JPH05339528A - インク組成物 - Google Patents

インク組成物

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JPH05339528A
JPH05339528A JP15238492A JP15238492A JPH05339528A JP H05339528 A JPH05339528 A JP H05339528A JP 15238492 A JP15238492 A JP 15238492A JP 15238492 A JP15238492 A JP 15238492A JP H05339528 A JPH05339528 A JP H05339528A
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JP
Japan
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ink
recording
ink composition
vehicle
composition
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JP15238492A
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Makoto Matsuzaki
真 松崎
Kenichi Kanbayashi
憲一 官林
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ビヒクルとして融点が50℃以上のオルト位
またはメタ位に配位したフタル酸ジエステル類から選ば
れた少なくとも一種類のフタル酸エステルを用い、加え
て樹脂等のビヒクルと色材からなる。 【効果】 ボンド紙、PPC紙、再生紙等の様々な紙種
に対して、その紙質に関係無く、輪郭が鮮明で良好な印
字品質を実現し、記録物の耐擦性、耐水性の良い記録像
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いられるインク組成物に関する。さらに詳しく
は、室温より高温の状態の下でインクジェット記録ヘッ
ドから中間転写媒体にインクが吐出され、更に中間転写
媒体から記録用紙にインクが転写されるインクジェット
記録方式に用いられる、インク組成物(以下、”イン
ク”という呼称と併用する)に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、記録時における
静粛性と高速印字性に優れており、これまでインクジェ
ット記録方式に用いられるインク組成物としては、水等
を基剤とした液体インク組成物や天然ワックスを基剤と
した常温固体インク組成物が使われている。しかし、直
接記録用紙に対して記録することから、前者の場合、紙
の繊維中へのしみによる記録像の形成と言う点から、ボ
ンド紙、PPC紙、再生紙等の様々な種類の記録紙に対
する印字品質にバラツキを生じ易い傾向にある。また後
者は、例えば米国特許4390369号明細書、448
4948号明細書、特開昭58−108271号公報に
示すようなインク組成物が前者の欠点を改善するものと
して提案されているが、紙種に対する適応性は改善され
ている反面、記録時にインク滴が記録紙紙面上に盛り上
がった状態で急冷固化する為、密着強度、インク強度が
低く、外部からの摩擦、圧力等で容易にはがれ落ちた
り、変形してしまう等の欠点を抱えている。
【0003】また、この様な課題に対して、米国特許4
538156号明細書、特開昭57−70668号公
報、特開昭57−123065号公報、特開昭59−2
25958号公報、特開昭62−92849号公報等に
示すような、同様のインクを用い記録ヘッドから一旦吸
収性の無い中間担体(中間転写媒体)上に吐出し、場合
によってはそこでインクの成分を蒸発させるなどの手段
を施した後、目的とする記録媒体(記録用紙等)上に転
写することにより、直接記録用紙上に記録するインクジ
ェット記録方式の欠点を補う方式(以下、インクジェッ
ト転写方式と称する)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様なインクジェッ
ト転写方式に用いるインク組成物として、水を基剤とし
たインク組成物を用いた場合においては、比較的記録紙
の紙質に関係なく良好な印字品質が得られる傾向にある
ものの、(1)転写媒体上に於ける水の蒸発による適正
粘度化に対して時間がかかり、高速出力ができない、
(2)転写後のインク乾燥に時間がかかる、(3)中間
転写媒体からの記録紙上へのインクの転写が不十分に成
り易く、転写地汚れを発生し易い、(4)転写後の記録
像の耐水性が無く、依然として従来からの問題が解決さ
れていない等の課題を有している。
【0005】また、本方式に対して、これまで提案され
ているホットメルトインク組成物を用いた場合において
は、中間転写媒体上に於けるインクの状態維持が難し
く、適正状態維持の為の温度制御範囲が著しく狭いとい
う問題がある。具体的には、中間媒体上にて一旦冷却固
化したインクを再加熱して転写する場合や、インク吐出
時に事前に中間転写媒体を予備加熱して溶融状態を維持
させておくような場合には、加熱温度による溶融インク
粘度の変化が大きすぎ、加熱温度が高すぎると粘度が低
下し、転写後の記録紙上における印字にじみを引き起こ
し、加熱温度が低いと中間転写媒体から記録紙への転写
が不完全になり転写地汚れを発生しやすいという課題を
有しているのである。
【0006】本発明は上記の課題を解決するものであ
り、その目的とするところは、 ・転写システムへの負荷が少なく、 ・あらゆる紙種に対しての転写後の印字品質が良好で、 ・記録用紙上における印字耐擦性、耐水性が良好であ
る、 インクジェット転写方式に用いられるインク組成物を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインク組成物
は、室温より高温の状態の下でインクジェット記録ヘッ
ドから中間転写媒体にインクが吐出され、更に中間転写
媒体から記録用紙にインクが転写される記録方式に用い
られる、ビヒクルと色材から成るインク組成物であっ
て、ビヒクルとして、融点が50℃以上のオルト位また
はメタ位に配位したフタル酸ジエステル類から選ばれた
少なくとも一種類のフタル酸エステルを用いたことを特
徴としており、更にオルト位またはメタ位に配位したフ
タル酸ジエステル類の置換基が少なくともシクロヘキシ
ル基またアリール基を含むことを特徴としている。
【0008】以下本発明のインク組成物について説明す
る。
【0009】本発明者らは、これまで記録用紙に直接記
録するインクジェット記録用常温固体インク組成物を検
討しており、そのなかで、ここに示すオルト位、メタ位
に配位したフタル酸ジエステル類のもつ特異的な熱的挙
動特性を見いだしたのである。
【0010】従来から用いられている天然ワックス等の
常温固体インク組成物は、外部からの加熱、冷却に沿っ
た形で、特定の温度における溶融、固化が起こる。しか
し、上記材料は加熱時の特定の温度における溶融を開始
する温度(融点)は有するものの、高温から冷却してき
た場合の液体から固体に変化する温度(凝固点)を示さ
ず、冷却にともなって高粘度状態を呈する粘ちょうな液
体のまま存在しており、次第に固化していく性質(いわ
ゆる過冷却特性)を持っている。この特性は、これまで
の記録用紙に直接記録するインクジェット記録用常温固
体インク組成物としては印字にじみ等の原因になり得る
ものであるが、インクジェット転写方式に用いた場合、
極めて著しい効果を示すのである。
【0011】本発明のインク組成物として用いられるフ
タル酸エステル化合物としてはオルト位、メタ位、パラ
位の配位を取る化合物の内、オルト位とメタ位に配位し
た物が好ましい。パラ位に配位したフタル酸エステル
(いわゆるテレフタル酸エステル)の場合、他の配位の
物に比べて過冷却特性の性質が乏しく、加熱溶融状態か
ら冷却した場合にほぼ凝固点として示される温度に於て
結晶性の固体状態を呈してしまうことになる。その為
に、インク組成物として本発明の方式のインクジェット
転写方式に用いた場合、インク組成物が中間転写媒体上
で固化してしまい転写不良を引き起こしてしまうことに
なる。
【0012】また本発明に用いられるフタル酸エステル
化合物としては50℃〜150℃の間に融点を有するも
のが好ましい。また更には、70〜120℃の融点のも
のがより好ましい。
【0013】融点が50℃より低いフタル酸エステル化
合物を用いた場合、得られた記録物としての使用、保存
環境において著しい問題を引き起こしてしまう。具体的
には、車中の鞄の中に記録物が入っていた場合など、そ
の周りの雰囲気が容易に50℃を超えてしまうか、また
はその近くにまで達することが考えらる。その様な場
合、インクの再溶融による記録像のにじみ、ぼけ、ある
いは他の記録用紙との接着等による記録物の劣化が発生
してしまう。
【0014】また逆に、融点が150℃を超えるフタル
酸エステル化合物を用いた場合には、インクジェット記
録装置内の記録ヘッド加熱温度が極めて高温になってし
まうために、使用上の特別な措置が必要になってくる。
また、材料そのものの高温下での熱安定性が低下してく
るため長期間の使用条件下でのインク組成物信頼性に問
題がでてきてしまう。
【0015】70〜120℃の融点範囲のものに関して
は、上記の問題点に関して最もバランスを取ったインク
組成物の可能性が高いものである。
【0016】含有量に関しては50wt%以上が好まし
く、70wt%以上になるとより好ましい。含有量が5
0wt%未満の場合には他のビヒクル材の量が相対的に
増加してしまう為、記録ヘッドによる吐出可能な粘度値
以上の粘度増加を引き起こす可能性があり、記録ヘッド
からのインク吐出不良を引き起こしてしまうことにな
る。逆に含有量が50wt%以上になると好ましい粘度
特性を示し、記録ヘッドのインク吐出安定性が向上す
る。また更に、含有量が70wt%以上になると、より
低粘度のインク組成物にすることが可能になり、記録ヘ
ッドの高周波数応答が可能となる。
【0017】本発明のインク組成物を構成するビヒクル
としては、フタル酸エステル化合物の他、樹脂、添加剤
等が適宜必要に応じて含まれる。
【0018】ビヒクルとしての樹脂に関しては、その添
加量がインク組成物の粘度特性に大きく影響し、また印
字耐擦性への寄与も大きい。その含有量は50wt%を
越えると印字耐擦性等はより向上傾向を示すが、他のビ
ヒクル材料添加量が相対的に低下する為、許容粘度以上
の粘度増加を引き起こしインク吐出不良を招いてしま
う。
【0019】
【作用】本発明のインク組成物は、従来のホットメルト
インク組成物同様に室温より高温の状態の下でインクジ
ェット記録ヘッドから何等加熱等の温度制御がされてい
ない中間転写媒体にインクが吐出される。その後、0.
3秒〜10秒以内の短時間の間に中間転写媒体上におい
て熱を奪われることによる冷却にともない過冷却特性を
示し、高粘ちょうな液体状を呈してくる。その後、中間
転写媒体からは適度な圧力の下で記録用紙にインクが転
写され、記録像が形成される。
【0020】得られた記録像は、インク組成物としては
高粘度の粘ちょうな液体の状態で、中間転写媒体から押
圧下で記録紙表面部繊維中に転写される為、転写時のに
じみ発生が無く、極めて画像輪郭のシャープな状態で記
録紙繊維中にインクが押し込まれ固定され、更に時間経
過と共に固化していくことになる。
【0021】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を説明する。
【0022】本発明のインク組成物は、既知の方法によ
り調製することができ、ビヒクル各種と色材、樹脂等を
混合し、ビヒクルの融点以上、好ましくは80〜160
℃に加熱溶融後、その温度で加熱攪はんした後、均一溶
解組成物とし、必要に応じて高温溶融状態の下でフィル
ターを通して濾過した後、冷却して得ることができる。
【0023】インク物性としては動作時のインク温度が
およそ50〜150℃における粘度として、記録ヘッド
の高速応答下におけるインク供給安定性及びインク滴形
成飛翔安定性より50.0ミリパスカルセカンド(以
下、mPa・sと略称)以下が必要であり、更により高
応答性実現の為(4〜10KHz以上の応答性実現の
為)には20.0〜3.0mPa・sがより好ましい。
また、粘度測定温度はそのインク組成物に用いたビヒク
ル特性に合わせて適宜決定されている。表面張力はノズ
ル近傍でのメニスカス形成に影響し50ミリニュウトン
パアメ−トル(mN/m)以下が好ましい。
【0024】インクビヒクルに用いられる、融点が50
〜150℃の各種フタル酸エステル化合物としては、具
体的には以下に示すものがある。
【0025】
【表1】
【0026】また、樹脂としてはポリアミド樹脂、アル
キド樹脂、ポリエステルポリオール樹脂等から選ばれた
ものでフタル酸エステル化合物と相溶性を有するものが
好ましい。
【0027】また、色材としては、耐熱性、耐水性を有
した油溶染料や顔料、分散染料から適宜選ばれたものが
好ましい。
【0028】具体的には、 [ブラック染料] C.I.ソルベントブラック3,22,23,45 [イエロー染料] C.I.ソルベントイエロー19,21,62,79,
83 [レッド,マゼンタ染料] C.I.ソルベントレッド 8,49,81,82,8
3,84,89,91,100,109,
121,127 C.I.デイスパースレッド 9 [ブルー,シアン染料] C.I.ソルベントブルー11,12,25,36,4
4,45,49,55,73, [顔料]カーボンブラック,フタロシアニンブルー 等である。
【0029】色材の添加量は10wt%以下が好まし
く、ヘッドの高速応答下における飛翔安定性及び粘度適
正等を考えると、より好ましくは5wt%以下である。
また、色合いの調整等で二種以上の染料を適宜混合して
用いることができる。
【0030】また、熱安定性の点から一般の酸化防止剤
等を適宜添加することも可能である。
【0031】次に実施例の具体例を示す。
【0032】実施例 1 組成 重量パーセント ビヒクル:ビス−(4−ベンジルオキシカルボニル フェニル)イソフタレート 80.0 樹脂:ポリエステル樹脂 8.0 ポリエステルポリオール樹脂 8.5 色材:C.I.ソルベントブラック45 3.0 添加剤:酸化防止剤(ヒンダードフェノール系) 0.5 上記成分の混合物を140℃で融解し、3時間加熱攪は
ん混合後、高温溶融状態のままポアサイズ5ミクロンの
四弗化ポリエチレン製メンブレンフィルターを用いて加
圧濾過し、温度120℃に於ける粘度が20.0mPa
・s、表面張力が29.0mN/m、のインク組成物を
得た。
【0033】次に、加熱溶融インク対応のインクオンデ
マンド型(インパルス型)インクジェット記録ヘッドを
用い、インクジェット転写方式の記録装置に記録ヘッド
を装着後、記録ヘッドを130℃に保ち、これに実施例
1において調製したインク組成物を充填した。そしてボ
ンド紙(ニーナボンド)、PPC(ゼロックス4024
紙)、再生紙(本州製紙(株)製”やまゆり”)を用
い、ビットイメージ、文字等の転写記録を行った後、以
下に示すA1〜A6の評価を行った。実施例1のインク
組成物を用いた場合の結果はいずれも「適」以上であっ
た。
【0034】−評価方法− A1.吐出適正性: 所定の組成において調製したイン
ク組成物の粘度値(η)を、 ・ 5.0≦η≦20.0・・・好適(◎) ・20.0<η≦50.0・・・ 適(○) ・50.0<η ・・・不適(×)によって分
類評価する。
【0035】A2.転写媒体地汚れ性: 転写記録後の
中間転写媒体上のインクの残りかたの程度を、 ・顕微鏡による表面観察においてもインク残留無し・・
・好適(◎) ・顕微鏡観察では確認されるが、目視上のインク残留は
殆ど認められない・・・ 適(○) ・目視上で明かなインク残留が認められる・・・不適
(×) によって分類評価する。
【0036】A3.紙種対応性性: 3種記録紙に対し
ての転写記録後の印字の明瞭さ、記録紙間の差の程度
を、 ・記録紙間の品質に差が無く、明瞭な記録像を示す・・
・好適(◎) ・記録紙間に若干の差は認められるが、記録像としては
好ましいと感じる・・・ 適(○) ・明かに記録紙の種類による記録像の鮮明さに差がある
・・・不適(×) によって分類評価する。
【0037】A4.印字耐擦性: 各種記録紙に対して
転写記録後24時間室温放置した後、印字面をクリップ
を取り付けたクロスカット試験機により荷重をかけて擦
ることによる汚れの発生の有無を、 ・100〜200g荷重による汚れ発生無し・・・好適
(◎) ・50〜100g荷重による汚れ発生無し・・・ 適
(○) ・50g以下荷重による汚れ発生有り・・・不適(×) によって分類評価する。
【0038】A5.耐水性: 各種記録紙に対して転写
記録後24時間室温放置した後、純水の入ったビーカー
に各サンプルを1時間浸し、その後取り出した後の記録
紙上のインク記録像の残留状況の有無を、 ・放置前と殆ど変化が無し・・・好適(◎) ・多少薄くなっているが文字等ははっきりと確認できる
・・・ 適(○) ・全くインク像が確認できない・・・不適(×) によって分類評価する。
【0039】A6.環境保存性: 転写記録後の記録物
を45℃の環境下に24時間放置し、取り出した後のイ
ンク記録像の変化を、 ・放置前と全く変化していない・・・好適(◎) ・多少の変化は認められるが目視では殆ど分からない・
・・ 適(○) ・放置前と比較しにじみ、ぼけ等の発生が目視で認めら
れる・・・不適(×) によって分類評価する。
【0040】実施例2 表2に実施例1と同様の方法で実施例2−1〜2−10
に示すインク組成物を得た。
【0041】
【表2】
【0042】また実施例2についても実施例1と同様に
A1〜A6の評価を行ったところ下表3に示すようにい
ずれも「適」以上の結果が得られた。
【0043】
【表3】
【0044】比較例 実施例1と同様の方法で比較例として上記表2に示す比
較例C−1〜C−5のインク組成物を調製した。
【0045】これら比較例について実施例1と同様にA
1〜A6についての評価を行ったところ上記表3に示す
ような、個々の特性に応じた結果が得られた。
【0046】各々につき簡単に説明すると以下の通りで
ある。
【0047】C−1: ビヒクルとして用いた、ビス−
(4−ベンジルオキシカルボニルフェニル)イソフタレ
ート(融点:105〜112℃)の添加量が40.0w
t%であった為、相対的に他のビヒクルとして用いた樹
脂添加量が増加しインク組成物としての粘度値が50.
0mPa・s以上になってしまい、インク吐出不良を引
き起こしてしまった。
【0048】C−2: ビヒクルとして、融点が50℃
より低いビス−(2,2,2−トリフルオロエチル)フ
タレ−ト(融点:41℃)を用いた為、インク組成物と
しての評価A6(環境保存性)が「不適」であった。
【0049】C−3: ビヒクルとして、パラ位に配位
したジメチルテレフタレート(融点:142℃)を用い
た為、記録ヘッドからの吐出は可能であったが、中間転
写媒体上で急激に固化してしまい記録紙上への転写が不
可であった。
【0050】C−4: 従来より一般的に用いられてい
る水を基材としたインク組成物を調製し、常温下でのイ
ンク吐出による転写記録を実施し、上記評価A1〜A6
を行ったが、地汚れ性、紙種対応性、耐水性において
「不適」であり、従来からの課題点を確認する結果にな
ってしまった。
【0051】C−5: 米国特許4390369号明細
書、米国特許4484948号明細書に示す天然ワック
ス系材料を用い常温固体インク組成物を調製し、上記評
価A1〜A6を行ったが、中間転写媒体上における液体
状態維持の為の温度管理が難しく、その後の転写記録後
の記録物の状態に著しいバラツキを示し、地汚れ性、紙
種対応性に大きくその影響がでてしまった。また、印字
品質の好ましい記録物の耐擦性評価では、従来の直接記
録の常温固体インク組成物同程度の耐擦性しか示さず、
「不適」であった。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のインク組成
物は、室温より高温の状態の下でインクジェット記録ヘ
ッドから中間転写媒体にインクが吐出され、更に中間転
写媒体から記録用紙にインクが転写される記録方式に用
いられる、ビヒクルと色材から成るインク組成物であっ
て、ビヒクルとして、融点が50℃以上のオルト位また
はメタ位に配位したフタル酸ジエステル類から選ばれた
少なくとも一種類のフタル酸エステルを用いたことを特
徴としており、更にオルト位またはメタ位に配位したフ
タル酸ジエステル類の置換基が少なくともシクロヘキシ
ル基またアリール基を含むことを特徴としている。
【0053】これらの特徴から、本発明のインク組成物
は、記録紙の紙質に関係無く、輪郭が鮮明で良好な印字
品質を示し、記録物の耐擦性、耐水性の良い記録像が得
られるという効果を有している。
【0054】また、本発明のインク組成物は、ビヒクル
として単分子の固体有機物を用いている為、高温下の熱
安定性に関して分子量の大きい天然ワックス等に比べ、
溶融時の粘度低下が大きく、樹脂等の材料を比較的多量
に添加することができ、且つ芳香族骨格を有しているこ
とから極めて熱的に安定しているという格別な効果を有
している。
【0055】更に、本発明のインク組成物は、その色材
としての例えば染料との溶解特性が、天然ワックス系イ
ンクのそれに比べて著しく良い反面、インクタンク部
材、ヘッド構成材に使用される各種プラスチック材料に
対しては殆ど侵すことがないという格別な効果を有して
いる。
【0056】また更に、本発明のインク組成物はその過
冷却特性という性質の為、記録ヘッド並びにその周囲
の、インクが充填され熱が加えられる保存容器内におけ
る固化時の体積収縮性が緩和される為、従来の天然ワッ
クス等を基材とした常温固体インク組成物の固化時の急
激な体積収縮による記録ヘッド部材の機械的破損発生が
殆ど無視する事が可能になるという格別な効果を有して
いる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温より高温の状態の下でインクジェッ
    ト記録ヘッドから中間転写媒体にインクが吐出され、更
    に中間転写媒体から記録用紙にインクが転写される記録
    方式に用いられる、ビヒクルと色材から成るインク組成
    物であって、 ビヒクルとして、融点が50℃以上のオルト位またはメ
    タ位に配位したフタル酸ジエステル類から選ばれた少な
    くとも一種類のフタル酸エステルを用いたことを特徴と
    するインク組成物。
  2. 【請求項2】 オルト位またはメタ位に配位したフタル
    酸ジエステル類の置換基が少なくともシクロヘキシル基
    またアリール基を含むことを特徴とする請求項1記載の
    インク組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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