JPH05271938A - ダイヤモンドの合成法 - Google Patents

ダイヤモンドの合成法

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JPH05271938A
JPH05271938A JP4067388A JP6738892A JPH05271938A JP H05271938 A JPH05271938 A JP H05271938A JP 4067388 A JP4067388 A JP 4067388A JP 6738892 A JP6738892 A JP 6738892A JP H05271938 A JPH05271938 A JP H05271938A
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JP
Japan
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substrate
diamond
plasma
carbon
magnetic field
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JP4067388A
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English (en)
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Tomio Kazahaya
富雄 風早
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の基板の表面上にグラファイトやDLC
(ダイヤモンド状炭素質)等の不要な不純物の少なく結
晶性に優れた高品質のダイヤモンドを、ダイヤモンド初
期核の高い発生密度をもって効率よく形成し、しかも面
内の均一性および基板に対する密着性の優れたダイヤモ
ンドを容易に量産することができる等の利点を有するダ
イヤモンドの合成法を提供することを目的とする。 【構成】 磁場内に配置されるとともに負のバイアス電
圧が印加された基板に、炭素含有化合物または炭素含有
化合物と水素との混合ガスのプラズマによる処理を施し
た後、前記基板上に気相法によりダイヤモンドを形成さ
せることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイヤモンドの合成法に
関し、さらに詳しく言うと、ダイヤモンドを形成させる
核(ダイヤモンド初期核)の発生密度が高く、基板にお
けるダイヤモンド形成面内で均一な分布をもって前記ダ
イヤモンド初期核を発生させることができ、基板に対す
る密着性に優れ、優れた結晶性を有する高品質のダイヤ
モンドを効率よく製造することのできるダイヤモンドの
合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、硬度、耐摩耗性が高い
ので、切削や研磨などの工具用等として多用されてい
る。また、電気的性質においても優れた特性を有するこ
とから半導体デバイスの素材等としても有望視されてい
る。このような用途に工業的に対応するには、高価な天
然のダイヤモンドに依存せずに合成ダイヤモンドを利用
する必要があり、そのため、高品質のダイヤモンドを一
定の品質を維持しながら量産化する技術の開発が強く要
求されている。このように、近年においては、合成ダイ
ヤモンドを利用する傾向が増加してきており、これに合
わせてダイヤモンドの合成方法の開発および改善はます
ます重要になってきている。特に、ダイヤモンドを各種
の基板上にCVD法等の気相合成法によって薄膜として
形成させる技術の研究が盛んに行われており、この気相
合成法によって得たダイヤモンド被覆部材を切削工具、
研磨工具、摺動部材等として、あるいは、半導体デバイ
ス等として実用化するための技術開発が進められてい
る。この気相合成法によると製造コストの低減及び量産
化が期待できる。
【0003】しかしながら、気相合成法によって得られ
るダイヤモンド膜には、通常、グラファイトやDLC
(ダイヤモンド状炭素質)といったダイヤモンド以外の
炭素質成分が含まれていることが多く、そのため、品質
が低下したり、一定にならないなどの問題点がある。ま
た、生産性を向上させるにはダイヤモンド膜の形成を容
易にするための工夫を要する。従来法では、下記に示す
ように、これらの点を十分に解決するに至っていない。
すなわち、基板上に気相合成法によりダイヤモンド膜を
形成する場合に、基板の表面に特に何らかの処理を施さ
ないでそのままにダイヤモンドを合成したのでは、ダイ
ヤモンドを形成させる初期核の発生密度が低く、しか
も、密着性に優れた高品質なダイヤモンド膜を得ること
ができない。
【0004】そこで、機械的な方法、例えば、ダイヤモ
ンド砥粒等を用いてラッピング処理をする、あるいは有
機溶媒例えばアセトン中で超音波処理をするなどのいわ
ゆる傷付処理をし、基板上にダイヤモンド初期核を生成
させ、これを成長点としてダイヤモンド膜を形成するの
が一般的である。しかしながら、この方法においては、
ダイヤモンドの生成効率がなお不十分である等の理由に
よって、工業的な生産法としては不満足であり、さら
に、得られる製品も一定の品質を維持し難いという問題
がある。
【0005】これを改良する方法として、基板に負のバ
イアス電圧を印加し、高濃度のメタンを含むメタンと水
素の混合ガスを用いてプラズマ処理し、高密度にダイヤ
モンド核を生成させる方法が提案されている[App
l.Phys.Lett.,58(10),1036−
1038(1991)]。しかしながら、この方法にお
いても、ダイヤモンドの合成条件が最適でないので、結
合力の弱い炭素すなわちグラッシーカーボン等が析出す
るからダイヤモンドの結晶性が低く、しかも基板に対す
る密着性も悪く、高品質のダイヤモンド膜が得られてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記事情
を改善するためになされたものである。この発明の目的
は、各種の基板の表面上にグラファイトやDLC(ダイ
ヤモンド状炭素質)等の不純物が少なくて結晶性に優れ
た高品質のダイヤモンドを、ダイヤモンド初期核の高い
発生密度をもって効率よく形成し、しかも面内の均一性
および基板に対する密着性の優れたダイヤモンドを容易
に量産することができる等の利点を有するダイヤモンド
の合成法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明は、磁場内に配置されるとともに負のバイア
ス電圧が印加された基板に、炭素含有化合物または炭素
含有化合物と水素との混合ガスのプラズマによる処理を
施した後、前記基板上に気相法によりダイヤモンドを形
成させることを特徴とするダイヤモンドの合成法であ
る。
【0008】この発明においては、基板は、磁場に配置
されるとともに負のバイアス電圧が印加される。前記基
板の材質としては、特に制限はなく、公知の気相合成法
によるダイヤモンドの合成用に常用される各種の材質
(例えば、各種の金属、合金、超硬合金類、半導体類、
セラミックス、ガラス等)を適宜に選択して使用するこ
とができる。具体例を示すと、例えば、WC−Co系等
のWC系超硬合金、TiN、Si34 等の窒化物系セ
ラミックス、SiC、TiC等の炭化物系セラミック
ス、アルミナ類、ガラス等の酸化物類、シリコン等の半
金属や半導体類等多種多様のものを挙げることができ
る。前記基板の形状としては、特に限定はない。
【0009】この発明の方法においては、磁場は、後述
のプラズマによる処理を行なう際に用いられる反応管に
おける基板電極および対向電極の内側もしくは外側に、
磁石を設けることにより形成することができる。なお、
ここで、磁界を形成するための磁石としては、永久磁
石、電磁石およびコイルのいずれであってもよい。磁場
形成の具体例として、例えば、図1に示すように、上部
に基板3を配置した基板電極1と対向電極2とを上下に
相対向して一定の間隔を設けて配置した反応管(図示せ
ず。)において、前記基板電極1の下部に複数の磁石4
を配置し、磁石4による磁力線が基板3を貫通するよう
にした磁場を挙げることができる。
【0010】この場合、基板電極の下部に複数の磁石を
配置する態様としては各種あり、一例を挙げると、例え
ば、基板電極が円板であり、その上部に載置される基板
も円板である場合、基板電極の下部であって、円板の中
心部には磁石のN極を配置し、その磁石を囲むように、
複数の磁石のS極を同心円状に配置する態様を挙げるこ
とができる。または、円板の中心部に磁石のN極を配置
し、その磁石を囲むように、リング状の磁石(S極)を
配置してもよい。この態様の場合、基板電極の円板中心
に配置された磁石のN極から出た磁力線が、基板を貫通
してから、同心円状に配置された磁石のS極に戻るよう
に、形成される。また、他の態様として、例えば、基板
電極が円板であり、その上部に載置される基板も円板で
ある場合、基板電極の下部であって、円板の中心部には
磁石のN極またはS極を配置し、その磁石を囲むよう
に、複数の磁石のN極とS極とを同心円状に、かつ交互
に配置する態様を挙げることができる。
【0011】磁場形成の他の具体例として、図2に示す
例を挙げることができる。図2に示すように、上部に基
板3を配置した基板電極1と対向電極2とを上下に相対
向して一定の間隔を設けて配置した反応管(図示せ
ず。)において、この基板電極1と対向電極2との間の
空間内にこれら電極に平行な磁力線5が形成されるよう
に、一対の磁石4を相対向して配置する例を挙げること
ができる。
【0012】磁場形成のその他の具体例として、図3に
示す例を挙げることができる。図3に示すように、上部
に基板3を配置した基板電極1と対向電極2とを上下に
相対向して一定の間隔を設けて配置した反応管(図示せ
ず。)において、対向電極の上部に第一ソレノイドコイ
ル6aを配置すると共に基板電極1の下部に第二ソレノ
イドコイル6bを配置し、前記第一ソレノイドコイル6
aの内部空間から外部空間へと磁力線5が形成されると
共に、前記第二ソレノイドコイル6bの内部空間から外
部空間へと磁力線5が形成されるような例を挙げること
ができる。
【0013】なお、上記三種の磁場形成の例において
は、磁石はいずれも反応管内に配置されているが、本発
明においては、磁石は反応管外に配置されていてもよ
い。本発明においては、要するに、基板におけるダイヤ
モンド形成領域近傍に磁界が形成されるように、反応管
の内外いずれかに磁石が配置されていればよいのであ
る。しかも、基板におけるダイヤモンド形成領域近傍に
おける磁界の方向が、後述する負のバイアス電圧により
形成される電界の方向に対して垂直となっているのが好
ましい。
【0014】前記磁場の磁界強度は、通常50G以上で
あり、特に300G〜1,000Gが好ましい。磁界強
度が50Gより小さい場合には、磁界を印加する効果が
なくなり不都合を生じることがある。前記基板に印加す
る負のバイアス電圧としては、例えば、基板電極のDC
バイアスが−500〜−5Vの範囲、好ましくは、−4
00〜−20Vの範囲になるようにする。また、バイア
ス電圧が−500〜−50Vの範囲になるように、RF
単独またはRF+DCバイアスを印加する方式なども好
適に採用される。
【0015】本発明においては、磁場内に配置されると
ともに負のバイアス電圧が印加された基板に、炭素含有
化合物または炭素含有化合物と水素との混合ガスのプラ
ズマによる処理を施す。この負のバイアス電圧を印加し
たプラズマ処理に使用する前記混合ガスとしては、炭素
含有ガスと水素ガスとを含むガスであれば、一般的なダ
イヤモンド合成用ガスとして常用されるもの、あるいは
使用可能なものを使用することができる。
【0016】前記炭素含有化合物としては、少なくとも
炭素含有化合物を含有していれば特に制限はなく、さら
に、水素ガス等を含む混合ガスであってもよく、一般的
なダイヤモンド合成用ガスとして常用されるもの、ある
いは使用可能なもの等を使用することができる。前記炭
素含有化合物としては、具体的には、各種炭化水素類
(具体的には、たとえば、メタン、エタン、プロパン、
ブタン、ペンタン、ヘキサン等のアルカン類、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のアルケン類、ベ
ンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン等のシクロアルカン類など多種多様
の炭化水素類)、含酸素炭化水素類(具体的には、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコール、ベンジルアルコール等のアルコ−ル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トフェノン等のケトン類、酢酸、プロピオン酸等のカル
ボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル類等多種多様の酸素含有炭
化水素類)、CO、CO2 など様々な炭素含有化合物を
挙げることができる。
【0017】これらの中でも、特に好ましいものとし
て、例えば、メタン、メタノール、アセトン、COなど
を挙げることができる。なお、これらは一種単独で用い
てもよいし、二種以上を混合するなどして併用してもよ
い。前記炭素含有化合物と水素との混合ガスを使用する
場合には、炭素含有化合物と水素との混合ガス全体に対
する炭素含有化合物は、通常0.05〜99容量%であ
り、好ましくは0.1〜80%の割合になっているのが
望ましい。
【0018】前記炭素含有化合物をプラズマ化する方法
としては、特に制限はなく、一般的なダイヤモンドある
いはダイヤモンド膜の気相合成法に利用されるプラズマ
化法等の各種の方法によるプラズマ処理法が適用可能で
ある。具体的には、例えば、マイクロ波プラズマ法、高
周波プラズマ法、熱フィラメント法、ECR法等、ある
いこれらの組み合わせ法等を挙げることができる。これ
らの中でも、特に、マイクロ波プラズマ法によるプラズ
マ処理法等が好適に採用することができる。
【0019】このプラズマによる処理をするときの反応
条件としては、従来通りの条件によって行うことができ
る。例えば反応系の圧力としては、通常10-5Torr
以上であり、特に10-3Torr以上であるのが好まし
い。また、基板温度としては、室温〜1,000℃の範
囲で適宜選定することによって好適に行うことができ
る。この発明においては、プラズマによる処理時間は、
通常1秒〜30分であるのが好ましい。
【0020】この発明においては、前述したように、磁
場内に配置されるとともに負のバイアス電圧が印加され
た基板に、炭素含有化合物のプラズマによる処理を施す
ことにより、基板の表面にダイヤモンド初期核を短時間
で高密度に効率よく生成させることができ、結晶性およ
び基板に対する密着性に優れた高品質なダイヤモンド
を、基板の表面に均一に製造することができる。このよ
うに、この発明においては、基板に負のバイアス電圧を
印加しつつ炭素含有化合物のプラズマで基板を処理する
工程を、磁場の存在下で行なうことが重要である。磁場
の存在下で行なうことにより、磁場の存在下で行なわな
い場合に比べて、基板をプラズマで処理する時間を著し
く短縮することができ、しかも基板の表面に生成するダ
イヤモンド初期核の密度を高くすることができ、面内の
均一性、結晶性および基板への密着性に優れたダイヤモ
ンドを製造することができる。
【0021】この発明の方法においては、前記のような
プラズマ処理を施した後に、さらに水素ガスのプラズマ
で基板を処理してもよい。水素ガスのプラズマによる処
理に使用される水素ガスとしては特に限定はないが、通
常高純度に精製した水素ガスが使用される。また、前述
したプラズマ処理において水素ガスが使用されるときに
は、その水素ガスを引き続き使用することもできる。
【0022】水素ガスをプラズマ化する手法としては、
特に制限はなく、上述の炭素含有化合物のプラズマによ
る処理の時と同様に、一般的なダイヤモンドあるいはダ
イヤモンド膜の気相合成法に利用されるプラズマ化法な
ど各種の方法によるプラズマ処理法が適用可能である。
具体的には、例えば、マイクロ波プラズマ法、高周波プ
ラズマ法、熱フィラメント法、ECR法等、あるいこれ
らの組み合わせ法などを挙げることができる。これらの
中でも、特に、マイクロ波プラズマ法によるプラズマ処
理法等が好適に採用される。水素ガスのプラズマによる
処理をするときの反応条件としては、前述した炭素含有
化合物のプラズマ処理における条件とほぼ同様である。
水素ガスのプラズマによる処理をする時間は、一回の処
理当たり、通常1秒〜30分である。また、この発明に
おいては、負のバイアス電圧を印加したプラズマ処理と
水素プラズマ処理とを交互に行なってもよい。
【0023】この発明の方法においては、前記のような
前処理を施した後に、前記基板上に気相合成法により炭
素源ガスを用いてダイヤモンドを形成する。上記炭素源
ガスとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブ
タン等のパラフィン系炭化水素;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等のオレフィン系炭化水素;アセチレン、
アリレン等のアセチレン系炭化水素;ブタジエン、アレ
ン等のジオレフィン系炭化水素;シクロプロパン、シク
ロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式
炭化水素;シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ナフタレン等の芳香族炭化水素;アセトン、ジ
エチルケトン、ベンゾフェノン等のケトン類;メタノー
ル、エタノール等のアルコール類;このほかの含酸素炭
化水素;トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミ
ン類;このほかの含窒素炭化水素;炭酸ガス、一酸化炭
素、過酸化炭素;さらに、単体ではないが、ガソリン等
の消防法危険物第4類、第1類、ケロシン、テレピン
油、しょうのう油等の第2石油類、重油等の第3石油
類、ギヤー油、シリンダー油等の第4石油類も使用する
ことができる。また前記各種の化合物を混合して使用す
ることもできる。
【0024】これらの中でも、好ましいのはメタン、エ
タン、プロパン等のパラフィン系炭化水素、エタノー
ル、メタノール等のアルコール類、アセトン、ベンゾフ
ェノン等のケトン類、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン等のアミン類、炭酸ガス、一酸化炭素であり、特に
一酸化炭素が好ましい。なお、これらは一種単独で用い
てもよく、二種以上を混合ガス等として併用してもよ
い。また、これらは水素等の活性ガスやヘリウム、アル
ゴン、ネオン、キセノン、窒素等の不活性ガスと混合し
て用いてもよい。
【0025】前記ダイヤモンドの形成には、公知の方
法、例えば、CVD法、PVD法、PCVD法、あるい
はこれらを組み合せた方法等、各種のダイヤモンド気相
合成法を使用することができ、これらの中でも、通常、
EACVD法を含めた各種の熱フィラメント法、熱プラ
ズマ法を含めた各種の直流プラズマCVD法、熱プラズ
マ法を含めたマイクロ波プラズマCVD法等を好適に使
用することができる。
【0026】ダイヤモンドの形成条件としては、特に制
限はなく、前記の気相合成法に通常用いられる反応条件
を適用することができる。例えば、反応圧力としては、
通常、10-6〜103 Torrが好ましく、特に1〜8
00Torrの範囲内であるのが好ましい。反応圧力が
10-6Torrよりも低い場合には、ダイヤモンドの形
成速度が遅くなることがある。また、103 Torrよ
り高い場合には、103 Torrのときに得られる効果
に比べて、それ以上の効果がない。
【0027】前記基板の表面温度としては、前記炭素源
ガスの活性化手段等により異なるので、一概に規定する
ことはできないが、通常、300〜1,000℃、好ま
しくは、450〜950℃の範囲内にするのがよい。こ
の温度が300℃よりも低い場合には、結晶性のダイヤ
モンドの膜の形成が不十分になることがある。また、温
度が1,000℃を超える場合においては、形成された
ダイヤモンド膜のエッチングが生じ易くなる。
【0028】反応時間としては、特に限定はなく、ダイ
ヤモンド膜が所望の厚みとなるように、ダイヤモンドの
形成速度に応じて適宜に設定するのが好ましい。前記基
材の表面に形成させるダイヤモンドの膜の厚みは、ダイ
ヤモンド被覆部材の使用目的等により異なるので一律に
定めることはできないが、工具の場合、通常は5μm以
上、好ましくは、10〜50μm以上が適当である。ダ
イヤモンド膜が薄すぎる場合には、基板の表面を十分に
被覆することができないことがある。
【0029】以上のように、基板に特定な前処理をする
ことにより高品質なダイヤモンドを製造することができ
るので、高性能のダイヤモンド被覆部材を得ることがで
きる。この発明の方法によれば、各種の基板上に高純度
のダイヤモンド(すなわち、高品質のダイヤモンド膜)
を効率よく形成させることができる。また、この方法に
よると、品質のばらつきもなく、品質の一定した高品質
のダイヤモンドもしくはダイヤモンド被覆部材等のダイ
ヤモンド利用製品が得られる。さらに、この方法は、ダ
イヤモンドもしくはその製品の量産化が極めて容易であ
る等の利点も有しており、ダイヤモンドおよび各種のダ
イヤモンド利用製品の製造として、工業的に著しく有利
な方法である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例およびその比較例によ
って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)基板として約25mm角のSiウエハを用
いた。この基板を、図4に示すようなダイヤモンド合成
装置内に配置した。ここで、図4において、1で示すの
は円板状の基板電極であり、この基板電極1は、反応管
9の内部に配置された円板状の支持体7の上面に配置さ
れている。基板電極1の上面には、基板3であるSiウ
エハが載置されている。この基板電極1に相対向して対
向電極2が反応管9の内部に配置されている。前記支持
体7の下部には、支持体7の中心部に相当する位置にN
極の磁石が配置され、支持体7の周辺部に相当する位置
にリング状にS極の磁石が配置されている。この反応管
9には、前記基板に向けてマイクロ波8を照射する導波
管10が接続されるとともに、この導波管10に相対向
する位置に反応管9を挟んで第二導波管11が接続され
ている。この第二導波管11内には、マイクロ波を反射
させる反射板(図示せず。)が配置されており、反射板
で反射したマイクロ波と導波管10内を進行してくるマ
イクロ波8と干渉するようになっている。この反応管9
の上部からは、処理用ガス等が導入されるようになって
いる。この基板に直流(DC)−100ボルトの電圧を
印加し、処理用ガスとしてメタンガス20sccmと水
素ガス50sccmとの混合ガスを反応管内に導入し、
平均出力350Wのマイクロ波を照射し、基板温度を9
00℃にし、反応内圧を10Torrにして、生成した
プラズマによって基板表面を5分間処理した。この前処
理の後に、反応管に原料ガスとしてメタンガス0.5容
量%の混合ガスを導入し、内圧を40torrに、基板
温度を900℃にして、周波数2.45GHzのマイク
ロ波を導入し、プラズマCVD法によるダイヤモンドの
合成反応を10分間行なった。合成反応後に、基板の表
面をSEM観察することにより、ダイヤモンド初期核の
数を計数した。その結果を表1に示す。なお、得られた
ダイヤモンドのラマン分析の結果、ダイヤモンドに起因
する1,333cm-1に強いピークが見られた。半値幅
は10cm-1であり、高純度のダイヤモンドの生成が確
認された。
【0031】(実施例2〜4)基板の前処理において、
反応内圧と処理時間とを表1に記載の条件にそれぞれ変
えた外は、実施例1と同様に行なった。ダイヤモンド初
期核の発生密度の評価を表1に示す。
【0032】(比較例1)基板の前処理において、装置
内に磁石を配置しなかった外は、実施例1と同様に行な
った。ダイヤモンド初期核の発生密度、成膜速度および
ダイヤモンドの密着性の評価を表1に示す。
【0033】(比較例2〜4)基板の前処理において、
反応内圧と処理時間とを表1に記載の条件にそれぞれ変
えた外は、比較例1と同様に行なった。ダイヤモンド初
期核の発生密度の評価を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】この発明によると、磁場内に配置される
とともに負のバイアスを印加された基板に炭素含有化合
物のプラズマによる処理を施し、このような前処理によ
り基板上にダイヤモンド初期核を短時間で高密度に生成
させた後、この基板上に気相法によりダイヤモンド(ダ
イヤモンド膜)を形成させるという特定の手法を用いて
いるので、各種の基板の面上にグラファイトやDLC
(ダイヤモンド状炭素質)等の不要な不純物(非ダイヤ
モンド成分)の少ない高品質のダイヤモンド(つまり高
純度の結晶性のよいダイヤモンド)を効率よくしかも密
着性よく形成させることができ、高性能のダイヤモンド
被覆部材もしくは品質のばらつきの少ない高品質のダイ
ヤモンドを容易に量産することができるなどの利点を有
する実用上著しく有利なダイヤモンドの合成法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、磁場の形成の一例を示す説明図であ
る。
【図2】図2は、磁場の形成の一例を示す説明図であ
る。
【図3】図3は、磁場の形成の一例を示す説明図であ
る。
【図4】図4は、磁場内で負のバイアス電圧が印加され
た基板にプラズマによる処理を施す工程を示す説明図で
ある。
【符合の説明】
1 基板電極 2 対向電極 3 基板 4 磁石 5 磁力線 6a 第一ソレノイドコイル 6b 第二ソレノイドコイル 7 支持体 8 マイクロ波 9 反応管 10 導波管 11 第二導波管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場内に配置されるとともに負のバイア
    ス電圧が印加された基板に、炭素含有化合物または炭素
    含有化合物と水素との混合ガスのプラズマによる処理を
    施した後、前記基板上に気相法によりダイヤモンドを形
    成させることを特徴とするダイヤモンドの合成法。
JP4067388A 1992-03-25 1992-03-25 ダイヤモンドの合成法 Pending JPH05271938A (ja)

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JP4067388A Pending JPH05271938A (ja) 1992-03-25 1992-03-25 ダイヤモンドの合成法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005220366A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Sony Corp 成膜装置および成膜方法および成膜用反応管

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