JPH0533464A - 無機建築板 - Google Patents

無機建築板

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JPH0533464A
JPH0533464A JP3194183A JP19418391A JPH0533464A JP H0533464 A JPH0533464 A JP H0533464A JP 3194183 A JP3194183 A JP 3194183A JP 19418391 A JP19418391 A JP 19418391A JP H0533464 A JPH0533464 A JP H0533464A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、下地材として充分な性能を有する無
機建築板を提供することを目的とする。 【構成】 無機発泡体を主体とし、適量の繊維状物およ
び結合剤を添加して形成した板状芯材の表裏面に、鉱物
質繊維および無機粉状体を主体とし、結合剤を添加して
形成した外層部を設けて全体比重を0.55以下とする
ことにより、軽い板状芯材の表裏面が、硬く緻密な外層
部で覆われることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁下地材等に用いられ
る無機建築板に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に、
壁下地材等に用いられる無機建築板には、使用上の見地
より、所定の強度,表面硬度および熱伝導率等が要求さ
れるとともに、施工上の見地より、軽量で所定の全体硬
度を有し、ビス止め可能なものであることが要求され
る。このため、従来例より、壁下地材として石膏ボード
が広く使用されている。
【0003】しかしながら、近年、施工者の高齢化,都
市交通の混雑等から石膏ボードよりも軽量で、かつ、防
火規制を満たす下地材が要求されている。そこで、石膏
ボードの軽量化のため、その内部に気泡を発生させた
り、あるいは、無機発泡体を混入することも考えられて
いるが、この方法では石膏ボードの強度が低下するとい
う問題点がある。一方、軽量化と同時に強度を維持する
ため、例えば、石膏ボードにパルプ等の有機繊維を混入
することも考えられるが、この方法では防火性が損なわ
れるという問題点がある。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、軽量で、下
地材として充分な性能を有する無機建築板を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、板状芯材
と、その表裏面に設けた外層部との組成を異ならしめて
三層構造とすることにより、石膏ボードよりも軽量で、
かつ、下地材として充分な性能を有する無機建築板を得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。本
発明の要旨は、前記目的を達成するため、無機発泡体と
繊維状物とを主体とし、結合剤を添加して形成した板状
芯材の表裏面に、鉱物質繊維と無機粉状体とを主体と
し、結合剤を添加して形成した外層部を設けて全体比重
を0.55以下としたことを特徴とする無機建築板にあ
る。
【0006】板状芯材を形成する無機発泡体は圧縮強度
を維持しつつ、軽量化するためのものであり、例えば、
パーライト,シラス発泡体,シリカフラワー,ガラス発
泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組
み合わせて使用できる。そして、板状芯材における無機
発泡体の組成比は50〜90重量%とするのが好まし
い。50重量%以下であると、繊維状物の割合が相対的
に増加するために強度は向上するが、比重低下の効果が
得られないからであり、90重量%以上であると、繊維
状物とともに均一に抄造することが困難となるからであ
る。
【0007】板状芯材を形成する繊維状物は前記無機発
泡体同士を連結するためのものであり、例えば、ロック
ウール,スラグウール,パルプ,ポリプロピレン繊維な
どを挙げることができ、これらは単独で、あるいは、2
種以上組み合わせて使用できる。繊維状物は無機発泡体
を連結し、板状を形成するためのものであり、少なくと
も3重量%以上添加されるが、多くなれば相対的に無機
発泡体の量が低下し、軽量化の目的が達成出来ない。
【0008】板状心材を形成する結合剤は、前記繊維状
物と無機発泡体とを連結一体化するためのものであり、
例えば、ポリビニルアルコール樹脂,フェノール樹脂等
の合成樹脂やスターチ等が挙げられ、これらは単独で、
あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
【0009】なお、一般に、結合剤および有機繊維が多
ければ多いほど、曲げ強度が向上するので、板状芯材に
パルプ等の有機繊維を混入することは強度面において有
効であり、また、コスト面において有効である。ただ
し、準不燃材としての無機建築板を得るためには、板状
芯材における有機成分の総量が結合剤を含めて15重量
%以下となるようにする必要がある。また、不燃材とし
ての無機建築板を得るためには、有機成分の総量を7重
量%以下にする必要があるので、繊維状物として鉱物質
繊維を採用するのが好ましい。
【0010】板状芯材は、その比重を0.4以下とする
のが好ましい。比重が0.4以上であると、無機建築板
の軽量化を図ることが困難になるからである。なお、板
状芯材は無機建築板の中間層を形成するので、板状芯材
の厚みを増大させることにより、無機建築板の耐えられ
る曲げモーメントが大きくなるという利点がある。
【0011】外層部を形成する鉱物質繊維としては、例
えば、ロックウール,スラグウール,ミネラルウール,
ガラス繊維などを挙げることができ、これらは単独で、
あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。そして、
鉱物質繊維の外層部における組成比は20〜60重量%
とするのが好ましい。20重量%以下であると、曲げ強
度が低く、ビス打込時に表面が破壊し易いからであり、
60重量%以上であると、無機粉状体の添加量が低くな
り、表面硬度および全体硬度を高く出来ないからであ
る。
【0012】外層部を形成する無機粉状体は防火性を維
持しつつ、硬度を高めてネジ止め性能を高めるためのも
のであり、例えば、炭酸カルシウム,硅砂,マイクロシ
リカ,スラグ,水酸化アルミニウム等を挙げることがで
きる。そして、外層部における無機粉状体の組成比は、
40〜70重量%とするのが好ましい。40重量%以下
になると、所望の表面硬度が得られないからであり、7
0重量%以上になると、鉱物質繊維の割合が相対的に減
少するため、所望の強度が得られないからである。さら
に、外層部の強度は、粒径約150μの無機粉状体を用
いた場合が最も大きいが、無機粉状体は平均粒径40μ
〜300μのものであってもよい。
【0013】外層部の比重は0.6以上、特に、0.7以
上が好ましい。なぜならば、一般に、無機粉状体の割合
を一定、例えば、60重量%とし、他の材料の組成を異
ならしめて外層部を形成した場合、外層部の比重と表面
硬度、および、その比重と曲げ強度にはそれぞれ相関関
係があり、比重の増加につれて表面硬度,曲げ強度が増
加する(図1および図2)。そして、実用上、石膏ボー
ドとほぼ同等の表面硬度および曲げ強度を得るために
は、外層部の比重が0.7以上になることが必要だから
である。
【0014】なお、外層部を形成する結合剤の材質,添
加量は、前述の板状芯材の場合と同様であるので、説明
を省略する。
【0015】前述したように結合剤および有機繊維が多
ければ多いほど、曲げ強度等が向上するので、鉱物質繊
維の代えてパルプ等の有機繊維を外層部に用いてもよ
い。ただし、準不燃材としての無機建築板を得るには、
有機成分の総量は15重量%以下であることが必要であ
る。このため、鉱物質繊維の代わりにパルプ等の有機繊
維を用いる場合には、結合剤などの有機成分の総量が前
述の範囲内となるように配慮する必要がある。また、不
燃材としての無機建築板を得るためには、前述の板状芯
材と同様、有機成分の総量を7重量%以下にする必要が
ある。
【0016】次に、本実施例にかかる無機建築板の製造
方法について説明する。例えば、無機発泡体,繊維状
物,結合剤を水中に懸濁せしめて水性スラリーを得、こ
れを湿式抄造して板状芯材となるウエットマットを得る
一方、鉱物質繊維,無機粉状体,結合剤を水中に分散,
懸濁して水性スラリーを得、これを湿式抄造して外層部
となるウエットマットを得た後、板状芯材となる前記ウ
エットマットの表裏面に外層部となる前記ウエットマッ
トを積層して圧締した後、乾燥させて一体化することに
より、無機建築板を製造する方法がある。
【0017】なお、前述の製造方法ではウエットマット
同士を積層一体化する場合について説明したが、湿式に
限らず、乾式による方法、あるいは、乾式と湿式とを組
み合わせた方法など既存の製造方法を選択できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を説明する。 (実施例1)無機発泡体として単位容積質量0.08
(kg/l)のパーライト82重量%、繊維状物として
パルプ10重量%、結合剤としてフェノール樹脂および
スターチを合計で8重量%の割合で水中に投入,懸濁し
て水性スラリーを得、これを抄造して厚さ11mm、比
重0.15の板状芯材を得る一方、鉱物質繊維としてロ
ックウール27重量%、無機粉状体として炭酸カルシウ
ム60重量%、結合剤としてフェノール樹脂およびスタ
ーチを合計で8重量%、補強材としてパルプ5重量%の
割合で混合した後、水中に投入して水性スラリーを得、
これを抄造して厚さ2.0mm、比重0.6の外層部を得
た後、前記板状芯材の表裏面に前記外層部を積層し、プ
レスで圧締一体化して板状体とし、乾燥させて厚さ9m
m、全体比重0.45のサンプルを得た。尚、前記炭酸
カルシウムには50メッシュを通過する粒径ものを用い
ており、パーライトには平均粒径300μのものを用い
た。
【0019】(実施例2)無機発泡体として単位容積質
量0.08(kg/l)のパーライト80重量%、繊維
状物としてロックウール13重量%、結合剤としてフェ
ノール樹脂およびスターチを合計で7重量%の割合で混
練して水性スラリーを得、これを抄造して厚さ11m
m、比重0.15の板状芯材を得る一方、鉱物質繊維と
してロックウール36重量%、無機粉状体として炭酸カ
ルシウム57重量%、結合剤としてフェノール樹脂およ
びスターチを合計で7重量%の割合で混練して水性スラ
リー得、これを抄造して厚さ2.0mm、比重0.6の
外層部を得た後、前記板状芯材の表裏面に外層部を積層
し、プレスで圧締一体化して板状体とし、乾燥させて厚
さ9mm、全体比重0.45の無機建築板を得た。尚、
前記炭酸カルシウムには50メッシュを通過する粒径も
のを用いており、パーライトには平均粒径300μのも
のを用いた。
【0020】(比較例)厚さ9mm,比重0.74の市
販の石膏ボードをサンプルとした。
【0021】前記実施例1,2および比較例で得られた
サンプルの物性に関する測定結果を次に表示する。 実施例1 実施例2 比較例 厚さ (mm) 9.0 9.0 9.0 比重 0.45 0.45 0.74 曲げ強度 (kgf/cm2) 75 70 50 表面硬度 (kgf) 170 160 220 ビス貫通力 (kgf) 18 20 27 熱伝導率 (kal/mh℃) 0.06 0.06 0.27 防火性 準不燃合格 不燃合格 準不燃合格
【0022】なお、前記測定結果は下記の方式に基づい
て得られたものである。 曲げ強度:JIS 5907−1977に基づく。 表面硬度:JIS HARDNESS TESTERに
基づく。 ビス貫通力:JIS A5910に準じた試験方法に基
づく。 熱伝導率:JIS A1412に基づく。 防火性:JIS A1321に基づく。
【0023】以上の測定結果から明らかなように、実施
例1,2は、比較例よりも比重が25〜40%小さい。
比重が40%小さいということは、標準サイズの石膏ボ
ードが約11kgである場合に、同一サイズの本発明に
かかる無機建築板では約6.7kgとなることを意味す
る。このため、石膏ボードの場合、重量制限によってト
ラック等の積載可能容積の約半分程度しか利用できない
ときでも、本願無機建築板であれば、トラック等の積載
可能容積一杯に積載できる。この結果、物流コストを大
巾に節減できるだけでなく、施工現場への人力による搬
送およびハンドリングが容易になる。また、実施例1,
2の曲げ強度が比較例のそれよりも約40%大きいこと
から、変形しにくく、使い勝手がよいことがわかった。
さらに、実施例1,2の熱伝導率が比較例のそれよりも
極めて小さいことから、実施例1,2が比較例よりも断
熱性に優れていることがわかった。
【0024】なお、実施例1,2は、表面硬度およびビ
ス貫通力において比較例よりも小さいが、一般に表面硬
度が150(kgf)であれば、凹み等が生じにくく、実
用上は問題はない。また、ビス貫通力は無機建築板の重
量の2.5倍以上必要とされるが、本発明にかかる無機
建築板自体が軽量であることから、この点においても実
用上の問題はない。したがって、本願にかかる無機建築
板は市販の石膏ボードよりも約40%軽く、市販の石膏
ボードと同等の使用が可能であることがわかった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、無機発泡体と繊維状物とを主体とし、結合剤
を添加して形成した板状芯材の表裏面が、鉱物質繊維と
無機粉状体とを主体とし、結合剤を添加して形成した外
層部で覆われることになるため、軽い板状芯材の表裏面
が硬く緻密な外層部で覆われることになる。このため、
本発明によれば、表面が硬く、ビス止め可能で曲げ強度
大きく、熱伝導率が小さいという下地材として必要な性
能を有する無機建築板が得られる。しかも、全体比重が
0.55以下であるので、石膏ボードよりも軽量であ
り、運搬,ハンドリングが容易になるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例にかかる外層部の比重と表面硬度との
相関関係を示すグラフ図である。
【図2】本実施例にかかる外層部の比重と曲げ強度との
相関関係を示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 無機建築板
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁下地材等に用いられ
る無機建築板に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に、
壁下地材等に用いられる無機建築板には、使用上の見地
より、所定の強度,表面硬度および熱伝導率等が要求さ
れるとともに、施工上の見地より、軽量で所定の全体硬
度を有し、ビス止め可能なものであることが要求され
る。このため、従来例より、壁下地材として石膏ボード
が広く使用されている。
【0003】しかしながら、近年、施工者の高齢化,都
市交通の混雑等から石膏ボードよりも軽量で、かつ、防
火規制を満たす下地材が要求されている。そこで、石膏
ボードの軽量化のため、その内部に気泡を発生させた
り、あるいは、無機発泡体を混入することも考えられて
いるが、この方法では石膏ボードの強度が低下するとい
う問題点がある。一方、軽量化と同時に強度を維持する
ため、例えば、石膏ボードにパルプ等の有機繊維を混入
することも考えられるが、この方法では防火性が損なわ
れるという問題点がある。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、軽量で、下
地材として充分な性能を有する無機建築板を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、板状芯材
と、その表裏面に設けた外層部との組成を異ならしめて
三層構造とすることにより、石膏ボードよりも軽量で、
かつ、下地材として充分な性能を有する無機建築板を得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。本
発明の要旨は、前記目的を達成するため、無機発泡体を
主体とし、適量の繊維状物および結合剤を添加して形成
した板状芯材の表裏面に、鉱物質繊維および無機粉状体
を主体とし、結合剤を添加して形成した外層部を設けて
全体比重を0.55以下としたことを特徴とする無機建
築板にある。
【0006】板状芯材を形成する無機発泡体は圧縮強度
を維持しつつ、軽量化するためのものであり、例えば、
パーライト,シラス発泡体,シリカフラワー,ガラス発
泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組
み合わせて使用できる。そして、板状芯材における無機
発泡体の組成比は50〜90重量%とするのが好まし
い。50重量%以下であると、繊維状物の割合が相対的
に増加するために強度は向上するが、比重低下の効果が
得られないからであり、90重量%以上であると、繊維
状物とともに均一に抄造することが困難となるからであ
る。
【0007】板状芯材に添加される繊維状物は前記無機
発泡体同士を連結するためのものであり、例えば、ロッ
クウール,スラグウール,パルプ,ポリプロピレン繊維
などを挙げることができ、これらは単独で、あるいは、
2種以上組み合わせて使用できる。繊維状物は無機発泡
体を連結し、板状を形成するためのものであり、少なく
とも3重量%以上添加されるが、多くなれば相対的に無
機発泡体の量が低下し、軽量化の目的が達成出来ない。
【0008】板状芯材に添加される結合剤は、前記無機
発泡体と繊維状物とを連結一体化するためのものであ
り、例えば、ポリビニルアルコール樹脂,フェノール樹
脂等の合成樹脂やスターチ等が挙げられ、これらは単独
で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
【0009】なお、一般に、結合剤および有機繊維が多
ければ多いほど、曲げ強度が向上するので、板状芯材に
パルプ等の有機繊維を混入することは強度面において有
効であり、また、コスト面において有効である。ただ
し、準不燃材としての無機建築板を得るためには、板状
芯材における有機成分の総量が結合剤を含めて15重量
%以下となるようにする必要がある。また、不燃材とし
ての無機建築板を得るためには、有機成分の総量を7重
量%以下にする必要があるので、不燃材としての繊維状
物としては鉱物質繊維を採用するのが好ましい。
【0010】板状芯材は、その比重を0.4以下とする
のが好ましい。比重が0.4以上であると、無機建築板
の軽量化を図ることが困難になるからである。なお、板
状芯材は無機建築板の中間層を形成するので、板状芯材
の厚みを増大させることにより、無機建築板の耐えられ
る曲げモーメントが大きくなるという利点がある。
【0011】外層部を形成する鉱物質繊維としては、例
えば、ロックウール,スラグウール,ミネラルウール,
ガラス繊維などを挙げることができ、これらは単独で、
あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。そして、
外層部における鉱物質繊維の組成比は20〜60重量%
とするのが好ましい。20重量%以下であると、曲げ強
度が低く、ビス打込時に表面が破壊し易いからであり、
60重量%以上であると、無機粉状体の添加量が低くな
り、表面硬度および全体硬度を高く出来ないからであ
る。
【0012】外層部を形成する無機粉状体は防火性を維
持しつつ、硬度を高めてネジ止め性能を高めるためのも
のであり、例えば、炭酸カルシウム,硅砂,マイクロシ
リカ,スラグ,水酸化アルミニウム等を挙げることがで
きる。そして、外層部における無機粉状体の組成比は、
40〜70重量%とするのが好ましい。40重量%以下
になると、所望の表面硬度が得られないからであり、7
0重量%以上になると、鉱物質繊維の割合が相対的に減
少するため、所望の強度が得られないからである。さら
に、外層部の強度は、粒径約150μの無機粉状体を用
いた場合が最も大きいが、無機粉状体は平均粒径40μ
〜300μのものであってもよい。
【0013】外層部の比重は0.6以上、特に、0.7以
上が好ましい。なぜならば、一般に、無機粉状体の割合
を一定、例えば、60重量%とし、他の材料の組成を異
ならしめて外層部を形成した場合、外層部の比重と表面
硬度、および、その比重と曲げ強度にはそれぞれ相関関
係があり、比重の増加につれて表面硬度,曲げ強度が増
加する(図1および図2)。そして、実用上、石膏ボー
ドとほぼ同等の表面硬度および曲げ強度を得るために
は、外層部の比重が0.7以上になることが必要だから
である。
【0014】なお、外層部に添加される結合剤の材質,
添加量は、前述の板状芯材の場合と同様であるので、説
明を省略する。また、板状芯材において繊維状物および
結合剤を兼ねるものとして融着性繊維を用いることが出
来る。これによれば、製造過程における結合剤の移動を
防止できるので、強度にバラツキが生ずるのを防止でき
るという利点がある。
【0015】前述したように結合剤および有機繊維が多
ければ多いほど、曲げ強度等が向上するので、鉱物質繊
維に代えてパルプ等の有機繊維を外層部に用いてもよ
い。ただし、準不燃材としての無機建築板を得るには、
有機成分の総量は15重量%以下であることが必要であ
る。このため、鉱物質繊維の代わりにパルプ等の有機繊
維を用いる場合には、結合剤などの有機成分の総量が前
述の範囲内となるように配慮する必要がある。また、不
燃材としての無機建築板を得るためには、前述の板状芯
材と同様、有機成分の総量を7重量%以下にする必要が
ある。
【0016】次に、本実施例にかかる無機建築板の製造
方法について説明する。例えば、無機発泡体,繊維状
物,結合剤を水中に懸濁せしめて水性スラリーを得、こ
れを湿式抄造して板状芯材となるウエットマットを得る
一方、鉱物質繊維,無機粉状体,結合剤を水中に分散,
懸濁して水性スラリーを得、これを湿式抄造して外層部
となるウエットマットを得た後、板状芯材となる前記ウ
エットマットの表裏面に外層部となる前記ウエットマッ
トを積層して圧締した後、乾燥させて一体化することに
より、無機建築板を製造する方法がある。
【0017】なお、前述の製造方法ではウエットマット
同士を積層一体化する場合について説明したが、湿式に
限らず、乾式による方法、あるいは、乾式と湿式とを組
み合わせた方法など既存の製造方法を選択できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を説明する。 (実施例1)無機発泡体として単位容積質量0.08
(kg/l)のパーライト82重量%、繊維状物として
パルプ10重量%、結合剤としてフェノール樹脂および
スターチを合計で8重量%の割合で水中に投入,懸濁し
て水性スラリーを得、これを抄造して厚さ11mm、比
重0.15の板状芯材を得る一方、鉱物質繊維としてロ
ックウール27重量%、無機粉状体として炭酸カルシウ
ム60重量%、結合剤としてフェノール樹脂およびスタ
ーチを合計で8重量%、補強材としてパルプ5重量%の
割合で混合した後、水中に投入して水性スラリーを得、
これを抄造して厚さ2.0mm、比重0.6の外層部を得
た後、前記板状芯材の表裏面に前記外層部を積層し、プ
レスで圧締一体化して板状体とし、乾燥させて厚さ9m
m、全体比重0.45のサンプルを得た。尚、前記炭酸
カルシウムには50メッシュを通過する粒径ものを用い
ており、パーライトには平均粒径300μのものを用い
た。
【0019】(実施例2)無機発泡体として単位容積質
量0.08(kg/l)のパーライト80重量%、繊維
状物としてロックウール13重量%、結合剤としてフェ
ノール樹脂およびスターチを合計で7重量%の割合で混
練して水性スラリーを得、これを抄造して厚さ11m
m、比重0.15の板状芯材を得る一方、鉱物質繊維と
してロックウール36重量%、無機粉状体として炭酸カ
ルシウム57重量%、結合剤としてフェノール樹脂およ
びスターチを合計で7重量%の割合で混練して水性スラ
リーを得、これを抄造して厚さ2.0mm、比重0.6
の外層部を得た後、前記板状芯材の表裏面に外層部を積
層し、プレスで圧締一体化して板状体とし、乾燥させて
厚さ9mm、全体比重0.45の無機建築板を得た。
尚、前記炭酸カルシウムには50メッシュを通過する粒
径ものを用いており、パーライトには平均粒径300μ
のものを用いた。
【0020】(比較例)厚さ9mm,比重0.74の市
販の石膏ボードをサンプルとした。
【0021】前記実施例1,2および比較例で得られた
サンプルの物性に関する測定結果を次に表示する。 実施例1 実施例2 比較例 厚さ (mm) 9.0 9.0 9.0 比重 0.45 0.45 0.74 曲げ強度 (kgf/cm2) 75 70 50 表面硬度 (kgf) 170 160 220 ビス貫通力 (kgf) 18 20 27 熱伝導率 (kal/mh℃) 0.06 0.06 0.27 防火性 準不燃合格 不燃合格 準不燃合格
【0022】なお、前記測定結果は下記の方式に基づい
て得られたものである。 曲げ強度:JIS 5907−1977に基づく。 表面硬度:JIS HARDNESS TESTERに
基づく。 ビス貫通力:JIS A5910に準じた試験方法に基
づく。 熱伝導率:JIS A1412に基づく。 防火性:JIS A1321に基づく。
【0023】以上の測定結果から明らかなように、実施
例1,2は、比較例よりも比重が25〜40%小さい。
比重が40%小さいということは、標準サイズの石膏ボ
ードが約11kgである場合に、同一サイズの本発明に
かかる無機建築板では約6.7kgとなることを意味す
る。このため、石膏ボードの場合、重量制限によってト
ラック等の積載可能容積の約半分程度しか利用できない
ときでも、本願無機建築板であれば、トラック等の積載
可能容積一杯に積載できる。この結果、物流コストを大
巾に節減できるだけでなく、施工現場への人力による搬
送およびハンドリングが容易になる。また、実施例1,
2の曲げ強度が比較例のそれよりも約40%大きいこと
から、変形しにくく、使い勝手がよいことがわかった。
さらに、実施例1,2の熱伝導率が比較例のそれよりも
極めて小さいことから、実施例1,2が比較例よりも断
熱性に優れていることがわかった。
【0024】なお、実施例1,2は、表面硬度およびビ
ス貫通力において比較例よりも小さいが、一般に表面硬
度が150(kgf)であれば、凹み等が生じにくく、実
用上は問題はない。また、ビス貫通力は無機建築板の重
量の2.5倍以上必要とされるが、本発明にかかる無機
建築板自体が軽量であることから、この点においても実
用上の問題はない。したがって、本願にかかる無機建築
板は市販の石膏ボードよりも約40%軽く、市販の石膏
ボードと同等の使用が可能であることがわかった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、無機発泡体を主体とし、適量の繊維状物およ
び結合剤を添加して形成した板状芯材の表裏面が、鉱物
質繊維および無機粉状体を主体とし、結合剤を添加して
形成した外層部で覆われることになるため、軽い板状芯
材の表裏面が硬く緻密な外層部で覆われることになる。
このため、本発明によれば、表面が硬く、ビス止め可能
で曲げ強度大きく、熱伝導率が小さいという下地材とし
て必要な性能を有する無機建築板が得られる。しかも、
全体比重が0.55以下であるので、石膏ボードよりも
軽量であり、運搬,ハンドリングが容易になるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例にかかる外層部の比重と表面硬度との
相関関係を示すグラフ図である。
【図2】本実施例にかかる外層部の比重と曲げ強度との
相関関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 無機発泡体と繊維状物とを主体とし、結
    合剤を添加して形成した板状芯材の表裏面に、鉱物質繊
    維と無機粉状体とを主体とし、結合剤を添加して形成し
    た外層部を設けて全体比重を0.55以下としたことを
    特徴とする無機建築板。
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