JPH05279788A - 強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼 - Google Patents
強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼Info
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- JPH05279788A JPH05279788A JP7760292A JP7760292A JPH05279788A JP H05279788 A JPH05279788 A JP H05279788A JP 7760292 A JP7760292 A JP 7760292A JP 7760292 A JP7760292 A JP 7760292A JP H05279788 A JPH05279788 A JP H05279788A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強度および靱性に優れ、例えば自動車車体部
品用として用いることができる熱間鍛造用非調質鋼を提
供する。 【構成】 C: 0.05〜0.25%、Si: 0.10〜1.00%、Mn:
0.50〜3.00%、Cr: 0.30〜3.00%、Mo: 1.00%以下、
B: 0.0005〜0.0050%、Ti: 0.010 〜0.100 %、Al: 0.
010 〜0.100 %、N: 0.0200%以下、残部Feおよび不可
避的不純物からなる鋼組成を有し、下記式1および式2
に規定される関係を満足するとともに、ベイナイト単相
組織から成る強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質
鋼。 Ceq(%)=C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+ 1/2Mo(%)≧1.5(%)・・・ (式1) N(%)≦0.52Al(%) +0.29Ti(%) ・・・・ (式2)
品用として用いることができる熱間鍛造用非調質鋼を提
供する。 【構成】 C: 0.05〜0.25%、Si: 0.10〜1.00%、Mn:
0.50〜3.00%、Cr: 0.30〜3.00%、Mo: 1.00%以下、
B: 0.0005〜0.0050%、Ti: 0.010 〜0.100 %、Al: 0.
010 〜0.100 %、N: 0.0200%以下、残部Feおよび不可
避的不純物からなる鋼組成を有し、下記式1および式2
に規定される関係を満足するとともに、ベイナイト単相
組織から成る強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質
鋼。 Ceq(%)=C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+ 1/2Mo(%)≧1.5(%)・・・ (式1) N(%)≦0.52Al(%) +0.29Ti(%) ・・・・ (式2)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度および靱性に優
れ、例えば自動車車体部品用として用いることができる
熱間鍛造用非調質鋼に関する。
れ、例えば自動車車体部品用として用いることができる
熱間鍛造用非調質鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】従来にあっても、例えば自動車車体部品
など多くの機械部品は、熱間圧延後に熱間鍛造を行われ
て成形された後、強度・靱性等の材質特性の改善を目的
に焼入れ、焼戻しの熱処理からなる調質処理を行われ、
さらに切削、研摩等の機械加工を施されて、最終製品に
仕上げられていた。したがって、この調質処理は部品の
機械的性質を所望の値に調整するための熱処理として極
めて有用であり、従来より必須の処理であると考えられ
てきた。
など多くの機械部品は、熱間圧延後に熱間鍛造を行われ
て成形された後、強度・靱性等の材質特性の改善を目的
に焼入れ、焼戻しの熱処理からなる調質処理を行われ、
さらに切削、研摩等の機械加工を施されて、最終製品に
仕上げられていた。したがって、この調質処理は部品の
機械的性質を所望の値に調整するための熱処理として極
めて有用であり、従来より必須の処理であると考えられ
てきた。
【0003】しかしながら、今日のように製造ラインの
合理化、生産性の向上が強く叫ばれている状況下では、
熱処理工程の省略合理化、熱処理の熱エネルギー節約合
理化、焼入れ時の焼割れ防止による生産性向上、さらに
は焼入れ時の変形防止による生産性の向上等を主たる目
的として、調質処理を省略することが考えられ、そのた
めにV等の析出強化元素を添加して析出強化と組織の微
細化とを利用し、鍛造ままで所定の強度および靱性を備
えた、いわゆる非調質鋼が種々提案されている。
合理化、生産性の向上が強く叫ばれている状況下では、
熱処理工程の省略合理化、熱処理の熱エネルギー節約合
理化、焼入れ時の焼割れ防止による生産性向上、さらに
は焼入れ時の変形防止による生産性の向上等を主たる目
的として、調質処理を省略することが考えられ、そのた
めにV等の析出強化元素を添加して析出強化と組織の微
細化とを利用し、鍛造ままで所定の強度および靱性を備
えた、いわゆる非調質鋼が種々提案されている。
【0004】例えば、特公昭60−13421 号公報には、
C:0.60%以下( 本明細書においては特にことわりがな
い限り「%」は「重量%」を意味するものとする) 、S
i:2.5%以下、Mn:2.0 %以下、S:0.40%以下、Te:
0.10%以下 (ただし、Te/Sの比は0.04以上) 、および
V:0.5 %以下およびNb:0.5 %以下から選ばれた1種
または2種を含有し、残部が実質的にFeからなる合金組
成を有し、基地中に存在する硫化物系介在物のうち長径
5μm 以上の大型のものは大部分が長短径比が10以下で
ある非調質構造用鋼が提案されており、硫化物系介在物
の形態が前記条件を満足すれば、熱間加工のままでも機
械的異方性が小さく被削性が優れるとしている。
C:0.60%以下( 本明細書においては特にことわりがな
い限り「%」は「重量%」を意味するものとする) 、S
i:2.5%以下、Mn:2.0 %以下、S:0.40%以下、Te:
0.10%以下 (ただし、Te/Sの比は0.04以上) 、および
V:0.5 %以下およびNb:0.5 %以下から選ばれた1種
または2種を含有し、残部が実質的にFeからなる合金組
成を有し、基地中に存在する硫化物系介在物のうち長径
5μm 以上の大型のものは大部分が長短径比が10以下で
ある非調質構造用鋼が提案されており、硫化物系介在物
の形態が前記条件を満足すれば、熱間加工のままでも機
械的異方性が小さく被削性が優れるとしている。
【0005】特公昭63−39659 号公報には、C:0.23%
を越え0.30%未満、Si:0.1 〜0.6%、Mn:0.8 〜2.5
%、Ti:0.005 〜3.0 N%、Nb:0.01〜0.1 %、sol.A
l:0.001 〜0.05%、S:0.030 %を越え0.080 %迄、
N:0.005 %未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなる靱性と被削性の優れた非調質鋼が提案され
ている。すなわち、熱間圧延のままで直ちに切削するだ
けで機械構造部材ないし部品に使用される鋼材、または
熱間圧延後の熱間鍛造により成形される機械構造部材な
いし部品に使用される鋼材において、C量を低く抑制す
るとともにNbを0.01〜0.1 %添加し、Ti≦3.0 ×Nの関
係を満足することにより、調質処理材と同等ないしそれ
以上の強度、靱性を圧延まま又は熱間鍛造ままの状態に
おいて付与し、調質処理を省略可能とした非調質鋼が提
案されている。
を越え0.30%未満、Si:0.1 〜0.6%、Mn:0.8 〜2.5
%、Ti:0.005 〜3.0 N%、Nb:0.01〜0.1 %、sol.A
l:0.001 〜0.05%、S:0.030 %を越え0.080 %迄、
N:0.005 %未満を含有し、残部がFeおよび不可避的不
純物よりなる靱性と被削性の優れた非調質鋼が提案され
ている。すなわち、熱間圧延のままで直ちに切削するだ
けで機械構造部材ないし部品に使用される鋼材、または
熱間圧延後の熱間鍛造により成形される機械構造部材な
いし部品に使用される鋼材において、C量を低く抑制す
るとともにNbを0.01〜0.1 %添加し、Ti≦3.0 ×Nの関
係を満足することにより、調質処理材と同等ないしそれ
以上の強度、靱性を圧延まま又は熱間鍛造ままの状態に
おいて付与し、調質処理を省略可能とした非調質鋼が提
案されている。
【0006】特開昭62−74055 号公報には、C:0.10〜
0.25%、Si:0.05〜1.0 %、Mn:0.6 〜2.5 %、Cr:2.
0 %以下、V:0.03〜0.30%、Al:0.015 〜0.060 %、
N:0.003 〜0.020 %を含有し、残部Feおよび不純物か
らなり、かつMn、Cr、Vの含有量が、(Mn +Cr)/V≧8.
0 の式を満足する熱間鍛造用高靱性非調質鋼が提案され
ている。熱間圧延および鍛造後の冷却段階に炭窒化物を
形成して鋼を強化するVの含有量と、組織を微細化して
靱性を向上させるMnおよびCrの含有量とのバランスを考
慮して、調質処理材と同等の強度および靱性を確保でき
るとしている。
0.25%、Si:0.05〜1.0 %、Mn:0.6 〜2.5 %、Cr:2.
0 %以下、V:0.03〜0.30%、Al:0.015 〜0.060 %、
N:0.003 〜0.020 %を含有し、残部Feおよび不純物か
らなり、かつMn、Cr、Vの含有量が、(Mn +Cr)/V≧8.
0 の式を満足する熱間鍛造用高靱性非調質鋼が提案され
ている。熱間圧延および鍛造後の冷却段階に炭窒化物を
形成して鋼を強化するVの含有量と、組織を微細化して
靱性を向上させるMnおよびCrの含有量とのバランスを考
慮して、調質処理材と同等の強度および靱性を確保でき
るとしている。
【0007】また、本発明者らは、特開昭62−187545号
公報により、C:0.05〜0.6 %を含有する炭素鋼もしく
は低合金鋼の溶鋼から鋼塊もしくは鋼片を製造する工程
において、溶鋼を鋳込んだ後、1400〜1000℃の間を2℃
/分以上の冷却速度で冷却することにより、MnS、Ti
N、ZrN、Al2O3 、SiO2等の非金属介在物の微細分散を
実現でき、高靱性非調質鋼を製造する方法を、特開昭62
−196359号公報により、C:0.1 〜0.6 %、Si:0.02〜
2.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、P:0.05%以下、S:0.05
%以下、Zr:0.001 〜0.3 %、Al:0.001 〜0.1 %、
N:0.001 〜0.02%を含有し、さらにCr:0.01〜3.0
%、Cu:0.01〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0 %、Mo:0.01〜
1.0 %、V:0.001 〜1.0 %、Nb:0.001 〜0.30%およ
びTi:0.001 〜0.30%の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物から成る鋼を使用すること
により、Zrの作用により、MnS、TiN、ZrN、Al2O3 、
SiO2等の非金属介在物のうち、硫化物が極めて微細に分
散するようになるばかりか、酸化物も極めて微細に分散
し、熱間鍛造前の高温加熱時のオーステナイト結晶粒の
粗大化が抑制されるとともに微細に分散した多数の介在
物が変態の核として作用するため、非調質鋼の最終組織
は微細化されて靱性が向上する方法を、特開昭62−2020
54号公報により、C:0.05〜0.35%、Si:0.02〜2.0
%、Mn:0.1 〜3.0 %、P:0.05%以下、S:0.05%以
下、Cr:0.1 〜3.0 %、B:0.0005〜0.01%、Ti:0.00
3 〜0.3 %、Zr:0.001 〜0.5 %、Al:0.001 〜0.1
%、N:0.001 〜0.02%、残部Feおよび不可避的不純物
から成る鋼を使用することにより、特開昭62−196359号
公報により提案した熱間鍛造用非調質鋼と同様に、非調
質鋼の最終組織が微細化されて靱性が向上する方法を、
特開昭62−207821号公報により、C:0.05〜0.35%、S
i:0.02〜2.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、P:0.05%以
下、S:0.05%以下、Cr:0.1 〜3.0 %、B:0.0005〜
0.01%、Ti:0.003 〜0.3 %、Zr:0.001〜0.5 %、Al:
0.001〜0.1 %、N:0.001 〜0.02%、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼を、溶鋼から鋳込み後、1400〜
1000℃の温度範囲で2℃/分以上の冷却速度で冷却する
ことにより、特開昭62−196359号公報により提案した熱
間鍛造用非調質鋼と同様に、非調質鋼の最終組織が微細
化されて靱性が向上する方法をそれぞれ提案した。
公報により、C:0.05〜0.6 %を含有する炭素鋼もしく
は低合金鋼の溶鋼から鋼塊もしくは鋼片を製造する工程
において、溶鋼を鋳込んだ後、1400〜1000℃の間を2℃
/分以上の冷却速度で冷却することにより、MnS、Ti
N、ZrN、Al2O3 、SiO2等の非金属介在物の微細分散を
実現でき、高靱性非調質鋼を製造する方法を、特開昭62
−196359号公報により、C:0.1 〜0.6 %、Si:0.02〜
2.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、P:0.05%以下、S:0.05
%以下、Zr:0.001 〜0.3 %、Al:0.001 〜0.1 %、
N:0.001 〜0.02%を含有し、さらにCr:0.01〜3.0
%、Cu:0.01〜1.0 %、Ni:0.01〜2.0 %、Mo:0.01〜
1.0 %、V:0.001 〜1.0 %、Nb:0.001 〜0.30%およ
びTi:0.001 〜0.30%の1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避的不純物から成る鋼を使用すること
により、Zrの作用により、MnS、TiN、ZrN、Al2O3 、
SiO2等の非金属介在物のうち、硫化物が極めて微細に分
散するようになるばかりか、酸化物も極めて微細に分散
し、熱間鍛造前の高温加熱時のオーステナイト結晶粒の
粗大化が抑制されるとともに微細に分散した多数の介在
物が変態の核として作用するため、非調質鋼の最終組織
は微細化されて靱性が向上する方法を、特開昭62−2020
54号公報により、C:0.05〜0.35%、Si:0.02〜2.0
%、Mn:0.1 〜3.0 %、P:0.05%以下、S:0.05%以
下、Cr:0.1 〜3.0 %、B:0.0005〜0.01%、Ti:0.00
3 〜0.3 %、Zr:0.001 〜0.5 %、Al:0.001 〜0.1
%、N:0.001 〜0.02%、残部Feおよび不可避的不純物
から成る鋼を使用することにより、特開昭62−196359号
公報により提案した熱間鍛造用非調質鋼と同様に、非調
質鋼の最終組織が微細化されて靱性が向上する方法を、
特開昭62−207821号公報により、C:0.05〜0.35%、S
i:0.02〜2.0 %、Mn:0.1 〜3.0 %、P:0.05%以
下、S:0.05%以下、Cr:0.1 〜3.0 %、B:0.0005〜
0.01%、Ti:0.003 〜0.3 %、Zr:0.001〜0.5 %、Al:
0.001〜0.1 %、N:0.001 〜0.02%、残部Feおよび不
可避的不純物からなる鋼を、溶鋼から鋳込み後、1400〜
1000℃の温度範囲で2℃/分以上の冷却速度で冷却する
ことにより、特開昭62−196359号公報により提案した熱
間鍛造用非調質鋼と同様に、非調質鋼の最終組織が微細
化されて靱性が向上する方法をそれぞれ提案した。
【0008】また、特開昭63−199848号公報には、C:
0.10〜0.60%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.3 〜2.5 %、
Cr:2.0 %以下、V:0.03〜0.30%、S:0.12%以下、
Al:0.020 %未満、N:0.005 〜0.020 %、O:0.0030
%以下、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ、
V、Mn、CrおよびS量が、(i) C量が0.35%未満のと
き、Veq=V+Mn/5+Cr/4−11S/5 ≧0.25を満たし、(i
i)C量が0.35%以上のとき、Veq=V+Mn/3+Cr/4−6S
/5≧0.25を満たす耐疲労性および切削性に優れた熱間鍛
造用非調質鋼が提案されている。
0.10〜0.60%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.3 〜2.5 %、
Cr:2.0 %以下、V:0.03〜0.30%、S:0.12%以下、
Al:0.020 %未満、N:0.005 〜0.020 %、O:0.0030
%以下、残部Feおよび不可避的不純物よりなり、かつ、
V、Mn、CrおよびS量が、(i) C量が0.35%未満のと
き、Veq=V+Mn/5+Cr/4−11S/5 ≧0.25を満たし、(i
i)C量が0.35%以上のとき、Veq=V+Mn/3+Cr/4−6S
/5≧0.25を満たす耐疲労性および切削性に優れた熱間鍛
造用非調質鋼が提案されている。
【0009】公知の調質鋼の成分系をそのまま用いて単
に調質処理を省略することにより非調質化を図ると、強
度および靱性は調質鋼に比較して著しく劣る。したがっ
て、前述の公知の非調質鋼では、化学成分を厳格に調整
し、炭窒化物の析出強化による強度向上を図るととも
に、同じく炭窒化物を利用した結晶粒微細化による靱性
向上を図る対策が採られていた。
に調質処理を省略することにより非調質化を図ると、強
度および靱性は調質鋼に比較して著しく劣る。したがっ
て、前述の公知の非調質鋼では、化学成分を厳格に調整
し、炭窒化物の析出強化による強度向上を図るととも
に、同じく炭窒化物を利用した結晶粒微細化による靱性
向上を図る対策が採られていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】現在、引張強さ80kgf/
mm2 級の非調質鋼は、前述の様々な従来の技術により実
用化されている。しかし、最近では、工程省略のような
コスト低減を目的に非調質鋼を製造する段階からは一歩
進み、地球環境問題の改善に直結する自動車の排ガス量
低減(燃費改善)のための車体の軽量化 (高強度化) を
目的に、引張強度が100kgf/mm2超の高強度非調質鋼に対
する開発ニーズが高まってきた。
mm2 級の非調質鋼は、前述の様々な従来の技術により実
用化されている。しかし、最近では、工程省略のような
コスト低減を目的に非調質鋼を製造する段階からは一歩
進み、地球環境問題の改善に直結する自動車の排ガス量
低減(燃費改善)のための車体の軽量化 (高強度化) を
目的に、引張強度が100kgf/mm2超の高強度非調質鋼に対
する開発ニーズが高まってきた。
【0011】しかしながら、一般的に強度と靱性とは相
反する性質のものであり、強度が高くなると靱性が低下
してしまうという問題があり、前述の従来の非調質鋼の
強度を単に上げても、自動車車体用として満足し得る靱
性を備えた高強度非調質鋼を得ることはできなかった。
反する性質のものであり、強度が高くなると靱性が低下
してしまうという問題があり、前述の従来の非調質鋼の
強度を単に上げても、自動車車体用として満足し得る靱
性を備えた高強度非調質鋼を得ることはできなかった。
【0012】ここに、本発明の目的は、強度および靱性
に優れ、例えば自動車車体部品用として用いることがで
きる熱間鍛造用非調質鋼を提供することにあり、より具
体的には、引張強度:100kgf/mm2以上、シャルピー衝撃
試験における吸収エネルギー:常温で5.0kgf−m 以上、
−50℃で1.5kgf−m 以上である熱間鍛造用非調質鋼を提
供することにある。
に優れ、例えば自動車車体部品用として用いることがで
きる熱間鍛造用非調質鋼を提供することにあり、より具
体的には、引張強度:100kgf/mm2以上、シャルピー衝撃
試験における吸収エネルギー:常温で5.0kgf−m 以上、
−50℃で1.5kgf−m 以上である熱間鍛造用非調質鋼を提
供することにある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記問
題点を解決するために種々検討を重ねた結果、以下に列
記する内容の重要な知見を得て、本発明を完成した。
題点を解決するために種々検討を重ねた結果、以下に列
記する内容の重要な知見を得て、本発明を完成した。
【0014】組織をベイナイト単相組織とすることに
より、調質処理を行わなくとも調質鋼と同等の強度およ
び靱性をともに確保できる。このベイナイト単相組織を
安定して得るためには、Si、Mn、CrおよびMo量それぞれ
の厳密な制御が必要である。
より、調質処理を行わなくとも調質鋼と同等の強度およ
び靱性をともに確保できる。このベイナイト単相組織を
安定して得るためには、Si、Mn、CrおよびMo量それぞれ
の厳密な制御が必要である。
【0015】Bには、焼入性を向上させるのみではな
く、靱性をも著しく向上させる効果もある。かかるBの
効果を充分発揮させるためには、BとNとの結合を防ぐ
ために、TiおよびAlを適量添加し、B、Ti、AlおよびN
量それぞれを厳密に制御する。
く、靱性をも著しく向上させる効果もある。かかるBの
効果を充分発揮させるためには、BとNとの結合を防ぐ
ために、TiおよびAlを適量添加し、B、Ti、AlおよびN
量それぞれを厳密に制御する。
【0016】ここに、本発明の要旨とするところは、重
量%で、C: 0.05〜0.25%、 Si: 0.10〜1.00%、
Mn: 0.50〜3.00%、P:0.025%以下、 S: 0.10
0 %以下、 Cr: 0.30〜3.00%、Mo: 1.00%以下、
B: 0.0005〜0.0050%、Ti: 0.010 〜0.100 %、A
l: 0.010 〜0.100 %、N: 0.0200%以下、さらに、必
要に応じて下記群〜のうちの1種以上、 Cu: 1.00%以下、V: 0.01〜0.30%およびNi: 1.00%
以下の1種または2種以上、 Nb: 0.010 〜0.100 %、 Pb: 0.50%以下、Ca: 0.0100%以下、Te: 0.20%以
下、Se: 0.50%以下およびBi: 0.40%以下の1種または
2種以上、 残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、下
記式1および式2に規定される関係を満足するととも
に、ベイナイト単相組織から成ることを特徴とする強度
および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼である。 Ceq(%)=C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+ 1/2Mo(%)≧1.5(%)・・・・ (式1) N(%)≦0.52Al(%) +0.29Ti(%) ・・・・ (式2)
量%で、C: 0.05〜0.25%、 Si: 0.10〜1.00%、
Mn: 0.50〜3.00%、P:0.025%以下、 S: 0.10
0 %以下、 Cr: 0.30〜3.00%、Mo: 1.00%以下、
B: 0.0005〜0.0050%、Ti: 0.010 〜0.100 %、A
l: 0.010 〜0.100 %、N: 0.0200%以下、さらに、必
要に応じて下記群〜のうちの1種以上、 Cu: 1.00%以下、V: 0.01〜0.30%およびNi: 1.00%
以下の1種または2種以上、 Nb: 0.010 〜0.100 %、 Pb: 0.50%以下、Ca: 0.0100%以下、Te: 0.20%以
下、Se: 0.50%以下およびBi: 0.40%以下の1種または
2種以上、 残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、下
記式1および式2に規定される関係を満足するととも
に、ベイナイト単相組織から成ることを特徴とする強度
および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼である。 Ceq(%)=C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+ 1/2Mo(%)≧1.5(%)・・・・ (式1) N(%)≦0.52Al(%) +0.29Ti(%) ・・・・ (式2)
【0017】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明は、略述すれば、C: 0.05〜0.25%、B: 0.0005〜
0.0050%を有する鋼において、特にC、Si、Mn、Cr、Mo
量が [式1] を満足するように制御することによりベイ
ナイト組織として強度・靱性の向上を図るとともに、
N、Al、Ti量が[式2] を満足するように制御すること
により鋼中のNをTiおよびAlにより固定し、Bによる靱
性向上を図ることにより、調質鋼と同等の強度および靱
性を得ることができる。本発明にかかる強度および靱性
に優れた熱間鍛造用非調質鋼において、組成を限定する
理由を詳細に説明する。
発明は、略述すれば、C: 0.05〜0.25%、B: 0.0005〜
0.0050%を有する鋼において、特にC、Si、Mn、Cr、Mo
量が [式1] を満足するように制御することによりベイ
ナイト組織として強度・靱性の向上を図るとともに、
N、Al、Ti量が[式2] を満足するように制御すること
により鋼中のNをTiおよびAlにより固定し、Bによる靱
性向上を図ることにより、調質鋼と同等の強度および靱
性を得ることができる。本発明にかかる強度および靱性
に優れた熱間鍛造用非調質鋼において、組成を限定する
理由を詳細に説明する。
【0018】C: 0.05〜0.25% Cは、鋼に所定の静的強度を付与するのに有効な元素で
あり、例えば自動車車体部品用鋼としての最低限の静的
強度を得るために0.05%以上添加される。一方、0.25%
を越えると後述するBによる靱性向上効果が低減してし
まう。そこで、本発明では、C含有量は0.05%以上0.25
%以下と限定する。
あり、例えば自動車車体部品用鋼としての最低限の静的
強度を得るために0.05%以上添加される。一方、0.25%
を越えると後述するBによる靱性向上効果が低減してし
まう。そこで、本発明では、C含有量は0.05%以上0.25
%以下と限定する。
【0019】Si: 0.10〜1.00% Siは、鋼の脱酸に有効であるとともに所定の静的強度を
付与するのにも有効な元素である。最低限の静的強度を
付与するためには0.10%以上が必要である。しかし、1.
00%を越えると粒界に偏析して、粒界脆化が著しくな
り、靱性が低下する。そこで、本発明では、Si含有量は
0.10%以上1.00%以下と限定する。
付与するのにも有効な元素である。最低限の静的強度を
付与するためには0.10%以上が必要である。しかし、1.
00%を越えると粒界に偏析して、粒界脆化が著しくな
り、靱性が低下する。そこで、本発明では、Si含有量は
0.10%以上1.00%以下と限定する。
【0020】Mn: 0.50〜3.00% Mnは、Si同様に鋼の脱酸に有効な元素であり、また焼入
性を向上させるのに有効な元素である。かかる効果を充
分奏するために0.50%以上添加されるが、3.00%を
越えて添加されると粒界脆化を生じ、靱性を低下させ
る。そこで、本発明では、Mn含有量は0.50%以上3.00
%以下と限定する。
性を向上させるのに有効な元素である。かかる効果を充
分奏するために0.50%以上添加されるが、3.00%を
越えて添加されると粒界脆化を生じ、靱性を低下させ
る。そこで、本発明では、Mn含有量は0.50%以上3.00
%以下と限定する。
【0021】P: 0.025 %以下 Pは、粒界に偏析して靱性を低下する。特に、含有量が
0.025 %を越えるとかかる影響は大きくなる。そこで、
本発明では、P含有量は、0.025 %以下と限定する。
0.025 %を越えるとかかる影響は大きくなる。そこで、
本発明では、P含有量は、0.025 %以下と限定する。
【0022】S:0.100 %以下 Sは、MnSとなって切削性を向上させる働きがあると同
時に、結晶粒の微細化および靱性を向上させる働きがあ
る。しかしながら、0.100%を越えて添加すると巨大なM
nSが生成し、疲労特性を低下させる。そこで、本発明
では、S含有量は0.100 %以下と限定する。
時に、結晶粒の微細化および靱性を向上させる働きがあ
る。しかしながら、0.100%を越えて添加すると巨大なM
nSが生成し、疲労特性を低下させる。そこで、本発明
では、S含有量は0.100 %以下と限定する。
【0023】Cr: 0.30〜3.00% Crは、鋼に所定の焼入性を付与するとともに静的強度を
向上させるのに有効な元素である。かかる効果を充分に
奏するためには、0.30%以上添加されることが有効であ
るが、3.00%を越えて添加するとCr炭化物が生成し、靱
性を低下させる。そこで、本発明では、Cr含有量は0.30
%以上3.00%以下と限定する。
向上させるのに有効な元素である。かかる効果を充分に
奏するためには、0.30%以上添加されることが有効であ
るが、3.00%を越えて添加するとCr炭化物が生成し、靱
性を低下させる。そこで、本発明では、Cr含有量は0.30
%以上3.00%以下と限定する。
【0024】Mo: 1.00%以下 Moは、鋼に所定の焼入性を付与し、静的強度および靱性
を向上させるのに有効な元素である。しかし、1.00%を
越えて添加してもその効果は飽和し、経済性を損なうば
かりである。そこで、本発明では、Mn含有量は1.00%以
下と限定する。
を向上させるのに有効な元素である。しかし、1.00%を
越えて添加してもその効果は飽和し、経済性を損なうば
かりである。そこで、本発明では、Mn含有量は1.00%以
下と限定する。
【0025】B:0.0005〜0.0050% Bには、焼入性を向上させるとともに靱性を向上させる
効果がある。その効果を充分発揮させるために0.0005%
以上添加するが、0.0050%を越えて添加すると、結晶粒
が粗大化し靱性が低下する。そこで、本発明では、B含
有量は0.0005%以上0.0050%以下と限定する。
効果がある。その効果を充分発揮させるために0.0005%
以上添加するが、0.0050%を越えて添加すると、結晶粒
が粗大化し靱性が低下する。そこで、本発明では、B含
有量は0.0005%以上0.0050%以下と限定する。
【0026】Ti:0.010 〜0.100 % Tiには、TiNとして窒化物を生成させ、結晶粒を微細化
する効果がある。また、本発明ではB添加により強度お
よび靱性の向上を図るために、Tiを添加して窒化物を生
成させNをTiにより固定する必要がある。このために必
要な最低限の添加量は0.010 %である。一方、0.100 %
を越えて含有させると巨大なTi窒化物が生成し、靱性を
著しく低下させる。そこで、本発明では、Ti含有量は0.
010 %以上0.100 %以下と限定する。
する効果がある。また、本発明ではB添加により強度お
よび靱性の向上を図るために、Tiを添加して窒化物を生
成させNをTiにより固定する必要がある。このために必
要な最低限の添加量は0.010 %である。一方、0.100 %
を越えて含有させると巨大なTi窒化物が生成し、靱性を
著しく低下させる。そこで、本発明では、Ti含有量は0.
010 %以上0.100 %以下と限定する。
【0027】Al:0.010 〜0.100 % Alは、SiやMnと同様に鋼の脱酸に有効な元素である。ま
た、Al窒化物を生成して結晶粒を微細化する効果も有す
る。また、本発明の目的であるB添加による強度および
靱性の向上を図るためには、前述のTiに加え、Alを添加
し、Nを固定する必要がある。かかる作用を奏するため
に、0.010 %以上添加する。一方、0.100 %を越えて添
加すると巨大なAl酸化物が生成し、疲労強度を低下させ
るとともに、結晶粒の粗大化により靱性が低下する。そ
こで、本発明では、Al含有量は0.010 %以上0.100 %以
下と限定する。
た、Al窒化物を生成して結晶粒を微細化する効果も有す
る。また、本発明の目的であるB添加による強度および
靱性の向上を図るためには、前述のTiに加え、Alを添加
し、Nを固定する必要がある。かかる作用を奏するため
に、0.010 %以上添加する。一方、0.100 %を越えて添
加すると巨大なAl酸化物が生成し、疲労強度を低下させ
るとともに、結晶粒の粗大化により靱性が低下する。そ
こで、本発明では、Al含有量は0.010 %以上0.100 %以
下と限定する。
【0028】N:0.0200%以下 Nには、TiやAl等と結合して窒化物を生成し、結晶粒を
微細化する効果がある。本発明の目的であるB添加によ
る強度および靱性の向上を図るためには、NをTi、Alで
固定する必要があるが、0.0200%を越えて添加すると、
Ti、AlによるNの固定は困難となり、Bによる強度およ
び靱性の向上効果が減少する。そこで、本発明では、N
含有量は0.0200%以下と限定する。上記以外の組成は、
Feおよび不可避的不純物である。
微細化する効果がある。本発明の目的であるB添加によ
る強度および靱性の向上を図るためには、NをTi、Alで
固定する必要があるが、0.0200%を越えて添加すると、
Ti、AlによるNの固定は困難となり、Bによる強度およ
び靱性の向上効果が減少する。そこで、本発明では、N
含有量は0.0200%以下と限定する。上記以外の組成は、
Feおよび不可避的不純物である。
【0029】本発明は、以上の元素 (C、Si、Mn、P、
S、Cr、Mo、B、Ti、AlおよびN)を所定量含有する、
自動車車体部品用として好適な熱間鍛造用非調質鋼であ
るが、さらに下記に列記する元素から成る群から選ばれ
た1種または2種以上を必要に応じて添加することによ
り、自動車車体部品用としての適性をより高めることが
できる。
S、Cr、Mo、B、Ti、AlおよびN)を所定量含有する、
自動車車体部品用として好適な熱間鍛造用非調質鋼であ
るが、さらに下記に列記する元素から成る群から選ばれ
た1種または2種以上を必要に応じて添加することによ
り、自動車車体部品用としての適性をより高めることが
できる。
【0030】Cu:1.00%以下 Cuは、鋼の静的強度を向上させるのに有効な元素であ
る。その効果を発揮させるためには適宜添加すればよい
が、1.00%を越えて含有させると熱間加工性が低下す
る。そこで、Cuを添加する場合には、その含有量は1.00
%以下と限定することが望ましい。
る。その効果を発揮させるためには適宜添加すればよい
が、1.00%を越えて含有させると熱間加工性が低下す
る。そこで、Cuを添加する場合には、その含有量は1.00
%以下と限定することが望ましい。
【0031】V:0.01〜0.30% Vは、鋼の高温強度を向上させるのに有効な元素であ
る。その効果を十分発揮させるためには0.01%以上含有
するが、0.30%を越えて含有させるとCu同様熱間加工性
が低下する。そこで、Vを添加する場合には、その含有
量は0.01%以上0.30%以下と限定することが望ましい。
る。その効果を十分発揮させるためには0.01%以上含有
するが、0.30%を越えて含有させるとCu同様熱間加工性
が低下する。そこで、Vを添加する場合には、その含有
量は0.01%以上0.30%以下と限定することが望ましい。
【0032】Ni:1.00%以下 Niは、鋼に所定の焼入性を付与し、静的強度および靱性
を向上させる。しかし、1.00%を越えて添加してもその
効果は飽和し、経済性を損なう。そこで、Niを添加する
場合には、その含有量は1.00%以下と限定することが望
ましい。
を向上させる。しかし、1.00%を越えて添加してもその
効果は飽和し、経済性を損なう。そこで、Niを添加する
場合には、その含有量は1.00%以下と限定することが望
ましい。
【0033】Nb: 0.010 〜0.100 % Nbは、窒化物を形成し結晶粒を微細化し、靱性を向上さ
せる効果がある。その効果を十分に発揮させるために0.
010 %以上添加する。しかし、0.100 %を越えて添加し
てもその効果は飽和するとともに、熱間加工性を低下さ
せる。そこで、Nbを添加する場合には、その含有量は0.
010 %以上0.100 %以下と限定することが望ましい。
せる効果がある。その効果を十分に発揮させるために0.
010 %以上添加する。しかし、0.100 %を越えて添加し
てもその効果は飽和するとともに、熱間加工性を低下さ
せる。そこで、Nbを添加する場合には、その含有量は0.
010 %以上0.100 %以下と限定することが望ましい。
【0034】Pb:0.50%以下 Pbは、切削性を向上させる元素であるが、0.50%を越え
て添加すると疲労特性が著しく低下する。そこで、Pbを
添加する場合には、その含有量は0.50%以下と限定する
ことが望ましい。
て添加すると疲労特性が著しく低下する。そこで、Pbを
添加する場合には、その含有量は0.50%以下と限定する
ことが望ましい。
【0035】Ca:0.0100%以下 Caは、Pbと同様に、切削性を向上させる元素であるが、
0.0100%を越えて添加すると靱性が著しく低下する。そ
こで、Caを添加する場合には、その含有量は0.0100%以
下と限定することが望ましい。
0.0100%を越えて添加すると靱性が著しく低下する。そ
こで、Caを添加する場合には、その含有量は0.0100%以
下と限定することが望ましい。
【0036】Te:0.20%以下 Teは、Sと同様に、切削性を向上させる元素である。し
かし、0.20%を越えて添加すると靱性を低下させる。そ
こで、Teを添加する場合には、その含有量は0.20%以下
と限定することが望ましい。
かし、0.20%を越えて添加すると靱性を低下させる。そ
こで、Teを添加する場合には、その含有量は0.20%以下
と限定することが望ましい。
【0037】Se:0.50%以下 Seは、前記のSやTeと同様に、切削性を向上させる元素
である。しかし、0.50%を越えて添加すると靱性を低下
させる。そこで、Seを添加する場合には、その含有量は
0.50%以下と限定することが望ましい。
である。しかし、0.50%を越えて添加すると靱性を低下
させる。そこで、Seを添加する場合には、その含有量は
0.50%以下と限定することが望ましい。
【0038】Bi:0.40%以下 Biは、前記のS、TeさらにはSeと同様に、切削性を向上
させる元素である。しかし、0.40%を越えて添加すると
靱性を低下させる。そこで、Biを添加する場合には、そ
の含有量は0.40%以下と限定することが望ましい。
させる元素である。しかし、0.40%を越えて添加すると
靱性を低下させる。そこで、Biを添加する場合には、そ
の含有量は0.40%以下と限定することが望ましい。
【0039】さらに、本発明では、 Ceq(%)=C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+1/2Mo(%)≧1.5(%) ・・・ (式1) N(%)≦0.52Al(%) +0.29Ti(%) ・・・・ (式2) と限定する。この理由を以下に詳述する。
【0040】 Ceq(%) =C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+1/2Mo(%)≧1.5(%) 本発明にかかる熱間鍛造用非調質鋼を製造するには、熱
間圧延および鍛造後、冷却するが、この際、1100〜700
℃までの平均冷却速度が2.6 ℃/S 未満の場合にCeq が
1.5 %未満であるとフェライトあるいはフェライト+パ
ーライト組織が析出し、目標の強度および靱性を得るこ
とができない。そこで、本発明では、冷却速度に左右さ
れずに安定的にベイナイト組織を得るため、Ceq を1.5
(%)以上と限定する。
間圧延および鍛造後、冷却するが、この際、1100〜700
℃までの平均冷却速度が2.6 ℃/S 未満の場合にCeq が
1.5 %未満であるとフェライトあるいはフェライト+パ
ーライト組織が析出し、目標の強度および靱性を得るこ
とができない。そこで、本発明では、冷却速度に左右さ
れずに安定的にベイナイト組織を得るため、Ceq を1.5
(%)以上と限定する。
【0041】N (%)≦0.52Al(%)+0.29Ti(%) 本発明では、Biの窒化物を生成させず、固溶BとしてB
の効果を充分発揮させるために、Bよりも窒化物形成能
の大きなAl、Tiを添加する。Nが0.52Al(%) +0.29Ti
(%) の値を越えると、B窒化物が生成し、Bの焼入性向
上効果、靱性向上効果が失われる。そこで、本発明で
は、N含有量は 0.52Al(%)+0.29Ti(%) 以下に限定す
る。
の効果を充分発揮させるために、Bよりも窒化物形成能
の大きなAl、Tiを添加する。Nが0.52Al(%) +0.29Ti
(%) の値を越えると、B窒化物が生成し、Bの焼入性向
上効果、靱性向上効果が失われる。そこで、本発明で
は、N含有量は 0.52Al(%)+0.29Ti(%) 以下に限定す
る。
【0042】以上のようにして、本発明にかかる強度お
よび靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼が提供される。こ
の熱間鍛造用非調質鋼は、特定の製造方法により限定さ
れるものではなく、通常の方法を用いればよい。例え
ば、溶製したスラブに加熱鍛伸し、供試材とする。さら
に、本発明を実施例を参照しながら説明するが、これは
本発明の例示であり、これにより本発明が限定されるも
のではない。
よび靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼が提供される。こ
の熱間鍛造用非調質鋼は、特定の製造方法により限定さ
れるものではなく、通常の方法を用いればよい。例え
ば、溶製したスラブに加熱鍛伸し、供試材とする。さら
に、本発明を実施例を参照しながら説明するが、これは
本発明の例示であり、これにより本発明が限定されるも
のではない。
【0043】
【実施例】表1、2に示す鋼種1ないし鋼種33からなる
150 kg真空溶製材を1250℃に1時間加熱し、50mmφに鍛
伸した。さらに、1250℃に加熱して30mmφに鍛伸 (仕上
げ温度1100℃) し、供試材とした。
150 kg真空溶製材を1250℃に1時間加熱し、50mmφに鍛
伸した。さらに、1250℃に加熱して30mmφに鍛伸 (仕上
げ温度1100℃) し、供試材とした。
【0044】30mmφの放冷材の中心部から、JIS 4号引
張試験片、JIS 3号シャルピー衝撃試験片を採取し、テ
ストを行った。なお、シャルピー衝撃試験については、
常温と−50℃との2水準の調査を行った。各試験の目標
値は、引張強さ:100kgf/mm2以上、シャルピー吸収エネ
ルギー:5.0kgf−m 以上 (常温) 、1.5kgf−m 以上 (−
50℃) とした。
張試験片、JIS 3号シャルピー衝撃試験片を採取し、テ
ストを行った。なお、シャルピー衝撃試験については、
常温と−50℃との2水準の調査を行った。各試験の目標
値は、引張強さ:100kgf/mm2以上、シャルピー吸収エネ
ルギー:5.0kgf−m 以上 (常温) 、1.5kgf−m 以上 (−
50℃) とした。
【0045】表1、2に供試鋼の化学成分を、表3に供
試鋼の化学成分の一部および試験結果をそれぞれ示す。
供試鋼の中で、試料No.31 は熱間鍛造後、調質処理 (焼
入れ・焼戻し) を実施したものである。
試鋼の化学成分の一部および試験結果をそれぞれ示す。
供試鋼の中で、試料No.31 は熱間鍛造後、調質処理 (焼
入れ・焼戻し) を実施したものである。
【0046】表1、2および表3から明らかなように、
本発明鋼 (試料No.1〜試料No.15)は、引張強さ、衝撃値
共に、目標値を満足し、従来材である試料No.31 の調質
鋼とほぼ同等の強度および靱性を有している。
本発明鋼 (試料No.1〜試料No.15)は、引張強さ、衝撃値
共に、目標値を満足し、従来材である試料No.31 の調質
鋼とほぼ同等の強度および靱性を有している。
【0047】一方、比較鋼の中で、C、Si、Mn、P、C
r、B、Ti、Alが規定値よりも高目に外れたもの (試料N
o.17 、試料No.18 、試料No.19 、試料No.20 、試料No.
21 、試料No.23 、試料No.25 および試料No.27)は、衝
撃特性が劣り目標値を満足しない。
r、B、Ti、Alが規定値よりも高目に外れたもの (試料N
o.17 、試料No.18 、試料No.19 、試料No.20 、試料No.
21 、試料No.23 、試料No.25 および試料No.27)は、衝
撃特性が劣り目標値を満足しない。
【0048】また、C、B、Ti、Alが規定値よりも低目
に外れたもの (試料No.16 、試料No.22 、試料No.24 、
試料No.26)は、強度が低下し、目標値を満足しない。
に外れたもの (試料No.16 、試料No.22 、試料No.24 、
試料No.26)は、強度が低下し、目標値を満足しない。
【0049】さらに、Nが規定値よりも高目に外れたも
の (試料No.28)、およびCeq が規定値を低目に外れたも
の (試料No.29 、試料No.30)、および [式2] を満足し
ないもの (試料No.31 、試料No.32)については、強度が
低下し、目標値を満足しない。
の (試料No.28)、およびCeq が規定値を低目に外れたも
の (試料No.29 、試料No.30)、および [式2] を満足し
ないもの (試料No.31 、試料No.32)については、強度が
低下し、目標値を満足しない。
【0050】このように、本発明では、C、Si、Mn、
P、Cr、Mo、B、Ti、Al、Nを厳密に制御し、かつ、Ce
q を制御することにより、強度および靱性の優れた100
kgf/mm2 級熱間鍛造用非調質鋼を実現することができ
た。
P、Cr、Mo、B、Ti、Al、Nを厳密に制御し、かつ、Ce
q を制御することにより、強度および靱性の優れた100
kgf/mm2 級熱間鍛造用非調質鋼を実現することができ
た。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
100kgf/mm2級の強度を有し、例えば自動車車体部品用と
しても使用できるような、強度および靱性に優れた熱間
鍛造用非調質鋼を提供できた。かかる効果を有する本発
明の意義は極めて著しい。
100kgf/mm2級の強度を有し、例えば自動車車体部品用と
しても使用できるような、強度および靱性に優れた熱間
鍛造用非調質鋼を提供できた。かかる効果を有する本発
明の意義は極めて著しい。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 C: 0.05〜0.25%、 Si: 0.10〜1.00%、 Mn: 0.
50〜3.00%、 P:0.025%以下、 S: 0.100 %以下、 Cr: 0.
30〜3.00%、 Mo: 1.00%以下、 B: 0.0005〜0.0050%、Ti: 0.
010 〜0.100 %、 Al: 0.010 〜0.100 %、N: 0.0200%以下、 残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼組成を有し、下
記式1および式2に規定される関係を満足するととも
に、ベイナイト単相組織から成ることを特徴とする強度
および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼。 Ceq(%)=C(%)+1/5Si(%)+3/5Mn(%)+2/5Cr(%)+1/2Mo(%)≧1.5(%) ・・・ (式1) N(%)≦0.52Al(%) +0.29Ti(%) ・・・・ (式2) - 【請求項2】 前記鋼組成は、さらに、重量%で、 Cu: 1.00%以下、V: 0.01〜0.30%およびNi: 1.00%以
下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有す
る請求項1記載の強度および靱性に優れた熱間鍛造用非
調質鋼。 - 【請求項3】 前記鋼組成は、さらに、重量%で、 Nb: 0.010 〜0.100 %を含有する請求項1または請求項
2記載の強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼。 - 【請求項4】 前記鋼組成は、さらに、重量%で、 Pb: 0.50%以下、Ca: 0.0100%以下、Te: 0.20%以下、
Se: 0.50%以下およびBi: 0.40%以下からなる群から選
ばれた1種または2種以上を含有する請求項1ないし請
求項3のいずれかに記載の強度および靱性に優れた熱間
鍛造用非調質鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7760292A JPH05279788A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7760292A JPH05279788A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05279788A true JPH05279788A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=13638493
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7760292A Pending JPH05279788A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 強度および靱性に優れた熱間鍛造用非調質鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05279788A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999028518A1 (de) * | 1997-11-27 | 1999-06-10 | Mannesmann Ag | Verwendung eines beruhigt vergossenen lufthärtenden stahls als werkstoff zur herstellung von hochfestem schweissbaren halbzeug |
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