JPH09505989A - 菌類からのα‐1,4‐グルカンリアーゼ、その精製、遺伝子クローニングおよび微生物での発現 - Google Patents

菌類からのα‐1,4‐グルカンリアーゼ、その精製、遺伝子クローニングおよび微生物での発現

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Abstract

(57)【要約】 酵素α-1,4-グルカンリアーゼの調製方法が記載される。この方法は、実質的に他のいかなる生物も存在しない菌類培養物から、酵素を単離する工程を包含する。この酵素のアミノ酸配列およびこれらのコード配列も記載される。

Description

【発明の詳細な説明】 菌類からのα-1,4-グルカンリアーゼ、その精製、遺伝子クローニングおよび微 生物での発現 本発明は酵素、特にα-1,4-グルカンリアーゼ(「GL」)酵素に関する。 本発明はまた同酵素を抽出する方法に関する。 FR-A-2617502およびBauteら、(Phytochemistry[1988]vol.27 No.11 pp3401 -3403)はMorchella vulgarisにおける1,5-D-アンヒドロフルクトース(「AF」)の 見かけの酵素反応による産生について報告している。このAFの生産量は非常に少 ない。可能な酵素反応に言及しているのにもかかわらず、これらの2つの文献は 、ヌクレオチド配列の情報はもちろんのこと、いかなる酵素についてのアミノ酸 配列も示していない。これらの文献は、AFが抗生物質ピロンミクロテシン(pyron e microthecin)の調製のための前駆体になり得ることを報告する。 Yuら、(Biochimica et Biophysica Acta[1993]vol 1156 pp313-320)は紅海 藻からのGLの調製およびAFを生産するためにα-1,4-グルカンを分解するGLの使 用について報告している。このAFの生産量は非常に少ない。GL酵素に言及するの にも関わらず、この文献は同酵素をコードする塩基配列の情報はもちろんのこと その酵素についてのいかなるアミノ酸配列データも示していない。この文献はGL の供給源は藻類であることも示唆している。 本発明では、菌類の培養物から酵素を単離することを含有する、酵素α-1,4 グルカンリアーゼの調製方法を提供する。ここでの培養物は他の生物が実質上存 在しない。 好ましくは、この酵素は単離され、および/またはその酵素によって分解しな いゲルを用いてさらに精製される。 好ましくはそのゲルはデキストリンまたはその誘導体、好ましくは、シクロデ キストリン、さらに好ましくは、β-シクロデキストリンに基づく。 本発明では、本発明の方法により調製されたGL酵素も提供する。 好ましくは菌類はMorchella costataまたはMorchella vulgarisである。 好ましくは酵素はアミノ酸配列、配列番号1、または配列番号2、またはその 任意の変異体を含有する。 用語「その任意の変異体」は、生じる酵素がリアーゼ活性を有するという条件 で、配列からの、または配列へのアミノ酸の置換(substitution)、多様性、修飾 、置き換え(replacement)、欠失、付加を意味する。 本発明では、酵素α-1,4-グルカンリアーゼをコードするヌクレオチドを提供 する。好ましくはここで配列はその天然環境にはない(すなわち、酵素を発現す る細胞生物の天然のゲノムの一部を形成しない)。 好ましくはヌクレオチド配列はDNA配列である。 好ましくはDNA配列は、配列番号3または配列番号4の任意のDNA配列に同一、 または相補的、または実質的な相同性を有する、または任意の適切なコドン置換 を含む配列を包含する。 表現「実質的な相同性」は、構造および/またはヌクレオチド成分および/ま たは生物学的活性に関しての相同性を含有する。 表現「任意の適正なコドン置換を含む」は、生じる酵素がリアーゼ活性を有す るという条件で、同じアミノ酸をコードする他のコドンとの任意のコドンの置き 換えまたは置換、あるいはコドンの任意の付加または削除を包含する。 他の言葉で言えば、本発明はまた、その中で少なくとも1ヌクレオチドが欠失 、置換または修飾される、あるいはその中で付加的な少なくとも1ヌクレオチド が挿入され、グルカンリアーゼ活性を有するポリペプチドをコードする、修飾さ れたDNA配列を含有する。好ましくは酵素は、増加したリアーゼ活性を有する。 本発明では、本発明のヌクレオチド配列を発現することを含む酵素α-1,4-グ ルカンリアーゼの調整方法も提供する。 本発明では酵素、好ましくはGLを精製するためのβ-シクロデキストリンの使 用を提供する。 本発明では、少なくともDNA配列が、配列番号3または配列番号4の任意のDNA 配列に同一、または相補的、または実質的相同性を有する、または適切なコドン 置換を含む配列からなる、ヌクレオチド配列を提供する。好ましくは配列は単離 された形態である。 したがって本研究は、菌類からの酵素α-1,4-グルカンリアーゼの単離に関す る。例えば、菌類は以下の任意のものであり得る。 好ましくは、菌類はMorchella costataまたはMorchella vulgarisである。 初めの酵素精製はYuら(前出)に記載の方法により行い得る。 しかし、好ましくは、初めの酵素精製は、精製工程で変質しない固体の支持体 を用いる至適化した手順を含む。このゲル支持体はさらに、標準的な研究室のタ ンパク質精製設備に適合するという利点を有する。 この至適化した精製ストラテジーの詳細は後述する。精製は、タンパク質精製 のための公知の標準的な技術によって終了する。 酵素の純度は補足的な電気泳動技術を用いて容易に確認され得る。 精製されたリアーゼGLはpI、至適温度、至適pHによって特性づけられている。 この点では、菌類のリアーゼは3〜9のpH勾配のゲルでの等電点電気泳動で測 定すると5.4付近のpIを示す。8〜25%の勾配ゲルでのSDS-PAGEにより測定した分 子量は110kDaであった。この酵素は至適pHを5〜7の範囲で示す。至適温度は30 〜45℃の間にあることが見出された。 好ましい実施態様では、α-1,4-グルカンリアーゼ酵素は菌類Morchella costa taからβ-シクロデキストリンsepharoseのアフィニティークロマトグラフィーお よびMono Q HR5/5のイオン交換クロマトグラフィー、およびSuperose 12 カラム のゲル濾過によって精製した。 PAS染色によって菌類リアーゼはグリコシル化されていないことが示された。 菌類の無細胞抽出物中には、電気泳動ゲル上の活性ゲル染色によって、1つの形 態のα-1,4-グルカンリアーゼのみが検出された。 この酵素は、好ましくは精製を容易にするように分泌されるべきである。その ために成熟酵素をコードするDNAを、選択した宿主由来のシグナル配列、プロモ ーターおよびターミネーターに融合させる。 Aspergillus nigerにおける発現のため、gpdA(Aspergillus nidulansのグリセ ルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子由来)プロモーターおよび シグナル配列を成熟リアーゼをコードするDNA(例えば配列番号3または配列番号 4)の5'末端に融合する。A.nigerのtrpC遺伝子のターミネーター配列をその遺 伝子の3'末端におく(Punt,P.J.ら、(1991):J.Biotech.17,19-34)。この構築物 をE.coliのための複製オリジンおよび選択オリジンならびにA.nigerのための選 択マーカーを含むベクターに挿入する。A.nigerのための選択マーカーの例とし ては、amdS遺伝子、argB遺伝子、pyrG遺伝子、hygB遺伝子、BmlR遺伝子などがあ り、すべて形質転換体の選択に用いられてきた。このプラスミドをA.nigerに形 質転換し得、そして成熟リアーゼを形質転換体の培養液中から回収し得る。 この構築物を培養液中でのリアーゼのタンパク質分解を減少するためにプロテ アーゼ欠損株に形質転換し得る(ArcherD.B.ら、(1992):Biotechnol.Lett.14,35 7-362)。 アミノ酸組成はBarholtおよびJensen(Anal Biochem(1989)vol 177 pp318-32 2)の方法によって確立し得る。精製したアミノ酸のアミノ酸分析のための試料は 69μg/mlのタンパク質を含み得る。 本発明に従うGL酵素のアミノ酸配列を配列番号1および配列番号2に示す。 以下の試料はブダペスト条約に従って承認された受託機関であるThe National Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited(NCIMB)23 St.Ma char Drive,Aberdeen,Scotland,United Kingdom,AB2 1RYへ1994年10月3日に 寄託した。 プラスミドpMC保有E.coli(NCIMB 40687) (参照 DH5α-pMC) プラスミドpMV1保有E.coli(NCIMB 40688) (参照 DH5α-pMV1)および、 プラスミドpMV2保有E.coli(NCIMB 40689) (参照 DH5α-pMV2) プラスミドpMCは、Morchella costataより作製したゲノムライブラリーから単 離した4.1kbのフラグメントを含むpBluescript II KSである。このフラグメント はα-1,4-グルカンリアーゼをコードする遺伝子を含む。 プラスミドpMV1は、Morchella vulgarisより作製したゲノムライブラリーから 単離した2.45kbのフラグメントを含むpBluescript II KSである。このフラグメ ントはα-1,4-グルカンリアーゼをコードする遺伝子の5'末端を含む。 プラスミドpMV2は、Morchella vulgarisより作製したゲノムライブラリーから 単離した3.1kbのフラグメントを含むpPUC19である。このフラグメントはα-1,4- グルカンリアーゼをコードする遺伝子の3'末端を含む。 以下の考察において、MCはMorchella costataを示し、MVはMorchella vulgari sを示す。 記載したとおり、Morchella vulgaris由来のGLをコードする配列は2つのプラ スミド中に含まれていた。図5を参考にすると(後に考察する)pMV1は454位から2 902位のヌクレオチドを含む;そしてpMV2は2897位から下流(および2897位を含む )ヌクレオチドを含む。図2および図3を参考にすると(後に考察する)、コード 配列をライゲーションするためにpMV2を制限酵素EcoRIおよびBamHIで消化し、目 的のフラグメントを制限酵素EcoRIおよびBamHIで消化したpMV1に挿入し得る。 このように本発明の高度に好ましい実施態様は、寄託物NCIMB 40687、あるい は寄託物NCIMB 40688および寄託物NCIMB 40689のいずれかの対象であるプラスミ ド中に存在するGLコード配列の発現から取得可能なGL酵素を含む。 本発明はここで実施例によってのみ記載される。 以下の実施例において、添付する以下の図に言及する: 図1はpMCのプラスミド地図を示す; 図2はpMV1のプラスミド地図を示す; 図3はpMV2のプラスミド地図を示す; 図4はMorchella costataより得られたゲノムDNAのGLコード配列ならびに5'お よび3'非翻訳領域の一部を示す; 図5はMorchella vulgarisより得られたゲノムDNAのGLコード配列ならびに5' および3'非翻訳領域の一部を示す; 図6はMorchella costataおよびMorchella vulgaris由来の、GLコード配列お よび非翻訳領域の比較を示す; 図7は配列番号1として表されるアミノ酸配列を示し、配列決定されたペプチ ドフラグメントの位置を示す; 図8は配列番号2として表されるアミノ酸配列を示し、配列決定されたペプチ ドフラグメントの位置を示す; より詳細には、図4において、全塩基数は4726であり、DNA配列組成は:1336A; 1070C;1051G;1269Tである。ATG開始コドンを太字で示す。イントロンには下線 を付す。終止コドンを斜体で示す。 図5において、全塩基数は4670であり、DNA配列組成は:1253 A;1072 C;108 0 G;1265 Tである。ATG開始コドンを太字で示す。イントロンには下線を付す。 終止コドンを斜体で示す。 図6において、2つの並べられた(aligned)配列はMC(全残基数:1066)およびM V(全残基数1070)から得た配列である。使用した比較マトリックスは構造-遺伝子 的マトリックス(structure-genetic matrix)(Open gap cost:10;Unit gap cost :2)である。この図の中で、二つの並べられた残基が同一であるという記号は「 :」である。二つの並べられた残基が類似であることを示す記号は「.」である 。類似であるといわれるアミノ酸はA,S,T;D,E; N,Q;R,K;I,L,M,; F,Y,W で ある。全体で:同一:920(86.30%); 類似:51(4.78%)である。MC内に挿入される ギャップ数は1であり、MVに挿入されるギャップ数は1である。 付属の配列リストの中で:配列番号1はMorchella costataから得たGLのアミ ノ酸配列である;配列番号2はMorchella vulgarisから得たGLのアミノ酸配列で ある;配列番号3はMorchella costataから得たGLのヌクレオチドコード配列で ある;そして配列番号4はMorchella vulgarisから得たGLのヌクレオチドコード 配列である。 配列番号1において全残基数は1066である。GL酵素は以下のアミノ酸組成を有 する: 配列番号2において全残基数は1070である。GL酵素は以下のアミノ酸組成を有 する: 1.菌類Morechella costata由来のα-1,4-グルカンリアーゼの酵素精製および 特徴付け 1.1 材料と方法 菌類Morchella costataはAmerican Type Culture Collection(ATCC)より得た 。ATCCが推奨する培地を用いて25℃で振とう機で増殖させた。菌糸を濾過により 回収し0.9% NaClで洗浄した。 菌類細胞をホモジナイゼーションによって破壊し、次いで氷上で6×3分間、50 mMクエン酸-NaOH pH6.2(緩衝液A)中で超音波破砕した。細胞破片(debris)は25,0 00×g、40分間遠心して取り除いた。この手順で得られた上清を無細胞抽出物と みなし、8〜25%の勾配ゲルで分離した後、活性染色およびウエスタンブロッテ ィングに用いた。 1.2 β-シクロデキストリンSepharoseゲルによる分離 無細胞抽出物をあらかじめ緩衝液Aで平衡化したβ-シクロデキストリンSephar oseゲル4Bカラム(2.6×18cm)に直接かけた。このカラムを3倍量の緩衝液Aお よび1M NaClを含む2倍量の緩衝液Aで洗浄した。α-1,4-グルカンリアーゼを緩 衝液A中の2% デキストリンを用いて溶出した。活性のある画分をプールし、緩衝 液を20mM ビス-トリスプロパン-HCl(pH 7.0,緩衝液B)に変えた。 活性のある画分をあらかじめ緩衝液Bで平衡化したMono Q HR 5/5カラムにかけ た。菌類のリアーゼを0.3M NaClの直線勾配で緩衝液Bを用いて溶出した。 β-シクロデキストリンSepharoseクロマトグラフィーの後に得られたリアーゼ 調製物は、あるいは150μlに濃縮し、FPLC条件下で操作されたSuperose12カラム にかけた。 1.3 α-1,4-グルカンリアーゼ活性のアッセイならびに基質特異性、至適pH、 および至適温度決定のための条件 α-1,4-グルカンリアーゼ活性のアッセイのための反応混合液は10mg/mlアミロ ペクチンおよび25mM Mes-NaOH(pH 6.0)を含んだ。 反応は30℃で30分間行い、3,5-ジニトロサリチル酸試薬を加えて停止した。光 学密度は、室温で10分間おいた後に550nmで測定した。無細胞抽出物を用いる場 合は10mM EDTAをアッセイ混合液に添加した。 アッセイ混液内の基質アミロペクチンは、他の基質に置き換え得る。そして反 応温度は本文に記載したとおり変化し得る。 至適pHの研究において、反応混液は40mMの緩衝液中に10mg/mlのアミロペクチ ンまたはマルトテトラオースを含んだ。用いた緩衝液はグリシン-NaOH(pH 2.0〜 3.5)、HoAc-NaoAc(pH 3.5〜5.5)、Mes-NaOH(pH 5.5〜6.7)、Mops-NaOH(6.0〜8.0 )およびbicine-NaOH(7.6〜9.0)であった。反応は30℃で30分間行った。至適温度 の研究における反応条件は、全ての実験でMops-NaOH(pH6.0)を用いた以外は上記 と同じである。反応温度は本文に記載したとおり変化し得る。 SDS-PAGE、ネイティブ-PAGEおよび等電点電気泳動は、8〜25%勾配ゲルおよび 3〜9のpH勾配ゲルそれぞれを用いて、PhastSystem(Pharmacia Sweden)で行っ た。電気泳動の後、ゲルを製造業者(Pharmacia)が推奨する手順に従って銀染色 により染色した。糖タンパク質は、PhastSystemに適応してPASによって染色した 。活性染色のために、電気泳動はネイティブな条件下、6℃で行った。 電気泳動の後、ゲルを1%の可溶性デンプン存在下、30℃1晩インキュベート した。菌類リアーゼの活性バンドはI2/KI溶液で染色することによって明らかに した。 1.4 結果 1.4.1 α-1,4-グルカンリアーゼの精製、分子量および等電点 菌類リアーゼが、β-シクロデキストリンSepharose、デンプンおよびRed Seph aroseで充填したカラムに吸着することが見出された。β-シクロデキストリンSe pharose 4Bゲルおよびデンプンで充填したカラムを精製の目的のために用いた。 この工程で得られたリアーゼ調製物は菌類リアーゼよりも高い分子量を有する ごく少量の混入タンパクを含んでいた。この不純物は、Mono Q HR 5/5でのイオ ン交換クロマトグラフィーまたは、より効果的にはSuperose 12でのゲル濾過の いずれによっても取り除かれた。 精製された酵素は無色に見え、可視光領域では吸光度を示さなかった。分子量 はSDS-PAGEによって見積もり、110kDaと測定された。 精製された菌類リアーゼはpH勾配3〜9のゲル上での等電点電気泳動によって 測定したところ、pI 5.4の等電点を示した。ネイティブ電気泳動ゲル中で、酵素 は1本のシングルバンドに見えた。活性染色によって検出されたようにこのバン ドはデンプン分解活性を示した。酵素を抽出した培養物の新旧によって、ネイテ ィブおよび等電点電気泳動上の酵素は、同じ移動度とpIを有してシャープなバン ドとして、または拡散したバンドとして検出された。 1.4.2 菌類リアーゼ触媒反応の至適pHおよび至適温度 菌類リアーゼ触媒反応の至適pH範囲はpH5とpH7の間であることが見出された。 1.4.3 基質特異性 精製された菌類リアーゼはマルトースからマルトヘプタオースへとマルトサッ カリドを分解した。しかしながらその分解度は様々であった。マルトテトラオー スで最も高い活性が達成され(活性100%とする)、次いでマルトヘキサオース(97% )、マルトヘプタオース(76%)、マルトトリオース(56%)、そして最も低い活性は マルトース(2%)で観察された。 アミロペクチン、アミロースおよびグリコーゲンは菌類リアーゼによって分解 された(%は今後決定する)。菌類リアーゼは、p-ニトロフェニルα-D-マルトヘプ タオースは分解するが還元末端をブロックしたp-ニトロフェニルα-D-マルトヘ プタオースを分解しないので、エキソリアーゼでありエンドリアーゼではなかっ た。 1.5 Morchella Vu1garis Morchella Vu1garisから得られたα-1,4-グルカンリアーゼの酵素精製および特 徴付けのプロトコルは上で述べたMorchella Costataと同様である(結果も同様で あった。上記の結果を参照のこと)。2. 菌類由来のα-1,4-グルカンリアーゼのアミノ酸配列決定 2.1 リアーゼのアミノ酸配列決定 リアーゼをClostridium histolyticum由来のエンドプロティナーゼArg-Cまた はLysobacter enzymogenes由来のエンドプロティナーゼLys-Cのいずれかでで消 化した。いずれも配列決定用グレードであり、Boehringer Mannheim,Germanyか ら購入した。エンドプロティナーゼArg-Cでの消化のために、凍結乾燥したリア ーゼ(0.1mg)を50μlの10M尿素、50mM メチルアミン、0.1M Tris-HCl、pH7.6に溶 解した。N2で覆い、10μlの50mM DTTおよび5mM EDTAを添加し、N2下50℃で10分 間、タンパク質を変性および還元させた。続いて、10μlの50mM Tris-HCl、pH 8 .0中の1μgのエンドプロティナーゼArg-Cを添加し、N2で覆い、消化を37℃で6時 間行った。 次のシステインの誘導体化のために、12.5μlの100mMヨードアセトアミドを添 加し、N2下、暗所で室温、15分間インキュベートした。 エンドプロティナーゼLys-Cでの消化のために、凍結乾燥したリアーゼ(0.1mg) を50μlの8M尿素、0.4M NH4HCO3、pH8.4に溶解した。N2で覆い、5μlの45mM DTT を添加した後、N2下50℃で15分間、タンパク質を変性および還元させた。室温ま で冷却した後、5μlの100mM ヨードアセトアミドを添加して、N2下、暗所で室温 、15分間システインを誘導体化した。次いで、90μlの水および50μlの50mM tri cineおよび10mM EDTA、pH 8.0中の5μgのエンドプロティナーゼLys-Cを添加し、 消化をN2下37℃24時間行った。 この結果生じたペプチドを溶媒A(水中の0.1% TFA)および溶媒B(アセトニトリ ル中の0.1% TFA)を用いて、VYDAC C18カラム(0.46×15cm; 10μm; The Separati ons Group;California)上の逆相HPLCに分離した。選択したペプチドをパルス化 高速液体サイクル(pulsed-liquid fast cycles)を用いてApplied Biosystems 47 6A シーケンサーによって配列決定する前に、Develosil C18 カラム(0.46×10cm ; 3μm; Dr.Ole Schou,Novo Nordisk,Denmark)で再クロマトグラフした。 菌類Morchella costata由来の酵素のアミノ酸配列情報を図7に示す。 菌類Morchella vulgaris由来の酵素のアミノ酸配列情報を図8に示す。3. 菌類由来のα-1,4-グルカンリアーゼをコードする遺伝子のDNA基配列決定 3.1 分子生物学のための方法 DNAをDellaporteらに記載のとおり(1983-Plant Mol Biol Rep voll pp19-21) 単離した。 3.2 PCR 目的のDNAの調製は、Gene Amp DNA Amplification Kit(Perkin Elmer Cetus, USA)を使用し、Taq ポリメラーゼを後に加え(PCRサイクルを参照のこと)、温度 サイクルを以下のように変更した以外は製造業者の使用説明書に従い行った: PCR サイクル: 3.3 PCRフラグメントのクローニング PCRフラグメントは製造業者の使用説明書に従いpT7Blue(Novagen)にクローニ ングした。 3.4 DNA配列決定 二本鎖DNAはSangerら(1979)のジデオキシ法に本質的に従い、Auto Read Seque ncing Kit(Pharmacia)およびPharmacia LKB A.L.F.DNA シーケンサー(参考:San ger,F.,Nicklen,S.およびCoulson,A.R.(1979).鎖終結インヒビターを用いたD NA配列の決定 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74:5463-5467.)を用いて配列決定を行っ た。 3.5 ライブラリーのスクリーニング Stratageneより得た、λZapライブラリーのスクリーニングを、プレハイブリ ダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを2×SSC、0.1% SDS、10×Denhar dt'sおよび100μg/ml変性サケ精子DNA中で行った以外は製造者の使用説明に従っ て行った。 ハイブリダイゼーション溶液に32Pで標識した変性プローブを添加した。ハイ ブリダイゼーションは55℃で1晩行った。フィルターを2×SSC、0.1% SDS中で 2回、および1×SSC、0.1% SDS中で2回洗浄した。 3.6 プローブ クローン化したPCRフラグメントを、適切な制限酵素を用いた消化により、pT7 blueベクターから単離した。フラグメントをアガロースゲル電気泳動によってベ クターから分離し、フラグメントをAgarase(Boehringer Mannheim)によってアガ ロースから精製した。フラグメントはわずか90〜240 bpの長さであったので単離 したフラグメントをPrime-It random primer Kit(Stratagene)またはReady to G o DNA labelling kit(Pharmacia)を用いて32P-dCTPで標識する前にライゲーショ ン反応に曝した。 3.7 結果 3.7.1 α-1,4-グルカンリアーゼをコードするPCR DNAフラグメントの生成 α-1,4-グルカンリアーゼ由来の、3つの重複するトリプシンペプチドのアミ ノ酸配列(下に示す)を、混合オリゴヌクレオチドを生成するために用いた。こ のオリゴヌクレオチドはMCおよびMVの両方から単離したDNAを増幅するためのPCR プライマーとして用いられ得た。 第1のPCR増幅においてプライマーA1/A2(下記参照)を上流側のプライマーとし て用い、プライマーB1/B2(下記参照)を下流側のプライマーとして用いた。 PCR産物を2%LMTアガロースで分析し、予想されたサイズのフラグメントはゲル から切り取り、そしてAgarase(Boehringer Manheim)で処理してpT7blueベクター (Novagen)にクローン化して配列決定した。 PCR増幅からクローン化されたフラグメントは配列決定されたペプチド(前記参 照)に相当するアミノ酸をコードしており、いずれの場合も2つのイントロンが 付加されていた。MCについては、PCRで増幅されたDNA配列は、図4を参考にする と、1202位から1522位に示される配列に相当する。MVについては、PCRで増幅さ れたDNA配列は、図5を参考にすると、1218位から1535位に示される配列に相当 する。 3.7.2 クローン化されたPCRフラグメントを用いたゲノムライブラリーのスクリ ーニング 上記したクローンを用いたライブラリーのスクリーニングによりいずれの供給 源についても2クローンずつが得られた。MCについては2つのクローンを組み合 わせて、図4(下記参照)に示す配列を形成した。MVについては上記の方法で2つ のクローンを組み合わせて、図5に示す配列を形成した。 以下のオリゴヌクレオチドを上流側のプライマーとして使用し: 図4中のbp 1297〜1318の相補的配列を含むプライマーを下流のプライマーとし て使用して、MCクローンATG開始コドンの直前にPstI、PvuII、AscIおよびNcoI制 限酵素部位を付加するためにさらなるPCRを行った。 ゲノムクローンの1つ(第1のクローン)からのBgIII-EcoRIフラグメントとし て遺伝子の5'末端を、pBluescript II KS+ベクター(Stratagene)のBamHI-EcoRI 部位にクローニングすることによって完全なMCの配列を生成させた。次に、他の ゲノムクローン(第2クローン)のNspV(平滑末端化、Amersham InternationalのD NA blunting kit を使用)-EcoRIフラグメントを、修飾したpBluescript II KS+ ベクターをEcoRI-EcoRVで消化した後にライゲーションして、遺伝子の3'末端を 修飾したpBluescript II KS+ベクターにクローン化した。そして遺伝子の中間部 分は、EcoRIで消化したさらに修飾されたpBluescript II KS+ベクターに、第1 のクローンからのEcoRIフラグメントとして、そのフラグメントをライゲーショ ンすることによってさらに修飾されたpBluescript II KS+ベクターにクローン化 した。4. GL遺伝子の微生物での発現 GLをコードするDNA配列は、高い比活性で、大量に酵素を産生するために微生 物中に導入され得る。 これに関して、MC遺伝子(図4)をPichia pastorisで発現させるために(Invitr ogenにより供給されるPichia Expression Kit中に記載のプロトコールに従って) Pichia 発現ベクターpHIL-D2(AOXlプロモーターを含有する)をEcoRIで消化し平 滑末端化(Amersham InternationalのDNA blunting kitを使用)したものに、XbaI -XhoI平滑末端化(Amersham InternationalのDNA blunting kitを使用)フラグメ ントとしてクローン化した。 別の実施様態では、MC遺伝子1(前述したようにPCRにより修飾し制限酵素部位 を導入した以外は図4と同じ)は、Aspergillus nigerで発現させるために(Pall ら、(1993)Fungal Genet Newslett.vol 40 pages 59-62)、Aspergillus発現ベ クターpBARMTE1(Neuropera crassa由来のメチルトリプトファン耐性プロモータ ーを含有する)をSmaIで消化したものに、PvuII-XhoI平滑末端化フラグメント(Am ersham InternationalのDNA blunting kitを使用)としてクローン化した。プロ トプラストはDaboussiら(Curr Genet(1989)Vol 15 pp 453-456)に従って溶解(ly sing)酵素Sigma L-2773およびリティカーゼ(lyticase)Sigma L-8012を使用して 調製した。プロトプラストの形質転換はBuxtonら(Gene(1985)vol 37 pp 207-2 14)に記載のプロトコルに従ったが、形質転換したプロトプラストのプレーティ ングに関しては、0.6%の浸透圧安定化トップアガロースを使用した以外はPuntら (Methods in Enzymology(1992)vol 216 pp 447-457)により立案されたプロト コールに従った。 結果として、形質転換したPichia pastorisおよびAspergillus nigerにおいて リアーゼ活性が観察された。これらの実験を以下に記載する。 Pichiaリアーゼ形質転換体およびAspergillusリアーゼ形質転換体の分析 一般的方法 無細胞抽出物の調製。 細胞は9000rpm、5分間遠心することによって回収し、0.9%NaClで洗浄し、破砕 (breaking)緩衝液(1mM EDTA、および5% グリセロール含有50mM K-リン酸、pH7.5 )に再懸濁した。細胞はガラスビーズおよびボルテックス処理を用いて破砕した 。破砕緩衝液は1mMのPMSF(プロテアーゼインヒビター)を含有した。リアーゼ抽 出物(上清)を、9000rpmで5分間遠心し、次いで20,000×gで5分間遠心後得た。 アルカリ性3,5-ジニトロサリチル酸試薬(DNS)によるリアーゼ活性のアッセイ リアーゼ抽出物の1倍量を等量の4%アミロペクチン溶液と混合した。反応混合 液は制御された温度でインキュベートし、そして試料は特定の間隔で取り出しAF について分析した。 リアーゼ活性はまた、放射活性方法を使用して分析した。 反応混合液は、10μlの14C-デンプン溶液(1μCi; Sigma Chemicals Co.)およ び10μlのリアーゼ抽出物を含有した。反応混合液は25℃で1晩おき、その後通 常のTLC系で分析した。生成された放射活性AF産生量はInstant Imager(Pachard Instrument Co.,Inc.,Meriden,CT)を用いて検出した。 電気泳動およびウェスタンブロッティング SDS-PAGEは8〜25%勾配ゲルおよびPhastSystem(Pharmacia)を使用して行った。 ウェスタンブロッティングもPhastSystemのSemidry transfer unitで実施した。 Qingdao(China)で採取された紅海藻から精製されたリアーゼに対してもたらされ た1次抗体を1:100に希釈して使用した。アルカリホスファターゼ(Dako A/S,Gl ostrup,Denmark)に結合したブタ抗ウサギIgGを2次抗体として使用し、1:1000 に希釈して使用した。 パートI、前記構築物を含有するPichia形質転換体の分析 パートII、Aspergilus形質転換体 結果 I. リアーゼ活性は、5日間のインキュベーション(0.2% カゼイン酵素的加水分 解産物を含む最少培地)の後、アルカリ性3,5-ジニトロサリチル酸試薬による分 析で測定した。 結果はMC-リアーゼがA.nigerにおいて細胞内で発現したことを示す。 宿主としてAspergillus nigerの代わりに、良好な発現系として公知の他の工 業的に重要な微生物も使用され得る;それらの例としては以下が挙げられる: 本発明の他の好ましい実施態様は、以下のすべてを含む:本明細書に記載のDN A配列を導入した結果AF産生能力を有する形質転換された宿主生物;微生物であ るこのような形質転換された宿主生物-好ましくはここで宿主生物は細菌、糸状 菌、菌類および酵母からなる群から選択される;好ましくは宿主生物は以下の生 物からなる群から選択される: ;同上の配列をコードするヌクレオチド配列を含有する形質転換された宿主生物 によって発現される酵素α-1,4-グルカンリアーゼとα-1,4-グルカン(例えば デ ンプン)の接触工程を包含する糖1,5-D-アンヒドロフルクトースの調製方法、好 ましくは、ここでヌクレオチド配列はDNA配列であり、好ましくはここでDNA配列 は、本明細書中で先に記載の配列の1つである;本明細書が先に記載のヌクレオ チド配列を含有するベクター、好ましくは、ここでベクターは複製ベクターで ある、好ましくは、ここでベクターはプロモーター配列から下流にヌクレオチド 配列を含有する発現ベクターである、好ましくは、ベクターはマーカー(例えば 耐性マーカー)を含有する;このようなベクターで形質転換された細胞性生物、 または細胞系、;産物α-1,4-グルカンリアーゼを産生する方法あるいはα-1,4- グルカンリアーゼをコードする任意のヌクレオチド配列、またはその部分、これ は、このようなベクターで形質転換されたこのような生物(または細胞系由来の 細胞)の培養および産物の回収を包含する。 本発明の他の修飾は、本発明の範囲内からそれることなく当業者に明白である 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12R 1:84) (C12N 9/88 C12R 1:685) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT, LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK ,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 クラフ,カーステン マシアス デンマーク国 ヴィビー ジェイ ディー ケイ―8260,スタブトラプベ 139 エイ (72)発明者 クリステンセン, トーブ マーテル イ ーダ エルサ デンマーク国 アレロッド ディーケイ― 3450,ソエンゲン 30 (72)発明者 マーキュセン, ジャン デンマーク国 コペンハーゲン ケイ デ ィーケイ―1210,2.,クナブロストラエ ド 25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 実質的に他のいかなる生物も存在しない菌類培養物から酵素を単離する工 程を包含する、酵素α-1,4-グルカンリアーゼの調製方法。 2. 前記酵素を、該酵素によって分解されないゲルを使用して、単離および/ または精製する、請求項1に記載の方法。 3. 前記ゲルが、デキストリンまたはその誘導体、好ましくはシクロデキスト リン、より好ましくはβ-シクロデキストリンに基づく、請求項2に記載の方法 。 4. 前記菌類が、Morchella costataまたはMorchella vulgarisである、請求 項1から3のいずれかに記載の方法。 5. 請求項1から4のいずれかに記載の方法により調製される、GL酵素。 6. 配列番号1または配列番号2、ならびにその任意の変異体のアミノ酸配列 を含む酵素。 7. 酵素α-1,4-グルカンリアーゼをコードし得る、ヌクレオチド配列。 8. 前記配列がDNA配列である、請求項7に記載のヌクレオチド配列。 9. 前記DNA配列が、配列番号3または配列番号4の任意のDNA配列に同一、ま たは相補的、または実質的な相同性を有する、または任意の適切なコドン置換を 含む配列を含む、請求項8に記載のヌクレオチド配列。 10. 請求項9に記載のヌクレオチド配列の発現を包含する、酵素α-1,4-グ ルカンリアーゼの調製方法。 11. 酵素、好ましくはGLを精製するための、β-シクロデキストリンの使用 。 12. DNA配列が、少なくとも、配列番号3または配列番号4の任意のDNA配列 に同一、または相補的、または実質的相同性を有する、または適切なコドン置換 を含む配列からなる、ヌクレオチド配列。
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