JPH06287571A - 石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調製方法 - Google Patents

石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調製方法

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JPH06287571A
JPH06287571A JP7979093A JP7979093A JPH06287571A JP H06287571 A JPH06287571 A JP H06287571A JP 7979093 A JP7979093 A JP 7979093A JP 7979093 A JP7979093 A JP 7979093A JP H06287571 A JPH06287571 A JP H06287571A
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slurry
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solvent
coal slurry
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JP7979093A
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English (en)
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Michiharu Mochizuki
通晴 望月
Mutsumaro Kawabata
睦麿 川端
Kenji Iguchi
憲二 井口
Yoshinobu Nogami
義信 野上
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MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
MITSUI SEKITAN EKIKA KK
Nippon Steel Corp
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 石炭スラリー調製工程でスラリー粘度が上昇
することに起因するフィードトラブルを防止するための
石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調製方法を提
供する。 【構成】 石炭液化プロセスにおいて、原料石炭、石炭
液化用溶剤、石炭液化用触媒および界面活性剤を混合し
て石炭スラリーの調製を行う際に、該石炭スラリー調製
時の温度を50〜150℃とし、該石炭スラリーの調製
時間の調節および該石炭スラリーの剪断速度と剪断応力
との関係が第2のニュートン流動領域になるように該石
炭スラリーの剪断速度の調節を行い、該石炭スラリーの
粘度を必要とされる粘度に調製する石炭液化プロセスに
おける石炭スラリーの調製方法により達成される。 【効果】 溶剤に対する膨潤性が高く、スラリー粘度が
上昇しやすい石炭種を用いる場合でもスラリー調製にお
けるスラリーフィードトラブルの発生が抑制され、運転
コストの低減が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温、高圧の水素の存
在下で石炭の液化反応を進行させる石炭液化プロセスに
おける新規な石炭スラリーの調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油資源の枯渇および石油価格の
高騰に伴って代替エネルギーの必要性が認識されるよう
になり、その代替エネルギーの1つとして石炭の液化反
応についても数多くの研究がなされている。
【0003】こうした石炭液化プロセスに関しては、現
在までに、原料石炭、石炭液化用溶剤および石炭液化用
触媒を混合して調製したスラリーを高温、高圧で触媒の
存在下、水素添加により液化反応し、得られた液化油を
軽質油、中質油および重質油に分離精製し、得られた該
液化油の内、軽質油、中質油については製品として、ま
た得られた該液化油の内、重質油(残渣を含む)に対し
ては、減圧蒸留により重質油と残渣成分とを分離した
後、得られた重質油を水素化反応塔で水素化反応を行
い、得られた石炭系溶剤を再び石炭液化用溶剤として戻
して循環使用する石炭液化プロセスなどが良く知られて
いる。
【0004】しかしながら、こうした石炭液化プロセス
において使用される原料石炭は、瀝青炭から褐炭までの
幅広い石炭種が対象となるため、石炭の構造や比重、石
炭液化用溶剤との濡れ性等の諸物性の相違によって、あ
る石炭種では、石炭液化用溶剤等と一緒に混合を行う際
にその混合時間が長くなると石炭粒子のポアの内部に溶
剤が入り込んで膨潤し、石炭粒子の体積分率が増加し、
見掛けの石炭スラリーの濃度が上昇することにより、あ
るいは該石炭粒子が凝集することにより石炭スラリーの
粘度が上昇するために、石炭スラリーの調製時に該石炭
スラリーが循環ラインに閉塞することによるスラリーフ
ィートラブルが発生し、石炭液化プラントの運転停止を
行うに至るなどの問題があった。
【0005】こうした問題を解決する手段について、本
発明者らは、石炭と石炭液化用溶剤の循環攪拌混合を行
う石炭スラリーの調製工程において、その際に発生する
石炭スラリー中の石炭粒子の膨潤および石炭粒子の凝集
によりスラリー粘度が上昇し、それに起因して生じるス
ラリーフィールドトラブルについて、その発生メカニズ
ムを究明すると共に、石炭種に対応したスラリーフィー
ドトラブルの発生抑制対策を検討した結果、石炭スラリ
ーの物性の変化に着目し、該石炭スラリーの諸物性を幅
広く調査検討した結果、石炭粒子の膨潤による石炭スラ
リーの粘度上昇を抑制する手段として、石炭スラリー調
製時の温度および調製時間の制御、さらに好ましくは、
石炭種に対応して石炭スラリー調製時の剪断速度を適正
な範囲に制御することが有効であることを見出だし、そ
の結果を石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調製
方法として特願平4−241445号に開示した。
【0006】上記石炭液化プロセスにおける石炭スラリ
ーの調製方法としては、石炭、石炭液化用溶剤、および
石炭液化用触媒を混合してスラリー化しその石炭スラリ
ーを水素の存在下で加圧、加熱して水素化分解した後、
得られた液化油を溶剤と残渣とに分離する石炭液化工程
と、この石炭液化工程で得られた溶剤の一部を溶剤水素
化用触媒の存在下で加圧、加熱して水素を添加した後、
減圧し、循環使用するための石炭液化用溶剤を得る溶剤
水素化工程とを有する石炭液化プロセスにおいて、その
プロセス中に設けたスラリー循環ライン中に、石炭、石
炭液化用溶剤、および、石炭液化用触媒を循環させて混
合攪拌することにより石炭スラリーを調製する際に、石
炭スラリー調製時の温度を50〜150℃の範囲に設定
し、調製すべきスラリーをこの温度条件下でスラリー循
環ライン中を循環させて、その際の循環混合攪拌時間を
調節すると共に、さらに、スラリー調製槽において石炭
粒子の凝集を抑えることによりスラリーの流量と配管半
径によって定まるスラリーの剪断速度と剪断応力との関
係がニュートン(Newton)流動領域になるように
して、最終的に得られるスラリーの粘度を必要とされる
粘度に調製することを特徴とするものである。
【0007】上記石炭液化プロセスにおける石炭スラリ
ーの調製方法により、スラリー粘度が上昇しやすい石炭
種を用いた場合でもスラリー調製におけるスラリーフィ
ードトラブルの発生を皆無とすることが可能となるもの
であった。
【0008】しかしながら、上記石炭液化プロセスにお
ける石炭スラリーの調製方法においては、石炭スラリー
調製時間が長くなるにつれて急激に粘度が上昇する石炭
種においては、該石炭スラリー調製時間を短縮し、これ
により石炭粒子の膨潤および石炭粒子の凝集を押さえる
ことで、石炭スラリーの粘度の上昇を抑制しており、こ
うした場合には当該石炭液化プラントの有する運転能力
を十分に利用しているとは言えず、また逆に当該石炭液
化プラントの有する運転能力を十分に利用しようとする
には、別途一定の石炭種用として石炭スラリー調製に関
連する設備を設ける必要があるなど、いずれにしても石
油代替エネルギーとして必要な経済性のより一層の改善
が望まれている現状での該石炭液化プロセスにおいて
は、なお充分なものでなかった。
【0009】また、該石炭スラリー調製時間を短縮する
だけで、用いる石炭スラリー量を減量することなく撹拌
混合する場合には、撹拌が不十分となり石炭粒子間の凝
集構造を破壊することが充分にできず、石炭スラリーの
粘度を配管などの閉塞を起こさなくなるのに必要なレベ
ルにまで低下できないため、スラリーフィールドトラブ
ルの発生を完全には防止することができないなど、なお
解決すべき課題を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、高温、高圧の水素の存在下で石炭スラリーの液
化反応を進行させる石炭液化プロセスにおける新規な石
炭スラリーの調製方法を提供するものである。
【0011】また本発明の目的は、石炭液化プロセスに
おいて、石炭スラリーを調製する際に、石炭粒子の膨潤
および石炭粒子の凝集による該石炭スラリーの粘度を抑
制し、スラリーフィールドトラブルの発生を防止すると
共に、該石炭液化プラントの有する運転能力を十分に発
揮することのできる石炭液化プロセスにおける石炭スラ
リーの調製方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明者ら
は、上記諸目的を達成するために、高温、高圧の水素の
存在下で石炭スラリーの液化反応を進行させる石炭液化
プロセスにおける新規な石炭スラリーの調製方法につい
て鋭意検討した結果、従来の石炭スラリーの調製方法、
なかでも本発明者らが先に出願した特願平4−2414
45号の石炭スラリーの調製方法において、さらに石炭
スラリーの混合物固有の性質である粘性を変化させる手
段として、一定量の界面活性剤を該石炭スラリーの混合
物に新たに添加することで、該界面活性剤の働きによ
り、石炭粒子の石炭液化用溶剤への分散を早めることが
でき、また石炭粒子間の凝集構造を破壊し、再凝集を防
止することができることを見出だしたものであり、この
知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
【0013】すなわち、本発明の石炭液化プロセスにお
ける石炭スラリーの調製方法は、(1)原料石炭、石炭
液化用溶剤および石炭液化用触媒を混合して石炭スラリ
ーを調製し、該石炭スラリーを水素の存在下で加圧、加
熱して液化反応させた後、得られた液化油を溶剤と残渣
とに分離する石炭液化工程と、該石炭液化工程で得られ
た溶剤の一部を溶剤水素化用触媒の存在下で加圧、加熱
し、水素を添加して水素化反応させた後、循環使用する
石炭液化用溶剤を得るための溶剤水素化工程とを有する
石炭液化プロセスにおいて、前記石炭スラリーに界面活
性剤を添加することを特徴とする。
【0014】特に、本発明は、(2)原料石炭、石炭液
化用溶剤、石炭液化用触媒および界面活性剤を混合して
石炭スラリーを調製し、該石炭スラリーを水素の存在下
で加圧、加熱して液化反応させた後、得られた液化油を
溶剤と残渣とに分離する石炭液化工程と、該石炭液化工
程で得られた溶剤の一部を溶剤水素化用触媒の存在下で
加圧、加熱し、水素を添加して水素化反応させた後、循
環使用する石炭液化用溶剤を得るための溶剤水素化工程
とを有する石炭液化プロセスであって、前記石炭スラリ
ー調製時の温度を50〜150℃の範囲とし、該石炭ス
ラリーの調製時間の調節、および該石炭スラリーの剪断
速度と剪断応力との関係が第2ニュートン流動領域にな
るように該石炭スラリーの剪断速度の調節を行って、該
石炭スラリーの粘度を必要とされる粘度に調整すること
を特徴とする。
【0015】本発明においては、(3)石炭スラリーの
剪断速度の調節を該石炭スラリーの撹拌混合速度および
/または該石炭スラリーの流量を調節することによって
行うのが好ましい。
【0016】本発明の条件としては、(4)石炭スラリ
ーに対する原料石炭および石炭液化用溶剤の配合割合
が、原料石炭の乾燥重量に対する石炭液化用溶剤の重量
比(石炭液化用溶剤/原料石炭)で1.0〜4.0の範
囲となるようにする。
【0017】また、(5)石炭液化用触媒の粒径が、1
6μm以下の収率90%以上となるようにする。
【0018】さらに、(6)石炭スラリーに対する石炭
液化用触媒の配合量が、原料石炭の乾燥重量に対して1
〜5重量%となるようにする。
【0019】一方、(7)石炭スラリーに対する界面活
性剤の配合量は、原料石炭の乾燥重量に対して0.1〜
1.0重量%となるようにする。
【0020】なお、本発明においては、(8)石炭スラ
リーに必要とされる粘度が、120cp以下である。
【0021】
【作用】本発明は、高温、高圧の水素の存在下で石炭の
液化反応を進行させる石炭液化プロセスにおいて、原料
石炭、石炭液化用溶剤および石炭液化用触媒を混合して
石炭スラリーを調製する際に、該石炭スラリーに新たに
一定量の界面活性剤を添加することにより、好ましくは
さらに石炭スラリー調製時の温度、調製時間および石炭
種に対応して石炭スラリー調製時の剪断速度を適正な範
囲に制御することにより、石炭粒子の膨潤および石炭粒
子間の凝集に起因する石炭スラリー粘度の増加によるス
ラリーフィールドトラブルを防止すると共に該石炭液化
プラントの有する運転能力を十分に発揮することのでき
る石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調製方法で
ある。
【0022】以下、本発明を実施態様に基づき、より詳
細に説明する。
【0023】図1は、本発明に係る石炭液化プロセスに
おける石炭スラリーの調製方法を利用してなる石炭液化
装置全体の一実施態様の構成を模式的に表す概略図を示
すものである。
【0024】図1より、本発明が適用されている石炭液
化装置1の構成としては、石炭秤量槽2、溶剤秤量槽
3、触媒秤量槽4および界面活性剤秤量槽5が設けら
れ、これらはすべて配管6、7、8および9により攪拌
機10を備えてなる石炭スラリー調製槽11の上頭部に
それぞれ連結されている。また石炭スラリー調製槽11
の底槽部は、石炭液化反応塔12の底塔部に配管13で
連結されており、配管13の経路上には、高圧ポンプ1
4が設けれている。また石炭スラリー調製槽11から高
圧ポンプ14までの配管13経路上には、循環ポンプ1
5を設け、石炭スラリー調製槽11の上層部に配管17
で連結されている。一方、コンプレッサー18には配管
19が連結され、配管19の他端は高圧水素ガスが供給
できるように高圧ポンプ14より反応塔12側の配管1
3経路上にバルブ20を経て連結されている。また、反
応塔12直前の配管13の外周部には加熱器21が設け
られている。次に石炭液化反応塔12の頭塔部は分離器
22の上部に配管23により連結されている。さらに分
離器22の上部が蒸留塔24に、分離器22の下部が減
圧蒸留塔25の上塔部にそれぞれ配管26、27により
連結され、蒸留塔24の頭塔部から軽質油を、中央部付
近から中質油を取り出し、底塔部は、配管33により減
圧蒸留塔25に連結されている。一方、上記減圧蒸留塔
25の底塔部が残渣秤量器34に、減圧蒸留塔25の頭
塔部が溶剤水素化反応塔35の頭塔部にそれぞれ配管3
6および37で連結され、溶剤水素化反応塔35の底塔
部が溶剤秤量槽3と配管38で連結されている。
【0025】上記構成を有する石炭液化装置1を使用し
て、本発明の方法に基づいて石炭スラリーを調製した
後、該石炭スラリーを液化して液化油等を得るには、以
下の方法による。
【0026】まず、一定の粒度以下に粉砕された石炭粒
子が石炭秤量槽2より配管6を通じて、水素移動の円滑
化を図るために石炭液化用溶剤が溶剤秤量槽3より配管
7を通じて、また液化油収率を上げるために石炭液化用
触媒が触媒秤量槽4より配管8を通じて、さらに石炭粒
子の凝集防止により石炭スラリーの粘度を低下させるた
めに界面活性剤が界面活性剤秤量槽5より配管9を通じ
て、それぞれ石炭スラリー調製槽11に送られる。
【0027】ここで、石炭秤量槽2に貯蔵される本発明
の石炭液化方法に使用される原料石炭としては、特に限
定されるものでなく、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭等のすべ
てに利用できる。好ましくは、液状生成物の含有率(揮
発分)の多い瀝青炭、亜瀝青炭等である。
【0028】該原料石炭としては、液化反応工程で水素
化分解反応を行わせるために、石炭中に含まれる約15
重量%の水分を通常1〜2重量%まで乾燥した後、通常
150μm以下の粒度の石炭粒子の収率が80%以上と
なるように粉砕された石炭である。該原料石炭が150
μm以下の粒度の石炭粒子の収率80%未満である場合
には、後述する石炭スラリー化し難く、また液化反応が
十分でないなど好ましくない。該石炭の粉砕には、ロッ
ドミル、ボールミル、振動ミル、ディスクミルなどのい
ずれの粉砕機をも用いることができる。
【0029】本発明に用いられる石炭液化用溶剤として
は、本発明の方法により、石炭液化反応させた際に生じ
る液化油の水素化する留分である重質油留分を水素化反
応させた際に生じる石炭系溶剤を循環して石炭液化用溶
剤として使用するものである。該石炭系溶剤を循環使用
することにより該石炭系溶剤を別途用意する必要もなく
コストの低減が図れるものである。
【0030】また、石炭スラリー調製槽11への原料石
炭と石炭液化用溶剤との添加割合は、原料石炭の乾燥重
量に対する石炭液化用溶剤の重量比(石炭液化用溶剤/
原料石炭)で通常1.0〜4.0の範囲である。該添加
割合が原料石炭の乾燥重量に対する石炭液化用溶剤の重
量比(石炭液化用溶剤/原料石炭)で4.0を越える場
合には、反応効率が低下し、また原料石炭の乾燥重量に
対する石炭液化用溶剤の重量比(石炭液化用溶剤/原料
石炭)で1.0未満では、得られる石炭スラリーの粘度
が大きくなり、撹拌による混合が均一になり難く長時間
を要し、また配管内での流動性が低下するため配管詰ま
りが発生するなど好ましくない。
【0031】また、本発明に用いられる石炭液化用触媒
としては、特に限定されるものではないが、触媒能を有
する金属種としては、例えば、鉄、ニッケル、モリブデ
ン、チタン、バナジウムおよびランタンなどが挙げら
れ、好ましくは、比較的安価で入手しやすく、石炭液化
反応で触媒作用の大きい鉄、ニッケルなどであることか
ら、通常、鉄系触媒、ニッケル系触媒、コバルト系触
媒、チタン系触媒、ゼオライト系触媒、モリブデン触
媒、バナジウム触媒、コバルト−モリブデン系触媒およ
びランタン触媒などを用いることができ、好ましくは比
較的安価で入手の容易な鉄系触媒が望ましく、具体的に
は、合成硫化鉄触媒、水酸化鉄または天然鉄鉱石触媒な
どが挙げられる。
【0032】また、石炭スラリー調製槽11への石炭液
化用触媒の添加量は、前記石炭粒子の乾燥重量に対し
て、通常0.5〜5重量%の範囲である。該添加量が
0.5重量%未満の場合には、添加による充分な効果が
得られず、また5重量%を越える場合には、添加量に見
合っただけの効果の増加が得られないため好ましくな
い。
【0033】さらに、該石炭液化用触媒の大きさは、用
いる種類などによって異なるが、通常16μm以下の収
率が90%以上である。該触媒が16μm以下の収率9
0%未満の場合には、触媒能が低下するなど好ましくな
い。
【0034】さらに本発明に用いられる界面活性剤とし
ては、上記石炭液化用溶剤(油)に可溶性のものであれ
ば、特に限定されるものでなく、陰イオン、陽イオン、
非イオン、両性の各界面活性剤およびこれらの高分子化
合物による各界面活性剤のいずれでも使用することがで
きる。
【0035】陰イオン界面活性剤としては、例えば、ア
ルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、
アルキルアリルスルホン酸塩、アミドスルホン酸塩、ジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホン型、
チオアルコールの硫酸エステル塩などの硫酸エステル
型、チオアルコールアルキルフェノールのリン酸エステ
ル塩などのリン酸エステル型、一般式によるRCOO
M、RSO2 NHCH2 COOH、RSCH2 COO
H、RSOCH2 COOH、RCOOC2 4 SCH2
COOHまたはRf COOM(式中、Mは、H、Ca、
Mg、Naなどであり、Rf は、炭化水素系の基のCに
結合するHの代わりに一部または全部をFで置き換えた
基である)などのカルボン酸型などが挙げられる。
【0036】陽イオン界面活性剤としては、例えば、高
級アミン塩、高級アルキル第4アンモニウム塩などが挙
げられる。
【0037】非イオン界面活性剤としては、例えば、ア
ルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルフェニル
ポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸多価アルコールエ
ステル、ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリエチレン
グリコールエステル、パーフルオロアルコールなどが挙
げられる。
【0038】両性界面活性剤としては、例えば、カルボ
ン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸型など
が挙げられる。
【0039】これらの界面活性剤は循環攪拌混合により
該石炭液化用溶剤中に石炭粒子を分散させる働きをする
もので、該界面活性剤の果たす役割としては、該石炭粒
子の表面に吸着し、該石炭粒子の表面を石炭液化用溶剤
により濡れ易くすると共に、外力(せん断力)が加わっ
た場合に該石炭粒子間の凝集体構造を破壊し、該石炭粒
子同士の直接接触を防ぐことによって再凝集を防ぎ、良
好な分散を行わしめるものであり、該石炭スラリーの流
動性を高め、粘性降下剤として寄与するものである。
【0040】また、石炭スラリー調製槽11への界面活
性剤の添加量は、前記石炭粒子の乾燥重量に対して、通
常0.1〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.9重
量%、より好ましくは0.3〜0.9重量%の範囲であ
る。これは、図2に示す本発明に係る石炭液化プロセス
における石炭スラリー調製時における界面活性剤の添加
量と石炭スラリー粘度との一実施態様を表す関係図より
明らかなように、該界面活性剤の添加量が0.1重量%
未満の場合には、添加による充分な石炭スラリーの粘度
の降下作用が得られず、また1.0重量%を越える場合
には、該添加量に見合っただけの充分な石炭スラリーの
粘度低下の効果の増加が得られないため好ましくない。
【0041】続いて、石炭スラリー調製槽11に送られ
た上記混合物からなる石炭スラリーは、石炭スラリー調
製時の温度、該石炭スラリーの調製時間および石炭種に
対応して石炭スラリー調製時の剪断速度を、攪拌機10
による一定の回転速度による撹拌混合および石炭スラリ
ー調製槽11、配管13および配管17により形成され
る循環経路を循環ポンプ15による一定のスラリー流量
での循環により循環混合することにより、該石炭スラリ
ーの剪断速度と剪断応力との関係が第2ニュートン流動
領域になるように、それぞれの因子の調節を行い、該石
炭スラリーの粘度を必要とされる粘度に調製しながら、
充分に撹拌された石炭スラリーを製造する。
【0042】ここで、石炭スラリー調製時の温度として
は、該石炭スラリーの粘度を必要とされる粘度に調製す
る必要上、通常50〜150℃である。これは、図3に
示す本発明に係る石炭液化プロセスにおけるスラリー調
製時の温度と石炭スラリー粘度との一実施態様を表す関
係図から明らかなように、スラリー調製時の温度が50
℃未満の場合には、石炭スラリーの粘度が急速に上昇す
るため、撹拌に必要とされる充分な石炭スラリーの粘度
が得られず、また150℃を越える場合には、粘度は低
下するが、石炭スラリー中の石炭液化用溶剤が蒸発し、
該蒸気圧が原因となってスラリー循環ポンプにキャビテ
ーションが多発し、ポンプの循環能力が低下して、一定
の石炭スラリー流量が維持できず、石炭スラリーの循環
撹拌が充分でないなど好ましくない。
【0043】また、石炭スラリーの調製時間としては、
該石炭スラリーの充分な撹拌混合を達成でき、かつ該石
炭スラリーの粘度を必要とされる粘度に調製する必要が
ある。例えば、図4は、本発明に係る石炭液化プロセス
において、石炭スラリー調製温度60℃の一定条件下、
3種類(石炭種I およびIIは標準的な石炭化度の石炭、
石炭種III は比較的石炭化度の高い石炭)の石炭種と各
石炭種の液化によって得られた石炭系溶剤、触媒および
界面活性剤によるスラリー調製でのスラリー循環攪拌混
合時間とスラリー粘度との一実施態様を表す関係図であ
る。この図から明らかなように、石炭スラリーの調製時
間が、2時間未満では、粘度は低いが、石炭粒子が充分
に石炭液化用溶剤中に分散されておらず、石炭スラリー
の撹拌がなお充分でない。一方、石炭種III のように該
石炭スラリーの調製時間が長くなると石炭粒子の中に石
炭液化用溶剤が入り込んで膨らむ膨潤現象が発生し、石
炭粒子の体積分率が増加して、見掛けの石炭スラリー濃
度が上昇し、該石炭スラリーの粘度が異常に上昇する場
合がある。その結果、設備能力を越えて操業することに
なり、好ましくない。
【0044】スラリー調製時の圧力としては、特に石炭
スラリーの粘度への影響が極めて小さいことから、特に
考慮する必要はなく、通常常圧である。減圧もしくは加
圧する場合、余分に減圧や加圧装置を設けなければなら
ず、これに見合うだけの充分な効果が得られず好ましく
ない。
【0045】さらに、石炭スラリー調製時の剪断速度と
しては、該石炭スラリーの粘度を必要とされる粘度に調
製する必要上、各石炭種に対応して該石炭スラリーの剪
断速度と剪断応力との関係が第2ニュートン流動領域に
なるように調製されるものであり、石炭種により異なる
が、例えば、4〜6sec-1のレベルである。図5に本
発明に係る石炭液化プロセスにおける一般的な石炭スラ
リーの剪断速度と粘度、および石炭スラリーの剪断速度
と剪断応力との一実施態様を表す。この関係図から明ら
かなように、石炭スラリーの調製に当たって、石炭スラ
リーの粘度が最も低くなる剪断速度範囲が存在し、これ
が第2ニュートン流動領域である。この第2ニュート
ン流動領域を外れると、石炭スラリーの剪断速度のわ
ずかな変化に対応して、石炭スラリーの粘度が大きく変
化するようになる。そのため、安定した低い粘度に維持
することが困難となり、均一なスラリー調製ができなく
なるため好ましくない。なお、第2ニュートン流動領域
とは、図5に示すスラリーの剪断速度と粘度およびスラ
リーの剪断速度と剪断応力との関係において、スラリー
剪断速度の対数と剪断応力の対数との関係が45°の傾
斜をなし、剪断速度の対数に対して粘度の対数が一定と
なる第1、第2および第3のニュートン流動領域(、
、)、スラリー剪断速度の対数と剪断応力の対数と
の関係が45°ではなく、剪断速度の対数と粘度の対数
の関係も変化するビンガム(Bingham)流動領域
、擬塑性流動領域、ディラタン(Dilatan
t)流動領域の6種類の流動パターンに分類されるも
ののうち、最も粘度が低く安定しているニュートン流動
領域に相当する流動領域である。
【0046】すなわち、該石炭スラリー調製時の剪断速
度に関しては、石炭液化プラントを運転するに先立って
各石炭種に固有な石炭スラリーの剪断速度と粘度、およ
び石炭スラリーの剪断速度と剪断応力との関係における
6種類の流動パターンの値を事前に把握し、常に第2ニ
ュートン流動領域になるように剪断速度を調節すること
によって最も粘度が低く安定した石炭スラリーを調製す
ることが可能となり、その結果、スラリー循環攪拌混合
ラインにおいて粘度上昇によるスラリーフィードトラブ
ルの発生を抑制することができるものである。
【0047】また、石炭スラリー調製時の剪断速度を第
2ニュートン流動領域になるように調製するる手段とし
ては、例えば、(1)攪拌機10による回転速度の制
御、および石炭スラリーが配管内を循環する際に、一般
に石炭スラリーの剪断速度はD=4Q/πR3 (ここ
で、Dは剪断速度(sec-1)、Qはスラリー流量(m
3/sec)、Rは配管の半径(m)を表す)で与えら
れ、スラリー流量Qが大きく、配管の半径Rが小さいほ
ど、該石炭スラリーの剪断速度は大きくなることから、
(2)石炭スラリー調製槽11、配管13および配管1
7により形成される循環経路を循環するスラリー流量ま
たは(3)配管13および配管17の半径などを調製す
る手段が挙げられる。好ましくは上記(1)の回転速度
および/または上記(2)の循環するスラリー流量をそ
れぞれ調製する手段を用いることが望ましい。これは、
上記(3)の配管半径を石炭種等により調節することは
事実上、困難であり、経済性の面からも得策でないから
である。
【0048】さらに、上記石炭スラリー調製時の温度、
該石炭スラリーの調製時間および石炭種に対応して石炭
スラリー調製時の剪断速度を上述したように調節するこ
とにより、調製される必要とされる該石炭スラリーの粘
度としては、通常120cp以下、好ましくは50〜8
0cp、より好ましくは50〜60cpの範囲に調製さ
れる。該石炭スラリーの粘度が120cpを越える場合
には、石炭スラリーの調製時に該石炭スラリーが石炭ス
ラリー調製槽11や循環配管13、17に閉塞すること
によるスラリーフィードトラブルが発生し、石炭液化プ
ラントの運転継続が不可能となり、プラントの運転を休
止して、閉塞箇所を油洗浄しなければならないなど問題
があるため好ましくない。また、石炭スラリーの粘度が
低い場合には、循環配管などへの閉塞はないが、石炭ス
ラリー濃度が低くなって、プラントの運転による液化油
収率が低下する可能性がある。
【0049】次に、上記石炭スラリーは、高圧ポンプ1
4で一定の圧力に昇圧した後に、コンプレッサー18よ
り同じ圧力の高圧還元ガスを供給して還元雰囲気とし、
さらに加熱器21により一定の温度に加熱された後、石
炭液化反応塔12に一定のスラリー装入速度で装入さ
れ、還元性雰囲気下、高温高圧条件で、該水素ガスと反
応させて水素化分解させるものである。
【0050】ここで、高圧ポンプ14による昇圧は、通
常100〜200気圧である。該高圧ポンプ14として
は、例えば、プランジャータイプのスラリーポンプを用
いることができ、該プランジャーによってスラリーが吸
引および圧縮され、ピストンフローとなって石炭液化反
応塔12に供給されるものである。
【0051】また、上記石炭スラリーに供給される高圧
還元性ガスは、上記石炭スラリーの圧力と同じガス圧力
となるように調整して供給されるものである。還元性ガ
スとしては、水素ガスおよび水素ガスに本発明の液化反
応後に回収されるリサイクル水素ガスを混合したもの
(この場合、水素ガス純度80%以上で可)を用いるこ
とができる。
【0052】さらに上記加熱器21としては、特に限定
されるものでなく、誘導式ヘリカルコイル等を用いるこ
とができる。この加熱器21により、石炭スラリーは、
通常350〜450℃に加熱される。該加熱温度が35
0℃未満の場合には、石炭液化反応塔12に装入後、水
素化分解に適した温度に達するまで時間を要するため好
ましくなく、450℃を越える場合には、配管13内で
水素化分解を生じたり、石炭液化用溶剤が蒸発して蒸気
圧が高くなり、配管13に損傷を招く恐れがあるため好
ましくない。
【0053】また、石炭液化反応塔12での、反応温度
は、通常400〜500℃、好ましくは400〜460
℃であり、また圧力は、上述の高圧ポンプ14による昇
圧により得られた圧力と同じであり、反応時間(反応塔
滞留時間)は、通常40〜80分(またはスラリー装入
速度が、100〜130kg/hr)である。かかる分
解反応条件によって、原料石炭の液化反応が進行するも
のである。上記反応温度が400℃未満では、石炭液化
反応が不十分となり未反応の石炭スラリーが多くなり液
化油の収率が低下し、また500℃を越える場合には、
水素化反応により生成した液化油がさらに分解を受け、
主にガス化が進行するなど液化油の収率が低下するため
好ましくない。また、ガス圧力が、100気圧未満で
は、水素分圧の低下により、石炭液化反応が不十分とな
り液化油の収率が低下し、また、圧力が、200気圧を
越える場合には、液化油がさらに分解しやすくなり、か
つ設備費が高くなって経済的に好ましくない。さらに反
応時間(反応塔滞留時間)が、40分未満の場合には石
炭液化反応が不十分となり液化油の収率が低下し、80
分を越える場合には、生成した液化油がさらに分解を受
けてガス化するなど液化油の収率が低下し、あるいは無
駄な設備費がかかるため好ましくない。
【0054】また、本発明では、触媒を図1に示すよう
に原料石炭、溶剤を混合した石炭スラリーに添加し、混
合した石炭スラリーの状態で、石炭液化反応塔12に供
給して石炭液化反応させる代わりに、原料石炭、溶剤を
混合した石炭スラリーとは別に直接石炭液化反応塔12
に供給して石炭液化反応させることもできる。この場合
の添加条件や反応条件等については、上述の触媒を石炭
スラリーの状態で石炭液化反応塔12に供給する場合と
同様に設定することができる。
【0055】続いて、上記石炭液化反応により得られた
生成物は、配管23を通じて高温分離器22に送られ、
高温分離器22において生成ガス(高圧ガスを含む)、
水および軽中質油(通常C5 〜260℃未満の沸点留
分)からなる成分と重質油(通常260℃以上の沸点留
分)および残渣からなる成分とに分離される。このうち
軽中質油からなる成分は、配管26を通じて蒸留塔24
に送られ、軽質油(通常C5 〜220℃未満の沸点留
分)と中質油(通常220〜260℃未満の沸点留分)
に通常用いられている蒸留操作によって分離され、それ
ぞれ所定の製品油として回収する。
【0056】一方、生成ガスと共に回収される還元性ガ
スは、さらに分離精製した後、リサイクル使用すること
ができる。
【0057】また、上記重質油および残渣からなる成分
は、配管27を通じて減圧蒸留塔25に送られ、減圧蒸
留塔25で減圧蒸留(10〜80torrまで減圧)さ
れて、538℃以上の沸点留分のものは液化残渣として
配管36を通じて残渣秤量器34に排出され除去され
る。
【0058】他方、260〜538℃未満の沸点留分の
重質油は、配管37経路上に設けられた高圧ポンプ(図
示せず)および加熱器(図示せず)により高温高圧下に
保持され、アルミナ担体にNi−Mo触媒またはCo−
Mo触媒などを担持させたものを充填した固定床の水素
化反応塔35に送られ、水素雰囲気下、通常270〜3
80℃、80〜120気圧で該水素化反応塔35で通常
LHSVが1〜2時間、水素ガスと反応させて水素化反
応を行うことにより水素供与性を高めてなるテトラリン
などの成分からなる水素化溶剤を生成することができ
る。得られた該水素化溶剤は、配管38を通じて溶剤秤
量槽3に戻すことにより石炭液化用溶剤として循環使用
されるものである。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0060】実施例1 図1に示す本発明に係る石炭液化プロセスにおける石炭
スラリーの調製方法を利用してなる石炭液化装置1を用
いて、石炭液化反応を行った。
【0061】本実施例1では、ロッドミル粉砕機を用い
て瀝青炭を150μm以下の粒度(収率80%)に粉砕
した3種類(石炭種I 、IIおよびIII 、各石炭種の性状
を表1に示す)の原料石炭を1t/日で装入し、それぞ
れ石炭液化を行った。
【0062】
【表1】
【0063】いずれの液化反応も、まず石炭秤量槽2の
上記原料石炭が配管6を通じて、また溶剤秤量槽3の水
素化溶剤(テトラリンを含む)が配管7を通じて、さら
に触媒秤量槽4より16μm以下の収率が90%の合成
硫化鉄触媒の粒子が配管8を通じて、さらにまた添加剤
秤量槽5より2種類(陰イオン界面活性剤のアルキルベ
ンゼンスルホン酸および非イオン界面活性剤のアルキル
ポリオキシエチレンエーテル)の界面活性剤を用いてそ
れぞれが配管9を通じて石炭スラリー調製槽11に送ら
れた。この際の石炭スラリーに対する原料石炭および石
炭液化用溶剤の配合割合は、原料石炭の乾燥重量に対す
る石炭液化用溶剤の重量比(石炭液化用溶剤/原料石
炭)で1.5であり、石炭スラリーへの触媒の添加量
は、原料石炭粒子の乾燥重量に対して3重量%とした。
【0064】続いて、石炭スラリー調製槽11(容積
1.6m3 )に送られた上記混合物からなる石炭スラリ
ーは、石炭スラリー調製時の温度を60℃とし、また石
炭スラリーの調製時間を各石炭種に対応して4〜20時
間とし、さらに各石炭種に対応して石炭スラリー調製時
の剪断速度を該石炭スラリーの剪断速度と剪断応力との
関係が第2ニュートン流動領域になるように4〜6se
-1に調節すべく、攪拌機8による回転速度30〜10
0rpmによる撹拌混合および石炭スラリー調製槽1
1、配管13および配管17(共に、配管半径0.01
5m)により形成される循環経路を循環ポンプ15によ
るスラリー流量3〜4リッター/hrでの循環により循
環混合することにより、該石炭スラリーの粘度を40〜
60cpの範囲に調整しながら、充分に撹拌された石炭
スラリーを製造した。
【0065】なお各石炭種の各界面活性剤に対応する石
炭スラリー調製時の温度、石炭スラリーの調製時間、石
炭スラリー調製時の剪断速度、回転速度、スラリー流量
および石炭スラリーの粘度を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】次に、上記石炭スラリーは、プランジャー
タイプのスラリーフィードポンプである高圧ポンプ14
に送られ、高圧ポンプ14のプランジャーによって石炭
スラリーは吸引および圧縮されて170気圧まで昇圧さ
れピストンフローとなって石炭液化反応塔12に供給さ
れる。一方、水素ガスは、リサイクルガスと新水素ガス
の混合ガス(水素ガス純度85%異常)がコンプレッサ
ー18で170気圧まで昇圧された後、供給され、さら
に加熱器21により400℃まで加熱された後、石炭液
化反応塔12(塔内;450℃、170気圧)に水素ガ
ス雰囲気下で、スラリー装入速度110kg/hr(反
応塔滞留時間60分)として装入され、該水素雰囲気ガ
スと反応させて水素化分解を行った。
【0068】続いて、上記石炭液化反応により得られた
生成物は、配管23を通じて高温分離器22に送られ、
高温分離器22において生成ガス、水および油に分離さ
れた。このうち油分は、配管26を通じて蒸留塔24に
送られ、沸点留分の差によって、軽質油と中質油とに分
離捕集された。ここで、生成ガスと共に回収される含水
素ガスは、リサイクル水素ガスとして循環使用した。
【0069】一方、重質油(260℃以上の沸点留分)
および残渣からなる成分は、配管27を通じて減圧蒸留
塔25に送られ、該減圧蒸留塔25で減圧蒸留(30〜
80torrまで減圧)され、538℃以上の沸点留分
のものは液化残渣として配管36を通じて系外に排出さ
れ除去された。
【0070】他方、260〜538℃未満の沸点留分の
重質油は、配管37経路上に設けられた高圧ポンプ(図
示せず)および加熱器(図示せず)により高温高圧下に
保持され、Ni−Mo触媒を充填した固定床の水素化反
応塔35に送られ、水素雰囲気下、270〜350℃、
100気圧で該水素化反応塔35にてLHSVが1時
間、水素ガスと反応させて水素化反応を行うことにより
水素供与性を高めてなるテトラリンなどを含む成分から
なる水素化溶剤を生成した。得られた該溶剤は、配管3
8を通じて溶剤秤量槽3に戻すことにより石炭液化用溶
剤として循環使用した。
【0071】以上、3種類(石炭種I 、IIおよびIII )
の原料石炭および2種類(陰イオンおよび非イオン界面
活性剤)の界面活性剤を用いて石炭液化を行った。いず
れの液化反応においても石炭液化プラントでの運転にお
いてスラリー循環攪拌混合ラインにおけるスラリーフィ
ードトラブルを皆無とすることができ、また界面活性剤
の添加により、石炭粒子間の凝集を防止することができ
ることから、石炭スラリーの粘度が短時間で低下でき、
かつプラントの補強を行うことなく、該石炭液化プラン
トの運転能力を石炭スラリー調製時間の短縮に伴って低
下させることなく利用することができることが確認でき
た。
【0072】
【発明の効果】本発明に基づいて、石炭スラリーに界面
活性剤を添加すると共に、石炭スラリー調製時の調製温
度を50〜150℃の適性範囲にし、スラリーの循環撹
拌混合時間を調節し、さらに、スラリー調製時の剪断速
度を第2ニュートン流動領域となるようにスラリー循環
ポンプおよび攪拌機によって制御することにより、石炭
スラリーの粘度を低下させることができ、溶剤に対する
膨潤性が高く、スラリー粘度が上昇しやすい石炭種を用
いた場合でも石炭スラリー調製におけるスラリーフィー
ドトラブルの発生が抑制され、プラントの運転コストの
低減が可能となる。
【0073】さらに、石炭液化プロセス以外の工業分野
においてもスラリー中に石炭のような固体粒子を含み、
そのスラリーを循環攪拌混合し、配管を通じてスラリー
ポンプなどを用いて次工程へ供給することを必要とする
プロセスに対して幅広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る石炭液化プロセスにおける石炭
スラリーの調製方法を利用してなる石炭液化装置全体の
一実施態様の構成を模式的に表す概略図を示す。
【図2】 本発明に係る石炭液化プロセスにおける石炭
スラリー調製時における界面活性剤の添加量と石炭スラ
リー粘度との一実施態様を表す関係図を示す。
【図3】 本発明に係る石炭液化プロセスにおけるスラ
リー調製時の温度と石炭スラリー粘度との一実施態様を
表す関係図を示す。
【図4】 本発明に係る石炭液化プロセスにおいて、石
炭スラリー調製温度60℃の一定条件下、3種類(石炭
種I およびIIは標準的な石炭化度の石炭、石炭種III は
比較的石炭化度の低い石炭)の石炭種と各石炭種の液化
によって得られた溶剤、触媒および界面活性剤によるス
ラリー調製でのスラリー循環攪拌混合時間とスラリー粘
度との一実施態様を表す関係図である。
【図5】 本発明に係る石炭液化プロセスにおける一般
的な石炭スラリーの剪断速度と粘度、および石炭スラリ
ーの剪断速度と剪断応力との一実施態様を表す関係図で
ある。
【符号の説明】
1…石炭液化装置、 2…石炭秤量槽、3
…溶剤秤量槽、 4…触媒秤量槽、5…
界面活性剤秤量槽、6〜9、13、16、17、19、
23、26、27、31〜33、36〜38…配管、1
0…攪拌機、 11…石炭スラリー調
製槽、12…石炭液化反応塔、 14…高圧ポ
ンプ、15…循環ポンプ、 20…バル
ブ、18…コンプレッサー、 21…加熱器、
22…高温分離器、 24…蒸留塔、25
…減圧蒸留塔、 30…水秤量槽、34…
残渣秤量器、 35…溶剤水素化反応塔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井口 憲二 千葉県幕張本郷7−26−1 (72)発明者 野上 義信 千葉県木更津市清見台南2の9

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料石炭、石炭液化用溶剤および石炭液
    化用触媒を混合して石炭スラリーを調製し、該石炭スラ
    リーを水素の存在下で加圧、加熱して液化反応させた
    後、得られた液化油を溶剤と残渣とに分離する石炭液化
    工程と、該石炭液化工程で得られた溶剤の一部を溶剤水
    素化用触媒の存在下で加圧、加熱し、水素を添加して水
    素化反応させた後、循環使用する石炭液化用溶剤を得る
    ための溶剤水素化工程とを有する石炭液化プロセスにお
    いて、前記石炭スラリーに界面活性剤を添加することを
    特徴とする石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調
    製方法。
  2. 【請求項2】 原料石炭、石炭液化用溶剤、石炭液化用
    触媒および界面活性剤を混合させて石炭スラリーを調製
    し、該石炭スラリーを水素の存在下で加圧、加熱して液
    化反応した後、得られた液化油を溶剤と残渣とに分離す
    る石炭液化工程と、該石炭液化工程で得られた溶剤の一
    部を溶剤水素化用触媒の存在下で加圧、加熱し、水素を
    添加して水素化反応させた後、循環使用する石炭液化用
    溶剤を得るための溶剤水素化工程とを有する石炭液化プ
    ロセスであって、前記石炭スラリー調製時の温度を50
    〜150℃の範囲とし、該石炭スラリーの調製時間の調
    節、および該石炭スラリーの剪断速度と剪断応力との関
    係が第2ニュートン流動領域になるように該石炭スラリ
    ーの剪断速度の調節を行って、該石炭スラリーの粘度を
    必要とされる粘度に調整することを特徴とする石炭液化
    プロセスにおける石炭スラリーの調製方法。
  3. 【請求項3】 石炭スラリーの剪断速度の調節を該石炭
    スラリーの撹拌混合速度および/または該石炭スラリー
    の流量を調節することによって行うことを特徴とする請
    求項2に記載の石炭液化プロセスにおける石炭スラリー
    の調製方法。
  4. 【請求項4】 前記石炭スラリーに対する原料石炭およ
    び石炭液化用溶剤の配合割合が、原料石炭の乾燥重量に
    対する石炭液化用溶剤の重量比(石炭液化用溶剤/原料
    石炭)で1.0〜4.0の範囲である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の石炭液化プロセスにおける石炭スラ
    リーの調製方法。
  5. 【請求項5】 石炭液化用触媒の粒径が、16μm以下
    の収率90%以上の微粒子である請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の石炭液化プロセスにおける石炭スラリー
    の調製方法。
  6. 【請求項6】 石炭スラリーに対する石炭液化用触媒の
    配合量が、原料石炭の乾燥重量に対して1〜5重量%で
    ある請求項1ないし5のいずれかに記載の石炭液化プロ
    セスにおける石炭スラリーの調製方法。
  7. 【請求項7】 石炭スラリーに対する界面活性剤の配合
    量が、原料石炭の乾燥重量に対して0.1〜1.0重量
    %である請求項1ないし6のいずれかに記載の石炭液化
    プロセスにおける石炭スラリーの調製方法。
  8. 【請求項8】 石炭スラリーに必要とされる粘度が、1
    20cp以下である請求項1ないし7のいずれかに記載
    の石炭液化プロセスにおける石炭スラリーの調製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008280481A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Yukinobu Mori 石炭の液化方法および装置

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JP2008280481A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Yukinobu Mori 石炭の液化方法および装置

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