JPH05330893A - セラミックス粉体用分散剤及びセラミックス焼結体の 製造方法 - Google Patents

セラミックス粉体用分散剤及びセラミックス焼結体の 製造方法

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JPH05330893A
JPH05330893A JP3242160A JP24216091A JPH05330893A JP H05330893 A JPH05330893 A JP H05330893A JP 3242160 A JP3242160 A JP 3242160A JP 24216091 A JP24216091 A JP 24216091A JP H05330893 A JPH05330893 A JP H05330893A
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dispersant
ceramic
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JP3242160A
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Tsugitoshi Ogura
次利 小倉
Kazutaka Mori
一剛 森
Akio Kai
昭夫 開
Yasuhisa Fukumoto
泰久 福本
Noboru Moriyama
登 森山
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Kao Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Kao Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックス粉体用分散剤及びセラミックス
焼結体の製造方法に関する。 【構成】 【化1】 (R1 :Cが8〜28のアルキル基、アルケニル基、R
2 :Cが2〜4のアルキレン基、R3 :水素又はCが1
〜4のアルキル基、n:0〜4)の一般式で表われれる
セラミックス粉体用分散剤及びその分散剤を使用したセ
ラミックス焼結体の製造方法であり、分散溶媒として非
極性溶媒を使用することを好ましい態様とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス粉体用の分
散剤及び同分散剤を用いたセラミックス焼結体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは大別すると天然粘土を主
原料として使用するセラミックス及び人工の高純度原料
を使用して製造するファインセラミックスに別けられ
る。また、セラミックスを組成からみると、アルミナ、
ジルコニアのように酸化物だけを使用する酸化物セラミ
ックスと窒化珪素、炭化珪素のような非酸化物セラミッ
クスに分類される。
【0003】セラミックスは通常、セラミックス原料で
ある粉末を水に入れてスラリーとし、ボールミルを用い
て混合を行い、スプレードライヤーを用いて球状に造粒
・成形したものを金型に充填してプレス成形した後、焼
結炉中に入れて焼結を行っている。当然のことながら、
原料分散性の向上をはかり、成形性の向上をはかるた
め、原料混合時のスラリー中にはポリカルボン酸、水溶
性アクリル樹脂などの分散剤及びバインダーが添加され
る。これらの分散剤、バインダーはセラミックス本来の
性質からは無用なものであるので成形完了後、分解、燃
焼除去される。
【0004】天然粘土を主原料として使用するセラミッ
クスの製造法及び人工の高純度原料を使用する例として
アルミナ焼結体の製造法をとりあげ以下詳細に説明す
る。
【0005】天然粘土を主原料として使用する例として
は、日常生活において使用している食器、タイル、衛生
陶器あるいは送電に用いる絶縁碍子など数多くのセラミ
ックスがある。これは主に天然の粘土であるカオリン及
び硅砂(石英)などを所定の性状になるように原料の粉
砕、分級を行った後、水に入れてボールミルにより分散
処理を行っている。分散処理の補助的な手段として、粉
体が分散しやすいようなpHに調節したり、アラビアゴム
のような天然の分散剤あるいはくえん酸アンモニウム、
水溶性アクリル樹脂のような分散剤を添加している。ボ
ールミルで所定の時間混合処理した原料スラリーを使用
する成形方法に応じて濃縮する。加圧成形する場合には
金型内への装填のし易さ及び装填時の密度の均一性、高
密度化の観点からスプレードライ法が採用され、球状に
乾燥、造粒され金型に入れて加圧成形される。一方、ス
リップキャスト(鋳込み)成形では真空脱泡処理によ
り、スラリー中の気泡を除去した後、石膏型の上に鋳込
んで成形される。更に、加圧、押し出し成形の場合には
フィルタープレスなどの手法により大部分の水を除去し
たケーキ状とした後、メチルセルロースなどの有機バイ
ンダーを加えてニーダーなどを用いて混練し、押し出し
成形機を用いてパイプ状あるいはハニカム形状などの連
結形状のものに成形される。
【0006】このように成形された成形体は乾燥の後、
添加した有機物を除去するため、600℃程度の温度で
脱脂処理を行った後、目的とする密度になるような温度
で焼結処理をする。焼結処理の温度は多孔体の場合には
600〜1000℃、緻密体の場合には1000〜14
00℃程度である。
【0007】アルミナセラミックスの場合にも基本的に
は天然粘土を主原料とする場合とほとんど同じである。
アルミナセラミックスの場合には合成原料であるアルミ
ナ粉末及びアルミナの焼結時(1600〜1800℃)
における粒子成長防止剤としてアルミナに対し0.5wt
%程度のマグネシアを混合する。アルミナの原料混合の
場合には無機不純物の混入を粘土系に比べ更にきらうと
いう観点から、原料混合時の分散剤、バインダーには人
工の水溶性アクリル樹脂、ポリビニルアルコール(PV
A)などが使用される。他のプロセスは粘土系と同様で
あり、アルミナの性質上、焼結時に1600〜1800
℃の高温が必要であることが異なる。
【0008】以上に示したように、水系の溶媒で処理で
きる系については比較的容易に製造することが可能であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】セラミックスの製造工
程においては原料の分散、混合という工程が存在し、非
常に重要な工程であると認識されている。従って、より
完全な原料の分散、混合を行うため、従来技術で述べた
ように分散剤を添加し、水中でボールミルによる混合を
行っている。
【0010】一方、セラミックスは本来、高温にも安定
なものであり、化学的にも金属に比べ安定なものとされ
ているが、原料粉末段階では1μm以下の非常に微細な
粒子(粉末)を使用するので、粒子の表面活性が高く、
混合時に使用する溶媒の水と反応し変質する場合があ
る。例えば、高温用構造材として注目されている窒化珪
素もその一つである。窒化珪素(Si3 4 )は共有結
合性が強く、耐高温性、耐薬品性の高い材料であるが、
一方原料とする粉末の粒子径は1μmあるいはそれ以下
であり、表面活性が高いため水を分散媒として混合する
場合には、次式に従って水と反応し表面にシリカ(Si
2 )の酸化層を形成してしまう。 Si3 4 +6H2 O → 3SiO2 +4NH3 窒化珪素の場合、シリカは焼結助剤として添加するアル
ミナ、イットリア等と反応し、より低融点の化合物を作
るためセラミックス構造体を製造する場合には高温強度
の低下という形で物性を低下させるので好ましくない。
【0011】このようにセラミックスの製造プロセス中
における水の使用も、扱うセラミックスの種類によって
は大いに問題となるのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはセラミック
スの製造工程において原料の混合分散工程で水を使用し
ない方法につき鋭意研究を行った。
【0013】水を使用しない方法としてはエタノール、
ブタノールを代表とする極性の有機溶媒を使用する方法
及びトルエン、キシレンを代表とする非極性の有機溶媒
を使用する方法が考えられるが、本発明者らは非極性の
有機溶媒を選定した。この理由はエタノール、ブタノー
ルのような極性のある有機溶媒を使用すると、水との親
和性が高いため原料混合時あるいは原料を混合したスラ
リーの保管時に水分が外気から入り込む恐れがあり、ま
た、工業的に使用するアルコール類は少量の水を含んで
いるため、それを精製するのに手間がかかるなど不都合
点があるのに対し、非極性有機溶媒は水との親和性がほ
とんどないため上記のような不都合点は解消されるから
である。
【0014】次に問題となるのが分散剤である。セラミ
ックスの製造工程においても原料の分散、混合は非常に
重要であり、成形体の密度、焼結温度などに影響を及ぼ
し、原料の分散、混合が悪いと同じ原料を使用しても成
形体密度の低下、焼結温度の高温化となり、製造技術の
観点から好ましくなくなる。
【0015】本発明者らはトルエン、キシレンを代表と
する非極性有機溶媒系におけるセラミックス粉末の分散
剤を検討してきたが、従来の分散剤では水系溶媒に相当
する充分高性能な分散剤を見出すことはできなかった。
そこで本発明者らはセラミックス粉末の表面は酸化物
(窒化珪素、炭化珪素なども表層だけは酸化されて酸化
物となっている)であることに着目し、アミン系の分散
剤が適しているとの知見を得た。
【0016】本発明は上記研究に基いて完成されたもの
であって、本発明は (1)下記一般式で表わされるアルキルアミン系の化合
物よりなることを特徴とするセラミックス粉体用分散
剤。
【化2】 (式中、R1 は炭素数8〜28のアルキル基又はアルケ
ニル基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は水
素又は炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜4の整数を
表わす)
【0017】(2)分散溶媒の存在下、セラミックス原
料を上記(1)のセラミックス粉体用分散剤を用いて分
散混合した後、成形、焼結することを特徴とするセラミ
ックス焼結体の製造方法。
【0018】(3)分散溶媒が芳香族炭化水素類、飽和
炭化水素類の非極性溶媒であることを特徴とする上記
(2)記載のセラミックス焼結体の製造方法。である。
【0019】すなわち、本発明について下記一般式で表
わされるアルキルアミンを用いることにより成形密度が
向上し、しかも焼結温度の低下が可能なセラミックス粉
体の分散剤が提供される。
【化3】 (式中、R1 は炭素数8〜28、好ましくは炭素数12
〜20のアルキル基又はアルケニル基、R2 は炭素数2
〜4のアルキレン基、R3 は水素又は炭素数1〜4のア
ルキル基、nは0〜4の整数、好ましくは1〜3の整数
を表わす)
【0020】このようなアルキルアミンの具体例として
は、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルア
ミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等のアルキル
モノアミン、炭素数8〜28のアルキル基をもつアルキ
ルエチレンジアミン、アルキルプロピレンジアミン等の
アルキルジアミン及びアルキルジエチレントリアミン、
アルキルジプロピレントリアミン、アルキルトリエチレ
ンテトラミン、アルキルトリプロピレンテトラミン及び
炭素数8〜28のアルケニル基をもつ上記ポリミアミン
類等を挙げることができる。例えば、ラウリルジプロピ
レントリアミン、ミリスチルジプロピレントリアミン、
パルミチルジプロピレントリアミン、ステアリルジプロ
ピレントリアミン、ステアリルプロピレンジアミン等が
好ましい。
【0021】本発明に係るアルキルアミンに関して、上
式においてR1 の炭素数が8未満では安定化効果が不十
分であり、29以上では溶媒への親和性が大きく、吸着
性が低下するため分散性が劣る。また分子中のアルキレ
ンアミン基の数nについてはnが4より大きい場合、ア
ルキル基の効果が小さくなり分散性が低下する。
【0022】本発明において分散溶媒として使用される
芳香族炭化水素類の具体例としてはトルエン、キシレン
等が、また飽和炭化水素類の具体例としてはペンタン、
ヘキサン、ヘプタン等があげられる。また、一般にシン
ナーと呼ばれるこれら炭化水素類の混合物も用いること
ができる。
【0023】
【作用】本発明の分散剤を芳香族炭化水素類、飽和炭化
水素類の非極性有機溶媒へ適用することにより、ボール
ミル混合によりセラミックス粉末の凝集をほぐし、より
一次粒子に近い状態にすることが可能である。また、ス
ラリーをスプレードライし、加圧成形した成形体及びス
リップキャスト法により直接固化した成形体の嵩密度は
より高いものとなると同時に焼結時においては原料粉末
が均一に分散(分布)していることからより低い温度で
の焼結が可能となる。
【0024】
【実施例】本発明の一態様を窒化珪素セラミックスの製
造を例に説明する。
【0025】窒化珪素は共有結合性が強いため焼結が困
難であり、1気圧の窒素ガス雰囲気下においては約19
00℃で分解する性質があるため、難焼結性のセラミッ
クスとして知られている。そこで一般には窒化珪素に対
し、5〜20wt%のイットリア、アルミナ、マグネシア
等を焼結助剤として添加して焼結することが知られてい
る。
【0026】この態様では、窒化珪素(一次粒子径0.
25μm)、酸化イットリウム(一次粒子径0.85μ
m)、酸化アルミニウム(一次粒子径0.95μm)の
粉体を使用し、組成比がそれぞれwt%で94.5:4.
0:1.5となる原料配合とした。
【0027】混合溶媒としてはキシレン:トルエン=5
0wt%:50wt%のものを使用し、分散剤として本発明
の一つであるステアリルジプロピレントリアミン、比較
例として脂肪酸モノグリセライド(ステアリン酸モノグ
リセライド)を使用した。原料の混合は窒化珪素47
2.5g、酸化イットリウム20.0g、酸化アルミニ
ウム7.5gに対し、それぞれ分散剤5.0g、混合溶
媒はステアリルジプロピレントリアミンを使用する場合
には300g、脂肪酸モノグリセライドを使用する場合
には500gとした。これはステアリルジプロピレント
リアミンを分散剤として使用する場合には分散性がよい
ため比較的少量の混合溶媒でも粉体をスラリー化できる
のに対し、脂肪酸モノグリセライドを使用する場合には
分散性が悪く、粉体をスラリー化するためにより多くの
混合溶媒を必要とするためである。
【0028】このような割合にプレミックスしたスラリ
ーを、直接10cmのポリエチレン製ポットミルに入れて
ジルコニアボールを投入し所定時間回転し、セラミック
ス粉体原料の分散処理を行った(上述のセラミックス原
料粉末の粒子径は比表面積から換算した一次粒子径であ
り、実際にメーカーから供給される粉末は二次凝集して
おり、数十μmの大きさのものまである)。
【0029】(実験例1)窒化珪素原料スラリーのボー
ルミルによる混合時間と粘度の関係を図1に示す。図1
において横軸は混合時間、縦軸は粘度(cP)を示す。
また図中、△印は分散剤としてステアリルジプロピレン
トリアミンを使用した系、◇印は分散剤として脂肪酸モ
ノグリセライドを使用した系である。ステアリルジプロ
ピレントリアミンを分散剤として使用した系では原料に
対する分散性が良好なため、分散剤として脂肪酸モノグ
リセライドを使用した系に比べ固形分濃度がかなり高い
にもかゝわらず逆に粘度はかなり低くなっている。
【0030】同一スラリー系における原料粉体の分散の
目安を粘度の変化(低下)で考えるとステアリルジプロ
ピレントリアミンを使用した系では80〜100時間ま
で分散が進行するものと考えられる。一方、脂肪酸モノ
グリセライドを使用した系では30〜40時間程度で分
散が終了するものと考えられる。
【0031】(実験例2)100時間ボールミル混合を
行ったスラリー中の粉体の粒径分布をレーザ回折方法を
使用して測定した結果を図2に示す。図2において横軸
は粒子径(μm)であり、縦軸は累積重量分率である。
図中△印は分散剤としてステアリルジプロピレントリア
ミンを使用した系であり、◇印は分散剤として脂肪酸モ
ノグリセライドを使用した系である。
【0032】ステアリルジプロピレントリアミンを使用
した系の50%重量粒子径は0.40μm、脂肪酸モノ
グリセライドを使用した系の50%重量粒子径は0.6
2μmで大差はないが、粒子径の大きい方を見ると、ス
テアリルジプロピレントリアミンでは1.2μmで飽和
しているのに比較し、脂肪酸モノグリセライドを使用し
た系では2.0μmでも約95%であり、数μmの大き
な粒子も残存していることがわかる。これは、ボールミ
ルによる分散処理が適切に行われていないためで、その
主因は分散剤が不適当であるためと考えられる。
【0033】(実験例3)各時間ボールミルを用いて混
合したスラリーをロータリーエバポレータを用いて脱溶
媒乾燥した後、149μmのふるいを通るように粉砕し
た粉体原料を、60mmφの金型に充填し150kg/cm2
で一軸加圧成形した後、ゴム袋に入れて4000kg/cm
2 で冷間静水圧加圧することにより円板状の成形体を得
た。この成形体について嵩密度を測定した結果を図3に
示す。△印は分散剤としてステアリルジプロピレントリ
アミンを使用した系、◇印は分散剤として脂肪酸モノグ
リセライドを使用した系である。両者共に、混合時間を
長くすることにより、原料の分散の進行に伴い冷間静水
圧加圧成形体の嵩密度は上昇する傾向にある。しかし、
分散剤の種類を見ると分散剤の良否は明白であり、10
0時間混合物の場合、ステアリルジプロピレントリアミ
ンを使用した系では1.92g/cm3 、脂肪酸モノグリ
セライドを使用した系では1.70g/cm3 であり、窒
化珪素セラミックスの計算比重3.25(窒化珪素9
4.5wt%、酸化イットリウム4wt%、酸化アルミニウ
ム1.5wt%から比重を加味して計算したもの)に対し
てはそれぞれ59.1%、52.3%となり、6.8%
もの大きな差となる。成形体の嵩密度の観点からも、分
散剤の良否が判断できる。
【0034】(実験例4)実験例3で成形した100時
間混合物の成形体を空気中で600℃、4時間の熱処理
を行って脱脂処理を行った後、焼結を行った。焼結は所
定の温度まで10℃/min の昇温速度で昇温し、所定温
度で4時間保持した後、10℃/min で降温した。焼結
時には窒化珪素の分解を防止する目的で5atm.の窒素ガ
スを炉中に封入した。
【0035】図4に焼結温度と焼結体嵩密度の関係を示
す。図において横軸は焼結温度(℃)であり、縦軸は焼
結体嵩密度(g/cm3 )である。図中△印は分散剤とし
てステアリルジプロピレントリアミンを使用した系、◇
印は分散剤として脂肪酸モノグリセライドを使用した系
である。焼結体の密度も分散剤の良否を反映し、分散性
のよいものを使うほうが、より低い温度で、より高い密
度が得られることが判明した。
【0036】原料の分散が悪いと焼結体の密度が上がり
にくいことは、実験例3の成形体の密度が低いことから
予想されたが、実験例4で改めて確認されることとなっ
た。特に、1800℃という高い温度で焼結しても、分
散性が悪い分散剤を使用する場合には、分散性がよい分
散剤の場合ほど密度が上がらないということは、焼結体
に欠陥が多いということを示しており、この点から焼結
体として最も重要な特性値である強度の低下(あるいは
強度が向上しない)が予見される。
【0037】(実験例5)実験例4で焼結した焼結体
を、JIS R 1601に準拠した強度試験片を加工
し、4点曲げ強度試験を実施した。
【0038】試験結果を図5に示す。図5において、横
軸は焼結温度(℃)、縦軸は4点曲げ強度(kg/mm2
である。図中△印は分散剤としてステアリルジプロピレ
ントリアミンを使用した場合、◇印は分散剤として脂肪
酸モノグリセライドを使用した場合のデータである。良
好な分散剤であるステアリルジプロピレントリアミンを
使用した場合には1700〜1800℃の焼結温度にお
いて90kg/mm2 以上の値が得られているのに対し、不
良な分散剤である脂肪酸モノグリセライドを使用した場
合には最高でも70kg/mm2 とかなり低い値となってい
る。特に、良好な分散剤であるステアリルジプロピレン
トリアミンを使用した系では90kg/mm 2 とかなり高い
強度を出せる焼結温度の幅が大きくとれ、図4の焼結体
密度も合わせ考えると、焼結の温度管理が容易になると
考えられる。
【0039】
【発明の効果】本発明により、セラミックス粉体用分散
剤として優れた分散剤が提供され、その結果、スラリー
粘度低下、成形体密度の向上、焼結温度の低温化(焼結
体の密度向上)、焼結体の強度向上が図れ、優れたセラ
ミックス焼結体を製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のスラリー混合時間と粘度の関係
を示す図表。
【図2】本発明の実施例のスラリー中の粉体の粒径分布
を示す図表。
【図3】本発明の実施例のスラリー混合時間と成形体嵩
密度の関係を示す図表。
【図4】本発明の実施例の焼結温度と焼結体嵩密度の関
係を示す図表。
【図5】本発明の実施例の焼結温度と4点曲げ強度の関
係を示す図表。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 開 昭夫 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 福本 泰久 和歌山県和歌山市善明寺706−121 (72)発明者 森山 登 和歌山県和歌山市六十谷1223−14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表わされるアルキルアミン
    系の化合物よりなることを特徴とするセラミックス粉体
    用分散剤。 【化1】 (式中、R1 は炭素数8〜28のアルキル基又はアルケ
    ニル基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は水
    素又は炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜4の整数を
    表わす)
  2. 【請求項2】 分散溶媒の存在下、セラミックス原料を
    請求項1のセラミックス粉体用分散剤を用いて分散混合
    した後、成形、焼結することを特徴とするセラミックス
    焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 分散溶媒が芳香族炭化水素類、飽和炭化
    水素類の非極性溶媒であることを特徴とする請求項2記
    載のセラミックス焼結体の製造方法。
JP3242160A 1991-03-19 1991-09-21 セラミックス粉体用分散剤及びセラミックス焼結体の 製造方法 Withdrawn JPH05330893A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114133253A (zh) * 2021-12-06 2022-03-04 山东硅元新型材料股份有限公司 一种氧化铝造粒粉及其制备方法、陶瓷部件

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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