JPH05263208A - 亜鉛系メッキ被覆物およびその製造方法 - Google Patents

亜鉛系メッキ被覆物およびその製造方法

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JPH05263208A
JPH05263208A JP33358092A JP33358092A JPH05263208A JP H05263208 A JPH05263208 A JP H05263208A JP 33358092 A JP33358092 A JP 33358092A JP 33358092 A JP33358092 A JP 33358092A JP H05263208 A JPH05263208 A JP H05263208A
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JP
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zinc
plating
coating
alloy
plated
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JP33358092A
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English (en)
Inventor
Atsuo Suehiro
篤夫 末広
Norio Kogashiwa
典夫 小柏
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Kowa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kowa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 亜鉛系メッキ被覆物において、腐蝕生成物の
生成、変色を防止すると共に、耐酸性、耐蝕性および塗
膜との密着性を高める。 【構成】 鉄系基材に、溶融亜鉛又は溶融亜鉛合金メッ
キを施した後、クロムメッキする。クロムメッキ被膜に
は、通常、欠陥部として機能する多数のマイクロクラッ
クが存在するが、亜鉛系メッキ被膜と組合せて形成する
と、高い耐蝕性のメッキ被覆物が得られる。亜鉛合金に
は、亜鉛−錫合金、亜鉛−アルミニウム合金などが含ま
れる。メッキ後加熱処理すると、耐蝕性がより向上す
る。また、クロムメッキ層上にコーティング剤を塗布す
ると、塗膜の密着性を高めることができると共に、耐蝕
性がさらに高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛又は溶融亜鉛
合金メッキ被膜により被覆された亜鉛系メッキ被覆物お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、腐蝕を防止するため、鉄鋼製品に
は溶融亜鉛メッキが施されている。また、さらに耐蝕性
を高めるため、亜鉛−錫合金メッキや亜鉛−アルミニウ
ム合金メッキなどが行なわれている。例えば、特公昭5
2−19531号公報には、亜鉛3〜97重量%、錫9
7〜3重量%からなる亜鉛−錫合金に対して、アルミニ
ウム0.005〜0.3重量%を添加して溶融メッキす
る溶融合金メッキ法が開示されている。特開昭63−1
53253号公報には、亜鉛2〜89重量%、錫98〜
11重量%からなる亜鉛−錫合金に対して、アルミニウ
ム0.0005〜0.004重量%を添加した亜鉛−錫
系メッキ剤が開示されている。
【0003】さらに、特開昭57−35672号公報に
は、鉄系基材をフラックスで処理し、溶融亜鉛メッキし
た後、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキする方法が開
示されている。また、特開平1−38869号公報に
は、シリコン含有量の多い被メッキ材において、亜鉛付
着量を少なくする方法として、少量のアルミニウムとニ
ッケルとを含む溶融亜鉛メッキ浴でメッキすることも提
案されている。
【0004】しかし、亜鉛系のメッキはいずれも犠牲防
蝕型のメッキであり、メッキ被膜自体の腐蝕により、い
わゆる白錆や黒錆と称される腐蝕生成物が生成する。ま
た、亜鉛系メッキ被覆物を大気中に放置すると、変色し
商品価値を低下させる。
【0005】さらに、亜鉛系メッキ被膜やその酸化物は
酸に比較的溶解し易い。そのため、屋外などで亜鉛系メ
ッキ物を使用すると、酸性雨などにより早期に浸蝕され
る。従って、酸性雨などに対して、亜鉛系メッキは有効
な防蝕手段となり難い。
【0006】また、表面硬度が比較的小さいため、亜鉛
系メッキ物は傷付き易く、鉄鋼製品の生地が腐蝕し、赤
錆が発生する。さらに、摩擦係数が大きいため、継手な
どのネジ部に適用すると、締付けトルクを必要とするだ
けでなく、損傷し易いことと相まって、腐蝕し易くな
る。
【0007】これらの問題を解決するため、亜鉛系メッ
キ被膜上に塗料を塗装することが提案されている。しか
し、亜鉛系メッキ被膜と塗膜との密着性が乏しいため、
高い防蝕性を長期に亘り維持できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、亜鉛系メッキ被覆物の腐蝕生成物の生成、変色を防
止できると共に、耐酸性および耐蝕性に優れた亜鉛系メ
ッキ被覆物およびその製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、高い表面硬度、小さ
な摩擦係数を示すと共に、耐蝕性に優れた亜鉛系メッキ
被覆物およびその製造方法を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、塗膜との密着
性に優れ、さらに高い耐蝕性を示す亜鉛系メッキ被覆物
およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【発明の構成】本発明者らは、鋭意検討の結果、亜鉛系
溶融メッキ層とクロムメッキ層とを組合せて形成する
と、著しく高い耐蝕性を示すこと、またメッキした後加
熱処理するとより耐蝕性が向上すること、さらにクロム
メッキ層上に樹脂含有コーティング剤をコーティング
し、塗膜を形成すると、塗膜との密着性および耐蝕性が
さらに向上することを見いだし、本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、鉄系基材が、亜鉛又
は亜鉛合金層と、クロムメッキ層とで順次被覆されてい
る亜鉛系メッキ被覆物を提供する。
【0013】本発明は、鉄系基材に、溶融亜鉛又は溶融
亜鉛合金メッキを施した後、クロムメッキする亜鉛系メ
ッキ被覆物の製造方法も提供する。
【0014】前記亜鉛合金層は、亜鉛−錫合金層や亜鉛
−アルミニウム合金層などであってもよい。また、メッ
キした後加熱処理するのが好ましく、さらに、クロムメ
ッキ層上には塗膜が形成されているのが好ましい。
【0015】なお、クロムメッキ層の形成過程では、多
数のマイクロクラックが生成することが知られている。
前記マイクロクラックは欠陥部として機能するため、鉄
系基材の耐蝕性を著しく低下させる。しかし、クロムメ
ッキ層を亜鉛系溶融メッキ層と組合せて形成すると、意
外にも、双方の長所が発現し、高い耐蝕性のメッキ被覆
物が得られる。
【0016】本明細書において、溶融亜鉛、溶融亜鉛合
金には、特に断わりがない限り、不可避的不純物、例え
ば、鉛、鉄、カドミウムなどが含まれていてもよい。
【0017】本発明に適用できる鉄系基材は、鉄成分を
含み、かつ溶融メッキが可能なものであれば特に制限さ
れない。好ましい鉄系基材としては、腐蝕性を有する鉄
鋼製品、例えば、鋼板、鋼線、鋼帯、鋳物など;メッキ
被膜の厚みを均一かつ薄く形成することが要求される製
品、例えば、継手、ボルト・ナットなどの凹凸表面を有
する鉄鋼製品;耐酸性、耐傷性等が必要とされる鉄鋼製
品などが挙げられる。
【0018】前記鉄系基材は、亜鉛系メッキ層で被覆さ
れている。亜鉛系メッキ層は、亜鉛層であってもよい
が、耐蝕性の点から亜鉛合金層であるのが好ましい。亜
鉛合金の種類は特に制限されず、慣用の種々の亜鉛合
金、例えば、錫、アルミニウム、マグネシウム、ニッケ
ル、銅、チタン、ジルコニウム及びナトリウムの少なく
とも1つの成分を含む亜鉛合金が例示される。
【0019】好ましい亜鉛合金には、例えば、亜鉛−錫
合金、亜鉛−アルミニウム合金などが含まれる。
【0020】前記亜鉛−錫合金において、亜鉛と錫との
割合は広い範囲、例えば、亜鉛:錫=2〜98:98〜
2(重量部)の範囲で選択できる。好ましい亜鉛−錫合
金は、錫を30重量%以上、好ましくは50〜70重量
%程度含む。また、亜鉛−錫合金は、70〜98重量
%、好ましくは80〜95重量%程度の錫を含む合金で
あってもよい。このような組成割合の亜鉛−錫合金を用
いると、錫含有量が増大するにつれて、厚みの薄い被膜
を形成できると共に、亜鉛単独の場合に比べて耐蝕性、
耐酸性などを高めることができる。亜鉛−錫合金は、ア
ルミニウム、マグネシウム、ニッケル、銅、チタン、ジ
ルコニウム及びナトリウムなどの少なくとも1つの成分
を含んでいてもよい。これらの成分の含有量は、例え
ば、0.01〜5重量%程度である。
【0021】前記亜鉛−アルミニウム合金は、少なくと
もアルミニウムを0.5重量%以上、好ましくは少なく
とも1重量%以上、さらに好ましくは3〜7重量%程度
含んでいる。耐蝕性をさらに高めるため、亜鉛−アルミ
ニウム合金は、上記アルミニウムに加えて、少なくとも
0.1重量%以上、好ましくは0.2〜2重量%のマグ
ネシウムを含む合金であるのが好ましい。亜鉛−アルミ
ニウム合金は、一般に、亜鉛−錫合金よりもさらに耐蝕
性が高い。亜鉛−アルミニウム合金は、前記錫、マグネ
シウム、ニッケル、銅、チタン、ジルコニウム及びナト
リウムなどの少なくとも1つの成分を、例えば、0.0
1〜5重量%程度含んでいてもよい。
【0022】前記亜鉛又は亜鉛合金層は、単一の層に限
らず複数の層で構成されていてもよい。例えば、鉄系基
材に、溶融亜鉛メッキや、亜鉛含有量の多い溶融亜鉛−
錫合金メッキ(例えば、亜鉛含有量30〜60重量%、
好ましくは35〜50重量%の溶融亜鉛−錫合金メッ
キ)を施した後、錫含有量の多い溶融亜鉛−錫合金メッ
キ(例えば、錫含有量99〜70重量部%、好ましくは
98〜80重量%の溶融亜鉛−錫合金メッキ)を施して
もよい。また、前記亜鉛−アルミニウム合金は、アルミ
ニウム含有量が増大すると、鉄系基材に対する濡れ性が
低下し、不メッキ部が生成し易い。このような場合、ア
ルミニウム含有量0.5重量%未満の亜鉛又は亜鉛合金
メッキ(好ましくは、アルミニウム含有量0.001〜
0.1重量%、特に0.001〜0.05重量%程度の
亜鉛又は亜鉛合金メッキ)を施し、前記亜鉛−アルミニ
ウム合金メッキを施してもよい。
【0023】さらに、亜鉛又は亜鉛合金層を薄くする場
合には、特開平3−229846号公報に開示されてい
るように、鉄系基材に溶融亜鉛−ニッケル合金(例え
ば、ニッケル含有量0.01〜1.0重量%、好ましく
は0.05〜0.5重量%、特に0.1〜0.3重量%
程度の溶融メッキ)を施したり、無電解ニッケルメッキ
を施した後、前記溶融亜鉛又は溶融亜鉛合金メッキを少
なくとも一回施してもよい。
【0024】亜鉛又は亜鉛合金層の厚みは、耐蝕性など
を損わない範囲であればよく、例えば、5〜75μm、
好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜3
0μm程度である。溶融亜鉛又は合金層の厚みが5μm
未満であると防蝕性が低下し易く、75μmを越える
と、膜厚が大きくなり過ぎ、経済的でないばかりか、ド
ロスが発生し易い。
【0025】このような溶融亜鉛層や溶融亜鉛合金層
は、慣用の方法で形成することができる。なお、鉄系基
材は、通常、溶融メッキに先だって、慣用の前処理、例
えば脱脂処理、酸洗浄処理などに供される。
【0026】溶融メッキは、鉄系基材を、溶融亜鉛浴や
溶融亜鉛合金浴に浸漬することにより行なうことができ
る。浴の温度及び浸漬時間は、所望するメッキ層の厚み
や作業性などに応じて適宜設定できる。浴の温度は、浴
の組成に応じて選択でき、通常、溶融温度+20℃以上
の温度である。
【0027】より具体的には、溶融亜鉛浴や溶融亜鉛−
ニッケル合金浴の温度は、通常、350〜500℃、好
ましくは430〜480℃程度である。溶融亜鉛−錫合
金浴の温度は、錫の含有量により変化するが、通常22
0〜450℃、好ましくは250〜400℃程度であ
る。また、溶融亜鉛−アルミニウム合金浴の温度も、ア
ルミニウム含有量により変化するが、通常、400〜5
00℃、好ましくは420〜460℃程度である。ま
た、浸漬時間は、例えば、1秒〜5分程度、好ましくは
15秒〜2分程度である。
【0028】溶融メッキに際しては、溶融亜鉛メッキと
溶融亜鉛合金メッキとを組合せて行なってもよく、組成
の異なる溶融亜鉛合金メッキを組合せて行なってもよ
い。
【0029】溶融メッキを複数回行なう場合、一浴目の
溶融メッキにより形成された被膜が、二浴目の溶融メッ
キ浴に溶出するのを防止するため、二浴目の温度は、一
浴目の温度よりも低いのが好ましい。
【0030】また、鉄系基材を無電解ニッケルメッキ処
理して溶融メッキする場合、無電解ニッケルメッキ層
は、慣用の無電解メッキ方法、例えば、塩化ニッケル、
硫酸ニッケル、硝酸ニッケルなどのニッケル塩と、次亜
リン酸塩、水素化ホウ素化合物、ヒドラジン、ホルムア
ルデヒド、ブドウ糖、酒石酸などの還元剤とを含む無電
解メッキ液に浸漬処理し、鉄系基材の表面にニッケルを
析出させることにより形成できる。また、無電解メッキ
処理浴には、例えば、酢酸ナトリウム、プロピオン酸、
乳酸、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、マロン酸
ナトリウム、エチレンジアミン、水酸化ナトリウムなど
を添加してもよい。
【0031】ニッケルメッキ層の厚みは、適宜設定で
き、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.05〜
2.5μm、さらに好ましくは0.1〜1μm程度で十
分である。
【0032】無電解ニッケルメッキ層を形成した鉄系基
材は、例えば、塩化アンモニウムや塩化亜鉛を含むフラ
ックスで処理した後、前記と同様の溶融亜鉛メッキや溶
融亜鉛合金メッキに供すればよい。
【0033】そして、前記亜鉛系メッキ層はクロムメッ
キ層で被覆されている。このクロムメッキ層は、他の電
気メッキ層と異なり、メッキ層の厚みを100μm程度
に厚くしても、マイクロクラックなどの多数の欠陥部が
生成する。従って、クロムメッキを施しても、通常、耐
蝕性は向上せず、鉄系基材からの赤錆が短時間内に発生
する。しかし、前記亜鉛系メッキ層と組合せてクロムメ
ッキ層を形成すると、クロムメッキ層にマイクロクラッ
クが存在していても、耐蝕性が著しく向上する。このこ
とは、クロムメッキに際し、マイクロクラックの下部に
クロメート被膜が形成されるため、または酸化に伴なっ
て体積が膨脹した亜鉛酸化物によりマイクロクラックが
塞がれるためと推測される。
【0034】また、クロムメッキを施すことにより、大
気中で変色し難く、硫酸などの酸に対しても強く、表面
硬度が高く摩擦係数も小さくなる。
【0035】クロムメッキ層の厚みは、耐蝕性などを損
わない範囲であればよく、例えば、0.1〜50μm、
好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5
μm程度である。クロムメッキ層の厚みが0.1μm未
満であると、耐蝕性などがさほど向上せず、50μmを
越えると、生産性などが低下し易い。
【0036】クロムメッキは慣用の方法で行なうことが
できる。クロムメッキに先立って、必要に応じて、メッ
キ被覆物を、有機溶剤、アルカリ浸漬、アルカリ電解脱
脂などによる脱脂処理、塩酸、硫酸などの酸による酸洗
処理してもよい。また、必要に応じて不メッキ部をマス
キングした後、陽極酸化によるエッチング処理してもよ
い。
【0037】クロムメッキ浴の組成は特に制限されず、
慣用のメッキ浴が使用できる。メッキ浴としては、例え
ば、無水クロム酸CrO3 、硫酸を含むサージェント
浴;無水クロム酸CrO3 、硫酸に加えて、ケイフッ化
ナトリウムやケイフッ化カリウムなどを含むケイフッ化
浴などであってもよい。また、クロムメッキ浴は、ケイ
フッ酸、フッ化アンモニウム、硫酸ストロンチウム、ク
エン酸、酒石酸、シュウ酸、ギ酸などの少なくとも1つ
の成分を含んでいてもよい。メッキ浴は、通常、三価ク
ロムを0.1〜3g/L程度含む場合が多い。
【0038】例えば、汎用されるサージェント浴におけ
る無水クロム酸と硫酸との割合は、通常、無水クロム
酸:硫酸=100:0.7〜1.5(g/L)、好まし
くは100:0.8〜1.5(g/L)程度である。な
お、メッキ浴は、高濃度浴、標準浴、低濃度浴のいずれ
であってもよく、無水クロム酸濃度は、通常100〜4
00g/L、好ましくは150〜350g/L、さらに
好ましくは200〜300g/L程度である。
【0039】クロムメッキに際しては、陽極として、鉛
合金、鉄などを適宜配置して使用できると共に、メッキ
層を均一化するため、補助陰極、遮蔽板などを使用でき
る。
【0040】メッキ条件は、浴の組成などに応じて選択
でき、通常、メッキ温度20〜70℃、好ましくは40
〜65℃程度、電流密度10〜100A/dm2 、好ま
しくは30〜75A/dm2 程度である。また、メッキ
時間は、浴の温度、電流効率、所望するメッキ膜厚など
に応じて選択できる。
【0041】また、クロムメッキを施した後、加熱処理
をするのが好ましい。加熱処理すると、鉄系基材の耐蝕
性がさらに向上する。
【0042】加熱処理は、慣用の方法で行うことがで
き、例えば電気炉などを用いるベーキングによってもよ
く、また、高周波加熱などの誘導加熱方式により行って
もよい。ベーキングにより加熱処理する場合の加熱温度
は、例えば100〜300℃、好ましくは150〜25
0℃程度である。また、高周波加熱による場合は、通
常、ベーキング処理の場合の前記温度に対応する表面温
度で加熱処理が行われる。加熱時間は、加熱温度、加熱
方式、メッキ膜厚などに応じて適宜選択できるが、通常
0.5〜24時間、好ましくは1〜15時間程度であ
る。前記加熱処理の後、メッキ物を、バフ仕上げしても
よい。
【0043】さらに、クロムメッキ層上には、塗膜が形
成されているのが好ましい。クロムメッキ層に塗膜を形
成すると、塗膜の密着性、鉄系基材の耐蝕性が著しく向
上する。
【0044】前記塗膜は、塗膜形成可能な樹脂を含有す
る塗膜で構成できる。樹脂には、例えば、熱可塑性樹脂
および熱硬化性樹脂などが含まれる。熱可塑性樹脂とし
ては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオ
レフィン系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン系
ポリマー、ポリ塩化ビニルなどの塩素含有ポリマー、ポ
リテトラフルオロエチレンなどのフッ素含有ポリマー、
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、ポリエステ
ル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリカーボネ
ートなどが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例え
ば、熱硬化性アクリル系ポリマー、エポキシ樹脂、エポ
キシエステル樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹
脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン、ポリイ
ミド、シリコーン樹脂などが挙げられる。また、樹脂
は、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの光線硬
化型樹脂であってもよい。これらの樹脂は少なくとも一
種使用される。これらの樹脂のうち、フッ素含有ポリマ
ー、アクリル系ポリマー、ポリエステルや熱硬化性樹脂
などが繁用される。
【0045】塗膜は、例えば、可塑剤、分散剤、着色
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、防錆剤、補強
剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0046】塗膜の厚みは、均一な塗膜を形成できる範
囲、例えば、1μm以上である限り特に制限されない。
塗膜の厚みは、通常、5〜100μm、好ましくは10
〜80μm、さらに好ましくは15〜50μm程度であ
る。塗膜は同種又は異種の2層以上の塗膜で形成されて
いてもよい。
【0047】前記塗膜は、樹脂を含有するコーティング
剤でメッキ物をコーティングすることにより形成でき
る。コーティング剤の種類は特に制限されず、例えば、
水性塗料、溶剤型塗料、粉体塗料、光線硬化型塗料など
のいずれであってもよい。
【0048】なお、水性又は溶剤型塗料は、その種類に
応じて、水、アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族
炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類などの
溶媒を含んでおり、さらに、消泡剤、粘度調整剤、界面
活性剤、レベリング剤、前記各種の添加剤などを含んで
いてもよい。
【0049】塗布工程では、慣用の塗布方法、例えば、
ディッピング、ロールコーティング、スプレーコーティ
ングなどが採用できる。
【0050】また、コーティング剤を塗布した後、塗料
の種類に応じて、慣用の焼付工程に供してもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明の亜鉛系メッキ被覆物は、亜鉛又
は亜鉛合金層とクロムメッキ層が順次形成されているの
で、亜鉛系メッキ被覆物の腐蝕生成物の生成、変色を防
止できると共に、耐酸性および耐蝕性に優れている。ま
た、亜鉛系メッキ被覆物は、クロムメッキ層で被覆され
ているので、高い表面硬度により損傷を防止できると共
に、小さな摩擦係数を示し、継手などのネジ部に適用す
ると、小さな締付けトルクで緊密に締結できシール性を
高めることができる。
【0052】クロムメッキ層上に塗膜を形成した亜鉛系
メッキ被覆物は、塗膜の密着性に優れ、さらに高い耐蝕
性を示す。
【0053】本発明の製造方法によれば、前記の如き優
れた特性を有する亜鉛系メッキ被覆物を得ることができ
る。
【0054】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
をより詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例
においては、鉄系基材として50mm×80mm×3.
2mmのSS製鋼板を用いた。
【0055】比較例1 前記鋼板を、脱脂処理、塩酸による酸洗浄処理した後、
塩化亜鉛30g/L、塩化アンモニウム100g/Lを
含む水溶液フラックスに浸漬しフラックス浸漬処理し
た。次いで、460℃の溶融亜鉛浴に1分間浸漬し、膜
厚50〜60μmの溶融亜鉛メッキ被膜を形成した。
【0056】比較例2 前記鋼板を、比較例1と同様に脱脂処理、酸洗浄処理、
およびフラックス浸漬処理した後、亜鉛40重量%及び
錫60重量%の溶融亜鉛−錫合金浴に、390℃で1分
間浸漬し、膜厚15〜20μmの溶融亜鉛合金メッキ被
膜を形成した。
【0057】比較例3 前記鋼板を、比較例1と同様に脱脂処理及び酸洗浄処理
した後、CrO3 250g/L、硫酸2.5g/Lのク
ロムメッキ浴において、浴温50℃、初期電流密度60
A/dm2 で1分間、次いで、電流密度35A/dm2
で10分間メッキし、膜厚3〜4μmのクロムメッキ被
膜を形成した。
【0058】実施例1 比較例1と同様にして、鋼板に、膜厚50〜60μmの
溶融亜鉛メッキ被膜を形成した後、比較例3と同様にし
て、脱脂処理、酸洗浄処理し、膜厚3〜4μmのクロム
メッキ被膜を形成した。
【0059】実施例2 比較例2と同様にして、鋼板に、膜厚15〜20μmの
溶融亜鉛合金メッキ被膜を形成した後、比較例3と同様
にして、脱脂処理、酸洗浄処理し、膜厚3〜4μmのク
ロムメッキ被膜を形成した。
【0060】比較例4 比較例1と同様にして、鋼板に、膜厚50〜60μmの
溶融亜鉛メッキ被膜を形成した後、フッ素樹脂系塗料を
スプレーコーティングし、190℃で20分間焼付け
し、膜厚20〜30μmの塗膜を形成した。
【0061】比較例5 比較例2と同様にして、鋼板に、膜厚15〜20μmの
溶融亜鉛合金メッキ被膜を形成した後、フッ素樹脂系塗
料をスプレーコーティングし、190℃で20分間焼付
けし、膜厚20〜30μmの塗膜を形成した。
【0062】実施例3 実施例1と同様にして、膜厚50〜60μmの溶融亜鉛
メッキ被膜と、膜厚3〜4μmのクロムメッキ被膜を順
次形成した後、フッ素樹脂系塗料をスプレーコーティン
グし、190℃で20分間焼付けし、膜厚20〜30μ
mの塗膜を形成した。
【0063】実施例4 実施例2と同様にして、膜厚15〜20μmの溶融亜鉛
メッキ被膜と、膜厚3〜4μmのクロムメッキ被膜を順
次形成した後、フッ素樹脂系塗料をスプレーコーティン
グし、190℃で20分間焼付けし、膜厚20〜30μ
mの塗膜を形成した。
【0064】実施例5 実施例1と同様にして、鋼板に、膜厚50〜60μmの
溶融亜鉛メッキ被膜と膜厚3〜4μmのクロムメッキ被
膜を順次形成した後、180℃で4時間ベーキング処理
を行った。
【0065】実施例6 実施例2と同様にして、鋼板に、膜厚15〜20μmの
溶融亜鉛合金メッキ被膜と膜厚3〜4μmのクロムメッ
キ被膜を順次形成した後、180℃で4時間ベーキング
処理を行った。
【0066】前記実施例および比較例で得られたサンプ
ルを、JIS Z 2371に準拠して塩水噴霧試験に
供し、白錆及び赤錆が発生するまでの時間により、耐蝕
性を評価した。なお、塩水噴霧試験は下記の条件で行な
った。
【0067】塩化ナトリウム濃度 50g/L 噴霧室の温度 35±1℃ 噴霧量 1ml/hr また、比較例4,5及び実施例3,4のサンプルについ
ては、クロスカットにより塗膜に1mmの碁盤目を形成
して碁盤目試験に供すると共に、前記塩水噴霧試験に供
し、ブリスター(塗膜のふくれ)が発生するまでの時間
により、塗膜の密着性を評価した。結果を表に示す。
【0068】
【表1】 表より、各実施例の亜鉛系メッキ被覆物は、比較例の亜
鉛系メッキ被覆物に比べて、耐蝕性及び塗膜の密着性が
著しく高い。また、メッキ後加熱処理したものは、より
一層耐蝕性に優れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系基材が、亜鉛又は亜鉛合金層と、ク
    ロムメッキ層とで順次被覆されている亜鉛系メッキ被覆
    物。
  2. 【請求項2】 亜鉛合金層が、少なくとも亜鉛と錫を含
    む亜鉛−錫合金層、または少なくとも亜鉛とアルミニウ
    ムを含む亜鉛−アルミニウム合金層である請求項1記載
    の亜鉛系メッキ被覆物。
  3. 【請求項3】 クロムメッキ層上に塗膜が形成されてい
    る請求項1記載の亜鉛系メッキ被覆物。
  4. 【請求項4】 鉄系基材に、溶融亜鉛又は溶融亜鉛合金
    メッキを施した後、クロムメッキする亜鉛系メッキ被覆
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 クロムメッキした後、加熱処理をする請
    求項4記載の亜鉛系メッキ被覆物の製造方法。
  6. 【請求項6】 クロムメッキした後、さらに樹脂含有コ
    ーティング剤をコーティングする請求項4記載の亜鉛系
    メッキ被覆物の製造方法。
JP33358092A 1991-11-20 1992-11-18 亜鉛系メッキ被覆物およびその製造方法 Pending JPH05263208A (ja)

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JP33249691 1991-11-20
JP3-332496 1991-11-20

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06248472A (ja) * 1993-02-22 1994-09-06 Kawasaki Heavy Ind Ltd 耐食・耐摩耗多層金属被膜及びその製造方法
FR2765891A1 (fr) * 1997-07-10 1999-01-15 Lorraine Laminage Procede de traitement de surface de toles d'acier revetu au trempe d'alliage comprenant essentiellement du zinc et du fer
JP2006193773A (ja) * 2005-01-12 2006-07-27 Tokyo Fabric Kogyo Kk 構造物用支承
JP2013231501A (ja) * 2012-04-06 2013-11-14 Nsk Ltd 転動装置及びその製造方法
JP2017101718A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 日東精工株式会社 締結部品およびその製造方法

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