JPH05247436A - ポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤及びポリエステル繊維 - Google Patents

ポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤及びポリエステル繊維

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JPH05247436A
JPH05247436A JP4688092A JP4688092A JPH05247436A JP H05247436 A JPH05247436 A JP H05247436A JP 4688092 A JP4688092 A JP 4688092A JP 4688092 A JP4688092 A JP 4688092A JP H05247436 A JPH05247436 A JP H05247436A
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JP
Japan
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polyester resin
group
polyester
melt viscosity
reducing agent
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JP4688092A
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Akito Itoi
昭人 井樋
Isao Nishi
勲 西
Yasuo Ishii
保夫 石井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、R はアルキル基、またはアルコキシ基、R'はア
ルキル基を示す。l,mはl+mが1以上3以下となる
整数、n,pはn+pが1または2となる整数、qは0
または1、X は 【化2】 のうちいずれかである。尚、ここで、R1,R2は各々 H又
は炭素数4以下のアルキル基を示す。)で表される化合
物からなるポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤、及びこ
れとポリエステル樹脂からなるポリエステル樹脂組成
物、並びにこのポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して
得られるポリエステル繊維。 【効果】 かかるポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤は
ポリエステル樹脂の分子量を低下させることなく溶融粘
度を低下させる。従って、高重合度のポリエステル樹脂
の溶融紡糸を容易にし、高強度のポリエステル繊維を容
易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル樹脂用の溶
融粘度低下剤及びこれを添加してなることを特徴とする
ポリエステル樹脂組成物、並びにこれを紡糸して得られ
るポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル樹脂は成形品あ
るいは合成繊維の製造に広く使用されているが、成形
品、合成繊維の強度を増すにはポリマーの分子量を大き
くすれば良いとされている。しかしながら、ポリマーの
重合度を上げると、当然溶融粘度が上昇し、加工性が悪
くなり生産性が低下する。溶融粘度を低下させるには、
溶融温度を高くすることも一つの方法であるが、樹脂の
分解も促進されるため、ポリマー分子量が低下し、重合
度の大きな高強度成形品、繊維を得るという目的を達し
得ない。
【0003】また、ポリエステルは多くの特性を有する
ので広く用いられているが、染色性が低く、特に分散染
料以外の染料では染色困難である。この染色性を改良す
るため種々の提案がなされている。その一つとして、従
来からスルホン酸塩を含有するイソフタル酸成分をポリ
エステルに共重合することによりカチオン染料での染色
が可能になる事が知られている(以後このようにカチオ
ン染料で染色可能であるポリエステルをカチオン可染型
ポリエステルと呼ぶ)。しかしながら、このカチオン可
染型ポリエステルではスルホン酸塩による増粘作用のた
め重合反応物の溶融粘度が著しく増大し、成形性低下の
ために重合度を高くする事が困難で充分高い強度を持つ
繊維を得る事が困難である。
【0004】これらの問題を解決するために、滑剤の添
加が考えられたが、例えばエチレンビスステアリン酸ア
ミド、ステアリン酸、ステアリルアルコールを樹脂に添
加すると、溶融粘度は下がるが同時に樹脂の重合度も低
下し、本来の目的を達し得ない。
【0005】また、特開平3−223382号公報、特開平3
−223383号公報に提案されているように、芳香族エーテ
ル系化合物、アルキルジフェニル系化合物、さらに芳香
族イミド系化合物がポリエステル樹脂用の溶融粘度低下
剤として知られている。しかし、これらの化合物は、ポ
リエステル樹脂との相溶性が不充分なため、充分に効果
を発現するには、混練時間を長くする必要があった。ポ
リエステルの重合度は混練の時間や温度に大きく左右さ
れるため、混練時間の延長は、高重合度ポリエステル樹
脂組成物を得るには好ましいことではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、かかる従
来技術が有する問題点を鑑み、本発明が解決しようとす
る課題は、ポリエステル樹脂の重合度を本質的に低下さ
せずにその溶融粘度を低下させ得る、樹脂との相溶性に
優れた溶融粘度低下剤を見出すことである。また、この
ような溶融粘度低下剤を添加することにより、溶融粘度
の低い高分子量ポリエステル樹脂組成物を得、重合度の
高い高強度ポリエステル成形品または繊維あるいは充分
な強度を持つカチオン可染型ポリエステル繊維を得るこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の化
合物が上記の課題に対し優れた効果を発揮し、これをポ
リエステル樹脂に添加した場合にその樹脂の重合度を低
下させることなく、溶融粘度を大きく減少させ、更には
延伸特性に優れた溶融粘度の低い高分子量ポリエステル
樹脂組成物を得ることができ、重合度の高い高強度ポリ
エステル成形品、繊維、あるいは充分な強度を持ったカ
チオン可染型ポリエステル繊維が得られることを見出し
本発明に至った。
【0008】即ち、本発明は一般式(I)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R はアルキル基、またはアルコキ
シ基、R'はアルキル基を示す。l,mはl+mが1以上
3以下となる整数、n,pはn+pが1または2となる
整数、qは0または1、X は
【0011】
【化5】
【0012】のうちいずれかである。尚、ここで、R1
R2は各々 H又は炭素数4以下のアルキル基を示す。)で
表される溶融粘度低下剤、及びポリエステル樹脂にこの
溶融粘度低下剤を添加してなるポリエステル樹脂組成
物、さらにこのポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して
得られるポリエステル繊維を提供するものである。
【0013】本発明に係わる式(I)で表される化合物
において、R ,R'の総炭素数は下式の範囲内で選ぶのが
好ましい。
【0014】 9≦ R×(l+m)+R'×(n+p)≦56 R ,R'の総炭素数が9未満であると分子量が低すぎて、
ポリエステルの溶融温度で飛散し、充分性能を発揮でき
なかったり、発煙のため口金を汚したり、さらには、繊
維に発泡が生じ、繊維物性を大きく低下させる場合があ
る。また、R ,R'の総炭素数が56を超えると、樹脂との
相溶性が悪化し、紡出時の吐出量が不安定になり、効果
が発現できず好ましくない。逆に、化合物の相溶性を高
めるため、R ,R'の総炭素数はより好ましくは36以下で
ある。
【0015】R は具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オク
チル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデ
シル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n
−エイコシル基、n−ドコシル基等の直鎖アルキル基
や、 iso−プロピル基、sec −プロピル基、iso −ブチ
ル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基、iso −ペンチ
ル基、neo −ペンチル基、tert−ペンチル基、2−エチ
ルヘキシル基、1−ヘキシルノニル基、1−ブチルペン
チル基、メチル分岐ヘプタデシル基、1,1,3,3 −テトラ
メチルブチル基、1,3,5 −トリメチルヘキシル基、1,3,
5,7 −テトラメチルオクチル基等の分岐アルキル、さら
には、n−プロピオキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキ
シルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキ
シ基、n−ドデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキ
シ基等のアルコキシ基等を挙げることができる。
【0016】R'は具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ペン
チル基、n−ノニル基、n−ウンデシル基、n−トリデ
シル基、n−ペンタデシル基、n−ヘプタデシル基、n
−ノナデシル基等の直鎖アルキル基や、1−ヘキシルノ
ニル基、1−ブチルペンチル基、メチル分岐ヘプタデシ
ル基等の分岐アルキル基などを挙げることができる。
【0017】本発明に係わる一般式(I)で表される化
合物は、公知の方法で容易に得ることができる。即ち、
対応する次式で示される芳香族化合物
【0018】
【化6】
【0019】例えば、ビフェニル、ジフェニルエーテ
ル、ジフェニルスルフィド等に炭素数3〜18のα−オレ
フィンまたは、炭素数1〜18のハロゲン化アルキルを塩
化アルミニウム等ルイス酸触媒の存在下反応させた後、
さらにカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物、あるいは
カルボン酸を同様塩化アルミニウム等のルイス酸触媒の
存在下反応させ、アシル化することで得られる。
【0020】また、本発明に係わる一般式(I)で表さ
れる化合物で、R がアルコキシ基である化合物は、対応
するフェノール性化合物をNaOH,KOH 等アルカリ触媒存
在下、ハロゲン化アルキル化合物と反応させた後、同様
にカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物、あるいはカル
ボン酸を塩化アルミニウム等のルイス酸触媒の存在下反
応させ、アシル化することで得られる。
【0021】尚、本発明化合物の合成方法は上記方法に
限定されるものではなく、公知の任意の方法を使用し得
る。
【0022】本発明に係わる一般式(I)で表される化
合物の具体例は次のようなものである。
【0023】
【化7】
【0024】本発明で用いるポリエステル樹脂は、テレ
フタル酸を主たる主成分とし、グリコール、好ましくは
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコールから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステル樹脂を対象とする。
【0025】また、テレフタル酸成分の一部を他の二官
能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステル樹脂であ
ってもよく、またはグリコール成分の一部を主成分以外
の上記グリコールもしくは他のジオール成分で置き換え
たポリエステルであっても良い。
【0026】ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息
香酸、P−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族、脂肪
族、脂環族の二官能性カルボン酸を挙げることができ
る。
【0027】また、上記グリコール以外のジオール化合
物としては、例えばシクロヘキサン−1,4 −ジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールSの如き芳香族、脂肪族、脂環族のジオール
化合物及びポリオキシアルキレングリコールなどを挙げ
ることができる。
【0028】更に、原料ポリエステル樹脂は、そのテレ
フタル酸の一部が下記一般式(II)
【0029】
【化8】
【0030】(式中、D は3価の芳香族炭化水素基また
は3価の脂肪族炭化水素基、X1はエステル形成官能基、
X2はX1と同一または異なるエステル形成官能基または水
素原子、M はアルカリ金属、アルカリ土類金属またはオ
ニウム、nは1または2を示す。)で表されるスルホン
酸塩で置き換わっているものでもよい。式(II)中、D
は3価の芳香族炭化水素基または3価の脂肪族炭化水素
基で示し、中でも3価の芳香族炭化水素基が好ましい。
X1はエステル形成性官能基を示し、具体例として、
【0031】
【化9】
【0032】(但し、R1は低級アルキル基またはフェニ
ル基、m は1以上の整数である。)等を挙げることがで
きる。X2はX1と同一もしくは異なるエステル形成官能基
または水素原子を示し、中でもエステル形成官能基が望
ましい。 Mn+のうちM はアルカリ金属、アルカリ土類金
属、オニウム、n は1または2を示す。
【0033】一般式(II)で表される化合物としては5
−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジメチル5−ナトリ
ウムスルホイソフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)5−ナトリウムスルホイソフタレート、ビス(4−
ヒドロキシブチル)5−ナトリウムスルホイソフタレー
ト、 3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム塩、 3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸エチルトリブチルホスホニウム塩、 3,5−ジカルボ
キシベンゼンスルホン酸ベンジルトリブチルホスホニウ
ム塩などが挙げられる。上記スルホン酸塩は1種のみ単
独で使用しても2種以上併用しても良い。また、スルホ
ン酸塩をポリエステル樹脂に共重合させる割合は 0.1〜
10モル%が好ましい。
【0034】本発明で使用されるポリエステル樹脂の極
限粘度〔η〕は、25℃以上のフェノール/テトラクロロ
エタン(60/40、重量比)溶液中で0.4以上、好ましく
は0.5以上が良い。
【0035】本発明に係る一般式(I)の化合物のポリ
エステル樹脂への添加時期は、溶融紡糸以前の任意の段
階で、樹脂製造時あるいは製造後適当な工程で添加して
も良いし、また紡糸時に樹脂ペレットまたは溶融した樹
脂に溶融混合しても良い。
【0036】本発明に係る一般式(I)で表される化合
物の目的とする性能を発揮させるためには、原料のポリ
エステル樹脂 100部(重量基準、以下に同じ)に対して
一般式(I)で表される化合物を 0.1部から10部、好ま
しくは1部から5部、更に好ましくは2部から5部添加
する事が必要である。添加量が 0.1部未満ではその効果
が殆ど期待できないし、10部を超えると樹脂物性に悪影
響が現れる。
【0037】また、本発明に係る一般式(I)の化合物
は、溶融紡糸時の高温にさらされても分解して発煙した
り、着色したりすることは殆どなく、耐熱性に優れてい
る。そのためポリエステル樹脂の分子量低下を招くこと
はない。
【0038】尚、本発明のポリエステル樹脂組成物に
は、通常ポリエステル樹脂組成物に用いられる添加剤、
例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、艶消し剤、
顔料、着色剤、帯電防止剤を適宜添加しても良い。ま
た、本発明の溶融粘度低下剤は従来公知の溶融粘度低下
剤と併用しても良い。例えば特開平3−223382号公報
や、特開平3−223383号公報に示される化合物に対して
は任意の割合で併用できる。
【0039】本発明に係る一般式(I)の化合物を添加
した高分子量ポリエステル樹脂組成物からは、高強力の
ポリエステル繊維を得ることができる。
【0040】強度の高いポリエステル繊維を得るために
は高分子量のポリエステル樹脂に一般式(I)で表され
る化合物を均一に混合し、溶融状態で紡出し、冷却後延
伸、熱処理を施すことにより得られる。紡出された糸は
冷却後一旦未延伸糸として巻き取った後に予熱延伸し、
引き続き加熱ローラー上で延伸、熱処理しても良い。
【0041】延伸、熱処理は通常のポリエステル繊維と
変わりなく行うことができる。延伸時の好ましい予熱温
度は60℃から 100℃、熱処理の好ましい温度は150 ℃か
ら250 ℃である。高強力繊維を得るための延伸倍率は4
倍以上にすることが望ましい。
【0042】
【実施例】以下実施例をもって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0043】先ず、本発明化合物の合成の製造例を示
す。
【0044】<製造例>P,P'−ビフェノール 100gをエ
タノール 250gに溶解し、50%苛性カリ水溶液142 gを
滴下し、カリウムフェノキシド誘導体とした。80℃で加
熱・攪拌しながらラウリルクロライド 224gを滴下し、
80℃で5時間加熱・還流した。
【0045】エタノール留去後、トルエン 400gを加
え、水 300gで3回トルエン溶液を洗浄した。トルエン
留去後、ビス(4−ラウリルオキシ)ビフェニル 271g
を得た。
【0046】クロロホルム 150g、塩化アルミニウム60
g、アセチルクロライド25gの混合物に5℃を保持した
まま、ビス(4−ラウリルオキシ)ビフェニル80gをク
ロロホルム 200gに溶解した溶液を滴下し、3時間攪拌
した。
【0047】反応混合物を希塩酸水溶液に加え、クロロ
ホルム層を充分水洗し、クロロホルムを留去した。
【0048】得られた淡黄色固体をn−ヘキサンで再結
晶し、本発明化合物を87g得た。
【0049】<実施例1>ポリエチレンテレフタレート
樹脂 100重量部に表1に示す化合物を5重量部の割合で
添加後押し出し機にて溶融混合し、得られたストランド
を水冷後カッティングし試料とした。この樹脂組成物の
溶融粘度をフローテスターを用い 280℃、荷重10Kgf 、
ダイ直径1.0mm 、長さ10mm、プランジャー面積1.0cm2
条件で測定した。フローテスター測定後の試料をフェノ
ール/テトラクロロエタン(60/40、重量比)混合溶液
に溶解し、25℃における極限粘度〔η〕を測定した。
〔η〕が添加剤無添加と同じものは本質的に樹脂重合度
の低下がないといえる。
【0050】これらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】(結果)本発明の化合物は本質的に極限粘
度の低下なく溶融粘度を低下させることを可能にし、樹
脂の紡出圧の低下、紡出速度の向上に有効である。
【0053】また、本発明の化合物をポリエステルに溶
融混合した後に得られた試料はブランクと同様透明で、
本発明化合物がポリエステルに対し、相溶性に優れてい
ることを示している。
【0054】<比較例1>ポリエチレンテレフタレート
樹脂に次式に示す比較化合物を添加後、実施例1と同様
の操作を行った。
【0055】
【化10】
【0056】得られた試料の溶融粘度は10072poise、極
限粘度は0.978 dl・g-1、また、混練後の試料はやや白
濁を呈し、完全に相溶していないことを示している。
【0057】(結果)比較化合物は、本発明化合物に比
べ極限粘度は同等であるものの、完全に相溶していない
分、溶融粘度低下の効果が満足できるものではない。
【0058】<実施例2>ポリエステル樹脂 100重量部
に溶融粘度低下剤として本発明化合物を添加後、押し
出し機にて溶融混合し、得られたストランドを水冷後カ
ッティングし、チップ化した。このチップをエクストル
ーダー型溶融紡糸機に投入し紡出部の温度を 300℃とし
て直径0.5mm の紡出ノズルから 2.5g/分の割合で吐出
した。紡出糸をノズル直下 2.5mの位置で1000m/分で
巻き取った。巻き取られた未延伸糸を油浴中で80℃で延
伸倍率を変えて延伸し、 170℃で定長条件下30分熱処理
した。添加量、ポリエステル樹脂、チップ、未延伸糸の
極限粘度、ノズル部圧力、最大延伸倍率、延伸糸の強度
を表2に示す。
【0059】表2中、添加量は 100重量部の樹脂に入れ
た溶融粘度低下剤の重量部数、極限粘度の単位はdl/
g、ノズル部圧力の単位は kgf/cm2 、延伸糸の強度の
単位はg/dである。また、表中の「−」は曳糸性が悪
いために糸切れが起こり糸が採取できなかったものであ
る。
【0060】
【表2】
【0061】<実施例3>5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸 2.5モル%を含む極限粘度0.68のカチオン染料可
染型ポリエチレンテレフタレート樹脂に表4に示す化合
物を添加後、押し出し機にて溶融混練し、得られたスト
ランドを水冷後カッティングし試料とした。この樹脂組
成物の溶融粘度をフローテスターを用い 260℃、荷重10
Kgf 、ダイ直径1.0mm 、長さ10mm、プランジャー面積1.
0cm2の条件で測定した。フローテスター測定後の試料を
フェノール/テトラクロロエタン(60/40、重量比)溶
液に溶解し、25℃における極限粘度〔η〕を測定した。
〔η〕が添加剤無添加と同じ物は、本質的に樹脂重合度
の低下がないといえる。結果を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】<実施例4>5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸 2.5モル%を含む極限粘度0.70のカチオン染料可
染型ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部に対
し、溶融粘度低下剤として本発明化合物を5重量部添
加し混合した。エクストルーダー型溶融紡糸機にブレン
ド物を投入し、紡糸温度 280℃で、直径0.5mm の紡糸ノ
ズルから 3.5g/分の割合で吐出した。紡糸糸をノズル
の直下2.5 mの位置で1000m/分で巻き取った。巻き取
られた未延伸糸を最終的に得られる延伸糸の伸度が30%
になる延伸倍率で、80℃の供給ローラーと 180℃のプレ
ートヒーターを使って延伸、熱処理して延伸糸を得た。
その結果紡出糸のノズル部圧力は115Kgf/cm2 、未延伸
糸の極限粘度は0.58、延伸糸の強度は 5.5g/dであっ
た。
【0064】<比較例2>実施例4と同様な実験を本発
明の溶融粘度を添加せずに行った。その結果、紡出時の
ノズル部圧力は195Kgf/cm2 に達し、曳糸性悪化により
糸切れが見られた。
【0065】<比較例3>5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸 2.5モル%を含む極限粘度0.55のオチオン染料可
染型ポリエチレンテレフタレート樹脂に本発明化合物を
添加せずに実施例4と同様な実験を行った。
【0066】その結果、ノズル部の圧力は127Kgf/c
m2 、未延伸糸の極限粘度は0.51、延伸糸の強度は 4.0
g/lであった。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る溶融粘度低下剤は、熱可塑
性ポリエステル樹脂の溶融粘度の低下に有効である。し
たがって、高重合でのポリエステル樹脂の溶融成形加工
及び溶融紡糸を容易にし、高強度のポリエステル繊維を
容易に得ることを可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 301 D 7199−3B Q 7199−3B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表される化合物か
    らなるポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤。 【化1】 (式中、R はアルキル基、またはアルコキシ基、R'はア
    ルキル基を示す。l,mはl+mが1以上3以下となる
    整数、n,pはn+pが1または2となる整数、qは0
    または1、X は 【化2】 のうちいずれかである。尚、ここで、R1,R2は各々 H又
    は炭素数4以下のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 R ,R'の総炭素数が下式の範囲内である
    請求項1記載のポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤。 9≦ R×(l+m)+R'×(n+p)≦56
  3. 【請求項3】 原料ポリエステル樹脂に請求項1又は2
    記載のポリエステル樹脂用溶融粘度低下剤を添加してな
    るポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 原料ポリエステル樹脂が、エチレンテレ
    フタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルで
    あり、そのテレフタル酸の一部が下記一般式(II) 【化3】 (式中、D は3価の芳香族炭化水素基または3価の脂肪
    族炭化水素基、X1はエステル形成官能基、X2はX1と同一
    または異なるエステル形成官能基または水素原子、M は
    アルカリ金属、アルカリ土類金属またはオニウム、nは
    1または2を示す。)で表されるスルホン酸塩で置き換
    わっている請求項3記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表される化合物の添加量
    がポリエステル樹脂原料 100重量部に対し 0.1から10重
    量部である請求項3または4記載のポリエステル樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5の何れか1項記載のポリエ
    ステル樹脂組成物を溶融紡糸して得られるポリエステル
    繊維。
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