JPH05247597A - 耐局部食性に優れた高合金オーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents
耐局部食性に優れた高合金オーステナイト系ステンレス鋼Info
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- JPH05247597A JPH05247597A JP5018792A JP5018792A JPH05247597A JP H05247597 A JPH05247597 A JP H05247597A JP 5018792 A JP5018792 A JP 5018792A JP 5018792 A JP5018792 A JP 5018792A JP H05247597 A JPH05247597 A JP H05247597A
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- JP
- Japan
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- corrosion resistance
- stainless steel
- local corrosion
- austenitic stainless
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ゴミ焼却炉洗煙設備の安全性及び長寿命化を
実現するための設備用材料成分を提供することを目的と
する。 【構成】 重量百分率で、炭素を0.01%以下、珪素
を0.01〜0.5%、マンガンを1.0%以下、クロ
ムを20〜35%、モリブデンを2〜10%、銅を1〜
4%、窒素を0.1〜0.4%およびニッケルをクロム
量+モリブデン量+1.5×珪素量−0.5×マンガン
量−30×(炭素量+窒素量)−0.5×銅量の式から
計算される量以上含み、かつクロム量+4.1×モリブ
デン量+2×銅量+24×窒素量の式の値が50以上で
残部が鉄と不可避的不純物からなり、硫酸イオン、ハロ
ゲン化物イオン、酸化性金属イオンを同時に含む環境中
で優れた耐局部腐食性を有する高合金オーステナイト系
ステンレス鋼。
実現するための設備用材料成分を提供することを目的と
する。 【構成】 重量百分率で、炭素を0.01%以下、珪素
を0.01〜0.5%、マンガンを1.0%以下、クロ
ムを20〜35%、モリブデンを2〜10%、銅を1〜
4%、窒素を0.1〜0.4%およびニッケルをクロム
量+モリブデン量+1.5×珪素量−0.5×マンガン
量−30×(炭素量+窒素量)−0.5×銅量の式から
計算される量以上含み、かつクロム量+4.1×モリブ
デン量+2×銅量+24×窒素量の式の値が50以上で
残部が鉄と不可避的不純物からなり、硫酸イオン、ハロ
ゲン化物イオン、酸化性金属イオンを同時に含む環境中
で優れた耐局部腐食性を有する高合金オーステナイト系
ステンレス鋼。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ゴミなどの焼却系
の洗煙設備などの低温部分で生成されるハロゲン化物
(フッ化物、塩化物、臭化物)および硫酸主体の湿潤環
境系で使用される高合金オーステナイトステンレス鋼に
関するものである。従来このような環境にはSUS 3
04やSUS 316L級のオーステナイト系ステンレ
ス鋼が適用されてきたが、短期に孔食、応力腐食割れな
どの現象によって焼却設備の停止を余儀なくされてき
た。また、洗煙設備は、近年の大気環境汚染の元凶とな
るNOX やSOX を除去する上で不可欠な設備である。
この設備の安全性確保、長寿命化には、高耐食材料の適
用が必須である。
の洗煙設備などの低温部分で生成されるハロゲン化物
(フッ化物、塩化物、臭化物)および硫酸主体の湿潤環
境系で使用される高合金オーステナイトステンレス鋼に
関するものである。従来このような環境にはSUS 3
04やSUS 316L級のオーステナイト系ステンレ
ス鋼が適用されてきたが、短期に孔食、応力腐食割れな
どの現象によって焼却設備の停止を余儀なくされてき
た。また、洗煙設備は、近年の大気環境汚染の元凶とな
るNOX やSOX を除去する上で不可欠な設備である。
この設備の安全性確保、長寿命化には、高耐食材料の適
用が必須である。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴミ焼却など都市ゴミ処理設備用
材料は、その使用される温度領域によって使用材料が異
なっている。燃焼炉など高温領域では、ハロゲン化物を
含む環境での高温溶融塩による腐食が支配的であり、ニ
ッケル基合金等が適用されている。しかし、排ガス処理
を行う排煙設備では、低温での凝縮液を含む環境での湿
式腐食が支配的となり、環境中に含まれる硫酸イオン、
ハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオンお
よび臭化物イオン)、酸化性金属イオンによりSUS
304,SUS 316L級ステンレス鋼に孔食、隙間
腐食、応力腐食割れなどが経験されている。しかし、S
US 316L以上の高級鋼は、経済性の観点からなか
なか適用が難しかったが、近年の設備の安全性、長寿命
化の方向から、より高耐食性を有する合金の適用が指向
されるようになってきた。
材料は、その使用される温度領域によって使用材料が異
なっている。燃焼炉など高温領域では、ハロゲン化物を
含む環境での高温溶融塩による腐食が支配的であり、ニ
ッケル基合金等が適用されている。しかし、排ガス処理
を行う排煙設備では、低温での凝縮液を含む環境での湿
式腐食が支配的となり、環境中に含まれる硫酸イオン、
ハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオンお
よび臭化物イオン)、酸化性金属イオンによりSUS
304,SUS 316L級ステンレス鋼に孔食、隙間
腐食、応力腐食割れなどが経験されている。しかし、S
US 316L以上の高級鋼は、経済性の観点からなか
なか適用が難しかったが、近年の設備の安全性、長寿命
化の方向から、より高耐食性を有する合金の適用が指向
されるようになってきた。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】近年の都市ゴミの処
分は、可燃性物質は焼却で、プラスチック類等は埋め立
てによって処理されているのが現状である。しかし、埋
め立て処分地の問題などから、都市ゴミのすべてが焼却
処分される方向にある。従って、焼却設備全体が紙ゴミ
量の増大、プラスチック類の混入により発熱量の上昇を
引き起こし、より高温での耐久性が要求されるようにな
ってきた。また、本発明の対象である排煙設備も例外で
はなく、確実に塩化物イオンの増大、酸性化および酸化
性金属イオンの増大を引き起こし、使用材料にとってま
すます厳しくなっているのが現状である。
分は、可燃性物質は焼却で、プラスチック類等は埋め立
てによって処理されているのが現状である。しかし、埋
め立て処分地の問題などから、都市ゴミのすべてが焼却
処分される方向にある。従って、焼却設備全体が紙ゴミ
量の増大、プラスチック類の混入により発熱量の上昇を
引き起こし、より高温での耐久性が要求されるようにな
ってきた。また、本発明の対象である排煙設備も例外で
はなく、確実に塩化物イオンの増大、酸性化および酸化
性金属イオンの増大を引き起こし、使用材料にとってま
すます厳しくなっているのが現状である。
【0004】本発明は、こうした状況を踏まえて、実際
に使用されている設備の環境条件を把握し、その結果に
基づいて得られた腐食環境条件下でステンレス鋼の主要
成分であるCr,Ni,Mo,Cu,Nの成分の腐食に
対する影響を検討し、各元素の効果を明確にすることに
よって実際の設備への適用においても優れた耐局部食性
を示し、当該設備の長寿命化、安全性、環境汚染防止な
どを長期にわたって確保することを可能にした耐局部腐
食性高合金オーステナイト系ステンレス鋼を提供しよう
とするものである。
に使用されている設備の環境条件を把握し、その結果に
基づいて得られた腐食環境条件下でステンレス鋼の主要
成分であるCr,Ni,Mo,Cu,Nの成分の腐食に
対する影響を検討し、各元素の効果を明確にすることに
よって実際の設備への適用においても優れた耐局部食性
を示し、当該設備の長寿命化、安全性、環境汚染防止な
どを長期にわたって確保することを可能にした耐局部腐
食性高合金オーステナイト系ステンレス鋼を提供しよう
とするものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】上述の観点から、従来の
材料に対比して一段と優れた耐局部食性を有する材料を
開発すべく、腐食環境の実態調査および種々の高合金ス
テンレス鋼の耐食性研究を行った結果、以下の組成およ
び条件を満足する高合金オーステナイト系ステンレス鋼
によって達成できることを発見した。すなわち、重量%
でC:≦0.01%、Si:0.01〜0.5%、M
n:≦1.0%、P:≦0.015%、S:≦0.01
%、Cr:20〜35%、Mo:2〜10%、Cu:1
〜3%、N:0.1〜0.4%およびNiを〔Cr〕+
〔Mo〕+1.5×〔Si〕−0.5×〔Mn〕−30
×(〔C〕+〔N〕)−0.5×〔Cu〕の式から計算
される量以上含み、かつ、〔Cr〕+4.1×〔Mo〕
+2×〔Cu〕+24×〔N〕の値が50以上で残部が
Feと不可避的不純物からなる高合金オーステナイト系
ステンレス鋼である。
材料に対比して一段と優れた耐局部食性を有する材料を
開発すべく、腐食環境の実態調査および種々の高合金ス
テンレス鋼の耐食性研究を行った結果、以下の組成およ
び条件を満足する高合金オーステナイト系ステンレス鋼
によって達成できることを発見した。すなわち、重量%
でC:≦0.01%、Si:0.01〜0.5%、M
n:≦1.0%、P:≦0.015%、S:≦0.01
%、Cr:20〜35%、Mo:2〜10%、Cu:1
〜3%、N:0.1〜0.4%およびNiを〔Cr〕+
〔Mo〕+1.5×〔Si〕−0.5×〔Mn〕−30
×(〔C〕+〔N〕)−0.5×〔Cu〕の式から計算
される量以上含み、かつ、〔Cr〕+4.1×〔Mo〕
+2×〔Cu〕+24×〔N〕の値が50以上で残部が
Feと不可避的不純物からなる高合金オーステナイト系
ステンレス鋼である。
【0006】本発明は以上の特徴を有する高合金オース
テナイト系ステンレス鋼を提供しようとするものであ
る。
テナイト系ステンレス鋼を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【作用】都市ゴミ等の排ガス洗煙設備の腐食は基本的に
塩化物イオン等のハロゲン化物を主体とした局部腐食で
あり、これを実験的に評価する必要がある。実際に排煙
設備環境を解析し、塩化物イオンが高濃度で存在するこ
とが明らかになった。従って、実験室的にはこの結果を
用いて模擬評価液を作成し、この環境中での局部腐食発
生に及ぼす合金成分の影響を電気化学的局部腐食発生特
性の観点から評価検討した。
塩化物イオン等のハロゲン化物を主体とした局部腐食で
あり、これを実験的に評価する必要がある。実際に排煙
設備環境を解析し、塩化物イオンが高濃度で存在するこ
とが明らかになった。従って、実験室的にはこの結果を
用いて模擬評価液を作成し、この環境中での局部腐食発
生に及ぼす合金成分の影響を電気化学的局部腐食発生特
性の観点から評価検討した。
【0008】このような検討結果から、高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の耐局部腐食性が次式で定義され
るCI値50以上の材料では局部腐食は発生しないこと
を発見するに至ったのである。 CI=〔Cr〕+4.1×〔Mo〕+2×〔Cu〕+24×〔N〕…(1) 以下に都市ゴミ焼却系洗煙設備用高耐食高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の成分限定理由を述べる。
ナイト系ステンレス鋼の耐局部腐食性が次式で定義され
るCI値50以上の材料では局部腐食は発生しないこと
を発見するに至ったのである。 CI=〔Cr〕+4.1×〔Mo〕+2×〔Cu〕+24×〔N〕…(1) 以下に都市ゴミ焼却系洗煙設備用高耐食高合金オーステ
ナイト系ステンレス鋼の成分限定理由を述べる。
【0009】Cは、溶接部の粒界に炭化物を析出し、粒
界腐食を誘発するので低いほどよい。また、母材の強度
や加工性、靱性の点からも低い方が好ましい。本発明の
特徴である耐局部腐食性を改善するため、特に0.01
%以下の極めて低い値に限定した。Siは、脱酸作用が
あるが、0.01%未満では効果が期待できない。ま
た、0.5%を越えると加工性が著しく劣化する。加工
性の観点から上限を0.5%とした。
界腐食を誘発するので低いほどよい。また、母材の強度
や加工性、靱性の点からも低い方が好ましい。本発明の
特徴である耐局部腐食性を改善するため、特に0.01
%以下の極めて低い値に限定した。Siは、脱酸作用が
あるが、0.01%未満では効果が期待できない。ま
た、0.5%を越えると加工性が著しく劣化する。加工
性の観点から上限を0.5%とした。
【0010】Mnは、排気ガス凝縮液環境での耐局部腐
食性に特別に影響しないが、通常の含有量として1.0
%以下とした。Pは、上記環境での耐局部腐食性を劣化
させるので少ないほどよい。0.015%を越えると耐
局部腐食性が極端に劣化するので上限を0.015%と
した。Sは、上記環境でのステンレス鋼の耐食性を劣化
させるので少ないほどよい。0.01%を越えると耐局
部腐食性が極端に劣化するので上限を0.01%とし
た。
食性に特別に影響しないが、通常の含有量として1.0
%以下とした。Pは、上記環境での耐局部腐食性を劣化
させるので少ないほどよい。0.015%を越えると耐
局部腐食性が極端に劣化するので上限を0.015%と
した。Sは、上記環境でのステンレス鋼の耐食性を劣化
させるので少ないほどよい。0.01%を越えると耐局
部腐食性が極端に劣化するので上限を0.01%とし
た。
【0011】Crは、本発明の基本成分である。都市ゴ
ミ焼却系の洗煙設備の凝縮液など高い耐食性を要求され
る環境では、Ni,Mo,Cu,Nとの共存の形で、2
0%以上の添加が必要である。Cr量が多いほど耐局部
腐食性は向上するが、35%を越えると耐局部腐食性が
飽和する。また加工性や作り込みが難しくなり、経済的
にも高価となる。
ミ焼却系の洗煙設備の凝縮液など高い耐食性を要求され
る環境では、Ni,Mo,Cu,Nとの共存の形で、2
0%以上の添加が必要である。Cr量が多いほど耐局部
腐食性は向上するが、35%を越えると耐局部腐食性が
飽和する。また加工性や作り込みが難しくなり、経済的
にも高価となる。
【0012】Niは、本発明鋼の基本成分である。基本
的には耐局部腐食性にあまり寄与しないが、母材の加工
性や靱性を確保し、完全オーステナイト相とするために
添加する。ステンレス鋼中のC量、Si量、Mn量、C
r量、Mo量およびCu量に応じて次式でその添加量の
下限値が規定される。 〔Ni〕=〔Cr〕+〔Mo〕+1.5×〔Si〕−0.5×〔Mn〕−30×(〔C〕+ 〔N〕)−0.5×〔Cu〕…(2) Niの上限値は特に定めないが、Niが60%を越える
とオーステナイト相の安定性が飽和し、経済的にも高価
となる。
的には耐局部腐食性にあまり寄与しないが、母材の加工
性や靱性を確保し、完全オーステナイト相とするために
添加する。ステンレス鋼中のC量、Si量、Mn量、C
r量、Mo量およびCu量に応じて次式でその添加量の
下限値が規定される。 〔Ni〕=〔Cr〕+〔Mo〕+1.5×〔Si〕−0.5×〔Mn〕−30×(〔C〕+ 〔N〕)−0.5×〔Cu〕…(2) Niの上限値は特に定めないが、Niが60%を越える
とオーステナイト相の安定性が飽和し、経済的にも高価
となる。
【0013】MoはCr,Ni,Cu,Nその他の元素
と共存の形で添加される。上記環境での局部腐食発生・
成長の抑制に効果的な元素である。2%未満では、耐局
部腐食性改善効果が充分ではなく、2%以上10%の範
囲で前記元素との共存で極めて効果的となる。10%を
越えても耐局部腐食性の改善にそれほど寄与しないし、
かつ高価となる。従って、Moの含有量を2〜10%と
した。
と共存の形で添加される。上記環境での局部腐食発生・
成長の抑制に効果的な元素である。2%未満では、耐局
部腐食性改善効果が充分ではなく、2%以上10%の範
囲で前記元素との共存で極めて効果的となる。10%を
越えても耐局部腐食性の改善にそれほど寄与しないし、
かつ高価となる。従って、Moの含有量を2〜10%と
した。
【0014】CuはCr,Ni,Moをベースとした成
分系にその他の元素と共存の形で添加され、上記凝縮液
環境での耐局部腐食性向上に効果的な元素である。1%
以上で共存効果が著しく、4%を越えると耐局部腐食性
は飽和し、かつ熱間加工性を劣化させる。従って、Cu
の含有量を1〜4%とした。Nは、前記Cr,Ni,M
o,Cuと共に共存添加され、0.1%以上で耐局部腐
食性を向上するが0.4%を越えて添加すると熱間加工
性を著しく劣化する。従って、Nの含有量を0.1〜
0.4%とした。
分系にその他の元素と共存の形で添加され、上記凝縮液
環境での耐局部腐食性向上に効果的な元素である。1%
以上で共存効果が著しく、4%を越えると耐局部腐食性
は飽和し、かつ熱間加工性を劣化させる。従って、Cu
の含有量を1〜4%とした。Nは、前記Cr,Ni,M
o,Cuと共に共存添加され、0.1%以上で耐局部腐
食性を向上するが0.4%を越えて添加すると熱間加工
性を著しく劣化する。従って、Nの含有量を0.1〜
0.4%とした。
【0015】その他、不可避的成分としてCa:0.0
03%以下およびAl:0.03%以下を含有する場合
もある。
03%以下およびAl:0.03%以下を含有する場合
もある。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
本発明者らは、都市ゴミ焼却設備の洗煙設備凝縮液の解
析結果に基づいて実験室評価液を作成し、当該環境での
隙間腐食性を評価した。表1に実験室評価液の組成を示
す。実験室評価液は測定の目的によって2種類の溶液を
使い分けた。評価液A中では金属の腐食電位:Ecor
rを24時間測定した。また、評価液B中において隙間
腐食発生電位:Ecを測定した。評価液Aは洗煙設備凝
縮液に含まれる塩化物イオン主体の酸性環境、評価液B
は環境中に含まれる酸化性金属イオン主体の酸性環境で
ある。
本発明者らは、都市ゴミ焼却設備の洗煙設備凝縮液の解
析結果に基づいて実験室評価液を作成し、当該環境での
隙間腐食性を評価した。表1に実験室評価液の組成を示
す。実験室評価液は測定の目的によって2種類の溶液を
使い分けた。評価液A中では金属の腐食電位:Ecor
rを24時間測定した。また、評価液B中において隙間
腐食発生電位:Ecを測定した。評価液Aは洗煙設備凝
縮液に含まれる塩化物イオン主体の酸性環境、評価液B
は環境中に含まれる酸化性金属イオン主体の酸性環境で
ある。
【0017】
【表1】
【0018】これらの評価試験に用いた試験片の形状を
図1に示す。図1中、1はエナメル導線、2は試験面以
外を被覆した部分(シリコン樹脂シール剤を塗布)、3
は試験片電極面および4はポリカーボネイト製ボルト・
ナットである。ポリカーボネイト製ボルト・ナットと試
験片3Aとの間に隙間部5を作り、隙間腐食の発生を加
速できるようにした。
図1に示す。図1中、1はエナメル導線、2は試験面以
外を被覆した部分(シリコン樹脂シール剤を塗布)、3
は試験片電極面および4はポリカーボネイト製ボルト・
ナットである。ポリカーボネイト製ボルト・ナットと試
験片3Aとの間に隙間部5を作り、隙間腐食の発生を加
速できるようにした。
【0019】この試験片3Aを用いて評価液A中で図2
に示すような腐食電位:Ecorrの経時変化の測定を
24時間継続して行った。また、同様にして評価液B中
で図3に示すようにこの評価液の自然電位より、アノー
ド方向に20mV/分の電位掃引速度で電位を貴にせしめ
て行き、試験片3Aに流れる電流密度が100μA/cm
2 に達した点の電位を隙間腐食発生電位:Ecと規定し
た。この電位が貴な値ほど隙間腐食が発生しにくいこと
を示す。隙間腐食が実際に発生するか否かの判定は評価
液A中での24時間後の腐食電位:Ecorr(24
h)と評価液B中での隙間腐食発生電位:Ecとを比較
することで行った。すなわち、 ○:隙間腐食は自然状態では発生しない−−Ec≧Ec
orr(24h) ×:隙間腐食は自然状態で発生する−−−−Ec<Ec
orr(24h) を材料の耐隙間腐食性の判定基準に用いた。
に示すような腐食電位:Ecorrの経時変化の測定を
24時間継続して行った。また、同様にして評価液B中
で図3に示すようにこの評価液の自然電位より、アノー
ド方向に20mV/分の電位掃引速度で電位を貴にせしめ
て行き、試験片3Aに流れる電流密度が100μA/cm
2 に達した点の電位を隙間腐食発生電位:Ecと規定し
た。この電位が貴な値ほど隙間腐食が発生しにくいこと
を示す。隙間腐食が実際に発生するか否かの判定は評価
液A中での24時間後の腐食電位:Ecorr(24
h)と評価液B中での隙間腐食発生電位:Ecとを比較
することで行った。すなわち、 ○:隙間腐食は自然状態では発生しない−−Ec≧Ec
orr(24h) ×:隙間腐食は自然状態で発生する−−−−Ec<Ec
orr(24h) を材料の耐隙間腐食性の判定基準に用いた。
【0020】表2,3に種々の高合金ステンレス鋼の組
成および腐食電位:Ecorr(24h)、隙間腐食発
生電位:Ecならびに(1)式で定義されるCI値およ
び隙間腐食性判定結果を示した。本発明鋼は通常の真空
溶解炉を用い、表2,3に示す成分組成の鋼を溶製し
た。インゴットに鋳造後、均熱、ソーキング処理したの
ち熱延し、適切な熱処理後、本試験に供した。
成および腐食電位:Ecorr(24h)、隙間腐食発
生電位:Ecならびに(1)式で定義されるCI値およ
び隙間腐食性判定結果を示した。本発明鋼は通常の真空
溶解炉を用い、表2,3に示す成分組成の鋼を溶製し
た。インゴットに鋳造後、均熱、ソーキング処理したの
ち熱延し、適切な熱処理後、本試験に供した。
【0021】表2,3に示す実施例ならびに比較例の結
果より、本発明の高合金はゴミ焼却炉洗煙部(排ガス用
スクラバー)において極めて優れた耐隙間腐食性を有す
る材料であることがわかる。
果より、本発明の高合金はゴミ焼却炉洗煙部(排ガス用
スクラバー)において極めて優れた耐隙間腐食性を有す
る材料であることがわかる。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】本発明により、都市ゴミなどの焼却系の
洗煙設備などの低温部分で生成されるハロゲン化物(フ
ッ化物、塩化物、臭化物)および硫酸主体の湿潤環境系
で使用される設備用材料の安全性が確保され、長寿命化
が可能となった。
洗煙設備などの低温部分で生成されるハロゲン化物(フ
ッ化物、塩化物、臭化物)および硫酸主体の湿潤環境系
で使用される設備用材料の安全性が確保され、長寿命化
が可能となった。
【図1】材料の耐局部腐食性を調べるための試験片を示
し、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X線断面図
である。
し、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X線断面図
である。
【図2】評価液A中に材料を浸漬した場合にえられる腐
食電位:Ecorrの経時変化を模式的に示した腐食電
位と浸漬時間との関係を示す図である。
食電位:Ecorrの経時変化を模式的に示した腐食電
位と浸漬時間との関係を示す図である。
【図3】評価液B中で測定される材料の電位−電流曲線
を模式的に示した電位と電流密度の対数との関係を示す
図である。
を模式的に示した電位と電流密度の対数との関係を示す
図である。
1…エナメル導線 2…被覆部 3…試料電極面 4…ボルト・ナット 5…隙間部 6…枠体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 裕滋 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%でC:≦0.01%、Si:0.
01〜0.5%、Mn:≦1.0%、P:≦0.015
%、S:≦0.01%、Cr:20〜35%、Mo:2
〜10%、Cu:1〜4%、N:0.1〜0.4%およ
びNiを〔Cr〕+〔Mo〕+1.5×〔Si〕−0.
5×〔Mn〕−30×(〔C〕+〔N〕)−0.5×
〔Cu〕の式から計算される量以上含み、かつ、〔C
r〕+4.1×〔Mo〕+2×〔Cu〕+24×〔N〕
の値が50以上で残部がFeと不可避的不純物からな
り、硫酸イオン、ハロゲン化物イオン、酸化性金属イオ
ンを同時に含む環境中で優れた耐食性を有することを特
徴とする高合金オーステナイト系ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5018792A JPH05247597A (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 耐局部食性に優れた高合金オーステナイト系ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5018792A JPH05247597A (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 耐局部食性に優れた高合金オーステナイト系ステンレス鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05247597A true JPH05247597A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12852177
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5018792A Withdrawn JPH05247597A (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 耐局部食性に優れた高合金オーステナイト系ステンレス鋼 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JPH05247597A (ja) |
Cited By (12)
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|---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-03-09 JP JP5018792A patent/JPH05247597A/ja not_active Withdrawn
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| CN112779453B (zh) * | 2019-11-08 | 2024-05-24 | 日本冶金工业株式会社 | 耐蚀性优异的Fe-Ni-Cr-Mo-Cu合金 |
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