JPH05325954A - 亜鉛アルカリ電池の製造法 - Google Patents

亜鉛アルカリ電池の製造法

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JPH05325954A
JPH05325954A JP4132171A JP13217192A JPH05325954A JP H05325954 A JPH05325954 A JP H05325954A JP 4132171 A JP4132171 A JP 4132171A JP 13217192 A JP13217192 A JP 13217192A JP H05325954 A JPH05325954 A JP H05325954A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無公害でかつ貯蔵性に優れた亜鉛アルカリ電
池を提供することを目的としている。 【構成】 亜鉛アルカリ電池の負極処方において、水
銀、鉛、カドミウム、インジウムおよびタリウムを添加
しておらず、ビスマス、リチウム、カルシウム、および
アルミニウムの群のうち少なくとも1種以上を添加した
亜鉛合金を活物質に用い、無機系インヒビターとして、
合成の出発物質、粒子径、加熱分解減量を最適化した水
酸化イットリウムもしくは酸化イットリウムを用いるこ
とにより、無公害でかつ貯蔵性に優れた亜鉛アルカリ電
池が得られる。上記負極処方において、有機系インヒビ
ターとしてポリエチレンオキサイドを親水部に持ち、フ
ッ化アルキル基を親油部に持つ界面活性剤を適正量添加
するとさらに貯蔵性に優れた亜鉛アルカリ電池が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負極活物質として亜
鉛、電解液としてアルカリ水溶液、正極活物質として二
酸化マンガン、酸化銀、酸素等を用いる亜鉛アルカリ電
池の無水銀化、無鉛化、無インジウム化の技術に関わ
り、無公害でかつ貯蔵性、放電性能に優れた亜鉛アルカ
リ電池の製造法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】約10年前から廃電池の水銀による環境
汚染が強く懸念されるようになり、アルカリ乾電池中の
水銀量の低減の研究がなされた。その結果、耐食性亜鉛
合金やインヒビターの開発により、現状ではアルカリ乾
電池中に含まれる水銀量は電池重量に対し250ppm
に低減され、さらには、無水銀アルカリ乾電池も発売さ
れた。
【0003】アルカリ乾電池の無水銀化技術に関するア
プローチは、水銀を添加したアルカリ乾電池が開発され
ていた当時からなされ、特許や報文に耐食亜鉛合金、無
機系インヒビターおよび有機系インヒビターに関する様
々な材料について、多数出願や発表がなされている。例
えば、インジウム、鉛、カドミウム、タリウムなどの元
素は水素過電圧の高い材料として知られており、耐食亜
鉛合金の合金添加元素として、また、それらの化合物
(塩、酸化物、水酸化物)がインヒビターとして用いら
れている(特開平1−105466)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】純亜鉛を無水銀のまま
負極の活物質に用いた電池では、亜鉛の水素発生を伴っ
た腐食反応が激しく起こり、電池内圧が増加して電解液
を外部へ押し出し、耐漏液性の低下する問題がある。ま
た部分的に放電した電池では亜鉛負極の水銀発生速度が
加速され、耐漏液性はさらに低下する。これらは亜鉛表
面の水素過電圧を高めることで腐食反応を抑制していた
水銀がなくなったことに起因している。アルカリ乾電池
の無水銀化技術では上記の如く、インジウム、鉛、カド
ミウム、タリウムなどが、耐食亜鉛合金の合金添加元素
として、また、それらの化合物がインヒビターとして用
いられる。
【0005】これらインジウム、鉛、カドミウム、タリ
ウムのうち、鉛、カドミウム、タリウムは水銀と並ぶ公
害物質であるので電池の無公害化に微量添加とは言え、
望ましい添加元素とは言い難い。また、インジウムは一
般的に有害物質として扱われず、防食性能も高いので、
一次電池にかかわらず二次電池の負極への添加剤として
知られている。事実、無水銀アルカリ電池の処方には合
金添加元素としてのみならず、アルカリ電解液中に添加
する無機系インヒビターとしても用いられる。しかし、
インジウムも慢性的中毒については不明であり、米国産
業衛生専門家会議(ACGIH)によれば鉛よりも厳し
く許容濃度が定められている。
【0006】本発明では水銀はもとより、インジウム、
鉛、カドミウム、タリウムなどを用いることなく、亜鉛
の腐食を抑制し、無公害のアルカリ乾電池を提供するこ
とを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】まず、耐食性亜鉛合金と
無機系インヒビターの複合使用についての本発明の構成
を説明する。本発明における亜鉛負極部は、ビスマスを
0.01〜0.5wt%含有する耐食性亜鉛合金粉末、
もしくはビスマスを0.01〜0.5wt%、リチウ
ム、カルシウムおよびアルミニウムの1種または2種以
上を合計で0.005〜0.2wt%含有する耐食性亜
鉛合金粉末を活物質とし、適正な性質を持った水酸化イ
ットリウム粉末もしくは酸化イットリウム粉末を適正な
濃度で分散させたアルカリ電解液により構成される。
【0008】次に、亜鉛合金、無機系インヒビターと有
機系インヒビターの複合使用についての本発明の構成を
説明する。本発明における亜鉛負極は、ビスマスを0.
01〜0.5wt%含有する耐食性亜鉛合金粉末、もし
くはビスマスを0.01〜0.5wt%、リチウム、カ
ルシウムおよびアルミニウムの1種または2種以上を合
計で0.005〜0.2wt%含有する耐食性亜鉛合金
粉末を活物質とし、適正な性質を持った水酸化イットリ
ウム粉末もしくは酸化イットリウム粉末を適正な濃度で
分散させ、さらに、有機系インヒビターとしてポリエチ
レンオキサイドを親水部に持ち、フッ化アルキル基を親
油部に持ったいわゆるパーフルオロアルキルポリエチレ
ンオキサイド系界面活性剤の適正量を添加したアルカリ
電解液とにより構成される。
【0009】上記のパーフルオロアルキルポリエチレン
オキサイド系界面活性剤は、亜鉛合金に対して0.00
1〜0.1wt%アルカリ電解液中に含有させることで
効果がある。
【0010】また、電池の製造法上から水酸化イットリ
ウムは塩化イットリウム、硫酸イットリウムもしくは硝
酸イットリウムを出発物質とし、その水溶液中での中和
処理で合成した水酸化イットリウムを用いることが望ま
しい。塩化イットリウムを出発物質とした場合と硫酸イ
ットリウムの場合とでは、前者のほうが防食性の良いも
のができる。硫酸イットリウム、硝酸イットリウムを出
発物質とした場合は、塩素イオンを含有する水溶液中か
らの中和処理で合成した水酸化イットリウムを用いるこ
とが効果的である。
【0011】また、上記の水酸化イットリウムおよび酸
化イットリウムは粒子径が0.5〜8μの範囲の粒子を
総量の60wt%以上、好ましくは70wt%以上含む
粉末で構成されているものが効果的である。
【0012】さらに、水酸化イットリウムは900℃ま
での加熱分解による重量減少率が8〜25wt%である
ものが効果的である。
【0013】
【作用】本発明の耐食性亜鉛合金、無機系インヒビタ
ー、有機系インヒビターの材料、およびそれらの複合に
おける組合せや組成については、それぞれが複合効果を
最高に発揮できるように鋭意研究した結果、見出したも
のである。その作用機構の解明は今のところ不明確であ
るが、以下のように推察される。
【0014】まず、合金の添加元素、無機系インヒビタ
ー、有機系インヒビターそれぞれの単独での作用効果は
次のようである。
【0015】合金中の添加元素のうちビスマスはその元
素自身の水素過電圧が高く、亜鉛に添加されて、その表
面の水素過電圧を高める作用がある。これを均一に合金
中に添加した場合、粉末のどの深さにも添加元素が存在
するため、この作用は放電により新しい亜鉛表面が現れ
たとしても保持される。また、リチウム、カルシウムや
アルミニウムは亜鉛粒子を球形化させる作用があり、真
の比表面積を少なくさせるため、亜鉛粉末の単位重量当
たりの腐食量を低下させる。
【0016】水酸化イットリウムおよび酸化イットリウ
ムは粉末としてアルカリ電解液中に亜鉛合金と共存状態
で分散された場合、その一部は溶解し、イットリウムイ
オンとして亜鉛合金表面に特異吸着し、その表面の水素
過電圧を高める。残りの部分は電解液中に固体のまま残
留し、放電により新しい亜鉛合金表面が現れたとき、そ
の新しい表面に特異吸着して防食効果を示す。
【0017】界面活性剤はゲル状アルカリ電解液中に亜
鉛合金と共存すると、金属石けんの原理で亜鉛合金表面
に化学吸着して疎水性の単分子層を形成し、防食効果を
示す。特に、ポリエチレンオキサイドを親水部に持つ界
面活性剤は、アルカリ電解液に対しミセルとしての溶解
性が高く、電解液に投入させた場合、亜鉛合金表面への
移動、吸着が速やかに起こるため、防食効果が高い。さ
らに、フッ化アルキル基を親油部に持てば、これが亜鉛
合金表面に吸着した場合、電気絶縁性が高いため腐食反
応の電子授受を効果的に疎外し、また耐アルカリ性が強
いため、その効果は持続する。
【0018】次に亜鉛合金と水酸化イットリウムおよび
酸化イットリウムとの複合効果について説明する。酸化
イットリウムおよび水酸化イットリウムはイットリウム
イオンとして電解液に溶解し、亜鉛合金表面に特異吸着
して作用するので、効果を発揮するには吸着がスムーズ
にかつ均一に起こる必要がある。耐食性のない亜鉛の表
面では著しい水素ガスの発生が起こっているため、イッ
トリウムイオンの吸着が疎外され、吸着の状態が不均一
となる。しかし、耐食性の良好な亜鉛合金表面では水素
ガスの発生が抑制されており、吸着がスムーズにかつ均
一に起こり、相乗効果を示す。
【0019】次に亜鉛合金、界面活性剤と水酸化イット
リウムおよび酸化イットリウムとの複合効果について説
明する。上述したように亜鉛合金と界面活性剤を共存さ
せると亜鉛合金表面の水素ガス発生はさらに抑制され、
イットリウムイオンの吸着がスムーズにかつ均一に起こ
り、相乗効果を示すと思われる。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって、本発明の詳細ならび
に効果を説明する。
【0021】まず、耐食性亜鉛合金の作成方法、水酸化
イットリウムおよび酸化イットリウムの合成方法、本発
明の製造法の効果を示すため、実施例に用いたLR6型
アルカリマンガン電池の構造、および耐漏液性の比較評
価の方法について説明する。
【0022】耐食性亜鉛合金粉末は、純度99.97%
の亜鉛を融解し、所定の添加元素を所定量加え、均一溶
解させた後、圧縮空気で噴霧して粉末化する、いわゆる
アトマイズ法で作成し、これをふるいで分級して粒度範
囲45〜150メッシュに調整した。
【0023】水酸化イットリウムは所定のイットリウム
塩をpH=1の酸性水溶液に飽和量添加し、その水溶液
をスクリュウ攪拌機で攪拌しながらアンモニアガスを中
和剤として水溶液のpHが9になるまで加えて中和し
た。その後0.5μの目の粗さをもつフィルター上でイ
オン交換水を用いてロ液のpHが7.5になるまで水洗
いし、フィルターの下から真空で引いて水分の分離を行
い、60℃で真空乾燥することにより合成した。また、
酸化イットリウムは上記の水酸化イットリウムを900
℃で熱分解することにより合成した。
【0024】ゲル状負極は以下のようにして調整した。
まず、40重量%の水酸化カリウム水溶液(ZnOを3
wt%含む)に3重量%のポリアクリル酸ソーダと1重
量%のカルボキシメチルセルロースを加えてゲル化す
る。ついで、このゲル状電解液を攪拌しながら所定量の
水酸化イットリウムもしくは酸化イットリウムの粉末を
徐々に投入し、2〜3時間熟成する。さらにゲル状電解
液に対して重量比で2倍の亜鉛合金粉末を加えて混合し
た。界面活性剤を添加する場合は、無機系インヒビター
を投入する前の工程で界面活性剤を所定量投入、攪拌
し、2〜3時間熟成する工程を入れた。
【0025】図1は本実施例で用いたアルカリマンガン
電池LR6の構造断面図である。図1において、1は正
極合剤、2は本発明で特徴付けられたゲル状負極、3は
セパレータ、4はゲル負極の集電子である。5は正極端
子キャップ、6は金属ケース、7は電池の外装缶、8は
ケース6の開口部を閉塞するポリエチレン製樹脂封口
体、9は負極端子をなす底板である。
【0026】耐漏液性の比較評価の方法は、図1で示し
たアルカリマンガン電池を100個ずつ試作し、LR6
に対して最も苛酷な条件である0.8Aの定電流で理論
容量の深度20%まで部分放電を行い、その後60℃で
一定期間保存し漏液した電池数を漏液指数(%)として
評価した。この過酷な条件下において、60℃保存30
日で漏液指数が0%であれば実用可能であるが、耐漏液
性などの信頼性に関する性能はできるだけ長期に性能を
維持できることが望ましい。
【0027】(実施例1)亜鉛合金と無機系インヒビタ
ーとを複合した場合の無機系インヒビターの適正量につ
いて説明する。
【0028】(表1)にビスマスを0.05wt%含有
した亜鉛合金、ビスマスを0.05wt%、リチウムを
0.02wt%含有した亜鉛合金、ビスマスを0.05
wt%、カルシウムを0.02wt%含有した亜鉛合
金、およびビスマスを0.05wt%、アルミニウムを
0.02wt%含有した亜鉛合金に対し、水酸化イット
リウムを0.001〜1wt%添加した電池の60℃3
0日保存後の漏液試験結果を示す。ちなみに(表1)で
用いた亜鉛合金は水銀、鉛、カドミウム、インジウムお
よびタリウムを添加しない合金のうちでは最も耐食性の
優れた亜鉛合金である。また、水酸化イットリウムは硫
酸塩を出発物質とし、粒子径が0.5〜8μの範囲の粒
子を70wt%含み、900℃までの加熱分解減量が1
5%の粉末を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】(表1)より耐食性の優れた亜鉛合金でも
それ単独ではとても実用的な耐漏液性は確保できない。
しかし水酸化イットリウムを適切量加えることにより、
耐漏液性は確保できることがわかる。各々の亜鉛合金に
対し水酸化イットリウムの添加量は0.005〜0.5
wt%の範囲が良好である。なお、水酸化イットリウム
を酸化イットリウムに置き換えた場合、添加量0.00
5〜0.5wt%の範囲において60℃30日まで漏液
指数0%で合金単独の場合より良好な貯蔵性が得られ
る。
【0031】(実施例2)亜鉛合金と無機系インヒビタ
ーとを複合した場合の適正合金組成について説明する。
【0032】(表2)に水酸化イットリウムの添加量を
0.1wt%に固定し、ビスマスを単独添加した亜鉛合
金においてビスマスの添加量を変化させて作成した電池
の60℃30日保存後の漏液試験結果を示す。
【0033】
【表2】
【0034】(表2)より、ビスマスの添加量は亜鉛に
対し0.01〜0.5wt%の範囲が良好であることが
わかる。
【0035】(表3)に水酸化イットリウムの添加量を
0.1wt%に固定し、ビスマス、リチウム、カルシウ
ムおよびアルミニウムを複合添加した亜鉛合金において
リチウム、カルシウムおよびアルミニウムの添加量を変
化させて作成した電池の60℃60日保存後の漏液試験
結果を示す。
【0036】
【表3】
【0037】(表3)より、リチウム、カルシウムおよ
びアルミニウムの添加量は合計して亜鉛に対し0.00
5〜0.2wt%の範囲が良好であることがわかる。な
お、実施例2で用いた水酸化イットリウムは実施例1と
同様のものである。また、水酸化イットリウムを酸化イ
ットリウムに置き換えた場合、同様な合金組成範囲にお
いて60℃20日まで漏液指数0%で合金単独の場合よ
りは良好な貯蔵性が得られる。
【0038】(実施例3)水酸化イットリウムの合成に
おける出発物質の限定に関する本発明を説明する。
【0039】(表4)に各亜鉛合金に対し、出発物質の
異なる水酸化イットリウムを0.1wt%添加した電池
の60℃30日保存後の漏液試験結果を示す。
【0040】
【表4】
【0041】(表4)より、塩化物、硫酸塩を出発物質
としたものを用いた電池が良好であることがわかる。ま
た、硝酸塩でも、塩素イオンの存在状態で合成したもの
が適当であることがわかる。なお、水酸化イットリウム
を酸化イットリウムに置き換えた場合、60℃20日ま
で漏液指数0%で合金単独の場合よりは良好な貯蔵性が
得られる。
【0042】(実施例4)水酸化イットリウムの粒度範
囲の限定について説明する。
【0043】(表5)に粒度分布の異なる水酸化イット
リウムを各亜鉛合金に対し0.1wt%添加した電池の
60℃30日後の漏液試験結果を示す。
【0044】
【表5】
【0045】(表5)より、粒子径が0.5〜8μの範
囲の粒子を60wt%(合成の水洗工程で0.5μ目の
粗さのフィルター上に残った物を用いているので残りの
粒子は0.5μ以上の粒子である)以上、含む水酸化イ
ットリウム粉末を用いるのがよく、70wt%以上では
60℃45日目まで漏液しない場合がある。
【0046】この実施例で用いた粒度分布の異なる水酸
化イットリウムは硝酸塩を出発物質とし、粒子径の大き
いものを湿式の沈降法により分級調整したものを用い
た。なお、水酸化イットリウムを酸化イットリウムに置
き換えた場合、同様な粒度で60℃20日まで漏液指数
0%で合金単独の場合より良好な貯蔵性が得られる。
【0047】(実施例5)水酸化イットリウムの加熱分
解減量の限定についての実施例を説明する。
【0048】(表6)に900℃までの加熱分解減量の
異なる水酸化イットリウムを各亜鉛合金に対し0.1w
t%添加した電池の60℃30日保存後の漏液試験結果
を示す。
【0049】
【表6】
【0050】(表6)より加熱分解による重量減少率が
8〜25wt%である水酸化イットリウムを用いるのが
よい。
【0051】この実施例で用いた加熱分解減量の異なる
水酸化イットリウムは、塩化物を出発物質としこれを中
和処理して合成後真空乾燥の時間を変えることにより調
整した。
【0052】(実施例6)亜鉛合金と無機系インヒビタ
ーおよび有機系インヒビターとを複合した場合の有機系
インヒビターの適正添加量について説明する。
【0053】(表7)に各亜鉛合金に対し水酸化イット
リウムの添加量を最適の0.1wt%に固定し、界面活
性剤の添加量を変化させて作成した電池の60℃90日
保存後の漏液試験結果を示す。
【0054】
【表7】
【0055】これより、有機系インヒビターの適正添加
量は亜鉛合金に対し0.001〜0.1wt%が適当で
あることがわかる。
【0056】実施例6で用いた界面活性剤は下記の構造
【0057】
【化1】
【0058】であるものを用いたが、下記の構造式
【0059】
【化2】
【0060】である界面活性剤であれば同様あるいはそ
れ以上の効果が得られる。また、上記の界面活性剤のう
ち、燐酸系のものは一級、二級燐酸塩の混合物でもかま
わない。
【0061】また、実施例6で用いた水酸化イットリウ
ムは実施例1と同様のものであるが、実施例1,2,
3,4,5に示した適当、適正なる水酸化イットリウム
および酸化イットリウムを用いれば充分な貯蔵性を持っ
た電池が得られる。さらに、合金組成についても同様な
ことが言える。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、亜鉛ア
ルカリ電池において、アルカリ電解液中に適正な組成を
有する亜鉛合金と、適正な合成方法により適当な物性を
もつようにした水酸化イットリウムもしくは酸化イット
リウムを加えることで、予測以上の複合効果が得られ、
無水銀、無鉛、無インジウムでも亜鉛の腐食による電池
内圧の上昇を抑制して電池の耐漏液性を向上させること
ができる。そして適切な構造式を有する有機系インヒビ
ターを適正量これに加えることで、さらに貯蔵性の良好
な無公害の亜鉛アルカリ電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるアルカリマンガン電池
の断面図
【符号の説明】
1 正極合剤 2 ゲル状負極 3 セパレータ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水銀、鉛、カドミウム、インジウムおよび
    タリウムを添加しておらず、ビスマス、リチウム、カル
    シウム、およびアルミニウムの群のうち少なくとも1種
    以上を添加した亜鉛合金を活物質として使用し、アルカ
    リ電解液中にイットリウム塩を出発物質とし、その水溶
    液中での中和処理で合成した水酸化イットリウムを前記
    亜鉛合金に対して0.005〜0.5wt%添加したこ
    とを特徴とする亜鉛アルカリ電池の製造法。
  2. 【請求項2】ビスマスを0.01〜0.5wt%、含有
    する亜鉛合金を負極活物質として使用したことを特徴と
    する請求項1記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  3. 【請求項3】ビスマスを0.01〜0.5wt%、リチ
    ウム、カルシウムおよびアルミニウムの1種または2種
    以上を合計で0.005〜0.2wt%含有する亜鉛合
    金を負極活物質として使用したことを特徴とする請求項
    1記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  4. 【請求項4】イットリウム塩が塩化イットリウムである
    ことを特徴とする請求項1記載の亜鉛アルカリ電池の製
    造法。
  5. 【請求項5】イットリウム塩が硝酸イットリウムもしく
    は硫酸イットリウムであり、塩素イオンを含有する水溶
    液中からの中和処理で合成した水酸化イットリウムを用
    いることを特徴とする請求項1記載の亜鉛アルカリ電池
    の製造法。
  6. 【請求項6】粒子径が0.5〜8μの粒子を総量の60
    wt%以上含む水酸化イットリウムを用いることを特徴
    とする請求項1記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  7. 【請求項7】900℃までの加熱分解による重量減少率
    が8〜25wt%である水酸化イットリウムを用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の亜鉛アルカリ電池の製造
    法。
  8. 【請求項8】水銀、鉛、カドミウム、インジウムおよび
    タリウムを添加しておらず、ビスマス、リチウム、カル
    シウム、およびアルミニウムの群のうち少なくとも1種
    以上を添加した亜鉛合金を活物質として使用し、アルカ
    リ電解液中に酸化イットリウムを前記亜鉛合金に対して
    0.005〜0.5wt%含有させたことを特徴とする
    亜鉛アルカリ電池の製造法。
  9. 【請求項9】ビスマスを0.01〜0.5wt%、含有
    する亜鉛合金を負極活物質として使用したことを特徴と
    する請求項8記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  10. 【請求項10】ビスマスを0.01〜0.5wt%、リ
    チウム、カルシウムおよびアルミニウムの1種または2
    種以上を合計で0.005〜0.2wt%含有する亜鉛
    合金を負極活物質として使用したことを特徴とする請求
    項8記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  11. 【請求項11】酸化イットリウムが、イットリウム塩を
    出発物質とし、その水溶液中での中和処理で合成した水
    酸化イットリウムを熱分解して合成した酸化イットリウ
    ムであることを特徴とする請求項8記載の亜鉛アルカリ
    電池の製造法。
  12. 【請求項12】粒子径が0.5〜8μの粒子を総量の6
    0wt%以上含む酸化イットリウムを用いることを特徴
    とする請求項8記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  13. 【請求項13】水銀、鉛、カドミウム、インジウムおよ
    びタリウムを添加しておらず、ビスマス、リチウム、カ
    ルシウム、およびアルミニウムの群のうち少なくとも1
    種以上を添加した亜鉛合金を活物質として使用し、アル
    カリ電解液中に水酸化イットリウムもしくは酸化イット
    リウムを前記亜鉛合金に対して0.005〜0.5wt
    %含有させ、さらにポリエチレンオキサイドを親水部に
    持ち、フッ化アルキル基を親油部に持つ界面活性剤を前
    記亜鉛合金に対して0.001〜0.1wt%含有させ
    ることを特徴とする亜鉛アルカリ電池の製造法。
  14. 【請求項14】ビスマスを0.01〜0.5wt%、含
    有する亜鉛合金を負極活物質として使用したことを特徴
    とする請求項13記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  15. 【請求項15】ビスマスを0.01〜0.5wt%、リ
    チウム、カルシウムおよびアルミニウムの1種または2
    種以上を合計で0.005〜0.2wt%含有する亜鉛
    合金を負極活物質として使用したことを特徴とする請求
    項13記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  16. 【請求項16】塩化イットリウムを出発物質とし、その
    水溶液中での中和処理で合成した水酸化イットリウムを
    用いることを特徴とする請求項13記載の亜鉛アルカリ
    電池の製造法。
  17. 【請求項17】硝酸イットリウムもしくは硫酸イットリ
    ウムを出発物質とし、塩素イオンを含有する水溶液中か
    らの中和処理で合成した水酸化イットリウムを用いるこ
    とを特徴とする請求項13記載の亜鉛アルカリ電池の製
    造法。
  18. 【請求項18】粒子径が0.5〜8μの粒子を総量の6
    0wt%以上含む水酸化イットリウムもしくは酸化イッ
    トリウムを用いることを特徴とする請求項13記載の亜
    鉛アルカリ電池の製造法。
  19. 【請求項19】900℃までの加熱分解による重量減少
    率が8〜25wt%である水酸化イットリウムを用いる
    ことを特徴とする請求項13記載の亜鉛アルカリ電池の
    製造法。
  20. 【請求項20】酸化イットリウムが、イットリウム塩を
    出発物質とし、その水溶液中での中和処理で合成した水
    酸化イットリウムを熱分解して合成した酸化イットリウ
    ムであることを特徴とする請求項13記載の亜鉛アルカ
    リ電池の製造法。
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