JPH05301718A - コバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

コバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

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JPH05301718A
JPH05301718A JP4134133A JP13413392A JPH05301718A JP H05301718 A JPH05301718 A JP H05301718A JP 4134133 A JP4134133 A JP 4134133A JP 13413392 A JP13413392 A JP 13413392A JP H05301718 A JPH05301718 A JP H05301718A
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JP
Japan
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cobalt
ferrous
aqueous solution
coercive force
oxidizing atmosphere
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JP4134133A
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English (en)
Inventor
Minoru Yamazaki
実 山崎
Hideaki Sadamura
英昭 貞村
Norimichi Nagai
規道 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高密度磁気記録媒体材料として好適なコバル
ト被着型磁性酸化鉄粒子粉末を工業的に得られる製造法
を提供する。 【構成】 7〜20重量%の第一鉄を含む針状ベルトラ
イド化合物粒子粉末の水性分散液をアルカリ性懸濁液と
し、該懸濁液に非酸化性雰囲気下で40〜60℃の温度
範囲で、コバルト塩水溶液と第一鉄塩水溶液とを交互に
2回以上繰り返し添加・攪拌し水酸化コバルトコロイド
と水酸化第一鉄コロイドとを針状ベルトライド化合物粒
子表面に積層させた後、非酸化性雰囲気下において90
℃を越え沸点未満の温度範囲に昇温して30〜180分
間加熱攪拌し、次いで、酸化性雰囲気下で前記温度範囲
で加熱攪拌し両コロイド積層物をスピネル型フェライト
化合物に変化させて、濾別・水洗・乾燥し4〜20重量
%の第一鉄と4重量%以上のコバルトを含むコバルト被
着型磁性酸化鉄粒子粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録用の磁性酸
化鉄粒子粉末として好適である1000〜1500Oe
の高い保磁力を有し、且つ、保磁力分布と角型比が良
く、しかも、化学的、磁気的な経時安定性に優れている
コバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化
が進むにつれて磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録
媒体に対する記録密度特性の向上が要求されている。
【0003】磁気記録媒体の記録密度特性を向上させる
ためには、用いる磁性材料粒子粉末ができるだけ微細な
粒子で、且つ、高い保磁力を有することである。この事
実は、例えば、工学情報センター発行の「磁気テープ−
ヘッド走行系の摩擦摩耗発生要因とトラブル対策、総合
技術資料集(−以下、総合技術資料集という−)」(昭
和62年)第455、456頁の「‥‥磁気テープの高
密度化のための主要な項目‥‥すなわち高保磁力粉を用
い、磁性塗膜表面を平滑にすることで短波長域の出力を
大にできるし、磁性粉の微粒子粉を用い、塗膜に高充填
化することにより、ノイズを低減することができ、S/
NまたはC/Nを大にできる。‥‥」なる記載の通りで
あり、現在にあっても、磁性材料粒子粉末の微粒子化と
高保磁力化への要求はとどまるところがない。
【0004】近年においては、1000Oeを越える高
い保磁力を有する磁性材料粒子粉末をビデオフロッピー
用、ディジタルオーディオテープ(DAT)用、8mm
ビデオテープ用、Hi−8用並びにデータストレージテ
ープ用等の磁気記録媒体に使用され実用化されている。
【0005】これらの高い保磁力を有する磁性材料粒子
粉末としては、鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉
末、コバルトドープ型針状磁性酸化鉄粒子粉末及びコバ
ルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末等が挙げられる。
【0006】しかしながら、鉄を主成分とする針状金属
磁性粒子粉末は、一般に出発原料である針状ゲータイト
粒子、これを加熱脱水して得られるヘマタイト粒子、ま
たはこれらに鉄以外の異種金属を含有する粒子を還元性
ガス中、加熱還元することにより得られている。しか
し、前出「総合技術資料集」第451頁の「‥‥メタル
粉が微粒子化すればするほど腐食し易くなり、テープに
したときに出力が低下するという欠点がある。‥‥」な
る記載の通り、化学的、磁気的な経時安定性に問題があ
る。
【0007】また、コバルトドープ型磁性酸化鉄粒子粉
末は、出発原料である針状ゲータイト粒子の生成反応に
あたり、あらかじめ、コバルト塩を添加しておくことに
よりコバルト含有針状ゲータイト粒子を生成させ、次い
で、還元してコバルト含有針状マグネタイト粒子とする
か、必要により更に酸化してコバルト含有マグヘマイト
粒子とすることにより得られている。しかし、前出「総
合技術資料集」第450頁の「‥‥ドープ粉(コバルト
含有量1.8%)では1,000時間経過すると、50
エールステッド以上もの保磁力の経時変化が認められる
‥‥」なる記載の通り、やはり、経時安定性に問題があ
る。
【0008】これに対し、コバルト被着型磁性酸化鉄粒
子粉末は、出発原料である針状ゲータイト粒子を還元、
又は必要により更に酸化して得られた針状マグネタイト
粒子或いは針状マグヘマイト粒子を前駆体粒子として該
前駆体粒子の粒子表面をコバルト化合物で被覆すること
により得られている。このため、前出「総合技術資料
集」第450頁の「‥‥このようにエピタキシャル粉は
熱的に安定であるとともに、加熱減磁や加圧減磁が少な
い。‥‥」なる記載の通り、経時安定性に優れている。
【0009】このような、化学的、磁気的な経時安定性
に優れたコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末が得られる
ということは周知であるが、なかでも、比較的高い保磁
力が得られるコバルト塩を分割して添加する方法して
は、特公昭58−29605号公報、特公平1−141
76号公報、特開昭59−151402号公報、特開昭
61−212003号公報及び特開平2−222464
号公報等に記載された技術手段が挙げられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前掲特開平2−222
464号公報に開示されているコバルト塩水溶液と第一
鉄塩水溶液とを添加して予備被覆し、次いで、コバルト
塩水溶液を添加してコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末
とする技術手段においては、コバルトのスピネル化反応
に必要な第二鉄が欠乏する為、本発明の目的とした高い
保磁力を得ることはできない。
【0011】前掲特公昭58−29605号公報、特開
昭59−151402号公報及び特開昭61−2120
03号公報に開示されているコバルト塩水溶液と第一鉄
塩水溶液とを同時に添加したり又は混合水溶液として2
回以上に分割して添加する技術手段においては、経時安
定性も保磁力分布も未だ不充分である。
【0012】前掲特公平1−14176号公報に開示さ
れているコバルト塩水溶液の添加量及び第一鉄塩水溶液
の添加量を限定せずに分割添加する技術手段において
は、被処理粉である針状磁性酸化鉄粒子の粒子表面にお
ける水酸化コバルトコロイドと水酸化第一鉄コロイドと
の吸着状態が不均一となることがあるため、保磁力分布
は未だ不充分である。
【0013】また、以上に述べた前掲各公報のコバルト
被着型磁性酸化鉄粒子粉末の実施例における保磁力Hc
は、いずれも600〜750Oe程度であり、仮に相当
量のコバルト塩水溶液を添加したとしても良好な保磁力
分布と1000Oeを越える保磁力とを共に備えた磁性
酸化鉄粒子粉末は得られない。
【0014】従って、現在最も多く用いられているビデ
オテープ等には600〜750Oe程度の保磁力を有す
るコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末であってもよい
が、前述した通り、より高密度記録の要求されるビデオ
フロッピー用、ディジタルオーディオテープ(DAT)
用、8mmビデオテープ用、Hi−8用並びにデータス
トレージテープ用等の磁気記録媒体に使用する場合には
前記保磁力では未だ不充分である。
【0015】そこで、本発明は、上述の諸問題に鑑み、
1000Oeを越える高い保磁力を有し、且つ、保磁力
分布と角型比が良く、しかも、化学的、磁気的な経時安
定性に優れているコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末を
得ることを技術的課題とするものである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明方法によって達成できる。
【0017】即ち、本発明は、7〜20重量%の第一鉄
を含む針状ベルトライド化合物粒子の水性分散液に水酸
化アルカリ水溶液を加えてアルカリ性懸濁液とし、該懸
濁液に非酸化性雰囲気下において40〜60℃の温度範
囲で、前記ベルトライド化合物粒子に対し重量%で数1
により求められる0.8x〜1.2xの範囲のコバルト
を含むコバルト塩水溶液と前記コバルトに対しモル比で
1.5〜2.0の範囲の第一鉄を含む第一鉄塩水溶液と
を、交互にそれぞれ2回以上繰り返して添加し攪拌する
ことにより水酸化コバルトコロイドと水酸化第一鉄コロ
イドとを生成させて、前記針状ベルトライド化合物粒子
の表面に当該各コロイドを積層させた後、当該懸濁液を
非酸化性雰囲気下、90℃を越え沸点未満の温度範囲に
昇温して30〜180分間の範囲で加熱攪拌し、続い
て、当該懸濁液を酸化性雰囲気として90℃を越え沸点
未満の温度範囲で加熱攪拌することにより前記両コロイ
ド積層物をスピネル型フェライト化合物に変化させ、次
いで、濾別・水洗・乾燥することにより4〜20重量%
の第一鉄と4重量%以上のコバルトとを含むコバルト被
着型磁性酸化鉄粒子粉末を得ることからなるコバルト被
着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法である。
【数1】(S×M)100/(B×A)=x(wt%) 但し、Sは針状ベルトライド化合物粒子粉末のBET比
表面積(m2 /g) Mはコバルトの原子量(g/mol) Bはコバルトの吸着サイトの平均面積(20×10-20
2 ) Aはアボガドロ数(6.0×1023個/mol)
【0018】次に、本発明方法実施にあたっての諸条件
について述べる。
【0019】本発明における針状ベルトライド化合物粒
子としては、第一鉄が7〜20重量%程度含まれている
針状若しくは紡錘状のマグヘマイトとマグネタイトとの
中間酸化物であるベルトライド化合物粒子を使用するこ
とができる。これらにNi、Si、Al、Zn、P、B
a、Sr、Ca、Pb等の1種又は2種以上を含む粒子
を用いることもできる。
【0020】針状ベルトライド化合物粒子粉末は、針状
又は紡錘状ゲータイト粒子を300〜700℃で加熱処
理して得られたヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還
元してマグネタイト粒子を得、更に酸化して含まれる第
一鉄を調節して得たベルトライド化合物粒子とするか、
前記マグネタイト粒子を酸化して得られるマグヘマイト
粒子とし、該マグヘマイト粒子を再度還元性ガス中で加
熱還元して含まれる第一鉄を調節して得たベルトライド
化合物粒子を使用することができる。
【0021】また、BET比表面積としては、42m2
/g以上である。42m2 /g未満の場合には、高密度
記録に要求される諸特性(例えば、低ノイズ化、媒体表
面平滑性など)が満足出来ない。従って、好ましくは4
5〜55m2 /gの範囲のものが特性面などから好適で
ある。
【0022】本発明における水酸化アルカリ水溶液とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
水等の水溶液を使用することができる。
【0023】本発明における第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄、塩化第一鉄等の水溶液を使用することがで
きる。
【0024】本発明におけるコバルト塩水溶液として
は、硫酸コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト等の水
溶液を使用することができる。
【0025】本発明においては、針状ベルトライド化合
物粒子の水性分散液に水酸化アルカリ水溶液を添加して
アルカリ性懸濁液とする。コバルト塩水溶液或いは第一
鉄塩水溶液に先立って水酸化アルカリ水溶液を添加して
アルカリ性懸濁液とするのは、前記各水溶液を添加した
後に水酸化アルカリ水溶液を添加した場合に起こる急激
な温度変化による化学反応の進行を避けるためであり、
そのpHは11以上とすることが好ましい。
【0026】本発明においては、コバルト塩水溶液及び
第一鉄塩水溶液の添加は、それぞれ2回以上に分けて分
割添加を行う。分割添加を行う理由は、1度に多くの量
を添加すると水酸化コバルトコロイド或いは水酸化第一
鉄コロイドの過剰となった各コロイドが被処理ベルトラ
イド化合物粒子の粒子表面において不均一に吸着した
り、粒子表面以外に浮遊したりするので充分な磁気的安
定性と保磁力分布が得られなくなる。また、少なすぎる
と工業的に意味をなさなくなるばかりか、被処理粒子の
個々の粒子表面での反応が不均一となり、保磁力分布が
劣化する。
【0027】従って、1度に添加する量を限定し、分割
添加することにより必要で充分な量の各コロイドを吸着
させた後に被着処理を行なうことによって高い保磁力と
保磁力分布とが得られる。
【0028】分割する回数は2回以上5回位までであっ
て、得ようとする保磁力に応じてその添加量を決め、1
度の添加量からその回数を決めればよい。
【0029】尚、被処理ベルトライド化合物粒子の粒子
表面の第1層は、水酸化コバルトコロイドでも水酸化第
一鉄コロイドのどちらを吸着させてもよいが、好ましく
は水酸化コバルトコロイドを吸着させる方が良好な保磁
力分布が得られ易い。
【0030】本発明におけるコバルト塩水溶液の1度に
添加する添加量は、被処理ベルトライド化合物粒子に対
して重量%で前記数1により求められる0.8x〜1.
2xの範囲の量である。0.8x未満の場合には、被処
理粒子の個々の粒子表面に単層づつの均一な吸着反応状
態が得られない。1.2xを越える場合には、単層づつ
の吸着反応が実現せず、不均一な吸着状態が生じるた
め、保磁力分布の劣化をもたらし、且つ、高い保磁力が
得られない。
【0031】本発明によって得られるコバルト被着型磁
性酸化鉄粒子粉末に含まれるコバルトの含有量は、4重
量%以上である。4重量%未満の場合には、本発明方法
によっても1000Oe以上の保磁力を得ることができ
ない。また、本発明においては、コバルト含有量によっ
て1500Oeを越える保磁力を得ることも出来るが、
7重量%以下で1500Oe程度の保磁力が得られるの
で4〜7重量%が好適である。
【0032】本発明における第一鉄塩水溶液の1度に添
加する添加量は、前記1度に添加するコバルト塩水溶液
に含まれるコバルトに対してモル比で1.5〜2.0の
範囲の第一鉄を含む量である。1.5未満の場合には、
被処理粒子の個々の粒子表面に吸着している水酸化コバ
ルトコロイドのコバルト原子に対して第一鉄原子が不足
する為、水酸化第一鉄コロイドを単層づつ効果的に吸着
させることができず、また、過剰の水酸化コバルトコロ
イドが水酸化コバルトとして安定化するため、充分な保
磁力が得られなくなる。2.0を越える場合には、過剰
な水酸化第一鉄コロイドの吸着反応が急速に進みすぎる
ため、不均一な吸着状態となり保磁力分布が劣化する。
【0033】本発明によって得られるコバルト被着型磁
性酸化鉄粒子粉末に含まれる第一鉄の含有量は、4〜2
0重量%である。4重量%未満の場合には、電気抵抗が
高くなるので好ましくない。20重量%を越える場合に
は、磁気的、化学的な特性の経時劣化を抑制し難くな
る。
【0034】本発明におけるコバルト塩水溶液或いは第
一鉄塩水溶液を添加して水酸化コバルトコロイド或いは
水酸化第一鉄コロイドを生成させる各添加、各攪拌処理
は、非酸化性雰囲気下で40〜60℃の温度範囲で行な
う。40℃未満の場合には、被処理ベルトライド化合物
粒子の粒子表面に析出させる各コロイドの吸着が遅くな
り、各コロイドが粒子表面以外に浮遊することになり、
良好な保磁力分布が得られ難い。60℃を越える場合に
は、反応が急激であり、均一なコロイド状態となる前に
反応が進行するために保磁力分布が大きくなるので好ま
しくない。
【0035】非酸化性雰囲気下で水酸化コバルトコロイ
ド或いは水酸化第一鉄コロイドの酸化を抑制して、被処
理ベルトライド化合物粒子の粒子表面にそれぞれ均一に
吸着させることにより有効に高い保磁力と優れた保磁力
分布を得るためである。尚、非酸化性雰囲気は、N2
Arガス等不活性ガス流下で行なうことが望ましい。
【0036】本発明における各コロイドを生成させるた
めの攪拌時間は、5〜30分間の範囲から選定すること
が好ましい。その所要時間は、被処理ベルトライド化合
物粒子の比表面積、反応温度及びコバルト塩水溶液或い
は第一鉄塩水溶液の添加量によって異なるため厳密には
特定し難いが、5分間未満の場合には、吸着が充分行な
われない可能性があり、30分間を越える場合には、す
でに充分に吸着しているため工業的に意味がない。
【0037】本発明においては、60℃以下で各コロイ
ドを生成・吸着・積層させた後、当該懸濁液を非酸化性
雰囲気下において90℃を越え沸点未満の温度範囲に昇
温して30〜180分間の範囲で加熱攪拌する。90℃
以下の場合には、被着反応が著しく遅くなり、充分な磁
気特性も得られない。沸点以上の場合にも、被着するこ
とはできるがオートクレーブなどの装置を必要とするた
め工業的には沸点未満で行なう方が良い。好ましくは、
95℃を越え沸点直下の温度である。
【0038】非酸化性雰囲気下で30分間以上加熱攪拌
するのは、非酸化性雰囲気下におけるスピネル化反応を
充分に行なってから酸化反応を行なうことにより保磁力
を増大させる効果を引き出すことができるからであり、
30分間未満の場合には、その効果が充分ではなく、1
80分間を越える場合には、非酸化性雰囲気下でのスピ
ネル化反応が飽和しているので工業的ではない。
【0039】本発明において非酸化性雰囲気下でスピネ
ル化反応を行った懸濁液を酸化性雰囲気とし、更に90
℃を越え沸点以下の温度範囲で加熱攪拌を行うのは、非
酸化性雰囲気下だけではスピネル化し難い積層物をスピ
ネル型フェライト化合物とさせるためである。その理由
としては、電子移動のみのスピネル化では無意味に長時
間を要することと、更に、被処理粒子に含まれる第二鉄
の陽イオンが充分なスピネル化に対して不足するからで
ある。従って、酸化性雰囲気下の反応により酸素を供給
するのである。
【0040】以上の通り、前述したような保磁力が60
0〜750Oe程度のコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉
末の場合には、被処理粒子に含まれる第二鉄から供給さ
れる陽イオンで足りる場合もあるが、本発明の目的とす
る1000Oeを越える保磁力を得ようとする場合に
は、非酸化性雰囲気下の加熱攪拌だけでは第二鉄の陽イ
オンが不足するため高い保磁力が得られなくなるので、
酸化性雰囲気下での加熱攪拌を更に行うことにより高い
保磁力を得ているのである。
【0041】この場合の攪拌時間は180分間を越える
時間であって、1800分間以下の範囲から選定するこ
とが好ましい。180分間未満の場合には、被着が充分
でなく、また、1800分間を越えても工業的に意義が
ない。実用上、望ましい範囲は、180〜1500分間
である。
【0042】尚、酸化性雰囲気は、当該懸濁液中に酸化
性ガス(例えば、空気)を吹き込む方法や酸化剤(例え
ば、硝酸、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウムなど)を
添加する方法等により行なう。
【0043】なお、目的物を得るための濾別・水洗・乾
燥は常法に従って行えばよい。
【0044】
【作用】本発明においては、7〜20重量%の第一鉄を
含む針状ベルトライド化合物粒子のアルカリ性懸濁液
に、非酸化性雰囲気下において40〜60℃の温度範囲
で、前記コバルト塩水溶液と前記第一鉄塩水溶液とを交
互にそれぞれ2回以上繰り返して添加し攪拌することに
より各コロイドを前記ベルトライド化合物粒子の粒子表
面に積層させた後、当該懸濁液を90℃を越え沸点未満
の温度範囲に昇温し、次いで、当該懸濁液を酸化性雰囲
気として90℃を越え沸点未満の温度範囲で加熱攪拌す
ることにより前記両コロイド積層物をスピネル型フェラ
イト化合物とすることにより4〜20重量%の第一鉄と
4重量%以上のコバルトとを含むコバルト被着型磁性酸
化鉄粒子粉末が得られる。
【0045】1000Oeを越える高い保磁力を得よう
とする場合には、被処理磁性粒子を7〜20重量%の第
一鉄を含む針状ベルトライド化合物粒子としなければな
らない。ベルトライド化合物粒子とするのは、含まれる
第一鉄の含有量が7〜20重量%程度の時が最も活性度
が高く、高い保磁力が得られ易いためであり、また、B
ET比表面積が42m2 /g以上の微細な粒子粉末の方
が高い保磁力が得られためである。
【0046】従って、まず、含まれる第一鉄の量とBE
T比表面積とが共に上記の範囲にある針状ベルトライド
化合物粒子粉末でなければならない。
【0047】次に、コバルト塩水溶液と第一鉄塩水溶液
とを同時に添加したり又は混合水溶液として2回以上に
分割して添加した場合には、前述した通り、化学的、磁
気的な経時安定性が得られ難く、また、保磁力分布も劣
る。
【0048】また、コバルト塩水溶液と第一鉄塩水溶液
とを交互に添加したとしても、前述した通り、保磁力分
布は未だ不十分である。それは水酸化コバルトコロイド
或いは水酸化第一鉄コロイドが被処理磁性粒子の個々の
粒子表面に単層づつ効率的に吸着させるための各コロイ
ド量が制御されていないためであり、粒子表面に対する
コロイドが不足して粒子表面に不均一に吸着するか、ま
たは、過剰の各コロイドが粒子表面に不均一に吸着した
り粒子表面以外に浮遊しているためであると、本発明者
は考えている。
【0049】また、生成した水酸化コバルトコロイドと
反応してスピネル型フェライト化合物を形成する量の水
酸化第一鉄コロイドを生成させる組成比で第一鉄塩水溶
液を添加しなければ高い保磁力は得られない。
【0050】従って、被処理針状ベルトライド化合物粒
子のBET比表面積に応じてコバルト塩水溶液の添加量
を前記数1により求められる値で制御すると共に、添加
したコバルト塩水溶液に対して第一鉄塩水溶液もまた制
御することによって高い保磁力を得ることができるので
ある。
【0051】また、添加時は非酸化性雰囲気下、40〜
60℃の温度範囲でなければならない。非酸化性雰囲気
とする理由は、析出した水酸化コバルトコロイド或いは
水酸化第一鉄コロイドを均一にそして充分に分散させる
ためであり、被処理針状ベルトライド化合物粒子の粒子
表面に単層として前記各コロイドを吸着させるためには
40〜60℃が最もよいことを見つけたためである。ま
た、そのためには、それぞれ添加した後も5〜30分間
攪拌することが最も効果的である。
【0052】本発明においては、被処理針状ベルトライ
ド化合物粒子の粒子表面に水酸化コバルトコロイドと水
酸化第一鉄コロイドとをそれぞれ2回以上積層させてか
ら、非酸化性雰囲気下、90℃を越え沸点未満の温度範
囲に昇温して加熱攪拌し、更に、酸化性雰囲気下で加熱
攪拌しなければならない。前述の通り、前記積層させた
各コロイドを非酸化性雰囲気下で加熱攪拌することによ
り非酸化性雰囲気下でのスピネル化反応を充分行なった
後、更に、酸化性雰囲気下で加熱攪拌することによりス
ピネル型フェライト化合物として保磁力が最も出易く、
また、保磁力が増大する効果が高いことを見つけたから
である。単に多くのコバルトと第一鉄とを含有させたと
しても、また、低温で処理したのでは1000Oeを越
える保磁力は得られない。
【0053】以上に述べた通り、適切な添加量のコバル
ト塩水溶液と第一鉄塩水溶液とを適切な添加方法により
添加することで1000Oeを越える高い保磁力を有
し、且つ、保磁力分布と角型比が良く、しかも、化学
的、磁気的な経時安定性に優れているコバルト被着磁性
酸化鉄粒子粉末を得ることができたのである。
【0054】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0055】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、電子顕微鏡写
真から測定した数値の平均値で、また、比表面積はBE
T法により測定した値で示した。針状磁性酸化鉄粒子粉
末の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−1
5」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場10KO
eまでかけて測定した。
【0056】第一鉄の含有量の測定は、磁性酸化鉄粒子
粉末をフラスコに投入し、不活性ガスで置換し通気しな
がら硫酸と燐酸との混酸を添加・加熱溶解した後、当該
溶液中の第一鉄を酸化還元滴定法により求めた。
【0057】ΔFe2+及びΔHcは、温度60℃、相対
湿度90%の恒温槽に2週間放置した後にそれぞれ測定
し、初期の値を差し引いた値である。
【0058】保磁力分布(S.F.D.)の測定はシー
ト試料片を用い、前記磁気測定機の微分回路を使用し
て、保磁力の微分曲線を得、この曲線の半値巾を測定
し、保磁力で除することにより求めた。
【0059】シート状試料片は、100ccのポリビン
に磁性酸化鉄粒子粉末、樹脂及び溶剤を下記の割合で入
れた後、ペイントコンディショナーで6時間混合分散を
行うことにより調整した磁性塗料を厚さ25μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを
用いて50μmの厚さに塗布し、次いで、3KGaus
sの磁場中で乾燥させることにより得た。 3mmφスチルボール 800重量部 磁性酸化鉄粒子粉末 100重量部 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 20重量部 シクロヘキサノン 83.3重量部 メチルエチルケトン 83.3重量部 トルエン 83.3重量部
【0060】実施例1 針状ベルトライド化合物粒子粉末(平均長軸径0.18
μm、軸比(長軸径/短軸径)8.0、BET比表面積
48m2 /g、保磁力350Oe、第一鉄17.0重量
%)800gを7850mlの水に分散して得られた水
性分散液に、18mol/lのNaOH水溶液3210
ml(反応終了後の余剰のアルカリイオン濃度として
2.0mol/lに相当する。)を加え、毎分1000
ml/minの割合でのN2 ガスを流して非酸化性雰囲
気とした上で懸濁液の温度40℃とした。以後、非酸化
性雰囲気下で処理した。
【0061】該懸濁液に1.5mol/lのCoSO4
水溶液217ml(Co量は、数1により求めた値x=
2.36から1.02xとし、被処理粒子粉末に対して
2.4重量%に相当する。)を1分間で添加し、添加後
10分間攪拌処理を続けた。
【0062】次いで、該懸濁液に1.5mol/lのF
eSO4 水溶液430ml(Fe量は、前記コバルトに
対してモル比で2.0とし、被処理粒子粉末に対して
4.5重量%に相当する。)を1分間で添加し、添加後
10分間攪拌処理を続けた。
【0063】更に、CoSO4 水溶液とFeSO4 水溶
液とを前記操作と同様にして添加・攪拌を2回繰り返し
た。
【0064】次いで、該懸濁液を100℃まで昇温して
180分間反応を行なった後、N2ガスを止め、毎分1
000ml/minの割合で空気を通気して酸化性雰囲
気とした後、100℃で15時間攪拌して黒色沈澱粒子
を生成させた。
【0065】上記黒色沈澱粒子を常法により、濾別、水
洗、乾燥して、黒色粒子粉末を得た。得られた黒色粒子
粉末は、X線回折の結果、コバルトと第一鉄とを含むC
o被着型磁性酸化鉄粒子粉末であった。
【0066】得られたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末
は、平均長軸径0.18μm、軸比(長軸径/短軸径)
6.4、保磁力1150Oe、飽和磁化値79.1em
u/g、コバルト含有量5.88重量%、第一鉄含有量
10.5重量%であった。また、ΔFe2+は4.0重量
%、ΔHcは−22Oeであり、経時劣化の少ないもの
であった。
【0067】得られたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末を
用いて、シート試料片を作製して求めたシート特性は、
保磁力1250Oe、角型比(Br/Bm)0.79
3、保磁力分布(S.F.D.)0.405であった。
【0068】実施例2〜4、比較例1〜9 被処理磁性酸化鉄粒子粉末の種類、懸濁液の温度、コバ
ルト塩水溶液の量、数1のx値と数1のx比及び添加の
回数、第一鉄塩水溶液の量、コバルトに対するモル比及
び添加の回数、昇温後の非酸化性雰囲気における温度及
び攪拌時間並びに酸化性雰囲気における温度及び攪拌時
間を種々変化させた以外は、実施例1と同様にしてCo
被着型磁性酸化鉄粒子粉末を得た。
【0069】この時の主要製造条件及び諸特性を表1乃
至表3に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明によって製造されたコバルト被着
型磁性酸化鉄粒子粉末は、前出実施例に示した通り、1
000Oeを越える高い保磁力を有し、且つ、保磁力分
布、角型比及び電気抵抗が良く、しかも、化学的及び磁
気的な経時安定性に優れているので高密度記録用磁性材
料として好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7〜20重量%の第一鉄を含む針状ベル
    トライド化合物粒子の水性分散液に水酸化アルカリ水溶
    液を加えてアルカリ性懸濁液とし、該懸濁液に非酸化性
    雰囲気下において40〜60℃の温度範囲で、前記ベル
    トライド化合物粒子に対し重量%で数1により求められ
    る0.8x〜1.2xの範囲のコバルトを含むコバルト
    塩水溶液と前記コバルトに対しモル比で1.5〜2.0
    の範囲の第一鉄を含む第一鉄塩水溶液とを、交互にそれ
    ぞれ2回以上繰り返して添加し攪拌することにより水酸
    化コバルトコロイドと水酸化第一鉄コロイドとを生成さ
    せて、前記針状ベルトライド化合物粒子の表面に当該各
    コロイドを積層させた後、当該懸濁液を非酸化性雰囲気
    下、90℃を越え沸点未満の温度範囲に昇温して30〜
    180分間の範囲で加熱攪拌し、続いて、当該懸濁液を
    酸化性雰囲気として90℃を越え沸点未満の温度範囲で
    加熱攪拌することにより前記両コロイド積層物をスピネ
    ル型フェライト化合物に変化させ、次いで、濾別・水洗
    ・乾燥することにより4〜20重量%の第一鉄と4重量
    %以上のコバルトとを含むコバルト被着型磁性酸化鉄粒
    子粉末を得ることを特徴とするコバルト被着型磁性酸化
    鉄粒子粉末の製造法。 【数1】(S×M)100/(B×A)=x(wt%) 但し、Sは針状ベルトライド化合物粒子粉末のBET比
    表面積(m2 /g) Mはコバルトの原子量(g/mol) Bはコバルトの吸着サイトの平均面積(20×10-20
    2 ) Aはアボガドロ数(6.0×1023個/mol)
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