JPH0527391B2 - - Google Patents
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- JPH0527391B2 JPH0527391B2 JP7612685A JP7612685A JPH0527391B2 JP H0527391 B2 JPH0527391 B2 JP H0527391B2 JP 7612685 A JP7612685 A JP 7612685A JP 7612685 A JP7612685 A JP 7612685A JP H0527391 B2 JPH0527391 B2 JP H0527391B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はL−フエニルアラニンの製造方法に関
し、詳しくは酵素を水の存在下にN−アシルフエ
ニルアラニンアルキルエステルのL体に作用させ
ることによつてL−フエニルアラニンを製造する
方法に関する。 本発明の方法によつて得られるL−フエニルア
ラニンは必須アミノ酸の1種であり、栄養上また
は医薬用途上重要な物質である。 〔従来の技術〕 従来、L−フエニルアラニン前駆体に酵素を作
用させることによつてL−フエニルアラニンを製
造する種々の方法が知られている。例えば、L−
フエニルアラニン前駆体に加水分解酵素を作用さ
せることによつてL−フエニルアラニンを製造す
る方法として、N−アシル−DL−フエニルアラ
ニンにアミノアシラーゼを作用させることにより
N−アシル−L−フエニルアラニンのみを選択的
に加水分解してL−フエニルアラニンに変換する
方法〔Bull.Agr.Chem.Soc.Japan,21,300
(1957)参照〕、DL−フエニルアラニンアルキル
エステルにエステラーゼを作用させることにより
L−フエニルアラニンアルキルエステルのみを選
択的に加水分解してL−フエニルアラニンに変換
する方法〔J.Biol.Chem.、203、755(1953)参
照〕、5−ベンジルヒダントインをヒダントイナ
ーゼの作用により加水分解してL−フエニルアラ
ニンに変化する方法(特公昭54−2274号公報参
照)などが知られている。また別法として、N−
アシル−DL−フエニルアラニンメチルエステル
にセリンプロテイナーゼまたはエステラーゼを作
用させることによりN−アシル−L−フエニルア
ラニンメチルエステルのみを選択的に加水分解し
てN−アシル−L−フエニルアラニンに変換し、
これを未反応のN−アシル−D−フエニルアラニ
ンメチルエステルから分離したのち塩酸を用いて
加水分解することによつてL−フエニルアラニン
に変換する方法も知られている〔特公昭57−
35956号公報およびSynthesis1041(1983)参照〕。 〔発明が解決しようとする問題点〕 アミノアシラーゼ、エステラーゼなどの加水分
解酵素には中性付近の条件下において高い加水分
解活性を発揮するものが多い。かかる加水分解酵
素をN−アシル−DL−フエニルアラニンまたは
DL−フエニルアラニンアルキルエステルのよう
な酸性または塩基性のL−フエニルアラニン前駆
体に作用させる場合には、予め原料溶液に塩基ま
たは酸を添加することによつて原料溶液のPHを中
性付近に調整することが必要である。これらの反
応によつて得られる反応混合液には、目的とする
L−フエニルアラニン以外に未反応のN−アシル
−D−フエニルアラニンまたはD−フエニルアラ
ニンアルキルエステルが上記塩基または酸と塩を
形成して存在している。通常、L−フエニルアラ
ニンはかかる反応混合液から晶析分離されるが、
前述の塩がL−フエニルアラニンと共に析出し易
いため、L−フエニルアラニンを充分に高い純度
で得るためには煩雑な分離工程が必要である。ま
た上記のN−アシル−DL−フエニルアラニンを
原料とするL−フエニルアラニンの製造方法にお
いては、反応系中においてN−アシル−DL−フ
エニルアラニンと塩基との塩が酵素の活性を阻害
する傾向にあり、酵素活性の低下が著しい。さら
に、DL−フエニルアラニンアルキルエステルを
原料とするL−フエニルアラニンの製造方法にお
いては、原料としてDL−フエニルアラニンの低
級アルキルエステルを使用することがL−フエニ
ルアラニンの生成が速やかとなり好ましいが、こ
の原料はエステラーゼの作用によらない加水分解
反応によりDL−フエニルアラニンに変換され易
いため、かかる原料を使用する場合には得られる
L−フエニルアラニンの光学純度を充分高くする
ことが難しい。 5−ベンジルヒダントンにヒダントイナーゼを
作用させることによつてL−フエニルアラニンを
製造する方法には、原料である5−ベンジルヒダ
ントインが高価であるばかりでなく、用いられる
ヒダンタイナーゼの活性が充分ではないという欠
点がある。 また、N−アシル−DL−フエニルアラニンメ
チルエステルにセリンプロテイナーゼまたはエス
テラーゼを使用させ、生成したN−アシル−L−
フエニルアラニンを未反応のN−アシル−D−フ
エニルアラニンメチルエステルから分離した後、
塩酸を用いて加水分解することによつてL−フエ
ニルアラニンを製造する方法は、N−アシルフエ
ニルアラニンメチルエステルにおけるエステル残
基の加水分解と酸アミド残基の加水分解とを独立
に実施するため工程が煩雑になるという欠点を有
する。 しかして、本発明の目的は、安価なL−フエニ
ルアラニン前駆体を原料として用い、これに加水
分解酵素を作用させることによつて高純度のL−
フエニルアラニンを簡便に取得しうる工業的に有
利なL−フエニルアラニンの製造法を提供するこ
とにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によれば、上記の目的は、(1)アスペルギ
ルス(Aspergillus)属に属する糸状菌に由来す
るアミノアシラーゼを、水および水と実質的に混
和しない有機溶媒の存在下に一般式() (式中、R1は低級アルキル基を表わし、R2は水
素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子を表
わす。) で示されるN−アシルフエニルアラニンアルキル
エステル(以下、これをAPAEと略称する)のL
体に作用させることによりL−フエニルアラニン
を生成させ、得られる反応混合液からL−フエニ
ルアラニンの結晶を分離し、酵素を含む水層を、
酵素をAPAEのL体に作用させる工程に循環使用
することを特徴とするL−フエニルアラニンの製
造方法、並びに(2)アスペルギルス(Aspergillus)
属に属する糸状菌に由来するアミノアシラーゼ
を、水の存在下にAPAEのL体に作用させること
によりL−フエニルアラニンを生成させ、得られ
る反応混合液に実質的に混和しない有機溶媒を接
触させることによつて、反応混合液から残存する
APAEのL体もしくはD体またはこれらの混合物
を有機層に抽出分離することを特徴とするL−フ
エニルアラニンの製造方法を提供することによつ
て達成される。 前記一般式()におけるR1およびR2を詳し
く説明する。R1は低級アルキル基を表わし、具
体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基などの直鎖状または分岐状の低級
アルキル基である。R2は水素原子;メチル基、
エチル基などの低級アルキル基;または塩素原
子、真素原子などのハロゲン原子を表わす。
APAEとしては具体的にはN−アセチルフエニル
アラニンメチルエステル、N−アセチルフエニル
アラニンエチルエステル、N−アセチルフエニル
アラニンイソプロピルエステル、N−アセチルフ
エニルアラニンn−ブチルエステラなどのN−ア
セチルフエニルアラニンアルキルエステル;N−
プロピオニルフエニルアラニンメチルエステル、
N−プロピオニルフエニルアラニンエチルエステ
ル、N−プロピオニルフエニルアラニンn−ブチ
ルエステルなどのN−プロピオニルフエニルアラ
ニンアルキルエステル;N−(n−ブチリル)フ
エニルアラニンメチルエステル、N−(n−ブチ
リル)フエニルアラニンエチルエステルなどのN
−(n−ブチリル)フエニルアラニンアルキルエ
ステル;N−クロロアセチルフニルアラニンメチ
ルエステル、N−クロロアセチルフエニルアラニ
ンエチルエステル、N−クロロアセチルフエニル
アラニンイソプロピルエステル、N−クロロアセ
チルフエニルアラニンn−ブチルエステルなどの
N−クロロアセチルフエニルアラニンアルキルエ
ステル;N−プロモアセチルフエニルアラニンメ
チルエステル、N−プロモアセチルフエニルアラ
ニンエチルエステルなどのN−プロモアセチルフ
エニルアラニンアルキルエステルなどが挙げられ
る。これらのAPAEのL体を本発明の方法におい
て原料として用いる。前記一般式()において
R1が炭素数5以上のアルキル基であるかまたは
R2が水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子のいずれでもないN−アシルフエニルアラニ
ンアルキルエステルのL体を原料として用いる場
合には、酵素の作用による加水分解速度が不充分
となり、好ましい反応成績を得ることができな
い。なお、本発明の方法において原料として
APAEのL体を単独で用いてもよいし、これを
APAEのD体との混合物で用いてもよいが、合成
手段によつて工業的に容易に得られるAPAEのラ
セミ体に用いるのが簡便である。 本発明の方法において用いる酵素は、−(中略)
−または東京化成株式会社製アミノアシラーゼ)
などが例示される。」を「本発明の方法において
用いるアスペルギルス属に属する糸状菌に由来す
るアミノアシラーゼは、APAEのL体を選択的に
加水分解してL−フエニルアラニンを生成する能
力を有しており、その加水分解活性は優れてい
る。上記のアミノアシラーゼは、工業生産されて
おり、容易に入手することができる。かかる酵素
としては、天野製薬株式会社製アシラーゼ「アマ
ノ」または東京化成株式会社製アミノアシラーゼ
などが例示される。本発明の方法におけるL−フ
エニルアラニン生成反応は水層のみからなる均一
系または水層と有機層とからなる不均一系の反応
系中で行われる。酵素は通常、水層中における濃
度が約0.01〜3重量%の範囲内になる量で使用さ
れる。かかる酵素はそのまま反応系中に添加して
使用することもできるが、酵素を共有結合法、架
橋法、包接法など公知の固定化方法により担体に
固体化して得られる固定化酵素を使用することも
できる。かかる担体の具体例としては、ジエチル
アミノエチルセフアデツクス、カラギーナン、ポ
リアクリルアミド、ゼラチン、フイブロイン、ア
ルギン酸塩、ジエチルアミノエチルセルロース、
多孔性ガラス、活性アルミナ、ヒドロキシアパタ
イト、イオン交換樹脂、ポリエチレングリコール
またはポリプロピレングリコールのジアクリレー
トなどをプレポリマーとする光硬化性樹脂などを
挙げることができる。 本発明の方法における反応系に存在させる水の
量は特に限定されないが、APAEの濃度が飽和溶
解度以下になるような量で用いることも、また飽
和溶解度を越えるような量で用いることもでき
る。後者の場合には、反応系はAPAEの飽和水溶
液と未溶解のAPAEとが不均一な液−固二相を形
成するが、本発明の方法を実施するうえで支障と
なることはない。なお、APAEの水に対する飽和
溶解度は、APAEがN−アセチルフエニルアラニ
ンメチルエステルである場合、23℃において1.26
g/100ml水である。 本発明の方法における反応系に水以外に有機溶
媒を共存させることもできる。水に混和性の有機
溶媒を共存させる場合には、水層におけるAPAE
の溶解性を向上させることができる。従つて、水
混和性の有機溶媒を使用する場合には、酵素を含
む水層にAPAEをより高い濃度で溶存させること
ができ、これによつてL−フエニルアラニンをよ
り効率的に生成させることが可能となる。水混和
性の有機溶媒としてはメタノール、エタノール、
プロパノールなどの低級アルコール;アセトン、
メチルエチルケトンのような炭素数4以下のケト
ン;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状
エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテルなどのアル
キレングリコールまたはそのモノエーテルもしく
はジエーテルなどが例示される。また、反応系に
水に実質的に混和しない有機溶媒を共存させる場
合には、反応系は水層と有機層の二層系を形成す
る。この反応系において原料であるAPAEは主と
して有機層に分配されることから、用いる有機溶
媒の種類および使用量を選択することにより、酵
素の存在する水層中でのAPAEの濃度をAPAEが
充分に酵素と接触しうるとともにAPAEが酵素に
及ぼす活性阻害効果を制御しうるような好適な一
定の濃度に維持することができる。かかる水非混
和性の有機溶媒を使用する場合には、L−フエニ
ルアラニンを速やかに生成させることができるの
みならず、酵素の活性を長期にわたつて安定に維
持することができる。かかる水非混和性の有機溶
媒としては、塩化メチレン、四塩化炭素、二塩化
エチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素;ベンゾニトリル、プロピオニトリルなどの
炭素数3以上のニトリル;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸メチル、アジピン酸ジエチルな
どの炭素数4以上のカルボン酸エステル;ジエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ヘプタ
ノン、アセトフエノンなどの炭素数5以上のケト
ン;エチルプロピルエーテル、アニソール、ジブ
チルエーテル、フエネトール、ジフエニルエーテ
ルなどの炭素数5以上のエーテル;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの炭素数6以上の芳香族炭
化水素;n−ヘキサノール、n−オクタノールな
どの炭素数6以上のアルコール;リン酸トリn−
ブチル、リン酸トリn−オクチルなどの炭素数8
以上のリン酸トリエステル;N,N−ジメチルア
ニリン、ジメチルベンジルアミンなどの窒素原子
に結合する置換基のうち少なくとも1つが芳香族
炭化水素基である炭素数8以上の第3級アミンな
どが例示される。これらのうち特にL−フエニル
アラニンの生成が速やかである点において、四塩
化炭素、アジピン酸ジエチル、メチルイソブチル
ケトン、3−ヘプタノン、アニソール、フエネト
ール、n−オクタノール、リン酸トリn−ブチ
ル、リン酸トリn−オクチル、N,N−ジメチル
アニリンなどを用いるのが好ましい。かかる水非
混和性の有機溶媒を使用する場合、反応系中の有
機層と水層の容積比は特に限定されないが、通常
約1/10〜3/1の範囲内であり、原料である
APAEの有機溶媒に対する溶解度にもよるが約
1/10〜1/1の範囲内であることが好ましい。 本発明の方法におけるL−フエニルアラニンの
生成反応は使用する酵素が充分に高い加水分解活
性を発揮しうるPH条件下において実施させること
が望ましい。反応系中の水層のPHは、使用する酵
素の種類によつても異なるが、通常約4〜10の範
囲内、好ましくは5〜9の範囲内、特に好ましく
は6〜8の範囲内である。水層のPHを調整するた
めに、酵素活性に悪い影響を及ぼさない範囲内に
おいて、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸;ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、ベンゼンスルホン酸な
どの有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩;
アンモニア;トリエチルアミンなどの有機アミ
ン;またはリン酸塩緩衝液、トリス緩衝液、
McIlvaine氏緩衝液などの緩衝液を反応系に添加
することができる。本発明の方法においては、
APAEのL体の加水分解により副生する酢酸など
のカルボン酸が反応の進行に伴つて反応系中に蓄
積するため、反応系における水層のPHが低下する
傾向がある。前記の緩衝液は、かかる反応中にお
ける水層のPH低下を抑制しうるため特に好まし
い。また、L−フエニルアラニンの生成反応は使
用する酵素が活性を発揮しうるに最適な温度を選
んで実施することが好ましいが、通常約20〜60℃
の温度範囲内、好ましくは35〜40℃の温度範囲内
において行われる。なお、反応系に少量の金属イ
オンを存在させることにより酵素の活性が向上す
る場合がある。特にコバルトイオンを反応系中に
存在する溶液に対して約10-4〜10-2モル/の範
囲内で存在させることが好ましい。 本発明の方法においては、L−フエニルアラニ
ンの生成反応を撹拌式、振とう式などの混合方法
によるバツチ方式で行うことができるが、反応の
進行とともに原料であるAPAEのL体、水、酵素
などを反応系に添加しかつ生成したL−フエニル
アラニンを含む反応混合液の全部または一部を反
応系から抜取る方法による連続方式で行うことも
できる。反応系に水非混和性の有機溶媒を共存さ
せない場合には、APAEの1体を含む水溶液を固
定化酵素を充填したカラムに流通させることによ
つて連続的に反応を行うこともできる。 得られた反応混合液からのL−フエニルアラニ
ンの分離に際しては、例えばL−フエニルアラニ
ンの水および有機溶媒の両者に対する溶解性の低
さを利用することによつてL−フエニルアラニン
を容易に晶析分離することができる。また、反応
混合液から未反応のAPAEのL体またはこれと
APAEのD体との混合物を回収することもでき
る。反応混合液からのAPAEの回収は、水と水非
混和性の有機溶媒とから二層系におけるAPAEの
有機層への高い分配性を利用することによつて行
われる。すなわち、水非混和性の有機溶媒の不存
在下にL−フエニルアラニンの生成反応を実施す
る場合、必要に応じて、得られる反応混合液から
APAEのL体の加水分解によつて副生する低級ア
ルコールなどを蒸留法などによつて除去したの
ち、蒸留残留液を水非混和性の有機溶媒と接触さ
せることによりAPAEを有機層に抽出分離するこ
とができる。また、水非混和性の有機溶媒の存在
下にL−フエニルアラニンの生成反応を実施する
場合、得られる反応混合液はすでにAPAEを含む
有機層とL−フエニルアラニンおよび酵素を含む
水層との不均一層を形成しているため、分液する
ことによりこれらを容易に分離することができ
る。上述の反応混合液からのL−フエニルアラニ
ンの分離およびAPAEの分離の順序は限定される
ことなく、どちらの分類操作を先に行つてもよ
い。L−フエニルアラニンを晶析分離したのちの
水層中には活性を有する酵素および低濃度のL−
フエニルアラニンが存在している。このため、か
かる酵素を含む水層を反応媒体として反応系に循
環し再使用することが有利である。特に水および
水非混和性の有機溶媒の存在下に反応を行う場合
には、前述したように反応中において酵素は活性
低下を受けにくいため、上記水層の循環使用を行
うことが実用上好ましい。 一方、APAEは前述のようにして有機層中に回
収されるが、L−フエニルアラニンの生成反応が
APAEのL体を消費する反応であるため、APAE
中のL体のD体に対する比率は原料として使用し
たAPAEにおけるその比率に比べて低い。回収さ
れたAPAE中に含まれる未反応のL体はそのまま
原料として反応系に循環し再使用することができ
るが、APAE中のL体の比率が50%よりも低い場
合には、該APAEを塩基の存在下における処理な
どの公知のラセミ化反応に付することによつてラ
セミ体に変換したのち、これを原料として使用す
ることが有利である。回収されたAPAEをそのま
ままたはラセミ化したのち原料として循環再使用
するに先立ち、該APAEを有機層から分離するこ
とは必ずしも必要ではない。すなわち、水および
水非混和性の有機溶媒の存在下に反応を行う場合
には、反応混合液から分離したAPAEを含む有機
層をそのまま反応に循環することが可能である。 このようにして分離されたL−フエニルアラニ
ンは極めて高い光学純度を有する。 〔実施例〕 以下、実施例および参考例により本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例 1 McIlvaine氏緩衝液(PH7)100mlと1.5mM塩
化コバルト水溶液50mlの混合液N−アセチル−
DL−フエニルアラニンメチルエステル2.0gを溶
解した。この溶液を容量0.5の反応器に移し、
アスペルギルス属に属する糸状菌起源のアミノア
シラーゼ(天野製薬株式会社製アシラーゼ「アマ
ノ」)0.25gを投入し、37℃にて振とうしつつ12
時間反応を行つた。反応終了後、液体クロマトグ
ラフイーにより反応混合液(PHは6.15であつた)
の分析を行つた結果、N−アセチルフエニルアラ
ニンメチルエステルの残存量は1.0g(仕込みN
−アセチル−DL−フエニルアラニンメチルエス
テルに対して50モル%)であり、L−フエニルア
ラニンの生成量は0.73g(消費されたN−アセチ
ル−L−フエニルアラニンメチルエステルに対し
て98モル%)であつた。N−アセチルフエニルア
ラニンの副生は痕跡量であつた。反応混合液を加
熱することによつてアミノアシラーゼを凝縮さ
せ、アミノアシラーゼを遠心分離した。得られた
溶液を酢酸ブチル50mlずつを用いて3回抽出する
ことにより、N−アセチルフエニルアラニンメチ
ルエステルを定量的に回収した。抽出残液(水
層)を減圧下に濃縮して15mlの水溶液とし、これ
に晶析操作を行うことによつて0.45gのL−フエ
ニルアラニンを結晶として取得した。得られたL
−フエニルアラニンの光学純度は99%であつた。 参考例 McIlvaine氏緩衝液(PH7)100ml、1.5mM塩
化コバルト水溶液50mlおよびメタノール50mlを混
合し、その溶液にN−アセチル−DL−フエニル
アラニンメチルエステル4gを溶解した以外は実
施例1と同一の条件下にN−アセチル−DL−フ
エニルアラニンメチルエステルの酵素加水分解反
応を実施した。反応終了時の反応混合液のPHは
6.70であつた。液体クロマトグラフイーを用いた
分析によれば、N−アセチルフエニルアラニンメ
チルエステルの残存量は2.20g(仕込みN−アセ
チル−DL−フエニルアラニンメチルエステルに
対して55モル%)であり、L−フエニルアラニン
の生成量は1.30gであつた。さらに反応混合液に
晶析操作を施してL−フエニルアラニン結晶を得
た。得られたL−フエニルアラニンの光学純度は
99%であつた。 参考例 2 アスペルギルス属に属する糸状菌起源のアミノ
アシラーゼ(東京化成株式会社製アミノアシラー
ゼ)0.25gをリン酸緩衝液(PH7.0)5mlに溶解
後、50重量%アクリルアミド水溶液4ml、4重量
%N,N′−メチレンビスアクリルアミド水溶液
4ml、5重量%ジメチルアミノプロピオニトリル
水溶液2.5mlおよび2.5重量%ペルオキソ硫酸カリ
ウム水溶液2.5mlを順次添加し、撹拌混合したの
ち約1時間静置し寒天状ゲルを得た。このゲルを
小片(1辺の長さが約3mmの立方体)に切断し、
McIlvaine氏緩衝液(PH7.0)にて充分に洗浄し
た。アミノアシラーゼとして上記のようにして得
られたポリアクリルアミド固定化アミノアシラー
ゼを用いた以外は実施例1と同一の条件下に反応
を実施した。反応終了時における反応混合液のPH
は6.20であつた。液体クロマトグラフイーを用い
た分析によれば、N−アセチルフエニルアラニン
メチルエステルの残存量は1.0g(仕込みN−ア
セチル−DL−フエニルアラニンメチルエステル
に対して50モル%)であり、L−フエニルアラニ
ンの生成量は0.72g(消費されたN−アセチル−
L−フエニルアラニンメチルエステルに対して96
モル%)であつた。 参考例 3 McIlvaine氏緩衝液(PH8)10mlおよび1.5mM
塩化コバルト水溶液5mlの混合液に実施例1で用
いたものと同じアミノアシラーゼを25mg溶解し、
得られた水溶液を100mlの反応器に移した。N−
アセチル−DL−フエニルアラニンメチルエステ
ル1.0gを3−ヘプタノン5mlに溶解して得られ
た溶液を反応器中の水溶液に添加した。反応器中
の二層を形成した溶液を37℃にて振とうすること
によつて12時間反応させた。反応終了時における
水層のPHは4.95であつた。水層および3−ヘプタ
ノン層を液体クロマトグラフイーおよびガスクロ
マトグラフイーを用いて分析した結果、水層中に
はL−フエニルアラニン0.32g(仕込みN−アセ
チル−DL−フエニルアラニンメチルエステルに
対し42モル%)、N−アセチルフエニルアラニン
0.037g(仕込みN−アセチル−DL−フエニルア
ラニンメチルエステルに対して4.0%)、メタノー
ル0.055g、酢酸0.050gおよびN−アセチルフエ
ニルアラニンメチルエステル0.09gが存在し、3
−ヘプタノン層中にはN−アセチルフエニルアラ
ニンメチルエステル0.44g、メタノール0.013g
および痕跡量のL−フエニルアラニン、N−アセ
チルフエニルアラニン、酢酸が存在していること
が判明した。 参考例 4〜18 参考例3においてN−アセチル−DL−フエニ
ルアラニンメチルエステル1.0gの代りに第1表
に示すAPAEのラセミ体1.0gを用い、かつ3−
ヘプタンノンの代りに第1表に示す水非混和性の
有機溶媒5mlを用いる以外は同様にして反応を行
い、得られた反応混合物いにおける水層のPH測定
および水層の液体クロマトグラフイー測定を行つ
た。その結果を第1表に示す。なお、表中、R1
およびR2は一般式()におけるそれらに相当
する。
し、詳しくは酵素を水の存在下にN−アシルフエ
ニルアラニンアルキルエステルのL体に作用させ
ることによつてL−フエニルアラニンを製造する
方法に関する。 本発明の方法によつて得られるL−フエニルア
ラニンは必須アミノ酸の1種であり、栄養上また
は医薬用途上重要な物質である。 〔従来の技術〕 従来、L−フエニルアラニン前駆体に酵素を作
用させることによつてL−フエニルアラニンを製
造する種々の方法が知られている。例えば、L−
フエニルアラニン前駆体に加水分解酵素を作用さ
せることによつてL−フエニルアラニンを製造す
る方法として、N−アシル−DL−フエニルアラ
ニンにアミノアシラーゼを作用させることにより
N−アシル−L−フエニルアラニンのみを選択的
に加水分解してL−フエニルアラニンに変換する
方法〔Bull.Agr.Chem.Soc.Japan,21,300
(1957)参照〕、DL−フエニルアラニンアルキル
エステルにエステラーゼを作用させることにより
L−フエニルアラニンアルキルエステルのみを選
択的に加水分解してL−フエニルアラニンに変換
する方法〔J.Biol.Chem.、203、755(1953)参
照〕、5−ベンジルヒダントインをヒダントイナ
ーゼの作用により加水分解してL−フエニルアラ
ニンに変化する方法(特公昭54−2274号公報参
照)などが知られている。また別法として、N−
アシル−DL−フエニルアラニンメチルエステル
にセリンプロテイナーゼまたはエステラーゼを作
用させることによりN−アシル−L−フエニルア
ラニンメチルエステルのみを選択的に加水分解し
てN−アシル−L−フエニルアラニンに変換し、
これを未反応のN−アシル−D−フエニルアラニ
ンメチルエステルから分離したのち塩酸を用いて
加水分解することによつてL−フエニルアラニン
に変換する方法も知られている〔特公昭57−
35956号公報およびSynthesis1041(1983)参照〕。 〔発明が解決しようとする問題点〕 アミノアシラーゼ、エステラーゼなどの加水分
解酵素には中性付近の条件下において高い加水分
解活性を発揮するものが多い。かかる加水分解酵
素をN−アシル−DL−フエニルアラニンまたは
DL−フエニルアラニンアルキルエステルのよう
な酸性または塩基性のL−フエニルアラニン前駆
体に作用させる場合には、予め原料溶液に塩基ま
たは酸を添加することによつて原料溶液のPHを中
性付近に調整することが必要である。これらの反
応によつて得られる反応混合液には、目的とする
L−フエニルアラニン以外に未反応のN−アシル
−D−フエニルアラニンまたはD−フエニルアラ
ニンアルキルエステルが上記塩基または酸と塩を
形成して存在している。通常、L−フエニルアラ
ニンはかかる反応混合液から晶析分離されるが、
前述の塩がL−フエニルアラニンと共に析出し易
いため、L−フエニルアラニンを充分に高い純度
で得るためには煩雑な分離工程が必要である。ま
た上記のN−アシル−DL−フエニルアラニンを
原料とするL−フエニルアラニンの製造方法にお
いては、反応系中においてN−アシル−DL−フ
エニルアラニンと塩基との塩が酵素の活性を阻害
する傾向にあり、酵素活性の低下が著しい。さら
に、DL−フエニルアラニンアルキルエステルを
原料とするL−フエニルアラニンの製造方法にお
いては、原料としてDL−フエニルアラニンの低
級アルキルエステルを使用することがL−フエニ
ルアラニンの生成が速やかとなり好ましいが、こ
の原料はエステラーゼの作用によらない加水分解
反応によりDL−フエニルアラニンに変換され易
いため、かかる原料を使用する場合には得られる
L−フエニルアラニンの光学純度を充分高くする
ことが難しい。 5−ベンジルヒダントンにヒダントイナーゼを
作用させることによつてL−フエニルアラニンを
製造する方法には、原料である5−ベンジルヒダ
ントインが高価であるばかりでなく、用いられる
ヒダンタイナーゼの活性が充分ではないという欠
点がある。 また、N−アシル−DL−フエニルアラニンメ
チルエステルにセリンプロテイナーゼまたはエス
テラーゼを使用させ、生成したN−アシル−L−
フエニルアラニンを未反応のN−アシル−D−フ
エニルアラニンメチルエステルから分離した後、
塩酸を用いて加水分解することによつてL−フエ
ニルアラニンを製造する方法は、N−アシルフエ
ニルアラニンメチルエステルにおけるエステル残
基の加水分解と酸アミド残基の加水分解とを独立
に実施するため工程が煩雑になるという欠点を有
する。 しかして、本発明の目的は、安価なL−フエニ
ルアラニン前駆体を原料として用い、これに加水
分解酵素を作用させることによつて高純度のL−
フエニルアラニンを簡便に取得しうる工業的に有
利なL−フエニルアラニンの製造法を提供するこ
とにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明によれば、上記の目的は、(1)アスペルギ
ルス(Aspergillus)属に属する糸状菌に由来す
るアミノアシラーゼを、水および水と実質的に混
和しない有機溶媒の存在下に一般式() (式中、R1は低級アルキル基を表わし、R2は水
素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子を表
わす。) で示されるN−アシルフエニルアラニンアルキル
エステル(以下、これをAPAEと略称する)のL
体に作用させることによりL−フエニルアラニン
を生成させ、得られる反応混合液からL−フエニ
ルアラニンの結晶を分離し、酵素を含む水層を、
酵素をAPAEのL体に作用させる工程に循環使用
することを特徴とするL−フエニルアラニンの製
造方法、並びに(2)アスペルギルス(Aspergillus)
属に属する糸状菌に由来するアミノアシラーゼ
を、水の存在下にAPAEのL体に作用させること
によりL−フエニルアラニンを生成させ、得られ
る反応混合液に実質的に混和しない有機溶媒を接
触させることによつて、反応混合液から残存する
APAEのL体もしくはD体またはこれらの混合物
を有機層に抽出分離することを特徴とするL−フ
エニルアラニンの製造方法を提供することによつ
て達成される。 前記一般式()におけるR1およびR2を詳し
く説明する。R1は低級アルキル基を表わし、具
体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基などの直鎖状または分岐状の低級
アルキル基である。R2は水素原子;メチル基、
エチル基などの低級アルキル基;または塩素原
子、真素原子などのハロゲン原子を表わす。
APAEとしては具体的にはN−アセチルフエニル
アラニンメチルエステル、N−アセチルフエニル
アラニンエチルエステル、N−アセチルフエニル
アラニンイソプロピルエステル、N−アセチルフ
エニルアラニンn−ブチルエステラなどのN−ア
セチルフエニルアラニンアルキルエステル;N−
プロピオニルフエニルアラニンメチルエステル、
N−プロピオニルフエニルアラニンエチルエステ
ル、N−プロピオニルフエニルアラニンn−ブチ
ルエステルなどのN−プロピオニルフエニルアラ
ニンアルキルエステル;N−(n−ブチリル)フ
エニルアラニンメチルエステル、N−(n−ブチ
リル)フエニルアラニンエチルエステルなどのN
−(n−ブチリル)フエニルアラニンアルキルエ
ステル;N−クロロアセチルフニルアラニンメチ
ルエステル、N−クロロアセチルフエニルアラニ
ンエチルエステル、N−クロロアセチルフエニル
アラニンイソプロピルエステル、N−クロロアセ
チルフエニルアラニンn−ブチルエステルなどの
N−クロロアセチルフエニルアラニンアルキルエ
ステル;N−プロモアセチルフエニルアラニンメ
チルエステル、N−プロモアセチルフエニルアラ
ニンエチルエステルなどのN−プロモアセチルフ
エニルアラニンアルキルエステルなどが挙げられ
る。これらのAPAEのL体を本発明の方法におい
て原料として用いる。前記一般式()において
R1が炭素数5以上のアルキル基であるかまたは
R2が水素原子、低級アルキル基またはハロゲン
原子のいずれでもないN−アシルフエニルアラニ
ンアルキルエステルのL体を原料として用いる場
合には、酵素の作用による加水分解速度が不充分
となり、好ましい反応成績を得ることができな
い。なお、本発明の方法において原料として
APAEのL体を単独で用いてもよいし、これを
APAEのD体との混合物で用いてもよいが、合成
手段によつて工業的に容易に得られるAPAEのラ
セミ体に用いるのが簡便である。 本発明の方法において用いる酵素は、−(中略)
−または東京化成株式会社製アミノアシラーゼ)
などが例示される。」を「本発明の方法において
用いるアスペルギルス属に属する糸状菌に由来す
るアミノアシラーゼは、APAEのL体を選択的に
加水分解してL−フエニルアラニンを生成する能
力を有しており、その加水分解活性は優れてい
る。上記のアミノアシラーゼは、工業生産されて
おり、容易に入手することができる。かかる酵素
としては、天野製薬株式会社製アシラーゼ「アマ
ノ」または東京化成株式会社製アミノアシラーゼ
などが例示される。本発明の方法におけるL−フ
エニルアラニン生成反応は水層のみからなる均一
系または水層と有機層とからなる不均一系の反応
系中で行われる。酵素は通常、水層中における濃
度が約0.01〜3重量%の範囲内になる量で使用さ
れる。かかる酵素はそのまま反応系中に添加して
使用することもできるが、酵素を共有結合法、架
橋法、包接法など公知の固定化方法により担体に
固体化して得られる固定化酵素を使用することも
できる。かかる担体の具体例としては、ジエチル
アミノエチルセフアデツクス、カラギーナン、ポ
リアクリルアミド、ゼラチン、フイブロイン、ア
ルギン酸塩、ジエチルアミノエチルセルロース、
多孔性ガラス、活性アルミナ、ヒドロキシアパタ
イト、イオン交換樹脂、ポリエチレングリコール
またはポリプロピレングリコールのジアクリレー
トなどをプレポリマーとする光硬化性樹脂などを
挙げることができる。 本発明の方法における反応系に存在させる水の
量は特に限定されないが、APAEの濃度が飽和溶
解度以下になるような量で用いることも、また飽
和溶解度を越えるような量で用いることもでき
る。後者の場合には、反応系はAPAEの飽和水溶
液と未溶解のAPAEとが不均一な液−固二相を形
成するが、本発明の方法を実施するうえで支障と
なることはない。なお、APAEの水に対する飽和
溶解度は、APAEがN−アセチルフエニルアラニ
ンメチルエステルである場合、23℃において1.26
g/100ml水である。 本発明の方法における反応系に水以外に有機溶
媒を共存させることもできる。水に混和性の有機
溶媒を共存させる場合には、水層におけるAPAE
の溶解性を向上させることができる。従つて、水
混和性の有機溶媒を使用する場合には、酵素を含
む水層にAPAEをより高い濃度で溶存させること
ができ、これによつてL−フエニルアラニンをよ
り効率的に生成させることが可能となる。水混和
性の有機溶媒としてはメタノール、エタノール、
プロパノールなどの低級アルコール;アセトン、
メチルエチルケトンのような炭素数4以下のケト
ン;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状
エーテル;エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテルなどのアル
キレングリコールまたはそのモノエーテルもしく
はジエーテルなどが例示される。また、反応系に
水に実質的に混和しない有機溶媒を共存させる場
合には、反応系は水層と有機層の二層系を形成す
る。この反応系において原料であるAPAEは主と
して有機層に分配されることから、用いる有機溶
媒の種類および使用量を選択することにより、酵
素の存在する水層中でのAPAEの濃度をAPAEが
充分に酵素と接触しうるとともにAPAEが酵素に
及ぼす活性阻害効果を制御しうるような好適な一
定の濃度に維持することができる。かかる水非混
和性の有機溶媒を使用する場合には、L−フエニ
ルアラニンを速やかに生成させることができるの
みならず、酵素の活性を長期にわたつて安定に維
持することができる。かかる水非混和性の有機溶
媒としては、塩化メチレン、四塩化炭素、二塩化
エチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素;ベンゾニトリル、プロピオニトリルなどの
炭素数3以上のニトリル;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、プロピオン酸メチル、アジピン酸ジエチルな
どの炭素数4以上のカルボン酸エステル;ジエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、3−ヘプタ
ノン、アセトフエノンなどの炭素数5以上のケト
ン;エチルプロピルエーテル、アニソール、ジブ
チルエーテル、フエネトール、ジフエニルエーテ
ルなどの炭素数5以上のエーテル;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの炭素数6以上の芳香族炭
化水素;n−ヘキサノール、n−オクタノールな
どの炭素数6以上のアルコール;リン酸トリn−
ブチル、リン酸トリn−オクチルなどの炭素数8
以上のリン酸トリエステル;N,N−ジメチルア
ニリン、ジメチルベンジルアミンなどの窒素原子
に結合する置換基のうち少なくとも1つが芳香族
炭化水素基である炭素数8以上の第3級アミンな
どが例示される。これらのうち特にL−フエニル
アラニンの生成が速やかである点において、四塩
化炭素、アジピン酸ジエチル、メチルイソブチル
ケトン、3−ヘプタノン、アニソール、フエネト
ール、n−オクタノール、リン酸トリn−ブチ
ル、リン酸トリn−オクチル、N,N−ジメチル
アニリンなどを用いるのが好ましい。かかる水非
混和性の有機溶媒を使用する場合、反応系中の有
機層と水層の容積比は特に限定されないが、通常
約1/10〜3/1の範囲内であり、原料である
APAEの有機溶媒に対する溶解度にもよるが約
1/10〜1/1の範囲内であることが好ましい。 本発明の方法におけるL−フエニルアラニンの
生成反応は使用する酵素が充分に高い加水分解活
性を発揮しうるPH条件下において実施させること
が望ましい。反応系中の水層のPHは、使用する酵
素の種類によつても異なるが、通常約4〜10の範
囲内、好ましくは5〜9の範囲内、特に好ましく
は6〜8の範囲内である。水層のPHを調整するた
めに、酵素活性に悪い影響を及ぼさない範囲内に
おいて、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸;ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、ベンゼンスルホン酸な
どの有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩;
アンモニア;トリエチルアミンなどの有機アミ
ン;またはリン酸塩緩衝液、トリス緩衝液、
McIlvaine氏緩衝液などの緩衝液を反応系に添加
することができる。本発明の方法においては、
APAEのL体の加水分解により副生する酢酸など
のカルボン酸が反応の進行に伴つて反応系中に蓄
積するため、反応系における水層のPHが低下する
傾向がある。前記の緩衝液は、かかる反応中にお
ける水層のPH低下を抑制しうるため特に好まし
い。また、L−フエニルアラニンの生成反応は使
用する酵素が活性を発揮しうるに最適な温度を選
んで実施することが好ましいが、通常約20〜60℃
の温度範囲内、好ましくは35〜40℃の温度範囲内
において行われる。なお、反応系に少量の金属イ
オンを存在させることにより酵素の活性が向上す
る場合がある。特にコバルトイオンを反応系中に
存在する溶液に対して約10-4〜10-2モル/の範
囲内で存在させることが好ましい。 本発明の方法においては、L−フエニルアラニ
ンの生成反応を撹拌式、振とう式などの混合方法
によるバツチ方式で行うことができるが、反応の
進行とともに原料であるAPAEのL体、水、酵素
などを反応系に添加しかつ生成したL−フエニル
アラニンを含む反応混合液の全部または一部を反
応系から抜取る方法による連続方式で行うことも
できる。反応系に水非混和性の有機溶媒を共存さ
せない場合には、APAEの1体を含む水溶液を固
定化酵素を充填したカラムに流通させることによ
つて連続的に反応を行うこともできる。 得られた反応混合液からのL−フエニルアラニ
ンの分離に際しては、例えばL−フエニルアラニ
ンの水および有機溶媒の両者に対する溶解性の低
さを利用することによつてL−フエニルアラニン
を容易に晶析分離することができる。また、反応
混合液から未反応のAPAEのL体またはこれと
APAEのD体との混合物を回収することもでき
る。反応混合液からのAPAEの回収は、水と水非
混和性の有機溶媒とから二層系におけるAPAEの
有機層への高い分配性を利用することによつて行
われる。すなわち、水非混和性の有機溶媒の不存
在下にL−フエニルアラニンの生成反応を実施す
る場合、必要に応じて、得られる反応混合液から
APAEのL体の加水分解によつて副生する低級ア
ルコールなどを蒸留法などによつて除去したの
ち、蒸留残留液を水非混和性の有機溶媒と接触さ
せることによりAPAEを有機層に抽出分離するこ
とができる。また、水非混和性の有機溶媒の存在
下にL−フエニルアラニンの生成反応を実施する
場合、得られる反応混合液はすでにAPAEを含む
有機層とL−フエニルアラニンおよび酵素を含む
水層との不均一層を形成しているため、分液する
ことによりこれらを容易に分離することができ
る。上述の反応混合液からのL−フエニルアラニ
ンの分離およびAPAEの分離の順序は限定される
ことなく、どちらの分類操作を先に行つてもよ
い。L−フエニルアラニンを晶析分離したのちの
水層中には活性を有する酵素および低濃度のL−
フエニルアラニンが存在している。このため、か
かる酵素を含む水層を反応媒体として反応系に循
環し再使用することが有利である。特に水および
水非混和性の有機溶媒の存在下に反応を行う場合
には、前述したように反応中において酵素は活性
低下を受けにくいため、上記水層の循環使用を行
うことが実用上好ましい。 一方、APAEは前述のようにして有機層中に回
収されるが、L−フエニルアラニンの生成反応が
APAEのL体を消費する反応であるため、APAE
中のL体のD体に対する比率は原料として使用し
たAPAEにおけるその比率に比べて低い。回収さ
れたAPAE中に含まれる未反応のL体はそのまま
原料として反応系に循環し再使用することができ
るが、APAE中のL体の比率が50%よりも低い場
合には、該APAEを塩基の存在下における処理な
どの公知のラセミ化反応に付することによつてラ
セミ体に変換したのち、これを原料として使用す
ることが有利である。回収されたAPAEをそのま
ままたはラセミ化したのち原料として循環再使用
するに先立ち、該APAEを有機層から分離するこ
とは必ずしも必要ではない。すなわち、水および
水非混和性の有機溶媒の存在下に反応を行う場合
には、反応混合液から分離したAPAEを含む有機
層をそのまま反応に循環することが可能である。 このようにして分離されたL−フエニルアラニ
ンは極めて高い光学純度を有する。 〔実施例〕 以下、実施例および参考例により本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例 1 McIlvaine氏緩衝液(PH7)100mlと1.5mM塩
化コバルト水溶液50mlの混合液N−アセチル−
DL−フエニルアラニンメチルエステル2.0gを溶
解した。この溶液を容量0.5の反応器に移し、
アスペルギルス属に属する糸状菌起源のアミノア
シラーゼ(天野製薬株式会社製アシラーゼ「アマ
ノ」)0.25gを投入し、37℃にて振とうしつつ12
時間反応を行つた。反応終了後、液体クロマトグ
ラフイーにより反応混合液(PHは6.15であつた)
の分析を行つた結果、N−アセチルフエニルアラ
ニンメチルエステルの残存量は1.0g(仕込みN
−アセチル−DL−フエニルアラニンメチルエス
テルに対して50モル%)であり、L−フエニルア
ラニンの生成量は0.73g(消費されたN−アセチ
ル−L−フエニルアラニンメチルエステルに対し
て98モル%)であつた。N−アセチルフエニルア
ラニンの副生は痕跡量であつた。反応混合液を加
熱することによつてアミノアシラーゼを凝縮さ
せ、アミノアシラーゼを遠心分離した。得られた
溶液を酢酸ブチル50mlずつを用いて3回抽出する
ことにより、N−アセチルフエニルアラニンメチ
ルエステルを定量的に回収した。抽出残液(水
層)を減圧下に濃縮して15mlの水溶液とし、これ
に晶析操作を行うことによつて0.45gのL−フエ
ニルアラニンを結晶として取得した。得られたL
−フエニルアラニンの光学純度は99%であつた。 参考例 McIlvaine氏緩衝液(PH7)100ml、1.5mM塩
化コバルト水溶液50mlおよびメタノール50mlを混
合し、その溶液にN−アセチル−DL−フエニル
アラニンメチルエステル4gを溶解した以外は実
施例1と同一の条件下にN−アセチル−DL−フ
エニルアラニンメチルエステルの酵素加水分解反
応を実施した。反応終了時の反応混合液のPHは
6.70であつた。液体クロマトグラフイーを用いた
分析によれば、N−アセチルフエニルアラニンメ
チルエステルの残存量は2.20g(仕込みN−アセ
チル−DL−フエニルアラニンメチルエステルに
対して55モル%)であり、L−フエニルアラニン
の生成量は1.30gであつた。さらに反応混合液に
晶析操作を施してL−フエニルアラニン結晶を得
た。得られたL−フエニルアラニンの光学純度は
99%であつた。 参考例 2 アスペルギルス属に属する糸状菌起源のアミノ
アシラーゼ(東京化成株式会社製アミノアシラー
ゼ)0.25gをリン酸緩衝液(PH7.0)5mlに溶解
後、50重量%アクリルアミド水溶液4ml、4重量
%N,N′−メチレンビスアクリルアミド水溶液
4ml、5重量%ジメチルアミノプロピオニトリル
水溶液2.5mlおよび2.5重量%ペルオキソ硫酸カリ
ウム水溶液2.5mlを順次添加し、撹拌混合したの
ち約1時間静置し寒天状ゲルを得た。このゲルを
小片(1辺の長さが約3mmの立方体)に切断し、
McIlvaine氏緩衝液(PH7.0)にて充分に洗浄し
た。アミノアシラーゼとして上記のようにして得
られたポリアクリルアミド固定化アミノアシラー
ゼを用いた以外は実施例1と同一の条件下に反応
を実施した。反応終了時における反応混合液のPH
は6.20であつた。液体クロマトグラフイーを用い
た分析によれば、N−アセチルフエニルアラニン
メチルエステルの残存量は1.0g(仕込みN−ア
セチル−DL−フエニルアラニンメチルエステル
に対して50モル%)であり、L−フエニルアラニ
ンの生成量は0.72g(消費されたN−アセチル−
L−フエニルアラニンメチルエステルに対して96
モル%)であつた。 参考例 3 McIlvaine氏緩衝液(PH8)10mlおよび1.5mM
塩化コバルト水溶液5mlの混合液に実施例1で用
いたものと同じアミノアシラーゼを25mg溶解し、
得られた水溶液を100mlの反応器に移した。N−
アセチル−DL−フエニルアラニンメチルエステ
ル1.0gを3−ヘプタノン5mlに溶解して得られ
た溶液を反応器中の水溶液に添加した。反応器中
の二層を形成した溶液を37℃にて振とうすること
によつて12時間反応させた。反応終了時における
水層のPHは4.95であつた。水層および3−ヘプタ
ノン層を液体クロマトグラフイーおよびガスクロ
マトグラフイーを用いて分析した結果、水層中に
はL−フエニルアラニン0.32g(仕込みN−アセ
チル−DL−フエニルアラニンメチルエステルに
対し42モル%)、N−アセチルフエニルアラニン
0.037g(仕込みN−アセチル−DL−フエニルア
ラニンメチルエステルに対して4.0%)、メタノー
ル0.055g、酢酸0.050gおよびN−アセチルフエ
ニルアラニンメチルエステル0.09gが存在し、3
−ヘプタノン層中にはN−アセチルフエニルアラ
ニンメチルエステル0.44g、メタノール0.013g
および痕跡量のL−フエニルアラニン、N−アセ
チルフエニルアラニン、酢酸が存在していること
が判明した。 参考例 4〜18 参考例3においてN−アセチル−DL−フエニ
ルアラニンメチルエステル1.0gの代りに第1表
に示すAPAEのラセミ体1.0gを用い、かつ3−
ヘプタンノンの代りに第1表に示す水非混和性の
有機溶媒5mlを用いる以外は同様にして反応を行
い、得られた反応混合物いにおける水層のPH測定
および水層の液体クロマトグラフイー測定を行つ
た。その結果を第1表に示す。なお、表中、R1
およびR2は一般式()におけるそれらに相当
する。
本発明によれば上記の実施例から明らかなとお
りAPAEのL体から光学純度の高いL−フエニル
アラニンを高収率で製造することができる。また
本発明によれば、L−フエニルアラニンを高い光
学純度を有する結晶として反応混合液から析出さ
せることができるため、生成したL−フエニルア
ラニンを煩雑な、しかも相当量のユーテイリテイ
消費を伴う分離、精製操作を要することなく極め
て容易に取得することができる。また本発明によ
れば、反応系中における酵素の活性を長期間にわ
たつて維持することができ、反応混合液から回収
した酵素を循環再使用することが可能である。さ
らに本発明によれば、反応混合液から残存する
APAEを容易に回収でき、原料として再使用する
ことができる。
りAPAEのL体から光学純度の高いL−フエニル
アラニンを高収率で製造することができる。また
本発明によれば、L−フエニルアラニンを高い光
学純度を有する結晶として反応混合液から析出さ
せることができるため、生成したL−フエニルア
ラニンを煩雑な、しかも相当量のユーテイリテイ
消費を伴う分離、精製操作を要することなく極め
て容易に取得することができる。また本発明によ
れば、反応系中における酵素の活性を長期間にわ
たつて維持することができ、反応混合液から回収
した酵素を循環再使用することが可能である。さ
らに本発明によれば、反応混合液から残存する
APAEを容易に回収でき、原料として再使用する
ことができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アスペルギルス(Aspergillus)属に属する
糸状菌に由来するアミノアシラーゼを、水および
水と実質的に混和しない有機溶媒の存在下に一般
式 (式中、R1は低級アルキル基を表わし、R2は水
素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子を表
わす。) で示されるN−アシルフエニルアラニンアルキル
エステルのL体に作用させることによりL−フエ
ニルアラニンを生成させ、得られる反応混合液か
らL−フエニルアラニンの結晶を分離し、酵素を
含む水層を、酵素をN−アシルフエニルアラニン
アルキルエステルのL体に作用させる工程に循環
使用することを特徴とするL−フエニルアラニン
の製造方法。 2 アスペルギルス(Aspergillus)属に属する
糸状菌に由来するアミノアシラーゼを、水の存在
下に一般式 (式中、R1は低級アルキル基を表わし、R2は水
素原子、低級アルキル基またはハロゲン原子を表
わす。) で示されるN−アシルフエニルアラニンアルキル
エステルのL体に作用させることによりL−フエ
ニルアラニンを生成させ、得られる反応混合液に
水と実質的に混和しない有機溶媒を接触させるこ
とによつて、反応混合液から残存するN−アシル
フエニルアラニンアルキルエステルのL体もしく
はD体またはこれらの混合物を有機層に抽出分離
することを特徴とするL−フエニルアラニンの製
造方法。 3 酵素を作用させるN−アシルフエニルアラニ
ンアルキルエステルのL体としてN−アシルフエ
ニルアラニンアルキルエステルのL体とN−アシ
ルフエニルアラニンアルキルエステルのD体との
混合物を用いる特許請求の範囲第1項または第2
項記載の製造方法。 4 混合物がN−アシルフエニルアラニンアルキ
ルエステルのラセミ体である特許請求の範囲第3
項記載の製造方法。 5 有機溶媒がハロゲン化炭化水素、炭素数3以
上のニトリル、炭素数4以上のカルボン酸エステ
ル、炭素数5以上のケトン、炭素数5以上のエー
テル、炭素数6以上の芳香族炭化水素、炭素数6
以上のアルコール、炭素数8以上のリン酸トリエ
ステルおよび窒素原子に結合する置換基のうち少
なくとも1つが芳香族炭化水素基である炭素数8
以上の第三級アミンからなる群より選ばれる少な
くとも一種の有機溶媒である特許請求の範囲第1
項または第2項記載の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7612685A JPS61231998A (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | L−フエニルアラニンを製造する方法 |
| DE19863687421 DE3687421T2 (de) | 1985-04-09 | 1986-04-08 | Verfahren zur herstellung von l-phenylalanin. |
| EP86104807A EP0198397B1 (en) | 1985-04-09 | 1986-04-08 | Method of producing l-phenylalanine |
| US06/849,859 US4743547A (en) | 1985-04-09 | 1986-04-09 | Method of producing L-phenylalanine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7612685A JPS61231998A (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | L−フエニルアラニンを製造する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61231998A JPS61231998A (ja) | 1986-10-16 |
| JPH0527391B2 true JPH0527391B2 (ja) | 1993-04-21 |
Family
ID=13596231
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7612685A Granted JPS61231998A (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | L−フエニルアラニンを製造する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61231998A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0765940A4 (en) * | 1995-03-17 | 1999-10-20 | Protein Engineering Research I | CATALYTIC ANTIBODY ENANTIOSELECTIVELY HYDROLYZING AMINO ACID DERIVATIVES |
-
1985
- 1985-04-09 JP JP7612685A patent/JPS61231998A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61231998A (ja) | 1986-10-16 |
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