JPH05230681A - フェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法 - Google Patents
フェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法Info
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- JPH05230681A JPH05230681A JP3237492A JP3237492A JPH05230681A JP H05230681 A JPH05230681 A JP H05230681A JP 3237492 A JP3237492 A JP 3237492A JP 3237492 A JP3237492 A JP 3237492A JP H05230681 A JPH05230681 A JP H05230681A
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- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G1/00—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、フェライト系ステンレス鋼熱延材
の表面スケールおよびスケール疵を効率的に除去する酸
洗方法である。 【構成】 溶液1リットル当り硫酸200〜400gの
濃度で、かつ80〜100℃の硫酸溶液で酸洗した後
に、溶液1リットル当り硝酸20〜160gとふっ酸1
0〜200gを混合した濃度で、かつ40〜80℃の溶
液で酸洗を行う。また、硝ふっ酸酸洗により粒界侵食を
生じるステンレス鋼熱延材では、硫酸酸洗により表面層
を20μm 以上溶削する。 【効果】 正常部のスケールを除去する硫酸酸洗と、ス
ケール疵を選択的にかつ効率良く除去する硝ふっ酸酸洗
の組み合わせにより、フェライト系ステンレス鋼熱延材
の酸洗の生産性が大きく向上する。
の表面スケールおよびスケール疵を効率的に除去する酸
洗方法である。 【構成】 溶液1リットル当り硫酸200〜400gの
濃度で、かつ80〜100℃の硫酸溶液で酸洗した後
に、溶液1リットル当り硝酸20〜160gとふっ酸1
0〜200gを混合した濃度で、かつ40〜80℃の溶
液で酸洗を行う。また、硝ふっ酸酸洗により粒界侵食を
生じるステンレス鋼熱延材では、硫酸酸洗により表面層
を20μm 以上溶削する。 【効果】 正常部のスケールを除去する硫酸酸洗と、ス
ケール疵を選択的にかつ効率良く除去する硝ふっ酸酸洗
の組み合わせにより、フェライト系ステンレス鋼熱延材
の酸洗の生産性が大きく向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェライト系ステンレス
鋼熱延材の表面酸化スケールを効果的に除去する方法に
関するものである。
鋼熱延材の表面酸化スケールを効果的に除去する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ステンレス鋼熱延材の脱スケール
には、硫酸酸洗処理あるいは硝ふっ酸酸洗処理が用いら
れている。これは、硫酸あるいは硝ふっ酸の酸液に浸漬
したり、スプレー酸洗処理により直下のメタルを溶解し
てスケールを除去する方法である。
には、硫酸酸洗処理あるいは硝ふっ酸酸洗処理が用いら
れている。これは、硫酸あるいは硝ふっ酸の酸液に浸漬
したり、スプレー酸洗処理により直下のメタルを溶解し
てスケールを除去する方法である。
【0003】ステンレス鋼の成分、酸洗処理後の表面性
状等を考慮して、硫酸あるいは硝ふっ酸いずれかの酸液
が用いられることが多い。SUS430等のフェライト
系ステンレス鋼は、硫酸溶液で溶解速度が大きく、硝ふ
っ酸溶液では粒界Cr欠乏層が選択的に溶解されるため
に、硝ふっ酸酸洗処理後の表面が粗くなり、冷延製品の
表面光沢等の品質に悪影響を及ぼす。このことから硫酸
酸洗処理が適用されることが多い。
状等を考慮して、硫酸あるいは硝ふっ酸いずれかの酸液
が用いられることが多い。SUS430等のフェライト
系ステンレス鋼は、硫酸溶液で溶解速度が大きく、硝ふ
っ酸溶液では粒界Cr欠乏層が選択的に溶解されるため
に、硝ふっ酸酸洗処理後の表面が粗くなり、冷延製品の
表面光沢等の品質に悪影響を及ぼす。このことから硫酸
酸洗処理が適用されることが多い。
【0004】一方、SUS304等のオーステナイト系
ステンレス鋼は、硝ふっ酸溶液で溶解速度が大きく、硝
ふっ酸濃度および温度等を適正化することで、粒界Cr
欠乏層の選択溶解を防止することができることから、硝
ふっ酸酸洗処理が適用されることが多い。オーステナイ
ト系ステンレス鋼およびフェライト系ステンレス鋼の両
者を同一設備で処理するために、熱間圧延ステンレス鋼
帯の焼鈍酸洗処理設備には、硫酸酸洗処理槽と硝ふっ酸
酸洗処理槽が設置されている例が多い。
ステンレス鋼は、硝ふっ酸溶液で溶解速度が大きく、硝
ふっ酸濃度および温度等を適正化することで、粒界Cr
欠乏層の選択溶解を防止することができることから、硝
ふっ酸酸洗処理が適用されることが多い。オーステナイ
ト系ステンレス鋼およびフェライト系ステンレス鋼の両
者を同一設備で処理するために、熱間圧延ステンレス鋼
帯の焼鈍酸洗処理設備には、硫酸酸洗処理槽と硝ふっ酸
酸洗処理槽が設置されている例が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した硫酸酸洗処理
あるいは硝ふっ酸酸洗処理の適用で、表面疵の少ないス
テンレス鋼熱延材のスケールは効率的に除去出来る。し
かしながら、熱延工程において、ロールの肌荒れおよび
ロール表面のスケール付着等の要因から、熱間圧延ステ
ンレス鋼材にスケールが食い込んだ形態の疵を生じる場
合がある。以下、この疵をスケール疵と呼ぶ。このスケ
ール疵は熱延時の加熱温度等の条件から、フェライト系
ステンレス鋼において発生することが多い。このような
スケール疵が存在すると、従来の硫酸酸洗処理ではスケ
ール疵部のスケールは除去出来ず残存する。そのため、
再び焼鈍酸洗処理設備を通板し硫酸酸洗処理をすること
となり、非常に生産性が悪くなるという問題がある。
あるいは硝ふっ酸酸洗処理の適用で、表面疵の少ないス
テンレス鋼熱延材のスケールは効率的に除去出来る。し
かしながら、熱延工程において、ロールの肌荒れおよび
ロール表面のスケール付着等の要因から、熱間圧延ステ
ンレス鋼材にスケールが食い込んだ形態の疵を生じる場
合がある。以下、この疵をスケール疵と呼ぶ。このスケ
ール疵は熱延時の加熱温度等の条件から、フェライト系
ステンレス鋼において発生することが多い。このような
スケール疵が存在すると、従来の硫酸酸洗処理ではスケ
ール疵部のスケールは除去出来ず残存する。そのため、
再び焼鈍酸洗処理設備を通板し硫酸酸洗処理をすること
となり、非常に生産性が悪くなるという問題がある。
【0006】そこで、スケール疵を短時間で除去する酸
洗処理方法が強く要望されている。本発明はこのような
要望に応え得るフェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗
方法を提供することを目的とする。
洗処理方法が強く要望されている。本発明はこのような
要望に応え得るフェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは以下の通りである。 (1)フェライト系ステンレス鋼熱延材を、溶液1リッ
トル当たり硫酸200〜400gの濃度の硫酸溶液を用
いて80〜100℃の温度で硫酸酸洗処理し、続いて混
合溶液1リットル当たり硝酸20〜160gとふっ酸1
0〜200gを混合した濃度の溶液を用いて40〜80
℃の温度で硝ふっ酸酸洗処理を施すことを特徴とするフ
ェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法。
ろは以下の通りである。 (1)フェライト系ステンレス鋼熱延材を、溶液1リッ
トル当たり硫酸200〜400gの濃度の硫酸溶液を用
いて80〜100℃の温度で硫酸酸洗処理し、続いて混
合溶液1リットル当たり硝酸20〜160gとふっ酸1
0〜200gを混合した濃度の溶液を用いて40〜80
℃の温度で硝ふっ酸酸洗処理を施すことを特徴とするフ
ェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法。
【0008】(2)前記硫酸酸洗処理において、熱延材
の表面層を20μm以上溶削することを特徴とする前項
1記載のフェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法。
の表面層を20μm以上溶削することを特徴とする前項
1記載のフェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法。
【0009】
【作用】本発明者らは種々の実験により、以下の知見を
得た。まず、請求項1について、実験結果を基に説明す
る。表1のaに示す化学成分のフェライト系ステンレス
鋼(19Cr−0.3Ni−0.4Cu−0.6Nb−
低C)の熱間圧延鋼帯を、焼鈍酸洗処理設備を用い、種
々の条件で酸洗処理を行った。
得た。まず、請求項1について、実験結果を基に説明す
る。表1のaに示す化学成分のフェライト系ステンレス
鋼(19Cr−0.3Ni−0.4Cu−0.6Nb−
低C)の熱間圧延鋼帯を、焼鈍酸洗処理設備を用い、種
々の条件で酸洗処理を行った。
【0010】まず、硫酸酸洗処理を行った場合に、正常
部のスケールが完全に除去できるまでの時間について調
査した。硫酸酸洗処理の条件は、溶液1リットル当たり
硫酸100〜500gの濃度の硫酸溶液を用いて、溶液
温度70〜100℃の範囲で変化させた。図1に正常部
(スケール疵のない部分)のスケールが完全に除去され
るまでの時間(デスケール時間)に及ぼす酸洗処理溶液
の濃度および温度の影響について示す。
部のスケールが完全に除去できるまでの時間について調
査した。硫酸酸洗処理の条件は、溶液1リットル当たり
硫酸100〜500gの濃度の硫酸溶液を用いて、溶液
温度70〜100℃の範囲で変化させた。図1に正常部
(スケール疵のない部分)のスケールが完全に除去され
るまでの時間(デスケール時間)に及ぼす酸洗処理溶液
の濃度および温度の影響について示す。
【0011】溶液1リットル当たり硫酸200g以上の
濃度および溶液温度80℃以上になると、デスケール時
間が100秒以下となり、短時間で効率的にデスケール
できる。また、溶液1リットル当たり硫酸400g超の
濃度になると、それ以上濃度を高くしても、デスケール
時間はあまり短縮されない。この結果から、正常部のス
ケールを短時間で効率的に除去するための硫酸酸洗処理
条件は、溶液1リットル当たり硫酸200〜400gの
濃度および溶液温度80〜100℃であることがわかっ
た。しかしながら、この硫酸酸洗処理のみでは、スケー
ル疵は残存していた。
濃度および溶液温度80℃以上になると、デスケール時
間が100秒以下となり、短時間で効率的にデスケール
できる。また、溶液1リットル当たり硫酸400g超の
濃度になると、それ以上濃度を高くしても、デスケール
時間はあまり短縮されない。この結果から、正常部のス
ケールを短時間で効率的に除去するための硫酸酸洗処理
条件は、溶液1リットル当たり硫酸200〜400gの
濃度および溶液温度80〜100℃であることがわかっ
た。しかしながら、この硫酸酸洗処理のみでは、スケー
ル疵は残存していた。
【0012】この硫酸酸洗処理後も残存しているスケー
ル疵部の性状、組成について、走査型電子顕微鏡および
X線マイクロアナライザーを用いて詳細に調査した。図
2にそのスケール疵の断面形態を示すが、スケール疵は
最大100μmの深さまで素地メタルへ食い込んでお
り、そのスケール疵直下には約10μm深さのCr欠乏
層が存在していることがわかった。
ル疵部の性状、組成について、走査型電子顕微鏡および
X線マイクロアナライザーを用いて詳細に調査した。図
2にそのスケール疵の断面形態を示すが、スケール疵は
最大100μmの深さまで素地メタルへ食い込んでお
り、そのスケール疵直下には約10μm深さのCr欠乏
層が存在していることがわかった。
【0013】このスケール疵直下のCr欠乏層の存在を
有効に利用して、スケール疵を効率的に除去する新たな
酸洗処理方法を究明するために、種々の実験を重ねた。
フェライト系ステンレス鋼の酸溶液中における溶解速度
は、そのCr量に大きく依存する。Cr量が少ない程、
硫酸溶液中での溶解速度は小さくなり、逆に、硝ふっ酸
溶液中での溶解速度は大きくなる。そこで、スケール疵
を効率的に除去するためには、硝ふっ酸酸洗処理が有効
と考え、実験を重ねた。
有効に利用して、スケール疵を効率的に除去する新たな
酸洗処理方法を究明するために、種々の実験を重ねた。
フェライト系ステンレス鋼の酸溶液中における溶解速度
は、そのCr量に大きく依存する。Cr量が少ない程、
硫酸溶液中での溶解速度は小さくなり、逆に、硝ふっ酸
溶液中での溶解速度は大きくなる。そこで、スケール疵
を効率的に除去するためには、硝ふっ酸酸洗処理が有効
と考え、実験を重ねた。
【0014】硫酸酸洗処理により、正常部のスケールを
完全に除去した後、硝酸およびふっ酸の混合溶液の溶液
濃度および温度を変えた種々の条件で硝ふっ酸酸洗処理
を行った。正常部のスケールを完全に除去する条件とし
て、溶液1リットル当たり硫酸300g、溶液温度90
℃、処理時間100秒の硫酸酸洗処理を行った。その後
の硝ふっ酸酸洗処理条件としては、混合溶液の濃度を溶
液1リットルあたり硝酸10〜160gとふっ酸5〜2
00g、および溶液温度30〜80℃の範囲で変化させ
た。硝ふっ酸酸洗の処理時間は操業能率を考慮して、1
00秒と一定とした。これらの酸洗処理の後、スケール
疵の除去状況を調査した結果を図3に示す。混合溶液1
リットル当たり硝酸20g以上、ふっ酸10g以上、温
度40℃以上の酸洗条件で、スケール疵が完全に除去さ
れることがわかった。
完全に除去した後、硝酸およびふっ酸の混合溶液の溶液
濃度および温度を変えた種々の条件で硝ふっ酸酸洗処理
を行った。正常部のスケールを完全に除去する条件とし
て、溶液1リットル当たり硫酸300g、溶液温度90
℃、処理時間100秒の硫酸酸洗処理を行った。その後
の硝ふっ酸酸洗処理条件としては、混合溶液の濃度を溶
液1リットルあたり硝酸10〜160gとふっ酸5〜2
00g、および溶液温度30〜80℃の範囲で変化させ
た。硝ふっ酸酸洗の処理時間は操業能率を考慮して、1
00秒と一定とした。これらの酸洗処理の後、スケール
疵の除去状況を調査した結果を図3に示す。混合溶液1
リットル当たり硝酸20g以上、ふっ酸10g以上、温
度40℃以上の酸洗条件で、スケール疵が完全に除去さ
れることがわかった。
【0015】すなわち、硫酸酸洗処理により正常部のス
ケールを除去した後に、硝ふっ酸酸洗処理によりスケー
ル疵を効率的に除去できることがわかった。この硫酸酸
洗処理と硝ふっ酸酸洗処理におけるスケール除去の機構
について、図4に示したスケール除去状況の模式図を基
に説明する。フェライト系ステンレス鋼の焼鈍材は、正
常部およびスケール疵部共にスケールが鋼材の表面に残
存している。適正条件の硫酸酸洗を行うと、正常部のス
ケールは完全に除去される。しかしながら、スケール疵
は残存している。
ケールを除去した後に、硝ふっ酸酸洗処理によりスケー
ル疵を効率的に除去できることがわかった。この硫酸酸
洗処理と硝ふっ酸酸洗処理におけるスケール除去の機構
について、図4に示したスケール除去状況の模式図を基
に説明する。フェライト系ステンレス鋼の焼鈍材は、正
常部およびスケール疵部共にスケールが鋼材の表面に残
存している。適正条件の硫酸酸洗を行うと、正常部のス
ケールは完全に除去される。しかしながら、スケール疵
は残存している。
【0016】また、硝ふっ酸溶液中ではCr量の少ない
ステンレス鋼程、溶解速度が大きいという特徴をもつ。
そのため、硫酸酸洗により正常部のスケールを除去した
後、硝ふっ酸酸洗を行うと、スケール疵直下のCr欠乏
層が選択的に溶解され、その結果、スケール疵を素地メ
タルから剥離除去することができる。次に請求項2につ
いて説明する。
ステンレス鋼程、溶解速度が大きいという特徴をもつ。
そのため、硫酸酸洗により正常部のスケールを除去した
後、硝ふっ酸酸洗を行うと、スケール疵直下のCr欠乏
層が選択的に溶解され、その結果、スケール疵を素地メ
タルから剥離除去することができる。次に請求項2につ
いて説明する。
【0017】フェライト系ステンレス鋼の熱間圧延鋼帯
に硝ふっ酸酸洗処理をすると、粒界浸食が生じる場合が
ある。これは、鋼帯表層に存在する粒界Cr欠乏層が硝
ふっ酸により選択的に溶解するためである。粒界のCr
欠乏層が生じるか否かは、主に、ステンレス鋼の成分に
より決定される。このクロム炭化物が析出する機構は以
下の通りである。
に硝ふっ酸酸洗処理をすると、粒界浸食が生じる場合が
ある。これは、鋼帯表層に存在する粒界Cr欠乏層が硝
ふっ酸により選択的に溶解するためである。粒界のCr
欠乏層が生じるか否かは、主に、ステンレス鋼の成分に
より決定される。このクロム炭化物が析出する機構は以
下の通りである。
【0018】 ステンレス鋼のスラブのソーキング時
に表層の固溶Cと酸素ガスとの反応により、表面に脱炭
層ができる。 脱炭層はオーステナイト生成元素であるCが低いた
めに、内部と比較して熱間圧延時にマルテンサイトが生
成しにくい。 また、フェライト組織はマルテンサイト組織に比較
してCの固溶限界量が小さいために表面の脱炭層では粒
界にクロム炭化物が析出し易くなり、Crの炭化物が析
出してCr欠乏層が生成される。
に表層の固溶Cと酸素ガスとの反応により、表面に脱炭
層ができる。 脱炭層はオーステナイト生成元素であるCが低いた
めに、内部と比較して熱間圧延時にマルテンサイトが生
成しにくい。 また、フェライト組織はマルテンサイト組織に比較
してCの固溶限界量が小さいために表面の脱炭層では粒
界にクロム炭化物が析出し易くなり、Crの炭化物が析
出してCr欠乏層が生成される。
【0019】この粒界Cr欠乏層の生成を抑制するため
には、C濃度の低減、Nb、Ti等のCrよりCと
結合し易い元素の添加が効果的である。しかしながら、
鋼成分からみて、粒界Cr欠乏層の生成が不可避なフェ
ライト系ステンレス鋼(C濃度の低減が十分でなく、C
と結合し易い元素が添加されていない)についても本発
明の酸洗処理を適用すべく、実験を行った。
には、C濃度の低減、Nb、Ti等のCrよりCと
結合し易い元素の添加が効果的である。しかしながら、
鋼成分からみて、粒界Cr欠乏層の生成が不可避なフェ
ライト系ステンレス鋼(C濃度の低減が十分でなく、C
と結合し易い元素が添加されていない)についても本発
明の酸洗処理を適用すべく、実験を行った。
【0020】表1のbに示す化学成分の19Crステン
レス鋼の熱間圧延鋼帯を、焼鈍酸洗設備を用い、焼鈍お
よび硫酸酸洗処理、硝ふっ酸酸洗処理を行い、その後の
粒界浸食の状況を走査型電子顕微鏡で観察した。表2に
酸洗条件を示す。時間を変化させて溶削量を変えた硫酸
酸洗処理を行った後に、一定条件の硝ふっ酸酸洗処理を
行った。
レス鋼の熱間圧延鋼帯を、焼鈍酸洗設備を用い、焼鈍お
よび硫酸酸洗処理、硝ふっ酸酸洗処理を行い、その後の
粒界浸食の状況を走査型電子顕微鏡で観察した。表2に
酸洗条件を示す。時間を変化させて溶削量を変えた硫酸
酸洗処理を行った後に、一定条件の硝ふっ酸酸洗処理を
行った。
【0021】図5に硫酸酸洗処理による溶削量とその後
に硝ふっ酸酸洗処理を行った後の粒界浸食深さの関係を
示す。硫酸酸洗処理での溶削量が15μm以下では、そ
の後の硝ふっ酸酸洗により激しい粒界浸食がみられた
が、硫酸酸洗処理での溶削量が20μm以上となると粒
界浸食は全くみられなくなった。このように、硫酸酸洗
処理による溶削量が小さい場合にのみ、その後の硝ふっ
酸酸洗処理で粒界浸食が生じる理由は、以下の様に説明
できる。
に硝ふっ酸酸洗処理を行った後の粒界浸食深さの関係を
示す。硫酸酸洗処理での溶削量が15μm以下では、そ
の後の硝ふっ酸酸洗により激しい粒界浸食がみられた
が、硫酸酸洗処理での溶削量が20μm以上となると粒
界浸食は全くみられなくなった。このように、硫酸酸洗
処理による溶削量が小さい場合にのみ、その後の硝ふっ
酸酸洗処理で粒界浸食が生じる理由は、以下の様に説明
できる。
【0022】粒界Cr欠乏層が存在するのは高々表面か
ら20μm程度であり、硫酸酸洗処理により粒界Cr欠
乏層を溶解除去しておけば、その後の硝ふっ酸酸洗処理
においても粒界浸食が生じないと考えられる。すなわ
ち、鋼成分的に粒界Cr欠乏層の生成が不可避なフェラ
イト系ステンレス鋼についても、硫酸酸洗処理によりC
r欠乏層の存在する表層から20μmまで溶削しておけ
ば、酸洗後も平滑な表面が得られ、本発明の酸洗処理を
適用できることがわかった。
ら20μm程度であり、硫酸酸洗処理により粒界Cr欠
乏層を溶解除去しておけば、その後の硝ふっ酸酸洗処理
においても粒界浸食が生じないと考えられる。すなわ
ち、鋼成分的に粒界Cr欠乏層の生成が不可避なフェラ
イト系ステンレス鋼についても、硫酸酸洗処理によりC
r欠乏層の存在する表層から20μmまで溶削しておけ
ば、酸洗後も平滑な表面が得られ、本発明の酸洗処理を
適用できることがわかった。
【0023】
【実施例】19Cr−0.3Ni−0.4Cu−0.6
Nb−低C(表1のa)、および19Cr(表1のb)
の2種類のフェライト系ステンレス鋼の熱延鋼帯に表3
〜表6に示す酸洗処理を行った。このステンレス鋼成分
は、表1に示したものと同一である。鋼材の履歴は、熱
延材と熱延・焼鈍材の2種類である。酸洗処理方式は、
浸漬とスプレーの2種類である。
Nb−低C(表1のa)、および19Cr(表1のb)
の2種類のフェライト系ステンレス鋼の熱延鋼帯に表3
〜表6に示す酸洗処理を行った。このステンレス鋼成分
は、表1に示したものと同一である。鋼材の履歴は、熱
延材と熱延・焼鈍材の2種類である。酸洗処理方式は、
浸漬とスプレーの2種類である。
【0024】No.1〜No.25は本発明例である。
比較例として、No.26〜No.33は硫酸酸洗処理
単独あるいは硝ふっ酸酸洗処理単独の処理、No.34
〜No.43は酸洗溶液の濃度および温度条件が限定範
囲外の処理を行った。表7、表8に酸洗後の正常部のス
ケール除去状況、スケール疵部のスケール除去状況、お
よび粒界腐食状況を示す。本発明例では、正常部、スケ
ール疵部共に完全にスケール除去ができており、かつ粒
界腐食は全く生じておらず、本発明のデスケールの効果
は顕著である。
比較例として、No.26〜No.33は硫酸酸洗処理
単独あるいは硝ふっ酸酸洗処理単独の処理、No.34
〜No.43は酸洗溶液の濃度および温度条件が限定範
囲外の処理を行った。表7、表8に酸洗後の正常部のス
ケール除去状況、スケール疵部のスケール除去状況、お
よび粒界腐食状況を示す。本発明例では、正常部、スケ
ール疵部共に完全にスケール除去ができており、かつ粒
界腐食は全く生じておらず、本発明のデスケールの効果
は顕著である。
【0025】それに対して、比較例に示す硫酸酸洗処理
単独、硝ふっ酸酸洗処理単独、酸洗条件が本発明の適正
条件範囲から外れた処理では、正常部あるいはスケール
疵部でスケールの残存がみられた。また、鋼材bで硫酸
酸洗処理の溶削量が20μmより小さい場合には、粒界
腐食が観察された。
単独、硝ふっ酸酸洗処理単独、酸洗条件が本発明の適正
条件範囲から外れた処理では、正常部あるいはスケール
疵部でスケールの残存がみられた。また、鋼材bで硫酸
酸洗処理の溶削量が20μmより小さい場合には、粒界
腐食が観察された。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【発明の効果】スケール疵部のスケールを選択的にかつ
効率良く除去できる硝ふっ酸酸洗処理と、正常部のスケ
ールを除去する硫酸酸洗処理を組み合わせた本発明の酸
洗方法により、フェライト系ステンレス鋼熱延材のスケ
ール疵部も完全に除去する酸洗処理の生産性が大きく向
上する。
効率良く除去できる硝ふっ酸酸洗処理と、正常部のスケ
ールを除去する硫酸酸洗処理を組み合わせた本発明の酸
洗方法により、フェライト系ステンレス鋼熱延材のスケ
ール疵部も完全に除去する酸洗処理の生産性が大きく向
上する。
【図1】19Cr−0.3Ni−0.4Cu−0.6N
b−低Cステンレス鋼熱延板の硫酸酸洗処理において、
正常部のスケールが完全に除去されるまでに要する時間
に及ぼす硫酸酸洗処理溶液の濃度および温度の影響を示
した図である。
b−低Cステンレス鋼熱延板の硫酸酸洗処理において、
正常部のスケールが完全に除去されるまでに要する時間
に及ぼす硫酸酸洗処理溶液の濃度および温度の影響を示
した図である。
【図2】フェライト系ステンレス鋼熱延板に生じたスケ
ール疵断面の形態を示す図である。
ール疵断面の形態を示す図である。
【図3】19Cr−0.3Ni−0.4Cu−0.6N
b−低Cステンレス鋼熱延板の正常部のスケールを硫酸
酸洗処理により完全に除去した後の、スケール疵の除去
に及ぼす硝酸濃度、ふっ酸濃度、溶液温度条件の影響を
示す図である。
b−低Cステンレス鋼熱延板の正常部のスケールを硫酸
酸洗処理により完全に除去した後の、スケール疵の除去
に及ぼす硝酸濃度、ふっ酸濃度、溶液温度条件の影響を
示す図である。
【図4】本発明の硫酸酸洗処理および硝ふっ酸酸洗処理
によってスケール疵が除去される機構を模式的に示した
図である。
によってスケール疵が除去される機構を模式的に示した
図である。
【図5】19Crステンレス鋼熱延板で本発明の硫酸酸
洗処理と硝ふっ酸酸洗処理を適用した際に生じる粒界浸
食の深さに及ぼす硫酸酸洗処理における溶削量の影響を
示した図である。
洗処理と硝ふっ酸酸洗処理を適用した際に生じる粒界浸
食の深さに及ぼす硫酸酸洗処理における溶削量の影響を
示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高井良 昌文 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 古川 慎吾 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 藤井 陽平 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内
Claims (2)
- 【請求項1】 フェライト系ステンレス鋼熱延材を、溶
液1リットル当たり硫酸200〜400gの濃度の硫酸
溶液を用いて80〜100℃の温度で硫酸酸洗処理し、
続いて混合溶液1リットル当たり硝酸20〜160gと
ふっ酸10〜200gを混合した濃度の溶液を用いて4
0〜80℃の温度で硝ふっ酸酸洗処理を施すことを特徴
とするフェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法。 - 【請求項2】 前記硫酸酸洗処理において、前記熱延材
の表面層を20μm以上溶削することを特徴とする請求
項1記載のフェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3237492A JPH05230681A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | フェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3237492A JPH05230681A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | フェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05230681A true JPH05230681A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12357176
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3237492A Pending JPH05230681A (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | フェライト系ステンレス鋼熱延材の酸洗方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05230681A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-02-19 JP JP3237492A patent/JPH05230681A/ja active Pending
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