JPH0526240A - 含油軸受 - Google Patents

含油軸受

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JPH0526240A
JPH0526240A JP19977991A JP19977991A JPH0526240A JP H0526240 A JPH0526240 A JP H0526240A JP 19977991 A JP19977991 A JP 19977991A JP 19977991 A JP19977991 A JP 19977991A JP H0526240 A JPH0526240 A JP H0526240A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 含油軸受としての潤滑特性ないし耐用性を確
保し、しかも油洩れを防止して油洩れによるトラブルを
回避し得る含油軸受の提供。 【構成】 圧粉成形、焼結されると共に含油された軸受
においてその多孔組織が有する含油能力の2.5〜30%
低減した含有量とされたことを特徴とする含油軸受。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含油軸受の創案に係り、
含油軸受としての好ましい強度と共に潤滑特性ないし耐
用性を確保し、しかも油洩れを適切に防止し、油洩れに
よるトラブルを回避し得るようにした含油軸受を提供し
ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法による多孔質金属組織に含油
せしめた含油軸受は従来から一般的に知られている。即
ち多孔組織に含有された油分が軸受作用時においてその
軸受面に滲出して潤滑性を得しめるものであって、無給
油で有効な潤滑性能が得られるところから自動車などの
電装部品、事務用機器、家電機器などに広く採用されて
いる。
【0003】然して、このような目的で用いられる前記
含油軸受は軸受成形体における多孔組織の全域、特に表
面部まで孔隙の如何を問わず潤滑油を一様且つ含油能力
の100%状態に含油させることが含油量を高め、好ま
しい潤滑作用を長期に亘って確保する所以であり、事実
このようにすることによって適切な潤滑機能を得ること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
な含油軸受を使用した上述のような機器製品において、
油洩れに原因した種々のトラブルが発生している。即ち
例えば直流モータにおけるコニミテータとブラシの接触
不良、テーププレヤなどにおけるプーリとベルトとの間
におけるスリップ、エアコン用モータや換気扇モータ周
辺における油洩れに原因した汚損、テープに対する油の
附着などとして多様な問題が発生している。
【0005】特に近時においては生活居住空間を形成す
る床面や壁面なども豪華かつ高価なものとなっており、
高価なジュウタンや大理石のような美装材であっても1
滴の油洩れによる汚損で著しくその価値が減殺される。
車輌用電装品などにおいても若干の油洩れによってその
機能や価格を損うことの甚だしい場合が多い。しかも含
油軸受の採用を排するとすれば今日における実用機器の
機能に著しい支障を来し、またこの含油軸受に代るよう
な適切な軸受材も実質的に求め難い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
実情に鑑み検討を重ねて創案されたものであって、軸受
体における含油状態を特定のものとすることにより前記
したような油洩れを有効に防止し、しかもその潤滑性な
しい耐用性を実質的に低下することのない製品を得るこ
とに成功したものであって、以下の如くである。
【0007】粉末冶金方式により圧粉成形、焼結される
と共に含油された軸受において、該圧粉成形、焼結によ
る多孔組織が有する含油能力の2.5〜30%低減した含
有油量とされたことを特徴とする含油軸受。
【0008】
【作用】粉末冶金方式により圧粉成形、焼結されると共
に含油された軸受において、その含油能力はその多孔組
織の容量%によって求められ、一般的に10〜27容量
%とすることによって含油軸受として好ましい多孔組織
と軸受材に必要な機械的強度を確保する。含油量を重視
する場合には18〜27%程度、強度を重視するものに
おいては10〜18%程度の範囲内で適宜に選ぶことが
適切である。
【0009】上記したような多孔組織自体に関しては従
来の一般的含油軸受に共通するが本発明では、該多孔組
織成形体における含油能力の2.5〜30%の範囲で低減
された含油量とするものであり、このように含油能力の
2.5%以上低減された含油量とすることによって軸受と
しての利用の初期などにおいて軸受体含有油分が漏出す
ることを防止する。またこの含油量低減を含油能力の3
0%以下とすることによって取扱い上単なる焼結金属体
と同様に含油分を考慮することのないさらっとした感触
の製品とし、その包装などの取扱いを容易とする。含油
量低減の上限としては含油能力の25%〜30%として
含油能力の100%を含有せしめたものと同等の耐用性
を確保する。
【0010】前記のような含油量低減の状態については
特に軸受体の表層部に関しその多孔組織の状態との関係
で比較的大径の孔組織において優先的に空孔状とし、比
較的小径の孔組織においては全般的に含油状態として形
成することが利用上および製作上有利であり、即ち比較
的大径孔組織においては油分の優先的流動が認められる
ことからこの比較的大径孔組織において油分が低減され
ることにより油洩れの発生を適切に回避し、比較的小径
孔組織に含油量が充分ないし適切に確保されることによ
って実質的に耐用性ないし潤滑性能に影響することのな
い製品とする。
【0011】即ち上記のような含油軸受において、その
全含油容量が前記した含油能力の70%以上とされたこ
とにより無給油での円滑な潤滑作用を軸受体として必要
な耐用期間内有効に発揮せしめる。
【0012】
【実施例】上記したような本発明によるものについて、
その技術的関係について先ず説明すると、本発明者等が
上記したような油洩れの発生について検討したところに
よると、金属粉の圧粉成形体であるこの種軸受体の金属
体としての熱膨脹係数は鉄系であるか銅系であるかなど
によってそれなりに差異があるにしても一般的に40〜
60×10-6程度であるのに対して、それに含浸される
潤滑油のそれは約700〜800×10-6であって1桁
以上も異っている。このように熱膨脹係数の異った金属
体と潤滑油との共存体である含油軸受がその含油能力1
00%程度に含油させられた場合において、その軸受作
用時ないし周囲温度の変化に伴う温度上昇によって成程
金属体自体が熱膨脹したとしても油分の熱膨脹した体積
量をカバーし得ないこととなり、このカバーできない油
分が軸受体外に洩出することによるものとみなされる。
【0013】なおこのような含油軸受は、すべり軸受の
1種であるため、つれ込み作用により空気が軸受体組織
内に侵入し、この侵入空気分に相当する容積分の油が洩
れ出すこととなるものと推定され、その他部品の構成な
いし使用条件による原因も考えられるとしても、これら
のことから油洩れが発生するものと判断された。
【0014】ところで斯様な油洩れに関し、その含油量
と含油能力との関係で、実際の発生状況を検討したとこ
ろによると軸受材が例えば70〜80℃程度に昇温した
ような条件下においても含油量が含油能力の2.5%低減
することにより実質的に油洩れを生じないこととなるこ
とが確認された。即ち実用上においては油洩れが使用当
初の、例えば30分前後のようななじみ期間において集
中しており、このなじみ期間後においては油洩れの発生
は頗る乏しいものとなる。つまり、全多孔組織に充満状
態となっている油分はこのなじみ期間において主として
比較的大径孔中油分の溢出により油洩れするわけで、こ
の油洩れは含油能力の2.5%低減で適切に回避され、そ
の後において相当長時間に亘って回転を継続してもそれ
以上に油洩れすることの皆無化状態であることが多くの
実験によって確認された。
【0015】一方この含油量低減の上限としては軸受に
おける含油量も関係するが、一般的に含油能力の30%
程度であって、この程度以下であると軸受の耐用性を減
少することが実質的にないし、使用の当初においても比
較的小径孔部分には表層においても油分が保持されてい
ることからかじりなどを生ずることもない。即ち油量と
してはそれなりに大となる比較的大径の孔隙部分でこの
程度低減されても比較的小径な孔隙組織では軸受体表面
部までその毛細管作用で充分な含油状態にあり、このよ
うな状態で軸受作用がスタートしてもかじりなどを来す
ことが少なく、スタート後の昇温によって比較的大径孔
組織において退避していた油分も順次表面に移行して、
適切に給油する。
【0016】本発明においては軸受体における比較的大
径孔組織に関してその含油域を表層以外の特定の状態と
し、表層部の特定範囲において大径孔内に実質的に含油
しない領域を形成するものであって、斯かる状態のもの
は軸受作用がスタートすることにより相当に膨脹した油
分が実質的に含油していない領域の比較的大径孔部分を
閉塞して軸受体表面に達し、一方比較的小径孔組織部分
では当初から給油して潤滑作用することになり、このよ
うに膨脹油量が比較的大径孔が実質的に含油しない領域
において優先的に吸収されることにより油洩れの発生を
防止する。
【0017】このような本発明のものは成程多孔組織に
100%状態で含油されていないことから従来技術では
含油軸受としての耐用期間ないし軸受性能が低下する如
く観念されていたが、多孔組織においてその比較的大径
孔組織を含めて100%状態で含有せしめられた油分の
一部は、軸受作用スタート時における最初の軸受作用時
(軸回転開始時)におけるなじみ運転時などにおいて比
較的大径孔組織部分から優先的に軸受体表面に膨脹洩出
する(油洩れする)ものであるから、実質的な潤滑特性
ないし耐用期間に影響を来すことは殆んどない。
【0018】なお取扱い時において手指や包装材などに
附着する油分は主として比較的大径孔内のものであっ
て、小径孔内の油分は強制的な膨脹による押出作用を受
けることにより徐々に滲出するものであることから、表
層部大径孔における含油量の制限されたものは手指や包
装材などに附着することが殆どなく、接触感もさらっと
したものとなる。
【0019】本発明による製品の1例を図面により模式
的に示したのが図1であって、軸受体1は公知のように
金属粉末による圧粉成形焼結組織体として一体に成形さ
れ、中央に軸受孔2の形成されたものであって、焼結後
にサイジングして正確な寸法として得られ、次いでこれ
に滲油処理して製品とされることは公知の通りであっ
て、全般は大径孔から小径孔に亘る多様な孔組織の集合
体である。然しこのように孔径を異にしたものにおける
表層部11の比較的大径孔においては空気圧によって実
質的に油を含油しないか、少くとも含有量が大幅に低減
され小径孔において油分が集合した表層部11とされ、
残部中央部分12がその比較的大径孔組織をも含め充分
な含油部とされる。なお含油した中央部12中にも部分
的にはその比較的大径孔において含油していない部分が
残っている状態の部分13が存してもよい。
【0020】前記軸受体1の材質については鉄系金属
粉、銅系金属粉の何れでもよく、又それらの合金、更に
はそれら金属粉に鉛、錫、亜鉛、ニッケル、黒鉛、二硫
化モリブデンなどを若干混合せしめたものによる圧粉成
形体などが適宜に採用される。
【0021】ところで微細な多孔組織成形体において、
その軸受面を含む全表面における比較的大径孔において
油分の少い空孔状態であって、しかも内部および小径な
いし微細孔においては満杯状態に含油せしめた製品なる
ものは想像が容易であっても実際に製造することが至難
なように考えられる。然し本発明者等が実地に検討した
ところによると、以下のような各手法で容易に形成し、
製造することができる。
【0022】即ち常法により含油された軸受の周辺温度
をコントロールしながら適正な回転数を選んだ遠心分離
処理して表面部分の油分を放出させる。つまり軸受周辺
温度をコントロールすることにより油分の分離を促進
し、例えば50〜60℃あるいは80℃を超えたような
状態として2分以下のような短時間の遠心処理で少なく
とも表層から1mm以下の厚さ範囲における比較的大径孔
から脱油することができる。
【0023】第2の手法としては油含浸装置におけるオ
イル温度をコントロールして行う。つまりオイル温度を
上昇してオイルを適当に膨脹させた状態で含浸させ、そ
の含浸後に室温に戻すことにより組織に含浸した油が特
に表層部の比較的大径孔部分において優先的に収縮し、
焼結軸受体における油量は室温条件での含浸量より表層
部で少ないものとなる。
【0024】第3の手法としては含浸設備の減圧程度お
よび含浸時間をコントロールするものであって、例えば
20mmHg程度に減圧した場合には30秒で含油能力の9
0%程度となり、1分で100%状態となるのに対し、
大気圧条件では2分で含油能力の70〜75%であっ
て、それ以上浸漬時間を長くしても含油率が高められる
ことのないことが実験的に確かめられており、従ってこ
のような圧力条件と浸漬時間を選んで実施するならば目
的の前述したような含油状態を適宜に形成することがで
きる。
【0025】第4の手法は溶剤を用いる方法であって、
常法で含油させた軸受体を高温化した溶剤中で洗浄する
もので、高温条件で滲入した油の特に大径孔内のものを
溶剤で洗浄し、その後の常法処理で特に表層部大径孔に
含有した油量が少くなる。
【0026】何れにしても附着含有した油分は多孔組織
における毛細管現象や外界大気圧あるいは油分自体の凝
集化作用によって多孔質軸受体の表面(大気接合面)か
ら特に比較的小径孔組織内に毛細管現象で凝集化する挙
動を示し、従って表層部における比較的大径孔では殆ん
ど油のない状態であっても内部には潤滑油の集合した状
態として製品が得られる。但し表面からの油分凝集化以
前の含油状態において含油処理時間不足などで内部に油
分が完全に滲透せしめられていない場合においては内部
における油分が満杯状態とならないことがあり、前記し
た添附図面の非含油部13のように一部の大径孔内に空
気が残っている状態のものであっても表面層の油分低減
化は同様に達成することができ、このような場合(内部
にも部分的に空気層部分の残っている場合)であっても
本発明の目的を略同様に達成することができ、本発明に
よる製品として得ることができる。
【0027】上記のようにして表面の比較的大径孔が油
の実質的に存しない状態で、それ以外の中央部には勿論
大径孔も含め満杯状態に含油した状態の本発明による製
品(含油軸受)は多孔組織における毛細管作用ないし油
の凝集作用によって長期に亘ってその含油分布関係が維
持され、重力などで油分が表面に移動滲出することはな
く、軸受としての使用時におけるなじみ過程での温度上
昇に伴う油の増量によってのみ比較的大径孔組織および
比較的小径孔組織から表面まで滲出して潤滑作用をなす
ことは実験的に充分確認され、従って従来品における如
き油漏れを略適切に防止できる。
【0028】本発明によるものの具体的な製造例の若干
を示すと次の表1の如くである。
【0029】
【表1】
【0030】然してこれら表1の製品について、これを
軸受として実験的に使用し試験した結果は、約30分の
なじみ期間経過後において何れも従来の油を多孔組織に
満杯とした同種軸受と全く同様の温度条件(軸受体にお
ける温度)ないし潤滑性能を有し、しかも前記なじみ期
間を通じて油漏れの発生は皆無であった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
従来における多孔組織中に油を満杯状態とした軸受体と
同様な軸受特性ないし耐用性を有し、しかも油漏れを適
切に防止した含油軸受を提供し、従って、この種含油軸
受に関して不可避的とされているトラブルを有効に解決
することができるものであるから工業的にその効果の大
きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による含油軸受の1例についての部分切
欠斜面図である。
【符号の説明】
1 焼結金属による多孔組織成形体 11 その表面層の大径孔における含油量の低減された
部分 12 含油組織部 13 特に大径孔で含油不充分な部分

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 粉末冶金方式により圧粉成形、焼結され
    ると共に含油された軸受において、該圧粉成形、焼結に
    よる多孔組織が有する含油能力の2.5〜30%低減した
    含有油量とされたことを特徴とする含油軸受。
JP3199779A 1991-07-16 1991-07-16 含油軸受 Expired - Lifetime JP2808374B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007321803A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Ntn Corp トルクリミッタ

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