JPH0532599A - アミノ酸の分離精製方法 - Google Patents

アミノ酸の分離精製方法

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JPH0532599A
JPH0532599A JP19301891A JP19301891A JPH0532599A JP H0532599 A JPH0532599 A JP H0532599A JP 19301891 A JP19301891 A JP 19301891A JP 19301891 A JP19301891 A JP 19301891A JP H0532599 A JPH0532599 A JP H0532599A
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resin
amino acid
acid
amino acids
aqueous solution
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JP19301891A
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Inventor
Yuji Yoshida
祐司 吉田
Kimiaki Matsuda
公昭 松田
Ichiro Kosaka
伊知郎 小坂
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属イオンを配位した樹脂とアミノ酸水溶
液とを接触させて樹脂にアミノ酸を吸着させ、そのあと
吸着したアミノ酸を溶離することによりアミノ酸を分離
精製する方法において、目的とするアミノ酸を高純度で
かつ効率的に分離精製できるようにする。 【構成】 金属イオンを配位した樹脂として、平均粒
径200μm 以下の微細なものを用いる。この樹脂にア
ミノ酸を吸着させたあと、アンモニア水などの溶離剤と
接触させることにより、吸着したアミノ酸が溶離され
る。 【効果】 目的とするアミノ酸が高純度でかつ効率的
に分離精製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ酸の分離精製方法
に関するものであり、さらに詳しくは、金属イオンを配
位した官能基を有する樹脂を用いてアミノ酸を分離精製
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノ酸は、食品用、飼料用、医薬用、
化粧品用、工業品用などの広い分野で用いられている。
【0003】アミノ酸は、発酵法、合成法、抽出法のい
ずれかの方法で製造され、通常そのあとさらに、不純物
として含まれる副生成物や原料などを分離して精製され
ている。目的とするアミノ酸を、他のアミノ酸などの副
生成物および原料から分離精製する方法としては、一般
に溶解度差を利用した晶析法が採用されている。一般の
有機溶媒に対するアミノ酸の溶解度は低いので、通常は
水溶液による晶析法が用いられている。この場合、水溶
液中に存在する複数のアミノ酸の溶解度が近似している
ことが多いため、目的とするアミノ酸を他のアミノ酸か
ら分離して高純度の物を得るためには、晶析法の繰り返
しなど煩雑な操作を必要とする。
【0004】特に、ロイシンとイソロイシンのような構
造異性体であるアミノ酸同士の場合は、通常の晶析法で
は両者を分離できない。そのため、例えば「ファインケ
ミカル」 1982 年3月15日号第10頁に記載されるよ
うに、β−ナフタレンスルホン酸または2−ブロモ−5
−トルエンスルホン酸などの第3成分を加えて、アミノ
酸をかかる第3成分との塩とし、その溶解度差を利用し
て分離するなど、煩雑な方法によらざるを得なかった。
【0005】このように従来のアミノ酸製造工程では、
晶析の繰り返しを必要としたり、あるいは特にロイシン
とイソロイシンの如く、通常の晶析手段では分離不可能
なアミノ酸相互の分離精製は、前述のような非常に煩雑
な処理を必要とする。そのため、製造時間が長く、かつ
多数の処理装置を必要とし、建設費や運転経費が多大に
なるなどの欠点を有していた。
【0006】こうした従来法の欠点を改良するアミノ酸
の相互分離による精製法として、本発明者らは先に、特
開平 1-258652 号公報において、金属イオンを配位した
アミノカルボン酸型またはアミノホスホン酸型のキレー
ト性官能基を有する樹脂とアミノ酸水溶液を接触させ
て、その樹脂にアミノ酸を吸着させ、次いで吸着したア
ミノ酸を溶出する方法を開示した。この公報で開示した
方法は、類似の特性を持ったアミノ酸の分離精製におい
て従来に見られない効果を発揮する。しかしながら、目
的とするアミノ酸を高純度で分離回収するという点にお
いては、必ずしも十分満足のいくものでなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情に鑑み本発
明者らは、さらに高純度のアミノ酸を効率よく分離精製
する方法を見出すべく鋭意研究した結果、本発明を完成
するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、金属
イオンを配位した樹脂をアミノ酸水溶液と接触させるに
際し、その樹脂として平均粒径が200μm 以下である
ものを用いて分離精製対象のアミノ酸を樹脂に吸着さ
せ、次いで吸着したアミノ酸を溶離することによるアミ
ノ酸の分離精製法を提供するものである。
【0009】本発明では、金属イオンを配位した平均粒
径が200μm 以下の微細な樹脂を用いることにより、
分離精製対象のアミノ酸を効率よく吸着することができ
る。さらに好ましくは、平均粒径が150μm 以下であ
る樹脂が用いられる。
【0010】本発明で用いる樹脂は、カルボン酸基、ス
ルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基など、金属イオン
と配位する官能基を有し、そこに金属イオンを配位した
ものである。このような金属イオンを配位した樹脂であ
って、分離対象のアミノ酸を吸着するものであれば、本
発明において使用可能である。樹脂基体は特に制限され
るものでなく、スチレン系、アクリル系、フェノール系
など、通常のイオン交換樹脂やキレート樹脂などに用い
られる不溶性高分子が採用できる。
【0011】本発明では、金属イオンと配位する官能基
を有し、かつ平均粒径が200μm以下、好ましくは1
50μm 以下の樹脂を用い、そこに金属イオンを配位さ
せることができる。また、金属イオンを配位した比較的
粒径の大きい樹脂を粉砕・分級するなどして、平均粒径
200μm 以下、好ましくは150μm 以下とすること
もできる。
【0012】平均粒径が200μm 以下で、かつ金属イ
オンを配位するキレート性の官能基を有する樹脂を用い
る場合、かかる樹脂としては、市販のイオン交換樹脂や
キレート樹脂を粉砕・分級して使用することもできる
し、また公知の方法によって製造した微細な樹脂を使用
することもできる。本発明で用いることができる金属イ
オンと配位する官能基を有する樹脂の好ましい具体例を
以下に示す。
【0013】(1)カルボン酸基型のキレート樹脂: アミノ樹脂またはポリアミノ樹脂に、モノクロロ酢
酸、モノブロモ酢酸、モノクロロプロピオン酸、モノブ
ロモプロピオン酸、またはこれらのアルカリ金属塩もし
くはアルカリ土類金属塩のようなハロゲン化アルキルカ
ルボン酸化合物を反応させて得られる樹脂。ここで用い
るアミノ樹脂とは、1級または2級アミノ基を有するも
のであり、例えばニトリル基、クロロメチル基、スルホ
ニルクロリド基、イソシアナート基、カルボニルクロリ
ド基、エポキシ基、アルデヒド基、あるいは塩素、臭
素、ヨウ素のようなハロゲン原子など、アミン反応性基
を有する重合体に、アンモニア、メチルアミンまたはエ
チルアミンを反応させることによって得られる。またポ
リアミノ樹脂とは、官能基中に二つ以上の1級または2
級アミノ基を有するものであり、例えば前記のようなア
ミン反応性基を有する重合体に、エチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ヒドラジン、グ
アニジンなどのポリアミンを反応させることによって得
られる。
【0014】 前記のようなアミノ樹脂またはポリア
ミノ樹脂に、アクリル酸、メタクリル酸、アセチレンジ
カルボン酸、マレイン酸、これらの酸のアルカリ金属塩
もしくはアルカリ土類金属塩、またはメチルエステル、
エチルエステルなど(以下、アクリル酸系化合物と称
す)を反応させ、エステルを用いた場合にはそのあと加
水分解を行って得られる樹脂。
【0015】 前記のようなアミン反応性基を有する
重合体に、グリシン、アラニン、β−アラニン、イミノ
ジ酢酸、イミノジプロピオン酸、エチレンジアミン二酢
酸、エチレンジアミン三酢酸などのアミノ酸化合物を反
応させて得られる樹脂。
【0016】 市販のスミキレート MC-30、 MC-75、
MC-76、 MC-77、 MC-78、スミセパーレ AS-13、 AS-23
〔以上住友化学工業(株)製〕、デュオライト C-464、
C-466〔以上デュオライトインターナショナル社製〕、
ダイヤイオン WK-10、 WK-20、CR-10〔以上三菱化成
(株)製〕、ユニセレック UR-10、UR-20、UR-30、UR-4
0、UR-50〔以上ユニチカ(株)製〕などのキレート樹
脂。
【0017】これらのカルボン酸基型キレート樹脂は、
本発明に従い平均粒径が200μm以下になるよう、通
常粉砕して用いられる。また、官能基を導入する前の樹
脂基体が微細であればその後の官能基の導入によって樹
脂の粒径があまり大きくなることはないので、そのよう
な微細な原料樹脂を用いて官能基を導入した場合は、通
常そのままで、平均粒径200μm 以下のキレート樹脂
となる。
【0018】(2)ホスホン酸基型のキレート樹脂: 前記のようなアミノ樹脂またはポリアミノ樹脂に、
クロロメチル燐酸、クロロエチル燐酸などのアルキル燐
酸化剤、またはホルムアルデヒドなどのアルキレン化剤
と、三塩化燐、亜燐酸、亜燐酸メチル、亜燐酸エチルな
どの燐酸化剤を、塩酸、硫酸などの酸性触媒下で反応さ
せて得られる樹脂。
【0019】 市販のスミキレート MC-95、スミセパ
ーレ AS-14、 AS-24〔以上住友化学工業(株)製〕、デ
ュオライト C-467〔デュオライトインターナショナル社
製〕、ユニセレック UR-3300〔ユニチカ(株)製〕など
のキレート樹脂。
【0020】これらのホスホン酸基型キレート樹脂も、
本発明に従い平均粒径が200μm以下になるよう、通
常粉砕して用いられる。また、官能基を導入する前の樹
脂基体が微細であればその後の官能基の導入によって樹
脂の粒径があまり大きくなることはないので、そのよう
な微細な原料樹脂を用いて官能基を導入した場合は、通
常そのままで、平均粒径200μm 以下のキレート樹脂
となる。
【0021】(3)スルホン酸基を有する樹脂:市販の
スミカイオン KC-470〔住友化学工業(株)製〕、デュ
オライト C-20、C-26〔以上デュオライトインターナシ
ョナル社製〕、ダイヤイオン SK1B 〔三菱化成(株)
製〕などの樹脂。
【0022】これらのスルホン酸基を有する樹脂も、本
発明に従い平均粒径が200μm 以下になるよう、通常
粉砕して用いられる。
【0023】本発明においては、特にアミノカルボン酸
あるいはアミノホスホン酸などのキレート性官能基を有
する樹脂が好ましく用いられ、さらに好ましくは、ポリ
アミノ樹脂に、ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物、
アクリル酸系化合物、アミノ酸化合物、アルキル燐酸化
剤、またはアルキレン化剤と燐酸化剤を反応させて得ら
れる樹脂、すなわちポリアルキレンポリアミノ基を介し
て高分子主鎖と結合するカルボン酸基またはホスホン酸
基を側鎖に有するいわゆるポリアミノカルボン酸型また
はポリアミノホスホン酸型のキレート樹脂が用いられ
る。このようなポリアミノカルボン酸型またはポリアミ
ノホスホン酸型のキレート樹脂を用いた場合は、分離精
製後のアミノ酸への官能基に配位していた金属イオンの
漏出が少なく、また高い分離精製効果が得られる。
【0024】以上のような官能基を有する微細な樹脂を
そのまま、あるいは必要に応じて分級することにより、
平均粒径が200μm 以下のものを分取して用いること
ができる。
【0025】樹脂に配位させる金属イオンは、前記樹脂
に金属イオンが配位した状態で、分離精製を目的とする
アミノ酸が配位することができるものであればよく、特
に限定されるものでないが、一般には遷位金属のイオン
が好ましい。特に周期律表の第4周期元素である鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛の各イオンは、製造価格の
点および、分離精製工程において精製アミノ酸側に漏出
する金属量が少ない点で、好ましく用いられる。なかで
も、銅イオンおよびコバルトイオンがより好ましい。
【0026】かかる金属イオンを、前記官能基を有する
樹脂に配位させるには、金属イオンを含む水溶液と樹脂
とを接触させればよい。例えば、あらかじめ樹脂を充填
した塔に前記金属イオンを溶解した水溶液を通液させる
方法、あるいは金属イオンの水溶液に樹脂を投入して所
定時間撹拌接触させる方法などが採用できる。
【0027】前記官能基を有する樹脂に配位させる金属
イオンの量は特に制限されるものでないが、配位金属イ
オンの量が少なくなるとアミノ酸の分離精製処理量が少
なくなるので、一般には樹脂1リットルあたり約 0.1グ
ラム原子以上、飽和容量までの金属イオンを配位させる
のが好ましい。
【0028】金属イオンを溶解した水溶液と前記官能基
を有する樹脂との接触条件は、金属イオンの種類および
濃度、接触温度、官能基を有する樹脂の種類および量に
より異なるので、適宜予備実験を行うことにより決定さ
れる。一般には、前記官能基を有する樹脂1リットルに
対して、 0.01 〜 0.5 mol/L程度の濃度を有する金属
鉱酸塩水溶液1〜100リットルを、室温で 0.1〜24
時間接触させる方法が採用される。
【0029】このようにして金属イオンを配位させた前
記官能基を有する樹脂はそのまま、あるいは必要に応じ
て水洗を行ったあと、分離精製対象のアミノ酸水溶液と
接触させられる。また、金属イオンを配位させる段階で
粒径の大きい樹脂を使い、したがって金属イオンを配位
させた樹脂の粒径が大きい場合は、そのあと粉砕・分級
などの処理を施して、平均粒径が200μm 以下となる
ようにし、必要に応じて水洗を行ったあと、分離精製対
象のアミノ酸水溶液と接触させられる。
【0030】本発明で処理対象になるアミノ酸水溶液
は、金属イオンを配位した樹脂に対して親和力があるア
ミノ酸を含み、かつ当該アミノ酸の樹脂に対する親和力
とは異なる親和力を有する別のアミノ酸および/または
不純物化合物を含むものであればよい。このようなアミ
ノ酸および不純物化合物としては、アスパラギン、アス
パラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、メチオニン、
シスチン、システイン、チロシン、バリン、フェニルア
ラニン、アラニン、トリプトファン、プロリン、セリ
ン、オルニチン、シトルリン、リジン、アミノ酪酸、ロ
イシン、イソロイシンなどのアミノ酸、およびアンスラ
ニル酸、2−ヒドロキシ−4−メチル−チオ酪酸、2−
ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸などのアミノ酸
発酵原料が挙げられる。これらのアミノ酸を少なくとも
1種含み、かつ他のアミノ酸または不純物化合物を1種
以上含むアミノ酸水溶液が処理対象となる。典型的には
2種以上のアミノ酸を含む水溶液、すなわち分離精製対
象のアミノ酸の他に、1種以上の別のアミノ酸を含む水
溶液が処理される。
【0031】本発明の方法は特に、分離精製対象のアミ
ノ酸の含有量が、接触させる樹脂に配位している金属イ
オンに対して当モル以上である水溶液を処理した場合
に、優れた効果を示す。とりわけ、アルパラギン酸、グ
ルタミン酸、セリン、オルニチン、リジン、フェニルア
ラニン、システインまたはロイシンの分離精製に優れて
いる。特にカゼイン、ケラチン、ヘモグロビンなどの酸
加水分解物をアルカリで中和して沈澱製造したイソロイ
シンやメチオニンなどを不純物として含有するロイシン
の分離精製において、優れた効果が認められる。
【0032】本発明に従って金属イオンを配位させた樹
脂とアミノ酸水溶液を接触させるにあたり、アミノ酸水
溶液のpHは約2〜約12の範囲が好ましく、特にpH
約3〜約10の範囲で実施するのがより好ましい。アミ
ノ酸水溶液のpHがこの範囲をはずれて、約2未満にな
るかまたは約12を越えると、精製効率が低下するので
好ましくない。
【0033】金属イオンを配位させた樹脂とアミノ酸水
溶液との接触は、そのアミノ酸水溶液中に前記樹脂を加
えて浸漬することによって行うのが好ましい。このあ
と、その樹脂を濾過分離する。また、前記樹脂を塔内に
充填し、そこにアミノ酸水溶液を通液することによっ
て、両者を接触させることもできる。
【0034】アミノ酸水溶液と樹脂との接触温度は特に
制限されるものでなく、約0℃から約100℃の間の任
意の温度で実施される。接触時間も特に制限されない。
好ましい接触時間および接触温度は、アミノ酸の種類や
濃度、樹脂の種類や量などに応じて、適宜予備実験を行
うことにより設定することができる。また、金属イオン
を配位させた樹脂の使用量も、適宜予備実験を行うこと
により設定することができる。
【0035】本発明の方法では、金属イオンを配位させ
た前記官能基を有する樹脂とアミノ酸水溶液を接触さ
せ、分離精製を目的とするアミノ酸を樹脂に吸着させ
る。この樹脂をそのまま、あるいは必要に応じて水洗し
たあと、分離溶出剤により吸着したアミノ酸を溶離させ
る。かかる分離溶出剤としては、アミノ酸の回収の容易
さなどの点から、水、アンモニア水、鉱酸、アルカリ金
属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の水溶液が
好ましく用いられ、これらはそれぞれ単独でまたは適宜
組み合わせて用いることができる。
【0036】このようにしてアミノ酸を溶出させた水溶
液は、濃縮析出処理、乾燥などの公知の方法を施すこと
により、精製されたアミノ酸とすることができる。ま
た、アミノ酸を溶出させたあとの樹脂はそのまま、ある
いは必要に応じて再度金属イオンを配位させたあと、ア
ミノ酸水溶液の分離精製に繰り返し用いることができ
る。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
でない。なお以下の例中において、精製対象とするアミ
ノ酸の純度は、次式に従って計算された重量基準で表し
ている。 精製対象アミノ酸の純度(%)= (対象アミノ酸の重量/対象アミノ酸を含む全アミノ酸
の重量)×100
【0038】実施例1 平均粒径50μm 、架橋度4モル%のクロロメチルスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体500gに、ジエチレ
ントリアミン5150gおよび水1300gを加え、1
20〜125℃で6時間反応させたあと、濾過、水洗し
て、2200g(未乾燥)のアミノ化樹脂aを得た。こ
のアミノ化樹脂aを300g用い、そこにアクリル酸1
50gおよび水100gを加え、40〜60℃で6時間
反応させたあと濾過、水洗して、ポリアミノカルボン酸
基を有するキレート樹脂を得た。一方、硫酸銅 0.05 モ
ルおよびアンモニア 0.5モルを水1リットルに加えて、
硫酸銅水溶液を調製した。この硫酸銅水溶液500mlと
先に得られたキレート樹脂50mlを、室温で5時間接触
させたあと、濾過、水洗することにより、 2.1gの銅イ
オンを配位したキレート樹脂A(平均粒径120μm )
50mlを得た。このキレート樹脂Aを10ml用い、メチ
オニン 0.5gおよびシステイン 0.5gを含む水溶液20
0mlに加えて、30分攪拌したあと濾過し、10mlの水
で洗浄後、5規定アンモニア水30mlで吸着アミノ酸を
溶離した。得られた溶離液中のアミノ酸は、システイン
が 0.4g、メチオニンが 0.02 gであり、システインの
純度は 95.2 %であった。
【0039】実施例2 実施例1の前半で得られたアミノ化樹脂aを250g用
い、そこにモノクロロ酢酸200gおよび2規定苛性ソ
ーダ水溶液 1.2リットルを加え、50〜60℃で4時間
反応させたあと、濾過、水洗して、ポリアミノカルボン
酸型キレート樹脂410g(未乾燥)を得た。この樹脂
を、実施例1と同様にして硫酸銅水溶液と接触させ、
2.5gの銅イオンを配位したキレート樹脂B(平均粒径
95μm )50mlを得た。このキレート樹脂Bを用い
て、実施例1と同様にアミノ酸水溶液の処理を行ったと
ころ、得られた溶離液中のアミノ酸は、システインが
0.43 g、メチオニンが 0.022gであり、システインの
純度は 95.1 %であった。
【0040】比較例1 平均粒径360μm のクロロメチルスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体を用いた他は、実施例1の硫酸銅水溶
液との接触までと同様の操作を行い、 2.0gの銅イオン
を配位したキレート樹脂C(平均粒径510μm )50
mlを得た。このキレート樹脂Cを用いて、実施例1と同
様にアミノ酸水溶液の処理を行ったところ、得られた溶
離液中のアミノ酸は、システインが0.40 g、メチオニ
ンが 0.030gであり、システインの純度は 93.0 %であ
った。
【0041】比較例2 平均粒径360μm のクロロメチルスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体を用いた他は、実施例2の硫酸銅水溶
液との接触までと同様の操作を行い、 2.2gの銅イオン
を配位したキレート樹脂D(平均粒径490μm )50
mlを得た。このキレート樹脂Dを用いて、実施例1と同
様にアミノ酸水溶液の処理を行ったところ、得られた溶
離液中のアミノ酸は、システインが0.41 g、メチオニ
ンが 0.037gであり、システインの純度は 91.7 %であ
った。
【0042】実施例3〜7および比較例3〜7 以下のようにして、各種のキレート樹脂を合成した。
【0043】キレート樹脂E:架橋度4モル%、平均粒
径52μm のアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共重
合体300gに、ジエチレントリアミン2060gおよ
び水515gを加え、110〜125℃で6時間反応さ
せたあと、濾過、水洗して、1200g(未乾燥)のア
ミノ化樹脂bを得た。このアミノ化樹脂bを200g用
い、そこにアクリル酸100gおよび水100gを加
え、40〜50℃で6時間反応させた。次いで濾過、水
洗を行って、ポリアミノカルボン酸型キレート樹脂41
0g(未乾燥)を得た。一方、硫酸銅 0.05 モルおよび
アンモニア 0.5モルを水1リットルに加えて、硫酸銅水
溶液を調製し、この硫酸銅水溶液500mlと先に得られ
たキレート樹脂50mlを、室温で5時間接触させたあ
と、濾過、水洗することにより、 2.3gの銅イオンを配
位したキレート樹脂E(平均粒径98μm )50mlを得
た。
【0044】キレート樹脂F:前記アミノ化樹脂bを2
00g用い、そこにモノクロロ酢酸ナトリウム466
g、苛性ソーダ90gおよび水720gを加え、40〜
50℃で6時間反応させた。次いで濾過、水洗を行っ
て、ポリアミノカルボン酸型キレート樹脂450g(未
乾燥)を得た。一方、硫酸銅 0.05 モルおよびアンモニ
ア 0.5モルを水1リットルに加えて、硫酸銅水溶液を調
製し、この硫酸銅水溶液500mlと先に得られたキレー
ト樹脂50mlを、室温で5時間接触させたあと、濾過、
水洗することにより、 2.2gの銅イオンを配位したキレ
ート樹脂F(平均粒径96μm )50mlを得た。
【0045】キレート樹脂G:架橋度4モル%、平均粒
径310μm のアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共
重合体を用いた以外は、前記キレート樹脂Eの合成と同
様にして、ジエチレントリアミンおよびアクリル酸を反
応させ、さらに銅イオンを吸着させた。その結果、 2.0
gの銅イオンを配位したキレート樹脂G(平均粒径54
0μm )50mlが得られた。
【0046】キレート樹脂H:架橋度4モル%、平均粒
径310μm のアクリロニトリル−ジビニルベンゼン共
重合体を用いた以外は、前記キレート樹脂Fの合成と同
様にして、ジエチレントリアミンおよびモノクロロ酢酸
を反応させ、さらに銅イオンを吸着させた。その結果、
2.1gの銅イオンが配位したキレート樹脂H(平均粒径
520μm )を50ml得た。
【0047】キレート樹脂IおよびJ:アミノカルボン
酸基を有する市販のキレート樹脂スミセパーレ AS-13
〔住友化学工業(株)製、平均粒径520μm 〕を用
い、実施例1における硫酸銅水溶液との接触と同様の処
理を行い、 2.0gの銅イオンが配位したキレート樹脂I
(平均粒径530μm )50mlを得た。次にこのキレー
ト樹脂Iの30mlを粉砕し、325メッシュおよび10
0メッシュの篩を用いて分級した。その結果、0.75 g
の銅イオンが配位したキレート樹脂J(平均粒径120
μm )20mlを得た。
【0048】キレート樹脂KおよびL:アミノホスホン
酸基を有する市販のキレート樹脂スミセパーレ AS-14
〔住友化学工業(株)製、平均粒径530μm 〕を用
い、実施例1における硫酸銅水溶液との接触と同様の処
理を行い、 2.0gの銅イオンが配位したキレート樹脂K
(平均粒径530μm )50mlを得た。次にこのキレー
ト樹脂Kの30mlを粉砕し、325メッシュおよび10
0メッシュの篩を用いて分級した。その結果、0.8gの
銅イオンが配位したキレート樹脂L(平均粒径100μ
m )20mlを得た。
【0049】キレート樹脂MおよびN:スルホン酸基を
有する市販のキレート樹脂スキミレート KC-470 〔住友
化学工業(株)製、平均粒径520μm 〕を用い、実施
例1における硫酸銅水溶液との接触と同様の処理を行っ
た。その結果、 1.9gの銅イオンが配位したキレート樹
脂M(平均粒径520μm )50mlを得た。次にこのキ
レート樹脂Mの30mlを粉砕し、325メッシュおよび
100メッシュの篩を用いて分級した。その結果、 0.8
gの銅イオンが配位したキレート樹脂N(平均粒径95
μm )20mlを得た。
【0050】以上のようにして得られたキレート樹脂E
〜Nを用い、実施例1と同様にしてアミノ酸水溶液との
接触処理を行った。その結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例8 実施例1で得られたキレート樹脂Aを10ml用い、ロイ
シン1gおよびイソロイシン1gを含むアミノ酸水溶液
100mlに投入し、10分攪拌後、樹脂を濾過した。水
20mlで洗浄したあと、5規定アンモニア水50mlで吸
着アミノ酸を溶離した。溶離液中に含まれるアミノ酸
は、ロイシンが 0.79 g、イソロイシンが0.0081 gで
あり、ロイシンの純度は 99.0 %であった。
【0053】比較例8 比較例1で得られたキレート樹脂Cを用い、実施例8と
同様の処理を行った。得られた溶離液中のアミノ酸は、
ロイシンが 0.69 g、イソロイシンが 0.013gであり、
ロイシンの純度は 98.2 %であった。
【0054】実施例9〜14および比較例9〜14 キレート樹脂BおよびDないしNを用い、実施例8と同
様にしてアミノ酸水溶液との接触処理およびアミノ酸の
溶離処理を行った。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】実施例15 実施例1で得られたキレート樹脂Aを10ml用い、アス
パラギン酸1gおよびアスパラギン1gを含むアミノ酸
水溶液200mlに投入し、30分攪拌後、樹脂を濾過し
た。次に水20mlで洗浄したあと、5規定アンモニア水
50mlで吸着アミノ酸を溶離した。溶離液中に含まれる
アミノ酸は、アスパラギン酸が0.67g、アスパラギンが
0.0093 gであり、アスパラギン酸の純度は 98.6 %で
あった。
【0057】比較例15 比較例1で得られたキレート樹脂Cを用いて、実施例1
5と同様の処理を行った。得られた溶離液中のアミノ酸
は、アスパラギン酸が 0.54 g、アスパラギンが 0.015
gであり、アスパラギン酸の純度は 97.2 %であった。
【0058】実施例16 実施例1で得られたキレート樹脂Aを10ml用い、オル
ニチン2gおよびシトルリン2gを含むアミノ酸水溶液
100mlに投入し、30分攪拌後、樹脂を濾過した。次
に水20mlで洗浄したあと、5規定アンモニア水50ml
で吸着アミノ酸を溶離した。溶離液中に含まれるアミノ
酸は、オルニチンが 0.83 g、シトルリンが 0.010gで
あり、オルニチンの純度は 98.8 %であった。
【0059】比較例16 比較例1で得られたキレート樹脂Cを用いて、実施例1
6と同様の処理を行った。得られた溶離液中のアミノ酸
は、オルニチンが0.68g、シトルリンが 0.022gであ
り、オルニチンの純度は 96.9 %であった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、純度の高いアミノ酸を
容易に得ることができるので、その工業的価値は極めて
高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/24 8930−4H 229/26 8930−4H 323/58 7419−4H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属イオンを配位した平均粒径が200μ
    m 以下である樹脂とアミノ酸水溶液とを接触させて、該
    樹脂にアミノ酸を吸着させ、次いで吸着したアミノ酸を
    溶離することを特徴とするアミノ酸の分離精製方法。
  2. 【請求項2】アミノ酸水溶液が、金属イオンと配位しう
    る複数のアミノ酸を含有する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】金属イオンを配位した樹脂が、アミノカル
    ボン酸型またはアミノホスホン酸型のキレート性官能基
    を有するキレート樹脂である請求項1または2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】キレート樹脂中の官能基が、ポリアルキレ
    ンポリアミンを介して樹脂基体に結合している請求項3
    記載の方法。
  5. 【請求項5】金属イオンが、銅イオンまたはコバルトイ
    オンである請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0697396A1 (en) * 1994-08-17 1996-02-21 General Electric Company Adsorption process for amine or amine salt recovery from aqueous brine solutions
WO2023180174A1 (de) * 2022-03-22 2023-09-28 Lanxess Deutschland Gmbh Verfahren zur elution von aluminium- und/oder zinkionen

Cited By (3)

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WO2023180174A1 (de) * 2022-03-22 2023-09-28 Lanxess Deutschland Gmbh Verfahren zur elution von aluminium- und/oder zinkionen
JP2025510170A (ja) * 2022-03-22 2025-04-14 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを溶出させるための方法

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