JPH0531259B2 - - Google Patents

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JPH0531259B2
JPH0531259B2 JP59170338A JP17033884A JPH0531259B2 JP H0531259 B2 JPH0531259 B2 JP H0531259B2 JP 59170338 A JP59170338 A JP 59170338A JP 17033884 A JP17033884 A JP 17033884A JP H0531259 B2 JPH0531259 B2 JP H0531259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般に予め選定された化学元素のイオ
ンをターゲツト素子に打込むための装置及び方法
に関し、特に、例えば大規模集積回路チツプのよ
うな半導体装置の製造工程の一部として導電率変
換用の化学不純物を半導体ウエーハに打込むため
の装置及び方法に関する。
従来の技術 本発明の装置及び方法は、金属の表面にイオン
を打込んで表面合金化を生じさせるのに有用であ
り、また他の用途にも有用であるが、現今のイオ
ン打込みの主な商業上の使用は大規模集積回路
(LSIC)チツプの製造にある。それで、本明細書
においては本発明の方法及び装置をLSICチツプ
の製造について説明するが、本発明はこれに限定
されるものではない。LSIC分野における本発明
の重要性を理解するための一助として、IC製造
に対する若干の背景情報を以下説明する。
先ず、半導体処理過程におけるイオン打込みの
作用について説明する。
集積回路(IC)チツプ上の半導体装置の集積
化の規模及びかかる装置の動作速度における極め
て大きな改良が過去数年間において得られてい
る。かかる改良は、集積回路製造設備における数
多くの進歩、及び未加工の半導体ウエーハをIC
チツプに加工する際に用いる材料及び方法の改良
によつて可能となつたものである。製造設備にお
ける最も顕著な進歩は、リソグラフイ及びエツチ
ングのための装置の改良、及び導電率変換用不純
物のイオンを半導体ウエーハに打ち込むための装
置の改良であつた。
一般に、集積回路の密度及びその動作速度は、
半導体ウエーハのマスキング層内に回路素子のパ
ターンを形成するのに用いるリソグラフイ及びエ
ツチング装置の精度及び分解能に大きく依存す
る。しかし、密度及び速度はまた、ウエーハのド
ーピング領域、即ち導電率変換用不純分の実質的
な濃度が添加された領域の形状の厳格な制御にも
依存する。ウエーハドーピングの厳格な制御は、
イオン打込みの技術及び設備を用いて最良に達成
することができる。
導電体絶縁体シリコン(CIS)装置の大規模集
積回路(LSI)及び超大規模集積回路(VLSI)
は、ウエーハ面積をより効率的に利用し、装置間
の相互接続体を短かくし、形状をより小さくし、
及びノイズを減らすことによつて改良される。こ
れら改良の全ては、その大部分が、イオン打込み
ドーピング方法を用いることによつて可能とな
る。
バイポーラ回路の製造もイオン打込みで改良さ
れてきている。この加工技術においては、改良
は、イオン打込みで予備デポジシヨンを行ない、
且つ同時に、イオン打込み設備の特性である低汚
染性及びホトレジストマスキングとの融和性を利
用することによつてなされている。
ウエーハの表面にドーパント材の気体式または
スピンオン式のデポジシヨンを行ない、次いで高
温炉拡散操作を行なつてドーパント材を半導体ウ
エーハ内に等方性的に追い込む、即ち、ドーパン
ト分子がウエーハ内に横方向及び垂直方向に入つ
てゆく、という方法では半導体ウエーハの小さな
幾何学的領域のドーピングを適切に行なうことが
できないということは業界に周知である。LSIC
またはVLSIC(超大規模集積回路)ウエーハに対
して要求されるドーパントの分布、濃度及び横形
状の種類により、イオン打込みは精選されたドー
ピング加工となる。イオン打込みをもつてのみ得
られるドーピングの一様性は、より小形の装置の
製作において極めて重要なものである。また、ウ
エーハを横切るドーピングの一様性及びウエーハ
からウエーハへの反復性は、イオン打込みをもつ
て得られるものであり、高密度装置の製作歩留り
を著しく改善する。
次に、イオン打込みの使用例について説明す
る。
第1図ないし第3図に、半導体ウエーハ上に
CIS集積回路装置を作る際に用いる一続きのイオ
ン打込み工程を示す。第1図は、ウエーハのフイ
ールド領域14内に低濃度打込み部を作るために
P形ウエーハ10に対して行なわれる第1のイオ
ン打込み工程を示すものである。フイールド領域
14とは、ここでは、ホトレジストの領域11で
覆われてないウエーハの領域と定義する。ホトレ
ジストの領域11は標準のリソグラフイ加工を用
いて形成される。即ち、レジストの薄い層をウエ
ーハの全面に広げ、次いで、マスクパターンを通
じて、または直接走査式電子ビームによつて、選
択的に露光する。その次に現像工程が続き、光ま
たは電子にさらされたホトレジストの領域を除去
する。これはポジテイブレジスト材を用いるポジ
テイブリソグラフイ処理として知られている。上
記レジスト層を露光及び現像した後、一般に、熱
酸化物の薄層12が上記半導体ウエーハの露光済
み面の上をおおつて成長させられ、フイールド領
域14内の打込み部は上記薄い酸化物層を通じて
作られることになる。
硼素のようなP形材料のイオンの軽い打込み
を、イオン打込み装置を用いて行なう。このフイ
ールド打込み部は、ホトレジスト材の領域11の
下に横たわつている活性装置領域相互間の電気的
絶縁を大きくするために作られる。
第1図に示す打込み工程の後、一般に、ウエー
ハ10を炉に入れ、厚いフイールド酸化物領域1
5を湿式酸化処理で成長させる。この酸化処理中
に、打込み済みイオン即ちフイールド領域14は
半導体基体内へ追い込まれてフイールド酸化物領
域15の下に横たわる。
この工程の後、マスキング領域即ちホトレジス
ト領域11を除去し、薄いゲート酸化物17を活
性装置領域18内に形成する。この時点で、燐の
ようなN形ドーパント材を用いて第2のイオン打
込みを行ない、上筋活性領域内に形成されるべき
シリコンゲート電界効果トランジスタ装置のスレ
シヨルド電圧を調整する。即ち、N形ドーパント
イオン16をゲート酸化物層17を通じて軽打込
み部ステツプ状に打込んで打込み済み領域即ち活
性装置領域18を作る。
この軽いスレシヨルド設定用打込み行なつた
後、リソグラフイ及びエツチング工程を行なつて
ウエーハ上に電界効果トランジスタ装置を形成
し、第3図に示す装置形態を作る。その後、N形
イオンの高濃度打込みを行つて、シリコンゲート
部材19並びにソース領域21及びトレイン領域
22を同時にドーピングし、シリコンゲート電界
効果トランジスタ装置の基本的構造を作り上げ
る。
集積回路を完成にするには上記のほかに多くの
製作工程が必要であり、これら工程としては、ウ
エーハ全体をおおう酸化物または窒化物の絶縁層
の形成、ソース、ドレインおよびシリコンゲート
に対する接点開口部を作るためにリソグラフイ及
びエツチング処理による接点開口部の形成、及び
その後に、ウエーハ上の種々の装置を接続して総
合集積回路にするために導電体回路網を作るため
の導電材の通路の形成がある。
以上の概略説明から解るように、未加工のウエ
ーハから完成品半導体IC装置を作るため半導体
ウエーハに対して行う多数の個別的処理工程があ
る。これら個別的処理工程の各々は、歩留りの損
失を生ずる可能性のある操作である。即ち、該工
程が適切に行われないと、個別のウエーハ(また
はバツチ処理操作におけるバツチのウエーハ)上
のIC装置の全部または大きな部分が不良となる
可能性がある。また、イオン打込みのような処理
工程では、ウエーハの面を横切るイオン打込み部
の放射線量の均一性によつて各個別的ウエーハ上
の良品チツプの歩留りが決まることが極めて大き
い。
次に、イオン打込み装置の望ましい特徴を述べ
る。
イオン打込み技術を用いるLSI装置製造分野に
おいて切望されているものの一つは、特に、LSI
製造処理において益々一般化しつつある高濃度打
込みに対して、打込み実施費用を甚だしく増大さ
せることなしにイオン打込み装置のウエーハ処理
能力を改善することである。イオン打込み装置に
おけるウエーハ処理量を決定する主なパラメータ
はイオンビーム電流である。現代のイオン打込む
装置としては、イオンビーム電流発生能力を大き
く異にする多数の異なる装置があり、そのうちに
は、今日のところ高電流装置と考えられている約
10ミリアンペア(mA)の砒素イオンビーム電流
を発生するものである。
次に、従来のイオン打込み装置について説明す
る。
現時の高電流装置は極めて大形且つ高価であ
る。例えば、代表的な160kV、10mAイオン打込
み装置としては、巾約3.35m(11フイート)、長さ
約5.49m(18フイード)の装置がある。イオン打
込み装置の技術上の基本的な核心的部分はイオン
ビームライン自体である。その代表的な一例を第
5図に示す。このビームラインの寸法により、イ
オン打込み装置全体の大きさがかなりの程度まで
決まる。
第4図及び第5図に、従来のイオン打込み装置
の種な構成部材及び従来の全てのイオン打込み装
置の代表的なイオンオプテイクスを示す。第4図
は、「ヌークリア・インストルーメンツ・アン
ド・メソツズ」(Nuclear Instruments and
Methods)誌、第139巻(1976年)、第125頁ない
し第134頁に所載の本発明者の論文「200kV工業
用高電流イオン打込み装置に対する設計原理」
(The Design Philosophy for a 200kV
Industrial High Current Ion Implantor)から
取つたシリーズ AITイオン打込み装置の配
置を略示するものである。この論文に記載されて
いる装置は、商用型を作る前に細部を若干変更し
たが、構成部材の一般的配置は同じままになつて
いる。第5図はビームライン構成部材の略斜視図
である。イオンビーム31は引出し電極組立体2
5によつてイオン源30から引き出される。上記
イオン源から出てくるビームは横断面矩形のリボ
ン状ビームであり、8:1ないし30:1の一般的
縦横比を有す。
イオン源30からの発散ビームは、回転式入口
磁極46を有する分析用磁石に入る。これによ
り、上記ビームは、静電式合焦レンズを何等使用
せずに、分解用スリツト51内に合焦させられ
る。上記ビームが分析用磁石40の両極間の飛行
管を通過すると直ちに、該ビームは、ウエーハ処
理装置70へ到達するビーム電流を制御するベー
ン装置48に来る。上記ベーン装置は高速ステツ
プモータによつて駆動され、1ステツプ当たり約
0.1%ずつ電流を変化させることができる。この
ステツプ時間は1ミリ秒である。上記ベーン装置
及び分析用磁石並びに上記イオン源は加速器端末
内にあり、該端末は160kVまでの電圧で浮動して
上記ビームの後段加速を行うことができる。
上記イオンビームの後段加速は単一のギヤツプ
55両端間で得られる。後段加速ギヤツプ55の
直ぐ後には、ビームがウエーハ処理装置70に入
る前のビーム電流測定用の磁気的に制御されるシ
ヤツタ56がある。
真空装置は、差動ポンプ作用する4つの段から
成つている。その拡散ポンプの機能は、半導体用
に使用される場合に、主として、装置内の空気分
圧を低く保持することである。
次に、従来の一般的のイオンビームオプテイク
スについて説明する。
第5図について説明すると、従来のイオン打込
み装置における代表的なビームラインは、イオン
源装置30、分析用磁石装置40、分解用スリツ
ト装置50、後段加速装置60、及びウエーハ処
理装置70を有す。イオン源30において発生し
たイオンは電極構造体(図示せず)によつて引き
出され、分析用磁石40の磁極ギヤツプへ向かつ
て導かれるリボン状ビームとなる。図示のよう
に、上記イオンビームは、分析用磁石40の分散
平面と平行な平面内で発散する。上記平面は上部
磁極面41と下部磁極面42との間の中央平面で
ある。
上部磁極41と下部磁極42との間の磁極ギヤ
ツプ内で、イオンビーム31中のイオンはその電
荷対質量比に従つて分類される。各個別イオンが
上記磁極ギヤツプに入ると、その飛行線は、該イ
オンの質量の平方根に比例する半径Rの通路内へ
曲げられる。上記引出し装置は、イオンが上記磁
石の両極間の飛行管に入るときに同質量の全ての
イオンが実質的に同じ速度を有するように働き、
従つてイオンの調和的分散が上記分析用磁石内で
生ずる。分析用磁石装置40はまた、上記飛行管
を飛行するイオンの半径路長の変化によつて発散
するビームを再収束する。
選定された電荷対質量比を有するイオンは、分
解用スリツト装置50内のアパーチヤ即ちスリツ
ト51を通つて上記分析用磁石によつて合焦され
て後段加速装置60に入り、該装置において該イ
オンは予め選定されたエネルギーに更に加速さ
れ、その後、ウエーハ取扱装置即ち処理装置70
内のヒートシンク装置72上に取付けられている
ウエーハ71を衝撃する。
電荷対質量比を実質的に異にするイオンは加速
用磁石を通過して分解用スリツト51の左または
右へ収束させられ、このようにして、目標のウエ
ーハ71を衝撃する最終的イオンビームから選別
される。
次に、従来のイオン打込み装置における発展的
開発について説明する。
最初のイオン打込み装置においては、イオン源
アパーチヤは一般に点源に近似した小さな穴であ
つた。イオンビーム電流を高めるために、この円
形アパーチヤの大きさを増大させたが、許容可能
な品質のイオンビームを与えることのできる円形
アパーチヤの大きさの増大には限界があるという
ことがやがて見い出された。イオン源アパーチヤ
の垂直方向及び水平方向の寸法を同時に増した場
合に、不安定なプラズマのメニスカス(メニスカ
スについては後で詳述する)のためにビームが不
安定になつた。しかし、円形穴を長くして矩形ス
リツトにすることにより、ビームの不安定性なし
により高いビーム電流を得ることができるという
ことが見い出された。この矩形スリツトは磁石の
分散平面に対して垂直方向に向いており、分析用
磁石の磁極片に対して同じ方向に向いているイオ
ン源出口スリツトを用いたアイソレータセパレー
タにおいてより高い電流を得たのと平行的な開発
段階をたどつた。イオンオプテイクスの観点から
は、細長いスリツト状のイオン出口アパーチヤは
連続した一連の点源と考えることができ、この一
連の点源は分解用スリツト51における長く伸び
た矩形領域となる。
イオンビーム電流を益々高くするために、イオ
ン出口アパーチヤの長さを次第に大きくしたが、
その真直ぐな垂直方向の配置は第5図に示す如く
に保持された。イオン出口アパーチヤ32の増大
した長さを受入れるために、分析用磁石40の磁
極ギヤツプdも増大させて、より大きなビーム厚
さを受入れるようにしなければならなかつた。こ
れは、分析用磁石装置が必要とする大きさ、費用
及び電力を著しく増大させることになつた。これ
を第6図に略示する。この図は、イオン分散平面
と平行なイオンビームオプテイクスを水平に見た
ものである。(図示の便宜上、イオン通路を展開
してイオン源及び分解用スリツトを共通平面内に
示してある。これは、イオン分散平面と平行なイ
オンビームオプテイクスを示すための標準的な方
法である。)より小さな長さのイオン源アパーチ
ヤ32′は、より長いイオン出口アパーチヤ32
に必要な磁極ギヤツプdよりもかなり小さい磁極
ギヤツプd′を有する分析用磁石を用いることがで
きた。
長く伸びたイオン出口アパーチヤを取り扱うの
に必要となる磁極ギヤツプの増大の程度を減らす
ために、従来の若干の装置は、第7図及び第8図
に示すように、磁石の分散平面と垂直な平面内で
収束するイオンビームを生じさせる湾曲したイオ
ン出口スリツトをもつて設計された。湾曲したイ
オン出口スリツト32Aにより、有効イオンビー
ム源長diよりもかなり小さい磁極ギヤツプdaの使
用が可能となる。その結果、装置の分析用磁石装
置の小形化についてかなりの改良が得られた。イ
オン源アパーチヤの曲率半径は比較的高く保持さ
れていなければならないが、イオンビーム電流と
磁極ギヤツプとの間の全体的関係のかなりの改善
が、この湾曲したイオン源形状を用いて得られ
た。
第7図及び第8図に示すように、イオン源30
は、イオン源アパーチヤ32Aの後ろに位置する
見かけの線状体から実質的に進みつつあつて分析
用磁石に入るイオンを発生する。従来のイオンビ
ームオプテイクスにおける上記線状体の位置は、
第22図及び第23図に示すように、厳密にプラ
ズマメニスカスの形状の関数である。(第8図、
第22図及び第23図の各場合におけるイオン出
口アパーチヤの巾は、線状体の位置が解かるよう
に拡大して描いてある。実際には、上記アパーチ
ヤは、安定なプラズマメニスカスを保持するため
に、1ないし3ミリメートルの範囲内、通例は約
2ミリメートルの巾で形成されている。)第22
図には凹状メニスカスを示してあり、線状体はア
パーチヤ32の前面において位置31A′にある
実の線状体である。第23図には凸状のメニスカ
スを示してあり、この形状の結果として、第8図
における位置と同じように、イオン源アパーチヤ
の後ろに位置31B′に普通の見かけの線状体が
あることになる。安定なプラズマメニスカス、従
つてまた安定な実または見かけの線状体の位置
は、分解用スリツトにおける分析済みイオンビー
ム像の安定な合焦に対して極めて重要である。
第9図及び第10図は、イオン源アパーチヤが
湾曲した形状のものであつても、ビーム電流をも
つと高くしようとすると、限界があるということ
を示すものである。例えば、第7図に示す構成を
用いると、90mmのイオン源スリツト長及び40mmの
磁極ギヤツプを用いて10ないし12mAまでのイオ
ンビームが可能であつた。しかし、イオン源スリ
ツト長をもつと長くしてイオンビーム電流をもつ
と高くするには、第9図に示すように磁極ギヤツ
プをもつと大きくするか、または第10図に示す
ようにイオン源を分析用磁石からもつと遠く離す
ことが必要である。しかし、イオンビーム電流を
増大させるためのこれらの試みはいずれも不所望
な付随効果を伴う。第9図に示す試みを用いる磁
極ギヤツプの増大には上述の不所望な効果が伴
う。
イオン源30を分析用磁石40から遠く離すと
磁極ギヤツプを大きくする必要がなくなるが、こ
のような変更によつて他の欠点が装置に生ずる。
例えば、より大きなビーム発散を取扱うために磁
極の巾を大きくしなければならない。イオンビー
ム源30をもつと遠く離すと、イオンビームのよ
り大きな部分がイオン源と分析用磁石との間のよ
り長い飛行線領域において中性化されるので、よ
り長いイオン出口スリツトからの追加のビーム電
流における利得の若干が失われる。これを妨げる
には、分析用磁石による分析及び分解用スリツト
内への合焦が不可能である中性化された該種とし
ての損失を避けるため、イオン源から磁石までの
領域内の圧力を低下させるためにより大形且つよ
り高価な真空ポンプが必要となる。従つて、イオ
ン源30を分析用磁石40からもつと遠く離す
と、これに対応して装置全体の大きさが増大し、
これは直ちに製造費及び設置費を増大することに
なる。
ウエーハ処理量を高くするためにイオンビーム
電流を増大させようとする現時のイオン打込み装
置における発展中の開発としては、基本的には、
第5図ないし第10図に示すイオンビームオプテ
イクスの使用を継続している。従つて、この構成
を用いる装置は、より高いイオンビーム電流の追
求において、ビームライン構成部材及び付属の真
空ポンプ設備の大きさ及び費用が著しく増大して
いる。
第10図ないし第13図は、「レビユー・サイ
エンテイフイツク・インストルーメンツ」
(REVIEW SIENTIFIC INSTRUMENTS)
誌、1981年9月号に所載の論文「高効率イオンビ
ーム加速装置」(High Efficiency Ion Beam
Accelerator System)においてジー・アストン
(G.Aston)によつて提案されている従来のイオ
ンオプテイクス装置の変形型を示すものである。
この装置は、第13図の拡大図に示す如き六角形
アレイに並んだイオン出口アパーチヤの二次元配
置32Aを有するイオン源を用いている。このア
パーチヤのアレイの長辺は、磁石40のイオン分
散平面と垂直の平面内にある。上記アパーチヤ
は、各列の中心線がイオン源の前面の近くにある
共通交点に集中するように形成されている。収束
グリツド36が、イオン出口アパーチヤのアレイ
32Aの前面に配置されており、そして個々のイ
オン出口アパーチヤからのビームに対する個々の
収束レンズを形成するようにバイアスがけされて
いる。このようにして、個々のアパーチヤから引
き出された個々のビームは、引出し電極37によ
つて加速させられるにつれて、イオン源の前面に
ある共通の線状体へ向かつて導かれる。
この変形した装置においては、イオンビーム
は、第5図に示すイオン源における細い出口スリ
ツトの巾よりも大きいイオン分散平面と平行な平
面内に或る大きさの延長を有するイオン放出エン
ベロープから発生される。アストンのイオン源に
おける個別アパーチヤの各々は、第5図に示す型
の単一スリツト形装置に用いられている1ないし
3mm(0.04ないし0.12インチ)の範囲のイオン源
スリツトの巾の高い端部にある約2.08mm(0.082
インチ)の直径を有す。アストンが用いたアレイ
における53個のイオンスリツトアパーチヤは、巾
約12.7mm(約0.5インチ)、長さ約25.4mm(約1イ
ンチ)のイオン放出エンベロープを形成する。し
かし、このイオンビームエンベロープは、次い
で、個々のビームが上記共通線状体へ向かつて合
焦させられるにつれて狭くなり、その後、引出し
電極37を通過する。イオン源の前面に位置する
共通線状体に個々のビームを収束させるという要
件があるために、アストンが提案した装置に用い
ることのできる穴のアレイの全体的巾は非常に制
限される。巾がもつとかなり広いアパーチヤのア
レイを用いたとすると、ビームの品質が急速に低
下し始めるであろう。
高度に収束した二次元アレイのアパーチヤを用
いることにより、イオン放出エンベロープがイオ
ン分散平面と平行に延び、そして単一イオン出口
スリツトにおいて発生するよりもかなり大きなイ
オン電流密度を有するイオンビームが引き出され
る。アストン型イオン源においては、イオン分散
平面と平行な平面内でのイオン放出エンベロープ
の実際上の延長の程度は、イオン源製作について
の実際的考慮及び半導体素子に対するイオン打込
みにおいて要求されるビーム品質により、非常に
制限される。アストン型イオン源を5列のアパー
チヤを越えて延長させると、個々のビームを該イ
オン源の近くの共通線状体に収束させることが次
第に困難になり、ビーム品質が許容不能に劣化す
ることになるであろう。従つて、アストン型イオ
ン源からの全体的イオンビーム電流を更に増大さ
せるには、従来の装置において一般的であるよう
にイオン分散平面と垂直の方向にイオン放出エン
ベロープを延長させることが必要となる。
アストンのイオン源は、メニスカスの全体的統
合形状、即ちイオン放出エンベロープを横切る単
一のメニスカスとみなされるメニスカスの形状
が、収束したアパーチヤの機械的配列によつて保
持されるので、プラズマメニスカスの安定性の損
失なしにイオン引出しスリツトの巾を増大させる
ことができるという効果を奏する。
発明の目的 本発明の主な目的は改良させたイオン打込み装
置及び方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、従来の装置よりも高いイ
オンビーム電流を発生し且つ同時にイオン打込み
装置の全体的大きさを減少させることのできるイ
オン打込み装置及び方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は改良されたイオン源装
置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、イオン打込み施設の
全体的大きさの減少に寄与する改良されたイオン
源装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は改良された動作的特性
を有するイオンビーム源を提供することにある。
本発明の更に他の目的は改良されたビーム均一
性を有するイオンビーム源装置を提供することに
ある。
本発明の更に他の目的は改良された配置のビー
ムライン構成部材を有するイオン打込み装置を提
供することにある。
本発明の更に他の目的は改良されたビーム分解
装置を有するイオン打込み装置を提供することに
ある。
本発明の更に他の目的は、単一のイオン核種を
具備する高電流イオンビームを発生するための改
良された方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的はイオン源装置を作動さ
せるための改良された方法を提供することにあ
る。
発明の構成 (a) イオン源・解析装置 先ず、本発明にかかる親規なイオン源・解析
装置について概略説明する。
本発明の一つの態様においては、イオンをタ
ーゲツト素子に打込むための装置が提供され
る。この装置は、イオンビームを発生するため
のイオン源装置、及び上記ビーム内の種々のイ
オン核種を質量に基づいて選択的に分離して分
析済みビームを作るためのビーム分析装置(一
般には分析用磁石)を有す。ビーム分解装置
が、予め選定されたイオン核種をターゲツト素
子へ通過させるために上記分析済みビームの通
路内に配置されている。解析手段は、これと関
連するイオン分散平面を有す。イオン源手段
は、上記イオン分散平面と平行な平面内のかな
りの延長面積を含む付属のイオン放出エンベロ
ープを有しており、該イオン源と上記解析手段
との間の領域の全体にわたる上記イオン分散平
面と平行な平面内にかなりの延長面積を保持す
るエンベロープを有するイオンビームを発生す
る。上記分析手段に入るイオンは、実質的に、
上記イオン分散平面と垂直な平面内に在る共通
の見かけの線状体へ向かつてまたはこれから走
行しつつある。
本発明の一実施例においては、イオン放出エ
ンベロープ、プラズマイオン源のアーク室内の
連続した長く伸びた矩形スロツトのような実質
的に連続したイオン放出領域によつて形成され
る。本発明の他の実施例においては、イオン放
出エンベロープは複数の別々のイオン放出領域
によつて形成される。かかるイオン源の一例
は、複数の矩形アパーチヤを有するものであ
り、各矩形状イオン放出アパーチヤの長辺の
各々はイオン分散平面と平行になつている。
前述したように、安定なイオンビームを保持
し、及び充分な分解用パワーを持つためには、
イオン源のイオン出口スリツトの巾を1ないし
3ミリメートルの範囲内の寸法に制限すること
が必要であるというように、イオン打込みのた
めのイオン源の分野にたずさわつている人々に
従来から広く考えられていた。本発明によれ
ば、イオン出口スリツトを3ミリメートルより
もかなり広く、例えば5または6ミリメートル
にし、しかもなお安定な充分なビームを保持す
ることが可能であるということが解明された。
この解明は、従来よりもかなり大量の未処理ビ
ーム電流をイオン源から引き出すことを容易な
らしめるものである。例えば、本発明にかかる
試作品装置において、巾が5ミリメートル、長
さが100ミリメートルの出口スリツトを有する
イオン源から、硼素の24ミリアンペアの未処理
ビーム電流及び砒素の67ミリアンペアの未処理
ビーム電流が引き出された。
本発明においては、イオン源装置は、イオン
源及び該イオン源からイオンを引き出して加速
するための電極装置、並びに、上記電極装置を
通過するイオンビームから、共通の見かけの線
状体へ至りまたはこれから出てくる通路から実
質的にそれている通路上にあるイオンを実質的
に除去するために上記電極装置と分析装置との
間に配置された規準装置を有す。プラズマ源ア
ーク室内に1つまたはそれ以上の長く伸びた矩
形状のイオン出口アパーチアを有しているイオ
ン源装置の場合には、イオンビームから、該ビ
ーム内の個々のイオンの熱エネルギー速度成分
のために上記共通の見かけの線状体へ至りまた
はこれから出てくる通路から実質的にかたよつ
た通路を持つイオンを除去するために、上記視
準装置が用いられる。
他の実施例においては、イオン源は、複数の
対応のイオンビームを発生するために所定の形
状に配置された複数の小さなイオン出口アパー
チヤを有しており、上記イオンビームの外部線
はイオン放出エンベロープを構成する。この場
合には、視準装置は第1及び第2の視準格子を
有し、各格子は、他方の格子の対応のアパーチ
ヤと、及びイオン出口アパーチヤと整合するア
パーチヤを有し、上記イオンビームの各々か
ら、共通の見かけの線状体へ至りまたはこれか
ら出てくる通路から実質的にそれている通路を
持つイオンを実質的に除去するようになつてい
る。上記イオン出口アパーチヤは、単一列に、
またはアパーチヤの規則的な二次元アレイに、
または上記イオン放出エンベロープがイオン分
散平面と平行な平面内にかなりの延長面積を有
している場合には任意の配置に配置される。
(b) 電極バイアス印加装置 次に、本発明にかかる新規な電極バイアス印
加装置について概略説明する。
本発明の一実施例においては、イオン源装置
は、予備分析加速電圧に電気的にバイアス印加
されたイオン源手段を具備する。引出し電極が
イオン放出領域の付均に配置されており、出口
アパーチヤと該引出し電極との間の領域におい
てイオン源からイオンを引き出して加速するた
めに上記予備分析加速電圧に対して或る電圧値
にバイアスがけされている。減速電極が上記引
出し電極の下流側に配置されており、上記電極
相互間の領域を通過するイオンの速度をかなり
低下させるために引出し電圧値に対して或る電
圧値にバイアスがけされている。先ず高電界領
域においてイオンが加速して高い引出し電流を
得、その後、上記イオンを分析手段に入る前に
減速することにより、イオンの速度が低下する
のでより小形の分析手段を用いることができ
る。
好ましくは、安定した電源を用いて予備分析
加速電圧をイオン源に与え、そして非安定の電
源を用いて引出し電極に電圧を与える。このよ
うにすると、火花放電(これは全てのイオン打
込み装置の本来的特性である)が上記イオン源
と引出し電極との間に生ずるときに上記引出し
電極の電圧は大きさが急速に低下する。これに
より、引き出されて分析手段に入つてゆくイオ
ンの速度に実質的な影響を与えることなしに、
上記火花のエネルギーが制限され、そして火花
が迅速に消滅させられる。
(c) イオン源 次に、本発明にかかるイオン源について概略
説明する。
本発明の装置はまたイオン源手段を特徴とす
るものであり、このイオン源手段は、各々が実
質的に矩形状の形状を有している複数のイオン
出口アパーチヤを有するイオン源を有してお
り、上記矩形の長辺はイオン分散平面と実質的
に平行になつている。複数のイオン出口アパー
チヤの使用は、イオンビーム出口アパーチヤの
長辺を、従来の構成における垂直関係から、イ
オン分散平面と平行な関係に方向変更すること
によつて可能となる。これにより、上記以外の
点ではイオンオプテイクスおよびこれに付属の
諸部材の形状及び大きさに実質的な影響を与え
ることなしにより高いイオンビーム電流を得る
ことができる。
本発明の一つの態様においては、イオン打込
み装置はイオン源室を具備するイオン源手段を
用いており、上記イオン源室は、その一つの壁
に長く伸びたイオン出口アパーチヤを有し、且
つ該イオン源室内に縦に配置された長く伸びた
フイラメントカソードを有している。上記フイ
ラメントカソード両端間に電流発生用電位差を
与えて該カソードを加熱するためのバイアス印
加装置が用いられ、且つ同時に、上記室とフイ
ラメントカソードとの間にアーク発生用バイア
スをかけて上記室に導入された蒸気またはガス
からイオンを発生させるための手段が用いられ
る。イオン源の両端間に通例見られる不均一な
イオン発生特性を打ち消す不均一な場の強さを
有しておつて上記フイラメントカソードと平行
である磁界を適用するための磁気手段が用いら
れる。
好ましくは、上記イオン源手段はまた、複数
の別々のアノード部材が内部に取付けられてい
るイオン源室を具備し、上記アノードと上記室
とは電気的に絶縁されている。上記別々のアノ
ード構造体に別々のバイアス電圧を印加して各
アノード構造体付近に発生するイオン電流を独
立に制御するためのバイアス電圧装置が用いら
れる。これにより、更に、イオンビームの巾を
横切るイオン電流の分析及び制御を行なつてビ
ーム均一性を改善することができる。
(d) ビーム分解装置 次に、本発明にかかる新規なビーム分解装置
について概略説明する。
本発明にかかるイオン打込み装置は好ましく
は、複数のビーム分解部材を具備するビーム分
解装置を有し、上記ビーム分解部材の各々は、
分解用アパーチヤ、及び上記ビーム分解部材の
一つを分析済みビームの通路内に選択的に位置
決めするための装置を有する。
複数のビーム分解部材を備えることにより、
該部材の各々を特定のイオン核種の用に供し、
他のイオン核種からの汚染を排除することがで
きる。即ち、上記他のイオン核種は、分解部材
の縁に沈着し、その後、他のイオンを用いるイ
オン打込み処理中にたたき出される可能性があ
るのである。また、複数の分解部材を用いて、
装置によつて得られる最終的ビーム純度を選択
的に変化させることができる。例えば、アンチ
モンを打ち込む場合に、ビーム純度を低下させ
て質量121及び質量123の両方のアンチモ
ンイオンビームを分解用スリツトを通過させ、
これにより、全体的のアンチモンイオンビーム
電流を効果的に増加させるのに有利である。
(e) イオンビーム発生及び分析方法 次に、本発明にかかる新規なイオンビーム発
生及び分析方法について概略説明する。
本発明のこの方法は、イオンビーム内の種々
のイオン核種を質量に基づいて分離するための
付属のイオン分散平面を有するイオンビーム分
析フイールドを発生させる段階を有す。イオン
ビームを発生させ、そして上記イオンビーム分
析フイールド内に導く。上記イオンビームは付
随の全体的イオンビームエンベロープを有して
おり、該エンベロープは、上記分析フイールド
内へのビームの走行領域の全体にわたつて上記
イオン分散平面と平行な平面内にかなり延長し
た横断面積を有する。最終段階は、予め選定さ
れたイオン核種を具備するイオンを分析済みビ
ームから分離することである。
(f) イオン源作動方法 次に、本発明にかかるイオン源作動方法につ
いて概略説明する。
本発明はまた、イオン放出領域を有するイオ
ン源と、上記イオン放出領域の付近に配置され
た引出し電極と、上記引出し電極に実質的に隣
接して配置された第2の電極とを具備するイオ
ン源装置を作動させるための方法を特徴とす
る。この方法は、予備分析加速電圧を上記イオ
ン源に印加する段階と、上記イオン源からイオ
ンを引き出し且つ加速するために上記予備分析
加速電圧に対して或る値を有するバイアス電位
を上記引出し電極に印加する段階と、上記第2
の電極と分析用磁石の入口と間のイオン走行速
度を実質的に低下させるために上記引出し電極
上のバイアス電位値に対して或る値を有するバ
イアス電位を上記第2の電極に印加する段階と
を有す。
好ましくは、上記予備分析加速電圧をイオン
源に印加する段階は、安定した電位を該イオン
源に印加することを含み、上記バイアス電位を
引出し電極に印加する段階は、上記イオン源と
引出し電極との間にスパーク放電が生ずるとき
に上記電位の大きさが急速に低下するように非
安定の電位を該電極に印加することを含む。こ
れにより、上述したように、スパークのエネル
ギーが制限され、スパークが急速に消滅させら
れる。
作 用 (a) 装置の小形化及びイオン電流の増大 本発明の上記の種々の特徴は、イオン打込み
装置におけるイオン電流を著しく増大させ、し
かも装置の全体的大きさを減少させることに寄
与する。イオン放出エンベロープの延長領域
(例えば、実施例における長く伸びたイオン源
スリツト)を、従来の装置における垂直の方向
付けに対して、分析用磁石のイオン分散平面と
平行に向けるという新規な方向付けにより、従
来の10ないし12mA級の装置よりも小形の装置
において発生され且つ使用される砒素のイオン
ビーム電流を少なくとも4または5倍(即ち
50mA)に増大させることができる。例えば、
本発明のイオンオプテイクスを使用し且つ上述
した巾広のイオン源スリツトを有する研究用試
作品装置のビームラインにおいて、硼素の24ミ
リアンペアおよび砒素の67ミリアンペアの未処
理ビーム電流が観測された。これはイオン打込
み性能の大きな進歩を示すものであり、また本
発明の他の改良特徴の極めて効果的な利用につ
ながる。この改良特徴の若干はまた独立に従来
の装置を改良することができる。
また、この新規なイオン源方向付けをすれ
ば、使用するイオン出口スリツトが弯曲してい
るかまたは直状であるかとは無関係に、イオン
源を分析用磁石に極めて近づけて配置すること
ができる。これにより、分析用磁石に入つてく
るイオンビームの高さが減り、またイオン源と
分析用磁石との間の領域において生ずるイオン
中性化が減る。これにより、BF3ガスからの硼
素のようなガスで与えられる核種で得られるビ
ーム電流を高くすることができる。本発明の他
の特徴を用いることにより、分析用磁石の大き
さがかなり小さくなつて、引出し済みイオンが
引出し電極と減速電極との間で減速され、従つ
て該イオンはより低い速度を持つて上記磁石に
入る。イオンビームの同じ弯曲角度をより小さ
い分析用磁石面積で得ることができ、これも装
置の大きさ、複雑性及び費用を低減するのに大
きく寄与する。
本発明のイオン源磁石の形状はイオン分散平
面におけるプラズマメニスカスの形状の機械的
制御を提供するものであり、従つて、分析済み
ビームを分解用スリツト内に収束させるための
磁石上の回転式入口磁極または静電式収束装置
の必要がなくなる。
本発明のイオン源分散平面の形状により、イ
オン源スリツトを積み重ねることができるよう
になり、これにより、同じイオン源対磁石形状
内で及び分析用磁石内の実質的に同じ磁極ギヤ
ツプをもつて、より高いビーム電流を得ること
ができる。
従来可能と考えられていたよりも広いイオン
出口スリツトの有用性が解明されたので、かか
る広いスリツトからのイオンビームはより大き
く発散し易いということになる。本発明のイオ
ンオプテイクス装置とともに用いると、この大
きなビーム発散のために磁極ギヤツプを大きく
することが必要となる傾向がある。しかし、充
分に鋭い角度の入口磁極面(例えば約45度)に
よつて与えられる強い入口収束作用を有する均
質な磁石を使用すれば、このビームのより大き
な発散を取扱うのに必要となる磁極ギヤツプの
増加を最少限にすることができるということが
判明した。
(b) イオン源動作の改善 本発明の引出し及び減速電極装置を用いるイ
オンの加速及び減速の組合せにより、上記減速
電極から進んでゆくリボン状ビームの発散を更
に減少させる円筒状の収束レンズが作られると
いう有利な効果が得られる。
故意に非安定化した電源(即ち、出力電圧の
低下前に電流発生能力が制限される電源)を用
いて引出し電極に電圧を与えることにより、分
析用磁石に入つてゆくイオン源核種の全体的速
度を実質的に変えることなしに、火花を極めて
迅速に消滅させることができる。従来の装置に
おいては、イオン源と引出し電極との間に規則
的に生ずるかなりの火花発生は、イオン源に予
備分析加速電圧を与える電源の電流発生能力が
なくなつてイオンの効果的加速電位が低下する
ときにのみ消滅させられる。火花を短時間消滅
させると、イオン加速電圧が正常状態よりもか
なり低くなる。このようになると、汚染性のイ
オン核種が分解用スリツトを通つて合焦させら
れて後段加速構造体に入り、そしてターゲツト
素子自体に入り込むことになる。半導体処理作
業においては、かかる汚染性のイオン核種は該
当のウエーハ状の良品装置の夫留りを低下させ
る可能性がある。即ち、汚染性のイオンがウエ
ーハを衝撃しつつある時間中にそのビームによ
つて走査されるウエーハの領域内に不良品装置
が生じる。
本発明の装置はまた、イオンビームに対して
選択的に位置決め可能な多重分解用スリツトと
いう利点を提供するものであり、これにより、
半導体処理環境内の他の汚染源を排除すること
ができる。
本発明の他の目的、特徴及び利点は、図面を
参照して行なう本発明の実施例についての以下
の詳細な説明から明らかになる。
実施例 先ず、本発明にかかる新規なイオンオプテイク
ス及び基本原理について説明する。
本発明のイオンオプテイクスと従来のイオンオ
プテイクスとの間の基本的な差異は、従来のオプ
テイクスの一例を示す第7図及び第8図と、本発
明の一実施例におけるイオンオプテイクスを示す
第17図及び第18図とを比較すれば解る。第7
図及び第8図(並びに第22図及び第23図)に
示すように、従来のイオンオプテイクスにおける
共通線状体(見かけまたは実)の位置はプラズマ
メニスカスの形状によつて決定され、何等かの幾
何学的因子によるものではない。
第11図ないし第13図の従来の構成において
は、共通線状体はイオン源アパーチヤの共通焦点
によつて機械的に制御され、良好な全体的ビーム
品質を保持するためにイオン源の前面で閉じなけ
ればならない。これに対して、本発明のイオンオ
プテイクス原理を用いる装置における共通の見か
けの線状体は、イオン分散平面内のイオン出口ア
パーチヤの幾何学的配置のみによつて決定され、
イオン源の前面に遠く離れていることも(第17
図、第18図)またはイオン源の後ろにある(第
19図、第20図)こともできる。直状のイオン
出口スリツトを用いると、共通の見かけの線状体
は無限大距離にある。もつと重要なこととして、
イオン分散平面と平行な平面内のイオン源のイオ
ン放出エンベロープの延長の程度は、第7図及び
第8図に示す従来の標準的手段及び第11図ない
し第13図のイストンのイオン源におけるように
制限されるこということがない。
より小さな全体的装置大きさをもつて、従来の
装置において可能であるよりもかなり大きなイオ
ンビーム電流発生能力が得られるのはこの基本的
差異によるのである。積重ね形のイオン出口アパ
ーチヤは、従来の装置(第11図ないし第13図
の制限的構成を除いて)においては用いることが
できない。即ち、多重イオン源スリツトの単一の
共通の見かけの線状体がなく、そして多重の実際
の線像が分解スリツトに現れるからである。換言
すれば、分解用スリツトにおける各質量核子に対
する共通合焦像を有する単一の分析済みイオンビ
ームを、多重イオン出口スリツトを有する従来の
装置においては得ることができなかつた。
本発明装置においては、共通の見かけの線状体
の位置が、多重イオン源スリツトの各々に対して
同じにすることのできる幾何学的因子によつて決
まるので、多重イオン源スリツトを用いることが
できる。即ち、多重スリツトは、分解用スリツト
において選定された質量核子に対して単一の合焦
像になる。
また、第46図ないし第50図について後で詳
述するように、イオン視準装置を用い、分析手段
に入り込まされるイオン源のイオン放出エンベロ
ープ内で発生したイオンを、イオン分散平面と垂
直な平面内に在る共通の見かけの線状体につい
て、実質的にこれに向かつてまたはこれから走行
させるということを行なうならば、本発明のイオ
ンオプテイクスは単一線延長部または二次元延長
部の多重の小さなアパーチヤ源を用いることがで
きる。以上から解るように、本発明におけるイオ
ンオプテイクス原理の使用は従来の技術とは著し
く異なつており、イオン打込み装置の性能を格段
に改善するものである。
次にビームライン構成部材の一般的配置につい
て説明する。
第14図は本発明にかかるイオンビームライン
構成部材の一般的配置を示すものである。イオン
源装置130がイオンビーム131を発生し、該
ビームはビーム分析装置140に入る。イオン源
装置130は、ビーム分析装置140のイオン分
散平面と平行な平面内のかなりの延長面積を含む
付属のイオン放出エンベロープを有す。更に、イ
オン源装置130は、上記イオン分散平面と垂直
な平面内に在る共通の見かけの線状体について実
質的にこれに向かつてまたはこれから走行してお
つて分析装置140に入るイオンを発生する。こ
のイオン分散平面は、第14図に略示するように
電磁石型ビーム分析装置を使用する場合に、ビー
ム分析装置140の磁極面相互間に横たわる中央
平面である。組合せ形の電界磁界装置のような他
の分析装置を用いることもできるが、ここでは磁
界装置が好ましい。イオン源は、フリーマン
(Freeman)型プラズマ源、またはエーラーズ
(Ehlers)ほか著の「多重光点イオン源の効率向
上」(Increasing the Efficiency of a
Multicusp lon Source)(「レビユー・サイエン
テイフイツク・インスルーメンツ」、59(3)1982年
9月、pp1429〜1433)に記載されているような
多磁極プラズマ源であつてよい。他の周知のイオ
ン源、例えばソリツドイオン放出面を有するイオ
ン源及び電界放出源も或る場合には用いることが
できるが、半導体処理用には現在はプラズマ源が
好ましい。
第17図及び第18図に示すように収束形イオ
ンビームの場合には、見かけの線状体はイオン源
装置の前面にある。第19図及び第20図に示す
発散ビーム装置においては、見かけの線状体はイ
オン源装置130の後ろにある。イオン源のイオ
ン出口アパーチヤが凸状でも凹状でもなく、第1
5図及び第16図におけるように直状である場合
には、共通の見かけの線状体は無限大距離にある
線であると数学的にみなされる。
第15図及び第16図は本発明の主な特徴のう
ちの一つの核心にある改良されたイオンビームオ
プテイクスを略示するものである。(このビーム
ラインの構成部材は、第5図の従来のものとの比
較の便宜状、水平な平面内に配置して示してある
が、好ましい配置方向は第35図及び第36図に
示す如くであり、イオンビームを分析用磁極ギヤ
ツプ内へ垂直に導くようになつている。)第15
図に示すイオン打込み装置100は、ウエーハ取
扱い装置170のヒートシンク172上に取付け
られた半導体ウエーハ171のようなターゲツト
素子にイオンを打ち込むために用いられる。イオ
ン打込み装置100は、イオンビーム131を発
生するイオン源装置130を有す。電磁石装置1
40のようなビーム分析装置がイオンビーム13
1を受入れ、そして該ビーム内の種々のイオン核
種を質量(即ち電荷対質量比)に基づいて分離
し、分析装置140から出てゆく分析済みビーム
131′を作る。
ビーム分析装置140は、磁極面141と14
2との間のギヤツプを通過する中央平面であるイ
オン分散平面を有す。ビーム分解装置150が分
析済みビーム131′の通路内に配置されており、
予め選定されたイオン核種のみをターゲツト素子
171へ通過させる。第5図の従来のイオンオプ
テイクス形状におけるイオン源装置30の配置方
向と比較すると、第15図に示す本発明の実施例
におけるイオン源装置は、分析装置140に対し
て、イオンビーム横断面の長辺131Aがビーム
分析装置140のイオン分散平面とほぼ平行にな
るように方向付けされている。第15図に示す実
施例においては、イオン源装置130は、イオン
出口アパーチヤ132を有するイオン源手段を有
す。イオン出口アパーチヤ132のほかに、種々
の電極構造体(ここでは示していないが後で説明
する)がイオン源装置の部品として用いられる。
第15図に示し、また第16図の略立図面に示
すように、イオンビーム131は、イオン源スリ
ツト即ちアパーチヤ132から分析磁石装置14
0のギヤツプ143へ向かつて走行するにつれて
発散する。後でもつと詳細に説明するように、
種々の選択自由な磁気収束装置があるので、上部
磁極と下部磁極との間に配置されたイオン飛行管
を衝撃するビーム内のイオンを排除するために収
束的合焦作用が与えられる。
第15図及び第16図に示すように、矩形状イ
オンビーム131の長辺を分析装置140のイオ
ン分散平面と平行にし、及びイオン源と磁石との
間隔を縮小するという新規な配置により、狭い磁
極ギヤツプdiを用いることができる。
第15図は、直状のイオン源スリツト132を
用いる場合の本発明の基本的なイオンビームオプ
テイクスを示すものである。この場合には、イオ
ン源スリツト132から出てくるイオンビーム1
31は真直ぐに走行して分析磁石装置140に入
る。第17図及び第18図は、弯曲しているイオ
ン出口スリツトにより、分析磁石装置140の磁
極片の巾を対応的に増大させる必要なしに、ビー
ム電流をかなり増大させることができるというこ
とを示すものである。その収束するビームはま
た、分解用スリツトを通過するビームの収束角度
を減少させる。弯曲したイオン源スリツト13
2′から出てくるイオンビームは、イオン分散平
面と垂直な平面内の見かけの線状体に収束する。
第15図に示すように、イオン源130によつ
て発生するイオンビーム131は、分析磁石装置
140により、第5図に示す従来の装置に対する
イオン分散平面において分析磁石装置によつて行
われる合焦と本質的に同じ仕方で合焦させられ
る。分解用スリツト150における分析済みイオ
ンビーム131′の像は、イオン源形状を含むイ
オン源オプテイクス装置の分解力及び分析手段1
40の分解力によつて定まる分散平面内の寸法を
有す。分解用スリツト装置150における分析済
みビーム131′の像の高さは、第16図に示す
ようにイオン源132の投映物体136の有限
高、及び分散面と垂直なビームの全体的発散度に
よつて定まる。この発散は、分析磁石装置によ
り、または分析磁石及び第21図に示す分離静電
レンズ180の組合わせによつて分散平面と垂直
なビームに加えられる収束度によつて定まる。
静電的合焦を用いてイオン分散平面と垂直な平
面内のビームの発散を変えることができるという
ことは本発明の有利な特徴である。かかる静電的
合焦は、さもなければ分析磁石の磁極面相互間に
配置されているイオン飛行管を衝撃する可能性の
あるビームからのイオンの損失を減らし、また分
析磁石の磁極ギヤツプを減らすことを可能ならし
め、これにより、分析磁石に対する全体的小形化
及びパワー減少の必要条件に寄与する。この静電
的合焦は、イオン分散平面内にないので、イオン
オプテイクス装置の分解力を妨げることがない。
イオンビーム31の発散を減らすために第5図
の従来のイオン源装置において要求されるような
分散平面における静電的合焦は、極めて高品質の
イオンオプテイクスが提供されないと装置の分解
力に悪影響を与える。しかし、かかる高品質のイ
オンオプテイクスは得ることが困難である。一般
に、イオンオプテイクスの分野においては、レン
ズの屈折力が弱く、そしてレンズの中央部のみを
使用するならば、高品質の静電レンズが提供され
る。強い静電レンズは一般に低品質であり、分散
平面において適用するとかかるレンズの収差が分
解力に悪影響を与える。後で詳述するように、本
発明のイオンオプテイクスは、イオンビームの静
電的合焦とイオンビームの組合わせ式加速減速と
の有利な組合わせを可能ならしめ、イオン打込み
装置におけるビームラインの全体的大きさの減少
に更に寄与する。
第22図及び第23図に示すように、長く伸び
たイオン出口アパーチヤを有するフリーマン型イ
オン源のような従来のプラズマ源は、イオンが引
き出されるアパーチヤにおけるプラズマメニスカ
スの曲率に応じて、アパーチヤ32に近接する実
または虚のライン源形状を有す。第22図に示す
ように、イオンプラズマメニスカス31Aは凹状
の形状を有し、第23図におけるプラズマメニス
カス31Bは凸状の形状を有す。上記プラズマメ
ニスカスの形状は、イオン源と引出し電極構造体
との間のイオン引出し電位を含む複数の因子によ
つて定まる(後で説明する)。プラズマメニスカ
ス31Aはアパーチヤ32に近接してその前面に
ある実のライン源31A′を作り、プラズマメニ
スカス31Bはアパーチヤ32に近接してその後
ろにある虚のライン31B′を作る。
第5図に示す従来の例においては、イオン分散
平面におけるイオンビーム31の発散度はプラズ
マメニスカスの形状によつて決まる。しかし、発
散を減らすための静電的合焦は、前述したように
静電レンズの収差が分解力に悪影響を与える可能
性があるので、一般に用いることができない。こ
れに対して、本発明にかかるイオンビームオプテ
イクスは、第14図及び第15図に示すように、
イオン分散平面と垂直な平面内の静電的合焦を行
い、プラズマメニスカスの形状に基づくイオンビ
ーム131の発散が、分析磁石の磁極ギヤツプに
入つてくるビームの巾に対して比較的小さな影響
を持つようにするようにすることができる。
次に、イオン源の形状及び電極構造体の変形例
について説明する。
長く伸びたイオン出口スリツトにおけるプラズ
マメニスカスの長辺の形状を機械的に制御するた
めの能力は、従来の装置に対して第8図に示し及
び本発明の装置の装置に対して第17図に示すよ
うに、これら2つの装置に用いられる全体的イオ
ンオプテイクスに対して著しく異なる結果を有
す。第5図の従来の装置においては、第8図に略
示するように、弯曲したイオン源スリツトが磁極
ギヤツプの大きさの減少を可能ならしめる。しか
し、磁極の入口部分の巾を、さもなければ分散平
面内で発散するイオンビームの静電的合焦によつ
て減少させることはできない。これに対して、本
発明のイオンオプテイクスは、第17図に示すよ
うに分析磁石の巾をイオン源スリツトの巾よりも
小さくする(即ち、イオンビームの巾が、イオン
源スリツトから出るときよりも磁極ギヤツプに入
るときの方が狭くなる)ために長手方向のプラズ
マメニスカスの形状を機械的に制御する能力、及
び装置の分解力に悪影響を与えることなしに非分
散平面内のビーム発散を制御するために第21図
に示す如き静電的合焦の同時的使用を利用するも
のである。
このように、本発明の手法を用い、非分散平面
内のビーム発散の静電的制御及び分散平面内のビ
ーム収束の機械的制御によつてビーム電流を増加
させることが可能となつたのであり、これらはい
ずれも、より小形化したイオン源対分析磁石の関
係でより高いビーム電流を効果的に得ることを可
能ならしめる。
第24図及び第25図は、イオン源装置からイ
オンを引き出すためにこれに用いられる弯曲した
イオン源スリツト及び電極装置の形状を略示する
ものである。説明の都合上、イオン源130を、
凹状弯曲出口スリツト132を有する普通のフリ
ーマン型イオン源であると見なすが、直状出口ス
リツトまたは凸状スリツトも用いることができ
る。第24図は、イオン源スリツト132の長辺
がイオン分散平面内にあるイオン分散平面を上か
ら見た図である。第25図は同じ電極構造を略立
面図で示すものである。フリンジ制御電極136
がイオン出口スリツト132に隣接して設けられ
ている。引出し電極137がフリンジ電極136
の下流側に設けられており、接地電極138が加
速電極の下流側に設けられている。
説明の都合上、正イオンのビームを用いるもの
とする。イオン出口スリツト132と接地電極1
38との間の領域においては、正イオンはまだ、
接地電極138と磁石装置140の磁極面への入
力との間の領域において発生する傾向のある電子
によつて空間電荷中性化されてない。従つて、イ
オンビーム131の中央部分を通過中のイオンは
周囲の正イオンに会うだけであり、従つてその正
常の走行路からそれることはないが、ビーム13
1の縁領域にあるイオンは周囲に正イオンがな
く、進路をそらされ易い。この理由で、フリンジ
電極136は、イオン出口スリツト132と引出
し電極137との間の分散平面内でビームの広が
りを制限する作用をなす正電位を与えられてい
る。
正イオン源・電極装置においては、引出し電極
137は、一般に、従来の装置においては、電極
構造体と分析磁石との間の領域に発生する電子を
はね返すために、接地電極138よりも若干負の
電圧にバイアス印加される。引出し電極上にこの
負電圧がないと、上記電子がプラズマ源内へ加速
されることになる。その結果、正イオン電流効果
なしにプラズマ源電流が増加し、またX線が発生
し、プラズマ源領域における遮蔽作用を増すこと
が必要となる。また、イオンビームを空間電荷中
性化する電子は殆ど存在しない。従来のバイアス
印加装置においては、接地電極138は、一般
に、イオン源に加えられている+40ないし+
80kVの予備分析加速電圧、及び引出し電極13
7に加えられている−2ないし−3kVの電圧に対
して、接地電位にある。
第24図に示すように、接地電極138と分析
磁石装置140への入口との間に収差制御ベーン
190を用いてイオンビーム131から異常イオ
ンを除去する。即ち、上記ビームの縁において確
実に停止させないと未選択のイオン核子を装置の
分解用スリツトに入り込ませる可能性のある方向
に走行しつつあるイオンを除去する。ビームの縁
は、かかる異常イオン通路が極めて生じ易い場所
である。異常イオン通路上のイオンを除去するた
めの他の装置については後で説明する。
イオン源スリツトの長辺、即ち矩形状イオンビ
ームの長辺を分析装置のイオン分散平面と平行に
向けることにより、多重イオン源スリツトを用い
てイオンビーム電流を増加させることができる。
第5図に示す従来の装置においては、分散平面と
垂直な多重ライン源が分解用スリツトの平面に多
重線状体を作るので、多重イオン源スリツトを用
いることができない。従つて、選定されたイオン
核子の分析済みビームをかかる装置において分解
することはできない。
しかし、イオン分散平面と平行な長く伸びたイ
オン源スリツトにすれば、複数のイオン源スリツ
トを用いることができる。第26図に2つのイオ
ン源スリツト132A及び132Bを示す。これ
ら2つのスリツトとともに、これから引き出され
て単一焦点に収束するリボン状イオンビーム13
1A及び131Bを示す。説明の都合上、分散平
面内のイオンビームの発散を無視するが、これは
プラズマメニスカスの形状によつては存在する。
第26図に示すように、2スリツト形の配置の
対称性により、使用すべき2つのリボン状ビーム
に共通な単一の引出し電極137及び接地電極1
38の配置を用いることができる。しかし、第2
7図の3スリツト形の配置においては、第26図
に示す電極構造を用いたとすると、出口スリツト
132Aから出る中央ビームが引出し電極137
の加速電界から遮蔽され易い。従つて、これら3
つのビームの各々に対する別々の引出し電極領域
137A,137B及び137Cを有する引出し
電極構造137′が好ましく、これにより、3つ
のビーム全部に対するビーム加速が実質的に同じ
になる。この同じ配置を第26図の2スリツト形
イオン源に用いることができる。共通の接地電極
138を用い、また選択自由の第2の引出し電極
137″を用い、そして第2の引出し電極13
7″と接地電極138との間の領域内でイオンビ
ームを減速するように接地電極138に対してバ
イアスがけする。このバイアスがけによつて収束
レンズが形成され、分析磁石装置140のギヤツ
プ143に入る前にイオンビームを収束する。
第28図に示す他の構成においては、別々の接
地電極アパーチヤ138A,138B及び138
Cを有する接地電極138を設け、これにより、
事実上、3つのイオンビーム131A,131B
及び131Cの各々に対して別々の電極領域を提
供するようにする。この構成は第26図の構造に
適用することもできる。第24図ないし第28図
は、イオン源と電極構造体と分析磁石装置140
との間の形または幾何学的関係を正確に描写しよ
うとするものではない。これらの図は本質的に略
図であり、本発明の現実の機械的実施例において
は種々の実際的構造が用いられる。また、本発明
は1個ないし3個のイオン出口スリツトに限定さ
れるものではなく、3個を越えるスリツトを用い
ることもできる。本発明のこの新規なイオンオプ
テイクスを用いると、イオン源のイオン放出エン
ベロープをイオン分散平面と平行及び垂直の両方
の方向に大巾に延長し、比較的小形のイオン源及
び磁石をもつてビーム電流を格段に増大させるこ
とができる。
ここで、従来のイオン源バイアス装置について
説明する。
即ち、第29図は従来の代表的なフリーマン型
イオン源、引出し電極及び接地電極のバイアスが
け装置を示すものである。フリーマン型イオン源
自体は例えば+40kVの予備加速電圧にバイアス
印加される。引出し電極37は、42kVの総計引
出し電位に対して−2kVにバイアス印加される。
接地電極38は引出し電極及びイオン源に対して
零電位にある。引出し電極37と接地電極38と
の間の−2kVは、さもないと接地電極38と引出
し電極37との間の領域からイオン源30自体内
へ加速され易い電子をはね返す。かかる電子は、
分析磁石40のギヤツプ内で空間電荷中性化済み
ビームを提供することによつてビームのそれ以上
の広がりを防止することが必要である。この従来
のバイアスがけ装置は本発明の改良されたイオン
オプテイクス形状に利用することができる。
第29図に示す従来の代表的なバイアス印加装
置において、フリーマン型イオン源30に40kV
の電位を与える電源は安定した電源(また強い電
源と屡々呼ばれる)である。このことは、電源が
高い電流能力を備えておつてあらゆる電流値にお
いて電圧を40kVに保持しようとすることを意味
する。全てのイオン打込み装置にある本来的特性
の一つは、装置の作動中にイオン源と引出し電極
との間にスパーク放電が生ずる傾向があるという
ことである。各装置はまた始動に際して調整期間
を通過して電源電圧を一杯の値まで徐々に上げ、
これにより、低い電圧においては穏やかなスパー
ク放電が生じ、また装置の実働中に余り激しい火
花放電の生じないようにする。それにもかかわら
ず、実際の装置作動中には、スパーク放電状態が
時折り生ずる。
イオン源に+40kVを与える安定した電源を用
いてあると、イオン源30と引出し電極37との
間の火花放電は、スパーク放電状態中に高い電流
が電源によつて保持されているために、極めて激
しいまたは強いスパークを含む傾向がある。この
スパークは、上記安定した電源の電流能力がなく
なり、これにより上記40kVの電圧がスパークの
消滅するまでに低下してはじめて消滅する。しか
し、上記40kV電位が低下するにつれて、合計引
出し電位も低下し、イオンの合計予備分析加速電
位が低下する。そのために、分析磁石に入つてゆ
くイオン速度が著しく変化し、これにより、スパ
ークが消滅している期間中に、そして上記電圧が
再び40kVまで上昇する前に、ターゲツト領域を
衝撃させたい予め選定されたイオンが分解用スリ
ツトを通つて上記ターゲツトへ導かれなくなる。
その代わりに、選定されていないイオンがターゲ
ツトに導かれる可能性があり、そしてこのイオン
は汚染性イオンである可能性があり、この期間中
にビームによつて走査されるウエーハの部分上に
良品集積回路チツプの歩留りを著しく低下させる
可能性がある。
また、従来の装置において分析磁石40に入つ
てくるビーム内のイオンの速度は40kV加速から
生ずるものであり、この速度のビームを取扱うた
めに分析磁石40の大きさ及び力を調節しなけれ
ばならない。一般に、ビームの速度が高いほど、
全体的面積の観点または磁石ギヤツプにおける磁
束密度の観点から、分析磁石を大きくしなければ
ならない。磁束密度は飽和効果が生ずる前の或る
点までしか増大させることができず、従つて、よ
り大きな磁石面積が通例必要となる。
次に、イオン源バイアス印加装置の改良につい
て説明する。
第30図は本発明の一つの特徴に従う改良され
たイオン源バイアス印加装置を示すものである。
このバイアス印加装置の全体的性質は、質的に
は、従来の装置に見られる性質と同じである。し
かし、本発明においては、イオン源130を、従
来用いられている40ないし80kVよりも実質的に
低い予備分析加速電圧にバイアス印加する。そし
て、高い引出し電位を得るために、引出し電極1
37を、接地電極138よりも実質的により負の
電位、例えば第30図に示すように−30kVにバ
イアス印加する。従つて、合計のイオン引出し電
位は50kVであることが解かる。しかし、引出し
電極137と接地電極138との間の領域におい
ては、イオンは実質的に減速され、そして全体的
の20kV加速電界によつて作られる速度で磁石ギ
ヤツプに入る。このように、本発明のバイアス印
加装置は、高い引出し電位という確実な利点と磁
極相互間の飛行管に入つてゆく低い速度とを組み
合わせ、これにより、磁石に必要な大きさ及び力
を低減し、装置全体の小形化に寄与するものであ
る。また、接地電極(このバイアス印加手法にお
いてはまた減速電極として知られている)間のバ
イアスの実質的差異により、引出し電極137と
接地(減速)電極との間の領域に円筒状静電レン
ズ190が形成される。この円筒状の収束レンズ
は、発散するイオンビームを、分析磁石140の
飛行管に入る前に、より平行な通路内に合焦させ
る傾向がある。
本発明のこの特徴は、バイアス電位極性を逆転
することにより、負イオンについて用いることも
できる。「実質的」なる語は、ここでは、引出し
電極と接地(減速)電極との間のイオン減速が、
電子はね返しの目的で、そして正イオンの有意な
減速の目的ではなしに、従来の装置において用い
られていた−2kVまたは−3kVの電位差によつて
得られていたものよりも有意に大きいということ
を表すために用いてある。
第31図は、本発明のこの同じイオン加速減速
バイアス印加原理が、その結果発生してイオンオ
プテイクスの分解力を劣化させるビーム収差の導
入を防止するように静電レンズ190′の力を充
分に低く保持するならば、第5図に示す従来のイ
オンオプテイクスに適用可能であるということを
示すものである。これは、電位差を小さくし且つ
レンズを大きくすることによつて可能となる。
第30図に示す本発明のバイアス印加手法によ
つて得られる磁石設計の小形化可能という利点の
ほかに、安定なまたは強い電源からイオン源13
0に+30kVの予備分析加速電圧を与え、且つ非
安定なまたは弱い電源から−30kVの引出し電位
を与えることにより、更に他の利点を得ることが
できる。このような組合わせにより、電気火花が
遥かに弱くなり、装置の作動中に迅速に消滅させ
られる。これは、引出し電極に対する電源が高電
流を保持しないのでスパーク発生状態の下では急
速に低下する引出し電極137上の電位の結果と
して生ずる。引出し電圧がスパーク発生中に著し
く低下すると、スパークは急速に消滅し、そし
て、従来のバイアス印加及び電源装置において到
達したのと同じ電流値には到達しない。
更にまた、そしてもつと重要なこととして、本
発明のバイアス及び電源装置の下での火花発生状
態は、引出し電極上の電圧とは無関係に+20kV
の予備分析加速電圧が接地または減速電極に対し
て保持されるので、分析磁極相互間の飛行管に入
つてゆくイオンの速度を甚だしく変えることがな
い。従つて、ビーム電流は火花発生状態の下で低
下し、そして、弱いが急速に消滅する火花放電中
にウエーハの小さな区域内のイオンの線量率に影
響を及ぼすが、スパーク発生状態中の全体的イオ
ン速度の変化のために汚染性イオンが分解用スリ
ツト内に収束させられそしてそこからターゲツト
に入つてゆくということがない。イオン汚染が例
えばナトリウムイオンの打込みを含んでいるとい
う臨界的な場合には、かかるイオンの高い移動傾
向は極めて大きな害となる可能性がある。
このように、本発明の新規なイオン源バイアス
がけの特徴は本発明のイオンオプテイクス装置の
より高い電流能力の寄与を補足し、実際上極めて
小形の高電流イオン打込み装置を実現するのに寄
与するものであり、この装置は、分析磁石装置及
びイオン源装置の大きさが極めて小さいので、そ
のままのビームラインの状態で輸送することがで
きる。本発明の原理を用いると、ビームラインを
組み込んだ装置の巾を工場の1.8m(6フイート)
の二枚開き戸以下にすることができるので、ビー
ムライン及びウエーハ処理装置の全体をそのまま
の状態で輸送できるようにイオン打込み装置を作
ることができる。従つて、ビームライン構成部材
の望ましからざる分野及び再組立てが必要でなく
なる。従つて、上述したように、小形のビームラ
イン及び全体的に小形のライン打込み装置につい
ての他の多くの利点を、本発明の原理を用いて実
現することができる。
次に、分析磁極の形状の変形例について説明す
る。
第32図ないし第34図に、イオンオプテイク
スとともに便利に用いることのできる分析磁石装
置140のいくつかの特徴の細部及び本発明の他
の原理を示す。第33図は、分析磁石装置140
の入口点におけるフリンジ合焦の使用を示すもの
である。磁極片の前面146は、ビーム131の
通路と垂直な線に対して、0゜ないし45゜の範囲内
の角度θだけ傾斜している。磁極片の前面のこの
角度はこの場所に収束用磁気レンズを形成し、該
レンズは磁極ギヤツプに入つてくるビーム131
に対して、第16図に示してある該ビームの発散
の程度を減少させる作用をなす。
第32図に示すように、電磁石の磁極141及
び142の内面141A及び142Aを互いに傾
斜させて磁極ギヤツプ内に不均質な磁界を作るこ
とができる。この不均質な磁界は、ビームが分析
磁石を通過するときに該ビームに対して連続収束
的合焦作用をなす。これは、磁極側相互間の磁石
真空室の頂面及び底面を衝撃するイオンの数を減
らし、従つて該磁石から出てゆく有効ビーム電流
を増大させるという利点を有す。
第21図及び第30図に示す収束的静電合焦作
用及び第33図に示す入口フリンジ合焦作用と第
32図に示す連続的不均質磁界合焦作用とを組み
合わせると、分析磁石ギヤツプを通過して分析済
みビームとして出てゆくイオンビームの伝送効率
を格段に改善することができる。
第34図は本発明のイオンオプテイクス装置に
用いることのできる他の改善例を示すものであ
る。磁極の鉄片141及び142を、電磁石の巻
線147と148との間の内部磁極面142A及
び141Aの領域内に延長し、分析磁石装置の磁
極ギヤツプ飛行管に入つてくるイオンビームを早
く捕らえるようにする。このようにすると、入つ
てくるイオンビームに対して分析磁石がより早く
作用し始めるので、分析磁石装置全体をもつと小
形にすることができ、また装置の分解力が改善さ
れる。
これら手法の全てを、本発明のイオン源オプテ
イクスで得られる高電流能力及び小形設計と組み
合わせると、業界において今まで得られていたも
のよりも格段に高いビーム電流を有する極めて小
形のイオン打込み装置の製造を可能ならしめるこ
とが期待される。また、本発明の原理を極高電流
装置に適用し、これにより、例えば表面冶金(即
ち表面合金)の分野を質量分析済みイオン打込み
技術に対して開き、及び半導体IC製作における
新規なイオン打込み処理を実施する機会を作るこ
とができる。例えば、本発明のイオンオプテイク
スを用いることにより、埋設酸化物絶縁領域を作
るために、打込み酸化物領域を半導体ウエーハ内
に深く作つてそこにある半導体材料を局部的に酸
化するということを初めて商業的に可能化するこ
とができる。この能力により、JISI回路が到達す
ることのできる密度及び速度を更に格段に増大さ
せることができる。
次に、特殊の実施例について詳細に説明する。
第35図ないし第41図に、本発明の一般的原理
を用いたイオン源装置及び分析磁石装置の特殊の
実施例を示す。ビームライン装置200は、イオ
ン源モジユール230、イオンビーム電極モジユ
ール235、イオン源モジユール230に対する
電磁石装置280、分析磁石装置240、ビーム
巾制御装置290、及び真空ゲート弁装置300
を有する。
イオン源モジユール230は、内部にフイラメ
ント230Dが延びているアーク室230Cを具
備するフリーマン型イオン源を有す。上記イオン
源に対するバイアス及び動作電位はバイアス接続
線230Aによつて与えられる。アーク室230
C内でイオン化されるべきガス状材料は、供給配
管装置230Bを通じて、またはイオン源組立体
に内設の気化炉から与えられる。イオン源モジユ
ール230は比較的標準的なフリーマン型イオン
源構造であり、その外形を、ビームライン装置2
00のオプテイクスのより小形の形状に適合させ
てある。
フリンジ電極236、引出し電極237及び接
地または減速電極238が、柱235Dによつて
支持された基板235A上にモジユール的に取付
けられている。調節装置235Bにより、ビーム
整合のために上記電極モジユールの位置をイオン
源に対して微調節することができる。上記電極構
造体に対する冷却剤が、該電極構造体に普通の仕
方で連結されている導管235Cを介して供給さ
れる。上記諸電極の全体的構造を第38図に示
す。フリーマン型イオン源をイオン源ハウジング
230F内に取付けるにはいくつかの方法があ
り、また上記電極構造体をハウジング230F内
にアーク室230Cの上方に取付けるにはいくつ
かの方法がある。イオン源電磁石装置は、磁極2
81、別々の電磁石巻線282、及び真空ポンプ
へ通ずる出入口の下でハウジング230Fの一方
の側を通る磁束戻りバーが283を有す。
分析磁石装置240は、該分析磁石装置240
の入口面246において電磁石コイル247及び
248の下に延びる入口フリンジ磁極241
A′及び242A′を有する磁極片241及び24
2を有す。第36図に略示するように、フリンジ
磁極部材241A′及び242A′の入口面は傾斜
しており、磁極片241と242との間の飛行管
243に入つてくるビームのフリンジ合焦作用を
与えるようになつている。
ビーム巾制御装置290を第35図、第39図
及び第40図に示す。電気ステツプモータ291
が親ねじ装置292を回転させてカム板293を
往復させる。カム板293の往復運動によつてレ
バーアーム294が回転させられ、該アームは、
互いに噛み合つているギヤ295,296及び2
97を回転させる。ギヤ295及び297は軸2
95A及び297A取付けられており、該軸は中
空であり、冷却剤導管299を介して冷却剤を受
入れる。適当な真空封止装置が点295B及び2
97Bに設けられている。軸295A及び297
A回転すると、これに固定されているベーン29
8が対応的に回転させられる。
ベーン298が回転して、接地または減速電極
238から出てくるイオンビームの通路に入り込
むことにより、分析磁石装置の真空室即ち飛行管
234に入つてくるイオンビームの巾が効果的に
制御される。ベーン298が第35図に破線で示
す広く開いた位置にあるときに、最大巾のビーム
が分析磁石の真空室に入る。しかし、ビームの縁
にある異常イオンビーム成分は、この広く開いた
位置にあるベーン298によつてさえぎられ、分
析磁石に入ることを妨げられる。これは、このビ
ーム制御ベーンをイオン源電極モジユール235
の直ぐ下流のこの場所に配置しておくことの極め
て有利な点である。
また、ビーム巾制御のために往復式ベーンの代
りに回転式ベーンを用いることは、ベーンが互い
の方へ向かつて回転するにつれて得られる微細制
御によつてビーム巾の微細調整度が増すという点
において極めて有利である。上記ステツプモータ
の各ステツプに対するビーム巾の変化の程度は、
上記ベーンがその角度的回転において互いに近づ
くにつれて、該ベーンの端部が互いに遠く離れて
いるときよりも小さくなる。一般に、上記ステツ
プモータは、実際のビーム電流の検知に応答して
該ステツプモータを駆動するサーボ機構装置によ
つて制御される。
第35図、第36図及び第41図に真空封止装
置300を示す。この真空封止装置は、カソード
フイラメント230Dの補給または他の保守のた
めにイオン源モジユール装置230を変更しつつ
あるときに、イオン源室ハウジング230Fの頂
部アパーチヤ230F′を封止し、これにより、分
析磁極相互間の飛行管及びビームラインの他の構
成部材内を真空に保持するようにする。軸301
が、1対のアーム303によつてスライド式ゲー
ト弁304に連結されている作動用レバー302
を作動させる。矩形状ガスケツト305が、上記
イオン源ハウジングの上壁に対して真空封止を行
なつている。スライド式ゲート弁304はレール
307に乗つているガイド306を有し、上記レ
ールは該スライド式ゲートを上記イオン源ハウジ
ングの上壁と堅く嵌合接触させるように傾斜して
いる。ストツプ装置308が上記真空ゲートの過
大走行を妨げ、該ゲートを、アパーチヤ230
F′を覆う所定位置にあらしめる。
第35図及び第36図に示すイオン源モジユー
ル230は、磁極281を該イオン源のフイラメ
ント230Dと整合させた電磁石装置280を用
いており、これにより、上記フイラメントから放
出された電子を旋回させ、アーク室230Cを満
たしているガス状材料のイオンを発生させるよう
になつている。業界に周知のように、アーク室か
らのイオン放出は該アーク室の一端から他端へ向
かつて変化し、イオンビームの電流密度を不均一
ならしめる傾向がある。或る程度までは、本発明
においては、イオン源の各側にある磁極281相
互間の磁極ギヤツプ内に不均一磁界を発生するこ
とにより、イオンビームの不均一性を補償するこ
とができる。これは、磁極の各々に付属する界磁
コイル即ち巻線282内の電流を独立に制御する
ことによつて行なうことができる。
次に、フリーマン型イオン源の改良について説
明する。
第42図ないし第44図に改良された型のフリ
ーマン型イオン源を示す。このイオン源はまた、
イオン源室330からイオン出口スリツト332
を通つて出てくるイオンビームを均一化するため
に用いられる。イオン室ハウジング314は、誘
電体スペーサ手段316によつて該室ハウジング
341から電気的に絶縁されている複数の別々の
U字形アノード構造体317を取り囲んでいる。
カソードフイラメント315が個々のアノード区
域317の中央領域を通つて延びている。第42
図に示すように、別々のアノード部材317の各
各は個別のバイアスがけ装置318を用いて別々
にバイアスがけされる。また、カソードフイラメ
ント315と上記個々のアノード区域との間に流
れる電流は個別の計器319を用いて別々に表示
される。個別のバイアス電圧装置318を用い
て、イオン源の長さに沿う種々の領域におけるフ
イラメント対アノードのバイアスを変化させ、上
記個別のアノードの各々の領域においてイオン出
口スリツト332から放出されるイオン電流を制
御することができる。イオン源の不均一な磁気的
バイアス印加及び個別のアノード部材の不均一な
電気的バイアス印加を組み合わせると、イオン出
口スリツト332から出てくるリボン状ビームに
対する均一性が著しく改善される。比較的均一な
イオンビームが発生されるならば、他のイオン源
を本発明に用いることもできる。例えば、前掲の
エーラーズほかの論文に示されているような多磁
極型の適当なイオン源を本発明に用いることがで
きる。
次に、多重ビーム分解部材について説明する。
第45図に、ビーム分解装置350を使用した
本発明の他の態様を示す。このビーム分解装置は
多重のビーム分解部材351Aないしは351C
を有し、該部材は適宜の位置決め手段352を用
いて分析済みビームの通路内に選択的に位置決め
することが可能である。多重分解用スリツトを用
いることにより、イオン打込み装置においていく
つかの利点が得られる。これら利点の一つは、各
分解用スリツトを一つの特定のイオン核子に専用
としてイオン核子の相互汚染の可能性を除去する
ことができるということである。上記の相互汚染
は、単一の分解用スリツトを用いる場合に生ずる
可能性があり、一つの核子からのイオンはその前
の打込み処理において選定された前の核子からの
イオンを分解用スリツトの縁からたたき出して、
ターゲツトを衝撃する最終イオンビーム内に入ら
せる。多重分解用スリツトの他の用途としては、
質量選択性及びビーム純度の選定がある。例え
ば、アンチモンの両質量核子を分解用スリツトを
通過させてターゲツトウエーハを衝撃させるため
には広い分解用スリツト(例えば315)のある
ことが望ましい。アンチモンの打込みは2つの比
較的接近している質量核子のいずれか一方または
両方をもて用いることができるから、一方または
他方の核子を分解することに対して両核子を用い
ることにより、線量率従つてまたウエーハ処理量
を増大させることができる。
次に、イオンビーム視準装置について説明す
る。
本発明にかかるイオンビームライン構成部材の
配置に含まれている一つの因子は、装置の分解力
が熱雑音によつて若干劣化するということであ
る。これは、個別のイオンがイオン源アパーチヤ
から引き出されるときに有する可能性のある瞬時
的熱雑音のために個別イオン通路の方向が変化す
ることによつて生ずる。熱雑音のための上記引き
出し済みイオンの瞬時的速度が、実質的に引出し
電界に基づくイオンの速度成分と垂直であり且つ
イオン分散平面と平行であると、上記個別イオン
は、分析磁石に入る直線イオン通路と垂直な速度
成分を有することとなり、その結果、イオン通路
はこの直線通路から若干角度かたよる。第46図
に示すように、引き出し済みイオンの瞬時的熱速
度が、実質的に、まつすぐな通しのイオン通路と
垂直であり且つイオン分散平面と平行であるとい
うことのためにかたよつたイオン通路を持つイオ
ンを、イオン源130から放出された全体的イオ
ンビームから除去するために視準装置139を用
いることができる。
視準装置139は、減速即ち接地電極138と
分析磁石140の入口面との間に配置された一連
りの個別視準構造体139A,139B及び13
9Cを具備する。他の配置の視準用格子及び/又
はスクリーンを用いてもよい。2つまたはそれ以
上の格子またはスクリーンは一つの視準機能をな
す。
第46図に示すように、通路131aのような
まつすぐなビーム通路を持つイオン視準格子装置
をまつすぐに通過して分析磁石140に入る。通
路131bのようなかたよつた通路を走行するイ
オンは、一般に、視準格子装置139内の一つの
バーにつき当り、従つて分析磁石140に入るこ
とができない。しかし、視準格子装置139が占
めている体積があるので、131cのような直線
イオンビーム通路のうちの若干もまた分析磁石1
40に入ることを阻止される。その正味の結果と
して、第46図の装置は分析磁石140に入る全
体的イオンビーム電流を減少させる。従つて、イ
オンビームの視準を用いる際にはかね合いがあ
る。即ち、装置の全体的分解力を改善するために
ビーム電流を犠牲にすることになる。
第46図に示すように、装置139のような視
準装置を用いた場合に分析磁石140に入る実際
のイオンビームは、イオン源130の前面壁内の
別々のアパーチヤから出てくるように見える一連
のビームを含んでいる。従つて、第47図に示す
ように、個別的イオン出口アパーチヤ、例えばス
リツト132A及び132Bを有するイオン源1
30′を視準装置139とともに用いることがで
きる。第48図及び第49図に示すように、視準
格子139A,139B及び139Cは、上記個
別イオン出口スリツトから出てくるビームが分析
磁石140のイオン分散平面と垂直な平面内で発
散することを許す一連りの間隔垂直バーを具備し
ている。従つて、各イオン出口アパーチヤから放
出されるイオンビームの、上記イオン分散平面と
平行な平面内の発散成分のみが、分析磁石に入る
イオンビームから除去される。装置において正確
に分解されない成分がある。
再び本発明の一般的概念について説明すると、
第47図ないし第49図のイオン源装置は本発明
の新規な一般原理、即ち、イオン源が、イオン分
散平面と垂直な平面内に在る共通の見かけの線状
体について実質的にこれへ向かつてまたはこれか
ら走行しておつて分析手段(例えば分析磁石14
0)に入るイオンを発生するという原理を用いる
ものである。第44図及び第45図に示す直状前
面壁のイオン源の場合には、共通の見かけの線状
体は無限大距離にある。しかし、第17図ないし
第20図に示す凸状または凹状のイオン源装置
も、収束性または発散性のビームを取扱うように
視準外子の配置を適切に変更すれば、使用可能で
ある。イオン源の前面が凸状または凹状である場
合には、共通の見かけの線状体はイオン源の後ろ
かまたはイオン源前面にある。
第50図に示すように、積み重ねた直列のイオ
ン放出アパーチヤをイオン源の前面壁に形成して
もよい。この配置は第26図ないし第28図に示
す積重ね形のスリツト配置に類似している。即
ち、一般的に言うと、本発明の原理を実施すると
ビームライン装置は、分析装置(例えば磁石14
0)のイオン分散平面と平行な平面内のかなりの
延長面積を含むイオン放出エンベロープを有する
イオン源を有し、このビームエンベロープは、上
記イオン源と分析手段との間の領域全体にわたる
分散平面内にかなりの延長部を保有する。第15
図ないし第25図に示す単一のイオン源スリツト
の場合には、イオン放出エンベロープは単に単一
の矩形スリツトの面積である。明らかに解るよう
に、矩形スリツトの長辺はイオン分散平面と平行
に向いているから、かかるイオン放出エンベロー
プはイオン分散平面と平行な平面内にかなりの延
長面積を有す。
第26図ないし第28図に示す多重矩形スリツ
トの場合には、イオン放出エンベロープは、別個
の矩形スリツトの最外縁によつて境界づけされた
幾何学的面積である。この場合においては、また
明らかに解るように、共同してイオン放出エンベ
ロープを形成している矩形スリツトの各々がイオ
ン分散平面と平行な平面内にかなりの長さを有し
ているから、上記イオン放出エンベロープは上記
イオン分散平面と平行な平面内にかなりの延長面
積を有している。
第49図及び第50図に示す個別イオン放出ア
パーチヤの配置について説明すると、イオン放出
エンベロープを破線矩形132″及び132で、
即ち個別外縁イオン放出アパーチヤを境界づけす
る幾何学的面積で示してある。この場合には、ま
た、イオン分散平面と平行な平面内に在るアパー
チヤの延長列があるので、このイオン放出エンベ
ロープは上記イオン分散平面と平行な平面内にか
なりの延長面積を有す。このようにすべき論理的
理由はないが、適切な視準装置を用い、もつて、
全体的イオン源装置が、イオン分散平面と垂直な
平面内に在る共通の見かけの線状体について実質
的にこれへ向かつてまたはこれから走行して分析
手段に入るイオンを発生するという条件を満足す
るようにするならば、多重アパーチヤの場合にお
ける個別イオン出口アパーチヤの配列は不規則な
イオン放出エンベロープを作る任意の不規則な幾
何学的形状であつてよい。
第47図ないし第50図に示す多重イオン放出
アパーチヤ装置は、単一の矩形スリツトまたは複
数の積み重ねた矩形スリツトを用いたイオン源装
置ほどの利点はない。しかし、これら多重アパー
チヤの実施例は本発明の他の多くの利点を有して
いる。即ち、これら実施例を用いると、イオン放
出エンベロープの面積をイオン分散平面と平行な
平面内に延長し、及びイオン源と分析磁石との間
の領域全体にわたるイオン分散平面内にかなりの
延長部を保保持するという原理を用いることによ
り、従来のイオン源が持ち得たよりも高い電流を
持つイオンビームを発生することができる。特
に、第50図に示す多重積重ねアレイのイオン出
口アパーヤチヤは、より小さい全体的装置の大き
さにおいて、従来のビームライン装置から発生さ
せることのできたよりもかなり高いイオンビーム
電流を発生させることができる。小形化及び分析
磁石の所要電力の低減という他の全ての利点は上
記多重アパーチヤ形イオン源をもつて得られる。
但し、減速電極138と分析磁石140との間に
視準装置139を設ける必要があるので、上記小
形化の程度は若干減る。
発明の効果 本発明の数多くの特徴及び実施例についての上
述の説明から解るように、本発明の原理は種々の
イオン打込み装置に対して広く適用できる。本発
明の種々の特徴の各々は、イオン打込み装置の性
能の改善に大きく寄与する。これら多くの特徴を
互いに共同させて用いると、装置設計の小形化、
高いイオンビーム電流発生の可能性、及び作用の
信頼性の観点からの全体的イオン打込み装置の極
めて大きな改善が得られる。
第2の実施例 第51図は、本発明の好ましい実施例によるイ
オンインプラテーシヨン装置のビーム流路400
の主要素を示している。このビーム流路400
は、イオン源構成410と、イオン質量分析系統
420と、質量分析系統430と、分析されたイ
オンビームをターゲツト素子450に向つて加速
する後段階加速系統440とを備えている。イオ
ン源構成体410は、イオン源組立体411と、
イオン源磁石組立体412と、イオンビーム抽出
組立体413とを備えている。イオン質量分析系
統420は、イオンビーム飛行管421と、ビー
ム分析磁石組立体422とを備えている。質量分
析系統430は、真空ゲート弁431と、イオン
ドリフト管432と、質量分析スリツト組立体4
33とを備えている。後段階加速系統440は、
多数の構成をとることができる。
第51図に示したイオンインプランテーシヨン
装置の釈々のビーム流路要素は、イオン源磁石組
立体412以外は、他の図面を参照して以下に詳
細に説明する。イオン源磁石組立体412は、イ
オン源構成体410にフリーマン型イオン源組立
体を組み込んだ時に用いられる。イオン源磁石組
立体412は、両側からイオン源ハウジグ内へと
延びている磁極412Aと、コイル412Bとを
含んでいる。各々のコイルは、これにより発生さ
れる磁界を個々に制御できるように、別々に作動
されるのが好ましい。磁界の戻り磁路は、垂直の
磁気戻りバー412Cと、U字型の磁気戻りヨー
ク412Dとで構成され、このヨークは、イオン
源構成体410の底部を経て戻り磁界を通す。
この構成を用いると、イオン源磁石組立体41
2の戻り磁路は、イオン源室及びイオン源組立体
411の前面至近領域に垂直磁界成分、即ち、抽
出イオンビームに平行な磁界を発生して質量分析
系統420の磁界成分に相互作用を及ぼすことは
ない。イオン源の戻り磁路が、単にU字型の磁気
戻りヨークとして、磁極412Aの高さに設けら
れている場合には、ビーム分析磁石組立体と相互
作用する磁界により、イオン源の効率を低下させ
るような合成垂直磁界成分が形成されることが分
つた。
換言すれば、フリーマン型のイオン源を効率よ
く作動するには、フリーマン型イオン源のフイラ
メントカソードと整列された磁極412A間の磁
界がフイラメントカソードと実質的に平行なつ
て、カソードから放射された電子がカソードのま
わりで螺旋状となり、イオン源内のガスを高い効
率でイオン化することが必要とされる。もし、電
子の螺旋路がその至近位置でビームに平行な磁界
成分によつて妨げられた場合には、イオン源のイ
オン発効率が実質的に低下し、イオンビーム抽出
組立体によつて抽出できるイオンビームが相当に
減少される。戻り磁路の構成について示した第5
1図のイオン源磁石組立体412は、イオン源の
前方に垂直磁界成分が発生しないようにし、これ
により、充分高い効率でフリーマン型イオン源を
作動して、イオンビーム流を多量に形成し、抽出
することができる。
第52図は、イオン源構成410を詳細に示し
ている。イオン源ハウジング460は、イオン源
組立体411及びビーム抽出組立体413のため
の基本的な真空の管を構成する。ハウジング46
0は、その上壁に長方形の孔461を有し、この
孔は発生されたイオンビームをこの上壁の上に取
り付けられた飛行管421へ送り込むためのもの
である。ハウジング460の片側に設けられた真
空ポンプポート462は、ハウジングを真空にす
るための真空ポンプ構成体に連通している。ハウ
ジング460の底壁には、ビーム抽出組立体41
3及びイオン源組立体411を受け入れるための
ポート463がある。ビーム抽出組立体413及
びイオン源組立体411の両方は、個に取り外し
できるモジユールとして構成され、即ち、各組立
体は清掃及び保守を行うために別のユニツトとし
て完全に取り外しできる。更に、これら2つの組
立体は、イオン源と抽出電極との整列をチエツク
するために一緒に取り外すことができる。
ビーム抽出組立体413は、多数の図面を参照
して以下で詳細に説明する。然し乍ら、ここで
は、ビーム抽出組立体413が、個々のモジユー
ル構成という点で、抽出組立体のフランジ413
Aを含んでいて、このフランジはハウジング46
0の底壁に取りつけられてこれに支持されるが、
ビーム抽出組立体の他の全ての部品、支持ベース
部材413B及び抽出・減速電極413Cを含
む、は支持柱構成体413Dに取り付けられるこ
とを理解されたい。このようなモジユール構成に
より、抽出組立体のフランジ413Aを取り外し
た時には、これら部品全部をハウジング460か
ら取り外すことができる。
同様に、イオン源組立体411は、一体的な単
一モジユールとしてハウジング460から取り外
すことができ、これについては、第52図ないし
55図を参照して以下で詳細に説明する。
イオン源組立体411の主たる要素は、イオン
源組立体フランジ471と、イオン源絶縁体47
2と、イオン源室支持構成体474と、イオン源
ガス供給構成体475と、イオン源の電気バイア
ス構成体であり、このバイアス構成は、フイラメ
ントバイアス・電流供給構成476A及び476
Bと、アノード電流供給構成体476Cとを含
む。イオン源のフランジ471及びイオン源の絶
縁体472は、取り付けボルト(図示せず)を用
いて、ビーム抽出組立体のフランジ413Aに取
り外し可能に取り付けられる。イオン源のフラン
ジ471は、取り付けボルト・翼ナツト構成体4
77によつて絶縁体472に取り付けられる。イ
オン源のアーク室組立体473のための支持組立
体474は、第53図に示したようにペデスタル
479に取り付けられた垂直の支持柱478を備
えている。ペデスタル479は、次いで、イオン
源のフランジ471に支持され、イオン源のガス
供給組立体475を受入れる中空のペデスタル構
造体を備えている。
イオン源のアーク室473は、ハウジング48
0を含み、その底壁には個々のU次型アノード4
81が支持されている。フイラメントカソード4
82は、その両端がフイラメント支持体482A
に配置されている。フイラメントクランプ483
はフイラメントカソード482の各端にクランプ
され、その各々はフイラメントリード484に接
続されていて、このフイラメントリード484ペ
デスタル479の上部を貫通してイオン源フラン
ジ471の大電流フイードスルー485に接続さ
れている。適当なフイラメント絶縁体486が、
フイラメントカソードをイオン源組立体478か
ら電気的に分離している。第52図に示すよう
に、個々の電気バイアスリードワイヤ487が
個々のアノード481に接続されていて、第42
図ないし第44図に関連して上記した目的で個々
のバイアス電圧を印加する。
複数の熱シールドフインより成る熱シールドフ
イン構成体488がイオン源の室480とペデス
タル479との間に挿入されていて、イオン源の
室からの熱がペデスタル及び蒸気供給系統475
へ達しないように上記室に向つて反射する。
蒸気供給系統475は、フランジ489を含む
別個のモジユールであり、フランジ489は、取
り付けボルト・翼ナツト組立体よりイオン源のフ
ランジ471に取り付けられる。ガス供給組立体
490は、フランジ489に支持されていてペデ
スタル479の上部を貫通してアーク室480へ
直接延びている管を備え、三弗化炭素のようなガ
スをイオン源の室内に直接供給する。1対の固体
装填カプセル491がカートリツジヒータ492
及び熱電対型温度センサ493に組合わされてい
て、イオン源用の固体物質例えば砒素を蒸発さ
せ、供給管494を経てアーク室480へ蒸気を
送り込む。
イオン源のアーク室480のフロントプレート
495は、イオン出口孔496を備えており、こ
の構造細部については以下で説明する。
第56図ないし第60図は、イオンビーム抽出
組立体413を示しており、この組立体は、第5
9図及び60図に示されたように、抽出組立体の
フランジに支持されたビーム制御翼組立体を備え
ている。
先ず、第56図ないし第58図を説明すれば、
ビーム抽出組立体のフランジ500には電極支持
台501がのせられている。この台は、整列支持
構成502によつてフランジ500に支持されて
いる。整列支持構成502は、円錐形の支持上面
を有する1対の支持ポスト503を備え、上記円
錐形の支持上面にはリング状の台501が傾斜可
能に支持される。カムホロワ構成体504は、支
持ポスト503にのせられた抽出電極支持台50
1の傾斜を制御する。張力バネ505は、その一
端が、電極支持台501に固定された取り付けポ
スト506に接続されていると共に、その他端
が、フランジ500に取り付られた支持ポスト5
07に接続されている。この構成により、カムホ
ロワ504aはカム504Bに接触するように偏
立される。カム504Bは親ネジ508によつて
駆動され、この親ネジ508はギヤ機構509を
介して電気モータ510に接続される。このモー
タ制御式の電極支持台傾斜機構により、ビーム抽
出及び減速電極を、イオン源のイオン出口スリツ
トに対して整列することができる。
この整列機構は、電極支持台501、減速電極
支持柱511及び減速電極512と共に、端子電
位にある。抽出電極支持柱513は、金の柱部分
514と、絶縁材の柱部分515との複合体で構
成され、セラミツクのシールド構成体516によ
つて絶縁材部分515が汚染粒子及び沈着物から
遮断される。抽出電極517は、片持梁の形態で
支持柱513の上部に取り付けられる。これと同
様に、減速電極512も、片持梁の形態で支持柱
511に取り付けられる。
ふち取り電極構成体も同様に設けられており、
ふち取り電極支持柱518が支持台501に支持
され、U字型のふち取り電極519が片持梁式の
取り付け構成でこれに支持されている。
抽出電極517は、一般的に長方形のスリツト
517Bを含む厚い中央部分517Aを備え、抽
出されたイオンビームは上記スリツトを通過す
る。同様に、減速電極512も、一般的に長方形
の512Bが形成された中央部分512Aを備
え、イオン源から抽出されたイオンビームはこの
孔を通過する。
抽出電極517及び減速電極512が片持梁式
の取り付け構成にされていることにより、全電極
取り付け構成体は開放空間が広くなり、イオン源
のイオン出口スリツトから流れ出すガスのポンピ
ングコンダクタンスが良くなる。第37図及び第
38図を参照して上記で説明した電極取り付け構
成体では、抽出電極237を減速電極支持構成体
235に支持している絶縁材を汚染から遮断する
必要がある。この遮断構成体は、第37図及び第
38図に示してないが、減速電極のを効果的に取
り巻くように絶縁材の内側に取り付けられ、従つ
てその領の真空ポンピングコンダクタンスが相当
に低下する。
このようなイオン源及び電極組立体を三弗化ホ
ウ素のようなガス供給源で作動した時には、アー
ク室内の比較的高いガス圧力によつて相当量の三
弗化ホウ素ガスがイオン出口孔から抽出及び減速
電極領へと押し流される。絶縁材のシールドが配
置された状態では、この三弗化ホウ素ガスがイオ
ン飛行管へ多量に逸脱し、ビーム流路の他の部品
に浸透する傾向がある。これに対して、第56図
及び第57図に示された電極支持構成体では、抽
出電極が片持梁形態でそれ自体の支持柱に別個に
取り付けられており、これら支持柱は、抽出及び
減速電極自体の付近に置かれていないシールド構
成体516によつて電極支持台501から電気的
に分離されている。この領域でのポンピングコン
ダクタンスが改善されることにより、第52図に
示されたようにイオン源ハウジングと連通する真
空ポンプ系統は、イオン源のフロントプレートに
設けられたイオン出口孔から逸脱する三弗化ホウ
素ガスを効果的に除去することができる。これに
より、飛行管及び下流のビーム成分に達するガス
の量が減少される。
第59図及び第60図を参照し、ビーム翼制御
系統520について説明する。ビーム翼制御系統
520は、個々の支持アーム523,524の一
端に取り付けられたビーム遮断翼素子521,5
22を備え、支持アームの他端は第60図に示す
ようにシヤフト525に取り付けられている。シ
ヤフト525はカムアーム526も支持してお
り、このカムアーム526は、張力バネ527に
より、カムホロワプレート529に支持されたカ
ムホロワ528にのるように偏位される。。カム
ホロワプレート529はガイドポスト530に沿
つて垂直方向に移動し、電気モータ532により
ベルト伝動構成体533を介して付勢される駆動
ネジ構成体531によつて上下に駆動される。1
対のソレノイド534,535は、参照番号52
6で示されたカムアームに対してカムストツパを
なすように、遠隔制御のもので個々に作動でき
る。カムアーム526が最も垂直となる位置にあ
りそしてビーム制御翼521の縁がイオンビーム
の中心線に置かれている間にソレノイド534,
535の一方を作動することにより、他方のビー
ム制御翼をカムホロワプレート及びカムアー構成
体によつて別個に作動して、ビーム制御翼をビー
ムに対してスイープさせて、ビーム電流を増分的
に測定することができる。
ホロワプレート537には位置感知ポテンシヨ
メータ536が支持されており、このポテンシヨ
メータは、駆動シヤフト531に支持されたギヤ
素子539を含むギヤ構成体538によつて駆動
される。このようにして、ビーム制御翼の位置を
示す電気信号が、イオンインプランテーシヨン装
置の手動もしくはコンピユータ制御式の作動制御
系統に送られる。
ビーム制御翼組立体の通常の作動中には、両ソ
レノイド534及び535が消勢され、従つてこ
れに対応するストツパ素子が引つ込められ、両方
のカムアーム526が自由に回転し、これと共に
カムホロワプレー529が動く。
このようにして、ビーム制御翼521及び52
2を用いて、分析磁石組成体のビーム飛行管に入
るビームの流れが制御される。
ビーム翼制御系統520は、ビーム抽出組立体
のフランジ500に完全に取り付けられて支持さ
れるので、ビーム制御翼組立体及び抽出電極組立
体は単一のモジユールとしてイオン源ハウジング
460から取り外すことができる。この実施例に
示すビーム翼制御組立体520は、ビーム制御翼
521及び522自体がビーム抽出電極系統の上
の高温領に配置されているだけであるから、第3
5図及び第36図の実施例で述べたビーム翼制御
組立体よりも好ましい。ビーム制御翼のためのア
クチユエータ機構及び回転式取り付けシヤフト
(真空シール525Aを含む)は、高温のビーム
抽出領域から離れたところに配置され、従つて熱
によつて機能が低下することはほとんどない。
第52図に示されたイオン源のハウジング46
0は、その上面に設けられた長方形の孔461を
シールする真空ゲート弁を有していないことに注
意されたい。この実施例では、ビーム飛行管の信
頼性を高めると共に、清掃のためにビーム飛行管
を取り外した時に後段階加速系統と連通しないよ
うにするために、ビーム飛行管の他側に対して真
空ゲート弁が除去されている。第36図に示され
たゲート弁構成体は、室の上面に設けれたビーム
翼組立体に冷媒が流れるにも関わらず、高い温度
となる。第52図ないし第59図に示した実施例
では、翼521,522が高温に耐えるグラフア
イトのような材料で形成されると共に、アクチユ
エータ系統の鋭敏な部品が高温領域から取り去ら
れているために、ビーム制御翼の冷却は不要であ
る。
第61図ないし第63図は、イオン質量分析系
統420をしており、これは、基本的に、第51
図に示したイオンビーム飛行管421の各側に配
置された個々の電磁石組立体を備えている。電磁
石組立体の構造が分かりにくくならないようにす
るため、第61図ないし第63図にはイオンビー
ム飛行管を示してない。ビーム分析磁石組立体で
は、電磁石が対称的に配置されているので、全組
立体の片側のみについて説明する 。 電磁石組立体の中央のビーム飛行管領域から
外方に向つて説明すると、この組立体は、内部磁
極片550及び内部コイル551と、外部磁極片
555及び外部コイル556とを備えている。内
部磁極片550の磁極面552は、第62図の中
央の斜線領域で示した一般的な形状を有してい
る。内部磁極片550の入口縁553は、対向し
た内部磁極面間にあるビーム飛行管領域に入るリ
ボン状イオンビームの経路に対して約45゜の角度
で配置されている。内部磁極の出口縁554は、
垂線に対して約35゜の角度で配置されている。磁
極面間にあるビーム飛行管領域から出るイオンビ
ームは、分析されたイオンビームであり、選択さ
れた質量をもつイオン、即ち、選択されたイオン
種に対応するイオンが、質量分解スリツト−これ
は第51図に示したようにドリフト管領域の端に
配置されている−に位置した焦点に集束される。
これらの比較的急な角度にされた内部磁極の入口
縁及び出口縁は、両領に焦点の合つたビーム収斂
ふちをなす。
外部磁極片555、これに関連した電磁石コイ
ル556、並びに戻り磁路ヨーク537によつ
て、ビーム分析磁石組立体420の半分が完成さ
れる。ビーム分析磁石のイオンビーム入口領には
入口分路構成体560が設けられており、これは
ふち磁界領域562の付近に磁界のない領域を形
成する。この入口分路がないと、充分なふち集束
性能が得られない。分析磁石系統のビーム出口側
でイオンの光学系を制御するという本質的に同じ
目的で、内部磁極面間の領域からイオンビームの
出口縁に出口分路565が設けられている。
内部磁極の全体的な形状は、選択されたイオン
種を分解スリツトに集束するような輪郭にされ
る。どのようなイオン質量を分解スリツトで分解
するかについての選択は、磁極ギヤツプ内の磁界
強度によつて決まり、これは、次いで電磁石コイ
ル551及び556に供給する電流の大きさによ
つて制御される。
コイル556及び磁極片555より成る外部電
磁石組立体は、冷却容器(図示せず)内に容さ
れ、これを通して冷却流を循環し、コイルの電流
によつて発生した熱を消散させる。
第64図ないし第68図は、質量分析系統43
0を示しており、この系統は1対のサイドフエン
ス581と582との間に形成されたイオンドリ
フト領域580を有している。サイドフエンスは
円筒状の端子電極583内に取り付けられてお
り、この端子電極は円筒カツプ状のエンドキヤツ
プ584を有している。端壁585には孔586
が形成されており、これを通して、選択されたイ
オン種の集束イオンビームが分解スリツト組立体
587へ送られる。分解スリツト組立体587は
第66図に拡大端面図で示されており、この組立
体は、既に述べた目的で複数の分解スリツト用挿
入体589が取り付けられた多解スリツトフレー
ム588を備えている。第65図に示したよう
に、多分解スリツトフレーム588は、片持梁式
に揺動アーム590に取り付けられており、該ア
ームの他端は結合ブロツク591に取り付けら
れ、次いでこのブロツクは第69図に示された回
転シヤフト構成体に取り付けられている。冷媒管
の平行構成体が揺動アーム590の長さ方向に延
びていて、分解スリツトフレーム588を冷却す
るように働く。第64図及び第67図に示したよ
うに、冷媒管592及び593は、イオンドリフ
管領域580の終りにある端壁585に冷却流体
を供給する。これらの冷媒管は、イオンビーム中
の選択されないイオンが当たるサイドフエンス5
81及び582も冷却する。
第64図及び65図には、フアラデーカツプ構
成体595が示されており、フアラデーカツプ5
96が片持梁式に揺動アーム597に取り付けら
れ、そしてこのアームは、フアラデーカツプをイ
オンビームに近づけたり離したりするために回転
可能なシヤフトに固定された結合ブロツク598
に取り付けられる。イオンドリフト管領域の端に
は抑制磁石系統600が配置されており、これ
は、孔586の長さに対して垂直な成分をもつ磁
界を形成し、フアラデーカツプがビームに配置さ
れた時に電子がフアラデーカツプから逃げないよ
うにする。
第68図及び第69図は、スライド真空ゲート
弁構成体610を示している。この構成体は、分
析磁石組立体又はイオン源組立体のずれかに対し
て保守作業を行う時に−ドリフト管より手前のビ
ーム流路部品において真空状態が失われる−、ド
リフト管領域580の端を選択的に密封して、ド
リフト管及び後段階加速系統に真空状態を維持す
るように作動される。第68図及び第69図に
は、多分解スリツト組立体及びフアラデーカツプ
組立体のための駆動機構620及び621も示さ
れている。これら駆動機構は本質的に同じもので
あるから、駆動機構620についてのみ詳細に示
す。
ゲート弁構成体610は、空気シリンダ611
を備え、これはベロー構成体613を通して延び
ているシヤフト612に接続されていて、ゲート
弁614を駆動させる。このゲート弁ブロツク6
14はローラ615にのせられており、バネ付勢
式のカム機構617によつて互いに接続されたブ
ロツク下部614Aとブロツク上部614Bとを
有している。シヤフト612がスライド式のゲー
ト弁ブロツク614を開方向に向つて押すにつれ
て、結局は、ブロツク下部614Aがストツパ6
16に当たる。この点において、ブロツク上部6
14Bの行き過ぎ移動によつてカム機構617が
ブロツク下部614Aを、壁580Aと真空シー
ル接触状態に押しつける。
アクチユエータ620は、シヤフト624を駆
動するように空気シリンダ623によつて作動さ
れるラチエツト・ポール機構622を備えてい
る。シヤフト624は、カム機構626を介し
て、回転可能に取り付けられたシヤフト625を
駆動する。シヤフト625は中空シヤフトであ
り、この中には同心的な流体接触管が配置されて
いて、揺動アー590を経て延びる冷媒チヤンネ
ルへ冷媒流体を送る。光学式の位置センサ626
が設られていて、実際のシヤフト位置、ひいて
は、多分解スリツトフレーム又はフアラデーカツ
プの位置を表す信号を制御系統に送る。
第70図は、第52図及び第53図に示された
イオン源のフロントプレート495に設けられた
小寸法のイオン出口孔496に対する好ましい形
状を拡大断面図で示している。ここに示す特定の
実施例は、フロントプレート495は、厚みが約
6mmのグラフアイトで形成される。イオン出口孔
496の底496Aは約5mmである。その長さ
は、大きい方の寸で110mmである。厚み約0.25mm
の垂直方向の段により最初の垂直壁部分496が
形成され、この最初の壁部分に続いて、約45゜の
角度で第2の壁部分496Cが形成される。
5mm巾のイオン出口孔は、市場に出回つている
公知の全てのイオンインプランテーシヨン装置に
用いられている1ないし3mm巾の孔と対照的であ
る。前記したように、イオンインプランテーシヨ
ンの分野の当業者及び専門家は、安定なイオンビ
ームを維持しそして充な分解性能を得るためには
イオン出口スリツトの巾を1ないし3mmの範囲内
の値(典型的には約2mm)に限定する必要がある
と誰もが考えていた。本発明の原理を用いて試作
したイオンインプランテーシヨン装置は、第71
図に示した5mm巾の孔で首尾よく作動した。孔の
巾の上限は、分析系統で許容できる最大ビーム発
散度の関数であると考えられる。スリツト巾を限
定する更に別のフアクタは、スリツト巾を広くし
た場合にビームの質を維持するために必要とされ
るビーム抽出ギヤツプ及び抽出電圧の増加であ
る。特に抽出電圧を高くした場合にはスパーク発
生の問題が多くなるので、或る点で実用限界に達
する。
上記したビーム電流の数値(即ち、ホウ素につ
いて28ミリアンペアそして砒素について67ミリア
ンペア)から容易に明らかなように、単一出口ス
リツトシステムに巾の広い出口スリツトを使用し
た場合には(これは、出口スリツトの前方に単一
のフイルメントカソードが配置されたフリーマン
型イオン源にとつて好ましい形態である)、イオ
ンインプランテーシヨン装置に顕著な効果が得ら
れる。高いビーム電流を取り出すためにこのよう
な巾の広い出口スリツトを使用した場合の唯一の
欠点は、イオンビームの発散度が大きくなること
である。このようにビーム発散度が大きい場合、
本発明のイオン光学系では、一般に、質量分析系
統の磁極ギヤツプを広げることが必要とされる。
然し乍ら、磁極ギヤツプを広げるというこの必要
性は、分析磁石の入口側にふち集束を用いること
によつて相当に軽減できる。
上記したビーム電流は、磁極ギヤツプが65mm−
これはホウ素及び砒素のイオンビームに対して現
在のところ最適と考えられる−の場合に得られた
ものである。この同じギヤツプを、アンチモンの
イオンの場合は前段階加速電圧を12KVにした状
態で、使用することができる。或いは又、アンチ
モンのイオンの場合には、前段階加速電圧を
20KVにした状態で、50mmの磁極ギヤツプを使用
できる。
本発明による試作装置に用いられたビーム分析
磁石系統は総重量が約1トンであり、これは公知
の光学系を用いたイオンインプランテーシヨン装
置で同じビーム電流性能を得るためにおそらく必
要とされるであろう分析磁石系統の重量6ないし
7トンと比べて対照的である。磁石系統の寸法及
び重量についてこの減少は、本発明の新規なイオ
ン光学系に含まれた多数のフアクタと、新規なイ
オン源及び抽出系統の作動パラメータとによつて
得られる。本発明のシステムは、全体的にみれ
ば、これと同等のビーム電流の発生を開始できな
いような公知の“大電流”装置と大きさ及び重量
が同等である。
本発明によるイオンインプランテーシヨンシス
テムのこの改良されたビーム電流発生容量は、商
業的に利用されるイオンインプランテーシヨン装
置の製造に今後大きな影響を与えることになろ
う。本発明によるイオンインプランテーシヨンシ
ステムは、公知形式のイオンインプランテーシヨ
ン装置2台ないし4台分の働きをすることができ
る。この性能は、ビーム流路のコストを大巾に増
加せずに得られる。従つて、イオンインプランテ
ーシヨンは、半導体集積回路装置をドーピングす
るための製造技術の選択のみとなるので、本発明
の原理及び本発明全体を構成する種々の特徴を用
いたイオンインプランテーシヨンシステムが市場
に出れば、今後高密度の集積回路を製造するシス
テムに関連した全投下資本を節減するように大巾
に貢献することになろう。
本発明の新規は技術は、典型的に7段又は8段
のイオンインプランテーシヨン工程−或るものは
イオン注入量が少なくそして或るものはイオン注
入量が多い−を伴なう高密度CMOS回路の製造
に特に強い影響を与えると考えられる。又、
CMOS製造において必要とされる高イオン量の
ホウ素のインプランテーシヨン、例えばイオン量
が1平方センチメータ当たり1016個というインプ
ランテーシヨンに特に大きな影響を与える。
公知の光学系についてのビーム電流の改善 公知の一般のイオン光学系を用いたイオンイン
プランテーシヨンシステムに本発明の幾つかの特
徴を組み込んで、実用的なシステム構成で高イオ
ンビーム電流を得ることも可能である。第5図に
示すような一般の光学系では、イオン出口スリツ
ト32の寸法の長い部分が分析磁石40の分散平
面に垂直である。従つて、イオンビームはこの分
散平面内で発散する。抽出ビーム電流を増加する
ために巾の広いイオン出口孔(即ち、巾が4mm又
は5mm)を用いた場合には、おそらく、分散平面
内でのイオンの発散が相当に増加することになろ
う。この変化だけでは、ビームの大巾な発散を受
入れるように分析磁石の入口面の巾を相当に広げ
ない限り、より有効なビーム流がビーム分解スリ
ツトを通ることにならない。これは、或る状態に
おいて特に出口孔の巾を4mmまで広げただけの場
合に実用的なものとなる。
然し乍ら、巾の広いイオン出口孔を、第31図
について説明した本発明の加速−減速特徴と組み
合わせて用いた場合には(おそらく或る程度他の
変更を入念に行うことになる)、公知の光学系を
用いたシステムでも相当に高い有効なイオンビー
ム電流を得ることができる。本の加速−減速特徴
により、ビームを収斂する円筒レンズが形成さ
れ、これを用いて分散面内でのイオンビームの発
散を減少することができる。これにより、巾の広
いイオン源からの大きなビーム発散を処理するの
に要する分析磁石の入口面の巾の増加量が減少さ
れる。更に、本発明の加速−減速特徴により、イ
オンビームの速度が下がり、これにより、分析磁
石の寸法/電力要求が下がると共に、磁石の全寸
法、重量及び需要電力を甚だしく増加することな
く磁極巾を増加できる。
更に、巾の広いイオン出口孔を、そのさを若干
小さくした状態で(然し、全イオン抽出面積はよ
り大きくする)使用し、そしてイオン源を分析磁
石に近づけて、磁石に入る全ビーム巾を減少する
ことができる。巾が広く長さが短いイオン出口孔
(然し、ビーム抽出面積はより大きい)、抽出電極
及び減速電極による加速−減速バイアス機構、及
び巾の広い磁石入口面を完全に組み合わせること
により、公知のイオン光学系でも、相当に大きな
有効なイオンビーム電流を得ることができる。こ
のようなやり方で、特にホウ素(質量11)のよう
な軽いイオンに対し、50ないし100%の範囲で有
効ビーム電流を増加することができる。
以上、本発明をその種々の実施例について説明
したが、当業者には、特許請求の範囲に記載の如
き本発明の範囲を逸脱することなしに種々の変更
を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は半導体処理におけるイオ
ン打込みの使用を示すための半導体ウエーハの一
部の縦断面図、第4図は、従来のイオン打込み装
置の上面図、第5図は従来のイオン打込み装置に
用いられているイオンビームオプテイクスの斜視
図、第6図ないし第10図は従来の装置に用いら
れているイオンオプテイクスの原理を説明するた
めの略図、第11図ないし第13図は従来のオプ
テイクス原理の変形を示すイオンビームオプテイ
クスの例の略図、第14図は本発明にかかるイオ
ン打込みのための装置及び方法に用いるイオンビ
ームオプテイクスの概括的斜視図、第15図は半
導体処理に適用した本発明の実施例イオンビーム
オプテイクスを概括的に示す斜視図、第16図な
いし第28図は本発明にかかるイオンビームオプ
テイクス及びイオン源装置の種々の実施例を示す
略図、第29図は従来のイオン打込み装置に一般
に用いられているイオン源バイアスがけ装置の略
図、第30図及び第31図は本発明にかかるイオ
ン源電極バイアス印加装置の略図、第32図ない
し第34図は本発明にかかるイオンビームライン
の構成部材の種々の構造的細部を示す略図、第3
5図は本発明の実施例におけるイオン源及び分析
磁石装置の一部縦断側面図、第36図は本発明の
実施例におけるイオン源及び分析磁石装置の一部
縦断正面図、第37図は第36図の37−37線
に沿うイオン源装置の一部横断平面図、第38図
は第37図の38−38線に沿う電極組立体の一
部縦断面図、第39図は第36図の39−39線
に沿つて截断してビーム制御ベーン装置の構造及
び作動的細部を示す部分側面図、第40図は第3
9図の40−40線に沿つて截断した本発明にか
かるビーム制御ベーン装置の一部横断上面図、第
41図は第36図の41−41線に沿つて截断し
た真空封止装置の一部横断上面図、第42図ない
し第44図は本発明にかかる変形フリーマン型イ
オン源装置の一部断面図、第45図は本発明にか
かる多重分解スリツト装置の斜視図、第46図な
いし第50図は本発明かかるイオンビームオプテ
イクス及びビームライン構成部材の他の実施例を
示す略図である。第51図は、本発明によるイオ
ンインプランテーシヨンシステムのビーム流路モ
ジユールを示す部分断面図、第52図は、イオン
源ハウジング、イオン源及びビーム抽出電極系よ
り成る本発明のイオン源構成体を示す部分断面側
面図、第53図は、本発明によるフリーマン型イ
オン源モジユールを示す部分断面側面図、第54
図は、第53図のイオン源モジユールを54−5
4線に沿つてみた上面図、第55図は、第53図
のフリーマン型イオン源の底面図、第56図ない
し58図は、イオン抽出電極モジユールの各々前
面図、側面図及び上面図、第59図は、本発明に
よるビーム制御翼システムの側面図、第60図
は、第59図にビーム制御翼システムを60−6
0線に沿つてみた部分断面図、第61図は、第6
2図の61−61線に沿つてみた分析磁石組立体
の前面部分断面図、第62図は、第61図の62
−62線に沿つてみた分析磁石組立体の断面図、
第63図は、第62図の分析磁石組立体を63−
63線に沿つてみた部分断面図、第64図は、本
発明による質量分析系統及び後段階加速系統を示
す部分断面側面図、第65図は、本発明による質
量分析系統の上面図、第66図は、第65図の6
6−66線に沿つてみた本発明の質量分析の端面
図、第67図は、第65図の67−67線に沿つ
てみた本発明の質量分析系統を示す別の部分断面
端面図、第68図及び69図は、質量分析系統の
ゲート弁組立体と、質量分析系統の多分解スリツ
ト組立体及びフアラデーカツプ組立体を駆動する
ラチエツト−カム機構とを示す部分断面図、そし
て、第70図は、本発明の好ましい実施例による
イオン源出口スリツトの全体的な構造形状を示す
断面図である。 10……ウエーハ、14……フイールド領域、
15……フイールド酸化領域、18……活性領
域、19……シリコンゲート領域、21……ソー
ス領域、22……ドレイン領域、25……引出し
電極組立体、30……イオン源、32……イオン
出口アパーチヤ、32A……湾曲イオン出口スリ
ツト、36……収束グリツド、37……引出し電
極、38……接地電極、40……分析磁石、48
……ベーン装置、50……分解スリツト装置、5
1……分解用スリツト、60……後段加速装置、
70……処理装置、72……ヒートシンク装置、
100……イオン打込み装置、130……イオン
源装置、132……イオン出口アパーチヤ、13
2″……湾曲イオン源スリツト、137……引出
し電極、138……接地電極、139……視準装
置、140……ビーム分析装置、143……ギヤ
ツプ、147,148……電磁巻線、150……
ビーム分解装置、170……ウエーハ取扱い装
置、171……半導体ウエーハ、172……ヒー
トシンク、180……分離静電レンズ、190…
…収差制御ベーン、200……ビームライン装
置、230……イオンソースモジユール、235
……イオンビーム電極モジユール、235A……
基板、236……フリンジ電極、237……引出
し電極、238……接地電極、243……飛行
管、247,248……電磁コイル、290……
ビーム幅制御装置、291……ステツプモータ、
292……親ねじ装置、294……レバーアー
ム、300……真空ゲート弁装置、302……作
動用レバー、304……スライド式ゲート弁、3
05……矩形状ガスケツト、308……ストツプ
装置、315……カソードフイラメント、316
……誘電体スペーサ、318……バイアス装置、
319……計器、330……イオン源、332…
…イオン出口スリツト、350……ビーム分解装
置、230F……イオン源、400……ビーム流
路、410……イオン源構成体、411……イオ
ン源組立体、412……イオン源の磁石組立体、
413……イオンビーム抽出組立体、420……
イオン質量分析系統、421……イオンビーム飛
行管、422……ビーム分析磁石組立体、430
……イオン質量分析系統、431……真空ゲート
弁、432……イオンドリフト管、433……質
量分解スリツト組立体、440……後段階加速系
統、450……ターゲツト素子、460……イオ
ン源ハウジグ、461……孔、462……真空ポ
ンプポート。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 その一壁面に細長いイオン出口孔を有するイ
    オン源室、 該イオン源室内に縦に配置され電流発生源に接
    続された細長い陰極、 前記イオン源室と前記陰極との間に接続されて
    前記イオン源室内にイオンを発生させるアーク発
    生バイアス、 前記陰極と関連する複数の独立した陽極であつ
    て各陽極が一つの電気バイアス源に接続された陽
    極、および 前記陰極に平行な磁界を加える磁気源であつて
    前記イオン源内における不均一なイオン発生を相
    殺する不均一な磁界強さを有する磁気源、を有す
    ることを特徴とするイオン源装置。 2 前記磁気源は、前記イオン源の両端に配置さ
    れ前記陰極とほぼ一直線に並んでいる一対の磁極
    片と、前記磁極片上に巻き付けられ各磁極片の近
    くに生じた磁界の強さを独立に制御する独立した
    電流供給回路をもつ独立した磁界発生コイルを有
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の装置。 3 前記離散陽極に接続された電気バイアス源
    は、各陽極の近くのイオンの局部的発生を制御す
    るためそれぞれ異なる陽極にそれぞれ異なるバイ
    アス電圧を加えることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の装置。 4 さらに、前記離散陽極の各陽極に接続され、
    該各陽極と前記陰極の間を流れる電流を検出する
    手段を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の装置。 5 その一壁面に細長いイオン出口孔が形成され
    たイオン源室、該イオン源室内に縦に配置され前
    記イオン出口孔にほぼ平行な細長いフイラメント
    陰極、前記イオン源室内に取り付けられ相互に電
    気的に隔離された複数の独立した陽極素子、およ
    び、該陽極素子の各々に接続されて各陽極素子を
    独立してバイアスする手段であつて、前記独立し
    た陽極素子の各々と前記フイラメント陰極の間を
    流れる電流を独立して検出する手段を含むバイア
    ス手段を有することを特徴とするイオン源装置。
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