JPH05239039A - テクネチウムまたはレニウムで物質を標識する方法 - Google Patents

テクネチウムまたはレニウムで物質を標識する方法

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JPH05239039A
JPH05239039A JP4197935A JP19793592A JPH05239039A JP H05239039 A JPH05239039 A JP H05239039A JP 4197935 A JP4197935 A JP 4197935A JP 19793592 A JP19793592 A JP 19793592A JP H05239039 A JPH05239039 A JP H05239039A
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アクセル・ヴアルヒ
Matthias Wiesner
マテイーアス・ヴイースナー
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 テクネチウムまたはレニウム同位元素で物質
を標識する方法において、 a) 標識すべき物質を式I 【化1】 〔式中、Rは−NH2、−N=C=S、 【化2】 であり、Xは(C1〜C6)−アルキレン、(C6
12)−アリーレンまたは(C1〜C 6)−アルク−(C
6〜C12)−アリーレンである〕の大環状錯化剤と反応
させ、得られた化合物を標識するか、またはb)式Iの
化合物の錯化剤をまず標識し、ついで標識すべき物質と
反応させることからなる方法およびその目的で用いられ
るキット。 【効果】 得られた錯体は中性のpHでの高い安定性を有
し、本発明の方法は、蛋白質、糖、脂肪酸、ホルモンお
よびポリマー、とくに抗体およびそれらのフラグメント
の標識に使用することができ、たとえば腫瘍関連抗原の
検出に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、物質を錯化剤の補助によりとく
に放射性のテクネチウムまたはレニウム同位元素で標識
する方法、およびこれらの標識物質の使用に関する。
【0002】放射性核種の工業的応用の可能性はきわめ
て多様である。たとえば、連続操作生産プラントにおけ
る混合物の試験、希釈分析による重量もしくは容量の決
定、流速の測定および滞留時間の記録等に及んでいる。
【0003】しかしながら、通常、放射性核種の単なる
混合では不十分であって、たとえばある系の特定の成分
の「モニタリング」に際しては、放射性核種は検討すべ
き成分中の少なくとも一つの化合物に物理的にまたはさ
らに好ましくは化学的にカップリングさせねばならず、
またこれは可能であれば、関係する化合物の物理的また
は化学的性質に影響することなく、行われなければなら
ない。
【0004】免疫シンチグラフィー、すなわち放射能に
よって標識された抗体もしくはそのフラグメントまたは
遺伝子操作で得られた免疫反応性蛋白質の注射による患
者の病的変化の描出のための非侵襲的方法は、とくに悪
性疾患の診断において、その臨床的重要性が益々高まっ
ている。
【0005】とくに、テクネチウム−99mは、その好
ましい物理的性質(粒子線放射がなく、γ−エネルギ
ー:140keV、半減期:6時間)およびそれに伴う放
射線への被爆が少ないことから、核医学診断において最
も重要な放射性核種となっている。
【0006】レニウム同位元素、Re−186およびR
e−188は、β−放射核種である。これらは、エネル
ギーに富んだβ−照射は細胞毒性を有することから、腫
瘍の治療に使用できる。腫瘍中への選択的濃縮も、たと
えば腫瘍特異的モノクローナル抗体への接合によって実
施できる。レニウムの酸化還元および配位の体系はテク
ネチウムの場合にきわめて類似している。
【0007】核種製造装置から得られるテクネチウム−
99mは、最初は過テクネチウム酸塩(pertechnetat
e)として存在し、この型でたとえば甲状腺や脳のシン
チグラフィーに適している。テクネチウム−99mを用
いた他の臓器のシンチグラフィーは、一方ではテクネチ
ウムを結合することができ、他方では高い選択性によっ
て標的臓器における放射性核種を濃厚化できる特異的
「輸送物質」の補助により実施される。臓器特異的「輸
送物質」のテクネチウム−99mによる標識には、核種
製造装置から溶出される過テクネチウム酸塩をまず、低
酸化状態に変換しなければならない。この還元状態で
は、テクネチウムは臓器特異的物質と、多かれ少なかれ
安定な化合物を形成する。骨のシンチグラフィーには、
たとえば、Tc−99m−リン酸誘導体とくに有機リン
酸誘導体が使用される。すなわち、3,3−ジホスホノ
−1,2−プロパンジカルボン酸のナトリウム塩が、E
P−A 0,002,485に記載された標識単位中に臓
器特異的「輸送物質」として存在する。EP−A 0,1
08,253には、RES、とくに肝のシンチグラフィ
ーによる描出のための、Tc−99m−トリおよびテト
ラホスホン酸が記載されている。ジエチレントリアミン
ペンタ酢酸(DTPA)とのTc−99mの錯体は、腎
疾患または脳の病的過程の診断に使用されている。
【0008】テクネチウム−99mによる特異的物質の
標識化および臨床的なルーチンの要求に適した試験キッ
トの製造については、特別の方法が開発され、報告され
ている。生物学的に興味のあるマクロ分子、とくにポル
フィリン、デキストラン、シトクロームおよびミオグロ
ビン用の標識キットの製造には、標識すべき物質を、p
−アミノ安息香酸および塩酸塩化錫溶液とともに凍結乾
燥する方法が報告されている(G.D. Zanelli, D. Ellis
on, M.P. Barrowcliffe, Nucl. Med. Commun.8,19
9〜206, 1987)。このキットの再構築および標
識に際しては、Tc−99m発生装置の溶出液を予め適
当な緩衝液、たとえばクエン酸−食塩緩衝液pH9.5で
希釈して添加する。しかしながら、酸感受性物質にはこ
の方法は不適当である。
【0009】他の方法(E.K.J. Pauwels, R.I.J. Feits
ma, WO 86/03010)では、過テクネチウム酸塩
をまず、強塩酸溶液中、140℃に4時間加熱してTc
−99mに還元し、アミノ基を含有する化合物たとえば
ジメチルホルムアミドに結合させる。難溶性の結晶性物
質として沈殿した、反応性のTc−99m標識中間体を
標識すべき化合物と、緩衝液たとえば炭酸ナトリウム溶
液中、室温で1時間インキュベートして反応させる。こ
の方法では、明らかに錫を用いないで操作できるが、そ
の複雑な工程のため、ルーチンの使用には不適当であ
る。
【0010】蛋白質、とくに抗体の標識には、2つの異
なる方法が知られている。直接法では、還元されたテク
ネチウム−99mが、蛋白質のドナー基(アミノ、アミ
ド、チオール等)によって結合される。
【0011】このような方法は、EP−A 0,005,
638およびUS−A 4,478,815に記載されて
いる。これらの方法では、ジスルフィド橋の同時還元的
切断と添加Tc−99m過テクネチウム酸塩の還元のた
めに錫(II)塩が過剰に用いられる。一般的に、−S−
S−結合の切断には長いインキュベーション時間(24
時間)が必要で、F(ab′)2フラグメントは部分的に
切断されてF(ab)フラグメントを与える。最近の文献
報告(たとえば、J. Nucl. Med. 27, 685〜693
および1315〜1320,1986;また Int. J. N
ucl. Med. Biol.12, 3〜8,1985)には、その
2つのフラグメントの割合は「錫との反応」に依存し、
Tc−99m標識後の2成分の比には目につくような変
化はもはやなく、主要な成分はTc−99m標識F(a
b′)であることが示されている。いずれの場合も、少
なくとも30分の反応時間にもかかわらず過テクネチウ
ム酸塩の定量的な反応は達成されなかったので、標識F
(ab′)フラグメントは精製されなければならなかっ
た。
【0012】ヒト血漿蛋白質をTc−99mで標識する
ための、迅速な化学的方法(D.W. Wong, F. Mishin, T.
Lee, J. Nucl. Med. 20,967〜972,197
9)では、過テクネチウム酸塩はまず、酸性溶液中錫
(II)イオンを用いて還元し、還元されたテクネチウム
をついで蛋白質と反応させる。
【0013】二官能性錯化剤の補助により、物質の放射
性同位元素による安定な標識が達成できる。
【0014】米国特許第4,479,930号には、In
−111およびGa−67のみでなくTc−99mに対
する錯化剤として、ETPAおよびEDTAに言及され
ている。EP−A 0,035,765には、テクネチウ
ム−99mの蛋白質への錯化の場合の錯化剤として、デ
フェロキサミンの使用が述べられている。国際特許出願
WO 85/3063には、抗体中の部分還元ジスルフィ
ド橋を、前もって過テクネチウム酸塩とナトリウムアジ
ドの反応によって調整されねばならないテトラクロロニ
トリドテクネチウム酸のナトリウム塩と反応させる。E
P−A 0,194,853では、還元によって生成され
た抗体フラグメント中の遊離チオール基が同様に、キレ
ート錯体としての〔(7−マレイミドヘプチル)イミノ
−ビス(エチレンニトリロ)〕四酢酸の結合に用いられ
る。錯体の抗体へのカップリングは、錯体化合物のマレ
イミド残基中の二重結合とSH基の反応によって行わ
れ、一方、放射性金属イオンはニトリロ二酢酸残基によ
って錯化される。
【0015】テクネチウム−99mを診断剤として広範
に使用可能にするためには、この核種を、検査すべき臓
器に選択的に輸送することが必要である。一方、患者の
不必要な照射被爆を避けるために、テクネチウム−99
mは、他の臓器または臓器系からは急速に消失するかま
たはまったく取り込まれないことが必要である。この目
的では、現在までテクネチウム−99mで直接標識でき
て、高い臓器特異性を有する物質が主に使用されてき
た。他にも、明らかな高い臓器特異性を有する物質は多
いが、直接標識することができない。これらには、蛋白
質(フィブリノーゲン、ヒト血清アルブミン)、酵素
(ストレプトキナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ)、糖
(デキストラン、グルコース)あるいはポリマーがあ
る。これらにはまた、低分子量物質、たとえば心臓の高
いエネルギーの要求に応えて心筋に濃縮される脂肪酸が
包含される。これらの物質を標識させるためには、テク
ネチウム−99mに強固に結合できる錯化剤にカップリ
ングさせる。
【0016】テクネチウムおよびレニウム同位元素を錯
化するための既知の適当な錯化剤には、大環状アミン、
とくにcyclamがある。テクネチウム−cyclam錯体の錯化
収率は、適当な条件下には99%である。テクネチウム
−アミン錯体の詳細については、D.E. Troutner, J. Si
mon, A.R. Ketring, W.A. Volkert, R.A. Holmes, J.Nu
cl. Med. 21(1980), 443またはS.A. Zuckma
n, G.M. Freeman, D.E. Troutner, W.A. Volkert, R.A.
Holmes, D.G. van der Keer, E.K. Barefield, lnorg.
Ch. 20(1981),3386またはJ. Simon, D. Tr
outner, W.A. Volkert, R.A. Holmes, Radiochem. Radi
onal. Lett. 47(1981)IIIに記載されている。1
−窒素ならびに6−窒素の両者が置換された置換cyclam
も知られている〔A.R. Ketring, D.E. Troutnerら、In
t. J. Nucl. Med. Biol. 11(1984)、113また
はJ. Simon, Diss. Abstr. Int. B42(1981), 6
45またはM. Struden, T.A. Kaden, Helv. Chim. Acta
69(1986),201またはE. Kumura, R. Machid
a, Kodama, J. Am. Chem. Soc. 106(1984),54
97〕。
【0017】アミンリガンドおよび他のリガンドを蛋白
質に接合させる試みは〔FritzbergらJ. Nucl. Med. 2
7(1986),957またはTolmanら、 J. Nucl. Med.
25(1984),20またはArnoら、 Int. J. Nucl. Me
d. Biol. 12(1986)425参照〕すべて、in vivo
における高い安定性の要求をまったくまたは部分的にし
か満足しなかった。
【0018】EP−A 0,304,780には、安定性
が改良された特定のN−およびC−置換大環状アミン誘
導体が記載されている。しかしながらその欠点は、標識
すべき物質(たとえば蛋白質)に無害なpH範囲でも、錯
体の安定性は十分大きくないことである。強い塩基性pH
範囲でのみ、大環状キレート剤とも完全な錯体形成が達
成できる。
【0019】したがって、本発明の目的は中性のpH範
囲、すなわち9未満のpHで、程度の高い錯体の形成を可
能にする、テクネチウムまたはレニウムによる物質の標
識方法を提供する。さらに、本発明の目的は、in vivo
条件、すなわち中性のpH範囲で高い安定性を有する、テ
クネチウムまたはレニウムに対するキレート剤を提供す
ることにある。
【0020】本発明は、a)標識すべき物質を式I
【化3】 〔式中、Rは−NH2、−N=C=S、
【化4】 であり、Xは(C1〜C6)−アルキレン、(C6
12)−アリーレンまたは(C1〜C 6)−アルク−(C
6〜C12)−アリーレン、とくに(C1〜C4)−アルキ
レン、フェニレン、好ましくは1,4−フェニレンまた
は(C1〜C4)−アルク−1,4−フェニレンである〕
の大環状錯化剤と反応させ、得られた化合物を9未満の
pHにおいて、過テクネチウム酸塩−99もしくは−99
mまたは過レニウム酸塩−186(perrhenate−18
6)もしくは−188および還元剤で処理することによ
ってTc−99、Tc−99m、Re−186またはR
e−188で標識するか、または b) 式Iの化合物を適当な過酸化化合物および還元剤
と9未満のpHで反応させることにより、まずTc−9
9、Tc−99m、Re−186またはRe−188錯
体を製造し、ついでこの錯体を標識すべき物質と反応さ
せることからなる、テクネチウムまたはレニウム同位元
素で物質を標識する方法によって達成される。
【0021】式Iのキレート剤または錯体の、標識すべ
き物質への結合は、ラジカルRをかいして起こる。この
場合の方法では、共有結合の形成である。
【0022】一般式Iの化合物は、EP−A 0,30
4,780に明らかに包含されている。しかしながら、
その時点ではそれらが中性のpHで、安定な錯体を形成す
る能力を有することは、まだ明らかにされていなかっ
た。実施例4によれば、pH11で錯体が形成されている
が、使用されたTc−99mのわずか10%が結合する
にすぎない。
【0023】しかしながら、本発明によって選ばれた式
Iの化合物は、中性のメジウム中でも高い錯体安定性を
有する。すなわち、最初に導入されたTcまたはRe同
位元素の90%以上、好ましくは95%以上が結合す
る。したがって、pHは9未満、好ましくは8未満(そし
てpH6.5以上)でなければならない。
【0024】Cyclam(1,4,8,11−テトラアザシク
ロテトラデカン)については、Tc−99mの完全な錯
体形成は強塩基性条件下、すなわち、たとえば抗体には
不適当なpH範囲でのみ可能であることが知られている。
しかしながら、診断試験キットは臨床的に取扱い可能な
形でのみ存在するので、錯化剤がすでに標的特異的蛋白
質(たとえば、抗体もしくはそのフラグメントまたは遺
伝子操作免疫反応性蛋白質)に凍結乾燥された型で結合
して提供され、診療所では放射性核種(および必要に応
じて還元剤)だけを添加すればいいようにすると、錯体
形成は、標識される物質に無害なpH範囲において可能な
ことが望ましかった。たとえば、モノクローナル抗体
は、pH8での錯体形成では、免疫反応性およびアフィニ
ティーの有意な低下を生じることなく残存する。
【0025】本発明の方法に使用される化合物は、この
ような処置をはじめて可能にするものである。EP−A
0,304,780の化合物の、塩基性のpH範囲におい
てさえも低い安定性を考えると、上述のとくに選ばれた
化合物が、高い安定性にさらに重要な中性のpH範囲でも
この作用を示すことは、まったく驚くべきことであっ
た。
【0026】本発明の方法においては、式Iの化合物
は、標識すべき物質に、官能基Rの補助によって結合さ
れる。接合体を所望により適当に精製したのち(蛋白質
もしくはポリマーの場合は限外濾過もしくは透析、また
ステロイドもしくは脂質のような低分子量物質の場合は
カラムクロマトグラフィーによる)、過テクネチウム酸
塩の形のテクネチウム−99mまたは過レニウム酸塩の
形のレニウム−186もしくは188および、過テクネ
チウム酸塩もしくは過レニウム酸塩を錯体形成に必要な
酸化状態に還元するための適当な還元剤を、任意の所望
の順序にもしくは同時に加える。標識された基質は所望
により再び精製する。
【0027】別法として、まず式Iの化合物に対するテ
クネチウムまたはレニウム錯体を生成させ、ついでこれ
を物質と反応させて接合体を得ることができる。この場
合、錯体形成と還元は上述のように進行する。錯体形成
反応は中性のpH範囲で行われる。とくに、9未満のpH、
好ましくは8未満(そしてpH6.5以上)で行われる。
【0028】式Iのタイプの化合物の製造はEP−A
0,304,780によって公知である。
【0029】過テクネチウム酸塩または過レニウム酸塩
の還元は、文献公知の方法により、好ましくは錫(II)
化合物で実施することができる。とくに好ましくは、還
元はEP−A 0,304,780に提案されている「標
識過程」により、錯体安定化錫(II)塩を用いて行われ
る。この方法では、錫(II)化合物をまず錯化剤、好ま
しくはリン化合物たとえばホスホネートまたはピロホス
フェートで処理し、これによりとくに錫化合物が生理的
pH範囲内の溶液に溶存することが保証される。この錯体
安定化錫(II)塩溶液は、ついで標識すべき物質に添加
し、続いて過テクネチウム酸塩または過レニウム酸塩溶
液を加えるか、または標識すべき物質と過テクネチウム
酸塩または過レニウム酸塩溶液の混合物に加えることが
できる。
【0030】標識するのに適当な物質(担体物質または
臓器特異性物質)は、たとえば蛋白質(−NH、−NH
2またはCOO基)、酵素(−NH2、−OH、−P=O
基)、糖(OH基)、脂肪酸、ホルモンまたはポリマー
である。抗体またはそれらのフラグメントの標識化がと
くに好ましく、モノクローナル抗体(フラグメント)
〔たとえばF(ab′)2またはF(ab)フラグメント〕
または遺伝子操作で得られた免疫反応性蛋白質の標識化
がさらに好ましい。
【0031】本発明はさらに、2種の分離された凍結乾
燥成分、すなわち一方は腫瘍関連抗原に対する抗体もし
くはそのF(ab′)2フラグメントを緩衝剤と混合して
含有し、その抗体もしくはそのフラグメントは式Iの大
環状化合物と結合していて、他方はテクネチウムもしく
はレニウムの還元およびその抗体成分への結合に必要な
還元剤を含有してなる、腫瘍検出用の試験キットに関す
る。
【0032】以下に本発明を実施例によって例示する。
【0033】実施例1 1−(p−イソチオシアネートフェニル)−2,5,9,
12−テトラアザシクロテトラデカン塩酸塩(R=−N
=C=S)の製造 1a) 2,5,9,12−テトラアザ−13−(p−ニト
ロフェニル)シクロテトラデカノンの合成
【化5】 25gの1,4,8,11−テトラアザウンデカン(stre
m. Kehl, Germany)および34.5gのp−ニコチナム
酸エチルエステル(Aldrich, Steinheim, Germany)を
湿気を避けながら、3リットルの無水メタノールに溶解
し、この混合物を沸騰石を加えて還流しながら1日8時
間加熱し、夜間は室温に放置して4週間反応させる。溶
媒を真空中で留去する。残留物を400mlの水と撹拌
し、濾過し、水洗する。
【0034】濾液を合わせて、200mlのジエチルエー
テルで1回、150mlのメチレンクロリドで5回抽出す
る。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮乾固す
る。
【0035】このようにして得られた固体(9.2g)
を、使用前にメタノールで完全に洗浄したシリカゲル6
0のカラムによりクロマトグラフィーに付す。使用した
溶出液は、初期はメタノール、後期はメタノールからメ
タノール:濃アンモニア9:1の勾配とする。分画を集
め、これらを薄層クロマトグラフィーに付す。
【0036】シリカゲルプレート上、メタノール:濃ア
ンモニア8:3混合物での、生成物の移動度は、Rf=
0.7である。
【0037】適当な分画を濃縮し、生成物は注意深く真
空中で乾燥し、残留メタノールを除去する。残留シリカ
ゲルの除去には、水またはアルコール溶液から再結晶で
きる。
【0038】生成物は、凍結乾燥型のほぼ無色の、通常
はわずかに黄色をおびた羽毛状の固体として得られる。
収量は4.2gである。通常、カラムクロマトグラフィ
ーの他の分画からも、クロマトグラフィーを反復するこ
とにより、さらに生成物が得られる。分析は、1H−N
MR、マススペクトル、TLCおよびIRによって実施
する。
【0039】1b) 2,5,9,12−テトラアザ−13
−(p−ニトロフェニル)シクロテトラデカノンの、
2,5,9,12−テトラアザ−13−(p−アミノフェ
ニル)シクロテトラデカノンへの還元
【化6】 3gの2,5,9,12−テトラアザ−13−(p−ニト
ロフェニル)シクロテトラデカノンを、湿気を避けなが
ら40mlの乾燥メタノールに溶解する。この混合物に2
00mgのパラジウムをカーボンに5%に分散(Aldrich,
Steinheim, Germany)して加える。装置をきわめて丹
念に窒素で洗浄したのち、激しく撹拌し空気を排除しな
がら、わずかに水素の陽圧を加えた。全部で(触媒の飽
和を含めて)900mlの水素が吸収される。反応完了
後、混合物を数回濾過補材(たとえばCorliteR)を通し
て濾過し、濾液を濃縮乾固し、残留物を真空乾燥する。
【0040】生成物は通常、さらに精製を要しない純粋
な型で得られる。夾雑生成物がある場合は、続いて1
a)の場合と同様なカラムクロマトグラフィーを実施で
きる。シリカゲル上メタノール:濃アンモニア8:3を
用いたTLCでの生成物のRfは0.55である。収率
>理論量の98%、同定は1H−NMR、TLC、MS
およびIRによる。
【0041】1c) 2,5,9,12−テトラアザ−13
−(p−アミノフェニル)シクロテトラデカノンの1−
(p−アミノフェニル)−2,5,9,12−テトラアザ
シクロテトラデカン(R=NH2)への還元
【化7】 ラクタム基の還元は、慣用のアミド還元法により、水素
化物を用いて実施できる。さまざまな水素化物の配合に
より、最良の結果が得られる。ボラン−THFによる還
元を例として示すが、Lawessonの試薬およびNaB
4、ならびに本技術分野の熟練者にはよく知られた他
の試薬も使用できる。この反応の収率は一般に定量的で
はない。しかしながら、非還元ラクタムはクロマトグラ
フィーによって回収できる。
【0042】1gの2,5,9,12−テトラアザ−13
−(p−アミノフェニル)シクロテトラデカノンを、ナ
トリウム上で乾燥したテトラヒドロフラン(THF)6
0ml中に懸濁(一部は溶解)し、BH3/THFの1N
溶液8mlを加えたのち、還流下に2週間加熱した。過剰
のボランをメタノールで分解し、この溶液を濃縮する。
メタノールに3回溶解し、溶媒をそれぞれ濃縮し、残留
物を乾燥エタノールに取り、湿気を避けながら塩酸ガス
を通じる。1時間通じたのち(容器は氷浴で冷却)、混
合物を10時間還流下に加熱し、ついで再び氷冷し、も
う一度塩酸ガスを飽和する。反応容器を密閉して、−1
8℃に10時間以上冷却する。沈殿を濾過し、乾燥エタ
ノールで洗浄し凍結乾燥する。母液から、さらに粗製の
生成物を得ることができる。
【0043】前もってアンモニアで中和した粗生成物に
ついて、1a)に記載したカラムクロマトグラフィーを
実施する。この場合の生成物はカラム中に残り、アンモ
ニア濃度をメタノール:濃アンモニア1:1まで増大さ
せていくと、出発原料の溶出に続いて溶出する。薄層ク
ロマトグラフィーにおけるRfは0.1(シリカゲル上
メタノール:濃アンモニア8:3)である。通常、純粋
な型の生成物を得るには、反復して数回のカラムクロマ
トグラフィーが必要である。
【0044】生成物の同定は1H−NMR(14−CH2
および1−(以前は13−)CHシグナルの明瞭なシフ
ト)およびIRによる。収量:100mg(還元法によっ
て異なる)。出発化合物はカラムクロマトグラフィーの
適当な分画から高純度で回収できる。
【0045】1d) 1−(p−アミノフェニル)−2,
5,9,12−テトラアザシクロテトラデカン(II、R=
NH2)のチオホスゲンとの反応による、1−(p−イ
ソチオシアネートフェニル)−2,5,9,12−テトラ
アザシクロテトラデカン塩酸塩(R=−N=C=S)の
製造
【化8】 実施例1c)からの生成物20mgを5mlの乾燥メチレンク
ロリドに部分溶解し、湿気を避けながら、9μlのチオ
ホスゲンと100mgの固体炭酸ナトリウムで処理した。
湿気を避けながら室温で4時間撹拌したのち、混合物を
濾過し、濾液を真空中で乾燥する。式IにおいてR=−
N=C=Sである化合物が得られる。
【0046】生成物は、1H−NMR(芳香族二重タブ
レットの消失、脂肪族シグナルのブロードニング)、I
Rおよびマススペクトルによって特徴づけられる。メチ
レンクロリドのような有機溶媒に易溶である。室温で、
とくに水性メジウム中において、徐々に反応して不溶性
のオリゴマーを生成する。
【0047】実施例2 1−(p−マレイミドフェニル)−2,5,9,12−テ
トラアザシクロテトラデカン(R=マレイミド)の合成
【化9】 実施例1c)からの生成物29mgを、アセトン:メタノ
ールの5:1無水混合物1mlに部分溶解し、湿気を避け
ながら室温で激しく撹拌する。この混合物に、乾燥アセ
トン100μl中12mgの無水マレイン酸を加える。溶
液を濃縮乾固する。生成物を、1mlの無水酢酸中7mgの
無水酢酸ナトリウムと(湿気を避けながら)2時間50
℃で撹拌し、ついで再び濃縮する。残留物を2mlの水に
取り、70℃で2時間撹拌する。冷却すると、生成物が
沈殿する。これを濾過し、水洗し、凍結乾燥する。
【0048】収率は理論量の40%。1H−NMR、マ
ススペクトルおよびIRによって特徴づけられる。
【0049】実施例3 1−(p−アミノフェニル)−2,5,9,12−テトラ
アザシクロテトラデカン(R=NH2)とTc−99m
の錯体の形成 置換cyclam5.1mgを0.9%食塩溶液0.5mlに溶解す
る。この溶液0.1ml(1mg)を採取し、0.9%食塩溶
液0.8mlで希釈し、53μgのSn2+を錫(II)クエ
ン酸塩の型で加え、この混合物をMo−99/Tc−9
9m発生装置から溶出させたTc−99m過テクネチウ
ム酸塩0.1ml(320MBq)で処理する。反応溶液
を室温に10分間放置する。
【0050】放射化学的純度は、薄層クロマトグラフィ
ーおよび濾過試験によって調べた。薄層クロマトグラフ
ィー: 方法1: Gelman ITLC SG/メチルエチルケトンまたは
メタノール:水=4:1 方法2: Whatman 1/メチルエチルケトン 濾過試験:正確に活性濃度がわかっている溶液約1mlを
フィルター(0.22μm孔径)を通して濾過し、濾液中
の活性濃度を測定する。
【0051】薄層クロマトグラフィー試験では、過テク
ネチウム塩酸はまったく検出されなかった。適用時点
で、全活性が残存した。ニンヒドリン染色では、不活性
物質もRfは0であることを示した。
【0052】還元、コロイド状テクネチウムの形成を排
除するために、濾過試験を実施した。使用された活性の
98%が濾液中に見出され、濾過性のコロイド状テクネ
チウムは導入されていなかった。
【0053】このように、分析試験により、所望のTc
−99m錯体が完全に形成されたことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 15/22 7731−4H G01N 33/534 8310−2J (72)発明者 ルートヴイヒ・クールマン ドイツ連邦共和国デー−6093フレールスハ イム・アム・マイン.ベルリーナーシユト ラーセ57 (72)発明者 ミヒヤエル・マーガーシユテート ドイツ連邦共和国デー−6073エーゲルスバ ハ.テーオドール−ホイス−シユトラーセ 14 (72)発明者 アレクサンダー・シユヴアルツ ドイツ連邦共和国デー−6093フレールスハ イム・アム・マイン.ヴイーゼンリング61 (72)発明者 アクセル・シユタインシユトレーサー ドイツ連邦共和国デー−6237リーダーバ ハ.ツム・モルゲングラーベン26 (72)発明者 アクセル・ヴアルヒ ドイツ連邦共和国デー−6000フランクフル ト・アム・マイン.ハンス−ザクス−シユ トラーセ5 (72)発明者 マテイーアス・ヴイースナー ドイツ連邦共和国デー−6500マインツ.イ ム・ミユンヒフエルト8

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テクネチウムまたはレニウム同位元素で
    物質を標識する方法において、 a) 標識すべき物質を式I 【化1】 〔式中、 Rは−NH2、−N=C=S、 【化2】 であり、 Xは(C1〜C6)−アルキレン、(C6〜C12)−アリ
    ーレンまたは(C1〜C 6)−アルク−(C6〜C12)−
    アリーレンである〕の大環状錯化剤と反応させ、得られ
    た化合物を9未満のpHにおいて、過テクネチウム酸塩−
    99もしくは−99mまたは過レニウム酸塩−186も
    しくは−188および還元剤で処理することによってT
    c−99、Tc−99m、Re−186またはRe−1
    88で標識するか、または b) 式Iの化合物を適当な過酸化化合物および還元剤
    と9未満のpHで反応させることにより、まずTc−9
    9、Tc−99m、Re−186またはRe−188錯
    体を製造し、ついでこの錯体を標識すべき物質と反応さ
    せることからなる方法。
  2. 【請求項2】 Xは(C1〜C4)−アルキレン、フェニ
    レン、とくに1,4−フェニレンまたは(C1〜C4)−
    アルク−1,4−フェニレンである請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 錯体形成は、使用したTcまたはReに
    対して90%以上の程度で起こる請求項1または2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 標識すべき物質には、蛋白質、糖、脂肪
    酸、ホルモンおよびポリマーの群、とくに抗体およびそ
    れらのフラグメントが包含される請求項1〜3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 標識すべき物質は、モノクローナル抗体
    またはそのフラグメントである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 標識すべき物質は、反応性基Rと化学的
    結合を形成する反応性基を含有する請求項1〜5記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 使用される還元剤は錫(II)化合物、と
    くに錯体−安定化錫(II)塩である請求項1〜6記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 2種の分離された凍結乾燥成分、すなわ
    ち一方は腫瘍関連抗原に対する抗体もしくはそのフラグ
    メントを緩衝剤と混合して含有し、その抗体もしくはそ
    のフラグメントは式Iの化合物と結合している成分、お
    よび他方はテクネチウムもしくはレニウムの還元および
    その抗体成分への結合に必要な還元剤を含有する成分か
    らなる、腫瘍検出用のキット。
JP4197935A 1991-07-26 1992-07-24 テクネチウムまたはレニウムで物質を標識する方法 Pending JPH05239039A (ja)

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JP2017530131A (ja) * 2014-09-26 2017-10-12 ザ サウス アフリカン ニュークリア エナジー コーポレーション リミテッドThe South African Nuclear Energy Corporation Limited 腫瘍細胞を標的にするための代謝産物およびepr剤の放射性医薬品コンジュゲート

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US10874753B2 (en) 2014-09-26 2020-12-29 The South African Nuclear Energy Corporation Limited Radiopharmaceutical conjugate of a metabolite and an EPR agent, for targeting tumour cells

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NZ243697A (en) 1994-04-27
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