JPH05238846A - ムライト質発泡型多孔質セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

ムライト質発泡型多孔質セラミックス及びその製造方法

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JPH05238846A
JPH05238846A JP7553192A JP7553192A JPH05238846A JP H05238846 A JPH05238846 A JP H05238846A JP 7553192 A JP7553192 A JP 7553192A JP 7553192 A JP7553192 A JP 7553192A JP H05238846 A JPH05238846 A JP H05238846A
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porous
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sodium
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JP7553192A
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Shigeo Inoue
茂夫 井上
Momoko Arima
百子 有馬
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な強度を有するとともに気孔率及び気孔
径のコントロールが容易なムライト質発泡型多孔質セラ
ミックスを提供する。 【構成】珪酸ナトリウム、ムライト粉末、アルミナ粉末
及び/又は Al 2 O 3 生成物質、界面活性剤及び金属ア
ルミニウム粉末を主成分とするシリケートスラリーと、
アルミン酸ナトリウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及
び/又は Al 2 O3 生成物質、及び界面活性剤を主成分
とするアルミネートスラリーとを混合して鋳込み、ゲル
化と発泡を同時に起こして多孔質ヒドロゲル体を作製
し、前記多孔質ヒドロゲル体からナトリウム分をリーチ
ング処理によって除去した後、乾燥し、1200〜17
00℃で焼成することにより、ムライト質発泡型多孔質
セラミックスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はムライト質発泡型多孔質
セラミックスに関し、更に詳しくはフィルター、断熱
材、熱処理用台板等に使用可能なムライト質発泡型多孔
質セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、ムライト質多孔質セラミックスは、天然または合成
のムライトの原料粉末を種々の方法、例えば押出成形
法、プレス成形法等により成形した後で、低温焼成する
ことにより、製造されてきた。このような製造方法で
は、得られる多孔質セラミックスの気孔率は最大でも4
5%程度であり、これ以上気孔率を上げられないという
問題があった。また、低温焼成であるため、得られる多
孔質セラミックスの気孔径が小さく、一般には100μ
m以下のものしか得られない。このため、用途によって
は気孔の目詰まりが生じるという問題があった。
【0003】さらに、低温焼成による粉末同士の結合力
不足により、多孔質体そのものの強度が不足するという
問題があった。強度不足の対策として、焼結性を良くす
るためにSiO2 を添加し、ガラス相を焼結助剤として
利用することも試みられている。しかし、このSiO2
の存在によりムライト本来の耐熱性、耐蝕性等が大幅に
低下するという問題が生じる。
【0004】また、強度不足の別対策として、焼成温度
を上げることも考えられるが、気孔径が小さいため、あ
まり焼成温度を上げると気孔自体が収縮し、気孔径が小
さくなりすぎるという問題がある。そのため焼成温度を
あまり上げられないのが現状である。
【0005】また、プレス成形又は押し出し成形により
製造されているため、得られる多孔質セラミックスの形
状自由度が低く、平板、円板、円筒等、簡単な形状のも
のしか得られない。後加工によりある程度複雑な形状に
することがてきるが、コスト高になるという問題があ
る。
【0006】従って、本発明の目的は、このような従来
のムライト質多孔質セラミックスに伴う問題点を解消
し、良好な強度を有するとともに気孔率及び気孔径のコ
ントロールが容易なムライト質発泡型多孔質セラミック
スを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、所定の組成を有するシリケートス
ラリーとアルミネートスラリーとを混合して型内に鋳込
み、発泡とゲル化(固化)とを同時に起こさせて、多孔
質ヒドロゲル体を作成し、それからナトリウム分をリー
チング処理によって除去した後、乾燥、焼成すると、微
細かつ均一な気泡を有し、かつ成形性に優れているムラ
イト質発泡型多孔質セラミックスが得られることを発見
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の発泡型多孔質セラミッ
クスは、50〜1000μm程度の気孔径を有し、珪酸
ナトリウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及び/又は A
l 2O 3 生成物質、界面活性剤及び金属アルミニウム粉
末を主成分とするシリケートスラリーと、アルミン酸ナ
トリウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及び/又は Al
2 O 3 生成物質、及び界面活性剤を主成分とするアルミ
ネートスラリーとを混合して鋳込み、ゲル化と発泡を同
時に起こして多孔質ヒドロゲル体を作製し、前記多孔質
ヒドロゲル体からナトリウム分をリーチング処理によっ
て除去した後、乾燥し、1200〜1700℃で焼成す
ることにより得られたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の気孔径50〜1000μm
程度の発泡型多孔質セラミックスを製造する方法は、珪
酸ナトリウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及び/又は
Al2 O 3 生成物質、界面活性剤及び金属アルミニウム
粉末を主成分とするシリケートスラリーと、アルミン酸
ナトリウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及び/又はAl
2 O 3 生成物質、及び界面活性剤を主成分とするアル
ミネートスラリーとを混合して鋳込み、ゲル化と発泡を
同時に起こして多孔質ヒドロゲル体を作製し、前記多孔
質ヒドロゲル体からナトリウム分をリーチング処理によ
って除去した後、乾燥し、1200〜1700℃で焼成
することを特徴とする。
【0010】本発明の発泡型多孔質セラミックスは、製
造条件に応じて、実質的にムライト質からなるか、ある
いはムライト/アルミナ複合質からなる。
【0011】
【作用】本発明においては、珪酸ナトリウム、ムライト
粉末、アルミナ粉末及び/又はAl 2 O 3 生成物質、界
面活性剤及びアルミニウム粉末を主成分とするシリケー
トスラリーと、アルミン酸ナトリウム、ムライト粉末、
アルミナ粉末及び/又はAl 2 O 3 生成物質、及び界面
活性剤を主成分とするアルミネートスラリーとを混合し
て鋳込むことにより、下記式に例示するような発泡及び
ゲル化が同時進行する。
【0012】 (1) Al+ NaOH +H 2 O → NaAlO2 +3/2H2 ↑〔発泡〕 (2) Na 2 O ・2SiO 2・xH 2 O(シリケート)+ Na 2 O ・Al 2 O 3・ yH 2 O (アルミネート) → Na 2 O ・ Al 2 O 3 ・2 SiO 2 ・zH2 O +2NaOH 〔ゲ ル化〕
【0013】このようにして得られたゲル部( Na 2 O
・ Al 2 O 3 ・2 SiO 2 )により、ムライト粉末とアル
ミナ粉末が結合し、成形体を形成することができる。こ
の成形体(多孔質ヒドロゲル体)から、ナトリウム分を
リーチング処理によって除去すると、ゲル部は Al 2 O
3 ・2 SiO 2 (カオリン)組成となる。これを乾燥、焼
成すると、配合した Al 2 O 3 とカオリンとが反応し
て、 (3) Al 2 O 3 ・2 SiO 2 +2 Al 2 O 3 →3Al 2 O 3 ・2 SiO 2 で示されるムライト化反応が生じる。
【0014】このようなプロセスで製造されたムライト
質発泡型多孔質セラミックスは、以下の特徴を有す
る。。
【0015】(1)シリケートスラリー及びアルミネー
トスラリー中の界面活性剤の量及び金属アルミニウム粉
末の粒径及び量を調節することにより水素発生の形態を
コントロールすることができ、これにより気孔径及び気
孔率を自由に変化させることができる。具体的には、気
孔径を50〜1000μmの範囲で変化させることがで
き、また気孔率も40〜80%程度の範囲で変化させる
ことができる。特に、界面活性剤の量をコントロールす
ることにより、閉気孔にするか開気孔(気孔同士が連通
している)にするか決めることができる。これにより、
種々の用途に使用することが可能となる。
【0016】(2)本発明の発泡型多孔質セラミックス
は、材質的にはムライト質又はムライト/アルミナ複合
質である。本発明では、 Al 2 O 3 を添加してムライト
化しているので、耐熱性及び耐蝕性を劣化させる作用を
有する遊離SiO 2 が全く含有されていない。そのため、
本発明の発泡型多孔質セラミックスは非常に良好な耐熱
性及び耐蝕性を有する。
【0017】(3)スラリーを型内に流し込むことによ
り成形するので、得られる多孔質体の形状自由度が非常
に大きい。
【0018】(4)本発明の多孔質セラミックスは、発
泡型の気孔を有するので、通常の多孔質セラミックスよ
り大きな気孔径を有する。このため、高温焼成を行って
も気孔自体が収縮することがほとんどなく、粉末同士の
結合が強固になる。その結果、優れた強度を有する多孔
質セラミックスが得られる。
【0019】本発明のムライト質発泡型多孔質セラミッ
クスの製造方法について、以下に説明する。
【0020】〔1〕シリケートスラリー シリケートスラリー中に添加するセラミック添加材は、
ムライト粉末と、アルミナ粉末及び/又は Al 2 O 3
成物質とからなる。
【0021】ムライト粉末としては、粒径5〜50μm
程度の合成または天然のムライトを使用することができ
る。ただし、高温用の多孔質セラミックスとする場合、
アルカリ土類系の不純物(例えば、Ca、K等)を多く
含まないムライトを使用しなければならない。アルカリ
土類系の不純物が多すぎると、高温においてムライトが
軟化し、クリープ変形を起こす。
【0022】アルミナ粉末及び/又は Al 2 O 3 生成物
質は式(3) の反応を起こすために添加する。アルミナ粉
末としては、反応性の高い Al 2 O 3 (γ− Al 2 O
3 )を用いるのが好ましい。また、 Al 2 O 3 生成物
質としては、 Al(OH) 3 、Al(NO3 ) 3 、Al2 (SO 4 )
3 、 AlOCl2 等のアルミニウム水酸化物または塩が挙げ
られる。これらの Al 2 O 3 生成物質中の水酸基成分ま
たは塩成分は、焼成の際に気化するので、 Al 2 O 3
成物質は Al 2 O 3 となり、SiO 2 と反応する。これに
より、アルミニウム粉末と同じ作用をする。また、上記
Al 2 O 3 生成物質は Al 2 O 3 よりも活性が高いの
で、より低温でムライトを生成することができる。な
お、 Al 2 O 3 生成物質は粉末状に限らず、例えば水溶
液状でも良い。
【0023】界面活性剤を使用することにより、成型体
の全域にわたり、均一な気泡を有する多孔質セラミック
スの製造が可能となる。このような作用を有する界面活
性剤としては、ポリジメチルシロキサン、アミノシラ
ン、アクリルシラン等が好ましい。
【0024】なお、界面活性剤の種類により、孔の形状
を制御することができる。また界面活性剤の量を多くす
ると発泡箇所(気孔率)が増加し、減少すると発泡箇所
(気孔率)が減少する。シリケートスラリー中の界面活
性剤の量はこれらの点を考慮して決める。
【0025】アルミニウム粉末は、アルミネートスラリ
ーとの混合の際、下記反応により発泡を生じさせるため
に添加する。 (1) Al + NaOH +H 2 O → NaAlO2 +3/2H2 ( ガス) ↑
【0026】この際形成される細孔の数は、アルミニウ
ム粉末の量に比例する。すなわち、アルミニウム粉末を
多くすれば孔数は多くなり、アルミニウム粉末を少なく
すれば孔数は減少する。またアルミニウム粉末の量が一
定でも、その粒径が小さければ孔数は多くなり、また粒
径が大きければ孔数は減少する。シリケートスラリー中
のアルミニウム粉末の量はこれらの点を考慮して決め
る。
【0027】なお、アルミニウム粉末の表面積は0.05〜
1.5 m2 /gであるのが好ましい。表面積が0.05m2
g未満であると、発泡が不十分で気孔率が上がらず、ま
た1.5 m2 /gを超えると発泡が激しく均一な細孔構造
を得ることが困難となる。
【0028】また水は、シリケートスラリー中の固形分
(セラミック添加材+ケイ酸ナトリウム中の固形分含
量)が約75〜90重量%となるように添加するのが好まし
い。
【0029】〔2〕アルミネートスラリー アルミネートスラリー中のセラミック添加剤及び界面活
性剤は、シリケートスラリー中のものと同じでよい。ま
た水は、アルミネートスラリー中の固形分(セラミック
粉末+アルミン酸ナトリウム中の固形分含量)が約75〜
90重量%となるように添加するのが好ましい。
【0030】上記シリケートスラリーとアルミネートス
ラリーは、それぞれエアダイヤフラムポンプ等を用いて
10数時間循環させることにより、分散性が良く気泡の
混入がないスラリーとすることができる。
【0031】〔3〕各成分の組成 上記成分からなるシリケートスラリー及びアルミネート
スラリーは、以下の組成を有するのが好ましい。なお、
ケイ酸ナトリウム及びアルミン酸ナトリウムについて
は、それらの固形分を基準にして組成比を決める。
【0032】(a) シリケートスラリー ケイ酸ナトリウム 10〜15重量% セラミック添加材* 65〜75重量% 界面活性剤 0.05〜0.15重量% アルミニウム粉末 0.1 〜0.5 重量% 水 約10〜25重量%
【0033】(b) アルミネートスラリー アルミン酸ナトリウム 10〜15重量% セラミック添加材* 65〜75重量% 界面活性剤 0.05〜0.15重量% 水 約10〜25重量% (注)*:ムライト粉末と、アルミナ粉末及び/又は A
l 2 O 3 生成物質( Al 2 O 3 換算)との合計量。
【0034】〔4〕シリケートスラリーとアルミネート
スラリーの混合 混合物の組成を調整することにより、固化反応及び発泡
反応をコントロールすることができる。具体的には、以
下の通りである。
【0035】(1)ケイ酸ナトリウム及びアルミン酸ナ
トリウムの量を一定とすると、セラミック添加材の量を
減少することにより固化時間を短くすることができる。
また、セラミック添加材の量を多くすると固化時間は長
くなる。
【0036】(2)セラミック添加材の量を一定にした
とき、アルミン酸ナトリウムとケイ酸ナトリウムとの比
を大きくすると、固化時間は長くなり、逆に小さくする
と固化時間は短くなる。
【0037】(3)セラミック添加材の量及びアルミン
酸ナトリウム/ケイ酸ナトリウム比を一定にしても、反
応温度が低いと、固化時間は長くなり、逆に高いと固化
時間は短くなる。
【0038】従って、固化時間をコントロールするため
にシリケートスラリー/アルミネートスラリーの混合比
を調節する。本発明において好ましい混合比は 1/0.
6 〜1/1.6 である。
【0039】〔5〕混合物の組成 上記組成のシリケートスラリーとアルミネートスラリー
とを上記混合比で混合することにより、以下の組成の混
合物が得られる。なお、上記と同様に、ケイ酸ナトリウ
ム及びアルミン酸ナトリウムについては、固形分基準で
ある。
【0040】 ケイ酸ナトリウム 5〜8 重量% アルミン酸ナトリウム 5〜9 重量% セラミック添加材* 65〜75重量% 界面活性剤 0.05〜0.15重量% アルミニウム粉末 0.04〜0.3 重量% 水 約10〜25重量%
【0041】混合物中において、ケイ酸ナトリウムの含
有量(固形分基準)が5重量%未満であると、セラミッ
ク添加材どうしの接着が不十分であり、また8重量%を
超えると焼結時の収縮が激しく細孔の形状維持が困難と
なる。
【0042】アルミン酸ナトリウムの含有量(固形分基
準)は上記シリケートスラリー/アルミネートスラリー
の混合比により決まる。
【0043】またセラミック添加材(ムライト粉末+ア
ルミナ粉末及び/又は Al 2 O 3 生成物質)の含有量が
65重量%未満であると、ゲル強度が不十分で取り扱いが
困難であり、また75重量%を超えると粘度が急激に上昇
し、成形性が悪くなる。
【0044】アルミナ粉末及び/又は Al 2 O 3 生成物
質の量( Al 2 O 3 換算)は、理論的にはゲル部の Al
2 O 3 ・2 SiO 2 に対して2 Al 2 O 3 となる割合であ
れば良いが、化学量論的なムライトのみを合成するよう
にコントロールするのは困難であるので、通常は Al 2
O 3 の量を僅かに過剰にするのが好ましい。具体的に
は、ヒドロゲル中のカオリン( Al 2 O 3 ・2 SiO 2
とアルミナ粉末及び/又は Al 2 O 3 生成物質( Al 2
O 3 換算)とのモル比は、理論的には1/2、好ましく
は1/2〜1/2.5である。 Al 2 O 3 が少なすぎる
と遊離SiO 2 が析出するが、 Al 2 O 3 過剰であれば有
害な遊離SiO 2 が多孔質セラミックス内に残留しないか
らである。特に実質的にムライト質からなる発泡型多孔
質セラミックスを製造する場合、ムライト粉末とアルミ
ナ粉末及び/又は Al 2 O 3 生成物質( Al 2 O 3
算)とのモル比は、1/2〜1/2.2未満とする。ま
た、ムライト/アルミナ複合質の発泡型多孔質セラミッ
クスとする場合、上記モル比は1/2.2〜1/2.5
とする。なお、セラミック添加材はシリケートスラリー
及びアルミネートスラリー中にほぼ半分ずつ入れるのが
好ましい。
【0045】さらに界面活性剤の含有量が0.05重量%未
満であると、成形体全体にわたって均一な構造を形成す
ることが困難である。また0.15重量%を越えると、界面
活性剤の影響が大きくなりすぎて、個々の空孔の形状制
御が困難となる。
【0046】さらにアルミニウム粉末の含有量が 0.04
重量%未満であると、発泡速度が遅く、スラリーのゲル
化前に十分な気孔率を得ることができない。また 0.3重
量%を越えると発泡速度が速く、均一な細孔構造に制御
することが困難となる。
【0047】〔6〕注型、固化 以上のように、シリケートスラリーにのみアルミニウム
粉末を添加し、攪拌した後、アルミネートスラリーと混
合攪拌し、所望のキャビティー形状を有する鋳型(例え
ばプラスチック鋳型)に流し込む。これにより、例えば
下記式により表される発泡・ゲル化反応( ただし式中
1.2は混合比)が進行し、多孔質のヒドロゲルが得ら
れる。
【0048】 (1) Al + NaOH +H 2 O → NaAlO2 +3/2H2 ↑〔発泡〕 (2) Na 2 O・2SiO 2・xH 2 O(シリケート)+1.2 Na 2 O・Al 2 O 3・ yH 2 O (アルミネート) → Na 2 O ・ Al 2 O 3 ・2 SiO 2 ・zH2 O +NaOH〔ゲ ル化〕
【0049】また、プラスチック等の鋳型を使用するこ
とができるため、成形品の形状の自由度が大きく、また
大型品の成形も可能である。
【0050】〔7〕リーチング処理 このようにして得られた多孔質セラミックス成形体(多
孔質ヒドロゲル体)をイオン交換水で洗浄し、過剰なナ
トリウム分を除去した後、0.5 〜2%(例えば、1%)
の塩化アンモニウム溶液を用いて、ヒドロゲル結合中の
ナトリウムをアンモニウムイオンでイオン交換し、除去
する。さらにイオン交換水で洗浄することにより、過剰
な塩素イオンを除去する。
【0051】〔8〕乾燥、焼成 リーチング処理によりナトリウム分を除去した多孔質ヒ
ドロゲルを室温乃至50°C程度の温風で乾燥すること
により、水分を除去し、さらにオーブン乾燥する。これ
により、吸着水及びアンモニウムイオンを除去する。次
いで、1200〜1700℃の高温焼成により、多孔質セラミッ
クス体を得る。焼成温度が1200℃未満であると、ムライ
ト化が不十分で、多孔質セラミックスの強度が低い。一
方、焼成温度が1700℃を超えると、多孔質セラミックス
の収縮が大きすぎて、所望の気孔径を保持することが困
難となる。
【0052】以上の方法により得られる本発明のムライ
ト質発泡型多孔質セラミックスは、気孔率が40〜80
%、特に60〜80%であり、また気孔径が50〜10
00μm、特に50〜200μmである。
【0053】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0054】実施例1 下記表1に示す組成比(重量部)で、ケイ酸ナトリウム
およびアルミン酸ナトリウムに、それぞれムライト粉
末、アルミナ粉末及び界面活性剤を加え、攪拌機で攪拌
後、エアダイヤフラムポンプで約15時間循環させた。
【0055】 表1 シリケート アルミネート 原 料 (g) スラリー スラリー ケイ酸ナトリウム(固形分含量44%) 150 − アルミン酸ナトリウム(固形分含量46%) − 150 水 50.5 51.5 ムライト粉末 (200mesh) 260 260 アルミナ粉末 (200mesh) 38.3 38.3 界面活性剤(1) 1.5 1.5 注:(1)ポリジメチルシロキサン
【0056】次いでシリケートスラリー中にのみ、アル
ミニウム粉末(粒径:20〜25μm)0.75gを加えて
よく分散させた後、シリケートスラリー/アルミネート
スラリーの重量比が1: 1.2となるように、それぞれの
スラリーを秤量し、混合攪拌した。次いで、直径50mm
の断面を有するプラスチック鋳型に流し込んだ。
【0057】鋳込み後、約10分間で固化したが、その間
にH2 ガスの発生により発泡が生じ、直径50mmの外形
を有し、高さが50mmの円柱状の多孔質セラミックス成
形体(多孔質ヒドロゲル体)が得られた。
【0058】この多孔質ヒドロゲル体をイオン交換水で
洗浄し、残存する水酸化ナトリウムを除去した後、1%
の塩化アンモニウム水溶液で数回洗浄し、ヒドロゲルに
結合しているナトリウムイオンをアンモニウムイオンで
交換して除去し、さらにイオン交換水で洗浄して塩素イ
オンを除去した。
【0059】この多孔質ヒドロゲル体を空気中で1昼夜
乾燥して水分を除去した後、図1に示す温度プログラム
で低温乾燥し、吸着水及びアンモニウムイオンを除去し
た。さらに図2に示す温度プログラムで焼成した。
【0060】得られた多孔質セラミックスの気孔率は約
70%であり、平均気孔径は約100μmであった。気
孔(ポア)の形態としては、ポアどうしが結合している
オープンポアであった。
【0061】得られた多孔質セラミックスがムライト化
していることを確認するために、多孔質セラミックスの
一部を粉砕し、粉末X線回折測定を行った。図3に示す
ように、得られた多孔質セラミックスはほとんど純粋な
ムライトであり、遊離のSiO2 、 Al 2 O 3 等は全く含
まれていなかった。
【0062】実施例2 下記表2に示す組成比(重量部)のシリケートスラリー
及びアルミネートスラリーを用い、実施例1と同じ条件
で多孔質セラミックスを製造し、粉末X線回折測定を行
った。
【0063】 表2 シリケート アルミネート 原 料 (g) スラリー スラリー ケイ酸ナトリウム(固形分含量44%) 150 − アルミン酸ナトリウム(固形分含量46%) − 150 水 50.5 51.5 ムライト粉末 (200mesh) 260 260 アルミナ粉末 (200mesh) 42.5 42.5 界面活性剤(1) 1.5 1.5 注:(1)ポリジメチルシロキサン
【0064】図4に示すように、得られた多孔質体はム
ライトとアルミナからなっており、ムライト/アルミナ
複合質発泡型多孔質セラミックスであった。また、その
気孔径及び気孔率を測定したところ、実施例1とほとん
ど同じであった。
【0065】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のムライト質発泡
型多孔質セラミックスは、ほぼ完全なムライト質、又は
ムライト/アルミナ複合質であるため、耐熱性及び耐蝕
性が要求される炉材、セッター、熱処理用台板、陶磁器
用キルンファニチャー、溶湯金属用フィルター、溶湯金
属用エアレーション用散気板、排ガス浄化用触媒担体
等、種々の用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例において行う低温乾燥プログラムを示
すダイヤグラムである。
【図2】各実施例において行う焼成プログラムを示すダ
イヤグラムである。
【図3】実施例1で得られた多孔質セラミックスの粉末
X線回折パターンを示すグラフである。
【図4】実施例2で得られた多孔質セラミックスの粉末
X線回折パターンを示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気孔径50〜1000μm程度の発泡型
    多孔質セラミックスであって、珪酸ナトリウム、ムライ
    ト粉末、アルミナ粉末及び/又は Al 2 O 3生成物質、
    界面活性剤及び金属アルミニウム粉末を主成分とするシ
    リケートスラリーと、アルミン酸ナトリウム、ムライト
    粉末、アルミナ粉末及び/又は Al 2O 3 生成物質、及
    び界面活性剤を主成分とするアルミネートスラリーとを
    混合して鋳込み、ゲル化と発泡を同時に起こして多孔質
    ヒドロゲル体を作製し、前記多孔質ヒドロゲル体からナ
    トリウム分をリーチング処理によって除去した後、乾燥
    し、1200〜1700℃で焼成することにより得られ
    たことを特徴とする発泡型多孔質セラミックス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発泡型多孔質セラミッ
    クスにおいて、実質的にムライト質からなることを特徴
    とする発泡型多孔質セラミックス。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発泡型多孔質セラミッ
    クスにおいて、ムライト/アルミナ複合質であることを
    特徴とする発泡型多孔質セラミックス。
  4. 【請求項4】 気孔径50〜1000μm程度の発泡型
    多孔質セラミックスを製造する方法において、珪酸ナト
    リウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及び/又は Al 2
    O 3 生成物質、界面活性剤及び金属アルミニウム粉末を
    主成分とするシリケートスラリーと、アルミン酸ナトリ
    ウム、ムライト粉末、アルミナ粉末及び/又は Al 2 O
    3 生成物質、及び界面活性剤を主成分とするアルミネー
    トスラリーとを混合して鋳込み、ゲル化と発泡を同時に
    起こして多孔質ヒドロゲル体を作製し、前記多孔質ヒド
    ロゲル体からナトリウム分をリーチング処理によって除
    去した後、乾燥し、1200〜1700℃で焼成するこ
    とを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の発泡型多孔質セラミッ
    クスの製造方法において、ヒドロゲル中のカオリン( A
    l 2 O 3 ・2 SiO 2 )とアルミナ粉末及び/又は Al 2
    O 3 生成物質( Al 2 O 3 換算)とのモル比を1/2〜
    1/2.2未満とすることにより、実質的にムライト質
    からなる発泡型多孔質セラミックスを製造することを特
    徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の発泡型多孔質セラミッ
    クスの製造方法において、ヒドロゲル中のカオリン( A
    l 2 O 3 ・2 SiO 2 )とアルミナ粉末及び/又は Al 2
    O 3 生成物質( Al 2 O 3 換算)とのモル比を1/2.
    2〜1/2.5とすることにより、ムライト/アルミナ
    複合質の発泡型多孔質セラミックスを製造することを特
    徴とする方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104446623A (zh) * 2014-11-27 2015-03-25 武汉科技大学 一种莫来石多孔陶瓷及其制备方法
CN108383132A (zh) * 2018-03-19 2018-08-10 华南理工大学 一种超细莫来石粉体的低温制备方法
CN115180932A (zh) * 2022-07-06 2022-10-14 武汉科技大学 基于高钠工业氧化铝原位合成莫来石多孔陶瓷及制备方法
CN116003158A (zh) * 2022-12-15 2023-04-25 西北工业大学 一种利用锂矿渣制备莫来石多孔陶瓷的方法、莫来石多孔陶瓷和应用
US20240018045A1 (en) * 2020-12-07 2024-01-18 Holcim Technology Ltd Process for the production of an ultra-light mineral, and use of the resulting mineral foam as a refractory material

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