JPH05320788A - 高耐摩耗性金属基複合材料及びその製造方法 - Google Patents
高耐摩耗性金属基複合材料及びその製造方法Info
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- JPH05320788A JPH05320788A JP15146592A JP15146592A JPH05320788A JP H05320788 A JPH05320788 A JP H05320788A JP 15146592 A JP15146592 A JP 15146592A JP 15146592 A JP15146592 A JP 15146592A JP H05320788 A JPH05320788 A JP H05320788A
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- Japan
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- metal
- intermetallic compound
- reinforcing fibers
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来に比して耐摩耗性、特に高温度域に於け
る耐摩耗性が改善された複合材料及びその製造方法を提
供する。 【構成】 金属基複合材料であって、個々の強化繊維1
0が金属間化合物34にて被覆され且金属間化合物によ
り互いに連結されている。金属基複合材料の製造方法で
あって、マトリックス金属と反応して金属間化合物を形
成する金属にて強化繊維を被覆し、かくして被覆された
強化繊維の集合体を所定形状に成形して繊維成形体を形
成し、しかる後繊維成形体にマトリックス金属の溶湯を
加圧浸透させ、これにより複合材料の製造と同時に金属
間化合物を形成する。
る耐摩耗性が改善された複合材料及びその製造方法を提
供する。 【構成】 金属基複合材料であって、個々の強化繊維1
0が金属間化合物34にて被覆され且金属間化合物によ
り互いに連結されている。金属基複合材料の製造方法で
あって、マトリックス金属と反応して金属間化合物を形
成する金属にて強化繊維を被覆し、かくして被覆された
強化繊維の集合体を所定形状に成形して繊維成形体を形
成し、しかる後繊維成形体にマトリックス金属の溶湯を
加圧浸透させ、これにより複合材料の製造と同時に金属
間化合物を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属基複合材料及びそ
の製造方法に係り、更に詳細には通常の金属基複合材料
よりも耐摩耗性に優れた金属基複合材料及びその製造方
法に係る。
の製造方法に係り、更に詳細には通常の金属基複合材料
よりも耐摩耗性に優れた金属基複合材料及びその製造方
法に係る。
【0002】
【従来の技術】金属基複合材料の一つとして、例えば本
願出願人と同一の出願人の出願にかかる特開平1−23
0738号公報に記載されている如く、アルミニウム合
金をマトリックスとし短繊維、ウイスカ若しくは粒子を
強化材とするアルミニウム合金系複合材料であって、マ
トリックス中にAl と他の金属との金属間化合物が微細
に分散された複合材料が従来より知られている。
願出願人と同一の出願人の出願にかかる特開平1−23
0738号公報に記載されている如く、アルミニウム合
金をマトリックスとし短繊維、ウイスカ若しくは粒子を
強化材とするアルミニウム合金系複合材料であって、マ
トリックス中にAl と他の金属との金属間化合物が微細
に分散された複合材料が従来より知られている。
【0003】この先の提案にかかる複合材料によれば、
マトリックスとしてのアルミニウム合金中にAl と他の
金属との金属間化合物が微細に分散されており、金属間
化合物によって強化材の間のマトリックスが強化、即ち
地固めされているので、金属間化合物を含まない従来の
通常の複合材料に比して耐摩耗性及び高温度に於ける耐
凝着性を向上させることができ、また従来の複合材料と
同等又はそれ以上の強度を確保することができる。
マトリックスとしてのアルミニウム合金中にAl と他の
金属との金属間化合物が微細に分散されており、金属間
化合物によって強化材の間のマトリックスが強化、即ち
地固めされているので、金属間化合物を含まない従来の
通常の複合材料に比して耐摩耗性及び高温度に於ける耐
凝着性を向上させることができ、また従来の複合材料と
同等又はそれ以上の強度を確保することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の先の提案
にかかる複合材料に於ては、強化繊維及び金属間化合物
は互いに独立して離散的にマトリックス金属中に分散さ
れているにすぎず、各強化繊維は他の強化繊維や金属間
化合物による拘束を受けている訳ではないので、複合材
料が比較的高い温度域、例えば室温とマトリックス金属
の融点との中間の温度以上の温度域に於て摺動部材とし
て使用されると、マトリックス金属は軟化して塑性流動
し易くなり、そのため摺動面近傍の強化繊維が脱落した
りその周囲のマトリックス金属ごと剥ぎ取られたりし、
摺動部材が比較的早期に劣化してしまうという問題があ
る。勿論かかる問題は金属間化合物がマトリックス金属
中に分散されていない従来の通常の複合材料に於ても生
じる。
にかかる複合材料に於ては、強化繊維及び金属間化合物
は互いに独立して離散的にマトリックス金属中に分散さ
れているにすぎず、各強化繊維は他の強化繊維や金属間
化合物による拘束を受けている訳ではないので、複合材
料が比較的高い温度域、例えば室温とマトリックス金属
の融点との中間の温度以上の温度域に於て摺動部材とし
て使用されると、マトリックス金属は軟化して塑性流動
し易くなり、そのため摺動面近傍の強化繊維が脱落した
りその周囲のマトリックス金属ごと剥ぎ取られたりし、
摺動部材が比較的早期に劣化してしまうという問題があ
る。勿論かかる問題は金属間化合物がマトリックス金属
中に分散されていない従来の通常の複合材料に於ても生
じる。
【0005】本発明は、上述の先の提案にかかる複合材
料及び従来の通常の複合材料に於ける上述の如き問題に
鑑み、従来に比して耐摩耗性、特に高温度域に於ける耐
摩耗性が改善された複合材料及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
料及び従来の通常の複合材料に於ける上述の如き問題に
鑑み、従来に比して耐摩耗性、特に高温度域に於ける耐
摩耗性が改善された複合材料及びその製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、金属基複合材料にして、個々の強化繊維が
金属間化合物にて被覆され且金属間化合物により互いに
連結されていることを特徴とする金属基複合材料、及び
金属基複合材料の製造方法にして、マトリックス金属と
反応して金属間化合物を形成する金属にて強化繊維を被
覆し、かくして被覆された強化繊維の集合体を所定形状
に成形して繊維成形体を形成し、しかる後前記繊維成形
体にマトリックス金属の溶湯を浸透させる金属基複合材
料の製造方法によって達成される。
明によれば、金属基複合材料にして、個々の強化繊維が
金属間化合物にて被覆され且金属間化合物により互いに
連結されていることを特徴とする金属基複合材料、及び
金属基複合材料の製造方法にして、マトリックス金属と
反応して金属間化合物を形成する金属にて強化繊維を被
覆し、かくして被覆された強化繊維の集合体を所定形状
に成形して繊維成形体を形成し、しかる後前記繊維成形
体にマトリックス金属の溶湯を浸透させる金属基複合材
料の製造方法によって達成される。
【0007】
【作用】本発明の複合材料によれば、個々の強化繊維は
金属間化合物にて被覆され且金属間化合物により互いに
連結されており、互いに他の強化繊維及び金属間化合物
と共働して二次元的又は三次元的に連続する構造をなし
ているので、複合材料が摺動部材として比較的高い温度
域に於て使用され、摺動面に露呈する強化繊維が相手部
材との摺動によりマトリックス金属より引抜こうとする
力や剪断力を受けても、その強化繊維はそれに連結され
マトリックス金属中に埋設されこれによって強固に保持
された他の強化繊維によりマトリックス金属より引抜か
れることが効果的に防止され、また剪断力が二次元的又
は三次元的に連続する構造をなす複数の強化繊維により
良好に担持され、更にはマトリックス金属の塑性流動が
金属間化合物によって互いに連結された複数の強化繊維
により効果的に抑制され、これにより摺動面近傍の強化
繊維が脱落したりその周囲のマトリックス金属ごと剥ぎ
取られたりすることが確実に防止される。
金属間化合物にて被覆され且金属間化合物により互いに
連結されており、互いに他の強化繊維及び金属間化合物
と共働して二次元的又は三次元的に連続する構造をなし
ているので、複合材料が摺動部材として比較的高い温度
域に於て使用され、摺動面に露呈する強化繊維が相手部
材との摺動によりマトリックス金属より引抜こうとする
力や剪断力を受けても、その強化繊維はそれに連結され
マトリックス金属中に埋設されこれによって強固に保持
された他の強化繊維によりマトリックス金属より引抜か
れることが効果的に防止され、また剪断力が二次元的又
は三次元的に連続する構造をなす複数の強化繊維により
良好に担持され、更にはマトリックス金属の塑性流動が
金属間化合物によって互いに連結された複数の強化繊維
により効果的に抑制され、これにより摺動面近傍の強化
繊維が脱落したりその周囲のマトリックス金属ごと剥ぎ
取られたりすることが確実に防止される。
【0008】また本発明の複合材料の製造方法によれ
ば、マトリックス金属と反応して金属間化合物を形成す
る金属にて強化繊維が被覆され、かくして被覆された強
化繊維の集合体が所定形状に成形されて繊維成形体が形
成され、しかる後繊維成形体にマトリックス金属の溶湯
が浸透せしめられるので、マトリックス金属の溶湯が繊
維成形体の個々の強化繊維の間に浸透されて複合材料が
形成されると同時に強化繊維に被覆されていた金属とマ
トリックス金属とが反応して強化繊維の周りに金属間化
合物を形成し、従って個々の強化繊維が金属間化合物に
て被覆され且金属間化合物により互いに連結された複合
材料を能率よく且低廉に製造することが可能である。
ば、マトリックス金属と反応して金属間化合物を形成す
る金属にて強化繊維が被覆され、かくして被覆された強
化繊維の集合体が所定形状に成形されて繊維成形体が形
成され、しかる後繊維成形体にマトリックス金属の溶湯
が浸透せしめられるので、マトリックス金属の溶湯が繊
維成形体の個々の強化繊維の間に浸透されて複合材料が
形成されると同時に強化繊維に被覆されていた金属とマ
トリックス金属とが反応して強化繊維の周りに金属間化
合物を形成し、従って個々の強化繊維が金属間化合物に
て被覆され且金属間化合物により互いに連結された複合
材料を能率よく且低廉に製造することが可能である。
【0009】尚本発明に於ける「強化繊維」は短繊維、
即ちアルミナ−シリカ短繊維の如き不連続繊維、所定の
長さにチョッピングされたアルミナ長繊維の如き連続繊
維、炭化ケイ素ウイスカの如きウイスカであることが好
ましいが、必要ならばアルミナ長繊維の如き長繊維であ
ってもよい。
即ちアルミナ−シリカ短繊維の如き不連続繊維、所定の
長さにチョッピングされたアルミナ長繊維の如き連続繊
維、炭化ケイ素ウイスカの如きウイスカであることが好
ましいが、必要ならばアルミナ長繊維の如き長繊維であ
ってもよい。
【0010】また本発明の複合材料の製造方法に於て強
化繊維に被覆される金属は強化繊維に悪影響を及ぼすこ
となくマトリックス金属と反応して金属間化合物を形成
する金属である限り任意の金属であってよいが、特にマ
トリックス金属がアルミニウム合金である場合には強化
繊維に被覆される金属はFe 、Ni 、Co 、Cr 、Cu
、Mn 、Mo 、V、W、Ta 、Nb 、Ti 、Zr 又は
これらの何れかを主成分とする合金であってよい。
化繊維に被覆される金属は強化繊維に悪影響を及ぼすこ
となくマトリックス金属と反応して金属間化合物を形成
する金属である限り任意の金属であってよいが、特にマ
トリックス金属がアルミニウム合金である場合には強化
繊維に被覆される金属はFe 、Ni 、Co 、Cr 、Cu
、Mn 、Mo 、V、W、Ta 、Nb 、Ti 、Zr 又は
これらの何れかを主成分とする合金であってよい。
【0011】また本発明の複合材料に於ける金属間化合
物の量が少ない場合には強化繊維を良好に連結すること
ができず、また金属間化合物は一般に非常に硬くて脆い
という性質を有しているので、金属間化合物の体積率が
高すぎると複合材料の強度等が却って低下したり相手材
の摩耗量を増大させてしまうという問題が生じ易い。従
って本発明の複合材料に於ける金属間化合物の体積率は
10〜70%、特に20〜50%であることが好まし
い。
物の量が少ない場合には強化繊維を良好に連結すること
ができず、また金属間化合物は一般に非常に硬くて脆い
という性質を有しているので、金属間化合物の体積率が
高すぎると複合材料の強度等が却って低下したり相手材
の摩耗量を増大させてしまうという問題が生じ易い。従
って本発明の複合材料に於ける金属間化合物の体積率は
10〜70%、特に20〜50%であることが好まし
い。
【0012】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
例について詳細に説明する。
【0013】まず繊維径2〜5μm 、繊維長1〜4mmの
アルミナ−シリカ短繊維10(イソライト工業株式会社
製「アルシロン」)に真空蒸着を適用することにより、
図1に示されている如くアルミナ−シリカ短繊維10を
平均厚さ0.4μm のNi層12にて被覆した。次いで
かくしてNiにて被覆されたアルミナ−シリカ短繊維1
0′を吸引成形することにより、図2に示されている如
く外径106mm、内径82mm、高さ18mmの寸法を有し
実質的に三次元的に無作為に配向された体積率10%の
アルミナ−シリカ短繊維10′よりなる円筒状の繊維成
形体14を形成した。
アルミナ−シリカ短繊維10(イソライト工業株式会社
製「アルシロン」)に真空蒸着を適用することにより、
図1に示されている如くアルミナ−シリカ短繊維10を
平均厚さ0.4μm のNi層12にて被覆した。次いで
かくしてNiにて被覆されたアルミナ−シリカ短繊維1
0′を吸引成形することにより、図2に示されている如
く外径106mm、内径82mm、高さ18mmの寸法を有し
実質的に三次元的に無作為に配向された体積率10%の
アルミナ−シリカ短繊維10′よりなる円筒状の繊維成
形体14を形成した。
【0014】次いで繊維成形体を400℃に予熱した
後、図3に示されている如く繊維成形体14をディーゼ
ルエンジン用ピストンを鋳造するための鋳造装置16の
主型18内の所定の位置に配置し、主型内に760℃の
アルミニウム合金(JIS規格AC8A、融点535
℃)の溶湯20を注湯し、溶湯を主型18に嵌合する上
型22により1000kgf /cm2 の圧力にて加圧して短
繊維成形体に溶湯を浸透させ、溶湯に対する加圧状態を
溶湯が完全に凝固するまで保持した。溶湯が完全に凝固
した後、形成された鋳物をノックアウトピン24により
主型18より取り出し、鋳物に対しT7熱処理及び機械
加工を施すことにより直径101mm、長さ88mmのディ
ーゼルエンジン用のピストンを9個形成した。
後、図3に示されている如く繊維成形体14をディーゼ
ルエンジン用ピストンを鋳造するための鋳造装置16の
主型18内の所定の位置に配置し、主型内に760℃の
アルミニウム合金(JIS規格AC8A、融点535
℃)の溶湯20を注湯し、溶湯を主型18に嵌合する上
型22により1000kgf /cm2 の圧力にて加圧して短
繊維成形体に溶湯を浸透させ、溶湯に対する加圧状態を
溶湯が完全に凝固するまで保持した。溶湯が完全に凝固
した後、形成された鋳物をノックアウトピン24により
主型18より取り出し、鋳物に対しT7熱処理及び機械
加工を施すことにより直径101mm、長さ88mmのディ
ーゼルエンジン用のピストンを9個形成した。
【0015】次いでかくして形成された9個のピストン
のうちの一つのピストンを切断し、その断面を観察し
た。図4は上述の如く形成されたピストン26のトップ
リング溝28及びその周囲の部分を示す拡大部分断面図
であり、図4に於て30は互いに連結されたアルミナ−
シリカ短繊維10により複合強化されたアルミニウム合
金32よりなる複合材料の部分を示している。尚図4に
於ては金属間化合物の図示は省略されている。また図5
は複合材料の部分30の組織を模式的に示す拡大部分断
面図であり、図5に於て34はアルミナ−シリカ短繊維
10に被覆されていたNiが加圧鋳造時にマトリックス
金属中のAlと反応することによりアルミナ−シリカ短
繊維10の周りに形成され互いに結合された金属間化合
物の部分を示している。
のうちの一つのピストンを切断し、その断面を観察し
た。図4は上述の如く形成されたピストン26のトップ
リング溝28及びその周囲の部分を示す拡大部分断面図
であり、図4に於て30は互いに連結されたアルミナ−
シリカ短繊維10により複合強化されたアルミニウム合
金32よりなる複合材料の部分を示している。尚図4に
於ては金属間化合物の図示は省略されている。また図5
は複合材料の部分30の組織を模式的に示す拡大部分断
面図であり、図5に於て34はアルミナ−シリカ短繊維
10に被覆されていたNiが加圧鋳造時にマトリックス
金属中のAlと反応することによりアルミナ−シリカ短
繊維10の周りに形成され互いに結合された金属間化合
物の部分を示している。
【0016】また比較の目的で、実質的に互いに均一に
混合された体積率10%のアルミナ−シリカ短繊維(実
施例に於て使用された繊維と同一)と体積率6%のNi
粉末(平均粒径5μm )とよりなる円筒状の繊維成形体
が形成され、この繊維成形体が使用された点を除き上述
の実施例の場合と同一の要領及び条件にてディーゼルエ
ンジン用のピストンを9個形成した。
混合された体積率10%のアルミナ−シリカ短繊維(実
施例に於て使用された繊維と同一)と体積率6%のNi
粉末(平均粒径5μm )とよりなる円筒状の繊維成形体
が形成され、この繊維成形体が使用された点を除き上述
の実施例の場合と同一の要領及び条件にてディーゼルエ
ンジン用のピストンを9個形成した。
【0017】図6はかくして形成された9個の比較例の
ピストンのうちの一つのピストンに於ける複合材料の部
分に現れた組織を示す図5と同様の拡大部分断面図であ
り、図6に於て10及び34はそれぞれマトリックス金
属としてのアルミニウム合金32中に離散的に分散され
たアルミナ−シリカ短繊維及び金属間化合物の部分を示
している。
ピストンのうちの一つのピストンに於ける複合材料の部
分に現れた組織を示す図5と同様の拡大部分断面図であ
り、図6に於て10及び34はそれぞれマトリックス金
属としてのアルミニウム合金32中に離散的に分散され
たアルミナ−シリカ短繊維及び金属間化合物の部分を示
している。
【0018】尚上述の如く形成された実施例及び比較例
のピストンの切断面に現れた金属間化合物の部分をX線
回折試験により調査したところ、金属間化合物はNiA
l3又はNiAl3 及びNi2 Al3 であり、切断面に
現れたアルミナ−シリカ短繊維及び金属間化合物の面積
率はそれぞれ約9%、約35%であった。
のピストンの切断面に現れた金属間化合物の部分をX線
回折試験により調査したところ、金属間化合物はNiA
l3又はNiAl3 及びNi2 Al3 であり、切断面に
現れたアルミナ−シリカ短繊維及び金属間化合物の面積
率はそれぞれ約9%、約35%であった。
【0019】次いで上述の如く形成された実施例及び比
較例のピストンを4気筒4000ccの直噴式ディーゼル
エンジンに組み込み、軽油を燃料としてエンジンを回転
数2500rpm (Aパターン)及び3600rpm (Bパ
ターン)にて100時間に亘り運転する耐久試験を行っ
た。
較例のピストンを4気筒4000ccの直噴式ディーゼル
エンジンに組み込み、軽油を燃料としてエンジンを回転
数2500rpm (Aパターン)及び3600rpm (Bパ
ターン)にて100時間に亘り運転する耐久試験を行っ
た。
【0020】耐久試験終了後各ピストンを切断してトッ
プリング溝周囲の部分のマトリックスの硬さを測定する
ことにより耐久試験時に於けるピストンのトップリング
溝周囲の部分の到達温度を推定したところ、到達温度は
エンジンが回転数2500rpm (Aパターン)にて運転
されたピストンについては230℃であり、エンジンが
回転数3600rpm (Bパターン)にて運転されたピス
トンについては280℃であると推定された。
プリング溝周囲の部分のマトリックスの硬さを測定する
ことにより耐久試験時に於けるピストンのトップリング
溝周囲の部分の到達温度を推定したところ、到達温度は
エンジンが回転数2500rpm (Aパターン)にて運転
されたピストンについては230℃であり、エンジンが
回転数3600rpm (Bパターン)にて運転されたピス
トンについては280℃であると推定された。
【0021】また各ピストンについてトップリング溝の
摩耗量(反スラスト側の上下面の最大摩耗量)を測定し
た。その結果を4気筒の各ピストンについての摩耗量の
平均値として下記の表1に示す。
摩耗量(反スラスト側の上下面の最大摩耗量)を測定し
た。その結果を4気筒の各ピストンについての摩耗量の
平均値として下記の表1に示す。
【0022】
【表1】 Aパターン Bパターン (推定温度:230℃) (推定温度:280℃) 実施例 5μm (凝着なし) 6μm (凝着なし) 比較例 6μm (凝着なし) 35μm (凝着なし) 表1より、実施例に於ける摩耗量はAパターン及びBパ
ターンの何れについても比較例の摩耗量よりも少なく、
特に実施例によれば室温とマトリックス金属の融点(5
35℃)との中間の温度以上の温度である280℃に於
ける摩耗量を比較例の摩耗量の約6分の1に大幅に低減
できることが解る。
ターンの何れについても比較例の摩耗量よりも少なく、
特に実施例によれば室温とマトリックス金属の融点(5
35℃)との中間の温度以上の温度である280℃に於
ける摩耗量を比較例の摩耗量の約6分の1に大幅に低減
できることが解る。
【0023】また耐久試験後の実施例及び比較例のトッ
プリング溝部の状態を観察したところ、比較例に於ては
トップリング溝部のアルミナ−シリカ短繊維がマトリッ
クス金属であるアルミニウム合金ごと脱落した部分が存
在していたのに対し、実施例に於てはトップリング溝の
壁面より露出したアルミナ−シリカ短繊維は金属間化合
物によってそれに連結されアルミニウム合金中に埋設さ
れこれにより強固に保持された他のアルミナ−シリカ短
繊維により脱落することがないよう保持された状態にあ
ることが認められた。
プリング溝部の状態を観察したところ、比較例に於ては
トップリング溝部のアルミナ−シリカ短繊維がマトリッ
クス金属であるアルミニウム合金ごと脱落した部分が存
在していたのに対し、実施例に於てはトップリング溝の
壁面より露出したアルミナ−シリカ短繊維は金属間化合
物によってそれに連結されアルミニウム合金中に埋設さ
れこれにより強固に保持された他のアルミナ−シリカ短
繊維により脱落することがないよう保持された状態にあ
ることが認められた。
【0024】尚強化繊維として平均繊維長3mm、平均繊
維径2mmのアルミナ短繊維(ICI社製「サフィル」)
が使用された場合、及び強化繊維を被覆する金属として
Cuが使用された場合にも上述の実施例の場合と同様の
良好な結果が得られた。
維径2mmのアルミナ短繊維(ICI社製「サフィル」)
が使用された場合、及び強化繊維を被覆する金属として
Cuが使用された場合にも上述の実施例の場合と同様の
良好な結果が得られた。
【0025】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。例
えば本発明の複合材料の用途は実施例の如きピストンに
限定されるものではなく、高温度に於ける摺動面の耐摩
耗性が高いことが必要とされる任意の部材であってよ
い。
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。例
えば本発明の複合材料の用途は実施例の如きピストンに
限定されるものではなく、高温度に於ける摺動面の耐摩
耗性が高いことが必要とされる任意の部材であってよ
い。
【0026】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、個々
の強化繊維は金属間化合物にて被覆され且金属間化合物
により互いに連結されており、互いに他の強化繊維及び
金属間化合物と共働して二次元的又は三次元的に連続す
る構造をなしているので、複合材料が摺動部材として比
較的高い温度域に於て使用され、摺動面に露呈する強化
繊維が相手部材との摺動によりマトリックス金属より引
抜こうとする力や剪断力を受けても、その強化繊維はそ
れに連結されマトリックス金属中に埋設されこれによっ
て強固に保持された他の強化繊維によりマトリックス金
属より引抜かれることが効果的に防止され、また剪断力
が二次元的又は三次元的に連続する構造をなす複数の強
化繊維により良好に担持され、更にはマトリックス金属
の塑性流動が金属間化合物によって互いに連結された複
数の強化繊維により効果的に抑制され、これにより摺動
面近傍の強化繊維が脱落したりその周囲のマトリックス
金属ごと剥ぎ取られたりすることを確実に防止すること
ができ、従って摺動部材として使用される際の耐摩耗
性、特に高温度に於ける耐摩耗性を大幅に向上させるこ
とができる。
の強化繊維は金属間化合物にて被覆され且金属間化合物
により互いに連結されており、互いに他の強化繊維及び
金属間化合物と共働して二次元的又は三次元的に連続す
る構造をなしているので、複合材料が摺動部材として比
較的高い温度域に於て使用され、摺動面に露呈する強化
繊維が相手部材との摺動によりマトリックス金属より引
抜こうとする力や剪断力を受けても、その強化繊維はそ
れに連結されマトリックス金属中に埋設されこれによっ
て強固に保持された他の強化繊維によりマトリックス金
属より引抜かれることが効果的に防止され、また剪断力
が二次元的又は三次元的に連続する構造をなす複数の強
化繊維により良好に担持され、更にはマトリックス金属
の塑性流動が金属間化合物によって互いに連結された複
数の強化繊維により効果的に抑制され、これにより摺動
面近傍の強化繊維が脱落したりその周囲のマトリックス
金属ごと剥ぎ取られたりすることを確実に防止すること
ができ、従って摺動部材として使用される際の耐摩耗
性、特に高温度に於ける耐摩耗性を大幅に向上させるこ
とができる。
【0027】また本発明の複合材料の製造方法によれ
ば、マトリックス金属と反応して金属間化合物を形成す
る金属にて強化繊維が被覆され、かくして被覆された強
化繊維の集合体が所定形状に成形されて繊維成形体が形
成され、しかる後繊維成形体にマトリックス金属の溶湯
が浸透せしめられるので、マトリックス金属の溶湯が繊
維成形体の個々の強化繊維の間に浸透されて複合材料が
形成されると同時に強化繊維に被覆されていた金属とマ
トリックス金属とが反応して強化繊維の周りに金属間化
合物を形成し、これにより個々の強化繊維が金属間化合
物にて被覆され且金属間化合物により互いに連結された
複合材料を能率よく且低廉に製造することができる。
ば、マトリックス金属と反応して金属間化合物を形成す
る金属にて強化繊維が被覆され、かくして被覆された強
化繊維の集合体が所定形状に成形されて繊維成形体が形
成され、しかる後繊維成形体にマトリックス金属の溶湯
が浸透せしめられるので、マトリックス金属の溶湯が繊
維成形体の個々の強化繊維の間に浸透されて複合材料が
形成されると同時に強化繊維に被覆されていた金属とマ
トリックス金属とが反応して強化繊維の周りに金属間化
合物を形成し、これにより個々の強化繊維が金属間化合
物にて被覆され且金属間化合物により互いに連結された
複合材料を能率よく且低廉に製造することができる。
【図1】Ni層にて被覆されたアルミナ−シリカ短繊維
の横断面を示す解図的断面図である。
の横断面を示す解図的断面図である。
【図2】Ni層にて被覆され実質的に三次元的に無作為
に配向されたアルミナ−シリカ短繊維よりなる円筒状の
繊維成形体を示す斜視図である。
に配向されたアルミナ−シリカ短繊維よりなる円筒状の
繊維成形体を示す斜視図である。
【図3】図2に示された繊維成形体を用いてディーゼル
エンジン用ピストンを鋳造する状態を示す断面図であ
る。
エンジン用ピストンを鋳造する状態を示す断面図であ
る。
【図4】ディーゼルエンジン用ピストンのトップリング
溝部を示す拡大部分断面図である。
溝部を示す拡大部分断面図である。
【図5】図4に示された複合材料の部分の組織を模式的
に示す拡大部分断面図である。
に示す拡大部分断面図である。
【図6】比較例の複合材料の部分の組織を模式的に示す
拡大部分断面図である。
拡大部分断面図である。
10…アルミナ−シリカ短繊維 10′…Ni層にて被覆されたアルミナ−シリカ短繊維 12…Ni層 14…繊維成形体 16…鋳造装置 20…アルミニウム合金の溶湯 26…ピストン 28…トップリング溝 30…複合材料 32…アルミニウム合金 34…金属間化合物の部分
Claims (2)
- 【請求項1】金属基複合材料にして、個々の強化繊維が
金属間化合物にて被覆され且金属間化合物により互いに
連結されていることを特徴とする金属基複合材料。 - 【請求項2】金属基複合材料の製造方法にして、マトリ
ックス金属と反応して金属間化合物を形成する金属にて
強化繊維を被覆し、かくして被覆された強化繊維の集合
体を所定形状に成形して繊維成形体を形成し、しかる後
前記繊維成形体にマトリックス金属の溶湯を浸透させる
金属基複合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15146592A JPH05320788A (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | 高耐摩耗性金属基複合材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15146592A JPH05320788A (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | 高耐摩耗性金属基複合材料及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05320788A true JPH05320788A (ja) | 1993-12-03 |
Family
ID=15519129
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15146592A Pending JPH05320788A (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | 高耐摩耗性金属基複合材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05320788A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0864660A2 (en) | 1997-02-12 | 1998-09-16 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Piston for internal combustion engine and method for producing same |
-
1992
- 1992-05-19 JP JP15146592A patent/JPH05320788A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0864660A2 (en) | 1997-02-12 | 1998-09-16 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Piston for internal combustion engine and method for producing same |
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