JPH0532489B2 - - Google Patents

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JPH0532489B2
JPH0532489B2 JP59218606A JP21860684A JPH0532489B2 JP H0532489 B2 JPH0532489 B2 JP H0532489B2 JP 59218606 A JP59218606 A JP 59218606A JP 21860684 A JP21860684 A JP 21860684A JP H0532489 B2 JPH0532489 B2 JP H0532489B2
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JP
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yarn
flow tube
coagulation
spinning
sulfuric acid
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Atsushi Yamaguchi
Eiji Sato
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPH0532489B2 publication Critical patent/JPH0532489B2/ja
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、ポリーパラフエニレンテレフタルア
ミド(以下、PPTAと略称する)系繊維の製造方
法に関する。更に詳しくは、改良された機械的性
質を持つPPTA系繊維を、工業的に有利な硫酸水
溶液の凝固浴を用いて製造する紡糸法に関するも
のである。 従来の技術 芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸、及び/
又は芳香族アミノカルボン酸から全芳香族ポリア
ミドが誘導されることは公知であり、またこれら
芳香族ポリアミドから繊維が得られることも既に
公知である。さらに、かかる芳香族ポリアミドの
うち特に、PPTA系ポリマーから、その剛直な分
子構造から期待される通り、高い融点、優れた結
晶性、高い強度、高いヤング率等の好ましい物性
を有する繊維が得られることも既に知られてい
る。 例えば、特開昭47−39458号報によれば、少な
くとも98%以上の濃度の濃硫酸に溶解したPPTA
系ポリマーの光学的異方性を示す溶液を、オリフ
イスを通して、不活性な非凝固性流体中に押し出
し、次いで凝固浴中を通すことによつて、好まし
い機械的性質を有する繊維が得られることが開示
されている。 しかしながら、かかる方法においては、凝固浴
中の凝固液と走行する糸条との摩擦抵抗により、
糸条に大きな引き取り張力、即ち紡糸張力がかか
る。この紡糸張力は、凝固液の硫酸濃度を高める
と溶液の粘度、比重の増加で増大するため、紡糸
張力の低い、即ち硫酸濃度の低い凝固液を用いた
場合は優れた機械的性質を有する繊維を与える
が、硫酸濃度の上昇に伴つて、得られる繊維の強
度・伸度が著しく低下する。従つて、溶媒として
用いる硫酸の回収面において工業的に有利な10%
以上の硫酸水溶液を一次凝固液として用いて機械
的性質に優れたPPTA繊維を得ることは困難であ
つた。 かかる方法に対し、紡糸張力を低減する方法と
して、凝固浴下部に特定のスピンチユーブ(細
孔)を設け、糸条と凝固液を同時に落下させつつ
紡糸する方法(特開昭53−78320号報)が提案さ
れたが、10%以上の硫酸水溶液を用いては、張力
を充分に低減しうるには至らず、高い繊維性能を
得るには至つていない。 更に、凝固液と糸条の速度差によつて生じる摩
擦抵抗を低減するために、凝固浴液を加圧し、ス
ピンチユーブからの凝固液速を加速する方法(特
開昭53−78321号報)、或いは、スピンチユーブを
通して落下する糸条と凝固液流に、複数の小径ノ
ズル或いはスリツトから噴出させた別の凝固液
を、糸条の引き取り方向に当てて加速する方法
(特開昭56−128312号報)が提案された。 この方法により、一次凝固液に硫酸水溶液を用
いても、凝固液を加速することによつて、見掛け
上、紡糸張力を低減することは可能であるが、ス
ピンチユーブ以降の自由落下域においては、重力
加速度の働きにより落下液の速度が逐次高まるた
め、凝固途中の糸条に抵抗覆歴を与え、高次構造
の破壊を引き起こす結果、強度及び伸度の低下を
招き、充分に高い性能を有する繊維は得られな
い。 特に10%以上の硫酸水溶液を一次凝固液に用い
た場合は、凝固がより不完全となり、見掛けの張
力を低下させても凝固途中の糸条への抵抗が変化
することで糸条の結晶配向及び糸条の高次破壊が
生じる結果、強度、伸度共に低い繊維しか得るこ
とが出来ない。 PPTA系繊維の実用性能上、高い強度は勿論の
ことながら、高い伸度を合わせ持つことが重要で
あることは周知のとおりであり、特にタイヤコー
ドとして使用される繊維では、耐疲労特性上極め
て重要である。 発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、かかる点に鑑み、高い強度は勿
論のこと高い伸度を有するPPTA繊維を、工業的
に有利な10%以上の硫酸水溶液を一次凝固液とし
て用い製造する方法について、PPTA系ポリマー
の濃硫酸溶液(以下、単にドープと略称する)か
らの凝固過程における系条の形成と、得られる
PPTA繊維の物性及び構造とを対応させつつ長時
間の研究を続けてきた。その結果、ドープを非凝
固性の流体層を通して凝固浴に導く湿式紡糸法に
おいて、ある特定の条件を満たす流管中で凝固さ
せた場合においてのみ、高強度かつ高伸度の機械
的性質に優れたPPTA系繊維が得られることを見
い出し、更に鋭意検討した結果本発明を完成した
ものである。 本発明の目的は、強度および伸度の改良された
高性能のPPTA系繊維を工業的に有利な10%以上
の硫酸水溶液を一次凝固液に用い製造する方法を
提供するにある。 問題点を解決するための手段 本発明に係るPPTA系繊維の製造方法は、溶媒
100ml当り、少なくとも30gのポリーパラフエニ
レンテレフタルアミド系ポリマーを含む98.0〜
100.2%硫酸の光学的異方性を示す溶液を空気又
は非凝固性の流体層を通して少なくも10%硫酸水
溶液の一次凝固液に導き、次いで凝固浴下部に設
けられた細管中に糸条を導き走行させたのち、該
糸条を洗浄、乾燥等の仕上げ工程に供する湿式紡
糸法により繊維を製造するにあたり、該細管は長
さと内径の比が0.5以上であつて、かつ、該細管
の下端部が挿入される様に流管を設置し、その際
該流管は細管の断面積の2倍以上の断面積になる
ような内径、及び走行する糸条が10mm秒以上滞留
出来るような長さを有し、かつ、流管中の凝固液
速度が糸条速度の少なくとも80%になるように、
該細管の下端面の上部から二次凝固液を供給する
ことを特徴とする。 本発明において、PPTA系ポリマーとは、ポリ
ーパラフエニレンテレフタルアミドならびにその
【式】単位又は/及び
【式】単位10モル%以下が、 それぞれ他の芳香族ジアミノ残基又は/及び他の
芳香族ジカルボキシル残基と置換したコポリアミ
ド、又は
【式】及び
【式】及び
【式】の単位より成るコポリ アミドを総称する。これらPPTA系ポリマーは単
独、または混合物のいずれであつても本発明法に
用いることができる。 本発明法のPPTA系繊維の製造法においては、
少くとも強度が18g/d以上、伸度が3%以上、
かつ初期モジユラスが250g/d以上を示す如く
高性能繊維が対象とされるべきであり、そのため
には、使用されるPPTA系ポリマーの重合度が一
定の値以上のものでなければならず、固有粘度
(ηinh)で表わして3.5以上、特に4.5以上である
ことが望ましい。 かかるPPTA系ポリマーから、本発明法に用い
られる紡糸用ドープは、既に公知の方法によつて
調製される。その際、溶剤としては、工業的には
濃硫酸が有利に用いられる。濃硫酸の濃度は、98
〜100.2重量%が好ましく、特に高い固有粘度を
有するPPTA系ポリマーを高濃度に溶解する場合
には99重量%以上のものが用いられる。 紡糸用ドープは、溶媒100ml当り少なくとも30
gのPPTA系ポリマーを含むように調製すること
が好ましい。更に好ましくは33g以上のPPTA系
ポリマーを含むように調製する。 しかしながら、ポリマー濃度が高すぎるとドー
ドープの粘度が高くなりすぎるため、ドープ温度
を高く設定する必要があり、紡糸操作上困難を伴
いやすい。従つて、高過ぎないよう選ばれるべき
である。ドープの調製および使用に当つては、上
記ポリマー濃度範囲においては、ドープは室温付
近では個化する場合があるため、室温から80℃程
度の温度で取扱えばよい。しかしながら、ポリマ
ーの分解を可及的に回避する観点から、固化しな
い限りなるべく低い温度を選ぶことが好ましい。 このようにして調製された紡糸用ドープは、上
記のポリマー濃度、ドープ温度範囲で光学的異方
性を有することが認められる。かかるドープが本
発明法において使用され、紡糸口金を通して一旦
空気又は、非凝固性の液体層、通常空気中に押し
出され、ついで凝固浴中に導びかれる。その際、
凝固浴中の凝固しつつある、または凝固した糸条
はほとんど引き伸ばしが行なわれないため、吐出
されたドープは非凝固性の流体層において、引き
取りのドラフト(引き伸ばし)がかかり、引き伸
ばされる。この引き伸ばしにおいて、引き伸ばし
率が低いと充分に繊維の物性を高めることが出来
ず、また、高すぎるとこの間でドープ流が切断さ
れるため、通常は、引き伸ばし率は4〜15倍、好
ましくは5〜12倍の間に設定される。 ドープの引き伸ばしが行なわれる空気又は非凝
固性の流体層の長さ、即ちドープの吐出される紡
糸用口金の面から凝固浴液表面までの距離は、通
常約1〜50mm、好適には3〜20mmの範囲に設定さ
れるが、これに限定されるものではない。具体的
には、紡糸用口金からのドープの吐出速度、上記
のドラフト率、フイラメントの融合機会を少くす
ること等を考慮して決定される。 また、ドープの吐出に際して用いられる紡糸用
口金の孔径は、製造しようとする繊維の太さ、及
び上記のドラフト率の設定により選定されるべき
であつて、通常は0.05〜0.10mmの範囲のものが選
択されるが、これに限られるものではない。更に
紡糸用口金に設けられる孔数は、製造しようとす
る繊維の構成によつて決定されるべきものであ
り、特に本発明法に実施するに当つて格別限定さ
れるものではない。 本発明の効果を充分に発揮させるためには、一
次凝固液として10%以上の硫酸水溶液が用いら
れ、該硫酸濃度は高ければ高い程その効果が大き
い。しかし70%を超えると糸条は、凝固の遅れが
著しくなり、僅かな抵抗で高次構造の破壊をきた
すため、二次凝固液の硫酸濃度を一次凝固液の硫
酸濃度より低くし、凝固を早めることが好まし
い。 工業的に有利な硫酸水溶液を凝固液に用いて、
高性能のPPTA系繊維を製造するための本発明法
においては、前記の様にして吐出され、引き伸ば
されたドープを一次凝固液中に導き、糸条を形成
しつつ、凝固浴下部に設けられた細管に導き、更
に紡速の少なくとも80%の速度で凝固液が流れる
流管中へ糸条を走行させることに最大の特徴があ
る。 PPTA系繊維の形成過程においては、凝固によ
つて形成される高次構造の破壊、配向の進行等の
変化を伴ないながら繊維が形成されるが、これら
は単に張力のみの作用をうけるものではなく、そ
の張力が付与された糸条の凝固状態によつても大
きく変化するものである為、各凝固状態での張力
覆歴が最終製品糸の構造及び機械的な物性に反映
することは、理解されるべきである。 PPTA系繊維を10%以上の硫酸水溶液で一次凝
固させ製造する場合にあつては、硫酸濃度の上昇
と共に該水溶液の粘度、及び比重の増加による紡
糸張力の増大、更に凝固糸条中の硫酸濃度と凝固
液の硫酸濃度の差の減少により凝固の遅れが同時
に起こることによつて、凝固不完全な未凝固糸条
は、より低い張力で構造破壊を生じる。従つて紡
糸張力を低減することが重要であり、この為には
一次凝固液の速度を糸条速度まで加速する必要が
ある。しかしながら、単に凝固浴下部に細管又は
細孔を設け、糸条と共に一次凝固液を重力の加速
度によつて加速する方法、或いは、強制的に例え
ば下向きのジエツト流などにより二次凝固液の速
度を加速する方法においては、見掛け上引取時に
計測される紡糸張力は低減されるものの、自由落
下域で重力の加速度が働き、二次凝固液の落下速
度が逐次高まり、糸条と落下液との速度差を一定
に保つことが出来なかつた。この結果、凝固途中
の糸条に抵抗覆歴を与え高次構造の破壊を引き起
し充分に高い強度及び伸度を合せ持つPPTA系繊
維を得るには至らない。 従つて、10%以上の硫酸水溶液を凝固液として
強度及び伸度共に優れた高性能のPPTA系繊維を
製造するためには、凝固の完成度の低い未凝固糸
条においても繊維構造の破壊を引き起さない様
に、更に、伸度の低下を招く配向の進行を抑制す
る様に、凝固状態に応じて張力を低減すると同時
に、その低張力の状態を一定時間維持することが
必要である。その為には、糸条に随伴する二次凝
固液の流速を加速して糸条と二次凝固液との摩擦
抵抗を減少せしめ、かつ、一旦加速された凝固液
は一定速度を保たせることによつて、この間で糸
条にかかる張力を極めて低い状態に保ちつつ凝固
を進行させ繊維を形成することが出来るのであ
る。ここに、直管を設け、二次凝固液を一定速度
で流す本発明法の一つの重要な意義があることは
理解されなければならない。また、糸条束又は糸
条の一部が前記直管の影響を受ける領域を走行す
ることは、張力増加につながる為さける必要があ
る。従つて、直管の上部に細管を設け、糸条を流
管中に導く前に該細管に該糸条を一端導くこと
に、本発明のもう一つの重要な意義があることも
理解されなければならない。 上述した様に、強度及び伸度共に優れた高性能
PPTA系繊維を製造するには、糸条の凝固状態に
応じて、紡糸張力の低減を図る必要があり、か
つ、該低張力の状態を一定時間維持する必要があ
る。特に、300m/分以上の紡糸速度を採用して、
強度及び伸度共に優れたPPTA系繊維を製造する
には、凝固浴下部に設けられた細管を経由して、
少なくとも紡糸速度の80%、好ましくは90%、更
に好ましくは95%以上の速度で凝固液が流れる流
管中へ糸条が導かれる。特に、一次凝固液の硫酸
濃度が高ければ高い程糸条の凝固が遅れる為、そ
の時かかる張力は更に低いものとする必要があ
り、流管中の凝固液の速度を紡糸速度により近づ
けることが好ましい。 また、紡糸速度を高めた場合も同様のことが言
えるし、流管中に供給される二次凝固浴の硫酸濃
度を高めた場合も同様である。逆に、凝固の完成
度が高い糸条、例えば10%硫酸水溶液の一次凝固
浴で300m/分で紡糸されている糸条では、張力
の比較的高い状態、又は流管中の凝固液の速度が
紡糸速度より速い状態においても繊維の高次構造
の破壊が抑制される為、該凝固液の速度を紡糸速
度の150%もの大きさまですることができ、更に、
該凝固液と糸条とを分離する工程に細孔を設け
る、あるいは気体を噴射する等の糸取出の工夫を
することで、該凝固液の速度を更に高めることも
出来る。 一方流管の設計に当つては、前述した様に流管
中を走行する糸条が該流管の壁面の影響を極力受
けない様に、該流管の上端に設けた細管の断面積
の2倍以上の断面積になるような径を有する流管
を採用することが重要であり、上記断面積比が2
倍未満になると走行糸条に流管の壁面の悪影響が
及ぼされ、高強度のPPTA繊維が得られない。流
管の径を大きくすることは、供給する凝固液の量
が増大しエネルギーの増加につながる為、コスト
の面から該流管の径の上限が決定される。 また、流管中を走行する糸条が管壁の影響をう
けないためには、該流管の形状が実質的に直管で
あることが好ましい。しかし、該流管が大きい内
径を有している及び/、または短かい場合は、該
流管中を走行する糸条が管壁の影響をうけにくい
ため、曲管であつてもよい。 上記流管の長さは、本発明法において極めて重
要な要件の一つである。即ち、糸条の凝固の完成
度が極めて低い状態で流管中より糸条が自由落下
域に引き出されることは、わずかな張力及び/又
は抵抗変化で糸条の高次構造の破壊を招き、繊維
性能の低下のつながる為、少なくとも10mm秒以上
走行する糸条が滞留出来るような流管長を有する
ことが必要であり、該流管長は、紡糸速度の高速
化及び/又は一次、二次凝固液の硫酸濃度の高濃
度化に伴ない長く設定することが肝要である。 本発明における細管は、糸条を収束させて前記
流管に導く役目があると同時に、該流管中から凝
固浴表面に向かつて流れる二次凝固液の急激な噴
出を防ぐ役目を有している。従つて、該細管は、
長さと内径の比が0.5以上に設計すると同時に、
かつ、該細管の下端部が少なくとも挿入される様
に流管を設置することが重要であり、該条件が一
方でも満たされなければ、紡浴表面及び内部に不
安定な流れを生じ、長時間安定して紡糸すること
が出来ない。 本発明法の典型的な操作を第1図の紡糸装置で
示す。この装置では、細管11を上端に有する流
管12が紡浴下部に設けられている。一次凝固液
は供給ノズル22を通して紡浴中に液の供給がな
され、二次凝固液は供給ノズル13を通して液の
供給がなされる。本発明法に係る細管と流管との
位置関係は、第2図Aに示すように細管の下端面
と流管の上端面とが少なくとも交わる関係にあ
り、特に第2図Bのように両端面が重なる位置関
係がより好ましい。 更に、流管の中心と細管の中心とが一致するよ
うに設置することが好ましいが、一致しなくても
特に問題はない。細管及び流管の断面形状は、通
常円形のものが用いられるが、本発明法において
は特に限定されるものではなく、例えば矩形、三
角形状あるいは橢円状など、いずれであつてもよ
い。 更に、上記断面形状が第3図Bのように長さ方
向で変化していてもよいが、細管の最小断面積の
少なくとも2倍以上の断面積になるような最小径
を有する流管とすることが必要である。 本発明の実施に当つては、流管の上端に設けら
れた細管は凝固浴液表面から200mm以内の深さに
設置されることが好ましく、通常は10〜150mm、
特に好ましくは10〜100mmの範囲に設置される。 本発明法によつて凝固形成された糸条は、流管
から、例えばネルソンロール等の引き取り手段に
よつて600m/分以上の極めて高い速度で引き取
られ、付着する凝固液あるいは残存する溶剤硫酸
の中和、洗浄、乾燥等の仕上工程に供される。そ
の際、形成された糸条繊維中に含有される酸の中
和、洗浄、または中和によつて生じた塩の洗浄
は、最終的に得られるPPTA系繊維の品質上特に
徹底して行われることが好ましく、これらの処理
に長時間を必要とする。このような徹底した中和
又は洗浄を長時間に渡り実施する方法として、多
数のロールを組み合わせて滞留時間を長くとる方
法であつても差支えないが、特に、特公昭55−
9088号報による、ネツトコンベヤー上にPPTA系
繊維を堆積して水洗、中和、乾燥する方法が、工
業的にも且つ高品質の繊維を得る上からも好まし
く用いられる。更には、本発明法の実施に当つて
例えば特公昭54−36698号報にて提案されたネツ
トコンベヤー上での乾燥後さらに熱処理を行うこ
と等の処理を行なうことも許される。 本発明は、すべてのPPTA系繊維の製造に対し
て有効であるが、PPTA系繊維自体、高い結晶性
の故か、繊維がフイブリル化しやすかつたり、割
れやすいこともあつて、単繊維の太さは、太すぎ
ないことが望ましい。通常は大略10デニール以
下、好ましくは3デニール以下に設定される。総
繊維の線密度は20〜4500デニール、通常、50〜
3000デニールであることが好ましい。 実施例 以下、実施例によつて本発明を更に詳細に説明
するが、これらの実施例は何ら本発明を限定する
ものでない。 実施例中、特にことわりのない限り「%」は重
量パーセントを表わす。また、本発明法において
用いられる種々のパラメーターの主なものは以下
の様にして測定されたものである。 固有粘度の測定法; 固有粘度(ηinh)は、98.5重量%の濃硫酸に濃
度(C)=0.5g/dlでポリマーまたは繊維を溶か
した溶液を30℃にて常法により測定する。 ηinh=ln・ηrel/C 繊維の強伸度特性の測定法; 繊維糸条の強度、伸度およびヤング率の測定は
JIS規格に準じ、測定に先立つて10cm当り、8回
の撚りを加えた糸条について、定速伸長型強伸度
試験機により、把握長20cm、引張り速度50%/分
にて、荷重一伸長率典線を描き、それより読み取
り、または算出したもので、測定数20個の平均値
で表わす。 流管と細管の断面積比; 流管の内径をD1、細管の内径をD2とすると共
に円形のものを用いた場合は、次式により計算さ
れる。 (D1/D22=断面積比 流管中の凝固液の速度; 一次凝固液の供給量と該凝固液を有する紡浴か
らのオーバーフロー量との差から細管部の吸引量
(条件によつては、噴出量)と二次凝固液の供給
量より、流管中を通る凝固液量を求め、該凝固液
量を流管の断面積で除した値、即ち平均流速を流
管中の凝固液速度とする。 参考例 低温溶液重合法により次の如くPPTAポリマー
を得た。 特公昭53−43986号公報に示された重合装置中
でN−メチルピロリドン1000部に無水塩化カルシ
ウム70部を溶解し、次いでパラフエニレンジアミ
ン48.6部を溶解した。8℃に冷却した後、テレフ
タル酸ジクロライド91.4部を粉末状で一度加え
た。数分後に重合反応物はチーズ状に固化したの
で、特公昭53−43986号公報記載の方法にしたが
つて重合装置より重合反応物を排出し、直ちに2
軸の密閉型ニーダーに移し、同ニーダー中で重合
反応物を微粉砕した。次に微粉砕物をヘンシエル
ミキサー中に移し、ほぼ等量の水を加えてさらに
粉砕した後、濾過し、数回温水中で洗浄して、
110℃の熱風中で乾燥した。固有粘度が6.2の淡黄
色のPPTA系ポリマー95部を得た。 なお、異なつた固有粘度のポリマーは、N−メ
チルピロリドンとモノマー(パラフエニルレンジ
アミンおよびテレフタル酸ジクロライド)の比、
または/およびモノマー間の比等を変えることに
よつて容易に得ることができる。 実施例 1 参考例に従つて製造した固有粘度(ηinh)が
6.9のポリーパラフエニレンテレフタルアミドを、
ポリマー濃度が19.2%になるように99.7%の濃硫
酸に、温度を80℃に保ちながら溶解し、紡糸用の
ポリマー溶液(以下ドープと略称)を調製した。
このドープは、光学的異方性を示すことが、直交
ニコル下の偏光顕微鏡観察で確認された。 このドープを真空下4時間静置脱泡後、紡糸に
用いた。ドープをギアポンプを通して300メツシ
ユステンレス金綱を8重に巻いたキヤンドルフイ
ルターを通して濾過後、第1図に示す紡糸用装置
に設置された0.06mmφの孔径、100個の孔数を有
する紡糸用口金から5mmの空気中を通して40%硫
酸水溶液の一次凝固液中に押し出した。流管中に
供給する二次凝固液は、同じく30%硫酸水溶液
で、凝固液の温度は一次、二次凝固液共に2℃で
あつた。 流管中から取出された糸条は、変向ロールにて
変向後、ネルソンロールにより引き取り、次いで
ワインダーによりボビン上に捲き取り、このボビ
ンを流れ中に2夜浸漬して糸条を洗浄後、110℃
の熱風乾燥機中で乾燥した。 この際紡糸に用いた装置は第1図に示すもので
あり、一次凝固液で満たされた凝固浴槽(直径
200mm、深さ100mm)と上端に細管(直径2mmφ、
長さ10mm)を有する流管(直径6mmφ、長さ400
mm)とからなるものである。 流管には、二次凝固液を供給するための、供給
ノズル13が付してあり、細管11の下端面と流管
12の上端面とは、2mmの重なり部を有するよう
に調整されており、一次凝固液の表面から60mmの
深さに細管が設けられている。 紡糸に当つては、流管中の流速が設定速度にな
るように二次供給水量を調整した。 以上の手段で、ドラフト率(ドープの吐出線
速/糸条の引き取り速度)を5.7で一定として、
各紡糸速度及び流速(流管中)で紡糸し、得られ
た繊維の物性を第1表に示す。 比較例としては、管長を20mmとし、凝固が極め
て不完全のまま自由落下域に引き出す公知の紡糸
方法で製造された繊維物性を示した。なお、この
時の流管径は4mmφで、二次凝固液の供給水量が
5/分、細管部の給水量が0.95/分であつ
た。
【表】 第1表からも明らかな様に、本発明法において
は、同一紡速の公知の紡糸法(比較例1)よりも
繊維の強度及び伸度共に優れた繊維が得られるこ
とが確認された。 また、各紡速で流管中の流速が紡速の80%に満
たない条件下で製造された繊維は、繊維物性が極
めて低く、該液速が紡速の80%以上においては高
強度及び高伸度を有する優れた繊維を得た。 実施例 2 固有粘度(ηinh)が7.24のポリーパラフエニレ
ンテレフタルアミドを99.8%の濃硫酸中に、ポリ
マー濃度が19.5%になるように、70℃で2時間溶
解した。溶解は真空下で行ない、次いで2時間の
静置脱泡を行なつた後紡糸に使用した。 このドープを、孔径0.07mmφ、孔数500個を有
する紡糸用口金から、ドラフト率が7.9となるよ
うに押出し、細管の形状の違いを除いては実施例
1と同じ第1図に示す装置を用いて、一旦10mmの
空間を走行させたのち、温度を0〜3℃に保つた
20%硫酸水溶液を一次凝固液と二次凝固液として
用いて、第2表の紡糸条件で紡糸を行なつた。そ
の際、流管上端の細管の形状は、第3図Aのよう
な内径4mmφ長さ10mmと内径6mmφ長さ10mmの形
状であり、流管の上端面と該細管の下端面とは、
4mmの重なり部を有していた。 糸条は、一次凝固液の表面から30mmの深さに設
置された細管、更に設定速度で二次凝固液が流れ
る流管(内径12mmφ)を通つて、細管より下方
400mmに設けた変向ロールにて変向後、ネルソン
ロールにて引き取り、次いで、第4図に示す
PPTA繊維の連続製造装置(特公昭55−9088号公
報に記載)により、即ち糸条を一対のギヤーニツ
プロール(歯車状のロールが浅く噛み合い、その
間で糸条を送り出す)により反転ネツト上に振り
込み、次いで処理コンベアー上に反転させて乗せ
た。処理コンベアー上に乗せられた糸山は、シヤ
ワー方式による水洗水により洗浄された後、乳化
剤により水中に分散させた鉱物油を1%含有する
油剤液を給付され、次いで200℃の熱風乾燥を行
つた後、コンベアー上から取り上げられ、ワイン
ダーによりボビン上に捲きとられた。
【表】 この様にして得られた繊維の性能は第2表に示
す。 本発明法における繊維の性能は600m/分以上
の高い紡糸速度においても、糸条の滞留時間が少
なくとも10mm秒以上になる様な流管長を有する
と、20%の硫酸水溶液を一次及び二次凝固液とし
て用いても、高強度及び高伸度を有する繊維が得
られた。 実施例 3 固有粘度(ηinh)が7.91のポリーパラフエニレ
ンテレフタルアミドを99.7%の濃硫酸中に、ポリ
マー濃度が19.3%になるように、70℃で2時間溶
解した。溶解は真空下で行ない、ついで2時間の
静置脱泡を行なつたのち紡糸に使用した。 このドープを孔径0.07mmφ、孔数500個を有す
る紡糸用口金から、ドラフト率が8.0となるよう
に押出し、実施例1と同じ第1図に示す装置を用
いて、一旦10mmの空間を走行させたのち、温度を
0〜3℃に保つた35%硫酸水溶液を一次及び二次
凝固液として用いて、第3表に示す紡糸を行なつ
た。その際、流管上端の細管は内径6mmφで該細
管の下端面と流管の上端面とは、いずれも1mmの
重なり部を有していた。 糸条は、一次凝固浴の表面から30mmの深さに設
置された細管、更に設定速度で二次凝固液が流れ
る流管を通つて、細管より下方500mmに設けた変
向ロールにて変向後、ネルソンロールにて引き取
り、ついで実施例2と同様の工程を経てボビン上
に捲き取られた。 この様にして得られた繊維の性能を第3表に示
す。 即ち、一次及び二次凝固液に35%硫酸水溶液を
用いても、流管の断面積と細管の断面積との比を
少なくとも2以上にすることで、高強度及び高伸
度を有する繊維が得られた。 一方、細管の長さと内径の比が0.5に満たない
と、一次凝固液の浴中が安定せず糸条を安定して
引き取ることが出来なかつた。
【表】 比較例 2 細管の下端面と流管の上端面との重なり部が全
くないことを除いては、実施例3−6と同じ条件
で紡糸を試みたが、一次凝固液の紡浴中が不安定
となり、糸条を安定して引き取ることが出来なか
つた。 比較例 3 実施例3に用いられたものと同じ紡糸用ドープ
を用い、同一の吐出条件で空間に吐出後、一次凝
固浴中に導いた。 次いで一次凝固液表面から30mmの深さに設置さ
れた細管(内径6mmφ、長さ6mm)を通して糸条
及び一次凝固液を落下させ、細管から500mm下方
で変向ロールにて糸条を変向させた後、実施例2
と同様の工程を経て繊維を得た。得られた繊維の
物性を第2表に併記したが、本発明の繊維に比較
して性能面で著しく劣るものであつた。 発明の効果 本発明によるPPTA系繊維の製造法によれば該
ポリマーを溶解するための溶媒として用いる硫酸
の回収面で工業的に有利な10%以上の硫酸水溶液
を一次凝固液として製造される従来の繊維の物性
に対し、強度の10〜20%以上の向上に加えて、特
に伸度の約15〜30%以上の向上を達成することが
全てのPPTA系繊維の製造に対して可能である。
なお、かかる本発明法の著しい効果は、300m/
分以上の紡糸速度において顕著に現われる。 このように本発明法によつて得られたPPTA系
繊維は、強度及び伸度の両方に優れた繊維であつ
て、これらの優れた特性は、該繊維の実使用に当
つて消費性能上極めて有利である。 本発明によつて得られたPPTA系繊維は、その
優れた特性によつて、衣料用、産業資材用を問わ
ず使用されるが、特にブレードホース、コンベア
ベルト、タイヤ、エアバツクなどのコムの補強
材、プラスチツクの強化繊維素材など、特に高強
度かつ高伸度の特徴が十分に活用される分野で有
用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法に好適な紡糸装置の一例を示
す。第2図及び第3図は、第1図の細管と流管上
端部の例を示す図である。第4図は、PPTA繊維
の連続製造装置を示す。 11……細管、12……流管、13……二次凝
固液供給ノズル、20……凝固液槽、21……一
次凝固液、22……一次凝固液供給ノズル、30
……糸条変向用ロールガイド、40……紡糸用口
金、50……糸条及び凝固液流、60……糸条、
74……引き取り用ネルソンロール、75……ギ
ヤーニツプロール、76……反転ネツト、77…
…糸山を送る為のコンベアーネツト、78……水
洗用シヤワトレイ、79……熱風乾燥機、80…
…捲き取り用ワインダー、81……糸山おさえ用
カバーネツト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶媒100ml当り、少なくとも30gのポリーパ
    ラフエニレンテレフタルアミド系ポリマーを含む
    98.0〜100.2%硫酸の光学的異方性を示す溶液を、
    空気又は非凝固性の流体層を通して少なくとも10
    %硫酸水溶液の一次凝固液に導き、次いで凝固浴
    下部に設けられた細管中に糸条を導き走行させた
    後、該糸条を洗浄、乾燥等の仕上げ工程に供する
    湿式紡糸法により繊維を製造するにあたり、該細
    管は長さと内径の比が0.5以上であつて、かつ、
    該細管の下端部が挿入される様に流管を設置し、
    その際該流管は細管の断面積の2倍以上の断面積
    になるような内径、及び走行する糸条が10mm秒以
    上滞留出来るような長さを有し、かつ、流管中の
    凝固液速度が糸条速度の少なくとも80%になるよ
    うに、該細管の下端面の上部から二次凝固液を供
    給することを特徴とするポリーパラフエニレンテ
    レフタルアミド系繊維の製造方法。 2 紡糸速度が少なくとも300m/分である特許
    請求の範囲第1項記載の製造方法。
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