JPH05295560A - 外装用有機複合亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

外装用有機複合亜鉛系めっき鋼板

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JPH05295560A
JPH05295560A JP12675592A JP12675592A JPH05295560A JP H05295560 A JPH05295560 A JP H05295560A JP 12675592 A JP12675592 A JP 12675592A JP 12675592 A JP12675592 A JP 12675592A JP H05295560 A JPH05295560 A JP H05295560A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膜損傷部があっても均一美麗な電着塗装仕
上がり外観が得られ、かつ優れた防錆性能をそのまま具
備した有機複合亜鉛系めっき鋼板を提供する。 【構成】 鋼板上に第1層として亜鉛系めっき皮膜、第
2層としてクロメ−ト皮膜、そして第3層として有機樹
脂系皮膜を備えた有機複合亜鉛系めっき鋼板を、“これ
にカチオン電着塗装を行う際の最大電流通電時の電気抵
抗(R)"から“第1層たる亜鉛系めっき皮膜にリン酸亜
鉛処理を施したものに対してカチオン電着塗装を行う際
の電気抵抗(R1 )”を引いた値(R−R1)、 又は“前
記R”から“母材たる鋼板にリン酸亜鉛処理を施したも
のに対してカチオン電着塗装を行う際の電気抵抗
(R2 )”を引いた値(R−R2 )の何れもが、被電着
塗装物表面積換算で−650〜+1450 mΩ・cm2
範囲に調整されて成る皮膜構成(組成,膜厚等)とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、良好な電着塗装性を
有した外装外面用の有機複合亜鉛系めっき鋼板に関する
ものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、優れた耐食性を発揮する
有機複合亜鉛系めっき鋼板が開発され、自動車の耐孔あ
き腐食用内板材料等に適用されてその寿命向上に大きな
成果を上げている。
【0003】この“有機複合亜鉛系めっき鋼板”とは、
鋼板面上に第1層として亜鉛系めっき(Zn又はZn合金め
っき)皮膜、第2層としてクロメ−ト皮膜、第3層とし
て有機樹脂系皮膜を備えた複層構造の防錆鋼板である
が、最近では、耐外面錆性(例えば跳ね飛んだ小石の衝
撃部等の耐錆性)の更なる改善を目指して、自動車等の
外装外面にも有機複合亜鉛系めっき鋼板を適用する動き
が見られるようになってきた(特開昭64−78832
号公報等を参照)。
【0004】ところが、有機複合亜鉛系めっき鋼板は、
元々自動車用の内板材料として開発された経緯もあり、
カチオン電着塗装時の耐クレ−タリング性は優れている
ものの、外装材として使用される場合に特有の“プレス
成形後の砥石研磨によるプレス押し込み疵検査部”又は
“押し込み疵部のグラインダ−研磨による手入れ部”と
いった表面の有機複合皮膜損傷部の電着塗装仕上がりに
問題があった。即ち、上述のような有機複合皮膜損傷部
が存在すると、これが電着塗装時に塗膜の凹凸欠陥とし
て現れ、内,上塗り塗装後にもこれが残るため自動車等
としての外観品質を著しく低下させることが指摘されて
いたのである。
【0005】このようなことから、本発明が目的とした
のは、皮膜損傷部が存在していても均一で美麗な電着塗
装仕上がり外観が得られ、かつ優れた防錆性能をそのま
ま具備した有機複合亜鉛系めっき鋼板を実現することで
あった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は上記
目的を達成すべく種々の観点から研究を行った結果、
「プレス成形後の有機複合亜鉛系めっき鋼板への電着塗
装は、 通常、 プレス後にリン酸亜鉛処理を施してから実
施され、 またプレスによる皮膜損傷部やプレス疵手入れ
部等の亜鉛系めっき面や鋼板面が剥き出しとなった部位
にリン酸亜鉛皮膜が形成されてから行われるが、 この場
合、 該有機複合亜鉛系めっき鋼板にカチオン電着塗装す
る際の最大電流通電時における電気抵抗が“下地の鋼板
面にリン酸亜鉛処理したもの”及び“第1層たる亜鉛系
めっき皮膜面にリン酸亜鉛処理したもの”の同様の電気
抵抗に対し被電着塗装物表面積換算で特定範囲の値とな
るように第3層たる有機樹脂系皮膜の組成や膜厚等を制
御しておくと、 表面研磨や研削手入れ等の皮膜損傷部も
外観上問題なく電着塗装することが可能となる」との新
しい知見を得ることができた。
【0007】本発明は、上記知見事項等に基づき更に検
討を重ねて完成されたもので、「鋼板上に第1層として
亜鉛系めっき皮膜、 第2層としてクロメ−ト皮膜、 そし
て第3層として有機樹脂系皮膜を備えた有機複合亜鉛系
めっき鋼板を、 “これにカチオン電着塗装を行う際の最
大電流通電時の電気抵抗(R)"から“第1層たる亜鉛系
めっき皮膜にリン酸亜鉛処理を施したものに対してカチ
オン電着塗装を行う際の電気抵抗(R1 )”を引いた値
(R−R1)、 又は“前記R”から“母材たる鋼板にリン
酸亜鉛処理を施したものに対してカチオン電着塗装を行
う際の電気抵抗(R2 )”を引いた値(R−R2 )の何
れもが被電着塗装物表面積換算で−650〜+1450
mΩ・cm2 の範囲に調整されて成る皮膜構成としたこと
により、 皮膜損傷部が存在していたとしても外装用とし
て十分に満足できる均一で美麗な電着塗装仕上がり外観
が得られるようにした点」に大きな特徴を有している。
【0008】
【作用】つまり、本発明は、「従来の有機複合亜鉛系め
っき鋼板では皮膜損傷部が存在するとその皮膜損傷部と
非損傷部との電着塗装時における電気抵抗差が大きく、
そのため電気抵抗の小さい部分に電流が集中して該部分
の電着膜厚が相対的に厚くなって電着後外観が不良とな
る」との現象を明らかにし、上記電気抵抗差が小さい皮
膜構成を採ることで有機複合亜鉛系めっき鋼板の電着塗
装性を改善したものである。
【0009】ここで、電気抵抗差の算出基準としての
“有機複合亜鉛系めっき鋼板の電気抵抗”を特に「カチ
オン電着塗装する最大電流通電時のもの」と限定したの
は、電着塗装時に有機系皮膜はその親水基の影響で膨潤
し、電気抵抗が乾燥状態と異なるためである。また、前
記電気抵抗差の算出基準として、皮膜損傷部で剥き出し
になることで電着塗装性の不均一を招く“第1層たる亜
鉛系めっき皮膜”や“母材たる鋼板”につき、特にリン
酸亜鉛処理を施したものの電気抵抗値を指定したのは、
前述したように、通常、皮膜損傷部にはリン酸亜鉛皮膜
が形成されて電着塗装に供されるためで、損傷により剥
き出しになった亜鉛系めっき皮膜面や母材鋼板面は電着
塗装時にリン酸亜鉛皮膜で覆われているからである。
【0010】なお、カチオン電着塗装する際の最大通電
時における被電着塗装物表面積換算抵抗値〔R〕は、電
着電圧をV(V),最大電流をI(A),被電着塗装物
表面積をS(cm2)とした場合に、式 で算出された値である。
【0011】上記電気抵抗値の測定は、通常の電着塗装
時に通電中の電圧と電流値を測定することにより可能で
ある。例えば、表面積が420cm2 の被塗装物につい
て、被塗装物と電極間の距離を10cmに設定し電圧32
0Vでドカン通電した場合の電圧及び電流の測定結果例
を図1に示すが、前記 (1)式の“I”及び“V”をこの
図1中の [I], [V] なる値として捕らえ、Rを算出す
れば良い。なお、計測されるVの値の中には、当然、電
着液で電圧降下したもの等も含まれるが、本発明で規定
するのは下地(母材)鋼板及び亜鉛系めっき鋼板をリン
酸亜鉛処理したものとの電気抵抗差であるため、同一電
着条件であれば実測上全く問題がない。
【0012】上述のように、本発明では、皮膜損傷部と
非損傷部の電着塗装時の電気抵抗差を小さくするように
有機複合亜鉛系めっき鋼板の皮膜構成を調整し、カチオ
ン電着塗装時に流れる電流の均一化を図って電着塗装外
観を改善し、外装材としての適性を向上させている。し
かし、“被電着塗装物(有機複合亜鉛系めっき鋼板)に
おける前記電気抵抗R”から”第1層亜鉛系めっきをリ
ン酸亜鉛処理した材料の前記電気抵抗R1 ”を引いた値
(R−R1)、又は“前記R”から“母材鋼板をリン酸亜
鉛処理した材料の電気抵抗R2 ”を引いた値(R−
2 )の何れかが被電着塗装物表面積換算で−650 m
Ω・cm2 を下回ると、皮膜損傷部に比して非損傷部の電
気抵抗が大きくなり、そのため皮膜損傷部に対し非損傷
部の電着膜厚が厚くなって電着塗装後に塗装ムラとして
目立つので、外装材としては不適となる。一方、上記電
気抵抗差が+1450 mΩ・cm2 を上回ると、非損傷部
の通電性が低下して電着塗装時に局部的(ピンホ−ル状
のミクロ的な皮膜欠陥部)から集中的に放電する傾向が
強くなり、クレ−タリングの発生が多くなって外装材と
しては不適となる。
【0013】ところで、本発明においては前記特定の電
気抵抗差で有機複合亜鉛系めっき鋼板の皮膜構成を規定
しているが、所望する前記電気抵抗差の有機複合亜鉛系
めっき鋼板を製造する具体的手段として、 A) 第3層たる有機系皮膜の膜厚(通常は1μ前後)を
制御する方法, B) 第3層たる有機系皮膜に含有させる親水性樹脂又は
シリカ等の親水基を有する添加物の添加量を制御する方
法, 等が挙げられる。
【0014】なお、有機複合亜鉛系めっき鋼板を製造す
る際に実施されるクロメ−ト処理としては、一般的な反
応型クロメ−ト処理,塗布型クロメ−ト処理或いは電解
クロメ−ト処理、又はこれらに使用する処理液中にシリ
カを添加して実施する各クロメ−ト処理等が適用でき
る。また、有機複合亜鉛系めっき鋼板の第3層たる有機
系皮膜としては、エポキシ系,アクリル系等の樹脂、及
びこれにシリカや親水性を有する樹脂を添加したもの等
が適用できる。
【0015】次いで、本発明を実施例によって更に具体
的に説明する。
【実施例】まず、Zn-13wt%Ni合金めっき鋼板(目付量:
30g/m2 )をベ−スとし、その上に「 Cr/SiO2 =1
/1, Cr/PO4 =1/1」の組成を有するクロメ−ト
処理液を用いてCr付着量が60 mg/m2 となるように塗
布型クロメ−ト処理を施した。
【0016】続いて、上記クロメ−ト皮膜上に有機系樹
脂皮膜としてイ ) ウレタン変性エポキシ系クリア−(SiO2 20%添
加,親水性ポリアミド樹脂10%添加)を用いて、膜厚
を変化させることで電気抵抗を変化させたもの,ロ ) アクリル樹脂系クリア−(SiO2 15%添加)を用
い、これに添加する親水性ポリアミド樹脂の添加量を変
化させて電気抵抗を制御したもの, を被覆して“有機複合亜鉛系めっき鋼板”を製造した。
【0017】次に、得られた各有機複合亜鉛系めっき鋼
板から図2に示す寸法のサンプルを採取し、電着塗装性
を調査した。電着塗装性の調査に際しては、上記サンプ
ルに#120サンドペ−パ−を用いて前記図2の如くに
“皮膜損傷部”を作り、その後図3に示した工程で電着
塗装を行い、目視で電着外観を評価した。
【0018】これらの調査結果を図4に整理して示す。
なお、図4での「電気抵抗差」は、“母材鋼板をリン酸
亜鉛処理したもの”又は“Zn−Ni合金めっき鋼板をリン
酸亜鉛処理したもの”と“有機系皮膜まで形成したもの
(即ち 「有機複合亜鉛系めっき鋼板」)”との電気抵抗差
のうち、差の絶対値の大きい方の値を採用した。また、
図4における「電着塗装後外観の評価」の結果について
は、「◎:優れる,○:良好,△:劣る,×:極めて劣
る」で表示した。図4に示される結果からも、本発明に
係る有機複合亜鉛系めっき鋼板は何れも外装外面材とし
て十分に満足できるカチオン電着塗装性を有しているこ
とが確認できる。
【0019】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、極めて優れた電着塗装性を示す有機複合亜鉛系合金
めっき鋼板を実現することができ、例えば自動車の外装
外面材等への有機複合亜鉛系合金めっき鋼板の適用が可
能となるなど、産業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電着塗装時における電気抵抗値(R)及び電圧
値(V)の捕らえ方に関する説明図である。
【図2】実施例における電着塗装性調査用サンプルの説
明図である。
【図3】実施例での有機複合亜鉛系合金めっき鋼板の製
造工程に関する説明図である。
【図4】実施例における電着塗装性の調査結果を整理し
て表したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板上に第1層として亜鉛系めっき皮
    膜、第2層としてクロメ−ト皮膜、第3層として有機樹
    脂系皮膜を備えた有機複合亜鉛系めっき鋼板であって、
    “これにカチオン電着塗装を行う際の最大電流通電時の
    電気抵抗(R)"から“第1層たる亜鉛系めっき皮膜にリ
    ン酸亜鉛処理を施したものに対してカチオン電着塗装を
    行う際の電気抵抗(R1 )”を引いた値(R−R1)、又
    は“前記R”から“母材たる鋼板にリン酸亜鉛処理を施
    したものに対してカチオン電着塗装を行う際の電気抵抗
    (R2 )”を引いた値(R−R2 )の何れもが、被電着
    塗装物表面積換算で−650〜+1450 mΩ・cm2
    範囲に調整されて成ることを特徴とする、外装用有機複
    合亜鉛系めっき鋼板。
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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