JPH05320665A - 石炭液化プロセスに於ける石炭スラリーの安定的な調製方法 - Google Patents

石炭液化プロセスに於ける石炭スラリーの安定的な調製方法

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JPH05320665A
JPH05320665A JP14800892A JP14800892A JPH05320665A JP H05320665 A JPH05320665 A JP H05320665A JP 14800892 A JP14800892 A JP 14800892A JP 14800892 A JP14800892 A JP 14800892A JP H05320665 A JPH05320665 A JP H05320665A
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Japan
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slurry
coal
solvent
circulation
coal liquefaction
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JP14800892A
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English (en)
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Michiharu Mochizuki
通晴 望月
Kenji Kato
健次 加藤
Mutsumaro Kawabata
睦麿 川端
Hisanori Yamamoto
久敬 山本
Kenji Iguchi
憲二 井口
Junji Yamaura
純治 山浦
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MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Nippon Steel Corp
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は石炭液化プロセスに於いて、石炭ス
ラリーの物性の変化がスラリー調製工程で行われる循環
攪拌混合操作によってどの様に変化するかを調査すると
共に、そのさいに発生するスラリーの粘度上昇や石炭粒
子の沈降を防止するためのスラリー調製方法を提供す
る。 【構成】 石炭液化プロセスに於いて、スラリー調製時
の温度範囲を50〜100℃の範囲とし、この温度で得
られるスラリーの粘度がスラリー循環ポンプの設備仕様
の粘度の範囲以内になるように、スラリーの循環攪拌混
合時間を調節することあるいは、スラリー調製槽、槽内
のスラリーを攪拌混合する撹拌機、スラリー循環ポンプ
から成る循環ラインによって構成されたスラリー調製装
置の、循環ラインでの循環速度を調整可能な流量制限オ
リフィスをスラリー循環ライン内に設置して、スラリー
を調製することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、高温、高圧の
水素の存在下で石炭の液化反応を進行させる石炭液化プ
ロセスに於いて、石炭、触媒、溶剤の混合物からなる石
炭スラリーを液化反応塔に供給する前工程であるスラリ
ー調整工程に於いて、石炭と溶剤の循環攪拌混合を行っ
たさいの石炭粒子の膨潤によるスラリー粘度の上昇やス
ラリー中の石炭粒子の沈降速度等スラリーの物性に起因
してスラリー循環ラインでのフィードトラブルを防止す
るためのスラリー調製方法に関するものであり、石炭液
化以外のプロセスの工業分野に於いてもスラリー中に石
炭の様な固体粒子を含み、そのスラリーを循環攪拌混合
し、スラリーポンプで次工程へ供給することを必要とす
るプロセスに幅広く適用可能である。
【0002】以下、石炭液化プロセスの場合を代表例と
して説明する。
【0003】
【従来の技術】石炭液化プロセスに於ける石炭の液化方
法は、石炭、触媒、および溶剤を混合して調整したスラ
リーの高温、高圧で触媒の存在下、水素添加により水素
化分解し、得られた液状物質を減圧した後、軽質油、中
質油、重質油等の液化油に分離精製するものである。
【0004】こうして得られた液化油の内、重質油に対
しては溶剤水素化反応塔で水素添加による溶剤の水素化
反応を行い、減圧した後、軽質油、中質油、重質油等の
液化油に分離精製するものである。
【0005】こうして得られた液化油の内、重質油に対
しては溶剤水素化反応塔で水素添加による溶剤の水素化
反応を行い、減圧した後、得られた溶剤を循環溶剤とし
て液化反応工程に戻し、これを石炭スラリー調製用とし
て使用する。
【0006】液化反応に使用される石炭は、液化反応工
程で水素化分解反応を行わせるために石炭中に含まれる
約15%の水分を通常1〜2%まで乾燥した後、150
μm以下の粒度の石炭粒子の収率が80%以上となるよ
うに粉砕する。
【0007】石炭の粉砕はロッドミル、ボールミル、振
動ミル、ディスクミル等の粉砕機を使用して行われる。
【0008】一方、スラリーの調整はスラリー供給槽内
に溶剤と粉砕石炭と触媒を装入し、攪拌機で攪拌混合し
たのち、スラリー循環ポンプで循環し、その一部を高圧
スラリーポンプで石炭スラリー加熱器を経由して液化反
応塔へ送液している。
【0009】石炭液化に使用される石炭は瀝青炭から褐
炭までの幅広い石炭が対象となるため、石炭の構造や比
重、溶剤へのぬれ性等の諸物性の相違によってある石炭
種によっては、溶剤と一緒に循環攪拌混合を行ったさい
に混合時間が長くなると石炭粒子中に溶剤が入り込んで
膨潤し、その石炭粒子が凝集することによるスラリー粘
度の上昇が生じたり、溶剤と石炭粒子の比重差が大きい
場合は石炭粒子の沈降が生じたりし、その結果としてス
ラリー循環ラインに石炭粒子が閉塞することによるスラ
リーフィードトラブルが発生する。
【0010】その結果、ある石炭種と溶剤を組み合わせ
たスラリーで液化プラントの運転を行った場合にはしば
しばスラリーフィードトラブルによるプラントの運転停
止を行うに到っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこの様
な、石炭と溶剤の循環攪拌混合過程に於いて発生する石
炭スラリー中の石炭粒子の膨潤によるスラリー粘度の上
昇や石炭スラリー中の石炭粒子の沈降に起因すると考え
られるスラリーフィードトラブルの発生メカニズムにつ
いて究明すると共に、石炭種に対応したスラリーフィー
ドトラブルの発生抑制対策を検討した。
【0012】すなわち、本発明は石炭スラリーの物性の
変化がスラリー調製工程で行われる循環攪拌混合操作に
よってどの様に変化するかを調査すると共に、そのさい
に発生するスラリーの粘度上昇や石炭粒子の沈降を防止
するためのスラリー調製方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは石炭スラリ
ーの物性に起因するスラリーのフィードトラブル発生の
メカニズムを究明するため、スラリーの諸物性を幅広く
調査検討した結果、スラリーのフィードトラブル発生に
は主として次の2つのメカニズムが起因することを究明
した。
【0014】スラリーの循環攪拌混合を長時間にわた
って継続するとある石炭種によっては石炭粒子中に溶剤
が入りこんで膨らむ膨潤現象が発生し、その結果、石炭
粒子の体積分率が増加し、見かけのスラリー濃度が上昇
するため、スラリーの粘度が上昇する。
【0015】スラリー中の石炭粒子の沈降速度は石炭
粒子の密度と粒径によってきまり、粉砕した石炭の密
度、粒径が大きい石炭種や膨潤度の高い石炭種において
は沈降速度が速くなり、スラリー循環ライン中に石炭粒
子が沈降する可能性がある。
【0016】本発明者らは上記の知見に基づいてスラリ
ーの粘度上昇およびスラリー中の石炭粒子の沈降を抑制
する対策について幅広く検討した結果、いかなるスラリ
ー濃度に於いても石炭粒子の膨潤によるスラリーの粘度
上昇を抑制する手段としてスラリー調製時の温度範囲を
50〜100℃とし、スラリーの循環攪拌混合時間を調
整し、最終的に得られたスラリーの粘度をスラリー循環
ポンプの設備仕様の粘度の範囲以内とすること、および
スラリー中の石炭粒子の沈降を抑制するためスラリー循
環ライン中に流量制限オリィフィスを設置して石炭種の
沈降速度に対応してオリィフィスの径を変更してスラリ
ー循環攪拌混合時の流速を変化させるスラリー調製方法
を考案し、スラリーの粘度の上昇や、スラリー中の石炭
粒子の沈降に起因してスラリーフィードトラブルが発生
しやすい石炭種に於いても安定した石炭液化プラントの
運転が可能な石炭スラリーの調製方法を確立するに至っ
た。
【0017】すなわち、本発明が要旨とするところは、
石炭の膨潤性が大きくスラリーの粘度が上昇しやすい石
炭種に対していかなる濃度の石炭スラリー濃度に於いて
もスラリー調製の温度範囲を適性範囲にし、スラリーの
循環混合攪拌時間を調整してスラリーの粘度をスラリー
の循環ポンプの設備仕様の粘度の範囲内とするスラリー
調製方法と流量制限オリィフィスによるスラリー循環攪
拌混合速度制御によるスラリー調製方法を基本としてい
る。
【0018】詳しくは、石炭、石炭液化用溶剤、および
石炭液化用触媒を混合してスラリー化し、その石炭スラ
リーを水素の存在下で加圧、加熱して水素化分解し、得
られた液化油を溶剤と残渣に分離する石炭液化工程と石
炭液化工程で得られた溶剤の一部を溶剤水素化用触媒の
存在下で加圧、加熱して水素添加した後、減圧し、石炭
液化用溶剤として循環使用する溶剤水素化工程を有する
石炭液化プロセスに於いて、スラリー調製時の温度範囲
を50〜100℃の範囲とし、この温度で得られるスラ
リーの粘度がスラリー循環ポンプの設備仕様の粘度の範
囲以内になるように、スラリーの循環攪拌混合時間を調
節することあるいは、スラリー調整槽、槽内のスラリー
を攪拌混合する攪拌機、スラリー循環ポンプから成る循
環ラインによって構成されたスラリー調整装置の、循環
ラインでの循環速度を調整可能な流量制限オリフィスを
スラリー循環ライン内に設置して、スラリーを調整する
ことを特徴とする石炭液化プロセスに於ける石炭スラリ
ーの安定的な調整方法である。
【0019】
【作用】以下、本発明を成すに至った石炭液化プロセス
を説明し、作用とともに本発明の内容を詳細に述べる。
【0020】図1は石炭液化プロセスのフローを示すも
のである。
【0021】原料となる石炭は、石炭スラリー性状ある
いは石炭液化反応時の反応性等を考慮して、粉砕機1に
より、通常、150μm以下の収率が80%以上になる
様に粉砕する。
【0022】粉砕された石炭は、スラリー調製槽2で溶
剤水素化反応塔11から送られてきた石炭液化用の循環
溶剤と混合してスラリー化する。
【0023】このさい、スラリーの調製は調製槽2の中
に設置された攪拌機3およびスラリー循環ポンプ4を用
いて循環攪拌混合して行う。スラリー濃度は通常(溶剤
/石炭)の比が1.0〜3.0程度の範囲で調製する。
【0024】また液化油収率を上げるため、鉄系の使い
捨て触媒(合成硫化鉄触媒、天然鉄鉱石触媒)を同時に
混合使用し、その添加量は、無水、無灰ベースの原料石
炭に対して1〜5%程度である。
【0025】こうして得られた石炭スラリーは、高圧ス
ラリーポンプ5で150〜190kg/cm2に昇圧さ
れた後、スラリー加熱器6で加熱後、高温、高圧下に保
持された液化反応塔7で所定時間水素ガスと反応させて
水素化分解させる。
【0026】水素化分解は、温度が430〜470℃、
圧力が前述の150〜190kg/cm2で行われ、か
かる分解反応によって原料石炭の液化反応が進行する。
【0027】反応後の生成物は、分離器8によってガ
ス、水、油(液化油)に分離される。
【0028】分離された油の内、軽質油および中質油は
蒸留設備9において分離され、それぞれ所定の製品油と
して回収される。
【0029】残りの重質油は減圧蒸留塔10で真空蒸留
され、538℃以上の沸点留分のものは液化残渣として
系外に排出される。
【0030】一方、538℃未満の沸点留分である重質
油については、高温、高圧下に保持され触媒を充填した
固定床の溶剤水素化反応塔11で所定時間、水素ガスと
反応させて溶剤水素化反応を行うことにより水素供与性
を高め、循環溶剤としてスラリー調製槽2へ循環使用す
る。
【0031】これらの循環系の内、ある石炭種のスラリ
ーを使用した石炭の液化プラントの運転においては、ス
ラリー循環攪拌混合ライン2〜3〜4おいてしばしば石
炭スラリー中の石炭粒子の沈降による閉塞トラブルが発
生し、その結果プラントの運転を停止して油による洗浄
を行うに至っていた。
【0032】図2は石炭スラリーの循環攪拌混合ライン
および高圧スラリー供給ポンプを経て、スラリー加熱器
から液化反応塔へスラリーを供給するラインの詳細を示
す。
【0033】スラリー調製槽12で攪拌機13によって
攪拌混合された石炭スラリーはスラリー循環ポンプ14
によってラインAおよびラインBにて所定時間循環攪拌
混合されたのち高圧スラリー供給ポンプ15によってス
ラリー加熱器16を経て液化反応塔17へ輸送される。
【0034】高圧スラリーポンプ15はプランジャータ
イプのスラリーポンプであり、プランジャーによってス
ラリーが吸引および圧縮されてピストンフローとしてス
ラリーが加熱器16へ供給される。
【0035】スラリー循環ラインAおよびBのスラリー
の循環量の比率は通常2:1であり、スラリー循環ライ
ンAに大半のスラリーが循環され、循環ラインBへは高
圧スラリーポンプ15へスラリーが吸引されずに圧縮さ
れている状態の時に主として流れる。
【0036】本発明者らは当該の石炭液化プラントにお
いては幅広い石炭種について運転研究を行っているが、
ある石炭種のスラリーに於いては図2のスラリー循環ラ
インBにおいてスラリー中の石炭粒子が凝縮沈降するこ
とによって閉塞がおこり、その結果、スラリーのフィー
ドトラブルが発生してプラントの運転継続が不可能とな
りプラントを休止してラインを油洗浄することがしばし
ば発生するに至っていた。
【0037】本発明者らはこの様な石炭と溶剤の組合せ
に起因して発生するスラリーの供給トラブル発生のメカ
ニズムを究明するとともに、このようなスラリー供給ト
ラブルの発生を抑制する方法について検討するため、ス
ラリーの性状の経時変化について多方面から幅広く調査
検討した結果、主として次の2つのスラリーの性状変化
に起因してスラリー供給トラブルが発生することを究明
した。
【0038】図3はスラリー調製温度60℃の一定条件
下に於いて3種類の石炭種と各々の石炭種の液化によっ
て得られた循環溶剤と触媒を循環攪拌混合して得られた
スラリーの粘度の経時変化を示すものである。
【0039】石炭種Iのスラリーは石炭液化に於ける標
準的な石炭化度の石炭を石炭種Iの石炭液化反応によっ
て得られた循環溶剤と触媒を混合して得られたスラリー
である。
【0040】石炭種IIのスラリーは石炭液化に使用さ
れる石炭の中では比較的石炭化度の高い石炭のスラリー
であり石炭種IIの石炭液化反応によって得られた循環
溶剤と触媒を混合して得られたスラリーである。
【0041】石炭種IIIのスラリーは比較的石炭化度
の低い石炭のスラリーであり、石炭種IIIの石炭液化
反応によって得られた循環溶剤と触媒を混合して得られ
たスラリーである。
【0042】石炭種IIIのスラリーは他の石炭種I、
IIに比べてスラリーの循環攪拌混合時間が長くなるに
つれて急激に粘度が上昇する傾向があり、従来、実施し
ていた石炭種I、IIのスラリーの循環攪拌混合時間で
ある22Hrではスラリー粘度が石炭種I、IIの粘度
のほぼ3倍である150cpにまで上昇し、スラリー循
環ポンプの設備仕様の粘度の上限値である120cpを
超え、これがスラリー循環ポンプの負荷を増加させ、そ
の結果、図2のスラリー循環ラインBの様な比較的流量
の少ない配管内で流量が不足しスラリーフィードトラブ
ルの発生につながったものと考えられる。
【0043】そこで第1段階としてスラリーの粘度上昇
を抑制する手段について検討した。
【0044】図4はスラリー調製時の温度とスラリー粘
度の関係を示す図である。
【0045】スラリー調製時の温度を低下させることに
より、スラリーの粘度が上昇し、50℃以下にすると粘
度は急激に上昇する。
【0046】一方、スラリー調製時の温度を上昇させる
ことにより、粘度は低下するが、スラリー中の溶剤が蒸
発し、温度が100℃を超えると蒸発した溶剤が蒸気と
なり、スラリー循環ポンプのキャビテーションが発生
し、その結果、ポンプの循環能力が低下する。
【0047】本発明者らは上記の知見に基づいてスラリ
ー調製時の適切な温度範囲を50〜100℃とすること
にした。
【0048】また、前述の図3に示す様に、ある石炭種
についてはスラリーの循環攪拌混合時間が長くなると石
炭粒子が膨潤して粘度が上昇することが明らかになった
ため、スラリー調製時の循環攪拌混合時間を短縮してス
ラリー粘度の上昇を抑制する対策を実施しスラリー粘度
を80cp以下となるように調製した。
【0049】具体的には、図2のスラリー調製槽12で
作成するスラリーの量を約半分とし、スラリーの循環攪
拌混合時間を従来22Hrから11Hrに短縮した。
【0050】その結果、石炭種IIIのスラリーによる
石炭液化プラントの運転におけるスラリー循環ラインの
スラリーフィードトラブルの発生回数を約40%低減す
ることができたが、トラブルの発生回数を完全にゼロと
することは不可能であった。
【0051】そこで本発明者らはさらに検討を進めた結
果、石炭種I、II、IIIのスラリーの沈降速度もス
ラリーフィードトラブルを引き起こす原因の一因である
ことを見い出した。
【0052】図5はスラリーの沈降速度の実験結果であ
り、石炭種IIIのスラリーの沈降速度は石炭種I、I
Iの沈降速度の約1.5倍であり、この沈降速度の差に
より、石炭種IIIのスラリー運転の時には従来の石炭
種I、IIのスラリーの場合に比べてスラリー中の石炭
粒子が沈降しやすくなり、その結果、循環ラインでのフ
ィードトラブル発生につながったものと考えられる。
【0053】そこで第2段階の改善として、前出の図2
の循環ラインのフロー図の内、スラリーフィードトラブ
ルが多発したラインBに於けるスラリー中の石炭粒子の
沈降を防止する対策を検討した。
【0054】図6は改善後のスラリーの循環攪拌混合系
統を示す図である。
【0055】スラリーの閉塞トラブルが多発したスラリ
ー循環ラインBでの石炭粒子の沈降を抑制するには、石
炭粒子の粒径を小さくして沈降速度を遅くするかスラリ
ーの循環速度を上昇させて沈降速度を遅くさせるかいず
れかの対策が必要である。
【0056】この内、石炭の粉砕強化による粒度調整対
策については、石炭の強度や水分等によって粒度分布が
異なるため、沈降の原因となる粗粒子(粒径250μm
以上)を完全に粉砕することは不可能である。
【0057】また、石炭スラリーの循環速度を上げる対
策としてはスラリー循環ポンプ20の循環能力を上昇さ
せるか循環ラインBの配管径を小さくすることが必要で
ある。
【0058】しかし、この方法では石炭種や循環溶剤の
種類が変更されるごとにスラリー循環ポンプの能力や循
環ラインの配管径を変更しなければならず得策では無
い。
【0059】そこで、本発明者らは安価でかつ石炭種や
循環溶剤の変更に伴うスラリーの循環速度の変更に容易
に対応できる対策として図6に示す様に、循環ラインA
に流量制限オリィフィス21を設置する対策を考案、実
行し、流量制限オリィフィス21の径を適切な値に選択
することによって循環ラインBの流速を従来使用した石
炭種I、IIのスラリーの場合の1.5倍に調整し、ラ
インBの沈降速度が従来の石炭種I、IIの1.5倍で
あることに対する対策とした。
【0060】その結果、スラリー循環ラインBでの石炭
粒子の沈降によるスラリーフィードトラブルをゼロとす
ることができることを見いだした。
【0061】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに具体的に
説明する。
【0062】図2に示す石炭スラリーの循環攪拌混合ラ
インを使用し、第1段階の改善であるスラリー調製時の
温度条件を60℃とし、スラリー循環攪拌混合時間を2
2Hrから11Hrとし、スラリーの粘度を70cpに
した。
【0063】さらに第2段階の改善として図5に示す如
く、流量制限オリィフィス21によってスラリー循環ラ
インBの流速を従来の1.5倍とする対策を実施した。
【0064】その結果、図6に示す様にスラリー循環ラ
インのフィードトラブルは順次減少し、第2段階の改造
を行うことによってスラリーフィードトラブルを皆無と
することができた。
【0065】
【発明の効果】上述の実施例の様に、本発明に基づく石
炭スラリー調製時に調製温度を50〜100℃以内の適
性範囲し、スラリーの循環攪拌混合時間調整によるスラ
リー粘度の低下対策、および流量制限オリィフィスによ
ってスラリー循環ラインの流速を増加させる対策によっ
て溶剤に対する膨潤性が高くスラリー粘度が上昇しやす
くまたスラリー中の石炭粒子沈降速度が速い石炭種を用
いた場合のスラリーフィードトラブルの発生を皆無とす
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である石炭液化プロセスの全体
フロー図である。
【図2】スラリー循環攪拌混合ラインのフロー図であ
る。
【図3】スラリー循環攪拌混合時間とスラリー粘度の関
係図である。
【図4】スラリー循環攪拌混合時の温度とスラリー粘度
の関係図である。
【図5】スラリーの沈降速度調査結果の図である。
【図6】改善後のスラリー循環攪拌混合ラインのフロー
図である。
【図7】本発明に基づくスラリー循環時間の短縮および
流量制限オリィフィスによる流速の増加によるスラリー
循環攪拌混合ラインでのスラリーフィードトラブルの発
生状況変化を示す図である。
【符号の説明】
1 粉砕機 2 スラリー調製槽 3 攪拌機 4 スラリー循環ポンプ 5 高圧スラリーポンプ 6 スラリー加熱器 7 液化反応塔 8 分離器 9 蒸留設備 10 減圧蒸留塔 11 溶剤水素化反応塔 12 スラリー調製槽 13 攪拌機 14 スラリー循環ポンプ 15 高圧スラリー供給ポンプ 16 スラリー加熱器 17 液化反応塔 18 スラリー調製槽 19 攪拌機 20 スラリー循環ホンプ 21 流量制限オリィフィス 22 高圧スラリー供給ポンプ 23 スラリー加熱器 24 液化反応塔 A スラリー循環ライン B スラリー循環ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川端 睦麿 君津市君津1番地 新日本製鐵株式会社君 津製鐵所内 (72)発明者 山本 久敬 埼玉県川口市戸塚東1―6―6 (72)発明者 井口 憲二 千葉県幕張本郷7―26―1 (72)発明者 山浦 純治 埼玉県越谷市大沢4―15―1

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭、石炭液化用溶剤、および石炭液化
    用触媒を混合してスラリー化し、その石炭スラリーを水
    素の存在下で加圧、加熱して水素化分解し、得られた液
    化油を溶剤と残渣に分離する石炭液化工程と石炭液化工
    程で得られた溶剤の一部を溶剤水素化用触媒の存在下で
    加圧、加熱して水素添加した後、減圧し、石炭液化用溶
    剤として循環使用する溶剤水素化工程を有する石炭液化
    プロセスに於いて、スラリー調製時の温度範囲を50〜
    100℃の範囲とし、この温度で得られるスラリーの粘
    度がスラリー循環ポンプの設備仕様の粘度の範囲以内に
    なるように、スラリーの循環攪拌混合時間を調節するこ
    とを特徴とする石炭液化プロセスに於ける石炭スラリー
    の安定的な調製方法。
  2. 【請求項2】 石炭、石炭液化用溶剤、および石炭液化
    用触媒を混合してスラリー化し、その石炭スラリーを水
    素の存在下で加圧、加熱して水素化分解し、得られた液
    化油を溶剤と残渣に分離する石炭液化工程と石炭液化工
    程で得られた溶剤の一部を溶剤水素化用触媒の存在下で
    加圧、加熱して水素添加した後、減圧し、石炭液化用溶
    剤として循環使用する溶剤水素化工程を有する石炭液化
    プロセスに於いて、スラリー調整槽、槽内のスラリーを
    攪拌混合する攪拌機、スラリー循環ポンプから成る循環
    ラインによって構成されたスラリー調整装置の、循環ラ
    インでの循環速度を調整可能な流量制限オリフィスをス
    ラリー循環ライン内に設置して、スラリーを調整するこ
    とを特徴とする石炭液化プロセスに於ける石炭スラリー
    の安定的な調整方法。
JP14800892A 1992-05-15 1992-05-15 石炭液化プロセスに於ける石炭スラリーの安定的な調製方法 Withdrawn JPH05320665A (ja)

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JP14800892A Withdrawn JPH05320665A (ja) 1992-05-15 1992-05-15 石炭液化プロセスに於ける石炭スラリーの安定的な調製方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4894488A (en) * 1988-03-21 1990-01-16 Comm/Scope, Inc. High frequency signal cable with improved electrical dissipation factor and method of producing same
JP2009286955A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 廃プラスチックの高圧容器への供給方法
KR20170004419A (ko) * 2015-07-02 2017-01-11 주식회사 엘지화학 전극 활물질 슬러리 점도 제어 방법 및 전극 활물질 슬러리 제조장치

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