JPH05247233A - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH05247233A
JPH05247233A JP31706692A JP31706692A JPH05247233A JP H05247233 A JPH05247233 A JP H05247233A JP 31706692 A JP31706692 A JP 31706692A JP 31706692 A JP31706692 A JP 31706692A JP H05247233 A JPH05247233 A JP H05247233A
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Japan
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fiber
carbon
kgf
fibers
elastic modulus
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JP31706692A
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Harunobu Kani
春伸 可児
Kunihiko Imahashi
▲邦▼彦 今橋
Hirohisa Miura
宏久 三浦
Koji Shimoda
好司 霜田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性に優れた摩擦材を提供する。 【構成】 基材繊維と結合剤とからなる摩擦材であっ
て、弾性率が6000kgf/mm2 以下の炭素繊維を
一部に用いた繊維束を基材繊維とするか、または弾性率
が6000kgf/mm2 以下の炭素繊維と、引張強度
が200kgf/mm2 以上の炭素繊維の繊維束を合撚
した紐を基材繊維とする。この紐にフェノール樹脂、ゴ
ムバインダに含浸後、巻装したものをスパイラル状に巻
き取り、加熱成形してクラッチフェーシングとする。こ
の摩擦材は、軽量化と耐摩耗性の向上とバースト強度の
向上に貢献する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクラッチフェーシングや
ブレーキパッドなどに用いられる摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などでは、エンジンと変速機との
間の動力の断続を行うクラッチディスクの部品として、
クラッチフェーシングが使用されている。このクラチフ
ェーシングには、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維な
どの無機繊維、又は該無機繊維にポリアミド繊維などの
耐熱性有機繊維を複合した繊維よりなる基材繊維と、結
合剤となる熱硬化性樹脂、ゴム材、加硫剤、摩擦調整剤
などとを混合し、成形型に充填して加熱加圧することに
よって形成するレジンモールド系のものが知られてい
る。また、上記基材繊維をフェルト状、マット状、織布
状としたものに熱硬化性樹脂、ゴム材、加硫剤、摩擦調
整剤などの結合剤混合溶液を含浸させ、これを適宜の形
状に切断し、所望の円形形状に積層した後、加熱加圧す
ることによって形成するウーブン系のものも知られてい
る。また、上記基材繊維を紐状とし、結合剤を含む混合
溶液を含浸させた後、螺旋状又はサーモイド状に巻き上
げて所望の形状に成形して加熱加圧することによって形
成するセミモールド系のものも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アスベスト
の人体への悪影響が公知となってからは、アスベストの
使用が規制され、上記基材繊維としてガラス繊維や炭素
繊維を用いることが主流となっている。また近年、自動
車の高出力化に伴い、クラッチフェーシングにも軽量
化、及び摩擦摩耗特性の向上などの性能が要求されてい
る。
【0004】ここで、クラッチフェーシングの軽量化を
図るには、上記基材繊維として、ガラス繊維より比重の
小さな炭素繊維を用いた方が有利となる。そして、この
炭素繊維は自己潤滑作用をもつので、摩耗特性の向上に
も有利となる。しかし、炭素繊維を上記基材繊維に用い
た従来のクラッチフェーシングにおいては、要求される
摩擦摩耗特性を充分に満たしているとはいえなかった。
特に、耐摩耗性の不足から耐久性に劣り、交換頻度が高
くなるという不都合があった。さらに、炭素繊維を基材
繊維とした場合の摩擦係数のばらつき、破壊強度(バー
スト強度)が低下するとうい不具合があった。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、軽量化に有利な炭素繊維を用いて耐摩耗性に優
れた、バースト強度の向上した摩擦材を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦材は、少な
くとも一部の基材繊維として弾性率6000kgf/m
2 以下の炭素繊維を用いたことを特徴とする。さらに
本発明の摩擦材は、少なくとも一部の基材繊維として弾
性率6000kgf/mm2 以下の炭素繊維と、引張強
度200kgf/mm2 以上の炭素繊維とを、合撚した
紐を用いたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の摩擦材は、基材繊維として、弾性率が
6000kgf/mm2 以下の炭素繊維を少なくとも一
部に用いており、耐摩耗性が向上する。これは、炭素繊
維の弾性率が小さいと図2にも示すように伸び率が大き
くなることに起因していると考えられる。すなわち、伸
び率が大きいと炭素繊維自身にクラックが発生しにくく
なり、摩擦面からの炭素繊維の脱離が防止される。その
結果、クラッチフェーシングの耐摩耗性が向上すると考
えられる。また、炭素繊維自身の自己潤滑作用も耐摩耗
性の向上に貢献している。さらに、炭素繊維の弾性率が
小さいと、炭素繊維の黒鉛化率も小さく、このことも耐
摩耗性の向上に寄与しているのではないかと予想され
る。
【0008】さらに、基材繊維に、弾性率が6000k
gf/mm2 以下の炭素繊維と、引張強度が200kg
f/mm2 以上の炭素繊維とを、合撚した紐を用いるこ
とにより、基材繊維の強度が高まる。その結果、クラッ
チフェーシングはバ−スト強度を高めることができる。
すなわち、弾性率が6000kgf/mm2 以下の炭素
繊維は、通常短繊維の紡績糸で構成され引張強度が10
0kgf/mm2 以下と低い場合が多い。この短繊維で
構成される紡績糸は、長繊維で構成される糸に比べて嵩
比重が低く空隙が多い。したがって、結合剤が含浸しや
すい。そのため、摩擦材の密度のばらつきが減少し摩擦
係数を安定化させることができる。しかし、紐としての
引張強度は短繊維がばらけ易いので低い。このためクラ
ッチフェーシングのバースト強度が低下する。一方、引
張強度200kgf/mm2 以上の長繊維の炭素繊維を
束ねて撚り紐とすると引張強度は高まるが、長繊維が撚
られて高密度化されているため結合剤の含浸性が不十分
で摩擦係数のむらが発生し易い。
【0009】そこで、弾性率が6000kgf/mm2
以下の炭素繊維と、引張強度200kgf/mm2 以上
の炭素繊維とを、合撚した紐とするとにより、結合剤の
含浸性が向上して摩擦係数のむらが防止でき、繊維基材
自体の引張強度も高まり、クラッチフェーシングのバー
スト強度が向上できる。また上記炭素繊維は、ガラス繊
維などの他の繊維と比較して比重が小さいので、その分
摩擦材の軽量化に貢献することができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)基材繊維として、引張り強度が92kgf
/mm2 、弾性率が6000kgf/mm2 の炭素繊維
(径13μm、長さ50mm)30vol%、ガラス繊
維(径6μm、連続の長繊維)35vol%、及び芳香
族ポリアミド繊維(「ケブラー♯29」デュポン社製、
径13μm、長さ2〜4mm)35vol%を束ねた繊
維束を用いた。なお、この繊維束のみかけの太さは、φ
2.3〜3.3mmである。この繊維束に20度の角度
で撚り(ツイスト)を与えた。この撚りを与えた繊維束
3組と黄銅線1本とを合撚して紐とした。
【0011】この紐を、結合剤としてのフェノール樹
脂、並びにゴムバインダーとしてのSBR、カーボンブ
ラック及びBaSO4 に含浸後、100℃で10分間乾
燥した。そして、スパイラル状に巻き取って穴開き円板
状の巻取品を形成した。上記巻取品を160℃、100
kg/cm2 に設定された熱成形金型に配置し、5分間
保持して加熱成形後、研磨して本実施例1のクラッチフ
ェーシングを作製した。
【0012】なお、本実施例のクラッチフェーシング
は、基材繊維:30vol%、フェノール樹脂:20v
ol%、SBR:25vol%、カーボンブラック:1
9vol%、BaSO4 :4vol%、黄銅線:2vo
l%の組成である。 (実施例2)上記実施例1と同様の炭素繊維、ガラス繊
維、及び芳香族ポリアミド繊維を用い、それぞれの配合
割合を炭素繊維50vol%、ガラス繊維25vol
%、及び芳香族ポリアミド繊維25vol%よりなる繊
維束とした。この配合組成の異なる繊維束を繊維として
用いること以外は、上記実施例1と同様にしてクラッチ
フェーシングを作製した。 (実施例3)上記実施例1と同様の炭素繊維、ガラス繊
維、及び芳香族ポリアミド繊維を用い、それぞれ炭素繊
維70vol%、ガラス繊維15vol%、及び芳香族
ポリアミド繊維15vol%よりなる繊維束とした。こ
の配合組成の異なる繊維束を繊維として用いること以外
は、上記実施例1と同様にしてクラッチフェーシングを
作製した。 (実施例4)上記実施例1と同様の炭素繊維100vo
l%よりなる繊維束を繊維基材として用いること以外
は、上記実施例1と同様にしてクラッチフェーシングを
作製した。 (比較例1)引張り強度が200kgf/mm2 、弾性
率が15000kgf/mm2 の炭素繊維100vol
%よりなる繊維束を繊維基材として用いること以外は、
上記実施例1と同様にしてクラッチフェーシングを作製
した。 (比較例2)上記実施例1と同様のガラス繊維、及び芳
香族ポリアミド繊維を用い、それぞれガラス繊維50v
ol%、及び芳香族ポリアミド繊維50vol%よりな
る繊維束を繊維基材として用いること以外は、上記実施
例1と同様にしてクラッチフェーシングを作製した。
【0013】
【表1】 (評価)上記実施例1〜4、及び比較例1、2のクラッ
チフェーシングを、それぞれフルサイズダイナモ試験機
に装着し、回転数:4000rpm、イナーシャ:0.
08kgfms2 、試験温度:200℃、係合回数:5
00回の条件で運転して、体積摩耗率を測定した。その
結果を図1に示す。
【0014】図1に示す結果から、基材繊維として、弾
性率が6000kgf/mm2 の炭素繊維の繊維束を含
む本実施例1〜4のクラッチフェーシングは、比較例
1、2と比較して、摩耗率が低く耐摩耗性に優れてい
る。また、実施例1〜4のクラッチフェーシングを比較
すると、基材繊維として弾性率が6000kgf/mm
2 の炭素繊維の繊維束を多く含む程、摩耗率が低くなる
ことがわかる。
【0015】さらに、弾性率が6000kgf/mm2
の炭素繊維の繊維束を用いた実施例4と弾性率が150
00kgf/mm2 の炭素繊維の繊維束を用いた比較例
1とを比較すると、炭素繊維の弾性率が6000kgf
/mm2 以下であれば摩耗率が大幅に減少することがわ
かる。これは、炭素繊維の弾性率が小さいと伸び率が大
きなるので、炭素繊維の繊維束に撚りを与える製造工程
中や摩擦中に炭素繊維にクラックが発生しにくくなった
ためと考えられる。
【0016】また上記実施例1〜4、及び比較例1、2
のクラッチフェーシングについて、それぞれ比重及びバ
ースト強度を測定した。その結果を表1に示す。表1に
示す結果から、基材繊維として炭素繊維の繊維束を含む
実施例1〜4及び比較例1のクラッチフェーシングは、
基材繊維として炭素繊維の繊維束を含まない比較例2の
クラッチフェーシングと比較して比重が小さく、また基
材繊維として炭素繊維の繊維束を多く含むほど比重が小
さくなることがわかる。また、バースト強度を比較する
と、今回の基材繊維は高強度の繊維束の組合せのため、
バースト強度に大きな差はないが、製品の比重が小さく
なるほど有利な結果であることがわかる。
【0017】なお、上記実施例1〜4では、基材繊維と
して引張り強度が92kgf/mm 2 、弾性率が600
0kgf/mm2 の炭素繊維の繊維束を用いたが、引張
り強度が5〜100kgf/mm2 、弾性率が300〜
6000kgf/mm2 の炭素繊維の繊維束を好適に用
いることができる。この炭素繊維の引張り強度は、製品
に必要なバースト強度を考慮して決定することができ
る。炭素繊維の弾性率は、紐加工時における繊維の切れ
性に影響するので、この点のみを考慮すれば弾性率が小
さい程良い。また基材繊維は、製品強度を考慮した場
合、上記実施例のように長繊維のみから構成した方が好
ましいが、短繊維からなる不織布を長繊維とともに用い
ることもできる。 (実施例5)基材繊維として、引張強度が360kgf
/mm2 、弾性率が23500kg/mm2 、伸び1.
5%の炭素長繊維(トレカT−300 東レ株式会社
製)の繊維束1束(この繊維束の見掛けの太さは1〜2
mmである)と、引張強度80kgf/mm2 、弾性率
が4000kgf/mm2 、伸びが2%の炭素短繊維
(ドナS210 大阪ガス株式会社製;長さ35mm)
の紡績糸(見掛けの太さ1〜2mm)4本を撚り合わせ
て紐とした。なお、この紐は、炭素長繊維30重量%、
炭素短繊維70重量%で構成されている。この炭素長繊
維および炭素短繊維の繊維束から形成された紐の構成模
式図を図3に示す。引張強度360kgf/mm2 の炭
素長繊維の繊維束Aと、弾性率が4000kgf/mm
2 の炭素短繊維の紡績糸の繊維束Bが合撚されて合撚糸
の紐Cが形成されている。なお、この紐のみかけの太さ
は、φ2.3〜3.3mmである。
【0018】短繊維の紡績糸および紐の撚り数は、10
0回/mとした。この紐に、フェノール樹脂、並びにゴ
ムバインダーとしてSBR,カーボンブラックを含む結
合剤に含浸した後、100℃で10分間乾燥した。そし
て、この結合剤を含浸した紐を、スパイラル状に巻き取
って穴空き円板状の巻取品を形成した。
【0019】この巻取品を熱成形金型内で、圧力100
kgf/cm2 ,160℃で5分間保持して成形した
後、所定の形状に研磨してクラッチフェーシングを作製
した。なお、本実施例のクラッチフェーシングは、基材
繊維が35容量%、フェノール樹脂が20容量%、SB
Rが25容量%、カーボンブラックが20容量%の組成
である。 (実施例6)上記実施例5と同様な炭素長繊維束2束
と、炭素短繊維の紡績糸4本とを撚り合わせて紐とした
以外は、実施例5と同様にしてクラッチフェーシングを
作製した。なお、この紐は、炭素長繊維40重量%、炭
素短繊維60重量%で構成されている。 (実施例7)上記実施例5と同様な炭素長繊維束3束
と、炭素短繊維の紡績糸4本を撚り合わせて紐とした以
外は、実施例5と同様にしてクラッチフェーシングを作
製した。なお、この紐は、炭素長繊維50重量%、炭素
短繊維50重量%で構成されている。 (実施例8)引張強度が90kgf/mm2 (ピッチ
系、NG04C新日本製鐵株式会社製)、弾性率が40
00kgf/mm2 、伸びが1.8%の炭素短繊維の紡
績糸のみを4本束ねて紐として使用した以外は、実施例
5と同様にしてクラッチフェーシングを作製した。
【0020】
【表2】 (実施例9)引張強度が90kgf/mm2 、弾性率が
5000kgf/mm2 の炭素長繊維の繊維束4束を撚
り合わせて紐として基材繊維として使用した以外は、実
施例5と同様にしてクラッチフェーシングを作製した。 (比較例3)ガラス繊維(長繊維)の繊維束および芳香
族ポリアミド繊維の繊維束をそれぞれ50容量%(各1
束ずつを束ねたもの)よりなる紐を基材繊維として用い
た以外は、実施例5と同様にしてクラッチフェーシング
を作製した。 (評価)実施例5、6、7、8、9、比較例3のクラッ
チフェーシングをそれぞれフルサイズダイナモ試験機に
装着して、回転数:4000rpm、イナーシャ:0.
08kgfms2 、試験温度:200℃、係合回数:5
00回の条件で運転して、体積摩耗率を測定した。その
結果を図4に示す。
【0021】また別の試験として、200℃における各
クラッチフェーシングの破壊強度(最高破壊回転数)を
測定した。その他比重も測定した。結果を表2に示す。
表2に示すバースト強度の測定から、引張強度が200
kgf/mm2 以上の炭素長繊維と、弾性率が6000
kgf/mm2 以下の炭素短繊維を組み合わせた紐で構
成される基材繊維を用いた実施例5、6、7ではバース
ト強度が向上している。そして高強度の炭素長繊維の繊
維束数を増やほど紐の密度が高くなり、その分比重も高
くなる。
【0022】実施例9で長繊維(引張強度90kgf/
mm2 )のみ4束を組み合わせて紐を形成して基材繊維
としたものは、バースト強度はかなり高いが、短繊維を
用いていないために、結合剤の含浸性が悪く、密度が不
均一で比重が1.38と低かった。また、実施例8の短
繊維の紡績糸のみを4本組み合わせた紐を基材繊維とし
たものは短繊維同志がばらけやすく、長繊維と組み合わ
せたものよりもバースト強度が低い。しかし、耐摩耗性
は図4に示すように実施例5、6、7とほぼ同レベルで
ある。
【0023】比較例3の炭素繊維以外の繊維の繊維束を
紐からなる基材繊維を用いたものは比重が1.68と高
い割りにはバースト強度が低い。図4に示すように、本
実施例5〜9は、摩耗率はいずれも低く良好な値であ
る。また炭素長繊維の組合せ本数は摩耗率に影響をおよ
ぼしていない。弾性率の低い短繊維を使用すると実施例
9で示すように炭素繊維が潤滑剤として働き摩耗率は低
くなったと推定される。比較例3のガラス繊維と芳香族
ポリアミド繊維の繊維束からなる紐を基材繊維とすると
バースト強度が低く比重も大きくなり、図4に示すよう
に摩耗率が著しく大きくなる。
【0024】紡績糸に用いる炭素繊維は、短繊維の長さ
が1〜50mmとされるが紡績工程、撚糸工程において
多少の繊維の切断は避けられないため、長い方が好まし
いが、あまり長いと撚り紐が高密度化して、結合剤の含
浸性が低下するので好ましくない。また長繊維はフィラ
メント数で通常1〜12kの範囲のものが使用される。
【0025】この紐は、他の有機、無機、金属繊維と合
撚して摩擦特性を変えることも可能である。
【0026】
【表3】
【0027】また、200kgf/mm2 以上の引張強
度をもつ炭素繊維は、表3に示す様に弾性率が6000
kgf/mm2 以下の炭素繊維に比べて熱伝導率が10
倍以上高い。さらに上記の炭素繊維は、従来用いられて
いるガラス繊維の熱伝導率に比べても10倍以上の値を
もつので熱伝導上も問題ないばかりか、ガラス繊維や黄
銅線による基材に比べて高熱伝導化が可能となり、摩擦
面温度が低下する分耐熱性が向上する。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の摩擦材は、
基材繊維として、弾性率が6000kgf/mm2 以下
の炭素繊維を少なくとも一部に用いており、摩擦材の軽
量化に貢献するとともに、耐摩耗性の向上に寄与する。
また、伸び率の大きい炭素繊維を用いるので、紐加工時
に繊維が切れ難く、クラッチフェーシングを製造する場
合、生産性良く巻取品を形成することができる。
【0029】クラッチフェーシングのように高速回転を
伴う摩擦材の場合には、高速回転での破壊強度を高める
ことが必要である。そこで弾性率が6000kgf/m
2以下の炭素繊維の繊維束と、引張強度が200kg
f/mm2 以上の炭素繊維の繊維束とを合撚した紐とす
ることで、摩擦材のバースト強度が一層向上する。さら
に炭素繊維を短繊維の紡績糸と、長繊維の繊維束との合
撚により基材繊維の嵩比重が低くなり、空隙が多くな
り、結合剤が繊維基材中に十分含浸され、密度が均一化
し、摩擦係数安定化につながる。
【0030】炭素繊維は、従来の基材繊維を構成するガ
ラス繊維などの他の繊維と比較して比重が軽いので、炭
素繊維とを合撚することで強度が確保でき、黄銅線など
の他の繊維を使用する必要が無くなりその分摩擦材の軽
量化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例にかかるクラッチフェーシン
グの耐摩耗評価結果を示す棒グラフである。
【図2】炭素繊維の弾性率と伸び率との関係を示す線図
である。
【図3】実施例5の基材繊維の構成を説明する模式図で
ある。
【図4】実施例5〜9及び比較例3にかかるクラッチフ
ェーシングの耐摩耗評価結果を示す棒グラフである。
【符号の説明】
A 炭素短繊維の紡績糸、 B 炭素長繊維、 C 合
撚された紐、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 霜田 好司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部の基材繊維として弾性率
    6000kgf/mm 2 以下の炭素繊維を用いたことを
    特徴とする摩擦材。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部の基材繊維として弾性率
    6000kgf/mm 2 以下の炭素繊維と、引張強度2
    00kgf/mm2 以上の炭素繊維とを、合撚した紐を
    用いたことを特徴とする摩擦材。
JP31706692A 1992-01-09 1992-11-26 摩擦材 Pending JPH05247233A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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JP218892 1992-01-09
JP4-2188 1992-01-09

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