JPH05336981A - 光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法 - Google Patents
光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法Info
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- JPH05336981A JPH05336981A JP17749792A JP17749792A JPH05336981A JP H05336981 A JPH05336981 A JP H05336981A JP 17749792 A JP17749792 A JP 17749792A JP 17749792 A JP17749792 A JP 17749792A JP H05336981 A JPH05336981 A JP H05336981A
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- acid
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- hydroxy acid
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Abstract
(57)【要約】
【構成】本発明は、β−ヒドロキシ酸生産微生物を多孔
質材と共に培養し、該多孔質材内に固定化された該微生
物を用いて生産する光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造
方法に関する。 【効果】本発明の製造方法により、β−ヒドロキシ酸生
産微生物を繰り返し使用するなどの有効利用が可能とな
り、光学活性なβ−ヒドロキシ酸の生産性の向上、生産
のための培養槽の小型化が実現される。また、生産され
たβ−ヒドロキシ酸と微生物の分離が容易となり、β−
ヒドロキシ酸の精製などの後処理プロセスでの負荷の軽
減が図れるなど、工業的に有利な方法である。
質材と共に培養し、該多孔質材内に固定化された該微生
物を用いて生産する光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造
方法に関する。 【効果】本発明の製造方法により、β−ヒドロキシ酸生
産微生物を繰り返し使用するなどの有効利用が可能とな
り、光学活性なβ−ヒドロキシ酸の生産性の向上、生産
のための培養槽の小型化が実現される。また、生産され
たβ−ヒドロキシ酸と微生物の分離が容易となり、β−
ヒドロキシ酸の精製などの後処理プロセスでの負荷の軽
減が図れるなど、工業的に有利な方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性なβ−ヒドロ
キシ酸の製造方法に関する。更に詳しくは、2種の異な
る官能基を有し、医薬、農薬などの有用な合成中間体と
なる光学活性なβ−ヒドロキシ酸を固定化された微生物
を用いて製造する方法に関する。
キシ酸の製造方法に関する。更に詳しくは、2種の異な
る官能基を有し、医薬、農薬などの有用な合成中間体と
なる光学活性なβ−ヒドロキシ酸を固定化された微生物
を用いて製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生化学、有機化学などの著しい進
展により、種々の生理活性物質が分離同定、あるいは合
成され、それらの立体構造と生理活性との相関が明らか
にされるに伴い、光学活性もその重要な因子として確認
されるようになった。現在、種々の手法を用いて光学活
性な生理活性物質の合成研究が盛んに行われているが、
本発明者らが本特許で対象としている光学活性な脂肪酸
系のβ−ヒドロキシ酸は、2種の官能基を持ち、その特
性の違いを利用して、種々の光学活性物質へ容易に誘導
し得ることから、学際的にも産業的にも、魅力ある物質
群である。
展により、種々の生理活性物質が分離同定、あるいは合
成され、それらの立体構造と生理活性との相関が明らか
にされるに伴い、光学活性もその重要な因子として確認
されるようになった。現在、種々の手法を用いて光学活
性な生理活性物質の合成研究が盛んに行われているが、
本発明者らが本特許で対象としている光学活性な脂肪酸
系のβ−ヒドロキシ酸は、2種の官能基を持ち、その特
性の違いを利用して、種々の光学活性物質へ容易に誘導
し得ることから、学際的にも産業的にも、魅力ある物質
群である。
【0003】既に工業的に実施し得る経済的なβ−ヒド
ロキシ酸の生産法は、精力的に研究され、微生物の代謝
制御を利用して立体特異性を異にするDおよびL型の各
種β−ヒドロキシ酸の選択的かつ効率的な生産法が開発
されている(特公昭59−21599号公報、特公昭5
9−21600号公報、特公昭60−16235号公
報、特公昭61−12676号公報、特公昭59−53
838号公報、特公昭61−12678号公報、特公昭
62−57311号公報、特公昭62−57312号公
報、特公昭61−42559号公報、特公昭61−42
560号公報、特公昭63−19153号公報、特公昭
62−54474号公報、特開昭57−65189号公
報、特公平04−8035号公報、特公平04−803
6号公報)。なかでも、例えば血圧降下剤であるカプト
プリルの原料となるD −β−ヒドロキシイソ酪酸(以
下、HIBAと略す場合がある)などは、すでに工業生
産されている。
ロキシ酸の生産法は、精力的に研究され、微生物の代謝
制御を利用して立体特異性を異にするDおよびL型の各
種β−ヒドロキシ酸の選択的かつ効率的な生産法が開発
されている(特公昭59−21599号公報、特公昭5
9−21600号公報、特公昭60−16235号公
報、特公昭61−12676号公報、特公昭59−53
838号公報、特公昭61−12678号公報、特公昭
62−57311号公報、特公昭62−57312号公
報、特公昭61−42559号公報、特公昭61−42
560号公報、特公昭63−19153号公報、特公昭
62−54474号公報、特開昭57−65189号公
報、特公平04−8035号公報、特公平04−803
6号公報)。なかでも、例えば血圧降下剤であるカプト
プリルの原料となるD −β−ヒドロキシイソ酪酸(以
下、HIBAと略す場合がある)などは、すでに工業生
産されている。
【0004】光学活性なβ−ヒドロキシ酸(以下、単に
β−ヒドロキシ酸と略す場合がある)、例えばHIBA
の工業生産では安価で大量入手が容易な脂肪酸、アルコ
ールがその原料として利用され、脂肪酸のβ−水酸化法
は脂肪酸の主代謝経路であるβ−酸化酵素系や、類縁の
分岐状アミノ酸代謝経路と共通すると思われる酵素系を
利用するものである。これらの代謝経路では、その代謝
主要経路にATPが必須であり、したがって代謝系を活
性化し、β−ヒドロキシ酸の生産速度を上昇させるに
は、好気的条件下にグルコース、グリセリンなどの微生
物のエネルギー源を補給しながら培養することが重要で
ある。したがって現在、主要なβ−ヒドロキシ酸、例え
ばHIBAは、前述のごとく、変異改良により代謝制御
された微生物を通気攪拌槽でサスペンジョン回分培養し
て工業生産されている。
β−ヒドロキシ酸と略す場合がある)、例えばHIBA
の工業生産では安価で大量入手が容易な脂肪酸、アルコ
ールがその原料として利用され、脂肪酸のβ−水酸化法
は脂肪酸の主代謝経路であるβ−酸化酵素系や、類縁の
分岐状アミノ酸代謝経路と共通すると思われる酵素系を
利用するものである。これらの代謝経路では、その代謝
主要経路にATPが必須であり、したがって代謝系を活
性化し、β−ヒドロキシ酸の生産速度を上昇させるに
は、好気的条件下にグルコース、グリセリンなどの微生
物のエネルギー源を補給しながら培養することが重要で
ある。したがって現在、主要なβ−ヒドロキシ酸、例え
ばHIBAは、前述のごとく、変異改良により代謝制御
された微生物を通気攪拌槽でサスペンジョン回分培養し
て工業生産されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サスペ
ンジョン回分培養では、培養終了後、生産物(β−ヒド
ロキシ酸)と分離した微生物を再利用することが困難で
あるため、β−ヒドロキシ酸の生産能(代謝活性)を有
し、かなりの高菌体濃度にまで高められた活性微生物を
結果的には破棄しなければならず、工業的な生産技術と
しては不十分な操作と言わざるを得ない。微生物を繰り
返し利用する技術としては、まず微生物をなんらかの担
体に固定化することが考えられるが、一般的な、κ−カ
ラギーナン、アルギン酸ソーダなどによるゲル包括法
は、(1)ゲル化剤、固定化反応試薬を要する、(2)
基質や生産物の粒子内物質移動速度が小さい、(3)無
菌操作が困難、(4)担体の再使用が不可能、(5)担
体の機械的強度が弱いなどの欠点を有している。そのた
めβ−ヒドロキシ酸の製造のような、微生物の代謝系を
利用する場合は、前記の(2)〜(3)が致命的な問題
となり、このような包括固定化法を応用することは、工
業的には困難である。そこで、β−ヒドロキシ酸の工業
生産においては、活性を有する微生物を最大限有効利用
するために、前記の(1)〜(4)の問題を、とりわけ
(2)、(3)の問題を克服できるような新たなβ−ヒ
ドロキシ酸生産微生物の固定化法の開発が望まれてい
た。
ンジョン回分培養では、培養終了後、生産物(β−ヒド
ロキシ酸)と分離した微生物を再利用することが困難で
あるため、β−ヒドロキシ酸の生産能(代謝活性)を有
し、かなりの高菌体濃度にまで高められた活性微生物を
結果的には破棄しなければならず、工業的な生産技術と
しては不十分な操作と言わざるを得ない。微生物を繰り
返し利用する技術としては、まず微生物をなんらかの担
体に固定化することが考えられるが、一般的な、κ−カ
ラギーナン、アルギン酸ソーダなどによるゲル包括法
は、(1)ゲル化剤、固定化反応試薬を要する、(2)
基質や生産物の粒子内物質移動速度が小さい、(3)無
菌操作が困難、(4)担体の再使用が不可能、(5)担
体の機械的強度が弱いなどの欠点を有している。そのた
めβ−ヒドロキシ酸の製造のような、微生物の代謝系を
利用する場合は、前記の(2)〜(3)が致命的な問題
となり、このような包括固定化法を応用することは、工
業的には困難である。そこで、β−ヒドロキシ酸の工業
生産においては、活性を有する微生物を最大限有効利用
するために、前記の(1)〜(4)の問題を、とりわけ
(2)、(3)の問題を克服できるような新たなβ−ヒ
ドロキシ酸生産微生物の固定化法の開発が望まれてい
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討した。その結果、β−ヒドロキ
シ酸生産微生物を、その表面にスキン層を有し、機械的
強度の比較的強い多孔質材と共に培養することにより、
該多孔質材に無菌的に自然に該微生物を固定化すること
ができ、光学活性なβ−ヒドロキシ酸を製造することが
できることを見出し、本発明を完成するに到った。ま
た、本発明におけるβ−ヒドロキシ酸生産微生物の固定
化法は、従来からの包括固定化法に比べ、はるかに基質
や生産物の粒子内物質移動速度の大きいものであり、こ
の固定化法を採用することにより、繰り返し回分操作、
あるいは連続操作によるβ−ヒドロキシ酸の工業生産が
可能となり、活性を有するβ−ヒドロキシ酸生産微生物
を最大限に有効利用できる方法を提供するものである。
解決するために鋭意検討した。その結果、β−ヒドロキ
シ酸生産微生物を、その表面にスキン層を有し、機械的
強度の比較的強い多孔質材と共に培養することにより、
該多孔質材に無菌的に自然に該微生物を固定化すること
ができ、光学活性なβ−ヒドロキシ酸を製造することが
できることを見出し、本発明を完成するに到った。ま
た、本発明におけるβ−ヒドロキシ酸生産微生物の固定
化法は、従来からの包括固定化法に比べ、はるかに基質
や生産物の粒子内物質移動速度の大きいものであり、こ
の固定化法を採用することにより、繰り返し回分操作、
あるいは連続操作によるβ−ヒドロキシ酸の工業生産が
可能となり、活性を有するβ−ヒドロキシ酸生産微生物
を最大限に有効利用できる方法を提供するものである。
【0007】即ち、本発明の要旨は、β−ヒドロキシ酸
生産微生物を多孔質材と共に培養し、該多孔質材内に固
定化された該微生物を用いて生産することを特徴とする
光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法に関する。
生産微生物を多孔質材と共に培養し、該多孔質材内に固
定化された該微生物を用いて生産することを特徴とする
光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法に関する。
【0008】本発明の方法における担体としては、多孔
質材が用いられる。多孔質材としては、なかでもその表
面に細孔を持つスキン層を有するものが好適に使用され
る。また該多孔質材の内部は空孔と該空孔の隔壁に小孔
を有する構造であるものが好ましい。多孔質材のスキン
層に存在する細孔の径は、通常5〜500μm、好まし
くは10〜40μmである。5μmよりも小さいとβ−
ヒドロキシ酸生産微生物の担体内への侵入が妨害され、
500μmより大きいと逆に一旦入ったものが漏洩し易
くなる。該多孔質材の内部に存在する空孔の径は、通常
100〜1000μm、好ましくは100〜500μm
である。1000μmより大きいとコロニーを作りにく
くなる。また、空孔の隔壁に存在する小孔の径は、通常
5〜500μm、好ましくは10〜40μmである。5
μmよりも小さいとβ−ヒドロキシ酸生産微生物が通過
しにくくなり、500μmより大きいとコロニーの形成
が阻害される。
質材が用いられる。多孔質材としては、なかでもその表
面に細孔を持つスキン層を有するものが好適に使用され
る。また該多孔質材の内部は空孔と該空孔の隔壁に小孔
を有する構造であるものが好ましい。多孔質材のスキン
層に存在する細孔の径は、通常5〜500μm、好まし
くは10〜40μmである。5μmよりも小さいとβ−
ヒドロキシ酸生産微生物の担体内への侵入が妨害され、
500μmより大きいと逆に一旦入ったものが漏洩し易
くなる。該多孔質材の内部に存在する空孔の径は、通常
100〜1000μm、好ましくは100〜500μm
である。1000μmより大きいとコロニーを作りにく
くなる。また、空孔の隔壁に存在する小孔の径は、通常
5〜500μm、好ましくは10〜40μmである。5
μmよりも小さいとβ−ヒドロキシ酸生産微生物が通過
しにくくなり、500μmより大きいとコロニーの形成
が阻害される。
【0009】本発明においては、多孔質材としてこのよ
うな構造を有する担体であれば、いかなるものも利用で
きる。具体的にはセルロース多孔質材、セルロース・キ
チン質複合多孔質材、あるいはこれらに各種官能基を付
与したもの、例えばジエチルアミノエステル化セルロー
ス多孔質材、カルボキシメチル化セルロース多孔質材、
ジエチルアミノエステル化セルロース・キチン複合多孔
質材、カルボキシメチル化セルロース・キチン複合多孔
質材などをその代表的なものとして挙げることができ
る。本発明においては、特に限定されるものではない
が、好ましくは、セルロース多孔質材、セルロース・キ
チン質複合多孔質材等が挙げられる。
うな構造を有する担体であれば、いかなるものも利用で
きる。具体的にはセルロース多孔質材、セルロース・キ
チン質複合多孔質材、あるいはこれらに各種官能基を付
与したもの、例えばジエチルアミノエステル化セルロー
ス多孔質材、カルボキシメチル化セルロース多孔質材、
ジエチルアミノエステル化セルロース・キチン複合多孔
質材、カルボキシメチル化セルロース・キチン複合多孔
質材などをその代表的なものとして挙げることができ
る。本発明においては、特に限定されるものではない
が、好ましくは、セルロース多孔質材、セルロース・キ
チン質複合多孔質材等が挙げられる。
【0010】このようなスキン層を有する多孔質は、公
知の方法により容易に製造することができる。例えば、
セルロース多孔質材を得る場合は、ビスコースと炭酸カ
ルシウム等の発泡剤を混合し、ノズルより押し出し、液
滴状に酸浴に落下させて、セルロースの再生と発泡とを
同時に行うことによって製造される。この際、ビスコー
スの熟成条件と酸浴の条件を変化させることで、空孔お
よび小孔構造の異なる数種類の多孔質材が得られる。通
常、この空孔は放射状になるが、発泡の状態によって
は、連泡状になる場合もある。連泡状の場合も、隔壁に
小孔を持ち、外表面にスキン層を有するならば、同様に
利用可能である。このようにノズルより噴出して製造さ
れるスキン層を有する多孔質材の形状は一般的に球形あ
るいは偏平した球形となる。このように球形に近い形状
は、培養する際、培養槽内での多孔質材の充填率を上げ
るうえで非常に好都合となる。多孔質材の粒子の径は、
いかなる径のものでも利用可能ではあるが、通常3〜7
mmであり、また培養槽内でβ−ヒドロキシ酸生産微生
物を効果的に固定化するには、培養槽径に対する多孔質
材の径を1/10以下にすることが望ましい。
知の方法により容易に製造することができる。例えば、
セルロース多孔質材を得る場合は、ビスコースと炭酸カ
ルシウム等の発泡剤を混合し、ノズルより押し出し、液
滴状に酸浴に落下させて、セルロースの再生と発泡とを
同時に行うことによって製造される。この際、ビスコー
スの熟成条件と酸浴の条件を変化させることで、空孔お
よび小孔構造の異なる数種類の多孔質材が得られる。通
常、この空孔は放射状になるが、発泡の状態によって
は、連泡状になる場合もある。連泡状の場合も、隔壁に
小孔を持ち、外表面にスキン層を有するならば、同様に
利用可能である。このようにノズルより噴出して製造さ
れるスキン層を有する多孔質材の形状は一般的に球形あ
るいは偏平した球形となる。このように球形に近い形状
は、培養する際、培養槽内での多孔質材の充填率を上げ
るうえで非常に好都合となる。多孔質材の粒子の径は、
いかなる径のものでも利用可能ではあるが、通常3〜7
mmであり、また培養槽内でβ−ヒドロキシ酸生産微生
物を効果的に固定化するには、培養槽径に対する多孔質
材の径を1/10以下にすることが望ましい。
【0011】また、多孔質材としてセルロース以外の、
例えば、アルギン酸カルシウムゲルを用いる場合も、表
面に5〜500μmの細孔を持つスキン層を有し、内部
に100〜1000μmの放射状、あるいは連泡状の空
孔を、その隔壁には5〜500μmの小孔を有する担体
であれば利用可能である。この担体は、アルギン酸ナト
リウム水溶液に、炭酸水素ナトリウムなどの発泡剤を添
加後、攪拌し、得られた泡沫状液体を、塩化カルシウム
溶液に滴下してゲル化させることによって作成される。
この際、アルギン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの
濃度の組合せを変えることにより、様々な孔径の担体が
得られる。また、滴下する際の液滴の大きさを調節する
ことによって、様々な粒径の担体を作成できる。この場
合の粒径も培養槽径に対して1/10以下にすること
が、培養槽内でβ−ヒドロキシ酸生産微生物を効果的に
固定化する上で望ましい。
例えば、アルギン酸カルシウムゲルを用いる場合も、表
面に5〜500μmの細孔を持つスキン層を有し、内部
に100〜1000μmの放射状、あるいは連泡状の空
孔を、その隔壁には5〜500μmの小孔を有する担体
であれば利用可能である。この担体は、アルギン酸ナト
リウム水溶液に、炭酸水素ナトリウムなどの発泡剤を添
加後、攪拌し、得られた泡沫状液体を、塩化カルシウム
溶液に滴下してゲル化させることによって作成される。
この際、アルギン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムの
濃度の組合せを変えることにより、様々な孔径の担体が
得られる。また、滴下する際の液滴の大きさを調節する
ことによって、様々な粒径の担体を作成できる。この場
合の粒径も培養槽径に対して1/10以下にすること
が、培養槽内でβ−ヒドロキシ酸生産微生物を効果的に
固定化する上で望ましい。
【0012】本発明におけるβ−ヒドロキシ酸生産微生
物としては、酵母が通常使用される。酵母としては特に
限定されるものではなく使用可能であるが、代表的なも
のとして、ブレラ(Bullera) 属、キャンディダ(Candid
a) 属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、デバリオ
マイセス(Debaryomyces)属、エンドミセス(Endomyces)
属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、パキゾーレン(Pachyso
len)属、ピキア(Pichia)属、ロードスポリディウム(Rho
dosporidium)属、ロードトルーラ(Rhodotorula)属、ロ
ードコッカス(Rhodococcus) 属、サッカロミセス(Sacch
aromyces) 属、サッカロミコプシス(Saccharomycopsis)
属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces) 属、シ
ュバニオミセス(Schwanniomyces)属、スポリディオブラ
ス(Sporidiobulus) 属、トルロプシス(Torulopsis)属、
トリコスポロン(Trichosporon)属、ウィンゲア(Wingea)
属の酵母が挙げられる。具体的には、ブレラ・アルバ(B
ullera alba) IFO1030、キャンディダ・パラプシロシス
(Candida parapsilosis) IFO0708、同 IFO1022、キャン
ディダ・パラルゴーサ(Candida pararugosa) IFO0966、
同 KT84015、キャンディダ・ルゴーサ(Candida rugosa)
IFO0750、同 KT8201、同 KT8202 、同 IFO0591、キャ
ンディダ・ユーティリス(Candida utilis) IFO0396、ク
リプトコッカス・ラウレンティ(Cryptococcus Iaurenti
i) IFO0609、クリプトコッカス・テレウス(Cryptococcu
s terreus) IFO0727、デバリオミセス・ハンセンイ(Deb
aryomyces hansenii) IFO0032 、同 KT84016、同 IFO00
26、エンドミセス・オベテンシス(Endomyces ovetensi
s) CBS192.55 、エンドミセス・テトラスペルマ(Endomy
ces tetrasperma) CBS765.70 、同 KT84012、ハンゼヌ
ラ・アノマラ(Hansenula anomala) IFO0120 、ハンゼヌ
ラ・ヘネイチ(Hansenula heneicii) IFO1477、パキゾー
レン・タノスフィラス(Pachysolen tannosphilus) IFO1
007 、ピキア・ブルトニ(Pichia burtonii) IFO0844 、
同 KT84013、ピキア・ファリノサ(Pichia farinosa) IA
M4327 、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia me
mbranaefaciens) IAM4904 、ロードスポリディウム・ト
ルロイデス(Rhodosporidium toruloides) IFO0559 、ロ
ードトルーラ・ルブラ(Rhodotorula rubra) IFO0383 、
ロードコッカス・ロードクロウス(Rhodococcus rhodoch
rous) IFO3338 、サッカロミセス・セレビシエ(Sacchar
omyces cerevisiae) IFO0735、同IAM4274、サッカロミ
セス・ルキシ(Saccharomyces rouxii) IFO0493、サッカ
ロミセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum) IFO0751、
サッカロミコプシス・リポリティカ(Saccharomycopsis
lipolytica) IFO1542 、同 IFO1545、同 KT84011、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)
IFO0362 、シュバニオミセス・ペルソニ(Schwanniomyce
s persoonii) IFO1842、スポリディオブルス・ジョンソ
ンニ(Sporidiobulus johnsonni) IFO6903 、トルロプシ
ス・キャンディダ(Torulopsis candida) IFO0380、トル
ロプシス・グロペンギエセリ(Torulopsis gropengiesse
ri) IFO0659 、トルロプシス・マグノリアエ(Torulopsi
s magnoliae) IFO0705、トリコスポロン・ベイゲリ(Tri
chosporon beigelii) ATCC22310 、トリコスポロン・フ
ァーメンタンス(Trichosporon fermentans) CBS2529 、
トリコスポロン・プルランス(Trichosporon pullulans)
IFO0114、トリゴノプシス・バリアビリス(Trigonopsis
variabilis) IFO0380、ウィンゲア・ロベルツィ(Winge
a robertsii) IFO1277、およびそれらから誘導された変
異株である。
物としては、酵母が通常使用される。酵母としては特に
限定されるものではなく使用可能であるが、代表的なも
のとして、ブレラ(Bullera) 属、キャンディダ(Candid
a) 属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、デバリオ
マイセス(Debaryomyces)属、エンドミセス(Endomyces)
属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、パキゾーレン(Pachyso
len)属、ピキア(Pichia)属、ロードスポリディウム(Rho
dosporidium)属、ロードトルーラ(Rhodotorula)属、ロ
ードコッカス(Rhodococcus) 属、サッカロミセス(Sacch
aromyces) 属、サッカロミコプシス(Saccharomycopsis)
属、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces) 属、シ
ュバニオミセス(Schwanniomyces)属、スポリディオブラ
ス(Sporidiobulus) 属、トルロプシス(Torulopsis)属、
トリコスポロン(Trichosporon)属、ウィンゲア(Wingea)
属の酵母が挙げられる。具体的には、ブレラ・アルバ(B
ullera alba) IFO1030、キャンディダ・パラプシロシス
(Candida parapsilosis) IFO0708、同 IFO1022、キャン
ディダ・パラルゴーサ(Candida pararugosa) IFO0966、
同 KT84015、キャンディダ・ルゴーサ(Candida rugosa)
IFO0750、同 KT8201、同 KT8202 、同 IFO0591、キャ
ンディダ・ユーティリス(Candida utilis) IFO0396、ク
リプトコッカス・ラウレンティ(Cryptococcus Iaurenti
i) IFO0609、クリプトコッカス・テレウス(Cryptococcu
s terreus) IFO0727、デバリオミセス・ハンセンイ(Deb
aryomyces hansenii) IFO0032 、同 KT84016、同 IFO00
26、エンドミセス・オベテンシス(Endomyces ovetensi
s) CBS192.55 、エンドミセス・テトラスペルマ(Endomy
ces tetrasperma) CBS765.70 、同 KT84012、ハンゼヌ
ラ・アノマラ(Hansenula anomala) IFO0120 、ハンゼヌ
ラ・ヘネイチ(Hansenula heneicii) IFO1477、パキゾー
レン・タノスフィラス(Pachysolen tannosphilus) IFO1
007 、ピキア・ブルトニ(Pichia burtonii) IFO0844 、
同 KT84013、ピキア・ファリノサ(Pichia farinosa) IA
M4327 、ピキア・メンブラナエファシエンス(Pichia me
mbranaefaciens) IAM4904 、ロードスポリディウム・ト
ルロイデス(Rhodosporidium toruloides) IFO0559 、ロ
ードトルーラ・ルブラ(Rhodotorula rubra) IFO0383 、
ロードコッカス・ロードクロウス(Rhodococcus rhodoch
rous) IFO3338 、サッカロミセス・セレビシエ(Sacchar
omyces cerevisiae) IFO0735、同IAM4274、サッカロミ
セス・ルキシ(Saccharomyces rouxii) IFO0493、サッカ
ロミセス・ウバルム(Saccharomyces uvarum) IFO0751、
サッカロミコプシス・リポリティカ(Saccharomycopsis
lipolytica) IFO1542 、同 IFO1545、同 KT84011、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)
IFO0362 、シュバニオミセス・ペルソニ(Schwanniomyce
s persoonii) IFO1842、スポリディオブルス・ジョンソ
ンニ(Sporidiobulus johnsonni) IFO6903 、トルロプシ
ス・キャンディダ(Torulopsis candida) IFO0380、トル
ロプシス・グロペンギエセリ(Torulopsis gropengiesse
ri) IFO0659 、トルロプシス・マグノリアエ(Torulopsi
s magnoliae) IFO0705、トリコスポロン・ベイゲリ(Tri
chosporon beigelii) ATCC22310 、トリコスポロン・フ
ァーメンタンス(Trichosporon fermentans) CBS2529 、
トリコスポロン・プルランス(Trichosporon pullulans)
IFO0114、トリゴノプシス・バリアビリス(Trigonopsis
variabilis) IFO0380、ウィンゲア・ロベルツィ(Winge
a robertsii) IFO1277、およびそれらから誘導された変
異株である。
【0013】なお、このうち、キャンディダ・ルゴーサ
KT8201 、同 KT8202 、サッカロミコプシス・リポリテ
ィカ KT84011、エンドミセス・テトラスペルマ KT8401
2、ピキア・ブルトニ KT84013、キャンディダ・パラル
ゴーサ KT84015、デバリオマイセス・ハンセンイ KT840
16については、工業技術院微生物工業研究所に表1に示
した番号で寄託してある。
KT8201 、同 KT8202 、サッカロミコプシス・リポリテ
ィカ KT84011、エンドミセス・テトラスペルマ KT8401
2、ピキア・ブルトニ KT84013、キャンディダ・パラル
ゴーサ KT84015、デバリオマイセス・ハンセンイ KT840
16については、工業技術院微生物工業研究所に表1に示
した番号で寄託してある。
【0014】
【表1】
【0015】本発明におけるβ−ヒドロキシ酸生産微生
物の変異株を得るためには、自然変異あるいは人工変異
が利用され、通常、効率的に行うためには紫外線照射お
よび、N−メチル−N−ニトロ−N’−ニトロソグアニ
ジンなどの変異誘起剤による処理が用いられるが、特に
この方法に限定されるものではない。
物の変異株を得るためには、自然変異あるいは人工変異
が利用され、通常、効率的に行うためには紫外線照射お
よび、N−メチル−N−ニトロ−N’−ニトロソグアニ
ジンなどの変異誘起剤による処理が用いられるが、特に
この方法に限定されるものではない。
【0016】また、これらの微生物により生産される光
学活性なβ−ヒドロキシ酸は、L −(+)−β−ヒドロ
キシ酪酸、L −(+)−β−ヒドロキシ吉草酸、L −
(+)−β−ヒドロキシイソ酪酸、L −(+)−β−ヒ
ドロキシイソカプロン酸、L −(+)−β−ヒドロキシ
プロピオン酸、D −(−)−β−ヒドロキシ酪酸、D −
(−)−β−ヒドロキシ吉草酸、D −(−)−β−ヒド
ロキシイソ酪酸、D −(−)−β−ヒドロキシイソカプ
ロン酸、D −(−)−β−ヒドロキシプロピオン酸など
である。
学活性なβ−ヒドロキシ酸は、L −(+)−β−ヒドロ
キシ酪酸、L −(+)−β−ヒドロキシ吉草酸、L −
(+)−β−ヒドロキシイソ酪酸、L −(+)−β−ヒ
ドロキシイソカプロン酸、L −(+)−β−ヒドロキシ
プロピオン酸、D −(−)−β−ヒドロキシ酪酸、D −
(−)−β−ヒドロキシ吉草酸、D −(−)−β−ヒド
ロキシイソ酪酸、D −(−)−β−ヒドロキシイソカプ
ロン酸、D −(−)−β−ヒドロキシプロピオン酸など
である。
【0017】次に、具体的に培養においてスキン層を有
する多孔質材にβ−ヒドロキシ酸生産微生物を固定化す
る方法を説明する。β−ヒドロキシ酸生産のための培養
方法および培養槽形式は、使用する微生物の種類、多孔
質材の種類により適宜選択される。培養方法としては、
回分、半回分、連続培養等、いかなる方法も採用できる
が、β−ヒドロキシ酸の製造方法においては、基質であ
るグルコース濃度、β−脂肪酸を一定濃度以下に押さえ
る必要があることから、消費量に応じて基質を流加する
半回分培養、または定常状態を作りだす連続培養が好ま
しい。基質としてのβ−脂肪酸は、目的とするβ−ヒド
ロキシ酸に対応するものが使用される。例えば、生産物
がヒドロキシイソ酪酸の場合はイソ酪酸、ヒドロキシ酪
酸の場合は酪酸が使用される。また、培養槽形式として
は、塔型醗酵槽(気泡塔型、噴流槽型、ドラフトチュー
ブ型等)、攪拌槽等、いかなるものも使用できるが、よ
り効率的に固定化するには、多孔質材まわりに働く剪断
力が比較的小さい塔型醗酵槽が好ましい。
する多孔質材にβ−ヒドロキシ酸生産微生物を固定化す
る方法を説明する。β−ヒドロキシ酸生産のための培養
方法および培養槽形式は、使用する微生物の種類、多孔
質材の種類により適宜選択される。培養方法としては、
回分、半回分、連続培養等、いかなる方法も採用できる
が、β−ヒドロキシ酸の製造方法においては、基質であ
るグルコース濃度、β−脂肪酸を一定濃度以下に押さえ
る必要があることから、消費量に応じて基質を流加する
半回分培養、または定常状態を作りだす連続培養が好ま
しい。基質としてのβ−脂肪酸は、目的とするβ−ヒド
ロキシ酸に対応するものが使用される。例えば、生産物
がヒドロキシイソ酪酸の場合はイソ酪酸、ヒドロキシ酪
酸の場合は酪酸が使用される。また、培養槽形式として
は、塔型醗酵槽(気泡塔型、噴流槽型、ドラフトチュー
ブ型等)、攪拌槽等、いかなるものも使用できるが、よ
り効率的に固定化するには、多孔質材まわりに働く剪断
力が比較的小さい塔型醗酵槽が好ましい。
【0018】培養条件は特に限定されるものではなく、
温度25〜45℃、pH4〜9、培養時間1〜14日程
度であり、通常の条件下で行われる。また、好気的条件
であっても嫌気的条件であってもよい。好気的条件で培
養を行う場合の通気量は、特に限定されるものではない
が通常1〜10vvm(1分間あたりの通気量を培養液
量で割った値)程度である。
温度25〜45℃、pH4〜9、培養時間1〜14日程
度であり、通常の条件下で行われる。また、好気的条件
であっても嫌気的条件であってもよい。好気的条件で培
養を行う場合の通気量は、特に限定されるものではない
が通常1〜10vvm(1分間あたりの通気量を培養液
量で割った値)程度である。
【0019】気泡塔型醗酵槽を用いる場合、図1のよう
に多孔質材を充填し、多孔質材を完全に培地で浸し、培
養槽下部より通気して培養を行う。このとき、培地は、
多孔質材の容積に対し、多すぎない方がよい。すなわ
ち、通気したときに、多孔質材が若干流動するために必
要十分な量、これは培養槽の形式、多孔質材の大きさに
よって適宜選択されるが、多孔質材の占めるみかけの容
積に対して、およそ1〜2割増が望ましい。多孔質材が
全く流動しない場合には、槽内での培地の攪拌が行われ
にくくなり、物質移動、酸素移動が悪くなるために、β
−ヒドロキシ酸生産微生物の増殖および固定化の効率が
低下し、好ましくない。
に多孔質材を充填し、多孔質材を完全に培地で浸し、培
養槽下部より通気して培養を行う。このとき、培地は、
多孔質材の容積に対し、多すぎない方がよい。すなわ
ち、通気したときに、多孔質材が若干流動するために必
要十分な量、これは培養槽の形式、多孔質材の大きさに
よって適宜選択されるが、多孔質材の占めるみかけの容
積に対して、およそ1〜2割増が望ましい。多孔質材が
全く流動しない場合には、槽内での培地の攪拌が行われ
にくくなり、物質移動、酸素移動が悪くなるために、β
−ヒドロキシ酸生産微生物の増殖および固定化の効率が
低下し、好ましくない。
【0020】上記方法によって、β−ヒドロキシ酸生産
微生物は多孔質材内の放射状または連泡状の空孔にコロ
ニーを形成し、比較的安定に保持される。固定化のメカ
ニズムは、空孔壁面にβ−ヒドロキシ酸生産微生物が付
着して、そこからコロニーが広がる場合、および、一旦
空孔内に入ったβ−ヒドロキシ酸生産微生物がかたまっ
て増殖した結果、小孔から外部に出られなくなる場合な
どが想定される。いずれの場合もスキン層に存在する細
孔、放射状または連泡状の空孔隔壁の小孔のサイズは、
固定化しようとするβ−ヒドロキシ酸生産微生物のサイ
ズに対して、β−ヒドロキシ酸生産微生物が通過可能で
あるが、ある程度移動が制約されるような、孔径である
ことが重要である。
微生物は多孔質材内の放射状または連泡状の空孔にコロ
ニーを形成し、比較的安定に保持される。固定化のメカ
ニズムは、空孔壁面にβ−ヒドロキシ酸生産微生物が付
着して、そこからコロニーが広がる場合、および、一旦
空孔内に入ったβ−ヒドロキシ酸生産微生物がかたまっ
て増殖した結果、小孔から外部に出られなくなる場合な
どが想定される。いずれの場合もスキン層に存在する細
孔、放射状または連泡状の空孔隔壁の小孔のサイズは、
固定化しようとするβ−ヒドロキシ酸生産微生物のサイ
ズに対して、β−ヒドロキシ酸生産微生物が通過可能で
あるが、ある程度移動が制約されるような、孔径である
ことが重要である。
【0021】このようにしてβ−ヒドロキシ酸生産微生
物を多孔質材と共に培養し、該多孔質材内に固定化され
た微生物の代謝を利用して光学活性なβ−ヒドロキシ酸
を製造することができ、産生したβ−ヒドロキシ酸の培
地からの分離、精製は、有機溶媒、例えばエーテル、ク
ロロホルム、酢酸エチル等による抽出等により容易に行
うことができる。
物を多孔質材と共に培養し、該多孔質材内に固定化され
た微生物の代謝を利用して光学活性なβ−ヒドロキシ酸
を製造することができ、産生したβ−ヒドロキシ酸の培
地からの分離、精製は、有機溶媒、例えばエーテル、ク
ロロホルム、酢酸エチル等による抽出等により容易に行
うことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はもとよりこれらに限定されるもので
はない。 実施例1 500mlの坂口フラスコに、25mlの培地(グルコ
ース30g/L、(NH4 )2 HPO4 13g/L、K
H2 PO4 7g/L、NaCl 100mg/L、Mg
SO4 ・7H2 O 1g/L、ZnSO4 ・7H2 O
100mg/L、FeSO4 ・7H2 O 90mg/
L、MnSO4 ・4−6H2 O 10mg/L、CuS
O4 ・5H2 O 5mg/L、イーストエキス3g/
L、さらに生産物がヒドロキシイソ酪酸の場合はイソ酪
酸、ヒドロキシ酪酸の場合は酪酸20g/L、pH7.
5)およびスキン層のある直径4mmの球形セルロース
ビーズ(レンゴー製セルロースビーズII型、スキン層の
細孔の径:40μm、空孔の径:300μm、小孔の
径:40μm)150個を加えて、オートクレーブ後、
表2および表3に示す菌株を用いて植菌し、振盪速度1
00 oscillations/min 、30℃で培養した。グルコー
スがなくなった時点で、ビーズを残して培地を回収し、
オートクレーブした新鮮培地(組成は同上)を入れ、再
び培養を行った。基質がなくなった時点で培養を終了し
た。各培地から表2および表3のそれぞれに示すβ−ヒ
ドロキシ酸を酢酸エチルによって抽出し、分析に用い
た。
明するが、本発明はもとよりこれらに限定されるもので
はない。 実施例1 500mlの坂口フラスコに、25mlの培地(グルコ
ース30g/L、(NH4 )2 HPO4 13g/L、K
H2 PO4 7g/L、NaCl 100mg/L、Mg
SO4 ・7H2 O 1g/L、ZnSO4 ・7H2 O
100mg/L、FeSO4 ・7H2 O 90mg/
L、MnSO4 ・4−6H2 O 10mg/L、CuS
O4 ・5H2 O 5mg/L、イーストエキス3g/
L、さらに生産物がヒドロキシイソ酪酸の場合はイソ酪
酸、ヒドロキシ酪酸の場合は酪酸20g/L、pH7.
5)およびスキン層のある直径4mmの球形セルロース
ビーズ(レンゴー製セルロースビーズII型、スキン層の
細孔の径:40μm、空孔の径:300μm、小孔の
径:40μm)150個を加えて、オートクレーブ後、
表2および表3に示す菌株を用いて植菌し、振盪速度1
00 oscillations/min 、30℃で培養した。グルコー
スがなくなった時点で、ビーズを残して培地を回収し、
オートクレーブした新鮮培地(組成は同上)を入れ、再
び培養を行った。基質がなくなった時点で培養を終了し
た。各培地から表2および表3のそれぞれに示すβ−ヒ
ドロキシ酸を酢酸エチルによって抽出し、分析に用い
た。
【0023】一方、ビーズを入れずに坂口フラスコで振
盪培養した菌体を、常法に従いκ−カラギーナンビーズ
に包括固定化したものを、500ml坂口フラスコに新
鮮培地25mlとともに加え、振盪速度100 oscilla
tions/min 、30℃で培養した。グルコースがなくなっ
たところで培養液を新鮮培地と入れ替え、再び培養し、
前記と同様にして生産物の抽出を行った。なお、抽出さ
れたβ−ヒドロキシ酸の分析は、キャピュラリーカラム
HP−FFAPを装着した、ヒューレッド・パッカード
製ガスクロマトグラフィーにより行った。それぞれ、1
回目、2回目でのβ−ヒドロキシ酸の培地中濃度は表4
および表5に示すように、κ−カラギーナンビーズを用
いて菌体を固定した場合には、酸素供給が悪くなるた
め、生産性は悪いが、セルロースビーズを用いれば、良
好な生産性が得られ、また、繰り返し使用が可能であっ
た。
盪培養した菌体を、常法に従いκ−カラギーナンビーズ
に包括固定化したものを、500ml坂口フラスコに新
鮮培地25mlとともに加え、振盪速度100 oscilla
tions/min 、30℃で培養した。グルコースがなくなっ
たところで培養液を新鮮培地と入れ替え、再び培養し、
前記と同様にして生産物の抽出を行った。なお、抽出さ
れたβ−ヒドロキシ酸の分析は、キャピュラリーカラム
HP−FFAPを装着した、ヒューレッド・パッカード
製ガスクロマトグラフィーにより行った。それぞれ、1
回目、2回目でのβ−ヒドロキシ酸の培地中濃度は表4
および表5に示すように、κ−カラギーナンビーズを用
いて菌体を固定した場合には、酸素供給が悪くなるた
め、生産性は悪いが、セルロースビーズを用いれば、良
好な生産性が得られ、また、繰り返し使用が可能であっ
た。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】実施例2 図1の醗酵槽(容量2L)に、スキン層を持つセルロー
ス担体(レンゴー製、直径4mm、スキン層の細孔の
径:40μm、空孔の径:300μm、小孔の径:40
μm)を800ml充填し、後述の合成培地を、容積が
合計1Lになるように加えて培養し、β−D −ヒドロキ
シイソ酪酸の生産を行った。菌株は、Candida rugosa K
T8501 、培地組成は、グルコース40g/L、イソ酪酸
20g/L、(NH4 )2 HPO4 13g/L、KH2
PO4 7g/L、NaCl 100mg/L、MgSO
4 ・7H2 O 1g/L、ZnSO4 ・7H2 O 10
0mg/L、FeSO4 ・7H2 O 90mg/L、M
nSO4 ・4−6H2 O 10mg/L、CuSO4 ・
5H2 O 5mg/L、塩酸チアミン1.8mg/L、
ビオチン1mg/Lである。まず、30℃、通気量2.
5L/minで回分培養を行ない、グルコースがなくな
った時点で、20%グルコース溶液および20%イソ酪
酸溶液を、グルコースは濃度0.02g/L以下、イソ
酪酸は濃度3g/Lになるように流加し、β−D −ヒド
ロキシイソ酪酸を生産した。24時間ごとに、培地を交
換し、生産を繰り返したときの、醗酵槽あたりの生産速
度を表6に示す。その結果、スキン層のあるセルロース
ビーズは、菌体の脱落が少ないため、2回目、3回目で
も高い生産速度を保っていることがわかる。
ス担体(レンゴー製、直径4mm、スキン層の細孔の
径:40μm、空孔の径:300μm、小孔の径:40
μm)を800ml充填し、後述の合成培地を、容積が
合計1Lになるように加えて培養し、β−D −ヒドロキ
シイソ酪酸の生産を行った。菌株は、Candida rugosa K
T8501 、培地組成は、グルコース40g/L、イソ酪酸
20g/L、(NH4 )2 HPO4 13g/L、KH2
PO4 7g/L、NaCl 100mg/L、MgSO
4 ・7H2 O 1g/L、ZnSO4 ・7H2 O 10
0mg/L、FeSO4 ・7H2 O 90mg/L、M
nSO4 ・4−6H2 O 10mg/L、CuSO4 ・
5H2 O 5mg/L、塩酸チアミン1.8mg/L、
ビオチン1mg/Lである。まず、30℃、通気量2.
5L/minで回分培養を行ない、グルコースがなくな
った時点で、20%グルコース溶液および20%イソ酪
酸溶液を、グルコースは濃度0.02g/L以下、イソ
酪酸は濃度3g/Lになるように流加し、β−D −ヒド
ロキシイソ酪酸を生産した。24時間ごとに、培地を交
換し、生産を繰り返したときの、醗酵槽あたりの生産速
度を表6に示す。その結果、スキン層のあるセルロース
ビーズは、菌体の脱落が少ないため、2回目、3回目で
も高い生産速度を保っていることがわかる。
【0029】
【表6】
【0030】実施例3 実施例2と同様の要領で、β−D −ヒドロキシ酪酸の連
続生産を行った。担体としては、スキン槽のあるレンゴ
ー製セルロース担体(スキン層の細孔の径:40μm、
空孔の径:300μm、小孔の径:40μm)を用い
た。菌株は、Candida rugosa KT8201 であり、培地組成
は実施例2と同様のものを用いた。まず、30℃、通気
量2.5L/minで回分培養を行ない、グルコースが
なくなった時点で、20%グルコース溶液および20%
酪酸溶液を、グルコースは濃度0.02g/L以下、酪
酸は濃度3g/Lに保ちながら流加し、流加量と等量の
培地を抜きだしながらβ−D −ヒドロキシ酪酸を生産し
た。図2に、連続操作開始後の流出液中のβ−D −ヒド
ロキシ酪酸の濃度の時間変化を示す。このように、連続
培養においても、好気的プロセスであるβ−D −ヒドロ
キシ酪酸生産を、効率的に行えることが確認された。
続生産を行った。担体としては、スキン槽のあるレンゴ
ー製セルロース担体(スキン層の細孔の径:40μm、
空孔の径:300μm、小孔の径:40μm)を用い
た。菌株は、Candida rugosa KT8201 であり、培地組成
は実施例2と同様のものを用いた。まず、30℃、通気
量2.5L/minで回分培養を行ない、グルコースが
なくなった時点で、20%グルコース溶液および20%
酪酸溶液を、グルコースは濃度0.02g/L以下、酪
酸は濃度3g/Lに保ちながら流加し、流加量と等量の
培地を抜きだしながらβ−D −ヒドロキシ酪酸を生産し
た。図2に、連続操作開始後の流出液中のβ−D −ヒド
ロキシ酪酸の濃度の時間変化を示す。このように、連続
培養においても、好気的プロセスであるβ−D −ヒドロ
キシ酪酸生産を、効率的に行えることが確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法により、β−ヒドロキ
シ酸生産微生物を繰り返し使用するなどの有効利用が可
能となり、光学活性なβ−ヒドロキシ酸の生産性の向
上、生産のための培養槽の小型化が実現される。また、
生産されたβ−ヒドロキシ酸と微生物の分離が容易とな
り、β−ヒドロキシ酸の精製などの後処理プロセスでの
負荷の軽減が図れるなど、工業的に有利な方法である。
シ酸生産微生物を繰り返し使用するなどの有効利用が可
能となり、光学活性なβ−ヒドロキシ酸の生産性の向
上、生産のための培養槽の小型化が実現される。また、
生産されたβ−ヒドロキシ酸と微生物の分離が容易とな
り、β−ヒドロキシ酸の精製などの後処理プロセスでの
負荷の軽減が図れるなど、工業的に有利な方法である。
【図1】図1は本発明において気泡塔型醗酵槽を用いる
場合の概略図を示す。
場合の概略図を示す。
【図2】図2は本発明の方法を用いてβ−D −ヒドロキ
シ酪酸を連続的に生産した場合の流出液中のβ−D −ヒ
ドロキシ酪酸の濃度と時間変化を示す。
シ酪酸を連続的に生産した場合の流出液中のβ−D −ヒ
ドロキシ酪酸の濃度と時間変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:72) (C12P 7/42 C12R 1:78) (C12P 7/42 C12R 1:84) (C12P 7/42 C12R 1:865) (C12P 7/42 C12R 1:85) (C12P 7/42 C12R 1:88)
Claims (5)
- 【請求項1】 β−ヒドロキシ酸生産微生物を多孔質材
と共に培養し、該多孔質材内に固定化された該微生物を
用いて生産することを特徴とする光学活性なβ−ヒドロ
キシ酸の製造方法。 - 【請求項2】 多孔質材が、その表面に細孔を持つスキ
ン層を有し、その内部に空孔と該空孔の隔壁に小孔を有
する構造であることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項3】 多孔質材のスキン層に存在する細孔の径
が5〜500μm、空孔の径が100〜1000μm、
該空孔の隔壁に存在する小孔の径が5〜500μmの範
囲にあることを特徴とする請求項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 β−ヒドロキシ酸が、L −(+)−β−
ヒドロキシ酪酸、L−(+)−β−ヒドロキシ吉草酸、
L −(+)−β−ヒドロキシイソ酪酸、L −(+)−β
−ヒドロキシイソカプロン酸、L −(+)−β−ヒドロ
キシプロピオン酸、D −(−)−β−ヒドロキシ酪酸、
D −(−)−β−ヒドロキシ吉草酸、D −(−)−β−
ヒドロキシイソ酪酸、D −(−)−β−ヒドロキシイソ
カプロン酸、またはD −(−)−β−ヒドロキシプロピ
オン酸である請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】 β−ヒドロキシ酸生産微生物が、ブレラ
(Bullera) 属、キャンディダ(Candida) 属、クリプトコ
ッカス(Cryptococcus)属、デバリオマイセス(Debaryomy
ces)属、エンドミセス(Endomyces) 属、ハンゼヌラ(Han
senula) 属、パキゾーレン(Pachysolen)属、ピキア(Pic
hia)属、ロードスポリディウム(Rhodosporidium)属、ロ
ードトルーラ(Rhodotorula) 属、ロードコッカス(Rhodo
coccus) 属、サッカロミセス(Saccharomyces) 属、サッ
カロミコプシス(Saccharomycopsis)属、シゾサッカロミ
セス(Schizosaccharomyces)属、シュバニオミセス(Sch
wanniomyces)属、スポリディオブラス(Sporidiobulus)
属、トルロプシス(Torulopsis)属、トリコスポロン(Tri
chosporon)属、ウィンゲア(Wingea)属に属する微生物、
もしくはそれらから誘導された変異株である請求項1〜
4いずれかに記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17749792A JPH05336981A (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17749792A JPH05336981A (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05336981A true JPH05336981A (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=16031940
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17749792A Pending JPH05336981A (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 光学活性なβ−ヒドロキシ酸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05336981A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7273734B2 (en) | 2001-07-16 | 2007-09-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Process for producing a polyester |
| JP2015142577A (ja) * | 2008-07-04 | 2015-08-06 | フィリップ マルリエ | 3−ヒドロキシアルカン酸の酵素的脱炭酸によるアルケンの製造法 |
| US11242308B2 (en) | 2014-10-17 | 2022-02-08 | Cargill, Incorporated | Methods for producing an ester of an alpha, beta-unsaturated carboxylic acid |
| US12103912B2 (en) | 2013-10-17 | 2024-10-01 | Cargill, Incorporated | Methods for producing alkyl hydroxyalkanoates |
-
1992
- 1992-06-10 JP JP17749792A patent/JPH05336981A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7273734B2 (en) | 2001-07-16 | 2007-09-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Process for producing a polyester |
| JP2015142577A (ja) * | 2008-07-04 | 2015-08-06 | フィリップ マルリエ | 3−ヒドロキシアルカン酸の酵素的脱炭酸によるアルケンの製造法 |
| US12103912B2 (en) | 2013-10-17 | 2024-10-01 | Cargill, Incorporated | Methods for producing alkyl hydroxyalkanoates |
| US11242308B2 (en) | 2014-10-17 | 2022-02-08 | Cargill, Incorporated | Methods for producing an ester of an alpha, beta-unsaturated carboxylic acid |
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