絞ることは難しい。媒体がディスク
状の場合、一旦記録された情報(マーク)は、1回転し
た場合、途中でHini. の影響を受け、再び状態1又は状
態2となる。その後、そのマークは、レーザービームの
照射領域(スポット領域)に近いところを通過する。こ
のとき、状態1、状態2のマークは、記録磁界Hb 印加
手段に近づくのでその影響を受ける。この場合Hb と反
対向きの磁化を有する状態2のマークのM層の磁化の向
きがHb によって反転させられたとすると、1回転前に
記録されたばかりの情報が消失することになる。そうな
ってはならない条件は、
【0057】
【数5】
【0058】に示す式15の2で表される。ディスク状媒
体No.1−1 は、室温でこの条件式15の2を満足させる必
要がある。逆に言えば、Hb を決定する1つの条件は、
式15の2で示される。さて、状態1、2のマークは、い
よいよレーザービームのスポット領域に到達する。レー
ザービームの強度は、基本発明と同様に、低レベルと高
レベルの2種がある。
【0059】−−−−−低温サイクル−−−− 低レベルのレーザービームが照射されて、 媒体温度が
comp.1以上に上昇する。そうすると、PタイプからA
タイプに移行する。そして、M層のRE、TM各スピン
の方向は変わらないが、強度の大小関係が図13の(3A)
から(4A)へと逆転する。そのため、M層の磁化は図13
の(3B)から(4B)へと反転する。その結果、状態1のマー
クは状態3に移行し、状態2のマークは状態4に移行す
る。
【0060】レーザービームの照射が続いて、媒体温度
は、やがてTLSになる。すると、式10の2 並びに式10の
3 が同時に満足される。その結果、Hb ↑が存在して
も、状態4のマークは状態5に遷移する。他方、状態3
のマークは、Hb ↑が存在しても10の2 並びに式10の3
が同時に満足されているため、そのままの状態を保つ。
つまり、状態3から、同じ状態である状態5になるだけ
である。
【0061】この状態でレーザービームのスポット領域
から外れると媒体温度は低下を始める。媒体温度がT
comp.1以下に冷えると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンとの大小関
係が、図13の(2A)から(1A)へと逆転する。そのため、
M層の磁化は図13の(2B)から(1B)へと反転する。 そ
の結果、状態5のマークは状態6(M層の磁化は「A向
き」↑)に移行する。この状態6は媒体温度が室温まで
下がっても保持される。こうして、M層に「A向き」↑
のマークが形成される。
【0062】−−−−−高温サイクル−−−−− 高レベルのレーザービームが照射されると、媒体温度
は、Tcomp.1を経て低温TL に上昇する。その結果、状
態5と同じ状態7になる。高レベルのレーザービームの
照射により、媒体温度は更に上昇する。媒体温度がW層
のTcomp.2を越えると、AタイプがPタイプに移行す
る。そして、W層のRE、TM各スピンの方向は変わら
ないが、強度の大小関係が、図13の(1A)から(2A)へと
逆転する。そのため、W層の磁化は図13の(1B)から(2
B)へと反転する。その結果、W層の磁化は、「逆A向
き」↓となる。この状態が状態8である。 しかし、こ
の温度ではHC2がまだ大きいので、↑Hb によってW層
の磁化が反転されることはない。さらに温度が上昇し、
H になると、M層、W層は、その温度がキュリー点に
近いので保磁力が小さくなる。その結果、媒体は、
【0063】
【数6】
【0064】に示す(1)又は
【0065】
【数7】
【0066】に示す(2)又は
【0067】
【数8】
【0068】に示す(3)のいずれかに示した2つの式
を同時に満足する。そのため、両層の磁化は、ほぼ同時
に反転し、Hb ↑の向きに従う。この状態が状態9であ
る。この状態でレーザービームのスポット領域から外れ
ると、媒体温度は低下を始める。媒体温度がTcomp.2
下になると、PタイプからAタイプに移行する。そし
て、RE、TMの各スピンの方向は変わらないが、強度
の大小関係が、図13の(4A)から(3A)へと逆転する。そ
のため、W層の磁化は図13の(4B)から(3B)へと反転す
る。その結果、W層の磁化は、「逆A向き」↓となる。
この状態が状態10である。状態10では、媒体は、
【0069】
【数9】
【0070】に示す式15の4を満足する。そのため、W
層にHb ↑が作用しても反転することはない。媒体の温
度がこの状態10のときの温度から更に低下して、T
comp.1以下になると、Aタイプから元のPタイプに戻
る。そして、M層のREスピンとTMスピンの強度の大
小関係が、図13の(4A)から(3A)へと逆転する。そのた
め、M層の磁化は図13の(4B)から(3B)へと反転する。
その結果、M層の磁化は、「逆A向き」↓となる。この
状態が状態11である。
【0071】やがて媒体の温度は、状態11のときの温
度から室温まで低下する。室温でのHC1は十分に大きい
(数11に示す式15の5参照)ので、M層の磁化↓は、↑
Hbによって反転されることなく、状態11が保持され
る。
【0072】
【数10】
【0073】こうして、M層に「逆A向き」↓のマーク
が形成される。ところで、光磁気記録媒体をほこりや破
損又は傷等から保護するために、媒体をカートリッジに
収納する必要がある。
【0074】しかし、オーバーライト可能な媒体をカー
トリッジに収納した場合、光磁気記録装置に設けられた
初期補助磁界(Hini. )印加手段から遠のいてしまい、
“初期化”に必要な強さの磁界が得られなくなるので、
該Hini. 印加手段、(例えば、永久磁石や電磁石)を大
型化しなければならないという第一の問題点が生じた。
また、オーバーライトのできない光磁気記録媒体と、オ
ーバーライト可能な光磁気記録媒体の両方が使用可能な
光磁気記録装置を設定した場合、この光磁気記録装置に
はオーバーライトのためのHini. 印加手段を設置しなけ
ればならない。
【0075】この場合、前記オーバーライトのできない
媒体の使用時には前記Hini. 印加手段を媒体から遠ざ
け、前記オーバーライト可能な媒体の使用時にはHini.
印加手段を媒体に近づける必要が生じる。その結果、Hi
ni. 印加手段を移動させるための駆動装置が必要とな
り、光磁気記録装置の構造が複雑になるという第二の問
題点があった。
【0076】第一、第二の問題点を解決するために、Hi
ni. 印加手段を内蔵させたカートリッジが発明された
(特開昭64-46247号参照)。このカートリッジは、従来
のオーバーライトのできる光磁気記録装置でも記録する
ことができる。
【0077】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オーバーラ
イトのできない光磁気記録装置に使用する場合、カート
リッジの外形寸法は、従来通りでなければならない。一
般に、Hini. の大きさは2000〜4000 Oe で、このように
強い磁界を発生する永久磁石は、相当に大きい。そのた
め、樹脂その他の非磁性体で形成されているカートリッ
ジ本体に、大きな永久磁石を内蔵させた場合、その部分
の本体の肉厚を薄くするか、あるいは磁石自体を薄く構
成する必要があった。
【0078】しかし、肉厚を薄くすると、カートリッジ
の強度が低下してしまい、また、磁石を薄くすると十分
なHini. が得られないという第三の問題点が生じた。本
発明の目的は、カートリッジの強度を不足させずに且つ
十分な磁界強度を与えるHini. の印加手段を内蔵したカ
ートリッジを提供することにある。
【0079】
【課題を解決するための手段】本発明は「メモリー層と
ライティング層の少なくとも2層からなる光変調方式で
オーバーライトが可能な光磁気記録ディスクを収納する
とともに、初期補助磁界印加手段を内蔵した光磁気記録
媒体用カートリッジにおいて、カートリッジの本体全体
あるいはその一部を磁性体によって形成し、該磁性体と
前記印加手段とで磁気回路を形成したことを特徴とする
カートリッジ」を提供する。
【0080】
【作用】カートリッジの本体全体あるいはその一部を構
成する磁性体は、本体とほぼ同等又はそれ以上の強度を
持つので、カートリッジの強度低下はなく、しかも磁気
回路のヨークの役割を果たすのでHini. の強度が高ま
り、小さな磁石をHini. 印加手段として用いても十分な
Hini. が得られる。
【0081】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0082】
【実施例】図1は、本発明の第一の実施例におけるカー
トリッジの概略垂直断面図である。図1では、ディスク
状のオーバーライト可能な光磁気記録媒体(3)は、所
定の寸法に形成されているカートリッジ本体(1)に回
転可能な状態で軸支されている。軸支する回転軸は、直
接又は間接にカートリッジ本体(1)外部に露出してい
るカプラー(不図示)に連結している。この該カプラー
を光磁気記録装置側のカプラーと連結させることによ
り、装置側のスピンドルモーター(回転手段)からの回
転力を回転軸に伝えることができる。この回転により媒
体(3)が回転する。
【0083】Hini. 印加手段である永久磁石(5)、
(6)は、光磁気記録媒体(3)を挟み込むように互い
に向かい合うように設置されている。カートリッジ本体
(1)は全体を磁性体によって形成してあり、永久磁石
(5)、(6)とで磁気回路を形成している。この磁気
回路が媒体(3)の磁性膜に対して上向き又は下向きの
Hini. を与える。ここでは磁気回路は、媒体(3)の記
録領域に対して半径方向の全域にわたって形成されてい
る。
【0084】また、カートリッジ本体(1)の一部に
は、レーザービームを媒体(3)に照射するための開口
部(4)が設けられている。そして、開口部(4)には
シャッター(2)とシャッターレール(2a)が設けて
あり、図示していない手段によって必要に応じてシャッ
ター(2)を開閉できるようになっている。
【0085】尚、永久磁石(5)、(6)の配置位置は
図1に示す場所に限るものではなく、媒体上の任意の位
置に設置しても同様の効果が得られる。図2は、本発明
の第二の実施例における概略垂直断面図である。第二の
実施例では、樹脂等の非磁性体によって構成されたカー
トリッジ本体(1a)の一部のみを磁性体で形成し、こ
の磁性体がヨーク(5a)を構成する。そして、ヨーク
(5a)は永久磁石(5)、(6)とで磁気回路を形成
する。
【0086】尚、ヨーク(5a)の幅は少なくとも永久
磁石(5)、(6)と同じ幅にすることが磁束密度を高
める上で望ましい。この場合、磁気回路を図2に示す位
置に形成させず、光磁気媒体上の任意の位置に形成させ
ても、同様の効果が得られることは言うまでない。
【0087】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、カートリッジの
本体全体あるいは本体一部を磁性体で形成し、これをHi
ni. 印加手段との間に磁気回路を形成させる。そのた
め、高磁束密度のHini. を媒体に与えることができる。
従って、カートリッジの機械的強度を低下させることな
く、十分なHini. を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の第一の実施例におけるカートリッ
ジの概略垂直断面図である。
【図2】は、本発明の第二の実施例におけるカートリッ
ジの概略垂直断面図である。
【図3】は、光磁気記録方式の記録原理を説明する概念
図である。
【図4】は、光磁気記録方式の再生原理を説明する概念
図である。
【図5】は、基本発明に従いオーバーライトする場合の
レーザービームの波形図である。
【図6】は、基本発明に従い2本のビームでオーバーラ
イトする場合のレーザービームの波形図である。
【図7】は、オーバーライト可能な光磁気記録媒体のM
層、W層について保磁力と温度との関係を示すグラフで
ある。
【図8】は、M層とW層の磁化の向きを示す概念図であ
る。
【図9】は、M層とW層の磁化の向きの変化を示す説明
図である。
【図10】は、Pタイプ媒体、Aタイプ媒体について、
低温サイクル、高温サイクルの結果、M層とW層の磁化
の向きがどう変化するかを示す説明図である。いずれも
室温での状態を示す。
【図11】は、M層とW層の磁化の向きの変化を示す説
明図である。
【図12】は、希土類(RE)原子の副格子磁化を示す
ベクトル(実線の矢)と遷移金属(TM)原子の副格子
磁化を示すベクトル(点線の矢)とを比較するための説
明図である。
【図13】は、副格子磁化のベクトルと合金の磁化の向
きを示すベクトル(白抜き矢)との関係を示す説明図で
ある。
【図14】は、M層とW層について、それぞれREリッ
チ、TMリッチに分けた場合、オーバーライト可能な媒
体が4つの分類(1象限〜4象限)に分けられることを
説明する説明図である。
【図15】は、基本発明の媒体を種々の観点から分類す
ると、結局、クラス1〜クラス9の9のクラスに分類さ
れることを説明する説明図である。
【図16】は、オーバーライト可能な光磁気記録媒体N
o. 1−1のM層、W層について保磁力と温度との関係
を示すグラフである。
【図17】は、媒体No. 1−1の媒体について、低温サ
イクルと高温サイクルの結果、M層とW層の磁化の向き
がどう変化するかを示す概念図である。
【符号の説明】
1・・・カートリッジ本体(全体が磁性体で作られてい
る) 1a・・カートリッジ本体(全体が樹脂等で作られてい
る) 2・・・シャッター 2a・・シャッターレール 3・・・光磁気記録ディスク(媒体) 4・・・開口部 5・・・永久磁石(初期補助磁界印加手段の一例) 5a・・ヨーク 6・・・永久磁石(初期補助磁界印加手段の一例) L・・・レーザービーム Lp ・・直線偏光 B1 ・・「A向き」の磁化を有するマーク(又はマー
ク) B0 ・・「逆A向き」の磁化を有するマーク(又はマー
ク) S・・・基板 SS・・・2P基板 G・・・ガラス基板 PP・・・硬化した溝材樹脂 MO・・垂直磁化膜(光磁気記録層) M・・・メモリー層 W・・・ライティング層 以上

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メモリー層とライティング層の少なくとも
    2層からなる光変調方式でオーバーライトが可能な光磁
    気記録ディスクを収納するとともに、初期補助磁界印加
    手段を内蔵した光磁気記録媒体用カートリッジにおい
    て、 カートリッジの本体全体あるいはその一部を磁性体によ
    って形成し、該磁性体と前記印加手段とで磁気回路を形
    成したことを特徴とするカートリッジ。
JP3279571A 1991-10-25 1991-10-25 オーバーライト可能な光磁気記録媒体用カートリツジ Pending JPH05120746A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3279571A JPH05120746A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 オーバーライト可能な光磁気記録媒体用カートリツジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3279571A JPH05120746A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 オーバーライト可能な光磁気記録媒体用カートリツジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05120746A true JPH05120746A (ja) 1993-05-18

Family

ID=17612836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3279571A Pending JPH05120746A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 オーバーライト可能な光磁気記録媒体用カートリツジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05120746A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5719831A (en) * 1993-12-20 1998-02-17 Sharp Kabushiki Kaisha Magneto-optical recording medium cartridge which employs magnets

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5719831A (en) * 1993-12-20 1998-02-17 Sharp Kabushiki Kaisha Magneto-optical recording medium cartridge which employs magnets

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2521908B2 (ja) オ―バ―ライト可能な光磁気記録方法、それに使用される光磁気記録装置及び光磁気記録媒体、並びに変調方法、変調装置及び光磁気記録媒体
JP3038853B2 (ja) 高レベルのマージンが拡大したオーバーライト可能な光磁気記録媒体
US5164926A (en) Over-write capable magnetooptical recording medium with four magnetic layered structure dispensing with external initializing field
JPH07169123A (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体
US5239534A (en) Multi-layer over write capable magnetooptical recording medium
JP3038735B2 (ja) オーバライト可能な光磁気記録媒体及び前処理方法
US5343449A (en) Over-write capable magnetooptical recording medium having reading layer
JPH0573981A (ja) パワーマージンが拡大されたオーバーライト可能な光磁気記録方法及びそれに使用される光磁気記録装置
JP2712312B2 (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体
JP3006124B2 (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体及びその記録再生装置
JPH08273222A (ja) 光磁気記録媒体及びその再生方法
US5206844A (en) Magnetooptic recording medium cartridge for two-sided overwriting
JP2535952B2 (ja) 磁性層間の交換結合力が制御された多層光磁気記録媒体
US5680373A (en) Reproducing apparatus for magneto-optical recording device
US5389455A (en) Over-write capable magnetooptical recording medium having C/N ratio exceeding 53 dB
EP0420587B1 (en) Over-write capable magnetooptical recording medium
JPH0816993B2 (ja) 転写層を有するオーバーライト可能な光磁気記録媒体
JP2712274B2 (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体
JP2712301B2 (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体
EP0373898A2 (en) Over write capable magnetiooptical recording medium
JPH06122971A (ja) スパッタリング方法および該方法を用いて作成可能なオーバーライト可能な光磁気記録媒体
JPH03142733A (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体
JPH0696484A (ja) オーバーライト可能な光磁気記録媒体の再生方法および記録再生装置
JPH05234169A (ja) データ弁別を良好にするオーバーライト可能な光磁気記 録方法及びそれに使用される光磁気記録装置
JPH0696483A (ja) オーバーライト可能な光磁気記録方法およびそれに使用される記録装置