JPH086637B2 - 繊維強化アルミニウム合金製内燃機関用ピストン - Google Patents
繊維強化アルミニウム合金製内燃機関用ピストンInfo
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- JPH086637B2 JPH086637B2 JP63055870A JP5587088A JPH086637B2 JP H086637 B2 JPH086637 B2 JP H086637B2 JP 63055870 A JP63055870 A JP 63055870A JP 5587088 A JP5587088 A JP 5587088A JP H086637 B2 JPH086637 B2 JP H086637B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C22C49/00—Alloys containing metallic or non-metallic fibres or filaments
- C22C49/02—Alloys containing metallic or non-metallic fibres or filaments characterised by the matrix material
- C22C49/08—Iron group metals
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F3/00—Pistons
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- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、内燃機関用ピストンに係り、更に詳細には
繊維強化アルミニウム合金製の内燃機関用ピストンに係
る。
繊維強化アルミニウム合金製の内燃機関用ピストンに係
る。
従来の技術 アルミニウム合金にて形成された内燃機関用ピストン
に於ては、そのトップリング溝に於て摩耗し易く、その
ためトップリング溝周囲の部分が種々の強化材にて複合
強化されたピストンが従来より提案され実施されてい
る。例えば本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特
開昭58−9386号公報には、トップリング溝周囲の部分を
セラミック繊維にて複合強化することが記載されてお
り、特開昭59−218341号公報及び特開昭61−132260号公
報にはそれぞれトップリング溝周囲の部分が発泡金属体
及び鋳鉄繊維にて複合強化されたピストンが記載されて
いる。
に於ては、そのトップリング溝に於て摩耗し易く、その
ためトップリング溝周囲の部分が種々の強化材にて複合
強化されたピストンが従来より提案され実施されてい
る。例えば本願出願人と同一の出願人の出願にかかる特
開昭58−9386号公報には、トップリング溝周囲の部分を
セラミック繊維にて複合強化することが記載されてお
り、特開昭59−218341号公報及び特開昭61−132260号公
報にはそれぞれトップリング溝周囲の部分が発泡金属体
及び鋳鉄繊維にて複合強化されたピストンが記載されて
いる。
発明が解決しようとする課題 トップリング溝周囲の部分が強化材にて複合強化され
た上述の如きピストンによれば、ピストン全体がアルミ
ニウム合金のみにて形成されている場合に比してトップ
リング溝の壁面の耐摩耗性を向上させ、これによりピス
トンの耐久性を向上させることができる。しかし内燃機
関の高性能化を図るべく、これらのピストンが比較的高
い温度条件下にて使用される場合には、トップリング溝
の壁面の摩耗が大きくなり、特にトップリング溝の壁面
の温度が250℃以上になる場合には、アルミニウム合金
のみよりなるピストンの場合とほぼ同等の耐摩耗性しか
得られなくなる。
た上述の如きピストンによれば、ピストン全体がアルミ
ニウム合金のみにて形成されている場合に比してトップ
リング溝の壁面の耐摩耗性を向上させ、これによりピス
トンの耐久性を向上させることができる。しかし内燃機
関の高性能化を図るべく、これらのピストンが比較的高
い温度条件下にて使用される場合には、トップリング溝
の壁面の摩耗が大きくなり、特にトップリング溝の壁面
の温度が250℃以上になる場合には、アルミニウム合金
のみよりなるピストンの場合とほぼ同等の耐摩耗性しか
得られなくなる。
本願発明者等は、上述の如き従来のアルミニウム合金
製のピストンについて種々の実験的研究を行ったとこ
ろ、トップリング溝の壁面が250℃以上になる過酷な熱
的条件下に於て従来のピストンが使用される場合には、
マトリックスのアルミニウム合金がトップリングに移着
することに起因する急激な摩耗、即ち凝着摩耗がトップ
リング溝の下面に生じ易いことが解った。またこの凝着
摩耗は通常の状態に於ては強化材によりマトリックスが
トップリングに直接接触することが回避されるのに対
し、アルミニウム合金が高温に加熱されると軟化し、こ
れにより複合材料の表面の強化材がマトリックスによっ
て適正には保持されなくなり、軟化したアルミニウム合
金が直接トップリングと接触することにより生ずるもの
であることが解った。
製のピストンについて種々の実験的研究を行ったとこ
ろ、トップリング溝の壁面が250℃以上になる過酷な熱
的条件下に於て従来のピストンが使用される場合には、
マトリックスのアルミニウム合金がトップリングに移着
することに起因する急激な摩耗、即ち凝着摩耗がトップ
リング溝の下面に生じ易いことが解った。またこの凝着
摩耗は通常の状態に於ては強化材によりマトリックスが
トップリングに直接接触することが回避されるのに対
し、アルミニウム合金が高温に加熱されると軟化し、こ
れにより複合材料の表面の強化材がマトリックスによっ
て適正には保持されなくなり、軟化したアルミニウム合
金が直接トップリングと接触することにより生ずるもの
であることが解った。
従って上述の如き従来のピストンに於ては、内燃機関
の運転時に於けるトップリング溝周囲の到達温度を少く
とも220℃以下、好ましくは200℃以下に維持することが
必要であり、このことは例えばトップリング溝の位置、
ピストンの各部の寸法、オイルチャンネルの形成等の如
く、ピストンの設計の自由度を制約する一つの要因とな
っている。
の運転時に於けるトップリング溝周囲の到達温度を少く
とも220℃以下、好ましくは200℃以下に維持することが
必要であり、このことは例えばトップリング溝の位置、
ピストンの各部の寸法、オイルチャンネルの形成等の如
く、ピストンの設計の自由度を制約する一つの要因とな
っている。
更に本願発明者等は、250℃前後の高温域に於けるト
ップリング溝壁面の摩耗量を低減させるためには、この
温度域に於ても複合材料自体の耐摩耗性が高く且相手材
への攻撃性が小さいことが必要であり、そのためには (イ)強化材が高温度に於てもトップリングを支えるの
に十分な剛性を有していること、 (ロ)マトリックスが高温度に於ても塑性変形を生じる
ことなく強化材を適正な状態に保持するに十分な耐熱性
を有していること、 の二つの点が重要であり、上述の特開昭58−9386号の複
合材料に於ては(ロ)の特性が不足しており、上述の特
開昭59−218341号のピストンの複合材料及び特開昭61−
132260号の複合材料に於ては(イ)の特性が不足してい
ることを究明した。
ップリング溝壁面の摩耗量を低減させるためには、この
温度域に於ても複合材料自体の耐摩耗性が高く且相手材
への攻撃性が小さいことが必要であり、そのためには (イ)強化材が高温度に於てもトップリングを支えるの
に十分な剛性を有していること、 (ロ)マトリックスが高温度に於ても塑性変形を生じる
ことなく強化材を適正な状態に保持するに十分な耐熱性
を有していること、 の二つの点が重要であり、上述の特開昭58−9386号の複
合材料に於ては(ロ)の特性が不足しており、上述の特
開昭59−218341号のピストンの複合材料及び特開昭61−
132260号の複合材料に於ては(イ)の特性が不足してい
ることを究明した。
本願発明者等は如上の如き問題に鑑み、更に種々の実
験的研究を行った結果、少くともトップリング溝の下面
がアルミニウム合金をマトリックスとし短繊維若しくは
ウイスカを強化材とする複合材料にて郭定されたピスト
ンであって、マトリックスとしてのアルミニウム合金中
にAlと特定の金属元素との金属間化合物が微細に分散さ
れ、強化材、金属間化合物、強化材及び金属間化合物の
合計の各体積率が所定の値に設定されたピストンによれ
ば、トップリングの摩耗量を増大させることなくトップ
リング溝の下面の耐摩耗性及び耐凝着性を大幅に改善
し、これにより内燃機関の軽量化及び高出力化を図るこ
とができることを見出した。
験的研究を行った結果、少くともトップリング溝の下面
がアルミニウム合金をマトリックスとし短繊維若しくは
ウイスカを強化材とする複合材料にて郭定されたピスト
ンであって、マトリックスとしてのアルミニウム合金中
にAlと特定の金属元素との金属間化合物が微細に分散さ
れ、強化材、金属間化合物、強化材及び金属間化合物の
合計の各体積率が所定の値に設定されたピストンによれ
ば、トップリングの摩耗量を増大させることなくトップ
リング溝の下面の耐摩耗性及び耐凝着性を大幅に改善
し、これにより内燃機関の軽量化及び高出力化を図るこ
とができることを見出した。
即ち従来のアルミニウム合金系複合材料の研究開発に
於ては、マトリックスは強化材間の応力伝達を担う担体
という考え方が支配的であり、マトリックスは比較的高
い靭性を有していなければならないものと考えられてき
た。従ってマトリックスを脆化させる原因となる金属間
化合物の析出を極力抑制する努力が払われてきた。しか
し種々の実験的研究の結果、250℃以上の高温に於ける
アルミニウム合金系複合材料の耐凝着性を向上させるた
めには、従来より脆化の原因と考えられていた金属間化
合物をマトリックス中に析出させることが極て有効であ
り、金属間化合物の種類、量等を強化材の量との関連に
於て適宜に設定することにより、トップリング溝部の耐
摩耗性及び耐凝着性に優れたピストンが得られることが
解った。
於ては、マトリックスは強化材間の応力伝達を担う担体
という考え方が支配的であり、マトリックスは比較的高
い靭性を有していなければならないものと考えられてき
た。従ってマトリックスを脆化させる原因となる金属間
化合物の析出を極力抑制する努力が払われてきた。しか
し種々の実験的研究の結果、250℃以上の高温に於ける
アルミニウム合金系複合材料の耐凝着性を向上させるた
めには、従来より脆化の原因と考えられていた金属間化
合物をマトリックス中に析出させることが極て有効であ
り、金属間化合物の種類、量等を強化材の量との関連に
於て適宜に設定することにより、トップリング溝部の耐
摩耗性及び耐凝着性に優れたピストンが得られることが
解った。
尚前述の特開昭59−218341号公報や特開昭61−132260
号公報に記載されている如く、アルミニウム合金のマト
リックス中に金属間化合物が形成された複合材料及びか
かる複合材料がトップリング溝部に組込まれたピストン
は既に知られている。しかしこれらの複合材料に於て
は、金属間化合物が形成された部位は網状構造体の周囲
の部分及び鋳鉄繊維の周囲の部分であり、網状構造体の
セル部(網状構造体の空隙部)や鋳鉄繊維の間のマトリ
ックスの部分ではないため、網状構造体のセル部や鋳鉄
繊維の間のマトリックスに耐熱性の低いアルミニウム合
金のみの部分が存在し、従って金属間化合物が形成され
ない複合材料に比して耐摩耗性を向上させることはでき
ても250℃以上の高温度に於ける凝着の発生を回避する
ことはできない。
号公報に記載されている如く、アルミニウム合金のマト
リックス中に金属間化合物が形成された複合材料及びか
かる複合材料がトップリング溝部に組込まれたピストン
は既に知られている。しかしこれらの複合材料に於て
は、金属間化合物が形成された部位は網状構造体の周囲
の部分及び鋳鉄繊維の周囲の部分であり、網状構造体の
セル部(網状構造体の空隙部)や鋳鉄繊維の間のマトリ
ックスの部分ではないため、網状構造体のセル部や鋳鉄
繊維の間のマトリックスに耐熱性の低いアルミニウム合
金のみの部分が存在し、従って金属間化合物が形成され
ない複合材料に比して耐摩耗性を向上させることはでき
ても250℃以上の高温度に於ける凝着の発生を回避する
ことはできない。
本発明は、本願発明者等が行った種々の実験的研究の
結果得られた知見に基き、特にトップリング溝の壁面の
耐摩耗性及び耐凝着性に優れ、相手材であるトップリン
グの摩耗量を増大させることがなく、従って設計の自由
度が大きく、これにより内燃機関の軽量化及び高出力化
を可能ならしめる内燃機関用ピストンを提供することを
目的としている。
結果得られた知見に基き、特にトップリング溝の壁面の
耐摩耗性及び耐凝着性に優れ、相手材であるトップリン
グの摩耗量を増大させることがなく、従って設計の自由
度が大きく、これにより内燃機関の軽量化及び高出力化
を可能ならしめる内燃機関用ピストンを提供することを
目的としている。
課題を解決するための手段 上述の如き目的は、本発明によれば、少くともトップ
リング溝の下面がアルミニウム合金をマトリックスとし
短繊維若しくはウイスカを強化材とする複合材料にて郭
定されており、前記複合材料のマトリックス中にAlとF
e、Ni、Co、Cr、Cu、Mn、Mo、V、W、Ta、Nb、Ti、Zr
よりなる群より選択された少くとも一種の金属元素との
金属間化合物が微細に分散されており、前記複合材料中
の前記強化材の体積率は3%以上であり、前記金属間化
合物の体積率は10〜50%であり、前記強化材及び前記金
属間化合物の合計の体積率は60%以下である繊維強化ア
ルミニウム合金製内燃機関用ピストンによって達成され
る。
リング溝の下面がアルミニウム合金をマトリックスとし
短繊維若しくはウイスカを強化材とする複合材料にて郭
定されており、前記複合材料のマトリックス中にAlとF
e、Ni、Co、Cr、Cu、Mn、Mo、V、W、Ta、Nb、Ti、Zr
よりなる群より選択された少くとも一種の金属元素との
金属間化合物が微細に分散されており、前記複合材料中
の前記強化材の体積率は3%以上であり、前記金属間化
合物の体積率は10〜50%であり、前記強化材及び前記金
属間化合物の合計の体積率は60%以下である繊維強化ア
ルミニウム合金製内燃機関用ピストンによって達成され
る。
発明の作用及び効果 本発明によれば、少くともトップリング溝の下面を郭
定する部分に於て、マトリックスとしてのアルミニウム
合金中にAlと他の所定の金属元素との金属間化合物が微
細に分散されており、金属間化合物によって強化材の間
のマトリックスが強化、即ち地固めされ、これにより高
温度に於ても強化材が所定の状態に保持され、マトリッ
クスが直接トップリングに接触することが回避されるの
で、従来のピストンの場合に比してトップリング溝の壁
面の耐摩耗性及び耐凝着性を向上させることができ、ま
た強化材及び金属間化合物の量が所定の値に設定される
ので、トップリングの摩耗量の増大を回避することがで
きる。
定する部分に於て、マトリックスとしてのアルミニウム
合金中にAlと他の所定の金属元素との金属間化合物が微
細に分散されており、金属間化合物によって強化材の間
のマトリックスが強化、即ち地固めされ、これにより高
温度に於ても強化材が所定の状態に保持され、マトリッ
クスが直接トップリングに接触することが回避されるの
で、従来のピストンの場合に比してトップリング溝の壁
面の耐摩耗性及び耐凝着性を向上させることができ、ま
た強化材及び金属間化合物の量が所定の値に設定される
ので、トップリングの摩耗量の増大を回避することがで
きる。
尚本発明に於て、複合材料中の強化材の体積率が3%
以上に設定される理由は、強化材の体積率が3%未満と
低すぎる場合にはマトリックス中に比較的多量の金属間
化合物が微細に分散されていてもトップリング溝の下面
の耐摩耗性や耐凝着性を十分に向上させることができな
いからである。また金属間化合物の体積率が10〜50%に
設定される理由は、金属間化合物の種類に拘らずその体
積率が5%以下の場合には凝着が発生し、逆に体積率が
60%以上の場合には複合材料のマトリックスが脆化し過
ぎることによってピストンのランド部が欠損してしまう
からである。更に強化材及び金属間化合物の合計の体積
率が60%以下に設定される理由は、強化材及び金属間化
合物の合計の体積率が60%を越える場合にもピストンの
ランド部が欠損してしまうからである。
以上に設定される理由は、強化材の体積率が3%未満と
低すぎる場合にはマトリックス中に比較的多量の金属間
化合物が微細に分散されていてもトップリング溝の下面
の耐摩耗性や耐凝着性を十分に向上させることができな
いからである。また金属間化合物の体積率が10〜50%に
設定される理由は、金属間化合物の種類に拘らずその体
積率が5%以下の場合には凝着が発生し、逆に体積率が
60%以上の場合には複合材料のマトリックスが脆化し過
ぎることによってピストンのランド部が欠損してしまう
からである。更に強化材及び金属間化合物の合計の体積
率が60%以下に設定される理由は、強化材及び金属間化
合物の合計の体積率が60%を越える場合にもピストンの
ランド部が欠損してしまうからである。
本願発明者等が行った実験的研究の結果によれば、強
化材の体積率が低すぎる場合にはトップリング溝の下面
の耐摩耗性や耐凝着性を十分に向上させることができ
ず、逆に強化材の体積率が高すぎる場合には相手材とし
てのトップリングの摩耗量が増大したり、機械加工によ
るトップリング溝の形成が困難になる。従って本発明の
一つの詳細な特徴によれば、強化材の体積率は3〜40
%、特に3〜30%に設定される。
化材の体積率が低すぎる場合にはトップリング溝の下面
の耐摩耗性や耐凝着性を十分に向上させることができ
ず、逆に強化材の体積率が高すぎる場合には相手材とし
てのトップリングの摩耗量が増大したり、機械加工によ
るトップリング溝の形成が困難になる。従って本発明の
一つの詳細な特徴によれば、強化材の体積率は3〜40
%、特に3〜30%に設定される。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれ
ば、金属間化合物はAlと上述の金属元素との任意の金属
間化合物であってよいが、金属間化合物のうちAlとFe、
Co、Niの少くとも一種の金属元素との金属間化合物の比
率が50%以上であることが好ましく、特にかかる特定の
金属間化合物の体積率が10%以上であることが好まし
い。従って本発明の更に他の一つの詳細な特徴によれ
ば、金属間化合物のうちAlとFe、Co、Niの少くとも一種
の金属元素との金属間化合物の比率は50%以上に設定さ
れ、複合材料中のかかる特定の金属間化合物の体積率は
10%以上に設定される。
ば、金属間化合物はAlと上述の金属元素との任意の金属
間化合物であってよいが、金属間化合物のうちAlとFe、
Co、Niの少くとも一種の金属元素との金属間化合物の比
率が50%以上であることが好ましく、特にかかる特定の
金属間化合物の体積率が10%以上であることが好まし
い。従って本発明の更に他の一つの詳細な特徴によれ
ば、金属間化合物のうちAlとFe、Co、Niの少くとも一種
の金属元素との金属間化合物の比率は50%以上に設定さ
れ、複合材料中のかかる特定の金属間化合物の体積率は
10%以上に設定される。
また本願発明者等が行った実験的研究の結果によれ
ば、金属間化合物はできるだけ均一に分散されているこ
とが好ましく、金属間化合物間の最短距離の平均値は10
0μm以下、特に50μm以下であることが好ましく、ま
たマトリックスの脆化を回避するためには金属間化合物
間の最短距離の平均値は3μm以上、特に5μm以上で
あることが好ましい。従って本発明の更に他の一つの詳
細な特徴によれば、金属間化合物間の最短距離の平均値
は3〜100μm、特に5〜50μmに設定される。
ば、金属間化合物はできるだけ均一に分散されているこ
とが好ましく、金属間化合物間の最短距離の平均値は10
0μm以下、特に50μm以下であることが好ましく、ま
たマトリックスの脆化を回避するためには金属間化合物
間の最短距離の平均値は3μm以上、特に5μm以上で
あることが好ましい。従って本発明の更に他の一つの詳
細な特徴によれば、金属間化合物間の最短距離の平均値
は3〜100μm、特に5〜50μmに設定される。
更に本願発明者等が行った実験的研究の結果によれ
ば、金属間化合物が粒状である場合にはその最大粒径が
50μm以下、特に30μm以下であることが好ましく、金
属間化合物が針状である場合にはその最大長さが100μ
m以下、特に50μm以下であることが好ましい。
ば、金属間化合物が粒状である場合にはその最大粒径が
50μm以下、特に30μm以下であることが好ましく、金
属間化合物が針状である場合にはその最大長さが100μ
m以下、特に50μm以下であることが好ましい。
尚、本発明の複合材料に於ける強化材は従来より複合
材料の製造に使用されている任意の材質のものであって
よいが、耐摩耗性向上効果や高温安定性等に優れている
点からセラミックよりなっていることが好ましい。
材料の製造に使用されている任意の材質のものであって
よいが、耐摩耗性向上効果や高温安定性等に優れている
点からセラミックよりなっていることが好ましい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例につい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
実施例1 平均繊維径2.8μm、繊維長2〜3mmのアルミナ短繊維
(95%Al2O3、5%SiO2、ICI社製「サフィルRF」)と、
平均粒径5μmのNi粉末(純度99%)とを水中で均一に
撹拌した後吸引成形を行うことにより、第1図に示され
ている如く、外径90mm、内径70mm、高さ20mmの寸法を有
する円筒状の成形体10を四個形成した。この場合各成形
体中のアルミナ短繊維及びNi粉末の体積率はそれぞれ7
%及び5%であり、アルミナ短繊維12及びNi粉末粉末14
は実質的に互いに均一に混合された状態にあり、特にア
ルミナ短繊維は成形体の円筒面に沿う二次元ランダムに
て配向されていた。
(95%Al2O3、5%SiO2、ICI社製「サフィルRF」)と、
平均粒径5μmのNi粉末(純度99%)とを水中で均一に
撹拌した後吸引成形を行うことにより、第1図に示され
ている如く、外径90mm、内径70mm、高さ20mmの寸法を有
する円筒状の成形体10を四個形成した。この場合各成形
体中のアルミナ短繊維及びNi粉末の体積率はそれぞれ7
%及び5%であり、アルミナ短繊維12及びNi粉末粉末14
は実質的に互いに均一に混合された状態にあり、特にア
ルミナ短繊維は成形体の円筒面に沿う二次元ランダムに
て配向されていた。
次いで各成形体を大気中に於て300℃に20分間予熱
し、しかる後第2図に示されている如く、各成形体10を
ピストン鋳造用の高圧鋳造装置16の鋳型18のモールドキ
ャビティ20内にてノックアウトプランジャ22上に配置
し、モールドキャビティ内に780℃のアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)の溶湯24を注湯し、該溶湯を鋳型に嵌
合する加圧プランジャ26によって1000kg/cm2の圧力に加
圧し、その加圧状態を溶湯が完全に凝固するまで保持
し、これによりピストン粗材を四個形成した。次いで各
ピストン粗材に対し熱処理T7、即ち490℃に4時間加熱
した後水冷し、しかる後220℃に6時間加熱した後炉冷
する熱処理を施した。
し、しかる後第2図に示されている如く、各成形体10を
ピストン鋳造用の高圧鋳造装置16の鋳型18のモールドキ
ャビティ20内にてノックアウトプランジャ22上に配置
し、モールドキャビティ内に780℃のアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)の溶湯24を注湯し、該溶湯を鋳型に嵌
合する加圧プランジャ26によって1000kg/cm2の圧力に加
圧し、その加圧状態を溶湯が完全に凝固するまで保持
し、これによりピストン粗材を四個形成した。次いで各
ピストン粗材に対し熱処理T7、即ち490℃に4時間加熱
した後水冷し、しかる後220℃に6時間加熱した後炉冷
する熱処理を施した。
次いで上述の如く形成されたピストン粗材の一つを切
断し、アルミナ短繊維にて複合強化された部分の組織を
調査したところ、ピストンの母材であるアルミニウム合
金(JIS規格AC8A)中にアルミナ短繊維が分散してお
り、各アルミナ短繊維の間の領域に於てはNi粉末がアル
ミニウム合金中のAlと反応し拡散することにより形成さ
れた金属間化合物Al3Niが微細に分散された状態にて存
在していた。このAl3Niの体積率は約27%であった。ま
たピストン粗材の複合強化部以外の領域の組成は元のア
ルミニウム合金(JIS規格AC8A)の組成のままであるこ
とが認められた。
断し、アルミナ短繊維にて複合強化された部分の組織を
調査したところ、ピストンの母材であるアルミニウム合
金(JIS規格AC8A)中にアルミナ短繊維が分散してお
り、各アルミナ短繊維の間の領域に於てはNi粉末がアル
ミニウム合金中のAlと反応し拡散することにより形成さ
れた金属間化合物Al3Niが微細に分散された状態にて存
在していた。このAl3Niの体積率は約27%であった。ま
たピストン粗材の複合強化部以外の領域の組成は元のア
ルミニウム合金(JIS規格AC8A)の組成のままであるこ
とが認められた。
[摩耗試験] 上述の如く切断されたピストン粗材の複合部より10×
15×6mmの寸法を有する摩擦摩耗試験用の摩耗試験片を
形成した。この場合15×6mmの寸法を有する試験面がピ
ストン粗材の軸線に垂直になるよう試験片が切出され
た。
15×6mmの寸法を有する摩擦摩耗試験用の摩耗試験片を
形成した。この場合15×6mmの寸法を有する試験面がピ
ストン粗材の軸線に垂直になるよう試験片が切出され
た。
次いで外径35mm、内径30mm、幅10mmのガス軟窒化処理
されたステンレス鋼(JIS規格SUS440B)製の円筒試験片
の外周面に摩耗試験片を常温にて接触させ、それらの試
験片の接触部に常温の潤滑油(SAE 10W−30)を供給し
つつ、接触面圧60kg/mm2、滑り速度0.3m/secにて円筒試
験片を1時間回転させる摩耗試験を行った。この摩耗試
験の結果を第3図に示す。尚第3図に於て、上半分は摩
耗試験片の摩耗量(摩耗痕深さμm)を表わしており、
下半分は相手材である円筒試験片の摩耗量(摩耗減量m
g)を表わしている。
されたステンレス鋼(JIS規格SUS440B)製の円筒試験片
の外周面に摩耗試験片を常温にて接触させ、それらの試
験片の接触部に常温の潤滑油(SAE 10W−30)を供給し
つつ、接触面圧60kg/mm2、滑り速度0.3m/secにて円筒試
験片を1時間回転させる摩耗試験を行った。この摩耗試
験の結果を第3図に示す。尚第3図に於て、上半分は摩
耗試験片の摩耗量(摩耗痕深さμm)を表わしており、
下半分は相手材である円筒試験片の摩耗量(摩耗減量m
g)を表わしている。
第3図より、摩耗試験片の摩耗痕深さは6μmであ
り、円筒試験片の摩耗量は0.4mgであり、従って上述の
ピストン粗材の複合強化部に形成された複合材料は常温
に於て極めて優れた摩擦摩耗特性を有するものであるこ
とが解る。
り、円筒試験片の摩耗量は0.4mgであり、従って上述の
ピストン粗材の複合強化部に形成された複合材料は常温
に於て極めて優れた摩擦摩耗特性を有するものであるこ
とが解る。
[ピストンの製造] 上述の如く形成されたピストン粗材より、第4図に示
されている如く、直径85mm、高さ75mmの寸法を有し、ヘ
ッド部28の端面28aが平坦であり、トップリング溝30を
含む端面28aより17mmの範囲の部分が円筒状の外周面よ
り7.5mmの範囲に亘りアルミナ短繊維にて複合強化され
マトリックス中に金属間化合物が微細に分散された複合
材料32よりなるピストンを機械加工により形成した。尚
第4図に於て、34、36、38、40はそれぞれトップラン
ド、セカンドランド、サードランド、スカート部を示し
ており、42、44はそれぞれセカンドリング溝、オイルリ
ング溝を示しており、46はピストンピン孔を示してい
る。またこの場合、トップリング溝の下面30aの熱的条
件を種々の条件に設定すべく、端面28より下面30aまで
の距離が15mm、12mm、8mmである三種類のピストン〜
を形成した。
されている如く、直径85mm、高さ75mmの寸法を有し、ヘ
ッド部28の端面28aが平坦であり、トップリング溝30を
含む端面28aより17mmの範囲の部分が円筒状の外周面よ
り7.5mmの範囲に亘りアルミナ短繊維にて複合強化され
マトリックス中に金属間化合物が微細に分散された複合
材料32よりなるピストンを機械加工により形成した。尚
第4図に於て、34、36、38、40はそれぞれトップラン
ド、セカンドランド、サードランド、スカート部を示し
ており、42、44はそれぞれセカンドリング溝、オイルリ
ング溝を示しており、46はピストンピン孔を示してい
る。またこの場合、トップリング溝の下面30aの熱的条
件を種々の条件に設定すべく、端面28より下面30aまで
の距離が15mm、12mm、8mmである三種類のピストン〜
を形成した。
次いでピストン〜を4気筒2000ccのターボチャー
ジャ付きディーゼル機関に組込み、下記の条件にて300
時間に亘る全負荷連続運転耐久試験を行い、試験終了後
にトップリング溝の下面の最大摩耗深さ及びトップリン
グの下面の最大摩耗深さを測定した。これらの測定結果
を複合材料No.1として下記の表1に示す。尚トップリン
グはガス軟窒化処理されたステンレス鋼(JIS規格SUS44
0B)にて形成されていた。
ジャ付きディーゼル機関に組込み、下記の条件にて300
時間に亘る全負荷連続運転耐久試験を行い、試験終了後
にトップリング溝の下面の最大摩耗深さ及びトップリン
グの下面の最大摩耗深さを測定した。これらの測定結果
を複合材料No.1として下記の表1に示す。尚トップリン
グはガス軟窒化処理されたステンレス鋼(JIS規格SUS44
0B)にて形成されていた。
表 1 回転数:4500rpm 冷却水温:105±5℃ 油温:125±5℃ 排気温:850℃ 圧力/トルク:106PS/26.4kgm 表2より、トップリング溝の位置に拘らずトップリン
グ溝の下面及びトップリングの下面の摩耗量はほぼ一定
の小さい値であり、また凝着等の異常摩耗は発生してお
らず、従ってこの実施例の複合材料No.1にてトップリン
グ溝の下面が郭定されたピストンは高温度に於ける優れ
た耐摩耗性及び耐凝着性を有するものであることが解
る。
グ溝の下面及びトップリングの下面の摩耗量はほぼ一定
の小さい値であり、また凝着等の異常摩耗は発生してお
らず、従ってこの実施例の複合材料No.1にてトップリン
グ溝の下面が郭定されたピストンは高温度に於ける優れ
た耐摩耗性及び耐凝着性を有するものであることが解
る。
実施例2 Ni粉末の代りに平均粒径12μmのCo粉末(純度99%)
及び平均粒径10μmのFe粉末(純度99%)を使用して実
施例1の場合と同一の要領にてそれぞれ複合材料No.2及
びNo.3を含むピストン粗材を4個ずつ形成した。尚成形
体中のCo粉末及びFe粉末の体積率はそれぞれ4%、5%
であった。
及び平均粒径10μmのFe粉末(純度99%)を使用して実
施例1の場合と同一の要領にてそれぞれ複合材料No.2及
びNo.3を含むピストン粗材を4個ずつ形成した。尚成形
体中のCo粉末及びFe粉末の体積率はそれぞれ4%、5%
であった。
次いで各ピストン粗材の断面の組織を調査したとこ
ろ、複合材料No.2に於てはマトリックス中に体積率30%
の金属間化合物Al9Co2が微細に分散されており、複合材
料No.3に於てはマトリックス中に体積率28%のAl3Feが
微細に分散されていた。
ろ、複合材料No.2に於てはマトリックス中に体積率30%
の金属間化合物Al9Co2が微細に分散されており、複合材
料No.3に於てはマトリックス中に体積率28%のAl3Feが
微細に分散されていた。
また各複合材料より実施例1の場合と同様の要領にて
摩耗試験片を切出し、各試験片について実施例1の場合
と同一の要領及び条件にて常温に於ける摩耗試験を行っ
た。この摩耗試験の結果を第3図に示す。第3図より、
複合材料No.2及びNo.3は複合材料No.1と同様の優れた摩
擦摩耗特性を有していることが解る。
摩耗試験片を切出し、各試験片について実施例1の場合
と同一の要領及び条件にて常温に於ける摩耗試験を行っ
た。この摩耗試験の結果を第3図に示す。第3図より、
複合材料No.2及びNo.3は複合材料No.1と同様の優れた摩
擦摩耗特性を有していることが解る。
更に残りの各ピストン粗材より実施例1の場合と同一
の要領にて実施例1の場合と同様の寸法のピストン〜
を形成し、各ピストンについて実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて耐久試験を行った。これらの試験の
結果を表2に示す。
の要領にて実施例1の場合と同様の寸法のピストン〜
を形成し、各ピストンについて実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて耐久試験を行った。これらの試験の
結果を表2に示す。
表2より、トップリング溝の下面を郭定する複合材料
が複合材料No.2及びNo.3の何れのピストンの場合にも、
トップリング溝の下面及びトップリングの下面の摩耗量
は小さい値であり、従ってこれらのピストンは実施例1
のピストンの場合と同様高温度に於ける耐摩耗性及び耐
凝着性に優れていることが解る。
が複合材料No.2及びNo.3の何れのピストンの場合にも、
トップリング溝の下面及びトップリングの下面の摩耗量
は小さい値であり、従ってこれらのピストンは実施例1
のピストンの場合と同様高温度に於ける耐摩耗性及び耐
凝着性に優れていることが解る。
比較例 上述の実施例1に於て形成された成形体10と同一の寸
法及び形状を有する成形体であって、Ni粉末を含まず体
積率7%のアルミナ短繊維のみよりなる成形体A、平均
繊維径20μm、平均繊維長3mmの鋳鉄短繊維(JIS規格FC
23)を体積率が20%になるよう圧縮成形することにより
形成された成形体B、ニッケルよりなる三次元網状構造
体(空隙率90%、セルサイズ約1mm)を加工することに
より形成された体積率約10%の成形体C、Ni粉末の代り
に体積率約8%のNiO粉末(平均粒径2μm、純度99
%)と体積率7%のアルミナ短繊維よりなる成形体Eを
用いて、それぞれ実施例1の場合と同一の要領及び条件
にてピストン粗材A〜C及びEを形成した。
法及び形状を有する成形体であって、Ni粉末を含まず体
積率7%のアルミナ短繊維のみよりなる成形体A、平均
繊維径20μm、平均繊維長3mmの鋳鉄短繊維(JIS規格FC
23)を体積率が20%になるよう圧縮成形することにより
形成された成形体B、ニッケルよりなる三次元網状構造
体(空隙率90%、セルサイズ約1mm)を加工することに
より形成された体積率約10%の成形体C、Ni粉末の代り
に体積率約8%のNiO粉末(平均粒径2μm、純度99
%)と体積率7%のアルミナ短繊維よりなる成形体Eを
用いて、それぞれ実施例1の場合と同一の要領及び条件
にてピストン粗材A〜C及びEを形成した。
次いで各ピストン粗材の複合材料A〜C及びEの断面
の組織を調査したところ、複合材料Aに於てはマトリッ
クス中に金属間化合物が存在しておらず、複合材料B及
びCに於てはそれぞれ鋳鉄繊維及び網状構造体の周囲に
それぞれ金属間化合物Al3Fe及びAl3Niが生成しているこ
とが認められた。また複合材料Eに於ては、マトリック
スのAlとNiO粉末との反応により、体積率約27%の金属
間化合物Al3Ni及び体積率約7%のAl2O3が生成してお
り、それらの大きさは約100〜150μmであった。
の組織を調査したところ、複合材料Aに於てはマトリッ
クス中に金属間化合物が存在しておらず、複合材料B及
びCに於てはそれぞれ鋳鉄繊維及び網状構造体の周囲に
それぞれ金属間化合物Al3Fe及びAl3Niが生成しているこ
とが認められた。また複合材料Eに於ては、マトリック
スのAlとNiO粉末との反応により、体積率約27%の金属
間化合物Al3Ni及び体積率約7%のAl2O3が生成してお
り、それらの大きさは約100〜150μmであった。
次いでこれらの複合材料より摩耗試験片A〜C及びE
を切出し、またマトリックスとしてのアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)のみよりなる部分より摩耗試験片Dを
切出し、これらの摩耗試験片について実施例1の場合と
同一の要領及び条件にて常温に於ける摩耗試験を行っ
た。これらの摩耗試験の結果を第3図に示す。
を切出し、またマトリックスとしてのアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)のみよりなる部分より摩耗試験片Dを
切出し、これらの摩耗試験片について実施例1の場合と
同一の要領及び条件にて常温に於ける摩耗試験を行っ
た。これらの摩耗試験の結果を第3図に示す。
第3図より、比較例の複合材料A〜Cはマトリックス
のみの場合(D)よりも摩擦摩耗特性に優れているが、
実施例の複合材料No.1〜No.3はこれらの比較例の複合材
料よりも遥かに摩擦摩耗特性に優れていることが解る。
また複合材料Eに於ては、摩耗試験片及び円筒試験片の
何れの摩耗量も比較的高い値であり、トップリング溝の
下面を郭定する材料としては適切でないことが解る。こ
れは摩耗試験片と円筒試験片が相互に摺動する状況に於
てAl2O3がマトリックスより脱落し、その脱落した粒子
によって摩耗が促進されることによるものと推測され
る。またこの複合材料の場合には、金属間化合物Al3Ni
と酸化物Al2O3との生成割合が化学反応の関係上常に一
定となるため、或る程度の耐摩耗性を確保するためには
成形体中に含まれるNiO粉末の量を低減させることが必
要である。実験結果としては示されていないが、Al3Ni
の体積率が1%以下である場合にかなり良好な耐摩耗性
を確保することが認められた。しかしその場合には金属
間化合物Al3Niの体積率が4%以下になり、その複合材
料によりトップリング溝の下面が郭定されたピストンに
於ては容易に凝着摩耗が発生してしまうことが認められ
た。
のみの場合(D)よりも摩擦摩耗特性に優れているが、
実施例の複合材料No.1〜No.3はこれらの比較例の複合材
料よりも遥かに摩擦摩耗特性に優れていることが解る。
また複合材料Eに於ては、摩耗試験片及び円筒試験片の
何れの摩耗量も比較的高い値であり、トップリング溝の
下面を郭定する材料としては適切でないことが解る。こ
れは摩耗試験片と円筒試験片が相互に摺動する状況に於
てAl2O3がマトリックスより脱落し、その脱落した粒子
によって摩耗が促進されることによるものと推測され
る。またこの複合材料の場合には、金属間化合物Al3Ni
と酸化物Al2O3との生成割合が化学反応の関係上常に一
定となるため、或る程度の耐摩耗性を確保するためには
成形体中に含まれるNiO粉末の量を低減させることが必
要である。実験結果としては示されていないが、Al3Ni
の体積率が1%以下である場合にかなり良好な耐摩耗性
を確保することが認められた。しかしその場合には金属
間化合物Al3Niの体積率が4%以下になり、その複合材
料によりトップリング溝の下面が郭定されたピストンに
於ては容易に凝着摩耗が発生してしまうことが認められ
た。
[温度測定] 第5図に示されている如く、実施例1に於て耐久試験
に供されたピストン〜に於て、トップリング溝の底
壁30bより0.2mm内側の位置に先端が位置するよう直径0.
1mmの熱電対48を組込み、実施例1に於ける耐久試験と
同一の条件にてディーゼル機関を30分間運転し、これに
よりトップリング溝近傍の温度を測定しその平均値を求
めた。その結果トップリング溝近傍の温度はピストン
の場合には210℃であり、ピストンの場合には250℃で
あり、ピストンの場合には270℃であることが解っ
た。
に供されたピストン〜に於て、トップリング溝の底
壁30bより0.2mm内側の位置に先端が位置するよう直径0.
1mmの熱電対48を組込み、実施例1に於ける耐久試験と
同一の条件にてディーゼル機関を30分間運転し、これに
よりトップリング溝近傍の温度を測定しその平均値を求
めた。その結果トップリング溝近傍の温度はピストン
の場合には210℃であり、ピストンの場合には250℃で
あり、ピストンの場合には270℃であることが解っ
た。
これらの温度測定結果と上述の各摩耗試験及び耐久試
験の結果とから以下のことが明らかである。
験の結果とから以下のことが明らかである。
(1)約210℃以下の温度域に於ては、従来の複合材料
A〜C及び本発明に於ける複合材料の何れもかなり良好
な摩擦摩耗特性を有する。またアルミニウム合金のみ
(D)であっても摩耗量そのものは高い値になるが凝着
は発生しない。
A〜C及び本発明に於ける複合材料の何れもかなり良好
な摩擦摩耗特性を有する。またアルミニウム合金のみ
(D)であっても摩耗量そのものは高い値になるが凝着
は発生しない。
(2)250℃以上の温度域に於ては、本発明に於ける複
合材料が210℃以下の場合と殆ど同等の耐摩耗性を有し
ているのに対し、従来の複合材料A〜Cは何れも極端な
凝着摩耗、最悪の場合にはリングスティックを発生す
る。これらの従来の複合材料に於ては、結果的にアルミ
ニウム合金のみの場合と殆ど変らない異常摩耗が生じ
る。
合材料が210℃以下の場合と殆ど同等の耐摩耗性を有し
ているのに対し、従来の複合材料A〜Cは何れも極端な
凝着摩耗、最悪の場合にはリングスティックを発生す
る。これらの従来の複合材料に於ては、結果的にアルミ
ニウム合金のみの場合と殆ど変らない異常摩耗が生じ
る。
(3)複合材料Eは本発明に於ける複合材料と同様250
℃以上の温度に於ても凝着を生じないが、トップリング
溝の下面及びトップリングの下面の両方の摩耗量が極め
て高い。この複合材料に於ては、凝着防止に有効な金属
間化合物と摩耗発生の原因となるAl2O3粒子とが一定の
割合で生成するため、摩擦摩耗特性と凝着特性とを両立
させることが実質的に不可能である。
℃以上の温度に於ても凝着を生じないが、トップリング
溝の下面及びトップリングの下面の両方の摩耗量が極め
て高い。この複合材料に於ては、凝着防止に有効な金属
間化合物と摩耗発生の原因となるAl2O3粒子とが一定の
割合で生成するため、摩擦摩耗特性と凝着特性とを両立
させることが実質的に不可能である。
実施例3 実施例1のアルミナ短繊維の代りに炭化ケイ素長繊維
(α−SiC99%、平均繊維径20μm)を長さ2〜3mmにチ
ョッピングした繊維、炭化ケイ素ウイスカ(α−Si3N4
99%、平均繊維径1μm、平均繊維長100μm)を使用
した点を除き実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
それぞれ複合材料No.4及びNo.5にてトップリング溝の下
面が郭定され、トップリング溝の位置が実施例1のピス
トンと同一のピストンを形成した。また同様に実施例
1のアルミナ短繊維の代りに平均繊維径20μm、平均繊
維長3mmの鋳鉄短繊維(JIS規格FC23)を体積率20%にて
使用することにより、トップリング溝の下面が複合材料
No.6により郭定され、トップリング溝の位置が実施例1
のピストンと同一のピストンを実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて形成した。
(α−SiC99%、平均繊維径20μm)を長さ2〜3mmにチ
ョッピングした繊維、炭化ケイ素ウイスカ(α−Si3N4
99%、平均繊維径1μm、平均繊維長100μm)を使用
した点を除き実施例1の場合と同一の要領及び条件にて
それぞれ複合材料No.4及びNo.5にてトップリング溝の下
面が郭定され、トップリング溝の位置が実施例1のピス
トンと同一のピストンを形成した。また同様に実施例
1のアルミナ短繊維の代りに平均繊維径20μm、平均繊
維長3mmの鋳鉄短繊維(JIS規格FC23)を体積率20%にて
使用することにより、トップリング溝の下面が複合材料
No.6により郭定され、トップリング溝の位置が実施例1
のピストンと同一のピストンを実施例1の場合と同一
の要領及び条件にて形成した。
次いでこれらのピストンについて実施例1の場合と同
一の要領及び条件にて耐久試験を行った。この試験の結
果を表3に示す。
一の要領及び条件にて耐久試験を行った。この試験の結
果を表3に示す。
表3より、強化材が鋳鉄短繊維である場合にはトップ
リング溝の下面及びトップリングの下面の摩耗量が比較
的高く、また凝着摩耗が発生するのに対し、強化材が炭
化ケイ素繊維や窒化ケイ素ウイスカである場合にはトッ
プリング溝の下面及びトップリングの下面の何れの摩耗
量も小さく、また凝着も発生せず、従って強化材が炭化
ケイ素繊維や窒化ケイ素ウイスカである場合にも良好な
耐摩耗性及び耐凝着性を確保し得ることが解る。尚実験
結果としては示されていないが、強化材がアルミナ−シ
リカ短繊維(52%Al2SiO3、48%SiO2、平均繊維長3mm、
平均繊維径3μm)、炭化ケイ素ウイスカ(99%β−Si
C、平均繊維長50μm、平均繊維径0.1μm)、鉱物短繊
維(45%SiO2、40%CaO、10%Al2O3、残部MgO、平均繊
維長2mm、平均繊維径5μm)、ガラス繊維(64%Si
O2、25%Al2O3、残部MgO、平均繊維長5mm、平均繊維径1
0μm)である場合にも良好な耐摩耗性及び耐凝着性を
確保し得ることが認められた。
リング溝の下面及びトップリングの下面の摩耗量が比較
的高く、また凝着摩耗が発生するのに対し、強化材が炭
化ケイ素繊維や窒化ケイ素ウイスカである場合にはトッ
プリング溝の下面及びトップリングの下面の何れの摩耗
量も小さく、また凝着も発生せず、従って強化材が炭化
ケイ素繊維や窒化ケイ素ウイスカである場合にも良好な
耐摩耗性及び耐凝着性を確保し得ることが解る。尚実験
結果としては示されていないが、強化材がアルミナ−シ
リカ短繊維(52%Al2SiO3、48%SiO2、平均繊維長3mm、
平均繊維径3μm)、炭化ケイ素ウイスカ(99%β−Si
C、平均繊維長50μm、平均繊維径0.1μm)、鉱物短繊
維(45%SiO2、40%CaO、10%Al2O3、残部MgO、平均繊
維長2mm、平均繊維径5μm)、ガラス繊維(64%Si
O2、25%Al2O3、残部MgO、平均繊維長5mm、平均繊維径1
0μm)である場合にも良好な耐摩耗性及び耐凝着性を
確保し得ることが認められた。
実施例4 成形体中に混入される粉末の種類を実施例1に於て使
用されたNi粉末と同一のNi粉末、実施例2に於て使用さ
れたCo粉末及びFe粉末と同一のCo粉末及びFe粉末に設定
し、下記の表4に示されている如く各粉末の量を種々の
値に設定することにより、形成される複合材料中の金属
間化合物の体積率が実質的に0%、5%、10%、20%、
30%、40%、50%、60%となるよう成形体を形成し、こ
れらの成形体を用いて実施例1の場合と同一の要領及び
条件にてトップリング溝の位置が実施例1のピストン
と同一のピストンを形成し、各ピストンについて実施例
1の場合と同一の要領及び条件にて耐久試験を行った。
これらの試験の結果を表5に示す。
用されたNi粉末と同一のNi粉末、実施例2に於て使用さ
れたCo粉末及びFe粉末と同一のCo粉末及びFe粉末に設定
し、下記の表4に示されている如く各粉末の量を種々の
値に設定することにより、形成される複合材料中の金属
間化合物の体積率が実質的に0%、5%、10%、20%、
30%、40%、50%、60%となるよう成形体を形成し、こ
れらの成形体を用いて実施例1の場合と同一の要領及び
条件にてトップリング溝の位置が実施例1のピストン
と同一のピストンを形成し、各ピストンについて実施例
1の場合と同一の要領及び条件にて耐久試験を行った。
これらの試験の結果を表5に示す。
表5より、金属間化合物の種類に拘らず、その体積率
が5%以下の場合には凝着が発生し、逆に体積率が60%
以上の場合には複合材料のマトリックスが脆化し過ぎる
ことによってピストンのランド部が欠損することが解
る。従って金属間化合物の体積率は10〜50%であること
が好ましいことが解る。
が5%以下の場合には凝着が発生し、逆に体積率が60%
以上の場合には複合材料のマトリックスが脆化し過ぎる
ことによってピストンのランド部が欠損することが解
る。従って金属間化合物の体積率は10〜50%であること
が好ましいことが解る。
実施例5 成形体中に含まれるアルミナ短繊維の体積率を2%、
3%、5%、10%、20%、30%、40%に設定し、またNi
粉末の体積率を実施例4の表4に示された値に設定する
ことにより56種類の成形体を形成し、各成形体を用いて
実施例1の場合と同一の要領及び条件にてピストンと
同一の寸法を有するピストンを形成し、各ピストンにつ
いて実施例1の場合と同一の要領及び条件にて耐久試験
を行った。これらの試験の結果を第6図に示す。尚第6
図に於て、○は凝着が発生せず、トップリング溝の下面
の摩耗量も極く僅かであることを意味し、△は凝着は発
生しないがトップリング溝の下面の摩耗量が15μmを越
えたことを示しており、×は凝着摩耗が発生したことを
示しており、+はピストンのランド部が欠損したことを
示している。
3%、5%、10%、20%、30%、40%に設定し、またNi
粉末の体積率を実施例4の表4に示された値に設定する
ことにより56種類の成形体を形成し、各成形体を用いて
実施例1の場合と同一の要領及び条件にてピストンと
同一の寸法を有するピストンを形成し、各ピストンにつ
いて実施例1の場合と同一の要領及び条件にて耐久試験
を行った。これらの試験の結果を第6図に示す。尚第6
図に於て、○は凝着が発生せず、トップリング溝の下面
の摩耗量も極く僅かであることを意味し、△は凝着は発
生しないがトップリング溝の下面の摩耗量が15μmを越
えたことを示しており、×は凝着摩耗が発生したことを
示しており、+はピストンのランド部が欠損したことを
示している。
第6図より、トップリング溝の下面に於て良好な耐摩
耗性及び耐凝着性を確保するためには、アルミナ短繊維
の体積率は3%以上であり、金属間化合物Al3Niの体積
率は10〜50%であり、アルミナ短繊維と金属間化合物Al
3Niの合計の体積率は60%以下であることが好ましいこ
とが解る。
耗性及び耐凝着性を確保するためには、アルミナ短繊維
の体積率は3%以上であり、金属間化合物Al3Niの体積
率は10〜50%であり、アルミナ短繊維と金属間化合物Al
3Niの合計の体積率は60%以下であることが好ましいこ
とが解る。
尚この実施例と同様の試験を強化材が実施例3に於て
使用された炭化ケイ素繊維及び窒化ケイ素ウイスカにつ
いても、また成形体に混入される粉末が実施例2に於て
使用されたCo粉末及びFe粉末についても行ったところ、
第6図に示された結果と同一の結果が得られた。
使用された炭化ケイ素繊維及び窒化ケイ素ウイスカにつ
いても、また成形体に混入される粉末が実施例2に於て
使用されたCo粉末及びFe粉末についても行ったところ、
第6図に示された結果と同一の結果が得られた。
実施例6 実施例1のNi粉末の代りに、下記の表6に示された合
金粉末及び純金属粉末を使用し、下記の表7に示されて
いる如く、合金粉末については成形体中の体積率を5%
に設定し、純金属粉末については全体として体積率が5
%になるよう混合して成形体を形成し、各成形体を用い
て実施例1の場合と同一の要領及び条件にてピストン粗
材を二個ずつ形成した。次いで各組の一方のピストン粗
材の複合部の断面組織を調査することにより、マトリッ
クス中に分散されていた金属間化合物の種類を判定し
た。その結果を下記の表7に示す。
金粉末及び純金属粉末を使用し、下記の表7に示されて
いる如く、合金粉末については成形体中の体積率を5%
に設定し、純金属粉末については全体として体積率が5
%になるよう混合して成形体を形成し、各成形体を用い
て実施例1の場合と同一の要領及び条件にてピストン粗
材を二個ずつ形成した。次いで各組の一方のピストン粗
材の複合部の断面組織を調査することにより、マトリッ
クス中に分散されていた金属間化合物の種類を判定し
た。その結果を下記の表7に示す。
また残りの各ピストン粗材より実施例1のピストン
と同一の寸法のピストンを形成し、各ピストンについて
実施例1の場合と同一の要領及び条件にて耐久試験を行
った。その結果何れのピストンに於てもトップリング溝
の下面に凝着の如き異常は発生せず、その摩耗量も極め
て僅かであることが認められた。
と同一の寸法のピストンを形成し、各ピストンについて
実施例1の場合と同一の要領及び条件にて耐久試験を行
った。その結果何れのピストンに於てもトップリング溝
の下面に凝着の如き異常は発生せず、その摩耗量も極め
て僅かであることが認められた。
また下記の表7に示された種々の粉末の成形体中の体
積率や混合粉末の混合比を変化させて凝着が生じるか否
かの検討を詳細に行ったところ、 (1)金属間化合物の総量が体積率で10%以上である (2)AlとFe、Co、Niの少くとも一種との金属間化合物
が全金属間化合物量の50%以上である の二つの点を満足する場合にピストンのトップリング溝
の下面の耐摩耗性及び耐凝着性が極めて良好であること
が認められた。また上述の(1)及び(2)の二つの条
件が充足される場合に於ては、Fe、Co、Ni以外の金属元
素がCr、Mo、V、W、Nb、Taである場合にも同様に良好
な結果が得られた。更にAlとFe、Co、Niとの金属間化合
物以外の金属間化合物が含まれている場合に於ては、Al
とFe、Co、Niの金属間化合物の体積率が10%以上である
場合に特に良好な結果が得られることが解った。
積率や混合粉末の混合比を変化させて凝着が生じるか否
かの検討を詳細に行ったところ、 (1)金属間化合物の総量が体積率で10%以上である (2)AlとFe、Co、Niの少くとも一種との金属間化合物
が全金属間化合物量の50%以上である の二つの点を満足する場合にピストンのトップリング溝
の下面の耐摩耗性及び耐凝着性が極めて良好であること
が認められた。また上述の(1)及び(2)の二つの条
件が充足される場合に於ては、Fe、Co、Ni以外の金属元
素がCr、Mo、V、W、Nb、Taである場合にも同様に良好
な結果が得られた。更にAlとFe、Co、Niとの金属間化合
物以外の金属間化合物が含まれている場合に於ては、Al
とFe、Co、Niの金属間化合物の体積率が10%以上である
場合に特に良好な結果が得られることが解った。
以上に於ては本願発明者等が行った種々の実験的研究
の結果と共に本発明の幾つかの実施例について詳細に説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかであろう。
の結果と共に本発明の幾つかの実施例について詳細に説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能で
あることは当業者にとって明らかであろう。
第1図はアルミナ短繊維とNi粉末とよりなる円筒状の成
形体を示す斜視図、第2図は第1図に示された成形体を
用いて高圧鋳造によりピストン粗材が形成される要領を
示す解図、第3図は実施例1、2及び比較例の複合材料
について行われた摩耗試験の結果を示すグラフ、第4図
は本発明によるピストンの一つの実施例を示す断面図、
第5図はピストンの内部に熱電対が配置される態様を示
す解図、第6図は実施例4に於ける耐久試験の結果を示
すグラフである。 10……成形体,12……アルミナ短繊維,14……Ni粉末,16
……高圧鋳造装置,18……鋳型,20……モールドキャビテ
ィ,22……ノックアウトプランジャ,24……アルミニウム
合金の溶湯,26……加圧プランジャ,28……ヘッド部,28a
……端面,30……トップリング溝,32……複合材料,34…
…トップランド,36……セカンドランド,38……サードラ
ンド,40……スカート部,42……セカンドリング溝,44…
…オイルリング溝,46……ピストンピン孔,48……熱電対
形体を示す斜視図、第2図は第1図に示された成形体を
用いて高圧鋳造によりピストン粗材が形成される要領を
示す解図、第3図は実施例1、2及び比較例の複合材料
について行われた摩耗試験の結果を示すグラフ、第4図
は本発明によるピストンの一つの実施例を示す断面図、
第5図はピストンの内部に熱電対が配置される態様を示
す解図、第6図は実施例4に於ける耐久試験の結果を示
すグラフである。 10……成形体,12……アルミナ短繊維,14……Ni粉末,16
……高圧鋳造装置,18……鋳型,20……モールドキャビテ
ィ,22……ノックアウトプランジャ,24……アルミニウム
合金の溶湯,26……加圧プランジャ,28……ヘッド部,28a
……端面,30……トップリング溝,32……複合材料,34…
…トップランド,36……セカンドランド,38……サードラ
ンド,40……スカート部,42……セカンドリング溝,44…
…オイルリング溝,46……ピストンピン孔,48……熱電対
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 1/01 (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 道岡 博文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−100642(JP,A) 特開 昭62−168954(JP,A) 特開 昭60−9837(JP,A) 特開 昭62−124248(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】少くともトップリング溝の下面がアルミニ
ウム合金をマトリックスとし短繊維若しくはウイスカを
強化材とする複合材料にて郭定されており、前記複合材
料のマトリックス中にAlとFe、Ni、Co、Cr、Cu、Mn、M
o、V、W、Ta、Nb、Ti、Zrよりなる群より選択された
少くとも一種の金属元素との金属間化合物が微細に分散
されており、前記複合材料中の前記強化材の体積率は3
%以上であり、前記金属間化合物の体積率は10〜50%で
あり、前記強化材及び前記金属間化合物の合計の体積率
は60%以下である繊維強化アルミニウム合金製内燃機関
用ピストン。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63055870A JPH086637B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 繊維強化アルミニウム合金製内燃機関用ピストン |
| AU31058/89A AU615265B2 (en) | 1988-03-09 | 1989-03-06 | Aluminum alloy composite material with intermetallic compound finely dispersed in matrix among reinforcing elements |
| EP89302322A EP0332430B1 (en) | 1988-03-09 | 1989-03-08 | Aluminum alloy composite material with intermetallic compound finely dispersed in matrix among reinforcing elements |
| DE68920346T DE68920346T2 (de) | 1988-03-09 | 1989-03-08 | Auf Aluminiumlegierung basierendes Verbundmaterial, welches in einer Matrix zwischen Verstärkungselementen fein verteilte intermetallische Verbindungen enthält. |
| US07/660,221 US5449421A (en) | 1988-03-09 | 1991-02-20 | Aluminum alloy composite material with intermetallic compound finely dispersed in matrix among reinforcing elements |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63055870A JPH086637B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 繊維強化アルミニウム合金製内燃機関用ピストン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01232152A JPH01232152A (ja) | 1989-09-18 |
| JPH086637B2 true JPH086637B2 (ja) | 1996-01-29 |
Family
ID=13011120
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63055870A Expired - Lifetime JPH086637B2 (ja) | 1988-03-09 | 1988-03-09 | 繊維強化アルミニウム合金製内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH086637B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4135191B2 (ja) * | 1995-02-22 | 2008-08-20 | マツダ株式会社 | 部分複合軽金属系部品の製造方法並びにそれに用いる予備成形体 |
| CN112648104B (zh) * | 2020-12-07 | 2022-07-19 | 中国兵器科学研究院宁波分院 | 晶须增强铝合金活塞及制备方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB2106433B (en) * | 1981-09-22 | 1985-11-06 | Ae Plc | Squeeze casting of pistons |
| US4557893A (en) * | 1983-06-24 | 1985-12-10 | Inco Selective Surfaces, Inc. | Process for producing composite material by milling the metal to 50% saturation hardness then co-milling with the hard phase |
| JPS62168954A (ja) * | 1986-01-20 | 1987-07-25 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | デイ−ゼルエンジンのピストン |
-
1988
- 1988-03-09 JP JP63055870A patent/JPH086637B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01232152A (ja) | 1989-09-18 |
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Legal Events
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