JPH05302401A - 通電硬化用材料、通電硬化用ロープ、それから得られる部材及び該部材の施工方法 - Google Patents

通電硬化用材料、通電硬化用ロープ、それから得られる部材及び該部材の施工方法

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JPH05302401A
JPH05302401A JP5008448A JP844893A JPH05302401A JP H05302401 A JPH05302401 A JP H05302401A JP 5008448 A JP5008448 A JP 5008448A JP 844893 A JP844893 A JP 844893A JP H05302401 A JPH05302401 A JP H05302401A
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JP
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rope
carbon fiber
curing
resin
construction
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JP5008448A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakamura
宏 中村
Koji Yamatsuta
浩治 山蔦
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭素繊維束に未硬化のエポキシ樹脂組成物を含
浸させて得たストランドに撚りをかけ、ついでこのスト
ランドを3本組合わせて前記撚りと逆方向に撚りをかけ
エポキシ樹脂が含浸された通電硬化用ロープを製造す
る。該通電硬化用ロープをドラム巻きした状態で輸送
し、工事現場にて所望の形態に配置して、ついで通電す
ることによりエポキシ樹脂を硬化して、コンクリート補
強用筋材あるいはケーブルとして用いる。 【効果】輸送に際しては、ドラム巻の状態で扱うことが
できるので、移送が容易であり、目的とする部材の形態
に、現場にて任意に加工成形できる。部材の製品形態と
しては、大型、長尺のものが製作可能であり、かつ、高
強度で軽量コンクリート補強筋材およびケーブルを与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として土木及び建築分
野において使用される鋼製棒状体またはロープなど、建
造物や設備の部品となる材の代替物として用いる炭素繊
維強化樹脂製棒状体またはロープなどの中間素材、それ
から得られる部材、及びそれらの部材の施工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】いわゆる繊維強化樹脂(以下FRPとい
うことがある)製複合材料は金属材料と比較して比強
度、比剛性が高いこと、あるいは耐食性に優れることか
ら、スポ−ツ、レジャ−分野や航空機分野をはじめとし
て、さまざまな産業分野においても使用されるようにな
ってきている。
【0003】特に炭素繊維を強化用繊維として用いたF
RP(以下CFRPということがある)は、その他のF
RPに比べて強度、弾性率が高く、しかも軽量であるこ
とから種々の分野において積極的に使用されている。そ
の中でもCFRP製の棒状体は土木や建築分野などに用
いられるコンクリ−ト強化用鉄筋の代替物用途などの各
種分野で注目されている。
【0004】そしてこれらのCFRP製棒状体の製造方
法としては、強化用繊維に熱硬化性樹脂を含浸せしめ、
いわゆるプルトル−ジョン法によって所望断面形態をも
った金型内に上記の強化用繊維に熱硬化性樹脂が含浸さ
れた複合体を引き込み、金型内で加熱硬化させ引く抜く
という方法等が一般的に採用されている。
【0005】また、炭素繊維に通電した場合、ジュール
熱が発生することは従来より知られていることであり、
例えば特開昭58−155926号公報にはこのジュー
ル熱を利用した複合材料成形物の製造方法が記されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た一般的方法を含めて、従来のFRP製棒状体の製造技
術は、プルトルージョン装置、熱プレス、オートクレー
ブまたは加熱硬化炉などの大がかりな装置を必要とし、
したがって製造場所が成形装置の設置場所に限定される
という問題点があった。
【0007】また、従来のFRP製棒状体はその形状や
サイズに制限があった。すなわち、長尺物や大形状の製
品が必要とされる場合には、FRP製棒状体の製造、輸
送及び現場での施工などに際して、重大な問題があっ
た。
【0008】例えば、FRP製棒状体をコンクリート強
化用材料(以下FRP補強筋材ということがある)とし
て使用する場合、工場で製造された材料をそのまま建設
現場まで輸送し施工することになるが、長尺物や大形状
の製品の輸送が難しく、作業性も悪いといった問題があ
った。また、加工性・施工性については、現場で自由に
曲げ加工等を行い、任意の形状に加工が施せないため、
使用上の大きな制約となっていた。
【0009】また、吊橋等に用いる鋼製ケ−ブルについ
ても、重量の軽減による輸送性や作業性などの向上が求
められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決するものであり、次に記す発明からなる。 (1)未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束か
らなることを特徴とする通電硬化用材料。 (2)未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束か
らなることを特徴とする通電硬化用ロープ。 (3)該未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊維束
が撚りをかけられているかまたは編み組みされることに
より一体化されている請求項2記載の通電硬化用ロー
プ。 (4)前項(1)記載の通電硬化用材料を、所望の形態
に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬化させて得るこ
とを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部材。 (5)前項(2)または(3)記載の通電硬化用ロープ
を、所望の形態に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬
化させて得ることを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部
材。 (6)該部材が土木建築用部材である前項(4)または
(5)記載の炭素繊維強化樹脂製の部材。 (7)前項(1)記載の通電硬化用材料を、所望の形態
に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬化させることを
特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。 (8)前項(2)または(3)記載の通電硬化用ロープ
を、所望の形態に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬
化させることを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部材の
施工方法。 (9)該部材が土木建築用部材である前項(7)または
(8)記載の炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。 (10)該土木建築部材がコンクリート補強用筋材であ
る前項(9)記載の施工方法。 (11)該土木建築部材がケーブルである前項(9)記
載の施工方法。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明に用いられる繊維材料について説明する。本発明に用
いられる強化繊維は炭素繊維であり、その性能及び性状
は特に限定されないが、通電条件と発熱との関係から体
積電気抵抗が10-4乃至10 -1Ω・cmの範囲にあるも
のが好ましい。このような特性を有する炭素繊維として
は、グラファイト構造が形成されたポリアクリロニトリ
ル系プリカ−サ−やピッチ系プリカ−サ−を焼成して作
られた炭素繊維があり、本発明に好ましいものである。
【0012】本発明において、これらの炭素繊維はマト
リックスである熱硬化性樹脂中に体積含有率として30
乃至80%となることが、未硬化樹脂が含浸された複合
体の取扱い性や、通電加熱により製造された棒状体の性
能からみて好ましい。
【0013】また、上述した炭素繊維に加えて他の強化
用繊維を併用することも可能である。他の強化用繊維と
してはガラス繊維、炭化珪素繊維、アルミナ質繊維、チ
タニア繊維、芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステ
ル繊維などの無機質や有機質の繊維を例示できるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。また、使用目
的によっては2種類以上の繊維、形状の異なった繊維を
併用することもできる。さらに上記強化繊維の他に、タ
ルク、マイカ、シリカ等の無機質粒状物や、鉄粉やアル
ミニウム粉などの金属粉を添加してもよい。さらに必要
に応じては、鋼線や銅線などを併用することもできる。
また、発熱体としてニクロム線などを併用することも可
能である。
【0014】本発明に使用する熱硬化性樹脂は、特に限
定はなく、フェノ−ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジ
アリルフタレ−ト樹脂やエポキシ樹脂などが例示され
る。これらのうちの一種類、必要に応じて二種類以上が
用いられる。なかでも、炭素繊維に未硬化の熱硬化性樹
脂が含浸された複合体の取扱い性や樹脂が硬化され製造
された土木建築部材の性能からエポキシ樹脂が好適であ
る。これらのエポキシ樹脂としては特に限定はないがビ
スフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルAD型
エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、フェ
ノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ−ルノボラッ
ク型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタンやトリグリシジル−P−アミノフェノ−ルなど
のグリシジルアミン型のエポキシ樹脂が例示され、これ
らのうちの一種または2種以上を使用できる。
【0015】本発明に使用する熱硬化性樹脂は一般的に
硬化剤を配合して用いられる。硬化剤としては従来公知
のエポキシ樹脂硬化剤を使用することができる。例え
ば、エチレンジアミンなどの脂肪族アミン、ジエチレン
トリアミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジ
アミンやジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族ア
ミン、ピペリジンやジアザビシクロウンデカンのような
第一級、第三級アミン、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸などの酸無水物硬化剤、2−メチルイミダゾールや2
−エチル−4メチルイミダゾールなどのイミダゾール化
合物およびその誘導体、ルイス酸やブレンステッド酸
塩、さらには、ジシアンジアミドやアミンイミドなどの
潜在性硬化剤など各種のものを例示することができ、こ
れらのものを1種類または2種類以上を併用することが
できる。
【0016】本発明の通電硬化用材料および通電硬化用
ロープに長期の保存寿命が望まれる場合には、特に潜在
硬化性のエポキシ樹脂硬化剤を使用することで目的を達
することができる。このようなエポキシ樹脂硬化剤とし
てジシアンジアミド、有機酸ヒドラジド、アミンイミ
ド、第三級アミン塩、イミダゾ−ル塩やルイス酸、ブレ
ンステッド酸などを用いることができる。その他にマト
リクッス樹脂の性能を改良するためにに必要に応じて、
カルボキシル基末端アクリロニトリル−ブタジエンブロ
ックコポリマ−などの変性剤を添加することも可能であ
る。
【0017】本発明の通電硬化用材料とは、以下に詳細
に述べる通電硬化用ロープを含み、さらに通電硬化性に
おいて該通電硬化用ロープと同等の機能を有し、かつ形
状において平面状の広がりを有する材料、例えばテープ
状およびシート状の材料をも包含する概念であり、その
用途も該通電硬化用ロープと共通するものである。以
下、本発明を通電硬化用ロープで代表させて説明する。
はじめに通電硬化用ロープの形態及びその製法について
説明する。該通電硬化用ロ−プとしては、熱硬化性樹脂
が含浸された炭素繊維束が撚りをかけられているかまた
は編み組みされ複合体として一体化されているものが好
ましい。すなわち繊維が複数本合わされ撚りがかけてい
ないか、あるいは撚りがかけてある繊維束(以下ストラ
ンドという)を1本または複数本撚り合わせるか編み組
むことによって一体化して作った長い繊維索のことをい
い、いわゆる綱、縄、紐など呼称される複数ストランド
が一体化された全てのものを含む。
【0018】例えばロ−プの撚り方向と反対方向の撚り
を有するストランド3本からなり、その撚りが変わらな
いような方法で撚り合わされたような三つ打ちロ−プや
4本のストランドからなり、それらの中心に芯ロ−プを
入れ形崩れしないように撚り合わされた四つ打ちロ−プ
や、その他バラ打ちロ−プ、六つ打ちロ−プ、八つ打ち
ロ−プ、トエルロ−プやタフレロ−プなど、あるいは八
打ち組紐、12打ち組紐などの組紐、また、太さの異な
るストランドを2本ないし3本撚り合わされたものをさ
らに3本ないし4本撚り合わされた岩糸や延縄などの構
造のものでも良い。
【0019】本発明でいうロープとは、建設、船舶、漁
業やエレベ−タ−などに使われているようないわゆるワ
イヤロ−プの形態のものでも良い。これは例えば心線の
まわりに何層かの繊維束を撚り合わせたストランドをさ
らに心綱のまわりに複数本撚り合わせたストランドロ−
プや、ストランドを所要の断面積になるように平行に束
ねて撚りをかけたスパイラルロ−プなどがある。また、
撚り方について特に限定はなく普通Z撚り、普通S撚
り、ラングZ撚り、ラングS撚りなど何れでも良い。
【0020】本発明における通電硬化用ロープの通電硬
化は、該ロープを所定形状に配置して硬化させる部位の
両端に電極を取り付けて行う。電力量を調整することに
より、炭素繊維強化樹脂複合体であるロープの温度を制
御しつつ硬化を行うことができる。
【0021】電源については直流、交流どちらとも用い
ることができるが、通常の工業用あるいは家庭用電源を
対象とした作業性や通電装置を考慮した場合は、交流電
源を用いることが好適である。また、通電硬化させると
きに、ロ−プに張力をかけることは、樹脂の含浸を良好
にし、しかもロープを構成する繊維に緊張が与えられて
性能上好ましい製品を提供する。
【0022】なお、通電硬化用ロープへの端子の取り付
けに際しては、通電硬化後のCFRP棒状体の性能上、
該ロープを構成する炭素繊維各フィラメントに均等に通
電して、該ロープ全体を均一に昇温させるようにするこ
とが好ましい。そのため、端子の取り付けに際して、取
り付け端子の圧着によって互いの炭素繊維フィラメント
を接触させることが好ましく、そのためには、端子の圧
着時に端子圧着部位の炭素繊維含有率が80体積%以
上、好ましくは85体積%以上にする。均一に各フィラ
メントに通電させるため、該ロープに導電性の良好な金
属粉などを熱硬化性樹脂と一緒に含浸させておくことも
有用な技術である。
【0023】本発明の通電硬化用ロープは未硬化の熱硬
化性樹脂が含浸された炭素繊維を一体化した複合体であ
り、従来のロープ材料と同様の取扱いができ、適度のし
なやかさがあることからドラム巻きも容易にでき、長尺
のものも輸送や持ち運びが硬化した棒材に比べはるかに
容易である。また、ロープ状に一体化されていることか
ら硬化に際して、金型などの型材が不要で成形が容易で
ある。
【0024】また、熱硬化性樹脂の含浸も雑巾を絞る要
領であり、繊維の間隙に樹脂が良く含浸され、成形後の
ボイドも少ない良好なものとなる。また、撚りや編み組
みによりロープ状に一体化されていることから、硬化成
形された棒状体は表面に適度な凹凸をもち、特にFRP
補強筋として使用した場合にコンクリートへの付着特性
が良好なものとなるというものである。
【0025】本発明において炭素繊維強化樹脂製の部材
とは、本発明の通電硬化用材料または通電硬化用ロープ
を通電して、熱硬化性樹脂を硬化させて得られる物品で
あって、構造物や設備の部分をなす材をいう。例えば、
土木建築などの建造物、或いは設備の部分をなす材をい
い、構成材と言い換えることもできる。具体的には、橋
梁、道路あるいは建築物等に用いられる土木建築用部材
が例示されるが、必ずしもこれらの部材に限定されな
い。土木建築用部材をさらに具体的に例示すれば、コン
クリート補強筋材或いは鋼製ケーブルの代替物としての
ケーブル等を挙げることができる。本発明でいうケーブ
ルとは、形態や寸法によっては必ずしも限定されず、
索、綱、またはロープを総称するものである。
【0026】さらに、本発明によれば、製造装置が極め
て簡単であり、また製造現場が特定されないという特徴
がある。例えば、FRP補強筋材として使用する場合
は、上記の炭素繊維に未硬化樹脂が含浸されたロープを
例えばボビン巻の形で建設、土木現場に運び、該ロープ
を所望形態に配置し、しかる後に通電発熱させ硬化させ
ることで、コンクリート補強材を施工することができ
る。この場合、従来工場で加工製造しているFRP補強
筋の曲げ部についても現場で施工できるという長所もあ
り、生産性、運搬性、取扱い性や作業性に優れた製造方
法である。さらに、例えば数十メートルというような長
尺物についても実際に使用する現場またはその近くで製
造しかつ施工することが可能でありコンクリート補強用
筋材はもとより従来吊橋や各種支持糸索に使用されてき
た鋼製ケーブルの代替物を提供することもできる。
【0027】
【実施例】本発明の特徴とするところは、以下の実施例
を説明することによってさらに明らかになるが、本発明
はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0028】実施例1 炭素繊維束として、住化ハ−キュレス社製のマグナマイ
トAS4−12kf(商品名、弾性率24ton/mm
2 、強度390kg/mm2 、フィラメント数12,0
00本)を用いた。含浸する熱硬化性樹脂として、住友
化学工業(株)製、商品名:スミエポキシELA128
「ビスフェノ−ルAのジグリシジルエ−テル」を100
重量部に対して、東京化成工業(株)製ジシアンジアミ
ドを7重量部、四国化成工業(株)製商品名:キュアゾ
−ル 2MZ−AZINE(2,4ジアミノ−6−(2
−メチルイミダゾ−ル)−エチル−S−トリアジン)を
2重量部の割合で混合し、3本ロ−ル混練して得た熱硬
化性エポキシ樹脂組成物を用いた。
【0029】該熱硬化性エポキシ樹脂の炭素繊維束への
含浸は、炭素繊維束を加温した該エボキシ樹脂組成物中
に引き出し、樹脂浴中に設けた金属棒でしごいて行っ
た。その後に、間隙を調整できる2本の金属棒の間を通
過させ、過剰の樹脂を取り除きつつ引き取った。繊維へ
の樹脂の付着量は、樹脂温度、引き取り速度、2本の金
属棒の間隙を適宜調整することで行った。このようにし
て、炭素繊維束に熱硬化性エポキシ樹脂が含浸された複
合体を約100m巻ボビン75本作成した。このとき該
複合体中に占める樹脂の割合はどのボビンも30重量%
であった。
【0030】このようにして作成された未硬化の熱硬化
性樹脂が含浸された炭素繊維束が巻かれたボビンを25
本用いて、それぞれのボビンから該複合体を引き出し、
ひとまとめにして撚りをかけたものを100m作成し
た。このとき撚りは、10回/mで行った。これをロ−
プ用ストランドとした。同様にしてこのロ−プ用ストラ
ンド100mを3束用意した。つづいて、該ストランド
3束を用いて、ストランドの撚りと反対方向の撚りをか
けて三つ打ちロ−プ100mを作成し、ドラムに巻きと
った。このときのロ−プ撚りは10回/mであった。以
上の工程により炭素繊維に熱硬化性樹脂が含浸されたド
ラム巻きの本発明の通電硬化用ロープを得た。
【0031】続いて、ドラムより該通電硬化用ロ−プ1
mを切り出してその両端に銅製の電極を圧着した。この
とき該通電硬化用ロ−プに5kgの張力を与えた。しか
る後に、両端に圧着した電極を交流電源につなぎ10ボ
ルトの電圧をかけたところ、18Aの電流が流れ該通電
硬化用ロープは150℃まで発熱した。この時該ロープ
の長手方向の温度ムラはなかった。この状態で30分間
維持し、含浸した熱硬化性エポキシ樹脂を硬化し、直径
10mmのCFRP製棒状体を得た。
【0032】上記方法で作成したCFRP棒状体の性能
評価を行った。該棒状体から短冊状の試験片を切り出し
て粘弾性の温度分散挙動を測定したところ、損失弾性率
がピ−クを持つ温度は140℃であり、良好な耐熱性を
示すことが分かった[測定装置;レオメックス社製RS
A、昇温速度5℃毎分]。続いて、上記直径10mmの
CFRP棒状体の引張性能を評価したところ、破断荷重
は11.5ton、弾性率は12ton/mm2 であっ
た。破断荷重から求めた該棒状体の引張強度は146k
g/mm2 であり、良好な機械的性能を示すことが分か
った。
【0033】実施例2 実施例1で作成した炭素繊維束に未硬化のエポキシ樹脂
が含浸されたロ−プについて、コンクリ−ト補強筋への
応用を検討した。約100mのロ−プの重量は約10k
gであった。このものは容易に直径50cmのドラムに
巻き取ることができ、持ち運びが極めて容易であった。
【0034】また、該未硬化のエポキシ樹脂が含浸され
たロ−プを3ヵ月間室温に放置したところ、複合体のし
なやかさは製造直後のものと何ら変化が無かった。ま
た、このものについて、実施例1で示した条件と全く同
様にして通電させCFRP棒状体を作成した。これは、
実施例1で製造したCFRP棒状体と全く同等の性能を
示し、その結果、本発明の通電硬化用ロープは長期間の
保存が可能なことが分かった。
【0035】上記のようにしてドラム巻きしたロ−プを
土木現場に搬送し、コンクリ−ト補強筋として施工し
た。まず、ドラム巻からロ−プを引き出して、四角螺旋
の形態に該ロープを配置した。このとき該ロープを10
m使用した。続いて、所定形態に配置した該ロープの両
端に電極を圧着し、交流電源を用いて100ボルトの電
圧をかけ、該ロープを約150℃まで加熱した。このと
き該ロープの長手方向の温度ムラはなかった。この状態
で30分間維持して含浸されたエポキシ樹脂を硬化さ
せ、CFRP製コンクリ−ト補強筋を施工した。
【0036】以上の工程から、本発明の通電硬化用ロー
プを土木、建設用のコンクリ−ト補強筋として使用する
場合に輸送性や施工性が極めて良好であることがわかっ
た。
【0037】また、実施例1で作成したCFRP棒状体
についてコンクリ−トへの付着強度を評価した。評価方
法はJIS原案で提示された方法(例えば「コンクリ−
ト工学」23巻No.3,P.10(1985)を参
照)に準拠した。その結果、コンクリ−トへの付着強度
は80kg/cm2 であり、コンクリ−トへの付着特性
が良好であることが分かった。以上の結果から、本発明
の通電硬化用ロープ及びその施工方法は、コンクリート
補強筋として使用する際に極めて有望な材料を提供する
ことが明らかとなった。
【0038】実施例3 実施例1で作成した炭素繊維束に未硬化のエポキシ樹脂
が含浸された本発明の通電硬化用ロ−プをケ−ブルへ応
用する検討を行った。実施例1と全く同様にして作成し
たドラム巻きしたロ−プ50mを引出して両端に電極を
圧着した。このとき該ロープの両端を引張り50kgの
張力を加えた。その後に、交流電源を用いて500ボル
トの電圧を加えて該ロープに通電して約150℃に発熱
させた。このとき該ロープの長手方向の温度ムラはなか
った。この状態で30分間維持して、長さ50mのCF
RP製ケ−ブルを得た。以上の結果から、本発明の通電
硬化用ロープ及びその施工方法は、吊橋等に使用する鋼
製ケ−ブルの代替材としての極めて有望な材料を提供す
ることが明らかとなった。
【0039】
【発明の効果】本発明の、熱硬化性樹脂が含浸された炭
素繊維束からなる通電硬化用材料および通電硬化用ロー
プは、柔軟で、持ち運び、取扱い性に優れ、高強度の炭
素繊維強化樹脂製の部材を所望の形態に製造するための
中間素材として有用である。該部材としては、特に土木
建築用の部材が適している。例えば、本発明の通電硬化
用ロープはドラム巻きの状態で輸送可能であり、工事現
場において大型、長尺の部材を所望の形態にて施工する
ことができる。
【0040】該通電硬化用ロープは、土木、建築分野で
使用されるコンクリ−ト補強用鉄筋の代替材を、作業現
場あるいはその近くで、所望の形態に容易に成形加工ま
たは施工できるなどの特徴がある。また、吊橋等に用い
る鋼製のワイヤ−の代替材の中間素材として使用するこ
とも可能である。本発明により得られる土木建築部材
は、軽量性、高強度のみならず耐久性に優れ、産業上極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 67/14 L 7188−4F H05B 3/16 7913−3K // B29K 105:08 B29L 31:06 4F 31:10 4F

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊
    維束からなることを特徴とする通電硬化用材料。
  2. 【請求項2】未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素繊
    維束からなることを特徴とする通電硬化用ロープ。
  3. 【請求項3】該未硬化の熱硬化性樹脂が含浸された炭素
    繊維束が撚りをかけられているかまたは編み組みされる
    ことにより一体化されている請求項2記載の通電硬化用
    ロープ。
  4. 【請求項4】請求項1記載の通電硬化用材料を、所望の
    形態に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬化させて得
    ることを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部材。
  5. 【請求項5】請求項2または3記載の通電硬化用ロープ
    を、所望の形態に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬
    化させて得ることを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部
    材。
  6. 【請求項6】該部材が土木建築用部材である請求項4ま
    たは5記載の炭素繊維強化樹脂製の部材。
  7. 【請求項7】請求項1記載の通電硬化用材料を、所望の
    形態に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬化させるこ
    とを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。
  8. 【請求項8】請求項2または3記載の通電硬化用ロープ
    を、所望の形態に配置して、通電して熱硬化性樹脂を硬
    化させることを特徴とする炭素繊維強化樹脂製の部材の
    施工方法。
  9. 【請求項9】該部材が土木建築用部材である請求項7ま
    たは8記載の炭素繊維強化樹脂製の部材の施工方法。
  10. 【請求項10】該土木建築部材がコンクリート補強用筋
    材である請求項9記載の施工方法。
  11. 【請求項11】該土木建築部材がケーブルである請求項
    9記載の施工方法。
JP5008448A 1992-02-27 1993-01-21 通電硬化用材料、通電硬化用ロープ、それから得られる部材及び該部材の施工方法 Pending JPH05302401A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525197A (ja) * 2007-04-23 2010-07-22 ランデル ブランドストロム, 繊維補強された鉄筋
JP2019518101A (ja) * 2016-04-26 2019-06-27 リミテッド ライアビリティ カンパニー“アニソプリント” 強化用複合スレッド、プリプレグ、3d印刷用テープ及びそれを調製するための設備

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