JPH05331408A - 水性分散型塗料用硬化性組成物、及びその製造方法 - Google Patents

水性分散型塗料用硬化性組成物、及びその製造方法

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JPH05331408A
JPH05331408A JP14149792A JP14149792A JPH05331408A JP H05331408 A JPH05331408 A JP H05331408A JP 14149792 A JP14149792 A JP 14149792A JP 14149792 A JP14149792 A JP 14149792A JP H05331408 A JPH05331408 A JP H05331408A
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JP
Japan
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group
aqueous dispersion
parts
vinyl
hydrolyzable silyl
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JP14149792A
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Inventor
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Takanori Hatano
貴典 畑野
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1分子中に加水分解性シリル官能基とカルボ
キシル基とを併有するビニル系共重合体であり、アンモ
ニアまたは有機アミン化合物で中和して得られる水溶性
樹脂(A)を分散安定剤として用い、該樹脂存在下水性
媒体中で分散重合した加水分解性シリル基含有ビニル系
共重合体(B)、及び(C)溶剤からなる水性分散型塗
料用硬化性組成物。 【効果】 上記硬化性組成物は優れた作業性を有し、し
かもこれにより形成する塗膜は、優れた耐水性、耐候
性、耐久性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば建築内外装、自
動車、家電用品、プラスチックなどに対する各種塗装、
特に耐候性、耐久性の要求される塗装に用いられる、良
好な塗膜性能を有する水性分散型塗料用硬化性組成物及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、塗
料や接着剤の分野において、公害対策あるいは省資源の
観点より、有機溶剤を使用するものから、水溶性あるい
は水分散性樹脂への転換が試みられている。しかしなが
ら、従来の水性分散型樹脂は、イオン性または非イオン
性の界面活性剤を使用した乳化重合法により製造されて
おり、その結果、重合に使用する界面活性剤の影響によ
って、形成された塗膜の耐候性、耐水性、耐汚染性が悪
くなり、また造膜機構の違いから塗膜の光沢が溶剤系に
較べて劣るという欠点を有していた。
【0003】この欠点を改良するため種々の試みが提案
されており、その一つに水溶性の高分子化合物、例えば
マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹
脂、水溶性アクリル樹脂等を分散安定剤に用いて、水性
媒体中で重合反応を行ない、目的とする水性分散型樹脂
を得る方法がある。
【0004】この方法に従えば、生成する水性分散型樹
脂の粒子径は、0.1μm以下、概ね0.02〜0.0
5μm程度と、従来の乳化重合法によって得られる粒子
の径が0.1〜0.3μm程度であるのに較べ著しく細
かいものが得られ、そのため形成された塗膜の光沢も溶
剤型に近いものが得られている。また、重合の分散安定
剤が高分子化合物であり、しかも重合中に生成する樹脂
がグラフト結合するなど強い相互作用を持つため耐水
性、耐汚染性の面でも改良効果が認められている。
【0005】しかし、上述した利点を有する一方、マレ
イン化ポリブタジエンやマレイン化アルキッド樹脂を分
散安定剤とした樹脂は、物性面では特異な水溶液挙動を
示したり、実用面では塗装作業性や貯蔵安定性に欠点を
有し、極めて限られた範囲の利用にとどまっている。ま
た、水溶性アクリル樹脂を分散安定剤として重合する場
合、粒子の保護力が分散体樹脂と生成重合体の親和力に
依存するため、重合安定性が劣るという欠点があり、こ
の欠点を克服するため、水溶性アクリル樹脂の側鎖に不
飽和基を導入して、グラフト重合させることにより重合
安定性を増大せしめる工夫が必要である。
【0006】また、マレイン化ポリブタジエンやマレイ
ン化アルキッド樹脂、水溶性アクリル樹脂などの水溶性
樹脂は、通常の乳化重合に使われる乳化剤に較べ多量に
用いられるため、生成した水分散樹脂組成物中の水溶性
成分が多くなり、その結果として塗膜の耐水性が低下す
る。さらには、耐候性、耐汚染性の低下を招くことにな
る。
【0007】これらの課題に対しては、水溶性高分子を
グラフト重合するとか、架橋反応点を導入するとか、種
々の方法が採られているが満足できるレベルまで改良さ
れていない。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは、こ
れらの課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、必
須成分として加水分解性シリル官能基とカルボキシル基
をアミンで中和した基を併有する水溶性アクリル樹脂を
分散安定剤として用い、該樹脂存在下水性媒体中で加水
分解性シリル基を含有するビニル系共重合体を分散重合
することにより、安定で反応性を有する水性分散型樹脂
を合成することができた。この水性分散型樹脂に、造膜
助剤として溶剤を加え、架橋反応を促進させるために、
硬化触媒を加えて、耐候性、耐水性、耐久性に優れ、作
業性にも優れる水性分散型塗料用硬化性組成物を得るこ
とができた。こうして、耐候性、耐水性、耐汚染性に優
れた水性分散型塗料用硬化性組成物を見いだし、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明の水性分散型塗
料用硬化性組成物は、(A)1分子中に加水分解性シリ
ル官能基とカルボキシル基とを併有するビニル系共重合
体であり、アンモニアまたは有機アミン化合物で中和し
て得られる水溶性樹脂、(B)前記(A)を分散安定剤
として用い、該樹脂存在下水性媒体中で分散重合した加
水分解性シリル基含有ビニル系共重合体、及び(C)溶
剤が配合されてなることを特徴とする。
【0009】また、第2の発明である水性分散型塗料用
硬化性樹脂の製造方法は、分子中に加水分解性シリル官
能基とカルボキシル基とを併有するビニル系共重合体で
あり、アンモニアまたは有機アミン化合物で中和して得
られる水溶性樹脂(A)を分散安定剤として用い、該樹
脂存在下水性媒体中で加水分解性シリル基含有ビニル系
共重合体(B)を分散重合することを特徴とする方法で
ある。
【0010】本発明の(A)成分である、加水分解性シ
リル官能基を含み、カルボキシル基をアミンで中和して
水溶性としたビニル系共重合体は、主鎖が実質的にビニ
ル系重合体鎖からなり、主鎖及び(または)側鎖に加水
分解性基と結合した珪素原子を1分子中に少なくとも1
個、好ましくは2〜30個、更に好ましくは2〜10個
有する共重合体であり、一般にビニル系モノマーと加水
分解性シリル基含有モノマーとの共重合などによって得
られる。共重合体における主鎖または側鎖にはウレタン
結合またはシロキサン結合などを一部含んでいても構わ
ない。また、このビニル系共重合体を水溶化するため
に、カルボキシル基を有するビニル系モノマーを1〜3
0重量部(全単量体量を100重量部(以下、単に
「部」という)とする)、好ましくは2〜25部、さら
に好ましくは3〜15部共重合し、重合前、重合中ある
いは重合後にアンモニアまたは有機アミン化合物により
中和すればよい。
【0011】(A)成分である水溶性のビニル系共重合
体の必須成分である加水分解性シリル基含有ビニル系モ
ノマーの例としては、一般式:
【化3】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は−CO
−O−(CH2)n−(n=1〜10)、フェニレン
基、アルケニレン基または単結合(特に含まれてなくて
もよい)。R3は水素原子または炭素数1〜10のアル
キル基、アリール基、アラルキル基より選ばれる1価の
炭化水素基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロ
キシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
基、アミノ基より選ばれる加水分解性基、aは0〜2の
整数、Siに結合するXおよびR3がそれぞれ2個以上
の場合、それらは同一の基であっても異なる基であって
もよい。)で表わされる、加水分解性のシリル基を有
し、重合性炭素・炭素二重結合を有する単量体で、例え
ばアルコキシシリル基含有ビニル系モノマーが挙げられ
る。
【0012】前記アルコキシシリル基含有ビニル系モノ
マーの具体例としては、例えば、
【化4】
【化5】 等が挙げられる。
【0013】これらのアルコキシシリル基などの加水分
解性シリル基含有モノマーは、1種または2種以上併用
してもよく、1〜50部共重合されるのが好ましく、更
に好ましくは2〜20部共重合されるのが好ましい(全
単量体を100部としている、以下同様)。
【0014】(A)成分である水溶性のビニル系共重合
体のもうひとつの必須成分であるカルボキシル基含有ビ
ニル系モノマーの例としては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、無水イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、シトラコ
ン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボン酸等を挙げ
ることができる。これらの中では、アクリル酸、メタク
リル酸が重合性、水溶性、分散剤としての機能上好まし
い。
【0015】これらのカルボキシル基含有ビニル系モノ
マーは、1種または2種以上併用してもよく、1〜30
部共重合されるのが好ましく、さらに好ましくは2〜2
5部共重合、さらに好ましくは3〜15部共重合される
のが好ましい。
【0016】これらの加水分解性シリル基含有ビニル系
モノマー、カルボキシル基含有ビニル系モノマーと共重
合するビニル系モノマーについては、特に限定はなく、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペ
ンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフル
オロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、不飽和ポリ
カルボン酸と炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコ
ールとのジエステルまたはハーフエステル等の不飽和ポ
リカルボン酸エステル;スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロ
キシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビ
ニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリ
ルフタレート等のビニルエステルやアリル化合物;(メ
タ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル化合
物;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含
有ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテル等の塩基
性窒素原子含有ビニル化合物;(メタ)アクリルアミ
ド、イタコン酸ジアミド、α−エチル(メタ)アクリル
アミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル
酸ジアミド、N−ビニルピロリドン、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモル
ホリン等のアミド基含有ビニル化合物;2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエ
ーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロ
ニクス5700(東亜合成化学(株)製)、Placc
elFA−1、PlaccelFA−4、Placce
lFM−1、PlaccelFM−4(以上ダイセル化
学(株)製)等の水酸基含有ビニル化合物;(メタ)ア
クリル酸のヒドロキシアルキルエステル類等のα、β−
エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テル類とリン酸エステル基含有ビニル化合物あるいはウ
レタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレー
ト等のビニル化合物;東亜合成化学(株)製のマイクロ
モノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−
6、AK−5等の化合物;ビニルメチルエーテル、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、
ブタジエン、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン
酸等のその他のビニル化合物等が挙げられる。
【0017】上記単量体を共重合するについては、通常
実施されている重合法、すなわち乳化重合法、懸濁重合
法、溶液重合法等、いずれの方法でも実施することが可
能であるが、操作の簡便性より、好ましくは溶液重合法
が用いられる。
【0018】溶液重合を実施するにあたり、使用する溶
剤は、共重合反応生成物を溶解しうるものなら特に限定
はないが、該重合体を水性媒体中に溶解させて重合の分
散安定剤として使用する際、溶剤を回収しなくてもよい
方が操作が簡便であるため、水溶性の有機溶剤の使用が
好ましい。また、溶剤回収を行ない、単離した該共重合
を分散安定剤として用いて重合を行なってもよい。
【0019】使用する溶剤としては、炭素数1〜10の
直鎖及び(または)分岐を持つアルコール系溶剤、HO
−(CH2CH2)n−OR4で示される(ポリ)エチ
レングリコールモノアルキルエーテル(R4は炭素数1
〜10の直鎖及び(または)分岐を持つアルキル基、n
は1〜5の整数)、R5CO−O−(CH2CH2)n
−OR4で示される(ポリ)エチレングリコールエーテ
ルエステル(R4は炭素数1〜10の直鎖及び(また
は)分岐を持つアルキル基、nは1〜5の整数、R5は
炭素数1〜10の直鎖及び(または)分岐を持つアルキ
ル基)、HO−(CH2CH2CH2)n−OR4で示
される(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエー
テル(R4は炭素数1〜10の直鎖及び(または)分岐
を持つアルキル基、nは1〜5の整数)、R5CO−O
−(CH2CH2CH2)n−OR4で示される(ポ
リ)プロピレングリコールエーテルエステル(R4は炭
素数1〜10の直鎖及び(または)分岐を持つアルキル
基、nは1〜5の整数、R5は炭素数1〜10の直鎖及
び(または)分岐を持つアルキル基)等が使用できる。
具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシ
ルアルコール、オクチルアルコール等のアルコール類;
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチ
ルエーテル等のエーテル類;ブチルセロソルブアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセ
テート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブ
チルエーテルアセテート等のエーテルエステル類等が挙
げられる。
【0020】重合開始剤は、通常実施されている開始剤
であれば特に限定はなく、レドックス系開始剤、アゾ系
開始剤、過酸化物を用いればよい。これらの開始剤の中
ではアゾ系開始剤が好ましく、具体的な例を挙げると、
例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチ
ルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニト
リル、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスジメチ
ルメトキシバレロニトリル等アゾ系ニトリル類;V−5
0、VA−041、VA−044、VA−061(以上
和光純薬(株)製)等のアゾアミジン類;VA−08
0、VA−086、VA−088(以上和光純薬(株)
製)等のアゾアミド類;アゾジ−tert−オクタン、
アゾジ−tert−ブタン等アゾアルキル類;シアノプ
ロピルアゾホルムアミド、アゾビスシアノバレロイル
酸、ジメチルアゾビスメチルプロピオネート、アゾビス
ヒドロキシメチルプロピオニトリルなどが挙げられる。
また、必要に応じて、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、(CH3O)3Si−S−
S−Si(OCH3)3、(CH3O)3Si−(CH
2)3−S−S−(CH2)3−Si(OCH3)3、
(CH3O)3Si−S8−Si(OCH3)3等の連
鎖移動剤を用い、分子量調節をしてもよい。
【0021】重合条件に関しては、通常40〜170
℃、好ましくは50〜150℃の重合温度で3〜24時
間、好ましくは4〜20時間の重合が望ましい。
【0022】かくして得られた共重合体を用いて、水性
分散重合を実施するに際し、まず該重合体を水性媒体に
溶解させることが必要である。なお、ここでいう水性媒
体とは、水あるいは水溶性の有機溶剤を溶解した水を意
味する。水溶化は、アンモニアまたは有機アミン化合物
でカルボキシル基を中和処理することにより達成しう
る。中和処理に用いるアミン化合物の具体例としては、
例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、モノメタノールアミン、ジメタノール
アミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等が
挙げられる。中和に用いるアミン化合物の量は、カルボ
キシル基の当量より少なくても当量あるいは小過剰用い
てもよいが、どちらかといえば当量あるいは小過剰用い
るのが好ましく、重合速度、重合安定性、加水分解性シ
リル官能基の安定性の点から、中和によりpH6〜1
0、好ましくはpH7〜9に調製するのがよい。
【0023】また、水溶化に際し、該共重合体は水溶性
の有機溶剤に溶解したまま水性媒体と混合してもよい
し、また留去、再沈といった方法でポリマーを回収した
のち水性媒体に加えてもかまわない。
【0024】かくして得られた該共重合体を分散安定剤
として、水性媒体中で重合反応を行ない、目的とする水
性分散型塗料用硬化性組成物を得ることができる。重合
操作に関しては、通常の乳化重合の重合操作が採用でき
る。
【0025】(B)成分である加水分解性シリル基含有
ビニル系共重合体の必須成分である加水分解性シリル基
含有ビニル系モノマーの例としては、一般式:
【化6】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は−CO
−O−(CH2)n−(n=1〜10)、フェニレン
基、アルケニレン基または単結合(特に含まれなくても
よい)。R3は水素原子または炭素数1〜10のアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基より選ばれる1価の炭
化水素基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキ
シ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
基、アミノ基より選ばれる加水分解性基、、aは0〜2
の整数、Siに結合するXおよびR3がそれぞれ2個以
上の場合、それらは同一の基であっても異なる基であっ
てもよい。)で表わされる、加水分解性のシリル基を有
し、重合性炭素・炭素二重結合を有するモノマーで、例
えばアルコキシシリル基含有ビニルモノマーが挙げられ
る。
【0026】前記アルコキシシリル基含有ビニルモノマ
ーの具体例としては、(A)成分である水溶性のビニル
系共重合体の詳細な説明において記載したものであれば
使用することができる。
【0027】これらの加水分解性シリル基含有ビニル系
モノマー、カルボキシル基含有ビニル系モノマーと共重
合するビニル系モノマーについては、特に限定はなくビ
ニル系モノマーの具体例としては、(A)成分である水
溶性のビニル系共重合体の詳細な説明において記載した
ものであれば使用することができる。また、それに加え
て、例えば、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、トリアリルシ
アヌレートなどの重合性の不飽和結合を2つ以上持った
単量体も使用して生成するポリマーを架橋構造を持つも
のとすることも可能である。
【0028】これらの単量体は、最終製品の品質に応じ
て、1種または2種以上を適宜選択することができる。
【0029】分散安定剤に用いられる水溶性樹脂の使用
量は、重合する単量体に対して重量比で1/20〜1/
0.3の比率、好ましくは、1/10〜1/1である。
【0030】分散安定剤を溶解する水性媒体は通常水が
使用されるが、分散剤樹脂を有機溶剤に溶解した状態で
使用する場合には、結果として分散剤樹脂量に見合った
量の有機溶剤が系に含まれることになる。また、それ以
外に分散剤樹脂の溶解性を増す等の目的で、水溶性の有
機溶剤を水に対して1/2量以下で加えることも可能で
ある。
【0031】重合開始剤としては、通常ラジカル重合に
用いられる水溶性または油溶性の過酸化物、アゾ系開始
剤、レドックス開始剤等いずれも使用可能であるが、好
ましくは水溶性の開始剤が使用される。水溶性の開始剤
の具体例としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、tert
−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ア
ゾジイソブチル酸ジアミドのような過酸化物、過硫酸
塩、及びアゾ化合物並びに水相中で水溶性還元剤によっ
て活性化したレドックス開始剤等が挙げられる。
【0032】この様な開始剤の使用量は、モノマー重量
基準で、0.01〜10部、好ましくは0.05〜5部
である。
【0033】また、通常乳化重合に使用するイオン性、
非イオン性の界面活性剤を併用することも可能である
が、耐水性、耐候性などの観点より少量の使用にとどめ
るのが好ましい。イオン性、非イオン性の界面活性剤の
具体例としては、例えば、n−ドデシルスルホン酸カリ
ウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラ
ウリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールノニルフ
ェニルエーテル等が挙げられる。
【0034】重合条件は、重合温度30〜90℃、好ま
しくは40〜80℃の範囲内で重合することができる。
【0035】水性分散型樹脂組成物中の固形分濃度は、
本発明の方法による場合は、20〜70重量%までの範
囲とする。
【0036】固形分濃度が70重量%を超えると、系の
粘度が著しく上昇するため重合反応に伴う発熱を除去す
ることが困難になったり、重合機からの取り出しに長時
間要する等の不都合を生じる。また、固形分濃度が20
重量%未満の場合、重合操作の面では何ら問題は生じな
いものの、1回の重合操作によって生じる樹脂の量が少
なく、経済面から考えた場合、著しく不利となり、また
用途上の要求からも20重量%未満の濃度では、塗膜の
膜厚が薄くなってしまい、性能劣化を起こしたり、塗装
作業性の点で不利となる。
【0037】かくして得られる水性分散型樹脂組成物は
粒子径が0.02〜0.1μmの超微粒子より構成され
ており、その結果として優れた被膜形成能を有してい
る。
【0038】本発明に用いる(C)成分である溶剤の添
加は、水性分散型樹脂組成物の被膜形成を補助すること
を主目的としており、微量の添加で組成物の安定性や塗
膜の形成、塗料物性の発現に有効に作用する溶剤が好ま
しい。この様な溶剤の添加量としては、水性分散型樹脂
組成物に対し、0.1〜15部、好ましくは0.5〜1
0部である。この様な溶剤の具体例としては、例えば、
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチ
ルエーテル等のエーテル類;ブチルセロソルブアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテ
ート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセ
テート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブ
チルエーテルアセテート等のエーテルエステル類等が挙
げられる。
【0039】(C)成分である溶剤の添加は、水性分散
型樹脂の重合時に添加してもよく、また、重合終了直後
に添加しても、冷却後に添加してもよい。
【0040】かくして得られた水分散型塗料用硬化性組
成物には、硬化触媒を使用しても使用しなくても構わな
いが、硬化性の促進と要求される物性を引き出すために
触媒を使用することができる。この様な硬化触媒の具体
例としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチ
ル錫ジマレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチ
ル錫ジマレート、オクチル酸錫などの有機錫化合物;リ
ン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェー
ト、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェー
ト、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、
ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオク
チルホスフェート、ジデシルホスフェート等のリン酸ま
たはリン酸エステル類;プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジル
メタクリレート、グリシドール、アクリルグリシジルエ
ーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、油化シェルエポキシ(株)製のカーデュラ
(E)、エピコート828、エピコート1001等のエ
ポキシ化合物とリン酸及び(または)酸性モノリン酸エ
ステルとの付加反応物;有機チタネート化合物;有機ア
ルミニウム化合物;有機ジルコニウム化合物;マレイン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン
酸、クエン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、これらの酸無水物、パラトルエンスルホン酸など
の酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシ
ルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシル
アミン等のアミン類;これらのアミンと酸性リン酸エス
テルとの混合物または反応物;水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等のアルカリ性化合物等が挙げられる。
【0041】これらの硬化触媒のうち、有機錫化合物、
酸性リン酸エステルとアミンの混合物もしくは反応物、
飽和もしくは不飽和多価カルボン酸またはその無水物、
反応性シリコン化合物、有機チタネート化合物、有機ア
ルミニウム化合物またはこれらの混合物が活性も高く好
ましい。更に好ましくは、有機錫化合物、酸性リン酸エ
ステル、酸性リン酸エステルとアミンの混合物もしくは
反応物がよい。
【0042】この様な硬化触媒は、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。硬化触媒の使用量には
特に限定はないが、水性分散型塗料用硬化性組成物の固
形分100部に対して、通常0.01〜20部、更に好
ましくは0.1〜10部使用する。硬化触媒の使用量が
20部を超えると塗膜の外観性が低下する傾向にある。
【0043】
【実施例】次に、本発明の組成物の調製方法と製造方法
を実施例に基づき説明する。
【0044】製造例1(水溶性ビニル系共重合体の合
成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器にイソプロピルアルコール60
部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ75℃に昇温した
後、下記組成の混合物(a)を滴下ロートにより5時間
かけて等速滴下した。
【0045】 [混合物(a)] アクリル酸 10部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 70部 2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル 3部 混合物(a)の滴下終了後、75℃で2時間熟成した
後、アンモニアを8.5部添加した後に冷却し、樹脂溶
液にイソプロピルアルコールを加えて固形分濃度が60
%になるように調製した。得られた樹脂溶液(1)の特
性を表1に示す。
【0046】製造例2(水溶性の加水分解性シリル基含
有ビニル系共重合体(A)の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器にイソプロピルアルコール60
部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ75℃に昇温した
後、下記組成の混合物(b)を滴下ロートにより5時間
かけて等速滴下した。
【0047】 [混合物(b)] アクリル酸 10部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 65部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5部 2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル 3部 混合物(b)の滴下終了後、75℃で2時間熟成した
後、アンモニアを8.5部添加した後に冷却し、樹脂溶
液にイソプロピルアルコールを加えて固形分濃度が60
%になるように調製した。得られた樹脂溶液(2)の特
性を表1に示す。
【0048】製造例3(水溶性の加水分解性シリル基含
有ビニル系共重合体(A)の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器にイソプロピルアルコール60
部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ75℃に昇温した
後、下記組成の混合物(c)を滴下ロートにより5時間
かけて等速滴下した。
【0049】 [混合物(c)] アクリル酸 10部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 60部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 10部 2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル 3部 混合物(c)の滴下終了後、75℃で2時間熟成した
後、アンモニアを8.5部添加した後に冷却し、樹脂溶
液にイソプロピルアルコールを加えて固形分濃度が60
%になるように調製した。得られた樹脂溶液(3)の特
性を表1に示す。
【0050】製造例4(水性分散型ビニル系共重合体の
合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込み、
アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加し、さ
らに(製造例1)で得られた樹脂溶液(1)を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させた後、窒素ガスを導入
しつつ70℃に昇温した後、下記組成の混合物(d)を
滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0051】 [混合物(d)] スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 60部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 混合物(d)の滴下終了後、70℃で2時間熟成した後
冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固形分濃度が
50%になるように調製した。得られた水性分散液
(1)の特性を表2に示す。
【0052】製造例5(水性分散型加水分解性シリル基
含有ビニル系共重合体(B) の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込み、
アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加し、さ
らに(製造例1)で得られた樹脂溶液(1)を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させた後、窒素ガスを導入
しつつ70℃に昇温した後、下記組成の混合物(e)を
滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0053】 [混合物(e)] スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 55部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 混合物(e)の滴下終了後、70℃で2時間熟成した後
冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固形分濃度が
50%になるように調製した。得られた水性分散液
(2)の特性を表2に示す。
【0054】製造例6(水性分散型加水分解性シリル基
含有ビニル系共重合体(B) の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込み、
アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加し、さ
らに(製造例1)で得られた樹脂溶液(1)を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させた後、窒素ガスを導入
しつつ70℃に昇温した後、下記組成の混合物(f)を
滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0055】 [混合物(f)] スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 50部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 10部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 混合物(f)の滴下終了後、70℃で2時間熟成した後
冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固形分濃度が
50%になるように調製した。得られた水性分散液
(3)の特性を表2に示す。
【0056】製造例7(水性分散型加水分解性シリル基
含有ビニル系共重合体(B) の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込み、
アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加し、さ
らに(製造例2)で得られた樹脂溶液(2)を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させた後、窒素ガスを導入
しつつ70℃に昇温した後、下記組成の混合物(g)を
滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0057】 [混合物(g)] スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 55部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 混合物(g)の滴下終了後、70℃で2時間熟成した後
冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固形分濃度が
50%になるように調製した。得られた水性分散液
(4)の特性を表3に示す。
【0058】製造例8(水性分散型加水分解性シリル基
含有ビニル系共重合体(B) の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込み、
アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加し、さ
らに(製造例2)で得られた樹脂溶液(2)を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させた後、窒素ガスを導入
しつつ70℃に昇温した後、下記組成の混合物(h)を
滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0059】 [混合物(h)] スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 50部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 10部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 混合物(h)の滴下終了後、70℃で2時間熟成した後
冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固形分濃度が
50%になるように調製した。得られた水性分散液
(5)の特性を表3に示す。
【0060】製造例9(水性分散型加水分解性シリル基
含有ビニル系共重合体(B) の合成) 撹拌機、温度計、環流冷却管、窒素ガス導入管及び滴下
ロートを備えた反応容器に脱イオン水93部を仕込み、
アスコルビン酸1部、硫酸第1鉄0.1部を添加し、さ
らに(製造例3)で得られた樹脂溶液(3)を18.5
部を加え、充分撹拌して溶解させた後、窒素ガスを導入
しつつ70℃に昇温した後、下記組成の混合物(i)を
滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。
【0061】 [混合物(i)] スチレン 20部 アクリル酸ブチル 20部 メタクリル酸メチル 50部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 10部 クメンヒドロパーオキサイド 1部 混合物(i)の滴下終了後、70℃で2時間熟成した後
冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固形分濃度が
50%になるように調製した。得られた水性分散液
(6)の特性を表3に示す。
【0062】
【表1】
【表2】
【表3】
【0063】比較例1 製造例4で得られた水性分散型ビニル系共重合体100
部にジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
トを3部添加し、充分混合した後塗装し、フィルム及び
テスト板を作成した。
【0064】実施例1〜5 製造例5〜9で得られた水性分散型加水分解性シリル基
含有ビニル系共重合体(B)100部にジエチレングリ
コールモノブチルエーテルアセテートを3部添加し、充
分混合した後塗装し、フィルム及びテスト板を作成し
た。
【0065】実施例6 製造例7で得られた水性分散型加水分解性シリル基含有
ビニル系共重合体(B)100部にジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテートを3部とジブチル錫ジ
ラウレート3部を添加し、充分混合した後塗装し、フィ
ルム及びテスト板を作成した。
【0066】実施例7 製造例7で得られた水性分散型加水分解性シリル基含有
ビニル系共重合体(B)100部にジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテートを3部とジブチル錫ジ
ラウレート20部を添加し、充分混合した後塗装し、フ
ィルム及びテスト板を作成した。
【0067】比較例1、及び実施例1〜7について、造
膜性、光沢、耐水性、耐候性、耐アルカリ性、耐酸性、
ゲル分率を評価し、表4〜6に示す。
【0068】
【表4】
【表5】
【表6】
【0069】表4〜6の評価結果から、本発明の組成物
は、耐水性、耐候性、耐アルカリ性、耐酸性など耐久性
に優れた組成物であり、従来の水性塗料に較べ、性能面
で大幅に改善されたものであることがわかる。
【0070】
【発明の効果】従来の水性塗料においては、種々の要因
により、耐水性、耐候性、耐久性の点で必ずしも満足で
きるレベルにはないが、本発明の水性分散型塗料用硬化
性組成物は、反応性をもたせることで耐水性、耐候性、
耐久性に優れ、作業性にも優れたものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)1分子中に加水分解性シリル官能基
    とカルボキシル基とを併有するビニル系共重合体であ
    り、アンモニアまたは有機アミン化合物で中和して得ら
    れる水溶性樹脂、 (B)前記(A)を分散安定剤として用い、該樹脂存在
    下、水性媒体中で分散重合した加水分解性シリル基含有
    ビニル系共重合体、及び (C)溶剤が配合されてなる水性分散型塗料用硬化性組
    成物。
  2. 【請求項2】1分子中に加水分解性シリル官能基とカル
    ボキシル基とを併有するビニル系共重合体であり、アン
    モニアまたは有機アミン化合物で中和して得られる水溶
    性樹脂(A)を分散安定剤として用い、該樹脂存在下水
    性媒体中で加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体
    (B)を分散重合することを特徴とする水性分散型塗料
    用硬化性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】前記(A)成分であるビニル系共重合体
    が、 一般式: 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は−CO
    −O−(CH2)n−(n=1〜10)、フェニレン
    基、アルケニレン基または単結合。R3は水素原子また
    は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基より選ばれる1価の炭化水素基、Xはハロゲン原
    子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェ
    ノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基より選ばれる加
    水分解性基、aは0〜2の整数、Siに結合するXおよ
    びR3がそれぞれ2個以上の場合、それらは同一の基で
    あっても異なる基であってもよい。)で表わされる加水
    分解性シリル基を有し、重合性炭素−炭素二重結合を有
    する不飽和単量体を少なくとも1分子中に1個以上含有
    し、水溶性を付与するために用いるカルボキシル基含有
    α、β−エチレン性不飽和単量体を少なくとも2重量部
    (全単量体を100重量部とする)以上含むビニル系共
    重合体である請求項1記載の水性分散型塗料用硬化性組
    成物。
  4. 【請求項4】前記(B)成分であるビニル系共重合体
    が、 一般式: 【化2】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は−CO
    −O−(CH2)n−(n=1〜10)、フェニレン
    基、アルケニレン基または単結合。R3は水素原子また
    は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基より選ばれる1価の炭化水素基、Xはハロゲン原
    子、アルコキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェ
    ノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基より選ばれる加
    水分解性基、aは0〜2の整数、Siに結合するXおよ
    びR3がそれぞれ2個以上の場合、それらは同一の基で
    あっても異なる基であってもよい。)で表わされる加水
    分解性シリル基を有し、重合性炭素−炭素二重結合を有
    する不飽和単量体を少なくとも1分子中に1個以上含む
    ビニル系共重合体である請求項1記載の水性分散型塗料
    用硬化性組成物。
  5. 【請求項5】前記(C)成分である溶剤が、アルコール
    類のように水溶性を有するものである請求項1記載の水
    性分散型塗料用硬化性組成物。
  6. 【請求項6】硬化触媒を配合する場合、該硬化触媒が、
    有機スズ化合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エス
    テルとアミンの混合物または反応物、飽和もしくは不飽
    和多価カルボン酸、飽和もしくは不飽和多価カルボン酸
    の無水物、反応性シリコン化合物、有機チタネート化合
    物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物
    またはこれらの混合物である請求項1記載の水性分散型
    塗料用硬化性組成物。
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