JPH05320249A - 高剛性ポリプロピレンの製造法 - Google Patents

高剛性ポリプロピレンの製造法

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JPH05320249A
JPH05320249A JP16017892A JP16017892A JPH05320249A JP H05320249 A JPH05320249 A JP H05320249A JP 16017892 A JP16017892 A JP 16017892A JP 16017892 A JP16017892 A JP 16017892A JP H05320249 A JPH05320249 A JP H05320249A
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JP
Japan
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solid product
organoaluminum
polypropylene
catalyst
compound
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JP16017892A
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Takahiro Oka
隆弘 岡
Tsutomu Shioda
勉 潮田
Seiichi Sai
聖一 齋
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリスチレン、ABS樹脂に匹敵する高剛性
ポリプロピレンの製造法の提供。 【構成】 有機Al還元型TiCl4 組成物と有機Al
アイオダイド化合物ならびに芳香族カルボン酸エステル
からなる触媒でプロピレンを重合させる高剛性プロピレ
ンの製造法。 【効果】 発明の目的に係るポリスチレン等と同等の高
剛性を達成できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高剛性ポリプロピレンの
製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、なんら
特別な添加剤を添加しなくても高剛性成形品が得られる
ポリプロピレンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは耐熱性、耐薬品性、電
気的性質に優れており、さらに剛性、引張強度、光学的
特性加工性が良好であり射出成形法、フィルム成形法、
シート成形法、ブロー成形法などの成形法により各種の
成形品の製造に広く用いられている。
【0003】しかしながら、用途によっては、性質が十
分満足されているわけではなく使用が制限されているの
が実状である。特に剛性に関してはポリスチレン、AB
S樹脂にくらべて低く、ポリプロピレンの用途拡大に際
して大きな障害となっている。また、剛性が向上できれ
ばその分だけ成形品の薄肉化が可能となり、省資源に有
効であるばかりでなく、成形時の冷却速度も早くなるの
で、単位時間当りの成形速度も早くすることが可能とな
り生産性も向上できる。ポリプロピレンの剛性を向上さ
せるための公知技術としては、芳香族カルボン酸のアル
ミニウム塩(特公昭40−1652号公報)やベンジリ
デンソルビトール誘導体(特開昭51−22740号公
報)等の造核剤をポリプロピレンに添加する方法がある
が、コストが高く経済的でない上、該添加により光沢、
衝撃強度、引張り伸び等が大幅に低下する欠点がある。
また、剛性向上の他の手段としては、タルク、炭酸カル
シウム、マイカ、硫酸バリュ−ム、アスベスト、ケイ酸
カルシウム等の各種無機充填剤を使用する方法がある
が、ポリプロピレンの特徴である軽量性、透明性を損な
う上、衝撃強度、光沢、引張り伸び、加工性等が低下す
る欠点がある。
【0004】上記欠点を改良する方法として、ポリプロ
ピレンのアイソタクティシティを上げる方法が特開昭5
8−104905号公報、特開昭58−104906号
公報、特開昭58−104907号公報等で提案されて
いる。しかしながら、これらにおいて提案されているポ
リプロピレンは剛性の向上はある程度達成されるもの
の、上述のポリスチレン、ABS樹脂にくらべるとその
剛性は未だ不十分である。また、多段重合により分子量
分布を広げ、得られるポリプロピレンの結晶性を上げる
方法が特開昭58−219207号公報、特開平01−
254706号公報等で提案されているが、多段重合を
行なわせるために重合反応工程が長くなり、生産性が落
ちるという欠点があった。
【0005】本発明者等は、有機造核剤や無機充填剤を
使用することなく、また多段重合を行うことなく、ポリ
スチレン、ABS樹脂に匹敵する剛性を有するポリプロ
ピレンを得ることについて鋭意研究した。その結果、特
定の触媒を使用してプロピレンを重合させることによ
り、著しく高い剛性を有するポリプロピレン成形品を得
ることができることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】以上の記述から明らかなように、本発明の
目的は高剛性成形品を得ることできるポリプロピレンの
製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記(1)ない
し(7)の構成を有する。 (1)有機アルミニウム化合物(A1)若しくは有機ア
ルミニウム化合物(A1)と電子供与体(B1)との反
応生成物(C1)に四塩化チタンと反応させて得られる
固体生成物(C2)に、更に電子供与体(B1)と電子
受容体(F)とを反応させて得られる固体生成物(C
3)を有機アルミニウムアイオダイド化合物(A2)お
よび芳香族カルボン酸エステル(B2)と組合せ該芳香
族カルボン酸エステルと該固体生成物(C3)のモル比
率をそれぞれ(A2)/(C3)=1.0〜10.0お
よび(B2)/(C3)=0.5〜10.0とした触媒
の存在下にプロピレンを重合させることを特徴とするポ
リプロピレンの製造法。
【0008】(2)有機アルミニウム化合物(A1)と
して、次式 (R1 R2 )p AlXq (式中、R1 、R2 はアルキル基、シクロアルキル基若
しくは、アリ−ル基で炭素数1〜20の炭化水素基また
はアルコキシ基を、Xはハロゲンを表わし、またp、q
は0<p+q≦3の任意の数を表わす。)で表わされる
有機アルミニウム化合物を用いる前記(1)に記載のポ
リプロピレンの製造法。
【0009】(3)有機アルミニウムアイオダイド化合
物(A2)として、次式 (R1 R2 )p AlIq (式中、R1 、R2 はアルキル基、シクロアルキル基若
しくは、アリ−ル基で炭素数1〜20の炭化水素基また
はアルコキシ基を、またp、qは0<p+q≦3の任意
の数を表わす。)で表わされる有機アルミニウムアイオ
ダイド化合物を用いる前記(1)に記載のポリプロピレ
ンの製造法。
【0010】(4)固体生成物(C3)と有機アルミニ
ウム化合物の組合せに対してα−オレフィンを反応させ
て予備活性化して用いる前記(1)に記載のポリプロピ
レンの製造法。
【0011】(5)有機アルミニウムアイオダイド化合
物(A2)としてジアルキルアルミニムモノアイオダイ
ド、芳香族カルボン酸エステル(B2)としてアルキル
パラトルエートを用いる前記(1)に記載のポリプロピ
レンの製造法。
【0012】(6)アイソタクチックペンタッド分率
(P)とMFRとの関係が1.00≧P≧0.015l
ogMFR+0.965の範囲内にあり、重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比が10≦Mw/
Mn≦30である高剛性ポリプロピレン。
【0013】(7)MFRが0.1〜100g/10
分、である前記(6)に記載のポリプロピレン。
【0014】本発明の構成と効果につき以下に詳述す
る。本発明の製造法にあっては、本発明に使用する触媒
成分である上述の固体生成物(C3)に代えて次の各種
の三塩化チタン例えば四塩化チタンを金属アルミニウム
もしくは水素で還元し、またはこれらを粉砕して活性化
したいわゆるA型もしくはH型またはAA型もしくはH
A型さらには塩化マグネシウムのような担体に四塩化チ
タンを担持させたもの、または四塩化チタンを有機アル
ミニウム化合物で還元後単に熱処理したものを使用して
も本発明の目的は達成できない。
【0015】本発明で用いる触媒成分である固体生成物
(C3)は次のようにして製造する。まず、イ.有機ア
ルミニウム化合物(A1)と四塩化チタンを反応させる
か、ロ.前者と電子供与体(B1)との反応生成物(C
1)を後者と反応させて固体生成物(C2)を製造す
る。ロ.の方が最終的により好ましいチタン触媒成分を
得ることができる。ロ.の方法については、特開昭56
−110707号の明細書に記載されている。すなわ
ち、有機アルミニウム化合物(A1)と電子供与体(B
1)との反応は、溶媒(D1)中で−20℃〜200
℃、好ましくは−10〜100℃で30秒〜5時間行
う。(A1)、(B1)、(D1)の添加順序に制限は
なく、使用する量比は有機アルミニウム1モルに対して
電子供与体0.1〜8モル、好ましくは、1〜4モル、
溶媒0.5〜5L、好ましくは0.5〜2Lが適当であ
る。溶媒としては脂肪族炭化水素が好ましい。かくして
反応生成物(C1)が得られる。
【0016】反応生成物(C1)と四塩化チタンとの反
応は、0〜200℃、好ましくは10〜90℃で5分〜
8時間行う。溶媒は用いない方が好ましいが、脂肪族も
しくは芳香族炭化水素を用いることができる。(C
1)、四塩化チタンおよび溶媒の混合は任意の順で行え
ばよく、全量の混合は5時間以内に終了するのが好まし
く、全量混合後、さらに、10〜90℃で8時間以内で
反応を継続することが好ましい。反応に用いるそれぞれ
の使用量は四塩化チタン1モルに対し、溶媒は0〜3,
000ml、反応生成物(C1)は(C1)中のAl原
子数と四塩化チタン中のTi原子数の比(Al/Ti)
で0.05〜10、好ましくは0.06〜0.2であ
る。反応終了後は、濾別もしくはデカンテーションによ
り液状部分を分離除去した後、さらに溶媒で洗浄を繰り
返し、得られた固体生物(C2)を、溶媒に懸濁状態の
まま次の工程に使用してもよく、更に乾燥して固形物と
して取り出しても使用してもよい。
【0017】固体生成物(C2)は、次いでこれに電子
供与体(B1)と電子受容体(F)とを反応させる。こ
の反応は溶媒を用いないでも行うことができるが、溶媒
として脂肪族炭化水素を用いる方が好ましい結果が得ら
れる。使用する量は固体生成物(C2)100gに対し
て、(B1)10〜1,000g、好ましくは50〜2
00g、(F)10〜1,000g、好ましくは20〜
500g、溶媒0〜3,000ml、好ましくは100
〜1,000mlである。これらの3物質もしくは4物
質は、−10〜40℃で30秒〜60分間で混合し、反
応温度40〜200℃、好ましくは50〜100℃で3
0秒〜5時間反応させることが望ましい。固体生成物
(C2)、(B1)、(F)および溶媒の混合順序に制
限はない。(B1)と(F)は固体生成物(C2)と混
合する前に、あらかじめ相互に反応させておいてもよ
く、この場合は、(B1)と(F)を10〜100℃で
30分〜2時間反応させたのち、40℃以下に冷却した
ものを用いる。固体生成物(C2)と(B1)および
(F)の反応終了後反応混合物は濾別もしくはデカンテ
ーションにより液状部分を分離除去しさらに溶媒で洗浄
を繰り返し未反応液状原料を除去することにより固体生
成物(C3)が得られる。得られた固体生成物(C3)
は乾燥して固形物として取り出すか、もしくは溶媒に懸
濁状態のままで次の使用に供せられる。
【0018】本発明の三塩化チタン組成物(C3)の製
造に使用する有機アルミニウム化合物(A1)として
は、一般式が (R1 R2 )p AlXq (式中、R1 、R2 はアルキル基、シクロアルキル基、
アリ−ル基等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xは
ハロゲンを表わし、またp、qは0<p+q≦3の任意
の数を表わす。)で表わされる有機アルミニウム化合物
が使用される。
【0019】その具体例としては、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリn- プロピルアル
ミニウム、トリn- ブチルアルミニウム、トリi- ブチ
ルアルミニウム、トリn- ヘキシルアルミニウム、トリ
i- ヘキシルアルミニウム、トリn- オクチルアルミニ
ウム等のトリアルキルアルミニウム類、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、ジn- プロピルアルミニウムクロラ
イド、ジi- ブチルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオ
ダイド等のジアルキルアルミニウムモノハライド類、ジ
エチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミ
ニウムハイドライド類、エチルアルミニウムセスキクロ
ライド等のアルキルアルミニウムセスキハライド類、エ
チルアルミニウムジクロライド等のモノアルキルアルミ
ニウムジハライド類などがあげられ、他にジエトキシモ
ノエチルアルミニウム等のアルコキシアルキルアルミニ
ウム類を用いることもできる。これらのうちで好ましい
のは、トリアルキルアルミニウム類およびジアルキルア
ルミニウムモノハライド類である。また、これらの有機
アルミニウム化合物は2種類以上を混合して用いること
もできる。
【0020】本発明に使用する電子供与体(B1)とし
てはエーテル類を主体に用いるが本発明の効果を妨げな
い範囲で他の電子供与体を併用することも可能である。
エーテル類の具体例としては、ジエチルエーテル、ジn
- プロピルエーテル、ジn-ブチルエーテル、ジイソア
ミルエーテル、ジn- ペンチルエーテル、ジn- ヘキシ
ルエーテル、ジi- ヘキシルエーテル、ジn- オクチル
エーテル、ジn- ドデシリエーテル、ジフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等があげられる。また、エーテル類と併用可
能な電子供与体としては、酸素、窒素、硫黄、燐のいず
れかの原子を有する有機化合物、例えばアルコール類、
フェノール類、エステル類、アルデヒド類、脂肪酸類、
芳香族酸類、ケトン類、ニトリル類、アミン類、アミド
類、尿素類、イソシアネート類、アゾ化合物、ホスフィ
ン類、ホスファイト類、ホスフィナイト類、チオエーテ
ル類、チオアルコール類、Si−0−C結合やメルカプ
ト基を有する有機ケイ素化合物などをあげることができ
る。これらの電子供与体は混合して用いることもでき
る。
【0021】本発明で使用する電子受容体(F)は、周
期律表3〜6族の元素のハロゲン化物に代表される。具
体例としては、無水塩化アルミニウム、四塩化珪素、塩
化第一スズ、塩化第二スズ、四塩化チタン、四塩化ジル
コニウム、三塩化リン、五塩化リン、四塩化バナジウ
ム、五塩化アンチモンなどがあげられ、これらは混合し
て用いることもできる。最も好ましいのは四塩化チタン
である。
【0022】溶媒(D1)としては、n- ペンタン、n
- ヘキサン、n- ヘプタン、n- オクタン、i- オクタ
ン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン等の脂環族炭化水素、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルエタン、トリクロルエチレン、テトラクロ
ルエチレン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ま
たモノクロルベンゼン、クロルエチルベンゼン、ジクロ
ルベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素があげられ
る。
【0023】かくして得られた固体生成物(C3)は、
次いで有機アルミニウムアイオダイド化合物(A2)お
よび後述の芳香族カルボン酸エステルと組み合わせて触
媒として、常法に従って、プロピレンの重合に用いる
か、さらに好ましくは、固体生成物(C3)と有機アル
ミニウムアイオダイド化合物(A2)とを組み合わせた
ものにα−オレフィンを反応させて予備活性化したの
ち、芳香族カルボン酸エステル(B2)を組み合わせて
触媒として用いる。
【0024】本発明のポリプロピレンの製造法に使用す
る有機アルミニウムアイオダイド化合物(A2)として
は、一般式が (R1 R2 )p AlIq (式中、R1 、R2 はアルキル基、シクロアルキル基、
アリ−ル基等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xは
ハロゲンを表わし、またp、qは0<p+q≦2の任意
の数を表わす。)で表わされる有機アルミニウムアイオ
ダイド化合物が使用される。
【0025】その具体例としては、ジエチルアルミニウ
ムアイオダイド、ジn- プロピルアルミニウムアイオダ
イド、ジi- ブチルアルミニウムアイオダイド等のジア
ルキルアルミニウムモノアイオダイド類、エチルアルミ
ニウムセスキアイオダイド等のアルキルアルミニウムセ
スキアイオダイド類、エチルアルミニウムジアイオダイ
ド等のモノアルキルアルミニウムジアイオダイド類など
があげられる。これらのうちで好ましいのは、ジアルキ
ルアルミニウムモノアイオダイド類である。また、これ
らの有機アルミニウム化合物は2種類以上を混合して用
いることもできる。
【0026】スラリー重合またはバルク重合には固体生
成物(C3)と有機アルミニウムアイオダイド化合物
(A2)とを組み合わせた触媒でも充分に効果を表す
が、気相重合に使用する場合には、さらにα−オレフィ
ンを反応させて予備活性化したより高活性度のものが望
ましい。スラリー重合またはバルク重合に続いて気相重
合を行う場合には、当初使用する触媒が前者であって
も、気相重合のときは既にプロピレンの反応が行われて
いるから後者の触媒と同じものとなって優れた効果が得
られる。
【0027】本発明方法に係る予備活性化は、固体生成
物(C3)1gに対し、有機アルミニウム0.1〜50
0g、溶媒0〜50L、水素0〜1,000mlおよび
α−オレフィン0.05〜5,000g、好ましくは
0.05〜3,000gを用い、0〜100℃で1分〜
20時間、α−オレフィンを反応させ、固体生成物(C
3)1g当り0.01〜2,000g、好ましくは0.
05〜200gのα−オレフィンを反応させることが望
ましい。予備活性化のためのα−オレフィンの反応は、
脂肪族または芳香族炭化水素溶媒中でも、また溶媒を用
いないで液化プロピレン、液化ブテン−1等の液化α−
オレフィン中でも行え、エチレン、プロピレン等を気相
で反応させることもできる。また、あらかじめ得られた
α−オレフィン重合体または水素を共存させて行うこと
もできる。
【0028】このようにして得られた予備活性化された
触媒は、プロピレンをn−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素溶媒中で
行うスラリー重合または液化プロピレン中で行うバルク
重合および気相重合で使用することができるが、得られ
るプロピレン重合体のアイソタクティシティを上げるた
めには、芳香族カルボン酸エステル(B2)を固体生成
物(C3)に対し、(B2)/(C3)=0.5〜1
0.0(モル比)添加する必要がある。(B2)の添加
が少ないとアイソタクティシティの向上が不十分であ
り、多すぎると触媒活性が低下し実用的でない。
【0029】芳香族カルボン酸エステル(B2)の具体
例としては、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息
香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸2−エチルヘ
キシル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイ
ル酸2−エチルヘキシル、アニス酸メチル、アニス酸エ
チル、アニス酸プロピル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ酸
ブチル、ナフトエ酸プロピル、ナフトエ酸ブチル、ナフ
トエ酸2−エチルヘキシル、フェニル酢酸エチルなどで
ある。
【0030】有機アルミニウムアイオダイド化合物(A
2)と固体生成物(C3)の使用比率は(A2)/(C
3)=1.0〜10.0(モル比)、好ましくは2.0
〜8(モル比)である。
【0031】本発明の効果を発揮できるポリプロピレン
は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
が10≦Mw/Mn≦30、好ましくは12≦Mw/M
n≦20で、アイソタクチックペンタッド分率が、MF
Rとの関連で、1≧P≧0.015log(MFR)+
0.965の範囲である。MFRが高い程Pは高くなり
やすい傾向にあり、該MFRは通常0.1〜100g/
10min、好ましくは0.2〜50程度が実用的であ
る。
【0032】重合温度は通常20〜100℃、好ましく
は40〜80℃である。該温度が低すぎる場合には、触
媒活性が低くなり実用的でなく、該温度が高い場合に
は、アイソタクティシティを上げるのが困難になってく
る。重合圧力は常圧〜50kg/cm2 Gで通常30分
〜15時間程度重合させる。重合の際、分子量調節のた
めの適量の水素を添加するなどは従来の重合方法と同じ
である。
【0033】本発明の高剛性ポリプロピレンは各種の成
形分野に広く適用可能であり、その効果を発揮すること
ができる。例えば射出成形分野においては、従来使用不
能であったポリスチレン、ABS樹脂等の高剛性ポリマ
ーの分野への利用拡大効果、高剛性化による品質改善効
果および高剛性化により従来品より成形品の薄肉化が可
能となる。従って、省資源および成形速度の向上による
コストダウン等の効果が期待できる。更に造核剤、無機
充填剤を併用する場合は従来品ではできなかったより一
層の高剛性が達成されるし、従来品同等の剛性レベルを
維持すればたりる場合には、その使用樹脂量を節減でき
る。フィルム分野についても同様に、剛性向上による自
動包装等における作業性の向上、薄肉化によるコストダ
ウン等の効果が得られる。以下実施例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。なお、各実施例における諸物性の測定法
は、下記によった。
【0034】射出成形品の物性測定法 曲げ弾性率 JIS K 6758(kgf/cm2 ) 曲げ強度 JIS K 6758(kgf/cm2 ) 硬度(ロックウェル) JIS K 6758(R−ス
ケール) 熱変形温度(HDT) JIS K 7202(℃) フィルムの物性測定法 ヤング率 ASTM D 888(kgf/mm2 ) 引張降伏強度 ASTM D 882(kgf/mm
2 ) 実施例はそれぞれTD、MDの平均値で示す。 ヘイズ ASTM D 1008(%) 打抜衝撃強度 ASTM D 781(kgf/mm
2 ) MFR ASTM D−1238(g/10分) 230℃、
2.16kg アイソタクチックペンタッド分率(P) macromolecules 8 687(197
5)に基づいて測定される。13C−NMRを使用し、ポ
リプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタク
チック分率である。 平均分子量(Mn、Mw) 試料を135℃のオルトジクロルベンゼンに溶解させ、
ウォータス社製150C型のGPC(Gel Permeation C
hromatograph)で測定した。 使用カラム TSK GEL GMH6-HT
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 (1)触媒の調製 n−ヘキサン600ml、ジエチルアルミニウムモノク
ロライド(DEAC)0.50モル、ジイソアミルエー
テル1.20モルを25℃で1分間で混合し5分間同温
度で反応させて反応生成液(C1)(ジイソアミルエー
テル/DEACのモル比2.4)を得た。窒素置換され
た反応器に四塩化チタン4.0モルを入れ、35℃に加
熱し、これに上記反応生成液(C1)の全量を180分
間で滴下した後、同温度に30分間保ち、75℃に昇温
して更に1時間反応させ、室温まで冷却し上澄液を除
き、n−ヘキサン4000ml加えてデカンテーション
で上澄液を除く操作を4回繰り返して、固体生成物(C
2)190gを得た。この(C2)の全量をn−ヘキサ
ン3000ml中に懸濁させた状態で、20℃でジイソ
アミルエーテル160gと四塩化チタン350gを室温
にて約1分間で加え65℃で1時間反応させた。反応終
了後、室温(20℃)まで冷却し、上澄液をデカンテー
ションによって除いた後、4000mlのn−ヘキサン
を加え10分間攪拌し、静置して上澄液を除く操作を5
回繰り返し後、減圧下で乾燥させ固体生成物(C3)を
得た。
【0036】(2)予備活性化触媒の調整 内容積20Lの傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n−ヘキサン15L、ジエチルアル
ミニウムモノアイオダイド74g、固体生成物(C3)
30gを室温で加えた後、プロピレン分圧5kg/cm
2 Gで5分間反応させ、未反応プロピレン及びn−ヘキ
サンを減圧で除去し、予備活性化触媒(C4)を粉粒体
で得た。(固体生成物(C3)1g当りプロピレン5.
0g反応)
【0037】(3)プロピレンの重合 窒素置換した内容積400Lのタービン型攪拌羽根付き
ステンレス製重合器にn−ヘキサン240Lついでジエ
チルアルミニウムモノアイオダイド74g、前記予備活
性下触媒(C4)30g、p−トルイル酸メチル60.
0gを仕込み、更に水素を200NL添加した。ついで
温度を70℃に昇温後プロピレンを供給し、全圧を10
kg/cm2 Gに維持しながら4時間重合を継続後、メ
タノールを50L供給し、残存プロピレンを排出した
後、温度を85℃に昇温した。30分後、更に20%の
カセイソーダ水を700ml加え20分間攪拌し、純水
100L加え15分間攪拌した後30℃に降温した。水
層を抜き出した後、更に300Lの純水を加え20分間
攪拌水洗し水層を抜き出し、更にポリプロピレン、n−
ヘキサンスラリーを抜き出し、濾過、乾燥によりポリプ
ロピレンパウダーを得た。
【0038】(4)射出成形品の製造 上記(3)で得られたポリプロピレン粉末3.0kgに
フェノール系熱安定剤0.003kg、ステアリン酸カ
ルシウム0.003kgを加え高速攪拌式混合機(駐ヘ
ンシェルミキサー、商品名)で室温下に10分混合し、
該混合物をスクリュウ−径40mmの押出造粒機を用い
て造粒した。ついで該造粒物を射出成形機で溶融樹脂温
度230℃、金形温度50℃でJIS形のテストピース
を作成し、該テストピースにつき湿度50%室温23℃
の室内で72時間状態調整した。ついで後述表1のよう
に物性値を測定した。
【0039】実施例−2 実施例−1に於て、水素200NLの代わりに実施例−
2では800NLを用いて行った。結果は表1に示し
た。
【0040】比較例−1 実施例1に於て、予備活性化触媒(C4)の代わりに、
四塩化チタンを金属アルミニウムで還元し、粉砕活性化
した市販の触媒(AA型)を60gを用いた以外は、実
施例−1と同様に行った。結果を表1に示した。同表に
あきらかなように通常のAA型触媒では、本発明の効果
である高剛性は得られない。
【0041】比較例−2 20gの無水塩化マグネシウム、10.0mlの安息香
酸エチル及び6.0mlのメチルポリシロキサンをボー
ルミル中で100時間粉砕した。得られた固体生成物1
5gを200mlの四塩化チタン中に懸濁させ、80℃
で2時間、攪拌した後、濾過により液を除き、更に濾過
中に四塩化チタンが検出されなくなるまでn−ヘキサン
で洗浄後、乾燥し、固体触媒を得た。この固体触媒5g
を実施例−1の予備活性化触媒の代わりに用い、またジ
エチルアルミニウムモノアイオダイドの代わりに、トリ
エチルアルミニウムを10g用いた以外は実施例−1と
同様に行った結果を表1に示した。同表にあきらかな様
に本比較例の担持型触媒では本発明の効果である高剛性
は得られなかった。
【0042】比較例−3 実施例−1に於て、固体生成物(C2)を得る反応中、
反応生成液(C1)の代わりにDEAC0.5モルを用
い、35℃の代わりに0℃に於て実施例−1と同様に滴
下後、75℃に昇温、更に1時間攪拌反応させ、ついで
四塩化チタンの沸騰温度(約136℃)で4時間リフラ
ックスさせ、紫色に転移させ、冷却後、実施例−1と同
様にn−ヘキサンで洗浄、濾過、乾燥し、固体触媒を得
た。この固体触媒を用いて、実施例−1と全く同様に行
った結果を表1に示した。この場合も実施例−1、2よ
り総合的剛性において劣っている。
【0043】
【表1】
【0044】実施例−3 実施例−1に於て、予備活性化触媒(C4)の代わりに
固体生成物(C3)を用いた以外は同様に行った結果を
表2に示した。
【0045】比較例−4、5 実施例−3に於て、プロピレンの重合段階でジエチルア
ルミウムモノアイオダイドの代わりジエチルアルミニウ
ムクロライド(比較例−4)、ジエチルアルミニウムブ
ロマイド(比較例−5)を用いる他は、実施例−3と全
く同様に行った結果を表2に示した。この場合、アイソ
タクティシティは実施例−3とほぼ同等の値であるが、
実施例−3に比べ分子量分布(Mw/Mn)が狭く(小
さく)、実施例−3相当の剛性は得られなかった。
【0046】
【表2】
【0047】実施例−4、5、比較例−6、7 実施例−1に於て、p−トルイル酸メチルの添加量比を
それぞれ表3ように変化させた以外は実施例−1と同様
に行った結果を表3に示した。比較例−6、の場合、固
体生成物(C3)と有機アルミニウムアイオダイド化合
物の組合せを使用している点では、本発明の方法と差異
がないが、芳香族エステル/固体生成物モル比が本発明
の範囲より小さく、得られたポリプロピレン成形品につ
いて必要な高い剛性が得られない。比較例−7は同様に
芳香族エステル/固体生成物モル比が本発明の範囲より
大きく、得られるポリプロピレンの収率が低いため実用
的ではない。
【0048】
【表3】
【0049】実施例−6、7、比較例−8、9 実施例−1に於て、ジエチルアルミウムモノアイオダイ
ドの添加量比をそれぞれ表4のように変化させた以外は
実施例−1と同様に行った結果を表4に示した。比較例
−8の場合、固体生成物(C3)と芳香族エステルの組
合せを使用している点では、本発明の方法と差異がない
が、有機アルミニウムアイオダイド化合物/固体生成物
モル比が本発明の範囲より小さく、得られたポリプロピ
レン成形品について必要な高い剛性が得られない。比較
例−9は同様に有機アルミニウム化合物/固体生成物モ
ル比が本発明の範囲より大きく、得られるポリプロピレ
ンの収率が低いため実用的ではない。
【0050】
【表4】
【0051】実施例−8 実施例−1に於て、水素200NLの代わりに150N
Lを用いて行ってポリプロピレン粉末を得た。得られた
ポリプロピレン粉末各5.0kgにフェノール系熱安定
剤0.005kg、ステアリン酸カルシウム0.005
kg及びシリカの微粉0.01kgを添加し、高速攪拌
式混合機(前述)で室温下に10分混合し、該混合物を
スクリュ−口径40mmの押出造粒機を用いて造粒し
た。ついで、該造粒物を山口製作所(株)製CYT製膜
機でダイ温度215℃、冷却水温度20℃で、折幅15
0mm、厚み30μのインフレーションフィルムに製膜
した。該フィルムは次に室温23℃、湿度50%の恒
温、恒湿の部屋で72時間放置して状態の調整をした。
ついで後述表5のように物性値を測定した。
【0052】比較例−10 比較例−3において、水素を100NL用いた以外は同
様に行ってポリプロピレンの粉末を得た。この粉末を用
いて実施例−8と同様に造粒と製膜を行って得たインフ
レーションフィルムの物性値を表5に示す。比較例−1
0では、得られたインフレーションフィルムの物性の
中、ヤング率及び引張強度について対応する実施例−8
より大幅に劣る結果を示す。
【0053】
【表5】
【0054】実施例−9 実施例−1に於て、水素200NLの代わりに100N
Lを用いて行ってポリプロピレン粉末を得た。得られた
ポリプロピレン粉末各5.0kgにフェノール系熱安定
剤0.005kg、ステアリン酸カルシウム0.005
kg及び超微粒シリカ(平均粒径0.1μ)0.002
5kgを添加し、高速攪拌式混合機で室温下に10分混
合し、該混合物をスクリュ−口径40mmの押出造粒機
を用いて造粒した。ついで、該造粒物をT−ダイ式製膜
機を用い樹脂温度250℃で押し出し、20℃の冷却ロ
ールで厚さ1mmのシートを作製した。このシートを1
50℃の熱風で70秒加熱し、二軸延伸機を用いて、縦
横両方向について同時に5m/分の速度でそれぞれ7倍
づつ延伸し、厚み20μの二軸延伸フィルムを得た。こ
のフィルムの物性値を表6に示した。
【0055】比較例−11 比較例−3において、水素を80NL用いた以外は同様
に行ってポリプロピレンの粉末を得た。この粉末を用い
て実施例−9と同様に造粒と製膜を行って得た二軸延伸
フィルムの物性値を表6に示す。比較例−11で得られ
た二軸延伸フィルムの延伸性は良好であるが、ヤング
率、引っ張り降伏強度が実施例−9より大幅に劣る結果
を示す。
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】本発明の触媒を使用すれば、有機造核剤
や無機充填剤を使用すことなく剛性が著しく高いポリプ
ロピレンを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒を用いるオレフィン重合体の製造
方法を示すフロ−シ−トである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機アルミニウム化合物(A1)若しく
    は有機アルミニウム化合物(A1)と電子供与体(B
    1)との反応生成物(C1)に四塩化チタンと反応させ
    て得られる固体生成物(C2)に、更に電子供与体(B
    1)と電子受容体(F)とを反応させて得られる固体生
    成物(C3)を有機アルミニウムアイオダイド化合物
    (A2)および芳香族カルボン酸エステル(B2)と該
    固体生成物(C3)のモル比率をそれぞれ(A2)/
    (C3)=1.0〜10.0および(B2)/(C3)
    =0.5〜10.0とした触媒の存在下にプロピレンを
    重合させることを特徴とするポリプロピレンの製造法。
  2. 【請求項2】 有機アルミニウム化合物(A1)とし
    て、次式 (R1 R2 )p AlXq (式中、R1 、R2 はアルキル基、シクロアルキル基若
    しくはアリ−ル基で炭素数1〜20の炭化水素基または
    アルコキシ基を、Xはハロゲンを表わし、またp、qは
    0<p+q≦3の任意の数を表わす。)で表わされる有
    機アルミニウム化合物を用いる請求項1に記載のポリプ
    ロピレンの製造法。
  3. 【請求項3】 有機アルミニウムアイオダイド化合物
    (A2)として、次式 (R1 R2 )p AlIq (式中、R1 、R2 はアルキル基、シクロアルキル基若
    しくはアリ−ル基で炭素数1〜20の炭化水素基または
    アルコキシ基を、またp、qは0<p+q≦3の任意の
    数を表わす。)で表わされる有機アルミニウムアイオダ
    イド化合物を用いる請求項1に記載のポリプロピレンの
    製造法。
  4. 【請求項4】 固体生成物(C3)と有機アルミニウム
    化合物の組合せに対してα−オレフィンを反応させて予
    備活性化して用いる請求項1に記載のポリプロピレンの
    製造法。
  5. 【請求項5】 有機アルミニウムアイオダイド化合物
    (A2)としてジアルキルアルミニムモノアイオダイ
    ド、芳香族カルボン酸エステル(B2)としてアルキル
    パラトルエートを用いる請求項1に記載のポリプロピレ
    ンの製造法。
  6. 【請求項6】 アイソタクチックペンタッド分率(P)
    とMFRとの関係が1.00≧P≧0.015logM
    FR+0.965の範囲内にあり、重量平均分子量(M
    w)と数平均分子量(Mn)の比が10≦Mw/Mn≦
    30である高剛性ポリプロピレン。
  7. 【請求項7】 MFRが0.1〜100g/10分であ
    る請求項6に記載のポリプロピレン。
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