JPH053121A - 磁性部材 - Google Patents

磁性部材

Info

Publication number
JPH053121A
JPH053121A JP23285391A JP23285391A JPH053121A JP H053121 A JPH053121 A JP H053121A JP 23285391 A JP23285391 A JP 23285391A JP 23285391 A JP23285391 A JP 23285391A JP H053121 A JPH053121 A JP H053121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
alloy
sputtering
coercive force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23285391A
Other languages
English (en)
Inventor
Reiko Akashi
玲子 明石
Hitoshi Iwasaki
仁志 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP23285391A priority Critical patent/JPH053121A/ja
Priority to US07/860,221 priority patent/US5439754A/en
Publication of JPH053121A publication Critical patent/JPH053121A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 より高い飽和磁束密度Bsでありながら、一
方では低保磁力Hc特性を有し、磁気ヘッドなどの構成
に適する磁性膜ないし磁性部材の提供を目的とする。 【構成】 一般式、MM′N (ただし式中、MはCo、Feの少なくともいずれか1
種の遷移金属、M′はB、Al、Si、Ga、Ge、T
i、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Wから選択される
少なくとも1種の元素、Nは窒素である)で示される合
金系磁性膜であって、前記合金系磁性膜中のM′もしく
はNの濃度が相対的に一主面側を高くさせたことを特徴
とする。 【効果】 本発明の磁性膜ないし磁性部材は、1.7 Tを
越える高い飽和磁束密度Bsを保ちながら、支持基板近
傍の膜の磁気特性の劣化がないため、磁気ヘッドの構成
に用いた場合、記録能力にすぐれ、かつ疑似ギャップも
ないため再生能力にもすぐれた機能を呈する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性部材に係り、たとえ
ば磁気ヘッドの構成に適する磁性部材(磁性膜)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば保磁力Hcの高い磁気記録媒体
に対する記録ないし読出しの能力(機能)を充分発揮さ
せるには、磁気ヘッドを構成する磁性膜ないし磁性体層
が、高い飽和磁束密度Bsおよび軟磁気特性(低保磁力
Hc)を備えていることが要求される。
【0003】ところで、良好な軟磁気特性を示す結晶質
の磁性膜としては、NiFe合金膜、FeAlSi系の
合金膜などが、従来知られている。しかし、これらの磁
性膜の飽和磁束密度Bsは最大で1.1 T程度で、前記保
磁力Hcの高い磁気記録媒体に対する磁気ヘッド構成用
として充分とはいえない。また、多くのFe系もしくは
Co系合金は、アモルファス化することにより、低保磁
力Hcを示す。しかし、アモルファス化させるための元
素添加により飽和磁束密度Bsが低下し、さらに耐熱性
を考慮すると飽和磁束密度Bsは1T程度となってしま
う。これに対して、結晶質のA1を含むCoFe系合金
膜やFe系合金膜は、1.5 T以上の高い飽和磁束密度B
sを示すので、保磁力Hcの高い磁気記録媒体に対する
磁気ヘッド構成用として好適視される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記結晶質の
A1を含むCoFe系合金磁性膜やFe系合金磁性膜に
ついて、本発明者らがさらに鋭意研究を進めたところ、
第3の元素の添加量を減らして飽和磁束密度Bsを高め
ると、数μm厚以上の膜の場合、全体としての保磁力H
cは低いものの、たとえばスパッターリングで形成した
磁性膜の初期形成層における保磁力Hcが劣化している
ことが確認された。したがって、この種の合金磁性膜を
用い、たとえばMIGヘッドを作製した場合、疑似ギャ
ップの原因となり、その結果として出力の周波数特性に
リップルを生じさせ、良好な再生特性が得られないとい
う深刻な問題が発生し易いという欠点がある。
【0005】さらに、アモルファス化を促進する遷移金
属を含むCoFe系合金磁性膜については、たとえばス
パッタリングで成膜を進めた場合、成膜後期過程で基板
温度が上昇し、結晶粒成長が生じHcの劣化が起こり易
いという問題がある。
【0006】本発明は、より高い飽和磁束密度Bsであ
りながら、一方では低保磁力Hc特性を示し、磁気ヘッ
ドなどの構成に適する磁性膜ないし磁性部材の提供を目
的とする。さらには、磁性膜成長初期の劣化層の発生が
抑制可能な磁性膜の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁性部材
(磁性膜)は、一般式、MM′N (ただし式中、MはCo、Feの少なくともいずれか1
種の遷移金属、M′はB、Al、Si、Ga、Ge、T
i、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Wから選択される
少なくとも1種の元素、Nは窒素である)で示される合
金系磁性膜であって、前記合金系磁性膜中のM′もしく
はNの濃度が相対的に一主面側を高くさせたことを特徴
とする。
【0008】換言すると、Co、Feから成る群から選
択された少なくとも一つの遷移金属と、B、Al、S
i、Ga、Ge、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、M
o、Wから成る群Xから選択される少なくとも一つの元
素と、窒素とで構成された合金系磁性体(膜ないし部
材)であって、一主面側たとえば支持基板側ほど、前記
X成分濃度あるいは窒素濃度が高く、他主面側たとえば
膜厚方向ほどX成分濃度あるいは窒素濃度が減少してい
ることを特徴とする合金系磁性膜(磁性部材)である。
上記本発明に係る合金系磁性膜ないし磁性部材は次の
ようにして製造される。すなわち、窒素を含むスパッタ
リングガス中で、Co、Feから成る群から選択された
少なくとも一つの遷移金属Mと、B、Al、Si、G
a、Ge、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Wか
ら成る群M′から選択される少なくとも一つの元素とで
構成された金属を、スパッタリングすることによって製
造される。なお、このスパッタリング工程において、
(a) スパッタリング初期過程では、スパッタリング後期
過程に比べて、M′(X)の濃度が異なるターゲットを
用いるか、あるいは(b) スパッタリング初期過程におけ
るスパッタリング条件を、スパッタリング後期過程のス
パッタリング条件に比べて、膜組成の少なくともM′
(X)濃度あるいは窒素(N)濃度が異なる条件でスパ
ッタリングを行う。
【0009】
【作用】本発明に係る合金系磁性膜(磁性部材)は、C
o、Feから成る群から選択された少なくとも一つの遷
移金属Mと、B、Al、Si、Ga、Ge、Ti、Z
r、Hf、Nb、Ta、Mo、Wから成る群Xから選択
される少なくとも一つの元素M′と、窒素とで構成され
る膜において、図1(a) 〜(b)に示すごとく、たとえば
膜の初期形成層ほど、すなわち支持基板面側ほどM′成
分濃度あるいは窒素の濃度が高く、膜厚(膜厚成長)方
向ほどM′成分濃度あるいは窒素濃度を相対的に減少さ
せた構成としいる。このような構成に選択・設定したこ
とにより、合金系磁性膜成長初期層、すなわち支持基板
面近傍の軟磁気特性の劣化が抑制され、また最終的に形
成された合金系磁性膜の飽和磁束密度Bsの低下を最小
限に抑えることが可能となる。この結果、たとえばMI
Gヘッドの作製に適用した場合も、支持基板と合金系磁
性膜間の疑似的なギャップ発生の低減が可能となり、よ
って周波数特性のリップルを小さくすることができる。
【0010】さらに図2(a) 〜(b) に膜の初期形成層ほ
ど、すなわち支持基板面側ほどM′成分濃度あるいは窒
素の濃度が低く、膜厚(膜厚成長)方向ほどM′成分濃
度あるいは窒素濃度を相対的に増加させた構成を示す。
このような構成に選択・設定したことにより、膜成長後
期過程において結晶粒増大によるHcの増加を抑制で
き、また最終的に形成された合金系磁性膜の飽和磁束密
度Bsの低下を最小限に抑えることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0012】実施例1 Co−11.5at% Fe−4at%A1合金ターゲットを用い
て、2極高周波(RF)マグネトロンスパッタ装置によ
り、Ar+N2 ガス雰囲気中で、適当なバイアス電圧を
加えながら、Si基板上に全スパッタガス圧をパラメー
ターとして成膜を行った。なお、スパッタリング条件は
次の通りである。
【0013】 高周波電流密度 7.4 W/cm2 全スパッタガス圧 0.06Pa〜0.2 Pa 窒素ガス 20% 予備排気 2×10-4Pa以下 上記によって得られた合金系磁性膜について、保磁力H
cは印加磁界4000A/mとしてB−Hループトレーサー
により、また飽和磁束密度BsはVSMによりそれぞれ
測定した。
【0014】図3に、膜厚を0.3 μm とした場合、膜厚
を 4μm とした場合の保磁力Hc、飽和磁束密度Bsお
よび合金系磁性膜中のAl濃度につき、全スパッタガス
圧依存性を示す。ただし飽和磁束密度Bsおよび合金系
磁性膜中のAl濃度は膜厚に依存しなかった。図3から
分かるように、全スパッタガス圧を増加させるに従い膜
厚を0.3 μm とした場合の保磁力Hcおよび飽和磁束密
度Bsが減少し、このときA1濃度の増加が認められ
た。一方、膜厚を 4μm とした場合の保磁力Hcは、全
スパッタガス圧に依存せず約80A/mの低い保磁力Hc
を示した。
【0015】そこで、スパッタの初期過程では、全スパ
ッタガス圧を0.2 Paとし、成長膜厚が 4μm となったス
パッタ終了時に、全スパッタガス圧が0.06Paとなるよう
に全スパッタガス圧をスパッタ時間に対して変化させス
パッタを行った。その結果、成長させた合金系磁性膜全
体としてみた磁気特性は、保磁力Hc〜100 A/m、飽
和磁束密度Bs〜1.75Tの良好な膜が得られた。また、
この時の保磁力Hcは、膜厚が薄い(<0.3 μm )場合
でも200 A/mと小さく、膜厚依存性が小さかった。
【0016】実施例2 CoFe11.5A14 合金ターゲットを用い、実施例1で
用いた装置とは異なる2極RFスパッタ装置により、A
r+N2 ガス雰囲気中で、適当なバイアス電圧を加えな
がら、Si基板上に窒素分圧をパラメーターとして成膜
を行った。このスパッタリングによって形成した膜厚を
0.5 μm とした場合、膜厚を 4μm とした場合の合金系
磁性膜の保磁力Hcおよび窒素濃度、飽和磁束密度Bs
の窒素分圧依存性を調べた結果を図4に示す。ただし合
金系磁性膜中の窒素濃度および飽和磁束密度Bsは膜厚
に依存しなかった。図4から分かるように、膜厚を0.5
μm とした場合、窒素分圧を増加するに従い窒素濃度は
増加し、飽和磁束密度Bsは減少した。保磁力Hcは窒
素分圧 0.1〜0.13Paで最小値を示した。一方、膜厚を 4
μm とした場合は、前記膜厚が0.5 μm の場合ほど窒素
分圧に依存せず、窒素分圧0.033 Paのとき膜厚が0.5 μ
m の場合の保磁力Hcが約 430A/mであったのに対
し、保磁力Hcが約 100A/mであった。
【0017】そこで、スパッタ初期過程での窒素分圧を
0.13Paに設定してスパッタを行い、スパッタ終了時には
窒素分圧が0.033 Paとなるように、スパッタリング中の
窒素分圧を時間とともに変化させスパッタを行った。こ
のときのスパッタリングはつぎのような条件であった。
【0018】 高周波電流密度 5.1 W/cm2 全スパッタガス圧 1.3 Pa 窒素ガス圧 0.03Pa〜0.25Pa 予備排気 1.3 ×10-4Pa以下 上記によって得た合金系磁性膜の特性を評価したとこ
ろ、膜全体としてみた磁気特性は、保磁力Hc〜90A/
m、飽和磁束密度Bs1.8 Tの良好な軟磁性を示した。
また、このときの保磁力Hcは膜厚が薄い(<0.5 μm
)場合でも70A/mと小さく、膜厚依存性は小さかっ
た。
【0019】実施例3 Co90Fe10合金ターゲット、およびA1ターゲットを
用いて、2元同時RFスパッタ装置により、Ar+N2
ガス雰囲気中で、適当なバイアス電圧を加えながら、S
i基板上に、Co90Fe10ターゲットの投入高周波電流
密度を7.4 W/cm2 と一定にし、A1ターゲットの投入
高周波電流密度を成膜初期に3.1 W/cm2 とし、成膜終
了時1.8 W/cm2 となるように成膜の時間に従い投入高
周波電流密度を減少させ、成膜初期に膜中のA1濃度が
高く、成膜終了時の成膜中のA1濃度が低くなるよう
に、同時スパッタを行った。このときのスパッタリング
条件は次の通りである。
【0020】 高周波電流密度Co90Fe10 3.7 W/cm2 Al 1.8 W/cm2 〜 3.1W/cm2 全スパッタガス圧 1.3 Pa 窒素ガス圧 0.26Pa 予備排気 1.3 ×10-4Pa以下 上記によって得た合金系磁性膜の特性を評価したとこ
ろ、膜全体としてみた磁気特性は、保磁力Hc〜70A/
m、飽和磁束密度Bs〜1.8 A/mであった。また、こ
のときの保磁力Hcは膜厚が薄い(<0.2 μm )場合に
も60A/mと小さく、膜厚依存性は小さかった。
【0021】実施例4 ターゲット組成でAlが 4at.%、 6at.%もしくは 8at.%
としたCoFe11.5Al4 合金ターゲット、CoFe11
Al6 合金ターゲット、CoFe11Al8 合金ターゲッ
トの三種のターゲットを用いて、3元RFスパッタ装置
により、Ar+N2 ガス雰囲気中で、適当なバイアス電
圧を加えながら、図5に断面的に示すようなCoFe10
Al3.5 /CoFe10Al5.1 /CoFe10Al7.2
支持基板で構成される積層磁性膜を作製した。図5にお
いて、1は支持基板、2はCoFe11Al8 合金をター
ゲットとして形成した合金系磁性膜、3はCoFe11
6 合金をターゲットとして形成した合金系磁性膜、4
はCoFe11.5Al4 合金をターゲットとして形成した
合金系磁性膜である。
【0022】上記によって得た合金系磁性膜(全膜厚 3
μm )の特性を評価したところ、膜全体としてみた磁気
特性は、保磁力Hc〜80A/m、飽和磁束密度Bs〜1.
7 Tの良好な特性を示した。また、この積層膜は熱処理
することで、特性の劣化を生じることなく、膜厚が0.5
μm 以下と薄い場合でもHcは80A/mと小さいととも
に、保磁力Hcの膜厚依存性も小さかった。
【0023】比較例として、前記CoFe系合金におけ
る第三元素の効果について示す。
【0024】CoFe11.5Al4 合金ターゲットもしく
はCoFe11Al8 合金ターゲットを用い、2極RFス
パッタ装置により、Ar+N2 ガス雰囲気中で、適当な
バイアス電圧を加えながら、Si基板上に膜厚をパラメ
ーターとして、下記の条件で合金系磁性膜の成膜行っ
た。
【0025】 高周波電流密度 3.7 W/cm2 全スパッタガス圧 1.3 Pa 窒素ガス圧 0.26Pa 予備排気 1.3 ×10-4Pa以下 次に、CoFe11.5Al4 合金ターゲットを用いて作製
した合金系磁性膜を用い、常套の手段によってMIGヘ
ッドを作製し、出力の周波数特性を測定した結果を図6
に示す。図6から分かるように 3〜 4dB以上のうねり
が生じヘッドとして使用不可能であった。このうねりの
原因を調べるため、保磁力Hcの膜厚依存性を測定した
結果を図7に示す。図7から分かるようにCoFe11.5
Al4 合金ターゲットを用いた場合、形成された磁性膜
厚が薄い場合ほど保磁力Hcが大きい。すなわち、膜成
長初期における磁気的な特性劣化が認められた。前記構
成のMIGヘッドが図6に見られたうねりを生じるの
は、磁性膜の膜成長初期における磁気的な特性劣化が、
支持基板と磁性膜の間の疑似的なギャップとなっている
ものと考えられる。
【0026】一方、Al添加量を 8%に増加させたCo
Fe11Al8 合金ターゲットを用いてスパッタして形成
した磁性膜について、保磁力Hcおよび飽和磁束密度B
sの膜厚依存性を測定した結果を図8に示す。なお、参
考のために、CoFe11.5Al4 合金ターゲットを用い
た場合の、飽和磁束密度Bsの膜厚依存性も合わせて示
す。図8から分かるように、Fe11Al8 合金ターゲッ
トを用いた場合、形成された合金系磁性膜は、その膜厚
に依存せず低保磁力Hcを示した。しかし、飽和磁束密
度Bsについては、CoFe11.5Al4 合金ターゲット
を用いた場合に比べて低く、約1.5 Tとなり、従来の合
金系磁性膜の場合とほぼ等しい飽和磁束密度Bsに過ぎ
なかった。
【0027】実施例5 Co−11.5at% Fe−5at%Ta合金ターゲットを用い
て、2極高周波(RF)マグネトロンスパッタ装置によ
り、Ar+N2 ガス雰囲気中で、適当なバイアス電圧を
加えながら、Si基板上に基板温度をパラメーターとし
て成膜を行った。なお、スパッタリング条件は次の通り
である。
【0028】 高周波電流密度 7.4 W/cm2 全スパッタガス圧 0.2Pa 窒素ガス 10% 予備排気 2×10-4Pa以下 上記によって得られた合金系磁性膜について、成膜時の
基板温度と保磁力Hcの関係を調べたところ図9に示す
ごとくであった。図9から分かるように、約50℃の低基
板温度で成膜された合金系磁性膜は、40A/m以下の低
い保磁力Hcを示したが、基板温度を上昇させるに伴い
成膜された合金系磁性膜の保磁力Hcは増加している。
この理由は、低基板温度で成膜された合金系磁性膜は、
結晶粒が微細化され、この結晶粒の微細化によって低保
磁力Hcとなり、一方、高基板温度で成膜された合金系
磁性膜は、結晶粒が成長し、この結晶粒の成長によって
保磁力Hcが増大するものと考えられる。つまり、たと
えばVTR用の磁気ヘッドとして使用される磁性膜(通
常数μm の膜厚)を成膜する過程において、成膜初期過
程では基板温度が低いが、成膜が進む従い基板温度が上
昇する。したがって、成膜の初期過程ほど結晶粒が微細
化し易く、成膜後期になるに伴い結晶成長が起こってい
るといえる。
【0029】上記における添加元素Taは、成膜される
磁性膜の結晶粒を微細化する作用を呈するが、基板温度
が上昇する成膜後期過程での結晶粒成長を抑制し得るほ
どの濃度にTaを添加すると、成膜される磁性膜全体と
しての飽和磁束密度Bsが大幅に減少する。そこで、以
下のような三種のターゲットを用いて、成膜初期過程に
比べ成膜後期過程においてTa濃度が増大するような成
膜を行った。
【0030】すなわち、ターゲット組成でTaが 5at.
%、 7at.%もしくは 9at.%としたCoFe11.5Ta5
金ターゲット、CoFe11Ta7 合金ターゲット、Co
Fe11Ta9 合金ターゲットの三種のターゲットを用い
て、3元RFスパッタ装置により、Ar+N2 ガス雰囲
気中で、適当なバイアス電圧を加えながら、図10に断面
的に示すようなCoFe10Ta8 /CoFe10Ta6
CoFe10Ta5 /支持基板で構成される積層磁性膜を
作製した。図10において、1は支持基板、2′はCo
Fe11.5Ta5 合金をターゲットとして形成した合金系
磁性膜、3′はCoFe11Ta7 合金をターゲットとし
て形成した合金系磁性膜、4′はCoFe11Ta9 合金
をターゲットとして形成した合金系磁性膜である。
【0031】上記によって得た合金系磁性膜(全膜厚 4
μm )の特性を評価したところ、膜全体としてみた磁気
特性は、保磁力Hc〜40A/m、飽和磁束密度Bs〜1.
6 Tの良好な特性を示した。また、この積層膜は熱処理
することで、特性の劣化を生じることなく、膜厚が0.5
μm 以下と薄い場合でも保磁力Hcは55A/mと小さい
とともに、保磁力Hcの膜厚依存性も小さかった。
【0032】成膜される磁性膜にTa濃度の勾配をつけ
る手段としては、前記したようにスパッタリング後期
に、スパッタリング初期に比べTa濃度の高いターゲッ
トを用いてスパッタリングを行う方法や、たとえば全ス
パッタガス圧,窒素分圧などのスパッタリング条件をス
パッタリング初期と後期で断続的もしくは連続的に変化
させ、膜成長初期過程に比べて膜成長後期過程におい
て、Ta濃度が増加する条件でスパッタリングを行えば
よい。
【0033】次に、本発明に係る合金系磁性膜の応用例
として、磁気ヘッドの構成に適用した場合を、図11〜
図12を参照して説明する。
【0034】図11は長手記録のハードディスクに対す
る記録・再生に用いる薄膜磁気ヘッドの要部構成例を断
面的に示したもので、5aは支持基板6上に被着形成され
た前記本発明に係る強磁性膜、7はヘッド先端側で所定
のギャップ8を形成するよう、前記強磁性膜5a上に積層
された第1絶縁層である。また、9は前記第1の絶縁層
7上に巻装されたコイル、10は前記コイル9を覆うよう
に被着形成された第2の絶縁層である。しかして、前期
第2の絶縁層10表面には本発明に係る強磁性膜5bが、そ
の一部が前記強磁性膜5aに接触し、ヘッド先端側で強磁
性膜5aとの間にギャップ8を形成するように積層して形
成され、この強磁性膜5b上には保護膜12が形成された構
成を成している。
【0035】上記本発明に係る強磁性膜(合金系磁性
膜)5a,5b は、従来の強磁性膜(NiFe膜やCo系ア
モルファス膜など)に比べて飽和磁束密度が高く、高保
磁力媒体に対しても十分な記録が可能となり、しかも膜
成長初期層において磁気的な劣化がないため、目的とす
るギャップ長が確実に得られ、その結果高密度記録が可
能となる。
【0036】図12はメタルインギャップヘッドの要部
構成例を斜視的に示したもので、13a,13b は1対のフェ
ライトコア、16a,16bは前記フェライトコア13a,13b の
対向面側に中間層14a,14b を介して配設されている本発
明に係る合金系磁性膜である。この構成において中間層
14a,14b は、付着力の強化およびフェライトコア13a,13
b と強磁性膜16a,16b との間の相互拡散を防止する役割
を成し、Cr,SiO2 、NiFeなどで構成するのが
好ましい。さらに、15は前記フェライトコア13a,13b の
対向面側に中間層14a,14b を介して配設されている合金
系磁性膜16a,16b 間に、所要のギャップ8が形成される
ように溶着されたガラス、9は前記フェライトコア13a
に巻装されたコイルである。
【0037】この構成において、強磁性膜16a,16b は膜
成長初期層において磁気的な劣化がないため、フェライ
トコア13a,13b と強磁性膜16a,16b との間に疑似的なギ
ャップが生じることがないため、ヘッドとして実用に供
した場合、出力の周波数特性にうねりが生じることはな
く、さらに飽和磁束密度も従来の強磁性膜(Co系アモ
ルファス膜など)に比べて高いため、高保磁力媒体に対
しても十分な記録が可能となる。
【0038】なお、上記実施例では、合金系磁性膜中の
M′成分もしくは窒素Nの濃度分布、つまり膜厚方向の
組成変化が連続的な場合を示したが、たとえば図1(a),
(b)および図2(a),(b) に点線で示すごとく、膜厚方向
の組成変化が不連続であっても同じ効果が期待できるこ
とは勿論である。つまり、一主面側と他主面側とのM′
成分もしくは窒素Nの濃度分布が、相対的に高い濃度と
低い濃度の関係を保持していればよい。
【0039】さらに、上記実施例における合金系磁性膜
中のM′成分AlをたとえばGaやInで置換した場合
も、あるいはTaをTi,Zn,Hf,Nb,Moもし
くはWで置換した場合も同様の結果が認められた。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る合金
系磁性膜(磁性部材)は、高い飽和磁束密度Bsを保ち
ながら、膜の磁気特性が平均化されている。その結果、
本発明に係る合金系磁性膜をたとえば磁気ヘッドの構成
に用いた場合、記録能力にすぐれるとともに、疑似ギャ
ップもないため再生能力にもすぐれた磁気ヘッドとして
機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明に係る磁性膜のM′(X)濃度の
支持基板表面からの距離に対する変化を表す図、(b) は
本発明に係る強磁性膜の窒素濃度の支持基板表面からの
距離に対する変化を表す図。
【図2】(a) は本発明に係る磁性膜のM′(X)濃度の
支持基板表面からの距離に対する変化を表す図、(b) は
本発明に係る強磁性膜の窒素濃度の支持基板表面からの
距離に対する変化を表す図。
【図3】本発明に係る磁性膜の形成においてCoFe
11.5Al4 をターゲットとして用いて成膜したときの保
磁力Hc、飽和磁束密度BsおよびAl濃度の全スパッ
タガス圧依存性を示す特性図。
【図4】本発明に係る磁性膜の形成においてCoFe
11.5Al4 をターゲットとして用いて成膜したときの保
磁力Hc、飽和磁束密度BsおよびAl濃度の全スパッ
タガス圧依存性を示す特性図。
【図5】本発明に係る磁性膜の構造例を示す断面図。
【図6】膜成長初期層が磁気的に劣化している磁性膜を
用いて構成したメタルインギャップ型ヘッドにおける出
力の周波数特性を示す特性図。
【図7】磁性膜の形成においてCoFe11.5Al4 をタ
ーゲットとして用いて成膜したときの保磁力Hcの膜厚
依存性を示す特性図。
【図8】磁性膜の形成においてCoFe11.5Al8 もし
くはCoFe11.5Al4 をターゲットとして用いて成膜
したときの保磁力Hc、飽和磁束密度Bsの膜厚依存性
を示す特性図。
【図9】磁性膜の形成においてCoFe11.5Ta5 をタ
ーゲットとして用いて成膜したときの保磁力Hcの基板
温度依存性を示す特性図。
【図10】本発明に係る磁性膜の他の構造例を示す断面
図。
【図11】本発明に係る磁性膜を用いて構成した長手記
録対応の薄膜磁気ヘッドの要部を示す断面図。
【図12】本発明に係る強磁性膜を用いて構成したメタ
ルインギャップヘッドの要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、6…支持基板 2…CoFe11Al8 ターゲット
をスパッタしして形成した磁性膜 2′…CoFe
11.5Ta5ターゲットをスパッタして形成した磁性膜
3…CoFe11Al6 ターゲットをスパッタして形成
した磁性膜 3′…CoFe11Ta7 ターゲットをスパッタして形成
した磁性膜 4…CoFe11.5Al4 ターゲットをス
パッタして形成した磁性膜 4′…CoFe11Ta9
ターゲットをスパッタして形成した磁性膜 5、11、
16a 、16b …磁性膜(強磁性膜) 7…第1の絶縁層
(膜) 8…ギャップ 9…コイル10…第2の絶縁
層(膜) 12…保護層(膜) 13a,13b …フェライ
トコア 14a,14b …中間層 15…ガラス層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式、MM′N (ただし式中、MはCo、Feの少なくともいずれか1
    種の遷移金属、M′はB、Al、Si、Ga、Ge、T
    i、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Wから選択される
    少なくとも1種の元素、Nは窒素である)で示される合
    金系磁性膜であって、前記合金系磁性膜中のM′もしく
    はNの濃度が相対的に一主面側を高くさせたことを特徴
    とする磁性部材。
JP23285391A 1990-07-05 1991-09-12 磁性部材 Withdrawn JPH053121A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23285391A JPH053121A (ja) 1991-03-29 1991-09-12 磁性部材
US07/860,221 US5439754A (en) 1990-07-05 1992-03-27 Ferromagnetic film, method of manufacturing the same, and magnetic head

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6638391 1991-03-29
JP3-66383 1991-03-29
JP23285391A JPH053121A (ja) 1991-03-29 1991-09-12 磁性部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH053121A true JPH053121A (ja) 1993-01-08

Family

ID=26407586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23285391A Withdrawn JPH053121A (ja) 1990-07-05 1991-09-12 磁性部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH053121A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7905389B2 (en) 2003-07-29 2011-03-15 G.D. - S.P.A. Container and foldable blank for forming the container itself

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7905389B2 (en) 2003-07-29 2011-03-15 G.D. - S.P.A. Container and foldable blank for forming the container itself

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5227940A (en) Composite magnetic head
US5585984A (en) Magnetic head
JPS6129105A (ja) 磁性合金薄膜
JPH08288138A (ja) 軟磁性薄膜及びそれを用いた磁気ヘッド
JPH0484403A (ja) 軟磁性薄膜
JPH053121A (ja) 磁性部材
US5786103A (en) Soft magnetic film and magnetic head employing same
JP2775770B2 (ja) 軟磁性薄膜の製造方法
JP3127075B2 (ja) 軟磁性合金膜と磁気ヘッドおよび軟磁性合金膜の熱膨張係数の調整方法
JP3232592B2 (ja) 磁気ヘッド
JP2925257B2 (ja) 強磁性膜、その製造方法及び磁気ヘッド
JP2784105B2 (ja) 軟磁性薄膜
JP2551008B2 (ja) 軟磁性薄膜
JP2657710B2 (ja) 軟磁性薄膜の製造方法
JP2519554B2 (ja) Mig型磁気ヘッド
JP3452594B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP2584687B2 (ja) 軟磁性薄膜の製造方法
JPH0567313A (ja) 磁気抵抗効果膜およびこれを用いた磁気ヘツド
JPH05226151A (ja) 磁気ヘッド用高飽和磁束密度・高耐熱性を有する軟磁性合金膜及び磁気ヘッド。
JPH04252006A (ja) 耐食軟磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッド
JPH03292705A (ja) 強磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッド
JPH0789526B2 (ja) 結晶質軟磁性薄膜
JPH11273050A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
JPH07118054B2 (ja) Mig型磁気ヘッドの製造方法
JPH04214831A (ja) 軟磁性膜

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19981203