JPH05317054A - オキシダーゼ遺伝子 - Google Patents

オキシダーゼ遺伝子

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JPH05317054A
JPH05317054A JP15425192A JP15425192A JPH05317054A JP H05317054 A JPH05317054 A JP H05317054A JP 15425192 A JP15425192 A JP 15425192A JP 15425192 A JP15425192 A JP 15425192A JP H05317054 A JPH05317054 A JP H05317054A
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村 一 奥
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村 吉 也 川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アセトバクター属菌由来のオキシダーゼ複合
体を構成する構造遺伝子であって、この遺伝子は、オキ
シダーゼ複合体を構成する分子量約34000、720
00、21000、13000のタンパク質の構造遺伝
子を含んでいる。 【効果】 アセトバクター属菌の末端オキシダーゼの該
菌での生産性の向上や、改質が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセトバクター属の微
生物に由来するオキシダーゼ複合体の構造遺伝子および
構造遺伝子を含む遺伝子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アセトバクター属に属する微生物は、エ
タノールやアセトアルデヒドなどアルコール類やアルデ
ヒド類の強い酸化活性を有しており、食酢の製造や脱臭
などの用途に使用されており、また、微生物セルロース
の高生産菌としても使用されている有用な微生物であ
る。アセトバクター属に属する微生物は、グラム陰性の
絶対好気性菌であり、生育に酸素を要求するため、培養
には酸素の供給が必要である。生育に酸素の供給が必要
な理由は、アルコールやアセトアルデヒドなどの酸化な
どによって生じた電子の最終的な電子受容体として酸素
を使用しているためである。
【0003】また、電子が酸素に伝達される反応に関与
している電子伝達鎖はチトクロームやユビキノンなどに
よって構成されているが、最も重要な成分は、呼吸鎖末
端に位置し、酸素と生成した電子との反応を触媒するオ
キシダーゼである。
【0004】オキシダーゼは、単に電子伝達鎖の成分と
して重要だけでなく、酸化反応によってエネルギーを獲
得する反応にも関与しており、該微生物の生育上も非常
に重要な酵素である。
【0005】従来、アセトバクター属に属する微生物の
末端オキシダーゼについては、Matsushitaら
により、アセトバクター・アセチの1菌株について検討
され、2つのオキシダーゼ(チトクロームa1とチトク
ロームo)が存在すること、培養条件によって主要なオ
キシダーゼが変化すること、2つのオキシダーゼのうち
チトクロームa1は精製され、酵素学的性質が明らかに
されている(Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 第87巻 第9863頁 1990年。J.B
acteriol.第174巻 第122頁 1992
年)。上記の2つのオキシダーゼはいずれもユビキノー
ル還元活性を有していることが明らかにされている。
【0006】また、類縁であるグルコノバクター属に属
する微生物から、チトクロームo型のオキシダーゼが精
製されている(Biochim.Biophys.Ac
ta第894巻 第304頁 1987年)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】アセトバクター属に属
する微生物の呼吸鎖の末端に位置するオキシダーゼにつ
いて上記の知見があるが、アセトバクター属に属する微
生物の合成する主要ユビキノンは、イソブレノイド鎖の
長さの違うQ9とQ10の2種類が知られており、菌株に
より主要なユビキノンが異なっている。また、類縁のグ
ルコノバクター属に属する微生物は、種々の生理学的性
質や酵素学的性質を含め遺伝的にアセトバクター属と共
通しているが、Q10を呼吸鎖成分として含有しているな
ど違いも認められている。
【0008】Matsushitaらは、アセトバクタ
ー属およびグルコノバクター属に属する微生物(酢酸菌
と総称されている)の呼吸鎖について検討を加え、前記
のようにオキシダーゼについて基礎的な知見を得ている
が、該酵素の精製が困難であり、しかも含量が低いた
め、該酵素の有効利用は困難であった。また該酵素の生
産性を改良しようとしたり、該酵素そのものを改質する
ことは、たとえばチトクロームa1は、4つのサブユニ
ットタンパク質から構成される複合体であるため、技術
的に非常に困難であった。
【0009】本発明は、アセトバクター属に属する微生
物の末端オキシダーゼの該微生物での生産性の向上や改
質を可能にする技術を提供することを目的としている。
また、本発明の他の目的は、類縁の微生物の改良に該酵
素を利用する手段を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オキシダ
ーゼを酵素学的に解明しそれらの知見をもとにして該微
生物を改変することは、技術的に非常に困難であるこ
と。一方、アセトバクター属に属する微生物の遺伝子組
み替え技術が著しく進展しており、該微生物の遺伝子が
数多くクローニングされていることに着目し、該酵素を
コードする遺伝子を利用すれば前記の課題を解決できる
との考えに至り、そのために該酵素の構造遺伝子を単離
するため鋭意検討し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明はアセトバクター属に属
する微生物に由来するオキシダーゼ遺伝子に関するもの
であり、さらに詳しくはオキシダーゼ複合体を構成する
分子量約34000のタンパク質の構造遺伝子、オキシ
ダーゼ複合体を構成する分子量約72000のタンパク
質の構造遺伝子、オキシダーゼ複合体を構成する分子量
約21000のタンパク質の構造遺伝子、オキシダーゼ
複合体を構成する分子量約13000のタンパク質の構
造遺伝子およびオキシダーゼ複合体を構成する分子量約
34000、約72000、約21000、約1300
0のタンパク質の構造遺伝子を含む遺伝子に関する。
【0012】本発明におけるオキシダーゼ複合体は、ア
セトバクター属に属する微生物から実施例1に示すよう
な方法などで精製される比活性が135ユニットであ
り、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(SDS−PAGE)で4つのサブユニットに
解離し、各サブユニットの分子量が約72000、約3
4000、約21000、約13000であり、ユビキ
ノンと反応性を示し、ヘムa及びヘムbを有するタンパ
ク質である。該タンパク質は、Matsushitaら
の報告するAcetobacter aceti IF
O 3284のチトクロームa1とは、ドデシル硫酸ナ
トリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で算出され
る各サブユニットの分子量がことなる以外は、調べた限
り同一の性質を示す。
【0013】該酵素の構造遺伝子を含む遺伝子断片は、
該酵素を生産するアセトバクター属に属する微生物の保
有する全DNAから常法により単離することができる。
該酵素を生産するアセトバクター属に属する微生物とし
ては、たとえばアセトバクター・アセチ No.102
3(FERM BP−2287)、アセトバクター・ア
セチ IFO3284、アセトバクター・アセチ・サブ
スピーシズ・キシリナム IFO3288、アセトバク
ター・アルトアセチゲネス MH−24(FERM B
P−491)、アセトバクター・パストリアヌス IF
O3223などが挙げられる。
【0014】全DNAから該酵素をコードする遺伝子を
単離する方法としては、たとえば該酵素のアミノ酸配列
の一部を決定し、決定したアミノ酸配列に対応する合成
DNAを調製し、プローブとして利用してサザン・ハイ
ブリダーゼーションなどにより目的の遺伝子を有するク
ローンを選択する方法や該酵素に対する抗体を調製し、
抗原抗体反応を利用して目的遺伝子を保有するクローン
を選択する方法、あるいは実施例3に示されているよう
なオキシダーゼの構造遺伝子に共通して存在する配列や
該酵素のアミノ酸配列の分析で決定された2ケ所の部分
配列をもとに対応するDNAを合成し、合成したプライ
マーを用いて遺伝子増幅法(ポリメラーゼチェイン法、
PCR法)で該酵素をコードする遺伝子領域を特異的に
増幅し、目的の遺伝子を含む断片を取得する方法などが
あり、該酵素の構造遺伝子を含む遺伝子断片を単離する
ことができる。
【0015】アミノ酸配列の決定は、SDS−PAGE
法で各サブユニットに分離後、各サブユニットタンパク
質を含むゲルを切り出し、切り出したゲルから電気透析
法などにより目的タンパク質を抽出する。抽出したタン
パク質はそのままあるいはCNBrや特異的に切断する
プロテアーゼ(ペプチダーゼ)などで切断後、切断物を
ゲル濾過法などで分画して得られる分取物をアミノ酸シ
ークエンサーなどを用いる通常の方法により、アミノ末
端のアミノ酸配列を決定できる。
【0016】また、決定されたアミノ酸配列に対応する
DNAの合成は、DNAシンセサイザーなどを使用し、
常法に従えばよい。
【0017】該酵素に対する抗体は、たとえば“Met
hods in Enzymology”第73巻、第
46頁(1981年)の方法にしたがって得ることがで
きる。なお、該酵素とある程度の相同性を有するタンパ
ク質を大腸菌などでは生産しており、抗原抗体反応を利
用して目的クローンを選択する場合には、偽反応のため
に陽性と検出されることがあるので、特に反応性の高い
クローンを選択するように注意する必要がある。
【0018】また、サザンハイブリダイゼーションなど
DNAの相同性を指標として目的クローンを選択する場
合にも、同様な擬陽性のクローンが検出されるため、ハ
イブリダイゼーションの条件を適切に選択する必要があ
る。
【0019】PCRを利用する場合には、大腸菌などの
他の微生物由来のDNA汚染の可能性は非常に低いた
め、前記のような擬陽性のクローンが得られる場合は少
ない。
【0020】該酵素の構造遺伝子全長は、前記の方法で
得られた該酵素をコードする遺伝子をプローブとして、
該微生物の全DNAを適当な制限酵素で切断し、切断物
をサザンハイブリダイゼーション法に供し、プローブ遺
伝子とハイブリダイズする該酵素の構造遺伝子を有する
遺伝子断片を常法により単離する方法やコスミッドベク
ターやファージベクターなどを使用し、あらかじめ大腸
菌等の宿主で遺伝子バンクを作成し、コロニーハイブリ
ダイゼーションやプラークハイブリダイゼーションなど
の手法により、該酵素の構造遺伝子を有するベクターを
保持するクローンを選択する方法などにより全長を単離
できる。
【0021】得られた遺伝子の塩基配列の決定は、常法
にしたがえばよく、たとえばM13ファージを用いたジ
デオキシ法によればよい。
【0022】このようにして単離したオキシダーゼ複合
体の各サブユニットをコードする構造遺伝子は、染色体
の特定領域にクラスターをなして存在しており、しかも
オペロンを形成しているため、複合体として発現させる
には4つのサブユニットをコードする遺伝子を別々のプ
ロモーターを使用して発現させる必要はなく、該酵素の
4つのサブユニットをコードする遺伝子が存在する遺伝
子断片を単一のプロモーターで発現させることが可能で
ある。
【0023】単離した該酵素の遺伝子を用いて、該酵素
タンパク質を宿主内で発現させるためには、宿主内で機
能するプロモーター活性を有する遺伝子と該構造遺伝子
を発現可能な形で連結させる必要がある。
【0024】アセトバクター属やグルコノバクター属に
属する微生物内でタンパク質を生成させるために用いる
プロモーターとしては、該酵素の構造遺伝子本来のプロ
モーターも使用できるし、酢酸菌由来の他のプロモータ
ー活性を持つ遺伝子や酢酸菌で発現可能な大腸菌プラス
ミドpBR322のアンピシリン耐性遺伝子や大腸菌プ
ラスミドpACYC177のカナマイシン耐性遺伝子や
大腸菌プラスミドpACYC184のクロラムフェニコ
ール耐性遺伝子、大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子
のプロモーターなど酢酸菌以外の由来のプロモーター活
性を有する遺伝子も使用できる。
【0025】また、酢酸菌内にオキシダーゼ複合体の構
造遺伝子を保持させるためのベクターとしては、たとえ
ば特開昭60−9488号に開示されているpTA50
01(A)、pTA5001(B)や染色体組み込み型
ベクターであるpMVL1(Agric.Biol.C
hem.,第52巻 第3125頁 1988年)や酢
酸菌に導入可能な広宿主域ベクターRP4:Mu.RP
4.pRK2013.RSF1010なども使用でき
る。
【0026】前記のプロモーターやベクターの使用にあ
たっては、宿主内でオキシダーゼ遺伝子を過剰量発現さ
せると、過剰に生産された該酵素タンパク質が宿主に影
響を及ぼすため、生育を阻害したり、死滅する場合もあ
るので、発現量やコピー数を適切に設定する必要があ
る。該酵素の各サブユニットの発現量は、宿主によって
は既に十分量含有しているサブユニットもあるので、こ
の場合にはサブユニット毎にプロモーターを変えたり、
各サブユニットをコードする構造遺伝子をコピー数の違
うベクターに組み込み、各サブユニットの発現量を適切
に制御する必要がある。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。
【0028】実施例1(末端オキシダーゼの精製と性
質) グルコース3%、酵母エキス0.5%およびポリペプト
ン0.2%を含む液体培地を500ml容の坂口フラス
コに100ml分注し、オートクレーブ中で120℃、
15分間殺菌した。冷却後エタノールを3%になるよう
添加し、これにアセトバクター アセチ(Acetob
acter aceti)No.1023(FERM
BP−2287)を1白金耳接種し、往復振とう機(1
20往復/分)で30℃、2日間培養した。
【0029】同じ組成の培地20Lを30Lのジャーフ
ァーメンターで作製し、前記の培養液1Lを接種し、6
L/分で通気し、攪はん(600rpm)しながら30
℃、30時間培養した。
【0030】培養終了後、培養液を5℃にて遠心分離
(8000×g.10分)することにより湿重量35g
の菌体を得た。上記培養をさらに2度実施することによ
り合計100gの湿菌体を得た。
【0031】この湿菌体を50mMリン酸カリウム緩衝
液(pH6.5)に懸濁し、20,000psiでフレ
ンチプレス(アメリカン インストウルメント カンパ
ニー製)を通し菌体を破砕したのち、破砕液を68,0
00×g、4℃で60分間超遠心分離し、沈澱物(膜画
分)を得た。
【0032】末端オキシダーゼ活性の測定および蛋白の
定量はMatsushitaらの方法(Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA.第87巻、第986
3頁、1990年)に準じて行った。膜画分の末端オキ
シダーゼの比活性は2.3単位/mg蛋白で、全活性は
12000単位であった。
【0033】この沈澱物を50mMリン酸カリウム緩衝
液(pH6.5)に懸濁して全容量を200mlとし、
この懸濁液に20%(W/V)TritonX−100
溶液10ml添加し、4℃で1時間攪拌した後、超遠心
分離(68,000×g、4℃、60分間)を行い沈澱
画分(膜残渣)を得た。この膜残渣を50mMリン酸カ
リウム緩衝液(pH6.5)に懸濁して全容量を200
mlとしたのち、20%(W/V)n−オクチル−β−
D−グルコピラノシド溶液10mlを加えて4℃で1時
間攪拌した後、超遠心分離(68,000×g、4℃、
60分間)を行い上清液を得た。
【0034】この上清液約200mlを50mMリン酸
カリウム緩衝液(pH6.5)であらかじめ平衡化した
DEAE−トヨパール650C(樹脂量100ml)を
充填したカラム(カラムサイズ 3×15cm)に注入
し、最初に0.5%(W/V)n−オクチル−β−D−
グルコピラノシドを含む50mMリン酸カリウム緩衝液
(pH6.5)を全量200ml、流速40ml/時間
で流して未吸着蛋白を溶出し、次に0.5%(W/V)
n−オクチル−β−D−グルコピラノシドを含む150
mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.5)を全量300
ml、流速40ml/時間で流して不純蛋白を溶出し、
最後に1%(W/V)n−オクチル−β−D−グルコピ
ラノシドを含む150mMリン酸カリウム緩衝液(pH
6.5)を用いて全量300ml、流速40ml/時間
でオキシダーゼを溶出した。
【0035】200mlの位置に溶出した活性画分を集
めて濃縮し、比活性134単位/mg蛋白の活性を示す
末端オキシダーゼ標品56mgを得た。膜画分の全活性
を100%としたときの回収率は63%であった。
【0036】得られた標品は、ポリアクリルアミドゲル
電気泳動(7.5%アクリルアミド、pH8.5)で単
一のバンドを与え、またSDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(アクリルアミド濃度4−20%グラディエ
ント、pH8.3)によって、約72000、約340
00、約21000、および約13000の4つのサブ
ユニットから構成されていることが明らかになった。
【0037】また精製酵素標品をジチオナイト1mgを
添加することによって還元すると、562nmおよび4
29nmに吸収極大がみられ、ヘムbを含有する末端オ
キシダーゼであることを確認した。
【0038】また、生化学実験講座第12巻『エネルギ
ー代謝と生体酸化(下)』第545頁(1976年)
(株式会社東京化学同人)に記載の方法にしたがってピ
リジンフェロヘムクロムを調製し、α吸収帯の位置を調
べたところ、556nmおよび587nmに吸収極大が
見られ、前者はヘムb、後者はヘムaに由来することか
ら、ヘムaとヘムbを含有する蛋白であることを確認し
た。
【0039】実施例2(アミノ酸配列およびアミノ酸組
成の決定) 実施例1で得た精製標品2mgをSDS−ポリアクリル
アミド電気泳動に供し、4つのサブユニットに解離後、
分子量約72000のサブユニットと分子量約3400
0のサブユニットを常法によりゲルから溶出し、以下に
示す方法によりそれぞれのN末端アミノ酸配列とアミノ
酸組成を決定した。
【0040】得られた各々の標品100μgをプロテイ
ンシーケンサー(島津製作所製 PSQ−1)でN末端
アミノ酸配列分析を行ったところ、分子量約72000
のサブユニットはN末端がブロックされているために配
列決定ができなかった。また分子量約34000のサブ
ユニットは、N末端よりCys−Glu−Leu−As
p−Val−Leu−Asp−Pro−Lys−と決定
された。なおここでCysはL−システイン、Gluは
L−グルタミン酸、LeuはL−ロイシン、AspはL
−アスパラギン酸、ValはL−バリン、ProはL−
プロリン、LysはL−リジンを示している。
【0041】また各々の標品10μgを6N塩酸、11
0℃の条件で24時間加水分解し、アミノ酸分析計(日
立製作所製 L−8500型)を用いアミノ酸分析を行
ったところ、下記の表1に示されるような組成であるこ
とが分かった。
【0042】
【表1】
【0043】実施例3(末端オキシダーゼ遺伝子の一部
クローニング) 微生物および高等生物のチトクロームcオキシダーゼに
見出されているアミノ酸の保存配列をもとに図1に示す
2種類のプライマー(プライマー1およびプライマー
2)をDNAシンセサイザー(アブライドバイオシステ
ムズ社製 DNAシンセサイザー391型)で合成し
た。
【0044】作製したプライマー(各約1μg)を用
い、テンプレートDNAとして常法により調製したAc
etobacter aceti No.1023(F
ERMBP−2287)の全DNAを約10ng使用
し、全容量100μlとし、Taq ポリメラーゼを使
い常法に従い、94℃で1.5分間、続いて37℃で2
分間、さらに74℃で2分間処理を1サイクルとするポ
リメラーゼチエインリアクションを25サイクル繰り返
し、オキシダーゼ遺伝子の増幅をおこなった。
【0045】反応液の一部をアガロースゲル電気泳動に
供し、約0.5kbのDNA断片が増幅されていること
を確認した。この増幅されたDNAをpUC9のSam
Iサイトへ常法に従いクローン化した。
【0046】クローン化した約0.5kbDNA断片の
塩基配列をM13を用いたダイデオキシ法(Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,第74巻、第5
463−5467頁、1977年)に従い決定したとこ
ろ配列表の配列番号1に示すような塩基配列であった。
この配列からコードされるアミノ酸配列を他のバクテリ
ア由来のチトクロームcオキシダーゼのものと比較した
ところ、50−60%の相同性を示し、増幅されたDN
Aが末端オキシダーゼの一部をコードすることを確認し
た。
【0047】実施例4(オキシダーゼ遺伝子全長のクロ
ーニング) 次に、前記で得られた約0.5kbの遺伝子断片をプロ
ーブとして全長のクローニングを行った。まずAcet
obacter aceti No.1023のコスミ
ドバンクを、Fukayaらの方法(J.Bacter
iol.,第172巻、第2096−2104頁、19
90年)に従って大腸菌(E.coliHB101)を
宿主として作製した。
【0048】次にベーリンガー マンハイム社製Gen
ius Nonradioactive DNA La
beling and Detection Kitを
用いて標識化した前記の約0.5kbの断片をプローブ
として用い、コスミドバンクを構成する各クローンのプ
ラスミドDNAを常法により調製し、得られたDNAを
PstIで切断したものをターゲットDNAとしてサザ
ンハイブリダイゼーション法を行い、コスミドバンクよ
りポジティブクローン1株(保有するコスミドDNAを
pMCOX8と命名)を得た。
【0049】このpMCOX8は、ベクター以外に約3
0kbの遺伝子断片を有していた。次に約30kbの遺
伝子断片をKpnIで切断し、サザンハイブリダイゼー
ション法により、約0.5kb断片とハイブリダイズし
た約4.3kbの断片をpUC18のKpnIサイトに
クローニングした。
【0050】この断片の制限酵素地図は常法により図2
のように決定された。
【0051】約4.3kbのKpnI断片の塩基配列を
ダイデオキシ法(Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,第74巻、第5463−5467頁、19
77年)により決定した。
【0052】決定された塩基配列をもとにコードするタ
ンパク質のアミノ酸配列を決定したところ、分子量約7
2000と分子量34000のサブユニットに対応する
と考えられるオープンリーディングフレーム(ORF)
が存在しており、しかも分子量約21000のサブユニ
ットに対応すると推定されるオープンリーディリングフ
レームも存在していた。
【0053】また分子量約13000のサブユニットに
対応すると推定されるオープンリーディリングフレーム
も見いだされたが、そのC末端をコードする遺伝子の一
部が欠失していると推定された。そこで、分子量約13
000のサブユニットのC末端部分を完全に保有する遺
伝子断片を以下の方法でクローニングした。
【0054】上記の約4.3kbのKpnI断片中の分
子量約13000のサブユニットをコードする遺伝子を
含む約0.7kbのEcoRI−KpnI断片(図2参
照)をプローブとして、前記と同様な方法でコスミドバ
ンクよりプローブとハイブリダイズするプラスミドを単
離した。単離したプラスミドの挿入断片からサザンハイ
ブリダイゼーションでプローブと特異的にハイブリダイ
ズした約5kbのClaI断片をpUC18のAccI
サイトに常法によりクローニングした。
【0055】約5kbのClaI断片の制限酵素地図は
図3のようであり、図2に示す約4.3kbのKpnI
断片と約1.2kbの共通領域を有していた。約5kb
のClaI断片の塩基配列のダイデオキシ法(Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,第74巻、
第5463−5467頁、1977年)により決定した
ところ、分子量約13000のサブユニットのC末端部
分を完全にコードしていた。
【0056】前記の約4.3kbKpnI断片をKpn
Iサイトに保有するpUC18(組換えプラスミド、p
UKOX1と命名)および約5kbのClaI断片をA
ccIサイトに保有するpUC18(組換えプラスミ
ド、pUCOX2と命名)は、E.coli HB10
1に形質転換され、前者は、エシェリヒア・コリ OX
−1、Escherichia coli OX−1菌
株名で微工研にFERMBP−3851として寄託さ
れ、後者は、エシェリヒア・コリ OX−2、Esch
erichia coli OX−2菌株名で微工研に
FERM BP−3852として寄託されている。
【0057】約4.3kbのKpnI断片および約5k
bのClaI断片の塩基配列をもとに配列表の配列番号
2に示したように塩基配列が決定された。この配列番号
2で示した遺伝子が末端オキシダーゼをコードしている
ことは、コードする蛋白と精製した酵素標品の(1)ア
ミノ酸配列(2)アミノ酸組成(3)分子量が一致する
こと、(4)他の微生物起源のオキシダーゼとの相同性
があること、から明白である。
【0058】以下に具体的に述べる。
【0059】(1)アミノ酸配列:配列番号2の遺伝子
の塩基280番目から306番目がコードするアミノ酸
配列は、Cys−Glu−Leu−Asp−Val−L
eu−Asp−Pro−Lys−となるが、これはサブ
ユニットII(分子量約34000のサブユニット)の精
製標品を用いたN末端アミノ酸配列決定結果と完全に一
致する。
【0060】(2)アミノ酸組成:配列番号2の遺伝子
の塩基280番目から1131番目のコードする蛋白
(ORF I)および1140番目から3131番目の
コードする蛋白(ORF II)のアミノ酸組成は、それ
ぞれ下記の表2になるが、表1の分析結果と比較する
と、ORF Iは、サブユニットII(分子量約3400
0のサブユニット)と、ORF IIは、サブユニットI
(分子量約72000のサブユニット)とよく一致す
る。
【0061】
【表2】
【0062】(3)分子量:配列番号2の遺伝子の塩基
280番目から1131番目(ORF I)、1140
番目から3131番目(ORF II)、3136番目か
ら3738番目(ORF III)、3741番目から4
067番目(ORF IV)のコードする蛋白の分子量
は、ORF I、75100;ORF II、3490
0;ORF III、22700;ORF IV、1230
0であり、精製酵素を構成する4つのサブユニットの分
子量とほぼ一致する。
【0063】(4)他の微生物起源のオキシダーゼとの
相同性:ORF I、II、III、IVは、それぞれ精製酵
素のサブユニットII、I、III(分子量約21000の
サブユニット)、IV(分子量約13000のサブユニッ
ト)に対応するが、これらのサブユニットをコードする
遺伝子は、本発明の末端オキシダーゼと機能的のみなら
ず蛋白的にも類似の同じグラム陰性の大腸菌のユビキノ
ールオキシダーゼ遺伝子(J.Biol.Chem.,
第265巻、第11185頁、1990年)と同様にク
ラスターを形成しており、しかも各サブユニットをコー
ドする遺伝子の配列順序が同一である。
【0064】また、塩基配列から決定されたサブユニッ
トII、I、III、IVのアミノ酸配列は、大腸菌のユビキ
ノールオキシダーゼ遺伝子のcyoA、cyoB、cy
oC、cyoDのアミノ酸配列とそれぞれ51%、65
%、56%、50%のホモロジーを有していた。
【0065】本発明に係るオキシダーゼ複合体遺伝子の
塩基配列、アミノ酸配列は、配列表に示したとおりであ
る。
【0066】すなわち、オキシダーゼ遺伝子全長のクロ
ーニング用のプローブとして用いるための遺伝子断片で
あって、ポリメラーゼチェインリアクション法(PCR
法)で増幅した約0.5kbの遺伝子断片の塩基配列、
及び、該塩基配列から決定されたアミノ酸配列を、下記
の表3から表5で示される配列表の配列番号1に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】オキシダーゼ複合体の全構造遺伝子を含む
遺伝子の塩基配列、及び、該塩基配列から決定されたア
ミノ酸配列を、下記の表6から表16で示される配列表
の配列番号2に示す。
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
【表12】
【0078】
【表13】
【0079】
【表14】
【0080】
【表15】
【0081】
【表16】
【0082】オキシダーゼ複合体の分子量約34000
のサブユニットの構造遺伝子の塩基配列、及び、該塩基
配列から決定されたアミノ酸配列を、下記の表17から
表20で示される配列表の配列番号3に示す。
【0083】
【表17】
【0084】
【表18】
【0085】
【表19】
【0086】
【表20】
【0087】オキシダーゼ複合体の分子量約72000
のサブユニットの構造遺伝子の塩基配列、及び、該塩基
配列から決定されたアミノ酸配列を、下記の表21から
表27で示される配列表の配列番号4に示す。
【0088】
【表21】
【0089】
【表22】
【0090】
【表23】
【0091】
【表24】
【0092】
【表25】
【0093】
【表26】
【0094】
【表27】
【0095】オキシダーゼ複合体の分子量約21000
のサブユニットの構造遺伝子の塩基配列、及び、塩基配
列から決定されたアミノ酸配列を、下記の表28から表
30で示される配列表の配列番号5に示す。
【0096】
【表28】
【0097】
【表29】
【0098】
【表30】
【0099】オキシダーゼ複合体の分子量約13000
のサブユニットの構造遺伝子の塩基配列、及び、該塩基
配列から決定されたアミノ酸配列を、下記の表31から
表32で示される配列表の配列番号6に示す。
【0100】
【表31】
【0101】
【表32】
【0102】
【発明の効果】本発明を用いることにより、該微生物の
オキシダーゼ含量を高めたり、電子伝達鎖の流れを改変
することが可能になり、該遺伝子を該微生物や類縁のグ
ルコノバクター属の微生物に導入することにより、たと
えば酸化反応で生成する電子の流れがより円滑になり、
エタノール酸化能やアルデヒド酸化能が向上し、最終的
には酢酸発酵能を向上させることができる。
【0103】また、オキシダーゼ複合体を構成する各サ
ブユニットタンパク質の機能を明確化できるだけでな
く、オキシダーゼ複合体の各サブユニットの構成単位を
制御したり、各サブユニットごとに改変することが可能
になり、オキシダーゼ反応と共役するエネルギー生成反
応の効率を高めるように該遺伝子を改変し該微生物に導
入し発現させることにより、たとえば該微生物の生育を
高めたり、生合成に多量のエネルギーを必要とする微生
物セルロースの生産性を向上させることができる。
【0104】さらに、該微生物以外の微生物に導入し、
発現させることにより、導入微生物の電子伝達鎖の流れ
を改変することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オキシダーゼ遺伝子の一部のクローニングに用
いるプライマー1及びプライマー2を示す。
【図2】オキシダーゼ複合体の構造遺伝子を含むKpn
I断片の制限酵素地図を示す。
【図3】オキシダーゼ複合体の分子量約13000のサ
ブユニットのC末端領域をコードする遺伝子を含むCl
aI断片の制限酵素地図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 村 吉 也 愛知県江南市古知野町古渡132

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号3の塩基配列で示されるオキシダーゼ複
    合体を構成する分子量約34000のタンパク質の構造
    遺伝子。
  2. 【請求項2】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号4の塩基配列で示されるオキシダーゼ複
    合体を構成する分子量約72000のタンパク質の構造
    遺伝子。
  3. 【請求項3】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号5の塩基配列で示されるオキシダーゼ複
    合体を構成する分子量約21000のタンパク質の構造
    遺伝子。
  4. 【請求項4】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号6の塩基配列で示されるオキシダーゼ複
    合体を構成する分子量約13000のタンパク質の構造
    遺伝子。
  5. 【請求項5】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号2の塩基配列で示されるオキシダーゼ複
    合体を構成する分子量約34000、約72000、約
    21000、約13000のタンパク質の構造遺伝子を
    含む遺伝子。
  6. 【請求項6】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号3のアミノ酸配列で示されるオキシダー
    ゼ複合体を構成する分子量約34000のタンパク質の
    構造遺伝子。
  7. 【請求項7】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号4のアミノ酸配列で示されるオキシダー
    ゼ複合体を構成する分子量約72000のタンパク質の
    構造遺伝子。
  8. 【請求項8】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号5のアミノ酸配列で示されるオキシダー
    ゼ複合体を構成する分子量約21000のタンパク質の
    構造遺伝子。
  9. 【請求項9】 アセトバクター属の微生物に由来し、配
    列表の配列番号6のアミノ酸配列で示されるオキシダー
    ゼ複合体を構成する分子量約13000のタンパク質の
    構造遺伝子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007000184A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Yoshimi Shinohara 脱臭剤及び臭気を発生しない堆肥化法

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