JPH05309448A - 単結晶銅材の製造方法 - Google Patents

単結晶銅材の製造方法

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JPH05309448A
JPH05309448A JP3358106A JP35810691A JPH05309448A JP H05309448 A JPH05309448 A JP H05309448A JP 3358106 A JP3358106 A JP 3358106A JP 35810691 A JP35810691 A JP 35810691A JP H05309448 A JPH05309448 A JP H05309448A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 RRR値を殆ど低下させることなく、比較的
高い強度を有する高純度銅から成る単結晶銅材の製造方
法の開発。 【構成】 2〜50ppmのAgを含む6N(99.9
999%)以上の純度を有する高純度銅を鋳型を通して
50mm/分以下の鋳造速度で引き抜くことを特徴とす
る単結晶銅材の製造方法。そのまま冷間伸線により細線
或いは極細線とすることができる。溶融高純度銅Mを収
納するベッセル(溶解炉)1において、一端を溶融銅浴
中に突出し且つ他端を冷却構造体6に当接した鋳型3を
通して鋳造ロッドRを引き抜く。パルス引き抜きが好ま
しい。完全な単結晶銅材を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶銅材の製造方法
に関するものであり、6N(99.9999%)以上の
純度を有する高純度銅をベースとして、2〜50ppm
のAgを添加し、所定の鋳造速度で引き抜くことを特徴
とする。本発明はまた、引き抜かれたロッドをそのまま
冷間伸線することにより細線或いは極細線の形にして使
用される単結晶銅材の製造方法にも関係する。得られた
単結晶銅材は、例えば音響及び画像信号伝送配線用途に
使用される。本発明によって、高品質のオーディオ及び
ビジュアルケーブルに代表される電気信号伝送線材が提
供される。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトディスクやレーザーデ
ィスクのように光を使用してデジタル方式で記録及び再
生を行なうオーディオ及びビジュアル設備が普及してい
る。こうしたデジタル方式での電気信号の記録と再生
は、アナログ方式のものに比較して、例えば音の記録或
いは再生に際してその音域及びその正確性を広げ、純度
の高い、立体感及び臨場感の豊かな音の再生を可能とし
つつある。
【0003】このように優れたデジタル方式の能力を最
大限に引き出すために、設備コンポーネントの品質の高
性能化はもとより、それらを結ぶ信号伝送線路並びにコ
ンポーネント間の配線材料並びにコンポーネント内部の
信号伝送線路の高品質化に注目が向けられるようになっ
ている。信号伝送線路を含めて入力から出力まで全体を
通して配慮を払ってこそ真の意味のデジタル方式の長所
が引き出されるのである。
【0004】従来、オーディオ機器におけるアンプとス
ピーカーとを結ぶスピーカーケーブル、テープレコーダ
やコンパクトディスクとアンプとを結ぶオーディオピン
ケーブル、オーディオステレオピンケーブル等、更にビ
ジュアル機器に用いられるビジュアルピンケーブル等の
ような伝送ケーブルには、アナログ方式による伝送ケー
ブルが用いられていたが、上述したように、信号の伝送
中、雑音や歪が付与され、音質及び画質を劣化させてい
た。
【0005】こうした中で、高品質の音を再生するため
に電線の改良に関する提案が為された。例えば、特開昭
59−167904号は、酸素50ppm以下の無酸素
銅を700℃以上の不活性ガス雰囲気中で焼鈍すること
により、結晶粒を粗大化して高品質の音質を得ようとす
るものであった。
【0006】更に、これを一段と改善して、超高純度
の、例えば6N(99.9999%)以上の純度の銅を
用いる試みが為され、成功を納めてきた。不純物を徹底
的に排除し、結晶粒を大きく成長させることにより、情
報信号の伝達は一段とストレートになり、ロスが減少
し、伝送特性の向上が実現された。これは特に、高域特
性に優れた高純度な音質および画質の実現に有効であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】6N(99.9999
%)以上の純度の高純度銅は、音響及び画像信号伝送配
線用銅材としては極めて有用である。しかしながら、こ
れらは、強度が乏しいと云う欠点がある。こうした用途
において、もうすこし強度を有する方が使用上或いは取
扱上好適であることが多い。特に、極細線の製造におい
ては、引抜き時に断線する事態が多発し、製造効率の点
で大きな問題となった。また、銅線材はコイルとして用
いられることがあるため、巻きつけ時に断線が生じるこ
とも重大な問題であった。
【0008】電流のスムースな流れを評価する指標とし
て、RRR値(残留抵抗比値)がある。ここで、RRR
値とは、273Kにおける電気抵抗値/4.2Kにおけ
る電気抵抗値の比を云う。このRRR値を殆ど低下させ
ることなく、通常純度の銅の強度以上にすることが要望
されている。そのためには、単結晶銅材を得ることが所
望される。
【0009】本発明の課題は、RRR値を殆ど低下させ
ることなく、比較的高い強度を有する高純度銅から成る
単結晶銅材の製造方法を開発することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】RRR値と強度とは基本
的には相反するものである。強度を向上するための微量
元素の添加は、RRR値を減少させる。本発明者等は、
6N以上の高純度銅において、RRR値を殆ど低下させ
ることなく、単結晶化に有効な添加剤について研究を重
ねた結果、Agを見出し、しかも6N以上の純度を有す
る高純度銅への少量のAgの添加と所定の鋳造速度の組
合せが、単結晶の製造という課題解決に有用であるとの
知見を得た。引き抜かれた単結晶銅材はそのまま断線を
生じることなく細線或いは極細線とすることができるこ
とも見出された。
【0011】この知見に基づいて、本発明は、(1)2
〜50ppmのAgを含む6N(99.9999%)以
上の純度を有する高純度銅を鋳型を通して50mm/分
以下の鋳造速度で引き抜くことを特徴とする単結晶銅材
の製造方法、及び(2)2〜50ppmのAgを含む6
N(99.9999%)以上の純度を有する高純度銅を
鋳型を通して50mm/分以下の鋳造速度で引き抜きそ
してそのまま冷間伸線により細線或いは極細線とするこ
とを特徴とする細線或いは極細線単結晶銅材の製造方法
を提供する。鋳型を一端を溶融銅浴中に突出しそして他
端を冷却された構造のものとすることが好ましい。
【0012】本発明において、「音響及び画像信号伝送
配線用銅材」とは、コンパクトディスクやレーザーディ
スクに代表される音響・画像信号伝送用機器内部配線及
び機器間のケーブル等の線材を包括するものである。
【0013】
【作用】6N以上の純度を有する銅に2〜50ppmの
Agを含有させそして50mm/分以下の遅い鋳造速度
で鋳型を通して引き抜くことにより、Agを含まない6
N純度の銅より単結晶化が確実となることが実験的に確
認された。Agを含まないと、部分的に粒界を生じるこ
とがある。6N純度の銅の特徴である再結晶温度が低い
こと、従って加工硬化が望めないことから細線に伸線し
にくい難点を解消する。特に、6N純度の銅において
は、多結晶の欠点である粒界と粒内の硬さの相違が皮む
きや伸線を困難としていたが、単結晶化によりこれを解
消する。
【0014】
【実施例】例えば、オーディオ及びビジュアル機器内部
配線を例にとると、銅純度を6N乃至7Nとして、不純
物を極端に減少することにより、不純物の固溶や析出が
従来使用されているオーディオ及びビジュアル無酸素銅
線と比較して1/10以下とすることが出来るため、不
純物の固溶や析出に起因する電気信号へのノイズや歪が
減少する。
【0015】このように機器内配線更には外部線材等前
述した用途向け銅材を製造する際には、 1.高純度であること、 2.異物、ピンホール等の内部欠陥が極めて少ないこ
と、 3.長尺物で均一な品質を持つもので、偏析の少ないこ
と、 4.単結晶組織に結晶成長制御されていること 5.伸線時に断線しないこと を満たす高純度単結晶銅材を製造する方法が必要とされ
る。
【0016】6N以上の高純度鋳造銅材は、塑性加工後
の再結晶により、強度が不足する。そこで、本発明に従
えば、Agが2〜50ppm添加されそして鋳造速度が
50mm/分以下と遅くされる。2ppm未満では所要
の最小限の強度が発現しない上に、安定して単結晶が得
られない。他方、50ppmを超えるとRRR値への悪
影響が顕著となり、やはり単結晶が安定して得られな
い。50mm/分を超える鋳造速度では、やはり単結晶
化が出来なくなる。
【0017】以下、参考までに、6N以上の高純度銅連
続鋳造材の製造について先ず説明を加える。通常的な銅
電解精製では、純度98〜99%前後にまで精製した粗
銅を鋳造して陽極となし、圧延銅板等から作製した種板
を用いて、銅濃度40〜50g/lそして遊離硫酸濃度
90〜220g/lの電解液中にて液温50〜70℃及
び陰極電流密度1〜3A/dm2 の条件下で電解を行な
うことにより電気銅を製造している。得られる電気銅
は、4N(99.99%)程度の純度であり、更に高純
度化を図らねばならない。
【0018】高純度の銅を製造する一つの方法は、再電
解である。一般に、上記電気銅を陽極として隔膜方式で
再電解が実施される。再電解における遊離硫酸濃度は9
0〜220g/lそして銅濃度は30〜50g/lと通
常の電解と変わるところはない。電解液中の遊離硫酸濃
度が90g/lより低いと、電着銅の表面の緻密性及び
平滑性が不良となって不純物を巻き込み易い。他方、遊
離硫酸濃度が220g/lを超えると、硫酸銅の溶解度
が減少して生産性を低下する。好ましい遊離硫酸濃度は
90〜150g/lである。電解液中の銅濃度は低い方
が電着銅の表面の緻密性及び平滑性の点で良いが、反面
生産性を低下するので、これらを考慮して、30〜50
g/l、好ましくは40g/l前後とされる。
【0019】再電解条件としては、30〜50℃の電解
温度及び50〜150A/m2 の陰極電流密度が一般に
採用される。電解温度は低めの方が電着銅表面の緻密性
及び平滑性を良好とするので、液温は50℃を上限とす
るのがよい。50℃を超えると、デンドライト状結晶も
生成し易い。温度が30℃未満では硫酸塩の溶解度が減
少し、好適な電解操業が行ない得ない。好ましい液温は
35〜45℃、 特には40℃前後である。Ag汚染防止
上温度の管理は重要である。陰極電流密度は、電着銅表
面の緻密性及び平滑性不良による不純物の巻込みと生産
性を考慮して、50〜150A/m2 好ましくは90〜
150A/m2 で実施するのがよい。
【0020】隔膜は、電気銅が溶解する際に発生する銅
紛及び亜酸化銅粉や不純物が電着銅に混入するのを防止
するために設けられる。隔膜は、イオン交換膜、ろ布、
セラミクス等から成り、ろ布の場合枠に張り渡したボッ
クス状としても良いし、袋状としても良い。デビロン、
テフロン、テトロン等の耐酸性化繊ろ布の使用が好まし
い。
【0021】電解液中にはニカワが電気銅トン当たり5
〜20g添加されうる。ニカワの添加により電着銅の表
面は緻密となり、不純物の巻き込みが有効に防止され
る。ニカワは硫黄を含まないので、しかも添加量は少量
に抑えてあるので、硫黄等の汚染の心配はない。ニカワ
量が多すぎるとかえってしわが生じたり、表面性状が悪
化する。ニカワの添加は不純物品位低減の安定化に大き
く寄与する。
【0022】電解操業は、電解槽において電気銅として
の陽極とボックス型の隔膜内に配した陰極を対面状態で
配置して実施される。陰極としては、チタン板、ステン
レス板、高純度銅板が使用される。電解液は、電解槽か
ら抜き出され、循環槽に送られ、成分調整後、ろ過器を
通して隔膜内に戻される。ニカワの補給も隔膜内にため
される。隔膜内に直接電解液の給液とニカワの補給を行
なうことは、 1.電着面が常時清浄な電解液に曝され、不純物の巻き
込み防止効果が大きいこと、 2.ニカワが電着面によく作用し、ニカワ添加量が少な
くしうること、 3.電解液循環量を減少しうること の点で高純度化にきわめて有益である。
【0023】以上が本発明の原料となり得る高純度銅の
一例である。もちろん、上記以外の方法で製造された高
純度銅も本発明の製造原料となり得る。
【0024】こうして得られた高純度銅は溶解炉或いは
ベッセルから鋳型を通して引き抜くことによりロッドに
鋳造される。ブレークアウト等の危険なく安全にそして
効率よく製造することの出来る連続鋳造方法として本件
出願人は既に、(1)一端を溶融銅浴中に突出し且つ他
端を冷却した鋳型を通して連続鋳造する方法、及び
(2)第1ベッセルに溜められた溶融銅を、第2ベッセ
ル内に吸引して真空精製した後、一端を該第1ベッセル
内の溶融銅浴中に突出し且つ他端を冷却した鋳型を通し
て連続鋳造する方法を提唱している。こうした方法が、
ここでも有益に使用される。
【0025】図1は、(1)の代表例としての横形連続
鋳造設備を示す。2〜50ppmのAgを含む6N以上
の純度を有する溶融高純度銅Mを収納するベッセル或い
は溶解炉1において、鋳造ロッドRを引き抜くべく、一
端を溶融銅浴中に突出し且つ他端を冷却構造体6に当接
した鋳型3が溶解炉底部近くに挿設される。ロッドは鋳
型3を通して50mm/分以下の鋳造速度で引き抜かれ
る。
【0026】一端を溶融銅浴中に突出せしめそして他端
を冷却構造体に接触せしめた構造を有する鋳型を用いる
ことにより、別個の鋳型専用の加熱手段を用いる必要性
が無くなり、用いるとしても補助的なヒータで足り、過
剰加熱の恐れなく、鋳型の入り口側近くで凝固面を保持
することが可能となる。これは、ブレークアウトの危険
性を排除する。これはまた単結晶化を容易に可能とす
る。
【0027】図2〜5は、(2)の真空精製−連続鋳造
設備例を示す。図2を参照すると、装置は基本的に、第
1ベッセル(溶解炉)1と、第2ベッセル2と、鋳型3
とから構成される。第1ベッセル1内で溶解を行なって
もよい。溶融銅Mは、第1ベッセル1内に保持される。
第1ベッセル1の周囲には、必要ならヒータ7が設置さ
れる。第1ベッセル1直上に設置される第2ベッセル2
は、第1ベッセル1内に保持される溶融銅中に浸漬され
る導通管4を具備している。第2ベッセル2の周囲に
も、必要ならばヒータ8が設置される。第2ベッセル2
の上端は、弁10を介して第2ベッセル内上部を排気す
るための真空系とそこを加圧するための不活性ガス系に
切替え自在に接続される。ここでは、導通管4は、溶融
銅の吸上げと降下を兼ねる単管方式であり、原料純度と
目標品質に応じて弁10の操作により第2ベッセルの減
圧(10-2Torr程度に)及び加圧(常圧まで)を繰り返
すことにより、溶融銅の精製がもたらされる。例えば、
5〜30回減圧と加圧が繰り返される。
【0028】所定の操作後、鋳型3を通して鋳造が実施
される。鋳型3には最初、純銅棒がをその挿入端が溶融
銅供給側より僅かに引っ込むようにして挿入されてい
る。鋳型3の一端は第1ベッセル底部に形成された凹入
部に挿入され、溶融銅及び第1ベッセル壁からの熱によ
り加温されている。補助ヒータ9が追加的熱を与えるた
めに設置される。鋳型3の他端は、冷却構造体6により
冷却される。鋳型内部には、通路15を通してN2 等の
不活性ガスが注入される。不活性ガスが溶融銅側にのみ
放出されるようガスシール16が設けられる。ピンチロ
ール17により鋳造ロッドRが引き抜かれる。
【0029】第1ベッセルは、N2 、Ar等の不活性ガ
ス及びCO、H2 等の還元性ガスにより雰囲気制御され
る。導通管にN2、Ar等の不活性ガス及びCO、H2
の還元性ガス吹き込みがなされうる。第1ベッセル溶融
銅中に、N2 、Ar等の不活性ガス及びCO、H2 等の
還元性ガス吹き込みをなしうる。
【0030】一端を溶融銅浴中に突出せしめそして他端
を冷却構造体に接触せしめた構造を有する鋳型を用いる
ことにより、別個の鋳型専用の加熱手段を用いる必要性
が無くなり、用いるとしても補助的なヒータで足り、過
剰加熱の恐れなく、鋳型の入り口側近くで凝固面を保持
することが可能となる。これは、ブレークアウトの危険
性を排除する。これはまた単結晶化を容易に可能とす
る。
【0031】鋳型は、例えば、チッ化ケイ素、炭化ケイ
素、黒鉛等の熱良導体の耐火物製とすることが好まし
い。
【0032】鋳造においては、パルス引き抜きが有用で
ある。パルス引き抜きとは、一定時間引き抜き停止を間
に挟んで引き抜きを繰り返すものであり、例えば、2〜
10秒引き抜きを停止しつつ0.1〜1秒引き抜きを繰
り返す断続的引き抜き方法である。
【0033】「鋳造速度」とは、引き抜き長さを引き抜
き時間で割った値であり、パルス引き抜きを採用する場
合には、停止時間と引き抜き時間との合計時間で引き抜
き長さを割った値である。
【0034】不活性ガスをの凝固界面近傍に吹き込むこ
とにより、界面近傍の温度勾配を一層大きくすることが
出来、単結晶化を一段と容易ならしめる。また、通路1
5を通して鋳型の途中に不活性ガスを導入し、不活性ガ
スにて鋳造物の表面を覆いながら不活性ガスを溶融銅浴
中に噴出させることにより、不活性ガスは溶融銅浴を撹
拌し、温度及び不純物成分のバラツキをなくす作用をな
す。
【0035】別法としては、図3に示すように、第1ベ
ッセル底部に水平方向に鋳型を設置することにより水平
引き抜きを行なうことも出来る。構成自体は図2と同様
である。
【0036】図4は、また別の真空精製−連続鋳造装置
の例を示す。図2と同一の要素には同一の参照番号を付
してある。ここでは、図2とは異なり、導通管が吸上げ
と降下を別々に行なう循環式複管方式として示されてい
る。導通管4が吸上げ管であり、導通管5が降下管であ
る。溶融銅は、導通管4を通して吸上げられ、第2ベッ
セルにて真空に曝された後導通管5を通して自重で降下
する。第2ベッセルには酸素吹き込み口20が示され、
また導通管4には、不活性ガス羽口21が設けてある。
番号23は添加剤投入口を示す。
【0037】更に、この例では、鋳型3が第1ベッセル
壁中に完全に埋入され、その一端は溶融銅中に突入して
いる。そのため、鋳型は充分に加熱され、補助ヒータは
不要である。
【0038】図5は、図4の水平引き抜きの場合を示す
ものであり、説明は省略する。
【0039】図6及び7は、連続式の真空精製連続鋳造
装置を示す。図4及び5と同じく、導通管が吸上げと降
下を別々に行なう循環式複管方式であり、両者の間に隔
壁24が設けられている。吸上げ管としての導通管4
は、ここでは例えば3本から構成される。供給口26か
ら溶融銅は連続的に供給され、隔壁の手前で導通管4を
通して吸上げられ、第2ベッセルにて真空に曝された後
導通管5を通して自重で隔壁の背後に降下する。第2ベ
ッセルには酸素吹き込み口20が設けられ、また導通管
4には、不活性ガス羽口21が設けてある。更には、第
1ベッセルの溶融銅浴中に還元ガスを吹き込む羽口30
も装備されている。
【0040】こうした真空吸上げ乃至は循環方式による
脱ガス方式と一端を溶融銅中に突出し他端を冷却構造体
に接した構造の鋳型による鋳造方式と組合わせることに
よって、高純度で内部欠陥のない鋳造物が安全に且つ安
定して得られる。
【0041】こうして、上述したような設備を使用して
鋳型3を通して50mm/分以下の鋳造速度で引き抜く
ことにより単結晶銅ロッドが得られる。この単結晶ロッ
ドはそのまま、冷間伸線加工により、断線を生じること
なく細線或いは極細線とすることができる。
【0042】(実施例)一端を溶融銅浴中に突出し且つ
他端を冷却構造体に当接した水平グラファイト製鋳型を
溶解炉底部近くに挿設した図1に示した横型連続鋳造設
備を使用した。グラファイト鋳型の孔径は8mmであっ
た。
【0043】S:0.05ppm以下、Fe:0.05
ppm以下等極めて純度の高い6N等級の銅を溶解し、
Agを20ppm添加し、グラファイト鋳型に外径7.
6mmの純銅棒を溶融金属供給側より1cm内側に配置
した。炉内の溶融した高純度銅を1250℃に昇温保持
した。溶融金属供給側と反対側に設置された冷却構造体
に8リットル/分で水を通じ、高純度銅の凝固位置を鋳
型内の溶融金属供給側近くに設定した。
【0044】高純度銅ロッドを0.5秒で1mm引き抜
き、その後2.5秒停止するパルス引き抜きで連続的に
引き抜いた。(平均引抜線速度:20mm/分)
【0045】この結果得られた高純度の銅ロッドは結晶
粒界のない長尺の単結晶であった。このロッドをそのま
ま冷間伸線し、焼鈍なしで20ミクロン直径の極細線ま
で加工したところ、2.5kgの無断線のものを得た。
【0046】また、直径0.6mmのものを完全にアニ
ールし、オーディオ用線材に用いたところ好評を得た。
そのRRR値は約4000であった。
【0047】(比較例1)Ag添加量を100ppm及
び500ppmに増加した以外は上記の実施例と同様に
して、ロッドを平均引抜線速度20mm/分でパルス引
抜きした。100ppmでは一部結晶粒界が発生した。
500ppmでは更に多くの結晶粒界が発生した。
【0048】Ag添加量を20ppm一定としたまま、
平均引抜線速度を70mm/分及び150mm/分に増
大して、実施例と同様にしてロッドを引き抜いた。ロッ
ドは完全に多結晶であった。
【0049】Ag添加量を100ppm及び500pp
mに増加しそして平均引抜線速度を70mm/分及び1
50mm/分に増大した場合には、いずれの組合せにお
いてもやはり完全に多結晶であった。
【0050】単結晶化にAg量と鋳造速度が大きく影響
していることがわかる。
【0051】(比較例2)Agの替わりにInを20p
pm添加し、ロッドを平均引抜線速度20mm/分でパ
ルス引抜きしたが、一部結晶粒界が発生した。InはA
gほどの単結晶化効果を有さなかった。In添加量を2
0ppm一定としたまま、平均引抜線速度を70mm/
分及び150mm/分に増大した場合、平均引抜線速度
を20mm/分一定としてIn添加量を100ppm及
び500ppmに増加した場合には一層多くの粒界が発
生した。In添加量を100ppm及び500ppmに
増加しそして平均引抜線速度を70mm/分及び150
mm/分に増大した場合、いずれも完全に多結晶であっ
た。
【0052】
【発明の効果】単結晶銅材の信頼性ある製造方法を確立
した。引き抜かれたロッドをそのまま冷間伸線すること
により細線或いは極細線を製造することができる。本発
明は、強度とRRR値に優れた音響・画像信号伝送用機
器内部配線用線材を与え、特に本材料は極細線の製造及
びコイル作製において断線が生じず、製造が効率的且つ
容易であり、大幅な経費減をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに使用できる、一端を溶融
銅浴中に突出し且つ他端を冷却構造体に当接した水平鋳
型を備える横形連続鋳造設備の断面図である。
【図2】単管方式の垂直抜出し型精製鋳造装置の概略垂
直断面図である。
【図3】水平抜出し型に変更した図2の装置の鋳型部分
の断面図である。
【図4】複管循環方式の垂直抜出し型精製鋳造装置の概
略垂直断面図である。
【図5】水平抜出し型に変更した図4の装置の鋳型部分
の断面図である。
【図6】連続方式の水平抜出し型精製鋳造装置の概略垂
直断面図である。
【図7】図6の第1ベッセルを通しての水平断面図であ
る。
【符号の説明】
1 第1ベッセル(溶解炉) 2 第2ベッセル 3 鋳型 4 導通管 5 導通管 6 冷却構造体 M 溶融銅 R 鋳造ロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/02 7821−4G H01B 1/02 A 7244−5G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2〜50ppmのAgを含む6N(9
    9.9999%)以上の純度を有する高純度銅を鋳型を
    通して50mm/分以下の鋳造速度で引き抜くことを特
    徴とする単結晶銅材の製造方法。
  2. 【請求項2】 2〜50ppmのAgを含む6N(9
    9.9999%)以上の純度を有する高純度銅を鋳型を
    通して50mm/分以下の鋳造速度で引き抜きそしてそ
    のまま冷間伸線により細線或いは極細線とすることを特
    徴とする単結晶銅材の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋳型が一端を溶融銅浴中に突出しそして
    他端を冷却された構造のものである請求項1或いは2の
    単結晶銅材の製造方法。
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