JPH09194448A - 二分子のアミノ酸の連結によるジアミン型ポリアミノ酸の製造方法およびそれらを含む生分解性キレート剤 - Google Patents

二分子のアミノ酸の連結によるジアミン型ポリアミノ酸の製造方法およびそれらを含む生分解性キレート剤

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JPH09194448A
JPH09194448A JP2300096A JP2300096A JPH09194448A JP H09194448 A JPH09194448 A JP H09194448A JP 2300096 A JP2300096 A JP 2300096A JP 2300096 A JP2300096 A JP 2300096A JP H09194448 A JPH09194448 A JP H09194448A
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acid
diamine
amino
metal salt
type polyamino
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JP2300096A
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Hiroshi Yamamoto
浩 山本
Yasuyuki Takayanagi
恭之 高柳
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Mitsubishi Chemical Corp
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性キレート剤として洗浄剤組成物、洗
剤ビルダ−、金属封鎖剤、過酸化物安定剤などに広く用
いられるジアミン型ポリアミノ酸およびアルカリ金属塩
を、工業的に高収率、高純度で製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 ザルコシン、タウリン、アスパラギン酸
等のアミノ酸二分子に、ジハロエタン、ジハロプロパ
ン、2、3−ジハロコハク酸、2、4−ジハログルタル
酸等のジハロアルカン誘導体の一分子またはエピクロル
ヒドリンを、アルカリ性条件下、金属イオンの存在下で
反応させてジアミン型ポリアミノ酸およびその金属塩を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二分子のアミノ酸
と一分子のジハロアルカン誘導体またはエピクロルヒド
リンとから、ジアミン型ポリアミノ酸およびその金属塩
を製造する方法に関し、さらに詳しくは、ザルコシン、
タウリン、アスパラギン酸等のアミノ酸二分子をジハロ
エタン、ジハロプロパン、2、3−ジハロコハク酸、
2、4−ジハログルタル酸等のジハロアルカン誘導体一
分子に連結させることによりキレート力、生分解性に優
れたジアミン型ポリアミノ酸およびその金属塩を製造す
る方法に関する。これらジアミン型ポリアミノ酸および
アルカリ金属塩は、生分解性キレート剤として洗浄剤組
成物、洗剤ビルダ−、金属封鎖剤、過酸化物安定剤など
に広く用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、上記用途には各種のキレート化合
物が用いられてきた。例えば、トリポリリン酸ナトリウ
ムは、優れたキレート力と分散力を有し、洗剤ビルダー
に用いられてきたが、リンを含有しているため環境中に
放出されたとき河川あるいは湖沼の富栄養化の一因とな
る。現在使用されている洗剤ビルダーとしてはゼオライ
トが用いられているが、キレート力と分散力に乏しく、
また無機物であるため生分解性がなく、さらに、使用後
のゼオライトは水に不溶性であることから排水管などに
固着する等の問題点がある。
【0003】一方、十分なキレート力を持つキレート化
合物としては、アミノポリカルボン酸類があり、代表例
としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸など
が知られている。エチレンジアミン四酢酸は極めて安定
したキレート力を有し、広範な用途に使用されている
が、生分解性が無いため環境中に蓄積したり、有害な重
金属を可溶化し上水道へ再持ち込みするなどの問題を生
じさせている。また、ニトリロ三酢酸は、生分解性を有
しているものの、催奇性をもつ疑い、すなわち、鉄等の
重金属錯体が発癌性を有しているなどの報告があり、そ
の使用には注意を要する。
【0004】実用レベルのキレート力と生分解性を持ち
合わせる化合物として、例えば、L,L−エチレンジア
ミンジコハク酸があり、その合成として、二分子の
(L)−アスパラギン酸を一分子のジクロロエタン(Ch
m. Zvesti, 1966 年, 20巻, 414ページ) またはジブロ
モエタン(Inorganic Chemistry, 1968 年, 7 巻, 2405
ページ) を用いて連結する方法が知られている。
【0005】このように、二分子のアミノ酸を一分子の
ジハロアルカン誘導体またはエピクロルヒドリンで連結
する方法は、キレート力と生分解性に優れたジアミン型
ポリアミノ酸を合成する上で有力な手段であるにもかか
わらず、副生成物が多い、反応性に乏しいなどの障害か
ら、一般的手法として広く用いられているとは言い難く
応用例も少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解決するためになされたもので、二分
子のアミノ酸に、一分子のジハロアルカン誘導体または
エピクロルヒドリンを、反応させ、高収率、高純度で、
キレート力と生分解性に優れたジアミン型ポリアミノ酸
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、アミノ酸とジハロアルカ
ン誘導体またはエピクロルヒドリンの反応との際、反応
系内に金属イオンを存在させると、反応系内に目的物と
して蓄積するジアミン型ポリアミノ酸と安定な錯体を形
成し、副反応が著しく抑制されること、更に、反応系内
に有機溶媒を存在させると、反応速度が著しく向上する
こと等により、ジアミン型ポリアミノ酸の収率が顕著に
向上することを見いだした。
【0008】更に、本発明者らは、本発明による製造方
法が、種々のアミノ酸と種々のジハロアルカン誘導体ま
たはエピクロルヒドリンとの反応について、広く応用可
能であり、しかも、目的物として得られるジアミン型ポ
リアミノ酸の多くが、キレート力と生分解性に優れた化
合物であること等を見いだして本発明に到達したもので
ある。
【0009】すなわち、本発明の第一の発明は、二分子
のアミノ酸に、一分子のジハロアルカン誘導体またはエ
ピクロルヒドリンを、アルカリ性条件下、金属イオンの
存在下で反応させることを特徴とする、ジアミン型ポリ
アミノ酸およびその金属塩の製造方法を要旨とする。
【0010】本発明の第二の発明は、二分子のアミノ酸
に、一分子のジハロアルカン誘導体またはエピクロルヒ
ドリンを、アルカリ性条件下、金属イオンおよび有機溶
剤の存在下で反応させることを特徴とする、ジアミン型
ポリアミノ酸およびその金属塩の製造方法を要旨とす
る。
【0011】
【発明の実態の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の方法において用いられるアミノ酸
としては、グリシン、N−メチルグリシン、タウリン、
N−メチルタウリン、タウリン−N−一酢酸、(L)−
アスパラギン酸、N−メチル−(L)−アスパラギン
酸、N−メチル−(L)−グルタミン酸、(L)−アス
パラギン酸−N−モノ酢酸、(L)−グルタミン酸−N
−一酢酸、アスパラギン酸−N−一酢酸、1−アミノ−
1、2、3−プロパントリカルボン酸、2−アミノ−
1、2、3−プロパントリカルボン酸、N−メチル−1
−アミノ−1、2、3−プロパントリカルボン酸、N−
メチル−2−アミノ−1、2、3−プロパントリカルボ
ン酸等が好ましく使用される。
【0013】本発明において用いられるアミノ酸は、ア
スパラギン酸やグルタミン酸のように不斉炭素をもつ場
合、ラセミ体の使用も可能であるが、生分解性の見地か
らは、天然型の光学異性体が特に好ましい。アミノ−
1,2,3−プロパントリカルボン酸等のように、位置
異性体が存在する場合は、それぞれの異性体を単品で使
用することが望ましいが、アミノ酸の入手性によって
は、異性体混合物で使用することも可能である。また、
アミノ酸の酸性残基は、必ずしもカルボン酸基に限定さ
れず、例えば、タウリンのようにスルホン酸基を有する
アミノ酸や、フェノール基や燐酸基をもつアミノ酸も、
目的とするジアミン型ポリアミノ酸に特徴のある性能を
付与する場合がある。また、アスパラギン酸−N−一酢
酸やグルタミン酸−N−一酢酸は、そのものがモノアミ
ン型の生分解性キレート剤であり、アスパラギン酸やグ
ルタミン酸を、カルボキシメチル化反応に供することに
よって、合成される。
【0014】アミノ酸は、工業的に使用できるものであ
れば、酸の固体、アルカリ金属塩の固体あるいは水溶液
など、いかなる形態でもよい。アスパラギン酸−N−一
酢酸やグルタミン酸−N−一酢酸を用いる場合は、アス
パラギン酸やグルタミン酸をカルボキシメチル化に供し
たアルカリ性反応液を、そのまま、あるいは、適宜濃
縮、脱塩して使用することも可能である。いずれの場合
にも、アミノ酸の純度は、有機成分中に占める純度が7
0重量%以上、好ましくは95重量%以上であることが
望ましい。また、反応工程において用いられるアミノ酸
のアルカリ金属塩水溶液の濃度は、酸換算濃度で50〜
400g/L,好ましくは100〜260g/Lがよ
い。アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、
カリウム、ルビジウムのいずれの塩でもよいが、工業的
にはナトリウムあるいはカリウムの塩が用いられる。好
ましくはナトリウムの塩が用いられる。
【0015】本発明において用いられるジハロアルカン
誘導体は、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、2,3
−ジクロロコハク酸、2,3−ジクロロコハク酸ジメチ
ル、2,3−ジクロロプロピオン酸、2,3−ジクロロ
プロピオン酸メチル、2,3−ジクロロプロピオニトリ
ル、2,4−ジクロログルタル酸、2,4−ジクロログ
ルタル酸ジメチル、ジブロモエタン、ジブロモプロパ
ン、2,3−ジブロモコハク酸、2,3−ジブロモコハ
ク酸ジメチル、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3
−ジブロモプロピオン酸メチル、2,3−ジブロモプロ
ピオニトリル、2,4−ジブロモグルタル酸、2,4−
ジブロモグルタル酸ジメチル等が好ましく用いられる。
ジハロエタン等は、入手性に優れた原料として、2,3
−ジハロコハク酸等は、目的とするジアミン型ポリアミ
ノ酸に優れたキレート力を付与する原料として使用され
る。また、ジクロロおよびジブロモ体のいずれも使用可
能であるが、原料と入手性、排水処理の見地からはジク
ロロ体が好ましい。ジブロモ体は、反応性に優れ、反応
工程において有機溶媒の添加を必ずしも必要としないな
ど有利な点もあるが、毒性が強いなど取扱いには注意を
要する。
【0016】本発明において、二分子のアミノ酸を連結
する目的では、ジハロアルカン誘導体以外にも、エピク
ロルヒドリンが、入手性および反応性に優れた原料であ
る。エピクロルヒドリンと原料とする場合は、基本的に
アミノ酸のアミノ基が、ジハロアルカン誘導体の二箇所
のハライドへの求核付加であるジハロアルカン誘導体の
場合とは反応様式が異なり、2−ヒドロキシ−1,3−
ジアミン型のポリアミノ酸が得られる。
【0017】本発明におけるジハロアルカン誘導体また
はエピクロルヒドリンの使用量は、他方の原料であるア
ミノ酸い対し、0.5〜10倍モル、好ましくは1〜5
倍モルがよい。特に、反応性に優れ、反応系内に徐々に
滴下する添加方法が、加水分解の併発を抑制するために
望ましい。ジクロロエタン、ジクロロプロパン等を用い
る場合は、反応速度の向上を図るため大過剰用いること
が可能であり、反応終了後、未反応分を蒸留や二層分離
により回収し再利用することが可能である。
【0018】本発明の方法において反応開始時のpH
は、アルカリ金属水酸化物あるいはその水溶液を添加す
ることによって調節する。使用されるアルカリ金属水酸
化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化ルビジウムなどが挙げられる。こ
れらのうち、工業的には水酸化ナトリウムの水溶液が好
ましく用いられる。アミノ酸のアルカリ金属塩を用いる
場合は、pH調製に用いるアルカリ金属水酸化物と同一
のアルカリ金属の塩とすることが望ましい。
【0019】本発明の方法において用いる有機溶媒とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノアルキルエーテル類、トリエタノールア
ミンなどが挙げられる。好ましくは、エチレングリコー
ル、トリエチレングリコールがよい。
【0020】本発明における有機溶媒の添加効果は、ジ
ハロエタン、ジハロプロパン、2,3−ジハロコハク酸
ジメチル、2,3−ジハロプロピオン酸メチル、2,3
−ジハロプロピオニトリル、2,4−ジハログルタル酸
ジメチル等の非極性のジハロアルカン誘導体を使用する
場合に特に顕著であり、反応速度が大きく改善される。
一方、ジハロアルカン誘導体が、アルカリ水溶性に優れ
た2,3−ジハロコハク酸、2,3−ジハロプロピオン
酸、2,4−ジハログルタル酸等である場合、有機溶媒
の添加は、必ずしも必要でないこともある。また、ジハ
ロアルカン誘導体が、エステル基、ニトリル基を有する
場合、これらの基は、反応において最終的に加水分解さ
れカルボキシル基を与える。
【0021】有機溶媒の使用量は、L−アスパラギン酸
のアルカリ金属塩水溶液に対して、5〜40容量%、好
ましくは10〜30容量%の範囲がよい。添加した有機
溶媒は、反応後、回収、再利用することができる。
【0022】本発明における反応工程のpHは、9〜1
2の範囲、好ましくは、9.5〜11.5の範囲がよ
い。反応工程においてpHを厳密に制御することは、適
切な反応速度を維持し、ジハロアルカン誘導体またはエ
ピクロルヒドリンの不必要な加水分解を防ぐ見地から、
極めて重要である。
【0023】反応温度は、50〜160℃の範囲で行わ
れる。通常は、常圧にて110℃以下で実施されるが、
加圧反応容器中にて100℃以上で実施する方法も、反
応時間の短縮を図るのに有効な手段である。
【0024】本発明において反応工程の操作は次の通り
実施される。すなわち、アミノ酸、ジハロアルカン誘導
体またはエピクロルヒドリン、有機溶媒、金属イオンを
含む反応液に、アルカリ金属の水溶液を所定のpHを一
定に保つように滴下する方法で行われる。
【0025】本発明の方法において用いられる金属イオ
ンは、Fe(II)、Fe(III) 、Cu(II)、Zn(II)、N
i(II)、Co(II)、Mn(II)、Al(III) 等の重金属、
Mg(II)、Ca(II)、Ba(II)等のアルカリ土類金属か
ら選択される。目的とするジアミン型ポリアミノ酸のキ
レート安定度定数は、化合物によって差があるが、一般
に重金属で大きく、アルカリ土類金属では小さい傾向に
ある。本発明の方法において、反応終了後、酸析結晶化
によりジアミン型ポリアミノ酸の結晶を得る場合には、
錯体の分解が容易なアルカリ土類金属を用いることが好
ましい。
【0026】本発明の方法において用いられる金属イオ
ンは、反応の進行と共に系内に蓄積する目的ジアミン型
ポリアミノ酸を、安定な金属錯体として副反応から保護
する重要な意義をもつ。例えば、本発明におけるジクロ
ロプロパンと(L)−アスパラギン酸の反応において、
金属イオンを添加しない場合、目的とするプロパンジア
ミン−N,N−ジコハク酸は、更にもう一分子のジクロ
ロプロパンと反応し、3−ヒドロキシプロピル−プロパ
ンジアミン−N,N−ジコハク酸を副生してしまう。
【0027】本発明の方法において用いられる金属イオ
ンの添加効果は、N−メチルグリシン、N−メチルタウ
リン、N−メチル−(L)−アスパラギン酸、N−メチ
ル−(L)−グルタミン酸、(L)−アスパラギン酸−
N−モノ酢酸、(L)−グルタミン酸−N−一酢酸、ア
スパラギン酸−N−一酢酸等の、N−メチル−1−アミ
ノ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、N−メチル
−2−アミノ−1,2,3−プロパントリカルボン酸等
の二置換アミノ基を有するアミノ酸を使用する場合より
も、グリシン、タウリン、(L)−アスパラギン酸、
(L)−グルタミン酸、1−アミノ−1,2,3−プロ
パントリカルボン酸、2−アミノ−1,2,3−プロパ
ントリカルボン酸等の、一置換アミノ基を有するアミノ
酸を原料とした場合に、より大きな副反応抑制をもたら
す。
【0028】金属イオンは、各種の金属塩として反応液
中に添加する方法が用いられる。金属イオンの種類とし
ては、水酸化物、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩、炭
酸塩等から選択され、好ましくは、水酸化物あるいは硫
酸塩が、更に好ましくは水酸化物がよい。金属イオンの
添加方法は、反応開始時に一括して投入しても、反応の
進行に合わせて徐々に添加してもよい。
【0029】金属イオンを用いた反応の後、反応液を鉱
酸で処理することにより、目的とするジアミン型ポリア
ミノ酸を取得することができる。反応に用いた金属イオ
ンは反応終了後、酸析工程に先立って除去する必要があ
る。特に金属イオンとして重金属イオンを用いた場合に
は、公害防止の見地からも金属イオンの除去回収が必要
となる。しかし、重金属錯体の製造を目的とする場合、
目的とする金属塩に合わせた金属イオンを選択し、反応
終了後、反応液を濃縮し、目的とする金属塩を得ること
ができる。
【0030】一方、アルカリ土類金属を用いた場合、ア
ルカリ土類金属は、酸性条件下においてジアミン型ポリ
アミノ酸錯体から容易に脱離するので、予め金属除去イ
オンを除去することなく、直接酸析工程を実施すること
ができる。
【0031】酸析結晶化工程において用いられる鉱酸と
しては、硫酸、塩酸、硝酸があり、好ましくは硫酸が使
用される。硫酸の濃度は、工業的に入手可能な濃度60
〜98%のものが好ましく使用さる。反応液のpHは、
0.5〜3.0の範囲、好ましくは、1.5〜2.5の
範囲に調節し、反応液の温度40〜80℃の範囲で鉱酸
を滴下することが望ましい。鉱酸の添加時間は、1〜2
時間が好ましい。
【0032】酸析工程では、鉱酸添加後、0〜50℃、
好ましくは20〜40℃の範囲で、0〜72時間、好ま
しくは1〜5時間熟成した後、吸引濾過または遠心分離
等の操作により、析出した結晶を単離する。分離した結
晶は、通常、特に別途精製処理を行う必要のない高純度
のものであるので、少量の水を用いて洗浄した後、温風
乾燥などの操作により乾燥し、目的とするジアミン型ポ
リアミノ酸を得ることができる。
【0033】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】実施例1 攪拌機、温度計、pH計、滴下漏斗および蒸留装置を付
した加圧式反応器に、水(1017kg)を仕込み、9
7重量%水酸化ナトリウム(150kg)及びL−アス
パラギン酸(500kg)を連続して投入し、溶解し
た。この溶液に、ジクロロプロパン(373kg)、ジ
エチレングリコ−ル(110kg)、30重量%水酸化
マグネシウムスラリー(254kg)を加え、攪拌下に
反応液のpHを11に調節し、次いで、液温度を昇温さ
せ78℃にて還留を開始した。反応液をこのまま、温度
78℃、pH11に保ちながら、攪拌下、48重量%の
水酸化ナトリウム水溶液(380kg)を経時的に添加
した。反応の進行をHPLCを用いて追跡し、原料であ
るL−アスパラギン酸が消費された時点で、反応を停止
した。この反応液に、98重量%硫酸(601kg)を
加えてpHを2とした後、40℃で一時間熟成し、析出
した結晶を遠心分離により濾別した。湿結晶を水洗後、
121℃で送風乾燥し、L,L−プロパンジアミンジコ
ハク酸(541kg)を白色結晶として得た。この結晶
は、HPLC分析の結果、化学純度、光学純度とも10
0%であった。結果を表1に示す。
【0035】実施例2 攪拌機、温度計、pH計、滴下漏斗および蒸留装置を付
した加圧式反応器に、水(1017kg)を仕込み、9
7重量%水酸化ナトリウム(150kg)及びL−アス
パラギン酸(500kg)を連続して投入し、溶解し
た。この溶液に、30重量%水酸化マグネシウムスラリ
ー(254kg)を加え、攪拌下に反応液のpHを11
に調節し、次いで、液温度を昇温させ60℃とした。反
応液をこのまま、温度60℃、pH11に保ちながら、
攪拌下、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液(160
kg)とエピクロルヒドリン(305kg)とを経時的
に添加した。反応の進行をHPLCを用いて追跡し、原
料であるL−アスパラギン酸が消費された時点で、水酸
化ナトリウム水溶液とエピクロルヒドリンの添加を停止
した。この反応液に、98重量%硫酸(456kg)を
加えてpHを2とした後、40℃で一時間熟成し、析出
した結晶を遠心分離により濾別した。湿結晶を水洗後、
121℃で送風乾燥し、L,L−2−ヒドロキシ−1,
3−プロパンジアミンジコハク酸(575kg)を白色
結晶として得た。この結晶は、HPLC分析の結果、化
学純度、光学純度とも100%であった。結果を表1に
示す。
【0036】実施例3〜32 原料のジハロアルカン誘導体またはエピクロルヒドリン
を表1に組み合わせに変更した以外、実施例1、2と同
様の化学量論にて反応を実施した。結果を表1に示す。
また各実施例の目的ジアミン型ポリアミノ酸の構造を以
下に示す。
【0037】実施例1、比較例1の化合物
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】比較例1〜83 ジエチレングリコールおよび水酸化マグネシウムの添加
を省略した以外、実施例1〜83と同様の反応を行っ
た。結果を表1に示す。
【0121】
【0122】
【発明の効果】本発明の方法によれば、生分解性を有
し、優れたキレート力をもつジアミン型ポリアミノ酸類
を、高収率で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 309/14 7419−4H C07C 309/14 C09K 3/00 108 C09K 3/00 108C C11D 3/33 C11D 3/33

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二分子のアミノ酸に、一分子のジハロア
    ルカン誘導体またはエピクロルヒドリンを、アルカリ性
    条件下、金属イオンの存在下で反応させることを特徴と
    する、ジアミン型ポリアミノ酸およびその金属塩の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 二分子のアミノ酸に、一分子のジハロア
    ルカン誘導体またはエピクロルヒドリンを、アルカリ性
    条件下、金属イオンおよび有機溶剤の存在下で反応させ
    ることを特徴とする、ジアミン型ポリアミノ酸およびそ
    の金属塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 アミノ酸が、グリシン、N−メチルグリ
    シン、タウリン、N−メチルタウリン、タウリン−N−
    一酢酸、(L)−アスパラギン酸、N−メチル−(L)
    −アスパラギン酸、N−メチル−(L)−グルタミン
    酸、(L)−アスパラギン酸−N−モノ酢酸、(L)−
    グルタミン酸−N−一酢酸、アスパラギン酸−N−一酢
    酸、1−アミノ−1、2、3−プロパントリカルボン
    酸、2−アミノ−1、2、3−プロパントリカルボン
    酸、N−メチル−1−アミノ−1、2、3−プロパント
    リカルボン酸、N−メチル−2−アミノ−1、2、3−
    プロパントリカルボン酸であることを特徴とする、請求
    項1または2記載のジアミン型ポリアミノ酸およびその
    金属塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジハロアルカン誘導体が、ジハロエタ
    ン、ジハロプロパン、2、3−ジハロコハク酸、2、3
    −ジハロコハク酸ジメチル、2、3−ジハロプロピオン
    酸、2、3−ジハロプロピオン酸メチル、2、3−ジハ
    ロプロピオニトリル、2、4−ジハログルタル酸、2、
    4−ジハログルタル酸ジメチルであることを特徴とする
    請求項1または2記載のジアミン型ポリアミノ酸および
    その金属塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属イオンが、鉄、銅、亜鉛、ニッケ
    ル、コバルト、アルミニウム、マンガン、マグネシウ
    ム、およびカルシウムよりなる群から選ばれた少なくと
    も一種の金属イオンであることを特徴とする、請求項1
    または2記載のジアミン型ポリアミノ酸およびその金属
    塩の製造方法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒が、エチレングリコ−ル、ジエ
    チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
    ングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレング
    リコールモノアルキルエーテル類、トリエタノールアミ
    ンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とす
    る、請求項2記載のジアミン型ポリアミノ酸およびその
    金属塩の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の二分子のアミノ酸と請求
    項4記載のジハロアルカンまたはエピクロルヒドリン一
    分子の反応により合成されるジアミン型ポリアミノ酸お
    よびその金属塩から選ばれた少なくとも一種を有効成分
    として含有する生分解性キレート剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025680A1 (en) * 1997-11-18 1999-05-27 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Crystals of [s,s]-ethylenediamine-n,n'-disuccinic acid with high bulk density and method of obtaining the same
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