JPH0535444U - センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車 - Google Patents
センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多機能のセンターディファレンシャル装置や
油圧多板クラッチ装置の付近に取付けられる車速センサ
をコンパクトに構成する。 【構成】 センターディファレンシャル装置50に付設
される油圧多板クラッチ装置60で、差動制限すると共
に前後輪のトルク配分を可変制御する油圧多板クラッチ
62において、リヤドライブ軸20と一体のドラム部材
65に押圧可能に装着される押圧部材68を利用してパ
ルスギヤ71を形成し、このパルスギヤ71にケース側
の電磁ピックアップ72を対向配置して、車速センサ7
0を構成する。
油圧多板クラッチ装置の付近に取付けられる車速センサ
をコンパクトに構成する。 【構成】 センターディファレンシャル装置50に付設
される油圧多板クラッチ装置60で、差動制限すると共
に前後輪のトルク配分を可変制御する油圧多板クラッチ
62において、リヤドライブ軸20と一体のドラム部材
65に押圧可能に装着される押圧部材68を利用してパ
ルスギヤ71を形成し、このパルスギヤ71にケース側
の電磁ピックアップ72を対向配置して、車速センサ7
0を構成する。
Description
【0001】
本考案は、センターディファレンシャル装置を備えた4輪駆動車に関し、詳し くは、センターディファレンシャル装置や油圧多板クラッチ装置の付近に取付け られる車速センサの構造に関する。
【0002】
近年、センターディファレンシャル装置を備えた4輪駆動車においては、セン ターディファレンシャル装置に差動機能や前後輪へのトルク分割機能を付与する 以外に、前後輪のトルク配分を可変制御したり、減速または増速装置として利用 して、走行性能、操縦性、安定性、制動性等を一段と向上させることが提案され ている。このようにセンターディファレンシャル装置に種々の機能が付与される と、複数の油圧多板クラッチや多板式ブレーキが付設されて構造が複雑になるの で、前後輪へのトルク配分制御の基本信号となる車速センサはこれらの部品等を 利用したコンパクトな構造で取付けることが望まれる。
【0003】 従来、上記多機能を備えたセンターディファレンシャル装置付4輪駆動車に関 しては、例えば特開平3−135838号のものがある。ここで複合プラネタリ ギヤ式センターディファレンシャル装置に付設される油圧多板クラッチ装置が、 複数の油圧多板クラッチ、ブレーキを軸方向に順次並べて配置構成される。また 車速センサはこのような油圧多板クラッチ装置とは各別に、リヤドライブ軸にパ ルスギヤを固着し、このパルスギヤに電磁ピックアップを対向して取付けること が示されている。
【0004】
ところで、上記先行技術のものにあっては、前後輪へのトルク配分制御の基本 信号の1つである車速センサが、専用のパルスギヤをリヤドライブ軸に固着して 取付けられるので、部品点数が多くなって、構造が複雑化し、余分なスペースも 必要になる等の問題がある。
【0005】 本考案は、この点に鑑みてなされたもので、多機能のセンターディファレンシ ャル装置や油圧多板クラッチ装置の付近に取付けられる車速センサをコンパクト に構成することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するため、本考案は、前後輪への駆動系の途中に、前後輪への トルク配分機能を備えたセンターディファレンシャル装置が配置され、このセン ターディファレンシャル装置からの出力要素に、種々の機能を有する複数の摩擦 係合要素が装着される構成において、1つの摩擦係合要素が、油圧室、ピストン を固定側に配置し、このピストンをベアリング、前後輪の一方に常に連結するド ラム部材に挿入される押圧部材を介してドライブ及びドリブンプレートに押圧可 能に連結して構成され、押圧部材の外周にパルスギヤを形成し、このパルスギヤ にケース側の電磁ピックアップを対向配置して取付けられるものである。
【0007】
上記構成に基づき、センターディファレンシャル装置に付設される1つの摩擦 係合要素においては、固定側の油圧室とピストンで遠心油圧の発生が防止されて 、例えば前後輪のトルク配分が正確に可変制御される。また、この摩擦係合要素 で常に前後輪の一方に連結する押圧部材のパルスギヤを電磁ピックアップで検知 することで、車速が良好に検出される。
【0008】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1において、本考案が適 用されるセンターディファレンシャル装置付4輪駆動車として、エンジン、自動 変速機を車両前後方向に縦置き配置した第1の実施例の駆動系について説明する 。先ず、トルクコンバータケース1、ディファレンシャルケース2の後部にトラ ンスミッションケース3が接合し、トランスミッションケース3の後部にトラン スファケース4およびエクステンションケース6が接合し、トランスミッション ケース3の下部にはオイルパン5が取付けられる。
【0009】 符号10はエンジンであり、このエンジン10のクランク軸11がトルクコン バータケース1内部のロックアップクラッチ12を備えたトルクコンバータ13 に連結し、トルクコンバータ13からの入力軸14がトランスミッションケース 3内部の自動変速機30に入力する。自動変速機30からの変速機出力軸15は 入力軸14と同軸上に出力し、この変速機出力軸15がトランスファケース4内 部のセンターディファレンシャル装置50に同軸上に連結する。
【0010】 トランスミッションケース3内部において、入,出力軸14,15に対してフ ロントドライブ軸16が平行配置され、このフロントドライブ軸16の後端はセ ンターディファレンシャル装置50に一対のリダクションギヤ17,18を介し て連結し、フロントドライブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部の フロントディファレンシャル装置19を介して前輪に伝動構成される。一方、セ ンターディファレンシャル装置50の後部には油圧多板クラッチ装置60が設け られて、この油圧多板クラッチ装置60から出力するリヤドライブ軸20は、プ ロペラ軸21、リヤディファレンシャル装置22等を介して後輪に伝動構成され る。
【0011】 自動変速機30は、2組のフロントプラネタリギヤ31,リヤプラネタリギヤ 32により前進4段と後進1段を得る構成である。即ち、入力軸14がリヤプラ ネタリギヤ32のサンギヤ32aに、フロントプラネタリギヤ31のリングギヤ 31bおよびリヤプラネタリギヤ32のキャリア32cが変速機出力軸15に連 結する。そしてフロントプラネタリギヤ31のキャリア31cと一体的な連結要 素33と、リングギヤ32bとの間に、第1のワンウエイクラッチ34、フォワ ードクラッチ35が直列的に設けられ、連結要素33と固定部材であるケース側 との間に、第2のワンウエイクラッチ36、ローリバースブレーキ37が並列的 に設けられる。連結要素33とリングギヤ32bとの間には、オーバランニング クラッチ38がバイパスして設けてある。
【0012】 また、サンギヤ31aと一体的な連結要素39には、バンドブレーキ40が設 けられ、入力軸14と一体的な連結要素41およびキャリア31cと一体的な連 結要素42との間には、ハイクラッチ43が設けられる。更に連結要素39と4 1との間には、リバースクラッチ44が設けられている。
【0013】 この自動変速機30の構成により、Dレンジまたは3レンジと2レンジの1速 ではフォワードクラッチ35が係合し、加速の場合は両ワンウエイクラッチ34 ,36の作用で連結要素33と共にリングギヤ32bをロックすることで、入力 軸14からサンギヤ32a,キャリア32cを介して変速機出力軸15に動力伝 達する。このとき、惰行時は第1のワンウエイクラッチ34がフリーになり、オ ーバランニングクラッチ38を係合して第1のワンウエイクラッチ34のフリー 回転を規制しても、第2のワンウエイクラッチ36がフリーになってエンジンブ レーキは作用しない。1レンジの1速では、ローリバースクラッチ37の係合で オーバランニングクラッチ38を介してリングギヤ32bを常にロックするため 、エンジンブレーキが作用する。
【0014】 Dレンジまたは3レンジと2レンジの2速では、上記フォワードクラッチ35 とバンドブレーキ40とが係合し、このバンドブレーキ40によりサンギヤ31 aをロックする。そこでキャリア31cとリングギヤ32bとが、連結要素33 、フォワードクラッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介して回転し、1 速時よりもリングギヤ32bが回転する分だけ増速した動力が出力する。このと き減速時には、オーバランニングクラッチ38の係合により連結要素33とリン グギヤ32bとを連結状態に保つことで、エンジン側に逆駆動力が伝達してエン ジンブレーキが作用する。
【0015】 Dレンジまたは3レンジの3速では、フォワードクラッチ35とハイクラッチ 43とが係合し、このハイクラッチ43により入力軸14が連結要素41,42 、キャリア31c、連結要素33、フォワードクラッチ35、第1のワンウエイ クラッチ34を介してリングギヤ32bに連結する。このため、リヤプラネタリ ギヤ32は一体化して、入力軸14と変速機出力軸15とは直結する。このとき 、減速時にオーバランニングクラッチ38の結合で第1のワンウエイクラッチ3 4の空転を規制することで、2速と同様にエンジンブレーキが作用する。
【0016】 Dレンジの4速では、上述に加えてバンドブレーキ40の係合でサンギヤ31 aをロックする。このため、フロントプラネタリギヤ31でハイクラッチ43に よりキャリア31cに入力した動力でリングギヤ31bを増速することになり、 これが変速機出力軸15に伝達する。この場合は、第1、第2のワンウエイクラ ッチ34,36を介しないため常にエンジンブレーキが作用する。
【0017】 Rレンジでは、リバースクラッチ44の結合でサンギヤ31aに入力軸14の 動力が入力する。また、ローリバースクラッチ37の係合で連結要素33と共に キャリア31cをロックするため、フロントプラネタリギヤ31でリングギヤ3 1bに逆転してギヤ比の大きい動力が出力し、この逆転動力が変速機出力軸15 に伝達して後進速になる。こうして、自動変速機30において前進4段後進1段 の変速段が得られる。
【0018】 一方、自動変速機30の前方にはオイルポンプ45が設置され、トルクコンバ ータ13のポンプインペラ側のドライブ軸46で常に駆動される。オイルパン5 にはコントロールバルブボデー47が収容され、上述の各クラッチ、ブレーキに 給排油して選択的に係合するようになっている。
【0019】 図2において、センターディファレンシャル装置50、油圧多板クラッチ装置 60の部分について説明する。先ず、変速機出力軸15の後方に第1、第2の中 間軸23,24を介してリヤドライブ軸20が同軸上に配置される。また、変速 機出力軸15には前輪側のリダクションギヤ17が回転自在に嵌合し、これらの 変速機出力軸15、リダクションギヤ17及び第1、第2の中間軸23,24の 間に、センターディファレンシャル装置50が同軸上に配置される。
【0020】 センターディファレンシャル装置50は複合プラネタリギヤに構成されるもの であり、変速機出力軸15に形成される第1のサンギヤ51と、第2の中間軸2 4に形成される第2のサンギヤ53を有する。また、キャリヤ55は左右のフラ ンジ55a,55bをアーム55cにより一体化して成り、両フランジ55a, 55bの間に装架されたピニオン軸56に、軸方向に一体形成される第1、第2 のピニオン52,54がニードルベアリング27を介して回転自在に装着される 。そして、第1のサンギヤ51に第1のピニオン52が、第2のサンギヤ53に 第2のピニオン54がそれぞれ噛合い、トルク配分した動力を第2の中間軸24 出力するように構成される。
【0021】 一方、第2の中間軸24の内部には更に第1の中間軸23が遊嵌され、この第 1の中間軸23の前端で2つのサンギヤ51,53の間隙の箇所に連結部材57 が結合され、この連結部材57がキャリヤ55のアーム55cに一体的にスプラ イン結合して、差動制限等の作用を行うようになっている。更に、キャリヤ55 の一方のフランジ55aにはリダクションギヤ17が、キャリヤ55の動力を出 力するように結合される。ここで、キャリヤ55の前方はそれと一体的なリダク ションギヤ17がトランスミッションケース3に対してボールベアリング26a で支持され、後方はフランジ55bのボス部55dの外周がトランスファケース 4に対してボールベアリング26bで支持され、且つ内周が第2の中間軸24に 対しボールベアリング26cで支持され、両端支持で回転自在に設置される。
【0022】 このセンターディファレンシャル装置50の構成により、第1のサンギヤ51 に入力する動力を、第1、第2のサンギヤ51,53と、第1、第2のピニオン 52,54との歯車諸元によるトルク配分比でキャリヤ55と第2のサンギヤ5 3に伝達して、前後輪へ不等トルク配分する機能を有する。また第1,第2のピ ニオン52,54の遊星回転により、旋回時の旋回半径の差によって生じるキャ リヤ55と第2のサンギヤ53との回転数差を吸収する差動機能を有する。
【0023】 ここで、図4の略図を用いてセンターディファレンシャル装置50の不等トル ク配分機能について詳記する。第1のサンギヤ51の入力トルクをTi、その噛 合いピッチ半径をrs1、キャリヤ55のフロント側トルクをTF、第1,第2 のピニオン52,54の噛合いピッチ半径をrp1,rp2、第2のサンギヤ5 3のリヤ側トルクをTR、その噛合いピッチ半径をrs2とすると、 Ti=TF+TR (1) rs1+rp1=rs2+rp2 (2) が成立する。
【0024】 また、第1のサンギヤ51と第1のピニオン52との噛合点に作用する接線方 向荷重Pは、キャリヤ55に作用する接線方向荷重P1と、第2のサンギヤ53 と第2のピニオン54との噛合点に作用する接線方向荷重P2との和に等しいの で、次式が成立する。 P=Ti/rs1 P1=TF/(rs1+rp1) P2=TR/rs2 Ti/rs 1={(TF/(rs1+rp1)}+TR/rs2 (3) そこで、(1),(2)式を(3)式に代入して整理すると、以下のようになる 。 TF=(1−rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti TR=(rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti
【0025】 このことから、第1,第2のサンギヤ51,53と、第1、第2のピニオン5 2,54との噛合いピッチ半径により、フロント側トルクTFおよびリヤ側トル クTRの基準トルク配分比を自由に設定し得ることがわかる。ここで、rs1、 rp1、rp2、rs2は各歯数Zs1、Zp1、Zp2、Zs2に置き換える ことができ、Zp1=Zp2=21、Zs1=33、Zs2=21とすると、 TF:TR=36.4:63.6 になる。従って充分に後輪偏重の基準トルク配分比に設定し得る。
【0026】 次に、センターディファレンシャル装置50を増速機として使用する場合につ いて説明する。この複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置50 では、第2の中間軸24を固定することで所定の増速ギヤ比を得ることができ、 この増速ギヤ比単独または自動変速機30の所定の変速段との共動により更に第 5速に変速するようになっている。そこで、例えば第2速の変速段を用いる場合 について説明すると、第2速のギヤ比i2、センターディファレンシャル装置5 0の増速ギヤ比ipにより、第5速のギヤ比i5は以下のようになる。 i5=i2・ip ここで、センターディファレンシャル装置50の歯車諸元に上述のものを用いる と、ip=(33−21)/33=0.363になり、例えばi2=1.545 とすると、i5=0.561になり、第4速よりギヤ比の小さい第5速が適正な ギヤ比間隔で得られることになる。一方、この第5速では、油圧多板クラッチ6 2を走行状態や路面状況に応じて油圧を制御することで伝達トルクを生じ、前後 輪のトルク配分が制御可能な4輪駆動となる。
【0027】 図3において、油圧多板クラッチ装置60について説明する。先ず、第2の中 間軸24とリヤドライブ軸20の間に介設され、トルク伝達用の摩擦係合要素と しての油圧多板クラッチ61と、第1の中間軸23とリヤドライブ軸20との間 に介設され、差動制限とトルク移動用の摩擦係合要素としての油圧多板クラッチ 62と、第2の中間軸24に設けられ、センターディファレンシャル装置50の 差動機能を阻止してキャリヤ55を増速回転させる摩擦係合要素としての第5速 用ブレーキ63とを有する。そして、これらの油圧多板クラッチ61,62と第 5速用ブレーキ63は、センターディファレンシャル装置50の直後において、 第1中間軸23等の周囲の径方向に3重に重合して同軸上に配置される。即ち、 油圧多板クラッチ61,62は共にリヤドライブ軸20に連結され、油圧多板ク ラッチ61と第5速用ブレーキ63は共に第2の中間軸24に連結されることか ら、油圧多板クラッチ61が中間に配置され、この油圧多板クラッチ61の外側 に第5速用ブレーキ63が、内側に油圧多板クラッチ62が配置される。
【0028】 そこで、第2の中間軸24にドラム部材64がスプライン結合され、このドラ ム部材64の内側にリヤドライブ軸20の前端に一体形成されるドラム部材65 が配置され、これらのドラム部材64,65の間に油圧多板クラッチ61が設け られる。油圧多板クラッチ61はドラム部材64,65の間にドライブプレート 61aとドリブンプレート61bが交互に設けられ、ドラム部材64の内部に油 圧室61c、ピストン61d、リターンスプリング61eが設けられ、第2の中 間軸24をリヤドライブ軸20に連結または遮断するように構成される。
【0029】 第5速用ブレーキ63は、ドラム部材64とトランスファケース4との間に交 互にドライブプレート63aとドリブンプレート63bが設けられ、トランスフ ァケース4の壁部4aの内部に油圧室63c、ピストン63d、リターンスプリ ング63eが設けられ、第2の中間軸24を固定またはフリーにするように構成 される。
【0030】 油圧多板クラッチ62は、第1の中間軸23にスプライン結合するハブ部材6 6とドラム部材65との間に、ドライブプレート62aとドリブンプレート62 bが交互に設けられる。また固定側のエクステンションケース6のボス部6aの 内部に油圧室62c、ピストン62d、リターンスプリング62eが設けられ、 大きい押圧力を発生すると共に、遠心油圧の影響のない状態で油圧を正確に制御 することが可能に設けられる。そして、このピストン62dがボールベアリング 62f、押圧部材62gを介してプレート側に連結され、可変制御される差動制 限トルクや伝達トルクを生じるように構成される。尚、軸嵌合部にはブッシュ2 8が介設され、軸同志や軸と他の部材との突き当て部にはスラストベアリング2 5が介設されている。
【0031】 またこの油圧多板クラッチ62では、リヤドライブ軸20と一体的なドラム部 材65の内部にロッド部62hを挿通する押圧部材62gが装備される。そして この押圧部材62gが、常に後輪の車輪速に対応して回転している。そこで、こ の押圧部材62gを利用してその外周に車速センサ70のパルスギヤ71が形成 され、エクステンションケース6に電磁ピックアップ72がパルスギヤ71に近 接対向して取付けられる。これにより、電磁ピックアップ72で押圧部材62g のパルスギヤ71を検知することで、停車及び走行中の車速が常に良好に検出さ れる。
【0032】 これらの油圧多板クラッチ61,62及び第5速用ブレーキ63は、コントロ ールバルブボデー47で自動変速機30の変速制御等と共に油圧制御される。即 ち、自動変速機30で前進4段後進1段に変速される場合は、第5速用ブレーキ 63を解放して油圧多板クラッチ61を係合し、このとき後輪スリップ等に応じ て油圧多板クラッチ62に差動制限トルクを生じる。また、第4速で車速が設定 値より上昇すると、逆に第5速用ブレーキ63を係合して油圧多板クラッチ61 を解放し、このとき前輪スリップ等に応じて油圧多板クラッチ62に伝達トルク を生じる。
【0033】 以上、自動変速機30とセンターディファレンシャル装置50のDレンジと、 Rレンジの各変速段におけるクラッチ、ブレーキ動作をまとめて示すと、表1の ようになる。
【表1】 この表1において、○印はクラッチ,ブレーキの係合動作を、●は油圧多板ク ラッチ62による差動制限トルクの発生を、◎は油圧多板クラッチ62による前 後輪への駆動力配分制御をする場合の伝達トルク状態をそれぞれ示す。
【0034】 また各変速段におけるギヤ比、ギヤ比の例、トルク配分率をまとめて示すと、 表2のようになる。
【図2】 この表2において、α1はフロントプラネタリギヤ31のサンギヤ31aの歯 数Zs1とリングギヤ31bの歯数Zr1の比で、α1=Zs1/Zr1、α2 はリヤプラネタリギヤ32のサンギヤ32aの歯数Zs2とリングギヤ32bの 歯数Zr2の比で、α2=Zs2/Zr2を示す。
【0035】 フロントプラネタリギヤ31の各要素の回転数の関係を示すと、次式のように なる。 Nr1+α1・Ns1=(1+α1)・Nc1 但し、α1=Zs1/Zr1 リヤプラネタリギヤ32の各要素の回転数の関係を示すと、次式のようになる 。 Nr2+α2・Ns2=(1+α2)・Nc2 但し、α2=Zs2/Zr2 ここで、フロントプラネタリギヤ31のリングギヤ31bの回転数Nr1、サン ギヤ31aの回転数Ns1、キャリヤ31cの回転数Nc1であり、またリヤプ ラネタリギヤ32のリングギヤ32bの回転数Nr2、サンギヤ32aの回転数 Ns2、キャリヤ32cの回転数Nc2である。
【0036】 次に、この実施例の作用について説明する。先ず、エンジン10の動力はトル クコンバータ13、入力軸14を介して自動変速機30に入力し、2組のフロン トプラネタリギヤ31とリヤプラネタリギヤ32の作動、クラッチ44,43, 35,38,36,34とブレーキ40,37の選択的係合により、Dレンジに シフトすると前進速の第1速ないし第4速に自動変速され、Rレンジにシフトす る場合は後進速になる。そしてこの変速動力が、変速機出力軸15からセンター ディファレンシャル装置50の第1のサンギヤ51に入力して、トルク配分され る。またこの場合は、油圧多板クラッチ装置60の油圧多板クラッチ61が係合 して、センターディファレンシャル装置50の第2のサンギヤ53がリヤドライ ブ軸20に連結される。
【0037】 ここで、センターディファレンシャル装置50の各歯車諸元により、例えばT F:TR=36.4:63.6に設定されているため、変速動力の36.4%が キャリヤ55に、63.6%が第2のサンギヤ53にそれぞれ配分して出力され る。そしてキャリヤ55の動力は、リダクションドライブギヤ17、リダクショ ンドリブンギヤ18、フロントドライブ軸16、フロントディファレンシャル装 置19を介して前輪に伝達する。また、第2のサンギヤ53の動力は、第2の中 間軸24、油圧多板クラッチ61、リヤドライブ軸20以降の後輪に伝達し、後 輪偏重の4輪駆動走行になり、このトルク配分ではオーバステア気味になって回 頭性、操縦性等が良好になる。この4輪駆動走行の旋回時には、センターディフ ァレンシャル装置50の第1、第2のピニオン52,54の遊星回転により、旋 回時に生じる前後輪の回転数差が吸収され、自由に旋回可能になる。
【0038】 次いで、滑り易い路面走行時には、基準トルク配分が後輪偏重のトルク配分の ため通常は後輪が先にスリップし、この場合に油圧多板クラッチ62の差動制限 トルクTcがスリップ状態に応じて制御される。すると、センターディファレン シャル装置50のキャリヤ55と第2のサンギヤ53との間に、キャリヤ55、 連結部材57、第1の中間軸23及び油圧多板クラッチ62による他の伝動系路 がバイパスして形成され、高回転の第2のサンギヤ53の後輪側から低回転のキ ャリヤ55の前輪側に、差動制限トルクTcに応じてトルクバイパスする。そこ で、前輪寄りにトルク配分制御されて後輪スリップが防止され、走破性を向上す る。
【0039】 このとき差動制限トルクTcが最大になると、第2のサンギヤ53とキャリヤ 55との直結によりセンターディファレンシャル装置50はロックして直結式4 輪駆動になり、前後輪の輪荷重配分に相当したトルク配分になる。こうして差動 制限トルクTcを制御することにより、後輪偏重と直結式との間でトルク配分が 可変制御されることになる。
【0040】 一方、第4速の走行条件より更に高速になると、自動変速機30が第2速の状 態になり、同時に第5速用ブレーキ63の係合によりセンターディファレンシャ ル装置50の第2のサンギヤ53が固定して、キャリヤ55が増速回転する。こ のため、自動変速機30の第2速の動力が、センターディファレンシャル装置5 0で大幅に増速されてキャリヤ55以降の前輪に伝達し、第4速よりギヤ比の小 さいオーバドライブの第5速に変速されて高速走行することが可能になるのであ り、この場合はアンダーステア気味になって高速安定性を向上する。このとき、 走行状態や前輪スリップの状況等に応じて油圧多板クラッチ62の伝達トルクT D が可変制御されると、キャリヤ55から第1の中間軸23、油圧多板クラッチ 62を介して後輪にもトルク伝達される。そこで、前輪スリップを防止すると共 に、同様に前後輪のトルク配分が制御可能な4輪駆動走行になる。
【0041】 以上、本考案の実施例について説明したが、車速センサはトルク配分制御以外 の機能を有する摩擦係合要素にも同様に適応することができる。
【0042】
以上説明したように、本考案によれば、センターディファレンシャル装置付4 輪駆動車において、センターディファレンシャル装置が多機能を有するように構 成されて複数の油圧多板クラッチ、ブレーキ等を備える場合に、車速センサが1 つの油圧多板クラッチの部品を利用しパルスギヤを形成して構成されるので、部 品点数が少なくなって構造が簡素化し、コストも安価になる。油圧多板クラッチ において、ドラム部材に装着される押圧部材にパルスギヤが形成されるので、ギ ヤの歯数や高さに設定の自由度が増し、車速検出条件を最適に形成することがで き、ドラム側の配置構造に影響されない。
【図1】本考案に係るセンターディファレンシャル装置
付4輪駆動車として、縦置き配置の実施例の全体を示す
スケルトン図である。
付4輪駆動車として、縦置き配置の実施例の全体を示す
スケルトン図である。
【図2】センターディファレンシャル装置と油圧多板ク
ラッチ装置の部分の拡大断面図である。
ラッチ装置の部分の拡大断面図である。
【図3】油圧多板クラッチ装置と車速センサの部分の拡
大断面図である。
大断面図である。
【図4】トルク配分状態,差動制限と直結用伝達トルク
の流れを説明する略図である。
の流れを説明する略図である。
15 変速機出力軸 16 フロントドライブ軸 17,18 リダクションギヤ 20 リヤドライブ軸 30 自動変速機 50 センターディファレンシャル装置 60 油圧多板クラッチ装置 61,62 油圧多板クラッチ(摩擦係合要素) 63 第5速用ブレーキ(摩擦係合要素) 62a ドライブプレート 62b ドリブンプレート 62c 油圧室 62d ピストン 62f ボールベアリング 68 押圧部材 65 ドラム部材 70 車速センサ 71 パルスギヤ 72 電磁ピックアップ
Claims (1)
- 【請求項1】 前後輪への駆動系の途中に、前後輪への
トルク配分機能を備えたセンターディファレンシャル装
置が配置され、このセンターディファレンシャル装置か
らの出力要素に、種々の機能を有する複数の摩擦係合要
素が装着される構成において、1つの摩擦係合要素が、
油圧室、ピストンを固定側に配置し、このピストンをベ
アリング、前後輪の一方に常に連結するドラム部材に挿
入される押圧部材を介してドライブ及びドリブンプレー
トに押圧可能に連結して構成され、押圧部材の外周にパ
ルスギヤを形成し、このパルスギヤにケース側の電磁ピ
ックアップを対向配置して取付けられることを特徴とす
るセンターディファレンシャル装置付4輪駆動車。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9455091U JPH0535444U (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9455091U JPH0535444U (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0535444U true JPH0535444U (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=14113426
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9455091U Pending JPH0535444U (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0535444U (ja) |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62225423A (ja) * | 1986-05-01 | 1987-10-03 | Toyota Motor Corp | 四輪駆動型車輌の出力回転数検出装置 |
| JPH03135836A (ja) * | 1989-10-20 | 1991-06-10 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車の動力配分制御装置 |
-
1991
- 1991-10-22 JP JP9455091U patent/JPH0535444U/ja active Pending
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62225423A (ja) * | 1986-05-01 | 1987-10-03 | Toyota Motor Corp | 四輪駆動型車輌の出力回転数検出装置 |
| JPH03135836A (ja) * | 1989-10-20 | 1991-06-10 | Fuji Heavy Ind Ltd | 4輪駆動車の動力配分制御装置 |
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