JPH05253290A - 生理活性物質固定化担体の製造法 - Google Patents

生理活性物質固定化担体の製造法

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JPH05253290A
JPH05253290A JP4086375A JP8637592A JPH05253290A JP H05253290 A JPH05253290 A JP H05253290A JP 4086375 A JP4086375 A JP 4086375A JP 8637592 A JP8637592 A JP 8637592A JP H05253290 A JPH05253290 A JP H05253290A
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JP4086375A
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Hideyuki Yokota
英之 横田
Masahiro Seko
政弘 世古
Kazunori Inamori
和紀 稲森
Masakazu Tanaka
昌和 田中
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生理活性物質の活性を保持したまま、簡便か
つ効果的に固定することができ、固定化生理活性物質の
遊離等不都合な事態を招くことのない生理活性物質固定
化担体の製造法を提供する。 【構成】 求核性を有する置換基を含有する水不溶性固
体表面に、ポリアルキレン骨格を有し両末端にトシル酸
エステルを持つ親水性スペーサーを作用させ、トシル酸
エステルと求核性置換基との反応により該親水性スペー
サーを固定し、さらに該親水性スペーサーの他端にある
トシル酸エステルを生理活性物質中の求核性置換基と同
様の反応を行わせて固定化することを特徴とする生理活
性物質固定化担体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は求核性を有する置換基を
分子内に含有する水不溶性固体表面に、両末端がp-トル
エンスルホン酸(以下トシル酸と略記する)エステルと
なった親水性スペーサーを介して生理活性を有する物質
を固定することを特徴とする生理活性物質固定化担体の
製造法に関するものである。より詳細に述べると、求核
性を有する置換基を分子内に含有する水不溶性固体表面
に、ポリアルキレンオキサイド骨格を有し、両末端にト
シル酸エステルを持った親水性スペーサーを作用させて
結合せしめ、さらにスペーサーのもう一方のトシル酸エ
ステルと生理活性物質の求核性置換基とを同様の方法で
固定した生理活性物質固定化担体の製造法に関する。本
発明において生理活性物質とは、酵素、補酵素、酵素阻
害剤、ホルモン、抗菌剤、抗原、抗体、細胞、その他機
能を有する蛋白質、さらにこのような物質と親和性を有
する低分子化合物および(または)高分子化合物を指
し、これらをリガンドと称することもある。また、本発
明において生理活性物質を固定化する水不溶性固体を単
に担体と称することもあり、スペーサーとは生理活性物
質を担体表面から離して固定するための腕のことを指
す。
【0002】
【従来の技術】生理活性物質を不溶性固体に固定し、得
られた生理活性物質固定化担体を化学反応触媒、分離精
製用特異的吸着材、臨床検査材料、医療用材料として利
用する方法は1960年代から活発な研究が開始され、
現在各国で盛んに研究が進められている。生理活性物質
を固体に担持させる方法は、物理的方法と化学的方法に
大別できる。前者はアガロースゲルなどに包み込んで閉
じこめる包括法や、非特異的な吸着力を利用した吸着法
などがある。後者には生理活性物質の官能基を利用して
化学結合させる共有結合法や、生理活性物質の持つ電荷
と反対の電荷を固体に付与して両者をイオン結合で結合
させるイオン結合法などがある。
【0003】生理活性物質の固定で最も重要な問題とな
るのはいかにしてもとの活性を損なうことなく、安定に
固定し、なおかつ使用に際して生理活性物質の遊離が防
げるかということである。物理的方法によって固定した
場合、包括法では生理活性物質を包み込んでしまうた
め、酵素そのものは活性を維持していながら反応溶媒と
の接触が妨げられ、もとの活性が充分に発揮されない可
能性が大きく、吸着法では使用中の生理活性物質遊離の
問題がある。従って、このような問題を解決するには、
化学的方法、なかでも共有結合法によって固定化を行う
ことが望ましい。
【0004】従来、共有結合法として採用されてきた方
法としては、臭化シアン法、エポキシ法が一般的であ
る。臭化シアン法は、担体上の水酸基と臭化シアン(C
NBr)を作用させてシアン酸エステル(ROCN)ま
たはイミドカーボネート((RO)2C=NH)を生成さ
せ、これにアミノ基を有する物質をイソウレア結合(R
OC(=NH)NH-L)やウレタン結合(RO(CO)NH
-L)で固定する方法である。(Rは固定を行う担体、
Lは生理活性物質)この方法は比較的容易に固定化がで
きるので広く利用されているが、架橋部に形成されるイ
ミド基が帯電しているため、これとの静電相互作用によ
って非特異吸着が起こる。また、固定化された生理活性
物質と担体との結合が不安定であるため、生理活性物質
が遊離する可能性がある。リガンドが遊離するという欠
点は特に医療用材料、つまり、血液や血液成分を接触さ
せて含有される病因物質を吸着除去する吸着材では致命
的とも言える。さらに、臭化シアンはそれ自体毒性を持
った化合物であるため、未反応の臭化シアンが残存する
可能性のあるこの方法は医療用材料には事実上応用がで
きない。
【0005】エポキシ法は臭化シアン法のこのような欠
点を解消するために考案された方法のひとつである。こ
の方法は例えば、担体上の水酸基とエピクロルヒドリン
をアルカリ性条件のもとで作用させてエポキシ基を導入
し、これに水酸基を有する物質を作用させてエーテル結
合により固定化させるものである。この方法は、水酸基
の代わりにアミノ基を利用して固定する方法や、担体に
直接エポキシ基を導入するのではなく、両末端にエポキ
シ基を有する化合物をスペーサーとして担体の水酸基と
反応させ、もう一方のエポキシ基を利用して含水酸基物
質を固定する方法などのバリエーションも考案されてい
る。
【0006】エポキシ法では臭化シアン法と比べて (1)静電相互作用による非特異吸着がない。 (2)生理活性物質との結合部位にあるエーテル結合、
アルキルアミノ結合は安定であり、生理活性物質の遊離
が少ない。 などの利点を有する。しかし、このエポキシ法では生理
活性固定の際、高温のアルカリ溶液で長時間の処理を要
するという欠点があり、これは生理活性物質の失活を招
く恐れがおおいにある。
【0007】さらに別の方法としては、以下のような手
段が考案されている。 (1)含オレフィン化合物溶液と酵素溶液とを担体表面
に塗布し、これに電離性放射線を照射する方法(特公平
3−61426) (2)アミド化反応を利用して生理活性物質を固定する
方法(有機合成化学、第38巻、128〜138頁(1
980年);J.Biochem.、第87巻、535
〜540頁(1980年)) (3)両末端にアルデヒドを有する化合物をスペーサー
として導入し、これを介して生理活性物質を固定する方
法(特公平3−59080)
【0008】(1)の方法は包括法に分類されるもの
で、酵素水溶液およびガラス化性ビニル系重合性単量体
から成る混合物を多孔質粒子の表面に被覆した後電離性
放射線を照射して重合せしめ、酵素を固定するものであ
る。この方法では包括法の利点、すなわち活性の保持、
複数成分から成る複雑な酵素反応系をそのまま固定でき
ることなどを保ったまま、酵素の遊離が低く抑えられ
る。しかしながら、反応溶媒との接触が制限されてしま
うことは避けられず、また、固定化に電離性放射線の照
射を要するので装置が大がかりなものとなってしまい、
手軽に実施しにくい。
【0009】(2)の方法は、エポキシ活性化担体をア
ンモニアでアミノ誘導体とした後、無水コハク酸で処理
し、スクシニルアミノ誘導体とし、これにカルボジイミ
ドとアミノ基を有する生理活性物質とを作用させて生理
活性物質の固定化を行うものである。しかし、水溶性カ
ルボジイミドを用いるこの方法では反応中間体の転位に
よる副反応が起こる可能性がある。また、最適酸性度で
あるpH4.5でも、これよりも低いpH値ではなおさ
ら、生理活性物質の重合が起こり易いという欠点がある
のは発明者自身も認めているところである。
【0010】(3)の方法は、アミノ基を有する担体
(もしくはアミノ基を導入した担体)と、両末端にアル
デヒドを有する化合物を作用させ、シッフ塩基形成-還
元によってアルキルアミノ結合でこれを固定し、さらに
アミノ基を有する生理活性物質を同様にして結合させ
て、スペーサーを介して生理活性物質を担体に固定する
方法である。この方法は生理活性物質を固定するという
目的を達成するだけなら優れた方法であるが、使用時の
生理活性発揮について考えると、改善の余地がある。
【0011】この発明においては両末端にアルデヒドを
有する化合物、すなわちスペーサーについての考慮が充
分でない。スペーサーの効果は生理活性物質の運動性を
高めることによって、使用の際にその活性を充分に引き
出すということが挙げられる。ところが、特公平3−5
9080の方法に用いられるスペーサーはその鎖長が、
炭素数にしてわずかに2〜10となっている。このよう
に短いスペーサーでは生理活性物質の運動性向上に対す
る寄与は充分ではないと考えられる。
【0012】また、生理活性物質固定化担体は主とし
て、水系溶媒中で使用されることが圧倒的に多い。特公
平3−59080に挙げられたスペーサーは疎水性のメ
チレン鎖から成っているため水系溶媒中では充分に伸び
きったコンフォメーションをとるのが困難であり、スペ
ーサー鎖長と併せて考えると、本来スペーサーに期待さ
れる効果はほとんど発揮されないと言っても過言ではな
い。
【0013】生理活性物質固定化担体が医療用材料、す
なわち血液や血液成分を接触させて含有される病因物質
を吸着除去する吸着材として使用される場合には親水性
スペーサーの持つ意義はさらに大きくなる。すなわち、
血液中の血球成分や、被吸着物質でない蛋白の付着を防
止することである。親水性スペーサーはその周辺に水を
吸着している。このため吸着材表面は水の層に覆われ、
この水の層が血球成分の付着を防いでいる(排除体積効
果)。また、水の層を形成するスペーサーが運動するこ
とにより、さらに血球成分の付着は困難になり、付着し
た血球成分は脱離しやすくなる。また、凝固因子や補体
の活性化が抑制されるといった利点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の欠点を解決し、簡便な方法で種々の生理活性物質の固
定を汎用的に、充分な濃度で、安定に行うことができ、
かつ生理活性物質の活性を充分に引き出すことのできる
生理活性物質固定化担体の製造法を提供しようとしたも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の生理活性物質固
定化担体の製造法は、求核性を有する置換基を含有する
水不溶性固体表面に、両末端にトシル酸エステルを有す
る親水性スペーサーを介して生理活性を有する物質を固
定することを特徴とするものである。本発明の生理活性
物質固定化担体の製造法は、水不溶性固体がポリスチレ
ン、ポリメタクリル酸およびその誘導体或いはこれらの
共重合体などの合成有機高分子化合物、セルロース、キ
チン、キトサン等の天然有機高分子化合物、またはアシ
ルセルロース、アシルキチン等の改質天然有機高分子化
合物に適当な方法で求核性置換基を導入した化合物であ
ることが好ましい。これらの高分子化合物のうち、機械
的強度、親水性スペーサー導入の容易さ、親水性スペー
サー導入後の水不溶性の保持を考慮すると、適度に架橋
したポリスチレン、ポリメタクリル酸およびその誘導体
或いはこれらの共重合体、セルロースに適当な方法で求
核性置換基を導入した化合物やキトサンが望ましく、さ
らに好ましくは架橋ポリメタクリル酸誘導体、セルロー
スに適当な方法で求核性置換基を導入した化合物、ある
いはキトサンが望ましい。
【0016】本発明において求核性を有する置換基と
は、公知、またはこれから新規に合成されるであろうい
かなる求核性置換基をも包含する。具体的にはアミノ
基、イミノ基、ヒドロキシルアミノ基、水酸基、アルコ
キシド基、チオール基、ヒドロセレノ基(−SeH)、
ヒドロテルロ基(−TeH)、ホスフィノ基(−P
2)、アルシノ基(−AsH2)、スチビノ基(−SbH
2)、ビスムチノ基(−BiH2)などの置換基あるい
は、ヒドラジン、ヒドラジド、スルフィド、ヒドロポリ
スルフィド(R−SnH)、ポリスルフィド(R−Sn
R)、セレニド(R−Se−R)、テルリド(R−Te−
R)、あるいはグリニャール試薬(RMgX)や有機リ
チウムといった有機金属化合物などの構造を有する置換
基を指す。このなかで入手や取扱いの容易さ、反応性か
らアミノ基、イミノ基、水酸基が好ましく、反応後の生
成物の安定性を考えると、アミノ基、イミノ基、特に第
1級アミノ基が最も好ましい。
【0017】本発明において利用される水不溶性担体は
求核性置換基を含有していることが必要である。キトサ
ンのようにすでに分子中にアミノ基を持っている化合物
はそのまま利用できるが、もともと求核性置換基のない
化合物にはあらかじめ求核性置換基を導入する必要があ
る。導入方法については特に制限されないが、ポリスチ
レンを利用する場合、以下のような方法でアミノ基を導
入する手段が利用され得る。
【0018】(1)架橋ポリクロロメチルスチレンの合
成 ジビニルベンゼンを1重量%〜70重量%、好ましくは
2重量%〜35重量%含む架橋ポリスチレンにクロロホ
ルムを加え、室温で15分以上、好ましくは30分以上
撹拌して充分に膨潤させた後、クロロメチルメチルエー
テルと触媒を加え、25℃〜100℃、好ましくは30
℃〜60℃で30分〜12時間、好ましくは2時間〜7
時間窒素気流気下にて撹拌しながら反応させると、クロ
ロメチル基導入率10%〜100%、好ましくは25%
から95%の架橋ポリクロロメチルスチレンが得られ
る。上記触媒としては、塩化アルミニウムのようなアル
ミニウム系触媒、塩化錫のような錫系触媒、塩化亜鉛の
ような亜鉛系触媒が挙げられる。触媒は反応溶液中に
0.3%〜5.0%、好ましくは0.4%〜3.0%の
含量で添加される。上記クロロメチル化反応において、
各成分の混合重量比は次の通りである。ポリスチレンと
クロロホルムの重量比は2/1〜1/10、好ましくは
1/1〜1/7;ポリスチレンとクロロホルムの合計量
とクロロメチルメチルエーテルの混合重量比は30/1
〜1/5、好ましくは15/1〜1/3である。
【0019】(2)アミノ基の導入 ポリアミン化合物を不活性溶媒に溶解させる。これに上
記(1)で得たポリクロロメチルスチレンを加え、0℃
から徐々に室温まで反応温度を上げ、30分〜12時間
好ましくは1時間〜4時間に亘り反応させる。これに水
酸化ナトリウム水溶液を加え、約30分撹拌した後、生
成物を回収する。以上の操作によってアミノ基含量0.
20mmol/g〜20mmol/g、好ましくは1.
0mmol/g〜10mmol/gの化合物下記(化
2)が得られる。
【0020】
【化2】
【0021】上記の反応に用いられる溶媒はクロロホル
ム、ベンゼンなどの有機溶媒、アルカリ水溶液などの水
系溶媒も用いられ得るが、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル類が好まし
い。上記反応に用いられるポリアミン化合物はアンモニ
ア;ヒドラジン;エチレンジアミン;ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミンなどのエチレンジアミン縮合化合物;ジアミノプロ
パン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘ
キサン、トリアミノプロパン、トリアミノブタン、トリ
アミノペンタン、トリアミノヘキサンなどのポリアミノ
アルキル;ジアミノシクロペンタン、トリアミノシクロ
ペンタン、ジアミノシクロヘキサン、トリアミノシクロ
ヘキサンなどのポリアミノシクロアルキル;ジアミノベ
ンゼン、ジアミノナフタレン、トリアミノベンゼン、ト
リアミノナフタレンなどのポリアミノアリール等が挙げ
られるが、本発明の要旨であるトシル酸エステルとの反
応が容易なのは第1級アミノ基なので、第1級アミノ基
が少なくともひとつ、好ましくはふたつ以上含まれるポ
リアミン化合物が望ましい。上記反応におけるポリクロ
ロメチルスチレン中のクロロメチル基とポリアミン化合
物との混合モル比は3/1〜1/10好ましくは1/1
〜1/5である。
【0022】セルロースを利用する場合、以下のような
方法が利用され得る。 (1)アルデヒド基の導入 過沃素酸ナトリウムを0.1規定から5.0規定、好ま
しくは0.5規定から1.5規定の硫酸に溶解した溶液
に、粒状多孔質セルロースを添加し、10℃から50
℃、好ましくは20℃から30℃で、5時間から30時
間、好ましくは10時間から24時間反応させる。上記
過沃素酸ナトリウム-硫酸溶液の過沃素酸ナトリウム濃
度は2重量%から15重量%、好ましくは4重量%から
10重量%である。また、上記粒状多孔質セルロースの
過沃素酸ナトリウム溶液への浴比は10容量%から30
容量%、好ましくは15容量%から25容量%である。
この反応混合物を濾過して生成物を回収し、充分に水洗
して、膨潤状態でアルデヒド含量0.10meq/ml
から2.00meq/ml、好ましくは0.20meq
/mlから1.50meq/mlのアルデヒドセルロー
スを得る。このアルデヒドセルロースは下記(化3)に
示すように、一部のグルコースユニットが開環した構造
をしている。
【0023】
【化3】
【0024】(2)アミノ基の導入 ポリアミン化合物をpH9.5の緩衝液に溶解させる。
これに上記(1)で得たアルデヒドセルロースを添加し
て撹拌しながら10℃から50℃好ましくは20℃から
30℃で、5時間から30時間、好ましくは10時間か
ら24時間反応させる。上記ポリアミン化合物-緩衝液
の濃度は0.2重量%から5.0重量%、好ましくは
0.4重量%から3.0重量%、この溶液へのアルデヒ
ドセルロースの浴比は3容量%から20容量%、好まし
くは5容量%から15容量%であり、アルデヒドセルロ
ースに含まれるアルデヒドとポリアミン化合物の混合モ
ル比が3/1〜1/10好ましくは1/1〜1/5とな
るよう適当に調整されるのが望ましい。
【0025】この反応混合物を濾過して生成物を回収、
水洗し、これをpH9.0の緩衝液に分散させ、水素化
ホウ素ナトリウムを添加して10℃から50℃好ましく
は20℃から30℃で、5時間から30時間、好ましく
は10時間から24時間反応させてシッフ塩基の水素添
加を行う。含シッフ塩基[セルロース]-[ポリアミン
化合物]の緩衝液への浴比は3容量%から20容量%、
好ましくは5容量%から15容量%、含シッフ塩基[セ
ルロース]-[ポリアミン化合物]と水素化ホウ素ナト
リウムの仕込比は20/1から3/2、好ましくは15
/1から3/1(いずれも容量/重量比)である。こう
してアミノ基含量0.050meq/mlから3.00
meq/ml、好ましくは0.20meq/mlから
2.00meq/mlの[セルロース]-[ポリアミン
化合物]を得る。
【0026】上記反応に用いられるポリアミン化合物は
アンモニア;ヒドラジン;エチレンジアミン;ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミンなどのエチレンジアミン縮合化合物;ジア
ミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジ
アミノヘキサン、トリアミノプロパン、トリアミノブタ
ン、トリアミノペンタン、トリアミノヘキサンなどのポ
リアミノアルキル;ジアミノシクロペンタン、トリアミ
ノシクロペンタン、ジアミノシクロヘキサン、トリアミ
ノシクロヘキサンなどのポリアミノシクロアルキル;ジ
アミノベンゼン、ジアミノナフタレン、トリアミノベン
ゼン、トリアミノナフタレンなどのポリアミノアリール
等が挙げられるが、本発明の要旨であるトシル酸エステ
ルとの反応が容易なのは第1級アミノ基なので、第1級
アミノ基が少なくともひとつ、好ましくはふたつ以上含
まれるポリアミン化合物が望ましい。さらに、ポリアミ
ン化合物の緩衝液への溶解性を考慮すると、エチレンジ
アミンおよびエチレンジアミン縮合化合物が望ましい。
【0027】本発明において両末端にトシル酸エステル
を有する親水性スペーサーとは、具体的には前記の化1
の構造を有する化合物であることを特徴とするものであ
る。
【0028】この化合物の合成方法については特に制限
されないが、両末端にトシル酸エステルを持つポリエチ
レングリコール(以下PEOトシレートと略記する。)
を合成する場合、分子量200から20000、好まし
くは400から10000、さらに好ましくは1000
から5000のポリエチレングリコールをピリジンの存
在下、トシル酸クロライド(p-CH3(C64)SO2
l)を作用させることによって合成する方法が好まし
い。
【0029】本発明に用いられる両末端にトシル酸エス
テルを有する親水性スペーサーの鎖長は、固定化される
生理活性物質の種類、得られた生理活性物質固定化担体
の用途によって適当に選択されることが好ましい。例え
ば、生理活性物質として抗LDL(低比重リポ蛋白)抗
体を固定し、血液中のLDLを選択的に除去する吸着材
として用いる場合、PEOトシレートをスペーサーに用
いるのであれば、分子量にして200から10000、
好ましくは400から5000が望ましい。
【0030】前記のような方法で水不溶性固体に導入し
た求核性置換基であるアミノ基や、他の求核性置換基を
利用して、両末端にトシル酸エステルを有する親水性ス
ペーサーを介し、生理活性物質の固定を行う。求核性置
換基は、親水性スペーサー末端トシル酸エステルのつい
た炭素原子を求核攻撃し、トシル酸をはじき出すことに
よって交換し、水酸基やアルコキシド基の場合はエーテ
ル、第1級アミノ基の場合はアルキルアミンを生成する
ことによって結合される。水酸基、第1級アミノ基の反
応についてその機構を以下に示す。(化4、化5)
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】 化4、化5においてRは水不溶性担体、R1 は親水性ス
ペーサーを示す。
【0033】水不溶性固体への両末端トシル酸エステル
親水性スペーサーの導入、さらに生理活性物質の固定化
については、例えば、アミノ基導入済みセルロースにP
EOトシレートを介して抗LDL抗体を固定する場合に
は以下のような方法が用いられ得る。
【0034】(1)アミノ基導入済みセルロースへのP
EOトシレートの導入 アミノ基含量0.050meq/mlから3.00me
q/ml、好ましくは0.20meq/mlから2.0
0meq/mlのアミノ基導入済みセルロースを、モレ
キュラーシーブを投入して脱水したジメチルスルホキシ
ド(以下DMSOと略記する。)に分散させておく。こ
れに分子量200から10000、好ましくは400か
ら5000のPEOトシレートを加え、10℃から50
℃、好ましくは20℃から30℃で、5時間から30時
間、好ましくは10時間から24時間撹拌して反応させ
る。上記アミノ基導入済みセルロースとPEOトシレー
トとの仕込比は、それぞれに含まれるアミノ基とトシル
基のモル比が3/1から1/10、好ましくは2/1か
ら1/5となるよう適当に調整されるのが望ましい。こ
の反応混合物を濾過して生成物を回収する。
【0035】(2)生理活性物質の固定 抗LDL抗体を、モレキュラーシーブを投入して脱水し
たDMSOに分散、あるいは溶解させておく。これに上
記で得た[セルロース]-[PEOトシレート]を加
え、0℃から50℃、好ましくは15℃から30℃で3
0分から30時間、好ましくは1時間から24時間、さ
らに好ましくは2時間から18時間撹拌して反応させ
る。この反応混合物を濾過して生成物を回収、水洗し、
[セルロース]-[PEOトシレート]-[抗LDL抗
体]を得る。上記抗LDL抗体-DMSOの濃度は0.
05重量%から5.0重量%、好ましくは0.1重量%
から3.0重量%であり、この溶液への[セルロース]
-[PEOトシレート]の浴比は2容量%から20容量
%、好ましくは4容量%から15容量%である。
【0036】上記は抗LDL抗体固定化セルロースにつ
いての例であるが、生理活性物質は種類によって取扱い
方が極めて多様であり、また、固定化担体の用途によっ
て固定化量なども異なってくる。したがって、固定化す
る生理活性物質、固定化担体の用途に応じて適当な条
件、混合比などを設定することが必要である。また、こ
れも固定化する生理活性物質、およびその用途によって
であるが、生理活性物質固定化後に残存するスペーサー
末端の未反応トシル酸エステルが悪影響を及ぼす可能性
もあるので、必要に応じエタノールアミン等の適当な試
薬でブロックすることも推奨される。
【0037】本発明に用いられる両末端にトシル酸エス
テルを有する親水性スペーサーは、水系の溶媒に対して
それほど安定ではないので、固定化に用いられる溶媒は
上記の反応例のように、DMSOなどの不活性な有機溶
媒を用いることが望ましい。また、固定化を行うことに
よってトシル酸が遊離するので、ピリジンなどの複素環
型塩基性溶媒や、トリエチルアミンなどの第3級アミン
系溶媒などを添加することも推奨される。
【0038】本発明に使用される水不溶性固体の形状は
粒子状、繊維状、膜状等いずれの公知の形状も用いられ
得るが、固定化される生理活性物質の種類、得られた生
理活性物質固定化担体の用途によって適当に選択される
ことが好ましい。
【0039】例えば、生理活性物質として抗LDL(低
比重リポ蛋白)抗体を固定し、血液中のLDLを選択的
に除去する吸着材として用いる場合、粒子状担体の平均
粒径は10μmから5mm、好ましくは30μmから1
mm、さらに好ましくは50μmから500μmの範囲
にあることが望ましい。これより粒径が小さくなると血
液、あるいは血液成分の流通抵抗が大きくなり、粒径が
大きくなると担体充填量の減少、ひいては有効表面積の
減少を招くこととなる。粒子形状については、細胞に損
傷を与えにくいことや、物理的外力に対する強度、さら
に調整の容易さから、球状であることが望ましい。同じ
理由から、繊維状担体の繊維直径は0.1μmから50
μm、好ましくは0.3μmから25μm、さらに好ま
しくは0.5μmから15μmが望ましい。
【0040】固定化される生理活性物質の種類、得られ
た生理活性物質固定化担体の用途によっては、有効表面
積を拡大するために担体表面に微小孔が存在することが
好ましい場合も多い。例えば、生理活性物質として抗L
DL(低比重リポ蛋白)抗体を固定し、血液中のLDL
を選択的に除去する吸着材として用いる場合、粒子状担
体では、20Åから20000Å、好ましくは100Å
から15000Å、さらに好ましくは1000Åから1
2000Å、繊維状担体では20Åから3000Å、好
ましくは100Åから2000Åの微小孔が存在するこ
とが望ましい。これより平均孔径が小さいと被吸着物質
が微小孔内部まで到達できず、これより大きいと有効表
面積を拡大する効果が不十分であり、また担体の強度低
下を招く恐れがある。
【0041】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を説明する。実施
例中の部は、とくに注釈を加えない限り重量部を意味す
る。 〈実施例1〉粒状多孔質セルロース(平均粒径50μ
m、平均孔径1500Å)1000部(容量)を、過沃
素酸ナトリウム325部を1規定-硫酸5000部に溶
解した溶液に添加し、25℃で18時間反応させた後、
濾別、水洗し、アルデヒド含量1.25meq/mlの
アルデヒドセルロース(CA-1)を得た。アルデヒド
の定量はオキシム法によって行った。すなわち、CA-
1約1.0mlを正確に秤量し(この量をV1mlとす
る)、これに0.5規定塩酸ヒドロキシルアミン溶液
(塩酸ヒドロキシルアミン35gを水160mlに溶か
し、95%エタノールで希釈して1lとしたもの)10
ml、ピリジンブロムフェノールブルー溶液(4%ブロ
ムフェノールブルー0.25mlとピリジン20mlの
混合液を95%エタノールに希釈して1lとしたもの)
35mlを加えた。この懸濁液(以下サンプルと呼ぶ)
を、CA-1を入れずに0.5規定塩酸ヒドロキシルア
ミン溶液10mlとピリジンブロムフェノールブルー溶
液35mlを加えたもの(以下ブランクと呼ぶ)と併せ
て超音波洗浄器内に15分間放置した。サンプルとブラ
ンクを取り出し、サンプルの呈する色がブランクと同じ
になるまで0.1規定水酸化ナトリウム-メタノール溶
液を滴下した。この際滴下した水酸化ナトリウム量をW
1ml、力価をF1とすると、アルデヒド含量x1meq
/mlは次式によって得られる。 x1=(0.1×F1×W1)/V1
【0042】テトラエチレンペンタミン62部をpH
9.5の炭酸緩衝液5000部(容量)に溶解させてお
き、これに上記で得たCA-1を250部(容量)添加
して撹拌しながら25℃で、18時間反応させた。この
反応混合物を濾過して生成物を回収、水洗し、これをp
H9.0の炭酸緩衝液5000部(容量)に分散させ、
水素化ホウ素ナトリウム70部を添加して25℃で、1
8時間反応させてシッフ塩基の水素添加を行った。こう
してテトラエチレンペンタミン由来のアミノ基含量0.
98meq/mlの[セルロース]-[テトラエチレン
ペンタミン](Cen-1)を得た。アミノ基の定量は
以下の方法によって行った。Cen-1約0.1mlを
正確に秤量し(この量をV2mlとする)、0.1規定
塩酸水溶液10ml(力価をF2とする)を加え、この
懸濁液をジオキサンで希釈して全量で40mlにする
(この懸濁液を以下サンプルと呼ぶ)。サンプルを約3
0分撹拌した後、自動滴定装置(平沼産業製COMTI
TE101)を用いて0.1規定水酸化ナトリウム水溶
液(力価をF2’とする)で滴定を行う。サンプルを中
和するまでに要した0.1規定水酸化ナトリウム水溶液
の量をW2mlとすると、Cen-1のアミノ基含量x2
meq/mlは次式によって得られる。 V2×x2+0.1×F2’×W2=0.1×F2×10
【0043】上記で得たCen-1を100部(容量)
取って、モレキュラーシーブを投入して脱水したDMS
O2000部(容量)に分散させておき、これに分子量
4000のPEOトシレート630部を加えた。25℃
で約18時間撹拌して反応させ、生成物を回収、ジオキ
サンで充分に洗浄して[セルロース]-[PEOトシレ
ート](CPEO-1)を得た。
【0044】上記で得たCPEO-1を100部(容
量)取って、モレキュラーシーブを投入して脱水したD
MSO2000部(容量)に分散させておき、これに抗
LDL抗体10部を加えて25℃で6時間撹拌して反応
させた。ここで用いた抗LDL抗体は、以下の方法で得
た抗ヒトLDL抗体である。すなわち、ヒトLDLを完
全アジュバントとともに注射により投与し免疫したレグ
ホンの鶏卵の卵黄部分を取り出し、その5倍量の0.1
%λカラギーナン水溶液を混合して1500×g,10
分遠心分離し、その上清をDEAEクロマトグラフィお
よび塩析により精製した。生成物を回収、洗浄水がpH
7.0になるまで充分にイオン交換水で洗浄して[セル
ロース]-[PEOトシレート]-[抗LDL抗体](C
PEOIgY-1)を得た。
【0045】上記で得たCPEOIgY-1を80部
(容量)取って100mlのカラムに充填し、100U
/mlのヘパリンを含む生理食塩液100ml、続いて
1U/mlのヘパリンを含む生理食塩液100mlでカ
ラム内、および血液回路内を洗浄した。一方、クエン酸
加豚血1lをビーカーにとり、カラムを通して再びこの
ビーカーに戻すよう血液回路を組んだ。この装置を用い
て血液流量50ml/minで潅流実験を3時間連続し
て行い、カラム前後の血中LDLの量を測定した。ま
た、潅流開始前後の全血液中のアルブミン量、総蛋白
量、血小板量を測定した。LDLの定量は和光純薬製β
−リポ蛋白C−テストワコーを用いてヘパリン沈澱・比
色法によって行った。アルブミン量はブロムクレゾール
グリーン法、総蛋白量はビウレット法、血小板量は自動
血球算定装置を用いて定量した。結果は表1、表2に示
した。なお、LDLの量は実際の測定値、アルブミン、
総蛋白、血小板については残存率で表示した。
【0046】
【表1】 表1中、単位はmg/dlで示す。
【0047】
【表2】 表2中、残存率は3時間灌流後の濃度(mg/dl)を
灌流前の濃度で除した値に100を乗じたものである。
ただし、血小板については濃度ではなく個数(個/m
l)から算出したものである。(以下の表3においても
同様)。
【0048】〈実施例2〉実施例1で得たCPEO-1
を100部(容量)取り、モレキュラーシーブを投入し
て脱水したDMSO2000部(容量)に分散させてお
き、これに市販ヒトハプトグロビン溶液(20U/m
l;ミドリ十字社製)200部(容量)を加えて25℃
で6時間撹拌して反応させた。生成物を回収、充分にイ
オン交換水で洗浄し、これにpH8.0のモノエタノー
ルアミン含有炭酸緩衝液200部(容量)を添加し、2
5℃で3時間撹拌して過剰のトシル酸エステルをブロッ
クした。反応混合物を濾過して生成物を回収し、pH
8.3のリン酸緩衝液、0.5Mの食塩を含有する0.
002M酢酸緩衝液で交互に洗浄、最後にpH7.2の
リン酸緩衝液で洗浄し、[セルロース]-[PEOトシ
レート]-[ハプトグロビン](CPEOHp-2)を得
た。
【0049】上記で得たCPEOHp−2を80部取っ
て100mlのカラムに充填し、100U/mlのヘパ
リンを含む生理食塩液100ml、続いて1U/mlの
ヘパリンを含む生理食塩液100mlでカラム内、およ
び血液回路内を洗浄した。一方、抗ヒトハプトグロビン
抗体を固定化した担体を用いて、ヒト全血からヒト遊離
ハプトグロビンを除去したクエン酸加ハプトグロビンフ
リー血に、ヒト遊離ヘモグロビンを50mg/dl添加
し、これを1lビーカーに取って、カラムを通して再び
このビーカーに戻すよう血液回路を組んだ。この装置を
用いて血液流量50ml/minで潅流実験を1時間連
続して行い、カラム後の血中ヒト遊離ヘモグロビン量を
測定した。また、潅流開始前後の全血液中のアルブミン
量、総蛋白量、血小板量を測定した。遊離ヘモグロビン
量はテトラメチルベンジジン法により定量した。アルブ
ミン量はブロムクレゾールグリーン法、総蛋白量はビウ
レット法、血小板量は自動血球算定装置を用いて定量し
た。結果は表3に示した。なお、アルブミン、総蛋白、
血小板については残存率で表示した。
【0050】
【表3】
【0051】〈実施例3〉実施例1で得たCPEO-1
を50部(容量)取り、モレキュラーシーブを投入して
脱水したDMSO350部(容量)と、同様に脱水した
ピリジン150部(容量)の混液に分散させておき、こ
れにバチルス属由来のアミラーゼを6000単位(JI
S K−7001による糖化力)添加し、10℃で4時
間撹拌して反応させた。生成物を回収、充分にイオン交
換水で洗浄し、これにpH8.0のモノエタノールアミ
ン含有炭酸緩衝液100部(容量)を添加し、10℃で
1時間撹拌して過剰のアルデヒド基をブロックした。反
応混合物を濾過して生成物を回収し、充分に水洗して
[セルロース]-[PEOトシレート]-[アミラーゼ]
(CPEOAm-3)を得た。この反応に用いたアミラ
ーゼは、新規にスクリーニングを行って得られたバチル
ス属由来のもので、耐アルカリ性を有している(至適p
Hは8から9)。
【0052】上記で得られたCPEOAm-3を、可溶
性デンプンを0.1%の濃度で溶解させた緩衝液に分散
させ、37℃で30分撹拌後、濾過を行い、濾液におけ
る加水分解度によってCPEOAm-3におけるアミラ
ーゼ活性を測定した。活性測定は、反応溶液にヨウ素-
ヨウ化カリウム水溶液を加え、その吸光度低下率から算
出した。結果は表4に示した。なお、固定化酵素の活性
は固定を行っていない遊離アミラーゼのpH8.5にお
ける活性を100として百分率によって表示した。
【0053】
【表4】 表4中のFreeは、担体への固定をしていないアミラ
ーゼを示す。
【0054】上記で得られたCPEOAm−3をpH1
0の緩衝液に分散させて撹拌し、経過時間と活性との関
係を測定した。結果は図1に示す。活性は、処理前の遊
離アミラーゼの活性を100として、相対値で表示し
た。
【0055】〈比較例1〉実施例1で得たCen-1を
100部(容量)取ってpH9.5の炭酸緩衝液240
0部(容量)に分散させておき、25%グルタルアルデ
ヒド水溶液50部を加えた。炭酸ナトリウムと重炭酸ナ
トリウムを適当に加えてpHを9.5に調節して、25
℃で約18時間撹拌して反応させた。生成物を回収、洗
浄水がpH7.0になるまで充分にイオン交換水で洗浄
して[セルロース]-[グルタルアルデヒド](CG-
4)を得た。
【0056】上記で得たCG-4を100部(容量)取
ってpH9.5の炭酸緩衝液2400部(容量)に分散
させておき、これに抗LDL抗体10部を加えて25℃
で6時間撹拌して反応させた。ここで用いた抗LDL抗
体は、実施例1で用いたのと同じものである。生成物を
回収、洗浄水がpH7.0になるまで充分にイオン交換
水で洗浄して含シッフ塩基[セルロース]-[グルタル
アルデヒド]-[抗LDL抗体](s-CGIgY-4)
を得た。
【0057】上記s-CGIgY-4を100部(容量)
取ってpH9.0の炭酸緩衝液2400部(容量)に分
散させておき、これに水素化ホウ素ナトリウム30部を
加えて25℃で4時間撹拌して反応させた。生成物を回
収、洗浄水がpH7.0になるまで充分にイオン交換水
で洗浄して[セルロース]-[グルタルアルデヒド]-
[抗LDL抗体](CGIgY-4)を得た。
【0058】上記で得たCGIgY-4のLDL吸着
能、アルブミン、総蛋白、血小板の残存率を実施例1と
同様の方法で評価した。結果は表1、表2に示した。
【0059】〈比較例2〉実施例1で得たCen-1を
100部(容量)取ってpH4.5のクエン酸緩衝液2
000部(容量)に分散させておき、N-シクロヘキシ
ル-N'-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド-メト-p
-トルエンスルホン酸塩0.2部、抗LDL抗体10部
を加えて、25℃で約6時間撹拌して反応させた。ここ
で用いた抗LDL抗体は、実施例1で用いたのと同じも
のである。生成物を回収、洗浄水がpH7.0になるま
で充分にイオン交換水で洗浄して[セルロース]-[抗
LDL抗体](CIgY-5)を得た。
【0060】上記で得たCIgY-5のLDL吸着能、
アルブミン、総蛋白、血小板の残存率を実施例1と同様
の方法で評価した。結果は表1、表2に示した。
【0061】〈比較例3〉比較例1で得たCG-4を1
00部(容量)取り、pH8.5の炭酸緩衝液2400
部(容量)に分散させておき、これに市販ヒトハプトグ
ロビン溶液(20U/ml;ミドリ十字社製)200部
(容量)を加えて25℃で6時間撹拌して反応させた。
生成物を回収、充分にイオン交換水で洗浄して含シッフ
塩基[セルロース]-[グルタルアルデヒド]-[ハプト
グロビン](s-CGHp-6)を得た。
【0062】上記s-CGHp-6を100部(容量)取
ってpH8.0のモノエタノールアミン含有炭酸緩衝液
200部(容量)を添加し、25℃で3時間撹拌して過
剰のアルデヒド基をブロックした。反応混合物を濾過し
て生成物を回収し、充分に水洗した後、pH8.5の炭
酸緩衝液2400部(容量)に分散させておき、これに
水素化ホウ素ナトリウム30部を加えて25℃で4時間
撹拌して反応させた。生成物を回収、これをpH8.3
のリン酸緩衝液、0.5Mの食塩を含有する0.002
M酢酸緩衝液で交互に洗浄、最後にpH7.2のリン酸
緩衝液で洗浄し、[セルロース]-[グルタルアルデヒ
ド]-[ハプトグロビン](CGHp-6)を得た。
【0063】上記で得たCGHp-6の性能を実施例2
と同様の方法で評価した。結果は表3に示した。 〈比較例4〉実施例1で得たCen-1を100部(容
量)取り、pH4.5のクエン酸緩衝液2000部(容
量)に分散させておき、N-シクロヘキシル-N'-(2-モ
ルホリノエチル)カルボジイミド-メト-p-トルエンスル
ホン酸塩0.2部、市販ヒトハプトグロビン溶液(20
U/ml;ミドリ十字社製)200部(容量)を加えて
25℃で6時間撹拌して反応させた。生成物を回収、充
分にイオン交換水で洗浄して含シッフ塩基[セルロー
ス]-[ハプトグロビン](CHp-7)を得た。
【0064】上記で得たCHp-7の性能を実施例2と
同様の方法で評価した。結果は表3に示した。 〈比較例5〉比較例1で得たCG-4を50部(容量)
取り、pH8.5の炭酸緩衝液1000部(容量)に分
散させておき、バチルス属由来のアミラーゼを6000
単位(JIS K−7001による糖化力)を添加し、
10℃で4時間撹拌して反応させた。ここで用いたアミ
ラーゼは実施例3で用いたのとおなじものである。生成
物を回収、充分にイオン交換水で洗浄して含シッフ塩基
[セルロース]-[グルタルアルデヒド]-[アミラー
ゼ](s-CGAm-8)を得た。
【0065】上記s-CGAm-8を50部(容量)取っ
てpH8.0のモノエタノールアミン含有炭酸緩衝液1
00部(容量)を添加し、10℃で1時間撹拌して過剰
のアルデヒド基をブロックした。反応混合物を濾過して
生成物を回収し、充分に水洗した後、pH8.5の炭酸
緩衝液1200部(容量)に分散させておき、これに水
素化ホウ素ナトリウム15部を加えて10℃で4時間撹
拌して反応させた。生成物を回収、イオン交換水で充分
に洗浄し、[セルロース]-[グルタルアルデヒドアル
デヒド]-[アミラーゼ](CGAm-8)を得た。上記
で得られたCGAm-8の性能を、実施例3と同様の方
法で評価した。結果は表4、図1に示した。
【0066】〈比較例6〉実施例1で得たCen-1を
50部(容量)取り、pH4.5のクエン酸緩衝液10
00部(容量)に分散させておき、N-シクロヘキシル-
N'-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド-メト-p-ト
ルエンスルホン酸塩0.2部、バチルス属由来のアミラ
ーゼを6000単位(JIS K−7001による糖化
力)を添加し、10℃で4時間撹拌して反応させた。こ
こで用いたアミラーゼは実施例3で用いたのとおなじも
のである。生成物を回収、充分にイオン交換水で洗浄し
て[セルロース]-[アミラーゼ](CAm-9)を得
た。上記で得られたCGAm-8の性能を、実施例3と
同様の方法で評価した。結果は表4、図1に示した。
【0067】表1〜4、および図1から明らかなよう
に、本発明の生理活性物質固定化担体は生理活性物質の
持つ活性を充分に保持したまま簡便に固定化することが
可能であることがわかった。これは親水性スペーサーに
よってもたらされる効果が大きいと考えることができ
る。生理活性物質固定化担体が主として水系溶媒中で使
用されることに着目し、生理活性物質の溶媒中における
モービリティー向上を実現するために親水性スペーサー
を導入したことが妥当であったと考えられる。特に血液
処理の分野に本発明の生理活性物質固定化担体を用いた
場合、親水性スペーサーの排除体積効果によってアルブ
ミン、血小板等の吸着が抑制され、良好な血液適合性が
実現された。
【0068】
【発明の効果】本発明の生理活性物質固定化担体は、両
末端にトシル酸エステルを有する親水性スペーサーを介
して生理活性物質を固定化しているため、水系溶媒中に
おける生理活性物質のモービリティーが増し、生理活性
物質の持つ活性が充分に発揮される。特に、本発明の生
理活性物質固定化担体を血液処理の分野に応用した場
合、親水性スペーサーの排除体積効果によって良好な血
液適合性をも実現される。また、本発明の生理活性物質
固定化担体は共有結合によって生理活性物質を固定化し
ているため、吸着法や包括法でしばしば見られる生理活
性物質の遊離もない。さらに、本発明ではカルボジイミ
ドなどの縮合剤を使用しないので、こういった縮合剤に
よる生理活性物質の変性を招くこともない。また、活性
の大きいトシル酸エステルによって固定化を行っている
ので、固定化率の向上を期待できる。このようなことか
ら、本発明により簡便な操作で効果的に生理活性物質固
定化担体を得ることができ、化学反応触媒、分離精製用
特異的吸着材、臨床検査材料、医療用材料など広範な分
野への応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例での固定化担体のPH10での
活性と経過時間との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 求核性を有する置換基を分子内に含有す
    る水不溶性固体表面に、両末端がp-トルエンスルホン酸
    エステルとなった親水性スペーサーを作用させて、該親
    水性スペーサーの末端にあるp-トルエンスルホン酸エス
    テルと求核性置換基の反応により親水性スペーサーを固
    定し、さらに該親水性スペーサーの他端にあるp-トルエ
    ンスルホン酸エステルを、生理活性物質に含まれる求核
    性置換基と同様の反応を行わせて固定化することを特徴
    とする生理活性物質固定化担体の製造法。
  2. 【請求項2】 両末端がp-トルエンスルホン酸エステル
    となった親水性スペーサーが下記の化1の構造を有する
    化合物であることを特徴とする請求項1記載の生理活性
    物質固定化担体の製造法。 【化1】 化1において、 Ts=p-CH3(C64)SO2− n=0〜10の整数 m=5〜300の整数 l=1ま
    たは2 R1、R2は水素原子またはメチル基で、それぞれ同じも
    しくは異なってもよいことを示す。
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