JPH0536065B2 - - Google Patents

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JPH0536065B2
JPH0536065B2 JP59097369A JP9736984A JPH0536065B2 JP H0536065 B2 JPH0536065 B2 JP H0536065B2 JP 59097369 A JP59097369 A JP 59097369A JP 9736984 A JP9736984 A JP 9736984A JP H0536065 B2 JPH0536065 B2 JP H0536065B2
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membrane
glycol
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acid
antithrombotic
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JP59097369A
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Takeshi Sonoda
Shigenori Takenaka
Masaru Suzuki
Hidesada Okasaka
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な医療用ポリエステル系共重合体
からなる抗血栓性医療材料に関するものである。 さらに詳しくは血液成分と直接、接触して使用
される医療用具または各種の分離膜に適する抗血
栓性医療材料に関するものである。 〔従来の技術〕 近年、高分子材料の医療産業分野への利用が進
むにつれて、血液などの生体成分と直接、接触し
て使用される医療用素材として多種のポリマが使
用されている。 医療用具としては各種血管カニユーラ、カテー
テル、各種モニタリングチユーブ、体外循環血液
回路、血液バイパスチユーブ、血液バツグなどが
あげられる。 また人工腎臓や血漿分離などに使用される物質
透過性を有する各種の分離膜などもあげられる。 さらに酵素、医薬品などの包埋材や、化粧品の
改質材などもあげられる。 それぞれの構成素材には使用目的に応じた機械
的特性とともに抗血栓性などの生体適合性が要求
される。 従来、医療用素材としては軟質塩化ビニール、
ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリテトラフロロエチレン、ABS樹脂、ポリメ
チルメタクリレート、ポリビニルアルコール、セ
ルロースジアセテートなどが使われ、その機械的
特性はほぼ満足されているが、血液に接触した際
に生ずる血栓形成などの生体適合性については大
きな未解決の問題として残されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、従来の高分子素材の透過特性
および力学的特性を維持した状態で、血液と接触
した際に血栓が形成されない優れた抗血栓性医療
材料を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明はテレフタル酸および分子量250以下の
低分子量グリコールを主成分とするポリエステル
共重合体の酸成分の中に、テレフタル酸以外の酸
成分を20〜50モル%含み、低分子量グリコール以
外のグリコール成分として数平均分子量が約300
〜60000のポリアルキレングルコールをポリマ全
量に対して5〜40重量%含有するポリエステル系
共重合体からなる抗血栓性医療材料を提供するも
のである。このポルエステル共重合体のより好ま
しい構成は、低分子量グリコールがエチレングリ
コールである場合であり、最も好ましい組成物
は、低分子量グリコールがエチレングリコールで
あり、ポルアルキレングルコールの数平均分子量
が約6000〜約60000である場合である。 本発明のポリエステル系共重合体の酸成分とし
ては、テレフタル酸を必須成分とし、これに20〜
50モル%、好ましくは25〜40モル%のテレフタル
酸以外の酸成分を含むものからなる。テレフタル
酸以外の酸成分としては、テレフタル酸以外の芳
香族ジカルボン酸あるいは脂肪族ジカルボン酸な
どのジカルボンが好ましい。テルフタル酸以外の
芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン
酸、ジフエニルエーテルジカルボン酸、メチルテ
レフタル酸、メチルイソフタル酸などが挙げられ
る。 これらの中で特にイソフタル酸が好ましい。ま
た分子中に−SO3M(Mはアルカリ金属)で表さ
れる基を含有するジカルボン酸、例えば5−スル
ホイソフタル酸ナトリウム等を小量(通常5モル
%以下)用いることもできる。 脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、グル
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ
酸、コハク酸、1,3−シクロペンタジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを
挙げることができる。 これらの中で特にアジピン酸が好ましく使用さ
れる。 これらのテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸や脂肪族ジカルボン酸の添加により大幅な膜強
度の低下をみることなく極性有機溶媒性への溶解
性を高めることが可能となる。 次に、本発明において用いるグリコール成分と
しては、エチレングリコールのごとき低分子量グ
リコールに加えて、数平均分子量が約300〜60000
のポリアルキレングリコールを必須成分とする。
低分子量グリコールとしては分子量250以下のグ
リコールが使われ、エチレングリコール、トリメ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フエニル)プロパンなどの化合物を用いることが
できる。 これらのうち、特にエチレングリコールが好ま
しい。 ポリアルキレングキコールとしては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、エチレンオキシド
とプロピレンオキシドの共重合体などの数平均分
子量が約300〜約60000のものが挙げられる。 これらのうち、特にポリエチレングリコールが
好ましく使用でき、さらにその中でも溶質透過性
のバランスや血液適合性の面で数平均分子量が約
3000以上のものが好ましく、さらには分子量が約
6000以上のものが特に好ましい。 これらポリアルキレングルコールのポリエステ
ル重合体に対する含有量はポリアルキレングルコ
ールの種類、脂肪族ジカルボン酸の種類や含有量
にもよるが、一般に5〜40重量%であり、15〜25
重量%がより好ましい。 5重量%未満の場合抗血栓性や膜の透過性能が
若しく低下し、40重量%を越えた場合には強度が
低下し好ましくない。 ポリエステル系共重合体の重合度は相対粘度で
表すと好ましくは15以上、さらに好ましくは22以
上である。 なお相対粘度の値は、ドライアイスで冷却した
ポリエステルを粉砕し、その8gを100℃の0−
クロロフエノール100ml中に入れ30分で溶解させ、
このポリマー溶液の粘度と0−クロロフエノール
自体の粘度とを、25℃で同一単位で測定した値の
比で表したものである。 ポリエステル系共重合体の重合法は、例えば、
所定量のジカルボン酸ジメチルエステルとグリ
コールを、酸化カルシウム1水塩、酸化マンガン
4水塩、酢酸マグネシウム4水塩、酢酸亜鉛2水
塩などの公知のエステル交換触媒の存在下に140
〜240℃に加熱し、生成するメタノールを留去し
ながらエステル交換反応を行わせ、次いで三酸化
アンチモン、二酸化ゲルマニウム、テトラブチル
チタネートなどで代表される公知の重合触媒およ
び必要に応じて亜リン酸、リン酸(および/また
はそのエステル酸)などのリン化合物の存在下に
おいてポリアルキレングルコールを添加して200
〜290℃、0.01〜50mmHgの温度真空下でグリコー
ルを留去させ重縮合する方法、ジカルボン酸お
よびグリコールを150〜250℃で常圧あるいは加圧
下で生成する水を留去しつつエステル化し、次い
で重縮合触媒および必要に応じてリン化合物の存
在下でポリアルキレングリコールを添加して重縮
合する方法によつて得られる。 なお、ポリアルキレングリコールはエステル交
換反応前あるいはエステル化反応前または重縮合
反応中の任意の段階で添加できるが、一般にエス
テル交換反応後あるいはエステル化反応後に添加
するのが好ましい。 本発明の応用例として、本発明材料による人工
腎臓などに使われる半透膜の製法と、従来から使
用されている医療用素材への本発明医療材料のコ
ーテイングによる抗血栓性の付与を挙げて詳細に
説明する。 半透膜については従来多数の素材が提供され、
食品工業、廃水処理、医療関連などの分野に用い
られているが、それらの要求性能は用途によつて
異なり、性能および製造技術上の問題点が多い。 本発明の目的の一つは透過特性を使用目的に応
じて広い範囲に変えた抗血栓性膜およびその製造
法を提供することである。 本発明の方法によれば一定の製膜プロセスで同
程度のポリマ濃度をもつ原液から種々の透過性能
をもつ抗血栓性膜を得ることができる。 本発明の目的の他の一つは乾燥状態、含水状態
で大きい強度、伸度を有する取扱い易い抗血栓性
膜を提供するものである。 ポリエステル重合体を素材とする湿式又は乾湿
式製膜による半透膜に関しては、例えばD.J.
Lymanらのポリエチレンテレフタレートを主成
分とし、このポリマ全量に対し多量のポリエチレ
ングリコールを含むポリエステル系膜が知られて
いる。 (Biochemistry Vol.3、No.7、985(1964))こ
のLymanらの膜は有機溶媒への溶解性を高める
ため多量のポリエチレングリコールを共重合させ
る必要があり、そのため膜の強度が極度に小さく
なり実用に供することができなかつた。 本発明では有機溶媒への溶解性をテレフタル酸
以外の酸の共重合で調節し、透水性や溶質の透析
性などの透過性能をポリエチレングリコールの共
重合で調節するなどにより、乾燥状態ではもとよ
り含水状態でも大きい強度と伸度を有する抗血栓
性半透膜を得るものである。 人工腎臓の場合、膜に要求される性能は溶質透
過性と限外濾過能(UFR)および膜の血液適合
性、さらには、その機械的強度である。 溶質透過性は血漿蛋白(特にアルブミン)を透
過しない範囲で高いことが望まれるが、限外濾過
能は、患者によつて除水必要量が大きく異なるこ
とが多いので、限外濾過速度(UFR)が巾広く
調節できることが好ましい。 また、最近は通常の透析療法以外に、血液濾過
療法(Hemofiltration)やそれを応用した携帯
型人工腎臓や装着型人工腎臓への発展もみられ、
UFRが非常に高い半透膜も望まれている。 本発明のポリエステル系重合からなる抗血栓性
医療材料をこの様な半透膜として使用する場合
は、アルブミンを実質的に透過せず、かつ水の透
過透度(UFR)が0.1〜1000ml/hr、m2、mmHg、
好ましくは0.5〜200ml/hr、m2、mmHgのものが
良い。 すなわち、通常の透析療法用途に対しては、ア
ルブミンを実質的に透過せず、かつ水の透過速度
(限外濾過速度、UFR)が0.1〜10ml/hr、m2
mmHg、好ましくは0.5〜3ml/hr、m2、mmHg付
近が要望され、血液濾過療法(ヘモフイルトレ−
シヨン)などに対してはUFRが20ml/hr、m2
mmHg以上で、アルブミンを透過しない範囲で、
できるだけ高いUFRを示す膜が要望される。 本発明の半透膜はこれら要求される透過性能を
満足する膜である。 これら透水性(水のUFR)およびアルブミン
透過率の測定は通常の方法により、透水性は蒸溜
水を用い、アルブミン透過率は牛アルブミン
(Fr、V)(例えば生化学工業(株)、Sigma社)を
0.2g/dlの濃度に蒸溜水に溶解した溶液を用い
行われる。 分離膜が平膜の場合は、通常の撹拌方式セル
(例えば、アミコン社スタンダードセル52型)を
用い、中空糸の場合は、その10本以上を束ねた有
効長5cm以上のモジユールを用い、25℃で50mm
Hgの加圧下、撹拌セルでは撹拌し、中空糸では
入口での線速度を5cm/sec、以上とし、濾液量
が安定してくる30分〜60分の間の30分間の濾液か
ら算出する。 透過率=(濾過液中のアルブミン濃度)/(原液中のア
ルブミン濃度)×100(%) 製膜あるいは紡糸原液を作製するための溶媒と
しては上記ポリエステル共重合体を溶解し、かつ
最終的に水置換可能なものであることが必要であ
る。 溶媒の例を挙げると、ジメチルスルホキシド、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン、ジクロルメタンなどの極
性有機溶媒が好ましい。 これらの中でも特にジメチルスルホキシドは製
膜、製糸性が良好で、かつ毒性が極めて低く医療
用途を目的とした場合最も好ましい溶媒である。 製膜原液中の素材ポリマ濃度は透水性を制御す
る大きな要因となるが、通常20〜70重量%、好ま
しくは40〜60重量%付近である。 このようにして得られる製膜原液は公知の種々
の方式によつて製膜あるいは中空糸に紡糸するこ
とができる。例えば、原液をガラス板、金属板な
どの平板に流延したのち凝固浴に浸漬して固化さ
せるか、または細長い孔をもつた口金から凝固浴
中に押出し膜状に成形することができる。 その際ポリエステルタフタなどの支持布の上に
塗布することも可能である。また、平膜のほか同
心円形の孔をもつた口金から紡糸して円筒状また
は中空糸状に成形するか、凸面、凹面その他の不
規則形状の面に広げたのち凝固させて種々の形状
の膜を得ることができる。 なお、これら種々の形状の中でも、モジユール
化したとき、充填液量(プライミングボリユー
ム)が小さく、かつ高い線速度が取れる中空糸状
成形品は医療用途などに最も適している。 本発明医療材料にやる製膜原液は原液組成(主
に溶媒による)によつては低温域でゲル化を起こ
すため、原液の調整時に加熱を要することもあ
る。 特にジメチルスルホキシドを溶媒とした場合
は、110℃〜50℃付近下でゲル状となり固化する
ため、中空糸などへの製膜時、いわゆる乾湿式紡
糸法などで芯液として内部凝固液を使用すること
なく気体注入法によつて製膜可能となる。なお、
通常の乾湿式紡糸あるいは湿式紡糸法と同様、芯
液を使用できることはいうまでもない。 凝固浴としては、一般に水、脂肪族のアルコー
ル類またはそれらの混合物が用いられる。 さらに、その凝固能を調節するために水やアル
コール類に原液に用いた溶媒や、無機塩類を添加
した混合物を用いることもできる。 しかし、一般に溶媒として例えばジメチルスル
ホキシドを使用した場合はそれと水との混合物を
凝固浴とするのが好ましいといえる。 また、その際の凝固浴の温度は0℃〜95℃付
近、通常4℃〜40℃付近で実施される。 中空糸状の半透膜を得る場合には通常の中空糸
を紡糸するのに用いられる口金はすべて使用する
ことができるが、口金孔内に中空細管を有する環
状オリフイスからなる口金が好ましく使用され
る。 このような口金を用いて中空糸を紡糸する場
合、口金中央部に位置する中空管から気体または
芯液としての液体を定量的に注入しつつ紡糸す
る。気体としては特に制限はないが空気または窒
素などが通常使用される。芯液の液体としては紡
糸原液に使用した溶媒あるいはその溶媒と水との
混合物あるいはイソプロピルアルコールなどのア
ルコール、エチレングリコール、グリセリンなど
の多価アルコール類、イソプロピルミリステート
などの高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸とアル
コール類との混合物などが使用される。 本発明の膜は乾燥状態にしても機械的性質に大
きな変化を生じないが透過性能に変化を起こす場
合もみられる。 その場合は含水グリセリンやエチレングリコー
ルなどの湿潤剤を付着させることによる長時間に
わたつて透過性能および、機械的性質に大きな変
化を生じない。 さらに、製膜後に加熱処理あるいは延伸処理に
よつて膜の透過性能や機械的性質(強度、寸法安
定性など)を変えることも可能である。 本発明の医療材料は、人工腎臓などに最適であ
るが、具体例として、従来使用されている医療用
素材への本発明医療材料のコーテイングによる抗
血栓性の付与について説明する。 このような目的で従来、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリ
ルアミド、あるいはビニルアルコールなどの親水
性成分を含有する合成高分子からなるハイドロゲ
ルが用いられるてきた。 しかし、一般的に、分子量が200以下のこのよ
うな親水性単量体を含有する合成高分子では抗血
栓性はまだ不十分とされている。 これらが血液、体液あるいは生体組織などに接
触した場合には、蛋白質などの各種液性成分の吸
着や、血小板、白血球、赤血球、線維芽細胞など
の有形成分の付着が起こり、これらが材料表面で
の血栓の形成や組織の変性、壊死をもたらすと考
えられている。 また、分離膜などの場合これら生体成分の付着
による物質透過性の低下も報告されている。 本発明の抗血栓性医療材料は、上記の生体成分
の吸着や付着を抑制する効果が強く、生体適合
性、中でも抗血栓性にすぐれた素材であり、他の
塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、
ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、
セルロース樹脂などの素材の表面にコーテイング
することによつて抗血栓性を付与することもでき
る。 医療用素材ポリマへのコーテイングの方法は、
本発明ポリエステル系共重合体からなる抗血栓性
医療材料を溶媒に溶解し、その溶液中への浸漬や
溶液を塗布することなどで実施される。 溶媒としては、本発明医療材料が溶解する溶媒
であれば使用可能であるが、コーテイングされる
素材ポリマおよび本発明共重合体の組成に対応し
て適宜選択される。 また溶液の濃度も0.5〜40%付近の間で適宜選
択される。例えば、医療用ポリマとして広く使用
されている塩化ビニール、ポリカーボネート、ポ
リエチレンテレフタレートなどに対しては、ジメ
チルホルムアミドとテトラヒドロフランとの混合
溶媒が好ましく使用される。 方法の一例を述べると本発明治療材料を溶解し
た溶液に短時間浸漬した後、乾燥し、必要によつ
てはメタノールやエタノールや水あるいはそれら
の混合液などで洗浄し、再度乾燥することによつ
て溶媒などを除去する。 このような簡単な操作により、従来の汎用医療
用素材ポリマにすぐれた抗血栓性を付与すること
が可能である。 もちろん本発明医療材料を成型することにより
抗血栓性の優れた医療用具を製造することもでき
る。 本発明の、ポリエステル系抗血栓性に関して
は、Lee−White法、体外バイパス循環法、血管
内留置法など各種のin Vitro、ex Vivo あるい
はin Vivoテストで評価できる。 このような方法で評価した結果、本発明のポリ
エステル系共重合体からなる抗血栓性医療材料
は、ヒトおよび動物の細胞、すなわち、血小板、
白血球、リンパ球、組織細胞などの付着を抑制
し、また、蛋白質などの体液成分の吸着も少な
く、さらに実用的な強度、伸度、柔軟性などの機
械的特性を有し、医療用途に適することが判明し
た。 このような生体成分非付着性の素材は、例え
ば、血管カニユーラ、カテーテル、モニタリング
チユーブ、血液回路、バイパスチユーブ、血液バ
ツグ、人工腎臓や、血漿分離などの膜材料、など
に好適である。その応用法としてはそれ自信単独
であるいは他の合成樹脂とのブレンドで、あるい
は他の素材表面へのコーテイングなどにより有用
に用いることができる。 〔発明の効果〕 本発明のポリエステル系共重合体からなる抗血
栓性医療材料は、透過特性、力学的特性に優れ、
かつ血栓が形成されないという特性を有する。 また、本発明医療材料は、それ自体により医療
用具や分離膜を作れると共に、すぐれた接着性を
合せもつているため、血液との接触界面にコーテ
イングすることにより、従来の各種素材の医療用
具等に簡単に抗血栓性を付与することができる。 さらに本発明医療材料は衣料用に大量に使用さ
れている工業用モノマから容易に調整され、従来
から研究されている血液適合性ポリマにくらべ安
価に供給できる。 以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。 なお実施例中の部は重量部を示す。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル81.8部、アジピン酸ジメ
チル39.5部、エチレングリコール80.4部、酢酸カ
ルシウム0.108部を混合し、140〜225℃でメタノ
ールを留去せしめながら、エステル交換反応を行
つた後、リン酸トリメチル0.05部、三酸化アンチ
モン0.04部、平均分子量20000のポリエチレング
ルコール30部を添加し270℃、0.2mmHgで4.5時間
重縮合反応を行いブロツクポリエーテルエステル
(コポリマー)を得た。 得られたコポリマーは相対粘度32を有し、大
略の組成はテレフタル酸成分65モル%、アジピン
酸成分35モル%、ホリエチレングリコール含有量
は20重量%であつた。 以下の実施例でも低分子量グリコールとして全
てエチレングリコールを用いている。 組成としてはポリエチレングリコールを除くグ
リコール成分はエチレングリコール成分である。 コポリマーの溶液中のポリマー濃度が40重量
%になるように120℃でジメチルメチルスルホキ
シド中に溶解し製膜原液とした。 溶液を約110℃でガラス板の間に100μのスペー
サを置いて流し込み、室温に冷やしてゲル化させ
た後、ガラス板の一方をはずして水中に入れて溶
媒を水に置換する方法で膜厚101μ、含水率50%
の透明な膜Aを得た。 この膜の透過特性を表1に示す。 ここでP1(g-1・cm3・Sec)とは圧力透過定数
であり、膜の単位面積、単位膜厚当りの単位圧力
差、単位時間における透過液の体積を表し、P2
(cm2/Sec)とは、液体の体積流がない場合の膜
の単位面積、単位膜当りの濃度勾配による溶質の
透過定数を表す。 同様な方法でコポリマーの濃度を50重量%と
した製膜原液から100μのスペーサを用いて製膜
し膜厚93μ、含水率43%の透明な膜Bを得た。 さらに比較例として人工腎臓用ポリメエーメタ
クリレート膜C(アタクチツクPMMA5部とアイ
ソタクチツクPMMA1部を混合し、ジメチルスル
ホキシド溶液から同様な方法で得られた膜厚
106μ、含水率50%の透明膜)を用意した。 これらの膜の透過特性などを表1に示す。
【表】 すなわち、ポリエステル系半透膜は同程度の含
水率の場合には溶質の透過率が比較例にくらべよ
り良好となり、溶質の透過率を同程度とした場合
には強度が大きく、より薄い膜となり効率のよい
透析器を作り得ることを示している。 さらにポリエステル系半透膜は伸度が大きいた
め折り曲げにも強く、取扱い易さの面でもすぐれ
た半透膜である。 なお、いずれの膜もアルブミンの透過率は05%
以下であつた。 実施例 2 実施例1の膜Bを製膜する際、水中に10秒間入
れた後、膜を約3倍に延伸し再び水中に入れ膜厚
30μ、含水率41%の透明な膜Dが得られた。 さらに比較例として市販人工腎臓用セルロース
膜(“キユプロフアン”膜)E(膜厚24μ、含水率
42%)を用意した。 これらの膜の透過特性などを表2に示す。
【表】 すなわち、ポリエステル系半透膜は延伸するこ
とにより強度が大きい膜とすることが可能であつ
た。 なお、これらの膜のアルブミンの透過率05%以
下であつた。 実施例 3 酸成分としてテレフタル酸ジメチル(TPA)、
イソフタル酸ジメチル(IPA)、アジピン酸ジメ
チル(AA)を用い、ポリアルキレングリコール
として平均分子量4000のポリエチレングリコール
(PEG4000)を用い、ポリエチレングリコールの
添加量を変えて実施例1と同様な重合方法により
次の5種のコポリマ〜を得た。これらコポリ
マーの相対粘度および大略の組成を表3に示す。
【表】 これらコポリマー〜をそれぞれポリマー濃
度40重量%でジメチルスルホキシドに溶解させ、
実施例1と同様の方法で製膜し5種の膜F、G、
H、J、H、Kを得た。これらの膜の透過特性な
どを表4に示す。
【表】 実施例 4(参考例) 実施例3のコポリマー重合において、酸成分と
してテレフタル酸ジメチルのみを用い、ポリエチ
レングリコールの添加量を10〜35重量%とした5
種のコポリマ(相対粘度16〜24の範囲であつた)
を得た。 これらコポリマーを130℃の溶解温度でジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドンに対して
ポリマー濃度40%で溶解させることを試みたが製
膜に使いうる溶液を得ることはできなかつた。 実施例 5 酸成分としてテレフタル酸ジメチルおよび、ア
ジピン酸ジメチルを用い、ポリアルキレングリコ
ールとして平均分子量300〜20000の分子量が異な
る5種類のポリエチレングリコールを用いて実施
例1と同様な重合方法により次の5種のコポリマ
ー〜XIを得た。 これらコポリマーの相対粘度および大略の組成
を表5に示す。
【表】 これらコポリマー〜XIをそれぞれポリマー濃
度40重量%でジメチルスルホキシドに溶解させ、
実施例1と同様な方法で製膜し、5種の膜L、
M、N、O、Pを得た。 これらの膜の透過特性などを表6に示す。
【表】 実施例 6 酸成分としてテレフタル酸ジメチルおよびアジ
ピン酸ジメチル、さらに少量の5−スルホイソフ
タル酸ジメチルナトリウムを用い、ポリアルキレ
ングリコールとして平均分子量4000のポリエチレ
ングリコールを用いて実施例1と同様な重合方法
によりコポリマーXIIを得た。 得られたコポリマーXIIは相対粘度36を有し、大
略の組成はテレフタル酸成分70モル%、アジピン
酸成分28モル%、5−スルホイソフタル酸成分2
モル%、ポリエチレングリコール含有量は15重量
%であつた。 コポリマーXIIの溶液中のポリマー濃度が40重量
%になるようにジメチルスルホキシドに溶解させ
実施例1と同様な方法で製膜し、膜の厚さ105μ
の膜Qを得た。 この膜の透水性は4.2ml/hr・m2・mmHgであ
り、尿素P2は4.1×10-6cm2/secであつた。 また、この膜の強度は64Kg/cm2、伸度は460%、
含水率は46%であり、アルブミンの透過率は0.5
%以下であつた。 実施例 7 酸成分としてテレフタル酸ジメチルおよび、セ
バシン酸ジメチルを用い、ポリアルキレングルコ
ールとして平均分子量20000のポリエチレングリ
コールを用いて実施例1と同様な重合方法でコポ
リマーを得た。 コポリマーの相対粘度は30であり、大略の
組成はテレフタル酸成分65モル%、セバシン酸成
分35モル%、ポリエチレングルコール含有量は20
重量%であつた。 コポリマーをポリマー濃度40重量%になる
ようにジメチルスルホキシドに溶解させ実施例1
と同様な方法で製膜し、膜の厚さ81μの膜Rを得
た。 この膜の透水性は1.25ml/hr・m2・mmHgであ
り、尿素P2は3.8×10-6cm2/secであつた。 また、この膜の強度は52Kg/cm2、伸度は540%、
含水率は51%であり、アルムブミンの透過率は
0.5%以下であつた。 実施例 8 実施例1で調整したコポリマーの濃度を50重
量%とした製膜原液を用い、環状紡糸孔から口金
温度105℃で中空糸の内部にイソプロピルアルコ
ールを注入しながら紡糸し、ジメチルスルホキシ
ドを約10%含む水溶液からなる約5℃の凝固浴に
導き、中空糸を得た。 この中空糸の内径は約250μ、膜厚は約20μであ
つた。 この中空糸30本を有効長約12cmの小型ガラスケ
ーツに収納し、有効面積約28cm2の試験モジユール
を作製した。 この中空糸モジユールの透水性(UFR)は1.4
ml/m2・hr・mmHgであり、0.2%アルブミン水溶
液を25℃、50mmHgの加圧下に、入口での線速度
5cm/secで流した時の濾液中のアルブミンの透
過率は0.5%以下であり、濾過量(アルブミン液
でのUFR)は1.34ml/m2・hr・mmHgであつた。 実施例 9 実施例1で得られたポリエステル系膜Aの血液
適合性をみるため、血小板の付着量を測定した。 なお、比較例として実施例2で用いた“キユプ
ロフアン”膜Eおよびガラス板(パイレツクス
7740)を用い、それらを直径15mmの円形に切り抜
き、使用した。 ウサギの頚動脈から3.8%クエン酸ナトリウム
を加えて採取した新鮮血から遠心分離により多血
漿板血漿(PRP)および貧血漿板血漿(PPP)
を調整し、それぞれに膜を入れ、37℃で3時間浸
漬した後、リン酸緩衝液で洗浄し、3%グルタル
アルデヒド溶液で固定した。 これらの膜の電子顕微鏡観察と付着物を塩酸で
分解して得られたアミノ酸量から蛋白質量を換算
した。 膜Aには血小板がわずかに散見されるのみであ
り、PRPからPPPを差し引いた血小板由来蛋白
質量は2.0μg/cm2と少なかつた。 膜Eには血小板が全面に付着してみられ、蛋白
質量は14.2μg/cm2であつた。 ガラス板には血小板が全面に粘着し形成した形
で散在し、蛋白質量は7.4μg/cm2であつた。 実施例 10 実施例1で調整したコポリマーをジメチルホ
ルムアミドとテトラヒドロフランとを同重量混合
した溶媒に、ポリマ濃度10重量%として50℃で溶
解し、コーテングのための溶液を調整した。 この溶液に2cm×20cmのたんざく形の塩化ビニ
ールシート(血液バツク用)、ポリエチレンテレ
フタレートフイルム(東レ・ルミラー、膜厚
75μ)、ポリカーボネートシート(三菱ガス化
学・ユーピロン、厚さ0.5mmを短時間浸漬して引
上げる方法(デイツピング法)によるコーテイン
グした。 コーテイング厚さは、塩化ビニールの場合8ミ
クロン、ポリエチレンテレフタレートの場合約5
ミクロン、ポリカーボネートの場合約10ミクロン
であつた。 これらを乾燥窒素気流中に50℃で乾燥した後、
30%エチルアルコール水溶液中で6時間洗浄し、
さらに水で6時間洗浄し50℃で乾燥した。 この3種のコーテイングした素材の血小板の付
着量を実施例9と同じ方法で測定した。 なお、比較例としてコーテイングしない3種の
素材とガラス板を用いた。 結果を表7に示す。
【表】 すなわち、本発明ポリエステル系共重合体組成
物をコーテイングした表面には、血小板が全く見
られず、血栓の原因となる血小板の付着が抑制さ
れた。 実施例 11 実施例10で使用してコーテイング溶液で両端を
閉じた長さ30cm、外径2.5mmの軟質塩化ビニルチ
ユーブを実施例10と同様の方法でコーテイングし
た。 雑種成犬(約13Kg)2匹を用いて、麻酔下に右
股静脈を切開し、このコーテイングチユーブと比
較例としてのコーテイングしていない塩化ビニル
チユーブを切開部から下大静脈の右心房流入部近
傍にまで挿入し、5日間留置した後、脱血、開腹
して下大静脈を開き、チユーブ表面の血栓付着状
況を観察した。 比較例の未コーテイングチユーブには血栓が付
着し、本発明のコーテイングチユーブ表面には血
栓がほとんどみられなかつた。 さらに、血栓が付着していない部分を切出し、
アミノ酸分析により付着蛋白質量を測定したとこ
ろ、未コーテイングチユーブへの付着量は9.4μ
g/cm2であり、本発明のコーテイングチユーブへ
の付着量は0.4μg/cm2と、両者間に大きな差がみ
られた。すなわち、本発明ポリエステル系共重合
体組成物はコーテイングによつてもすぐれた抗血
栓性、生体適合性を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸および分子量250以下の低分子
    量グリコールを主成分とするポリエステル共重合
    体の酸成分の中に、テレフタル酸以外の酸成分を
    20〜50モル%含み、低分子量グリコール以外のグ
    リコール成分として数平均分子量が約3000〜
    60000のポリアルキレングルコールをポリマ全量
    に対して5〜40重量%含有するポルエステル系共
    重合体からなる抗血栓性医療材料。 2 低分子量グリコールがエチレングリコールで
    ある特許請求の範囲第1項記載の抗血栓性医療材
    料。 3 低分子量グリコールがエチレングリコールで
    あり、ポリアルキレングリコールの数平均分子量
    が約6000〜60000である特許請求の範囲第1項記
    載の抗血栓性医療材料。
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